JPH05313392A - アモルファスシリコン感光体の製造方法 - Google Patents

アモルファスシリコン感光体の製造方法

Info

Publication number
JPH05313392A
JPH05313392A JP11597392A JP11597392A JPH05313392A JP H05313392 A JPH05313392 A JP H05313392A JP 11597392 A JP11597392 A JP 11597392A JP 11597392 A JP11597392 A JP 11597392A JP H05313392 A JPH05313392 A JP H05313392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
gas
reaction furnace
photosensitive body
high frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11597392A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Maekawa
勉 前川
Akio Tsujita
明夫 辻田
Masanori Nakamura
正憲 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP11597392A priority Critical patent/JPH05313392A/ja
Publication of JPH05313392A publication Critical patent/JPH05313392A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、レーザビームプリンタある
いは複写機用感光体としての使用が期待されるa−Si
感光体の製造過程において、感光体表面に適度な凹凸を
作る工程を有し、高湿状態でも像流れを生じないa−S
i感光体を作製することである。 【構成】 a−Si感光体の製造過程において、成膜の
前処理として窒素プラズマ処理を行った後、a−Si膜
104を成膜することにより、感光体表面に適度な凹凸
[表面粗さ0.2〜0.4〔μm Rmax〕(L=
0.08〔mm〕)]が作れ、高湿状態でも画像流れの
生じないa−Si感光体が得られる。更に基板の凹凸は
a−Si膜の剥離防止に効果があり、生産性の向上(歩
留まりの低減)が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機およびレーザビー
ムプリンタに用いられるアモルファスシリコン感光体お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体としては、アモ
ルファスセレン(以下a−Seとする)、セレン−ヒ素
(以下Se−Asとする)、セレン−テルル(以下Se
−Teとする)系の無機系感光体、および有機系感光体
(以下OPCと記す)が用いられてきた。 a−Se感
光体はビッカース硬度が40kg/mm~2前後と小さ
い。またガラス転移点(以下Tgとする)が45℃付近
と低く、熱により結晶化しやすく、分光感度も短波長域
にある点から普通はAsやTeなどを添加して用いる。
Asの添加により、感度、Tg、硬度などが向上する。
As2Se3の組成ではTgは150℃以上となり結晶化
しにくく、かつ高感度となる。分光感度も長波長にのび
るが実用的には700nmまでで、He−Neレーザに
は適しているが半導体レーザには使用できない。Teの
添加によりバンドギャップが狭くなり長波長増感される
が、Te濃度の増加とともに暗減衰も大きく帯電能が低
下する。
【0003】一方OPCは長波長増感がしやすい、加工
性、量産性にすぐれ比較的安価である、無公害品のため
取扱いやすいなどの利点がある。その反面、耐久性に問
題があるため寿命が短く、安定性にも問題がある。
【0004】そこで近年、LBPあるいは複写機用感光
体としてアモルファスシリコン(以下a−Siと記す)
が注目されてきた。a−Siは、ビッカース硬度が15
00〜2000kg/mm~2と大きく、Tgも300℃
以上であり、長寿命化が可能である。また長波長域でも
分光感度が高いため、小型化、低価格化が可能な半導体
レーザとの組合せも可能である。
【0005】しかし、実際にa−Siを電子写真用感光
体に利用すると、長時間の使用で感光体表面の表面抵抗
が低下して印字画像が不鮮明になり、最後には印字不可
能になる。この現象は高湿状態において顕著に表れる。
この原因として、帯電、転写、除電の各工程のコロナ放
電において生成されるオゾンや窒素酸化物等が感光体表
面に付着し、表面の酸化が進んで親水性になることが考
えられる。特に感光体表面の凹凸が大きいと実際の表面
積も大きくなり、コロナ放電生成物の付着量が増加する
とともに、凹部に付着したコロナ放電生成物が除去され
にくくなるとされてきた。
【0006】従来上記のような印字品質の低下(画像流
れ)を防ぐ方法として、特開昭63−29759号公報
記載のように表面を微粒子を用いて研磨する表面処理方
法や特開昭64−86146号公報記載のように成膜工
程後に研磨と焼成を行う方法等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、コロ
ナ放電生成物による感光体表面の劣化を抑制するために
感光体表面の平滑化を図る試みがなされてきた。しか
し、こうした工程を新たに設けることはコスト高につな
がるため、あまり好ましい方法ではなかった。
【0008】従って本発明の目的は、成膜工程後に研磨
などの表面処理を実施しなくても、コロナ放電生成物に
よる感光体表面の劣化を抑制し、高湿状態でも画像流れ
の生じない感光体を作製することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、成膜の前処
理時に基板を窒素ガス雰囲気中でプラズマにさらし(以
下窒素プラズマと記す)、基板表面に適度の凹凸を作る
ことにより達成される。より詳しくは、高周波電力密度
0.31〜0.37Watt/cm2、真空度60〜6
5Pa、基板温度300〜350℃の条件下で30秒〜
3分の窒素プラズマ処理を実施することにより達成され
る。
【0010】窒素プラズマ処理条件が高周波電力密度
0.31Watt/cm2以下、真空度65Pa以上、
基板温度300℃以下または処理時間30秒以下では、
感光体表面の粗さが0.2〔μm Rmax〕(L=
0.08〔mm〕)以下となる。コロナ放電生成物によ
る感光体表面の劣化を抑制することはできるが、成膜前
の基板表面の自然酸化膜を完全に除去することができな
い。このため十分な膜の密着度が得られず、更に基板に
残った自然酸化膜が光照射により生成した光キャリアを
ブロックしてしまい、作製された感光体の光感度の低下
を招く。
【0011】窒素プラズマ処理条件が高周波電力密度
0.37Watt/cm2以上、真空度60Pa以下、
基板温度350℃以上または処理時間3分以上では、感
光体表面の粗さが0.4〔μm Rmax〕(L=0.
08〔mm〕)以上となる。このためコロナ放電生成物
による感光体表面の劣化を抑制できなくなり、長時間の
使用で鮮明な印字画像が得られなくなる。
【0012】
【作用】本発明は、上記成膜方法により表面が適度な粗
さのアモルファスシリコン感光体を作製し、コロナ放電
生成物による表面の劣化を防ぐためのものである。感光
体表面の粗さが0.2〜0.4〔μm Rmax〕(L
=0.08〔mm〕)であれば、印字を繰り返すと感光
体表面の凹部をトナー中の樹脂やワックス成分が埋め
る。この覆われた凹部はコロナ放電生成物による影響を
直接受けないので、ほとんど劣化しないか、あるいは劣
化したとしてもその劣化速度は非常に遅いと考えられ
る。
【0013】成膜前の窒素プラズマ処理は上記以外にも
次のような利点がある。まず、成膜前の基板上の自然酸
化膜を除去し、清浄な基板表面を得ることができる。更
に、基板への窒素イオンの適度な打ち込みにより、高帯
電能の感光体を作製できる。また本発明に大きな影響を
与える基板表面の適度な凹凸は、a−Si膜との密着性
を向上させ、膜の剥離防止にも効果がある。
【0014】
【実施例】以下本発明を図面に基づき具体的に説明す
る。
【0015】図1は本発明の製造方法によって成膜した
a−Si感光体の部分断面図であり、支持体5に原子数
層の窒素ドーピング領域100が形成され、その上に障
壁層101、光導電層102、表面保護層103からな
るa−Si膜104が堆積されている。
【0016】図2は本発明において使用したa−Si感
光体作製装置の概略側面断面図である。図示しない真空
ポンプにより排気バルブ7を通して排気を行い高真空状
態(例えば1×10~4Pa)に維持される反応炉4内
に、高周波電極2、a−Si膜が堆積される支持体5が
設置されている。前記高周波電極2は高周波電源1に接
続され、ガス吹出口6から導入される原料ガスをプラズ
マ状態にして前記支持体5にa−Si膜を堆積させるも
のである。また前記支持体5は設置された支持体ホルダ
8によって支持され、該支持体5の内側には支持体加熱
ヒータ3が設けられている。支持体5および支持体ホル
ダ8は回転導入器9により低速回転される。
【0017】図3は、本発明において使用した平行平板
型のa−Si感光体作製装置の概略側面断面図であり、
概要は図2とほとんど同じである。
【0018】〔実施例1〕図2において、厚さ6mm、
φ262×L430mm円筒形アルミニウム管(材質:
A3003H24材)からなる支持体5を、非鉄金属用
脱脂洗剤(ケミコート(株)製ケミコート NO.15
5:濃度3%液温50℃、Ph9.5)によって表面洗
浄し、更に純水によるすすぎ及び乾燥をした後、該支持
体5を支持体ホルダ8に固定する。この時支持体5も接
地電位と同電位であることを確認した。次に支持体加熱
ヒータ3によって支持体5を所定温度(350℃)に均
一に加熱すると共に排気バルブ7を開き、反応炉4を高
真空(1×10~4Pa)に排気する。反応炉4内の高真
空が実現された後、ガスボンベ元弁19、流出バルブ1
0を開きN2ガスを高周波電極2のガス吹出口6より反
応炉4に流入させる。ここで、N2ガスは高純度N2を使
用した。N2ガス流量をマスフロコントローラ15で1
000sccmとし、反応炉4内の真空度を60Paと
した状態で高周波電源1をオンし、高周波電極2と支持
体5との間に13.56MHzの高周波電力を1300
Watt印加し、高周波電極2と支持体5との間にN2
ガスによるグロー放電を3分間実施した。なお、このと
きの高周波電力密度(基板の単位面積当たりに印加され
る電力)は0.37Watt/cm2であった。この放
電により、高周波電極2や支持体5の表面の酸化物を除
去すると共に凹凸を作り、続いて以下の成膜を実施し
た。
【0019】表面の自然酸化物を除去した後、高周波電
源1をオンのまま、ガスボンベ元弁20、21、流出バ
ルブ12、13を開き、主原料ガスであるSiH4(水
素希釈SiH4:60%)とB26(水素希釈B
26:2000ppm)を高周波電極2のガス吹出口6
より反応炉4内に流入させた。排気バルブ7、マスフロ
コントローラ15、16、17により反応炉4内の真空
度を60Pa、ガス流量をSiH4:200sccm、
26:700sccm、N2:750sccmにし
た状態で、高周波電極2と支持体5との間に13.56
MHzの高周波電力を1200Watt印加した。基板
温度を350℃に維持した状態で前記条件のもと30分
間のグロー放電を実施し、支持体5上に障壁層101の
成膜を行った。この障壁層101は支持体5からの電子
の感光体への流入を防止する役割を果たす。
【0020】次に放電を中止することなく基板温度を2
60℃に降温し、流出バルブ11、13を閉じてN2
26の供給を停止した。排気バルブ7、マスフロコ
ントローラ15、高周波電源1により、反応炉4内の真
空度を60Pa、ガス流量をSiH4:1000scc
m、印加電圧を1200Wattに設定した。この条件
で315分の成膜を行い障壁層101の上に光導電層1
02を堆積させた。光導電層102は光を効率良く吸収
し光キャリアを発生させる役割を果たす。
【0021】更に放電を中止することなく基板温度を3
50℃に昇温し、流出バルブ11を開いてN2を再び供
給した。排気バルブ7、マスフロコントローラ15、1
6および高周波電源1により、反応炉4内の真空度を6
0Pa、ガス流量をSiH4:150sccm、N2:9
50sccm、印加電圧を1200Wattに設定し
た。この条件で15分の成膜を行い光導電層102の上
に表面保護層103を堆積させた。表面保護層103は
湿気やオゾンなどから光導電層102を保護する役割を
果たす。 上記方法によって障壁層101、光導電層1
02、表面保護層103からなるa−Si膜104を成
膜した後、高周波電源1をオフしグロー放電を停止させ
た。続いてガスボンベ元弁19、20、21、マスフロ
コントローラ15、16、17、流出バルブ11、1
2、13閉じにより原料ガスであるSiH4、B2
6、N2の反応炉4への供給を停止させた。支持体加熱
ヒータ3をオフするとともに、排気バルブ7、ガス導入
バルブ10、全流出バルブ11、12、13、14、全
マスフロコントローラ15、16、17、18を全開し
て反応炉4内の真空度を1×10~2Pa以下にした後、
全マスフロコントローラ15、16、17、18、全流
出バルブ11、12、13、14、ガス導入バルブ1
0、排気バルブ7を閉じた。次にガスボンベ元弁19、
流出バルブ11、ガス導入バルブ10を開き、流量を制
御しながら反応炉4内にN2ガスを導入した。反応炉4
内をN2ガスによって大気圧とし、支持体5の温度が1
00℃以下になった後、a−Si膜104を堆積させた
支持体5を反応炉4より取り出した。
【0022】上記の方法で作製したa−Si感光体を高
速レーザビームプリンタに装着させ、電子写真特性の評
価を行った。プリンタは15×11インチの連続紙で印
字速度が16000行/分であり、光源は光量が5mW
/cm2のHe−Neレーザである。測定の結果、初期
表面電位550V以上、残留電位20V以下の優れた特
性を有し、高濃度で階調再現性に優れた印字画像が得ら
れた。この時、触針式測定器で感光体表面の粗さを測定
した結果、0.4〔μm Rmax〕(L=0.08
〔mm〕)であった。
【0023】更に500万頁連続印字試験後も高温、高
湿の条件下で、初期状態と同等の電子写真特性と印字品
質を保っていた。なおこの時の感光体表面の粗さは感光
体表面の凹部がトナー中の樹脂やワックス成分で埋めら
れたことにより0.1〔μmRmax〕(L=0.08
〔mm〕)以下となり、劣化速度を抑制することが可能
となった。
【0024】〔実施例2〕実施例1と同様の方法で支持
体5を洗浄した後、前記支持体ホルダ8に固定した。
次に支持体加熱ヒータ3によって支持体5を所定温度
(300℃)に均一に加熱すると共に排気バルブ7を開
き、反応炉4を高真空(1×10~4Pa)に排気する。
反応炉4内の高真空が実現された後、ガスボンベ元弁1
9、流出バルブ10を開きN2ガスを高周波電極2のガ
ス吹出口6より反応炉4に流入させる。ここで、N2
スは高純度N2を使用した。N2ガス流量をマスフロコン
トローラ15で1000sccmとし、反応炉4内の真
空度を65Paとした状態で高周波電源1をオンし、高
周波電極2と支持体5との間に13.56MHzの高周
波電力を1100Watt印加し、高周波電極2と支持
体5との間にN2ガスによるグロー放電を30秒間実施
した。なお、このときの高周波電力密度は0.31Wa
tt/cm2であった。この放電により、高周波電極2
や支持体5の表面の酸化物を除去すると共に凹凸を作
り、続いて以下の成膜を実施した。
【0025】表面の自然酸化物を除去した後、高周波電
源1をオンのまま、ガスボンベ元弁20、21、流出バ
ルブ12、13を開き、主原料ガスであるSiH4(水
素希釈SiH4:60%)とB26(水素希釈B
26:2000ppm)を高周波電極2のガス吹出口6
より反応炉4内に流入させた。排気バルブ7、マスフロ
コントローラ15、16、17により反応炉4内の真空
度を60Pa、ガス流量をSiH4:200sccm、
26:700sccm、N2:750sccmにし
た状態で、高周波電極2と支持体5との間に13.56
MHzの高周波電力を1200Watt印加した。基板
温度を330℃に維持した状態で前記条件のもと30分
間のグロー放電を実施し、支持体5上に障壁層101の
成膜を行った。
【0026】次に放電を中止することなく基板温度を2
60℃に降温し、流出バルブ11、13を閉じてN2
26の供給を停止した。ここでガスボンベ元弁2
2、流出バルブ14を開き、B26(水素希釈B
26:10ppm)を供給した。排気バルブ7、マスフ
ロコントローラ16、18、高周波電源1により、反応
炉4内の真空度を60Pa、ガス流量をSiH4:10
00sccm、B26:600sccm、印加電圧を
1200Wattに設定した。この条件で315分の成
膜を行い障壁層101の上に光導電層102を堆積させ
た。
【0027】更に放電を中止することなく基板温度を3
50℃に昇温し、流出バルブ14を閉じてB26の供
給を停止するとともに流出バルブ11を開いてN2を再
び供給した。排気バルブ7、マスフロコントローラ1
5、16および高周波電源1により、反応炉4内の真空
度を60Pa、ガス流量をSiH4:150sccm、
2:950sccm、印加電圧を1200Wattに
設定した。この条件で15分の成膜を行い光導電層10
2の上に表面保護層103を堆積させた。
【0028】上記の障壁層101、光導電層102、表
面保護層103からなるa−Si膜104を成膜した
後、高周波電源1をオフしグロー放電を停止させた。続
いてガスボンベ元弁19、20、21、マスフロコント
ローラ15、16、17、流出バルブ11、12、13
閉じにより原料ガスであるSiH4、B26、N2の反
応炉4への供給を停止させた。支持体加熱ヒータ3をオ
フするとともに、排気バルブ7、ガス導入バルブ10、
全流出バルブ11、12、13、14、全マスフロコン
トローラ15、16、17、18を全開して反応炉4内
の真空度を1×10 ̄2Pa以下にした後、全マスフロ
コントローラ15、16、17、18、全流出バルブ1
1、12、13、14、ガス導入バルブ10、排気バル
ブ7を閉じた。次にガスボンベ元弁19、流出バルブ1
1、ガス導入バルブ10を開き、流量を制御しながら反
応炉4内にN2ガスを導入した。反応炉4内をN2ガスに
よって大気圧とし、支持体5の温度が100℃以下にな
った後、a−Si膜104を堆積させた支持体5を反応
炉4より取り出した。
【0029】上記の方法で作製したa−Si感光体を高
速レーザビームプリンタに装着させ、電子写真特性の評
価を行った。プリンタは15×11インチの連続紙で印
字速度が16000行/分であり、光源は光量が5mW
/cm2のHe−Neレーザである。測定の結果、初期
表面電位500V以上、残留電位10V以下の優れた特
性を有し、高濃度で階調再現性に優れた印字画像が得ら
れた。この時、触針式測定器で感光体表面の粗さを測定
した結果、0.2〔μm Rmax〕(L=0.08
〔mm〕)であった。
【0030】更に500万頁連続印字試験後も実施例と
同様に高温、高湿の条件下で、初期状態と同等の電子写
真特性と印字品質を保っていた。なおこの時の感光体表
面の粗さは0.2〔μm Rmax〕(L=0.08
〔mm〕)以下であった。
【0031】〔実施例3〕以下、本発明を図3の平行平
板型a−Si膜作製装置図を用いて説明する。
【0032】実施例1と同様の方法で洗浄した40×4
0×t6mmの支持体5を支持体ホルダ8に固定した。
この時、支持体5も接地電位と同電位であることを確認
した。
【0033】次に支持体加熱ヒータ3によって支持体5
を所定温度(350℃)に均一に加熱すると共に排気バ
ルブ7を開き、反応炉4を高真空(1×10~4Pa)に
排気する。反応炉4内の高真空が実現された後、ガスボ
ンベ元弁19、流出バルブ10を開きN2ガスを高周波
電極2のガス吹出口6より反応炉4に流入させる。ここ
で、N2ガスは高純度N2を使用した。N2ガス流量をマ
スフロコントローラ16で20sccmとし、反応炉4
内の真空度を60Paとした状態で高周波電源1をオン
し、高周波電極2と支持体5との間に13.56MHz
の高周波電力を60Watt印加し、高周波電極2と支
持体5との間にN2ガスによるグロー放電を30秒間実
施した。なお、このときの高周波電力密度は0.37W
att/cm2であった。この放電により、高周波電極
2や支持体5の表面の酸化物を除去すると共に凹凸を作
り、続いて以下の成膜を実施した。
【0034】表面の自然酸化物を除去した後、高周波電
源1をオンのまま、ガスボンベ元弁20、21、流出バ
ルブ12、13を開き、主原料ガスであるSiH4(水
素希釈SiH4:60%)とB26(水素希釈B
26:2000ppm)を高周波電極2のガス吹出口6
より反応炉4内に流入させた。排気バルブ7、マスフロ
コントローラ15、16、17により反応炉4内の真空
度を60Pa、ガス流量をSiH4:20sccm、B2
6:70sccm、N2:75sccmにした状態
で、高周波電極2と支持体5との間に13.56MHz
の高周波電力を120Watt印加した。基板温度を3
20℃に維持した状態で前記条件のもと30分間のグロ
ー放電を実施し、支持体5上に障壁層101の成膜を行
った。この障壁層101は支持体5からの電子の感光体
への流入を防止する役割を果たす。
【0035】次に放電を中止することなく基板温度を2
60℃に降温し、流出バルブ11、13を閉じてN2
26の供給を停止した。排気バルブ7、マスフロコ
ントローラ15、高周波電源1により、反応炉4内の真
空度を60Pa、ガス流量をSiH4:100scc
m、印加電圧を100Wattに設定した。この条件で
315分の成膜を行い障壁層101の上に光導電層10
2を堆積させた。
【0036】更に放電を中止することなく基板温度を3
30℃に昇温し、流出バルブ11を開いてN2を再び供
給した。排気バルブ7、マスフロコントローラ15、1
6および高周波電源1により、反応炉4内の真空度を6
0Pa、ガス流量をSiH4:15sccm、N2:10
0sccm、印加電圧を120Wattに設定した。こ
の条件で15分の成膜を行い光導電層102の上に表面
保護層103を堆積させた。
【0037】上記の障壁層101、光導電層102、表
面保護層103からなるa−Si膜104を成膜した
後、高周波電源1をオフしグロー放電を停止させた。続
いてガスボンベ元弁19、20、21、マスフロコント
ローラ15、16、17、流出バルブ11、12、13
閉じにより原料ガスであるSiH4、B26、N2の反
応炉4への供給を停止させた。支持体加熱ヒータ3をオ
フするとともに、排気バルブ7、ガス導入バルブ10、
全流出バルブ11、12、13、14、全マスフロコン
トローラ15、16、17、18を全開して反応炉4内
の真空度を1×10~2Pa以下にした後、全マスフロコ
ントローラ15、16、17、18、全流出バルブ1
1、12、13、14、ガス導入バルブ10、排気バル
ブ7を閉じる。次にガスボンベ元弁19、流出バルブ1
1、ガス導入バルブ10を開き、流量を制御しながら反
応炉4内にN2ガスを導入する。反応炉4内をN2ガスに
よって大気圧とし、支持体5の温度が100℃以下にな
った後、a−Si膜104を堆積させた支持体5を反応
炉4より取り出した。
【0038】上記の方法で作製したa−Si感光体を高
速レーザビームプリンタに装着させ、電子写真特性の評
価を行った。プリンタは15×11インチの連続紙で印
字速度が16000行/分であり、光源は光量が5mW
/cm2のHe−Neレーザである。測定の結果、初期
表面電位500V以上、残留電位20V以下の優れた特
性を有し、高濃度で階調再現性に優れた印字画像が得ら
れた。この時、触針式測定器で感光体表面の粗さを測定
した結果、0.4〔μm Rmax〕(L=0.08
〔mm〕)であった。
【0039】更に500万頁連続印字試験後も実施例と
同様に高温、高湿の条件下で、初期状態と同等の電子写
真特性と印字品質を保っていた。なおこの時の感光体表
面の粗さは0.2〔μm Rmax〕(L=0.08
〔mm〕)以下であった。
【0040】〔実施例4〕厚さ6mm、φ262×L4
30mm円筒形アルミニウム管(材質:A3003H2
4材)からなる支持体5を、非鉄金属用脱脂洗剤(ケミ
コート(株)製ケミコート NO.155:濃度3%液
温50℃、Ph9.5)によって表面洗浄し、更に純水
によるすすぎ及び乾燥をした後、該支持体5を支持体ホ
ルダ8に固定した。
【0041】次に支持体加熱ヒータ3によって支持体5
を所定温度(350℃)に均一に加熱すると共に排気バ
ルブ7を開き、反応炉4を高真空(1×10~4Pa)に
排気した。反応炉4内の高真空が実現された後、ガスボ
ンベ元弁19、流出バルブ10を開きN2ガスを高周波
電極2のガス吹出口6より反応炉4に流入させる。ここ
で、N2ガスは高純度N2ガスを使用した。N2ガス流量
をマスフロコントローラ15で1000sccmとし、
反応炉4内の真空度を60Paとした状態で高周波電源
1をオンし、高周波電極2と支持体5との間に13.5
6MHzの高周波電力を1300Watt印加し、高周
波電極2と支持体5との間にN2ガスによるグロー放電
を4分間実施した。なお、この時の高周波電力密度は
0.37Watt/cm2であった。この放電により、
高周波電極2や支持体5の表面の酸化物を除去すると共
に凹凸を作り、続いて以下の成膜を実施した。
【0042】基板表面の自然酸化膜を除去した後、高周
波電源1をオンのまま、ガスボンベ元弁20、21、流
出バルブ12、13を開き、主原料ガスであるSiH4
(水素希釈SiH4:60%)とB26(水素希釈B2
6:2000ppm)を高周波電極2のガス吹出口6
より反応炉4内に流入させた。排気バルブ7、マスフロ
コントローラ15、16、17により反応炉4内の真空
度を60Pa、ガス流量をSiH4:200sccm、
26:700sccm、N2:750sccmにし
た状態で、高周波電極2と支持体5との間に13.56
MHzの高周波電力を1200Watt印加した。基板
温度を330℃に維持した状態で前記条件のもと30分
間のグロー放電を実施し、支持体5上に障壁層101の
成膜を行った。
【0043】次に放電を中止することなく基板温度を2
60℃に降温し、流出バルブ11、13を閉じてN2
26の供給を停止した。ここでガスボンベ元弁2
2、流出バルブ14を開き、B26(水素希釈B
26:10ppm)を供給した。排気バルブ7、マスフ
ロコントローラ16、18、高周波電源1により、反応
炉4内の真空度を60Pa、ガス流量をSiH4:10
00sccm、B26:600sccm、印加電圧を
1200Wattに設定した。この条件で315分の成
膜を行い障壁層101の上に光導電層102を堆積させ
た。
【0044】更に放電を中止することなく基板温度を3
50℃に昇温し、流出バルブ14を閉じてB26の供
給を停止するとともに流出バルブ11を開いてN2を再
び供給した。排気バルブ7、マスフロコントローラ1
5、16および高周波電源1により、反応炉4内の真空
度を60Pa、ガス流量をSiH4:150sccm、
2:950sccm、印加電圧を1200Wattに
設定した。この条件で15分の成膜を行い光導電層10
2の上に表面保護層103を堆積させた。
【0045】上記した障壁層101、光導電層102、
表面保護層103からなるa−Si膜104を成膜した
後、高周波電源1をオフしグロー放電を停止させた。続
いてガスボンベ元弁19、20、21、マスフロコント
ローラ15、16、17、流出バルブ11、12、13
閉じにより原料ガスであるSiH4、B26、N2の反
応炉4への供給を停止させた。支持体加熱ヒータ3をオ
フするとともに、排気バルブ7、ガス導入バルブ10、
全流出バルブ11、12、13、14、全マスフロコン
トローラ15、16、17、18を全開して反応炉4内
の真空度を1×10~2Pa以下にした後、全マスフロコ
ントローラ15、16、17、18、全流出バルブ1
1、12、13、14、ガス導入バルブ10、排気バル
ブ7を閉じる。次にガスボンベ元弁19、流出バルブ1
1、ガス導入バルブ10を開き、流量を制御しながら反
応炉4内にN2ガスを導入する。反応炉4内をN2ガスに
よって大気圧とし、支持体5の温度が100℃以下にな
った後、a−Si膜104を堆積させた支持体5を反応
炉4より取り出した。
【0046】上記の方法で作製したa−Si感光体ドラ
ムを高速レーザビームプリンタに装着させ、電子写真特
性の評価を行った。プリンタは15×11インチの連続
紙で印字速度が16000行/分であり、光源は光量が
5mW/cm2のHe−Neレーザである。測定の結
果、初期表面電位550V以上、残留電位20V以下の
優れた特性を有し、良好な印字画像が得られた。この
時、触針式測定器で感光体表面の粗さを測定した結果、
0.5〔μm Rmax〕(L=0.08〔mm〕)で
あった。 更に500万頁連続印字試験を実施したとこ
ろ、画像流れが発生し、鮮明な印字画像が得られなかっ
た。またこの時の感光体表面の粗さは0.2〔μm R
max〕(L=0.08〔mm〕)以上であって、劣化
速度を抑制することができなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、N2プラズ
マ処理で基板表面に適度な凹凸が作れ、これに伴い成膜
後の感光体表面に適度な凹凸が作製できる。基板の適度
な凹凸はa−Si膜との密着性の向上すなわち膜の剥離
防止に効果があり、生産性の向上(歩留まりの低減)に
つながる。
【0048】またN2プラズマ処理では、支持体上に生
成された自然酸化膜を短時間で除去できるとともに、清
浄な基板上にa−Si膜を成膜できるので、基板/膜界
面部の不純物制御性向上による光感度の向上、及び製造
コストの低減が図れる。更に、窒素ドーピングによる暗
減衰、帯電能向上が図れる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって作製したa−Si感
光体の部分断面図である。
【図2】本発明において使用したa−Si感光体作製装
置の側面断面図である。
【図3】本発明において使用した平行平板型のa−Si
感光体作製装置の側面断面図である。
【符号の説明】
1は高周波電源、2は高周波電極、4は反応炉、5は支
持体、6はガス吹出口、10はガス導入バルブ、11〜
14は流出バルブ、15〜18はマスフロコントロー
ラ、19〜22はガスボンベ元弁である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素を母体とする非晶質材料からなる
    複数層を、SiH4、H2、N2、B26を原料ガスを用
    いてグロー放電により基板上に成膜するアモルファスシ
    リコン感光体において、成膜の前処理時に基板を窒素ガ
    ス雰囲気中でプラズマにさらして適度の凹凸を作製する
    ことを特徴とするアモルファスシリコン感光体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 感光体表面の粗さが0.2〜0.4〔μ
    m Rmax〕(L=0.08〔mm〕)であることを
    特徴とする請求項1に記載の製造方法によるアモルファ
    スシリコン感光体。
JP11597392A 1992-05-08 1992-05-08 アモルファスシリコン感光体の製造方法 Withdrawn JPH05313392A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11597392A JPH05313392A (ja) 1992-05-08 1992-05-08 アモルファスシリコン感光体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11597392A JPH05313392A (ja) 1992-05-08 1992-05-08 アモルファスシリコン感光体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05313392A true JPH05313392A (ja) 1993-11-26

Family

ID=14675715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11597392A Withdrawn JPH05313392A (ja) 1992-05-08 1992-05-08 アモルファスシリコン感光体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05313392A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6074895A (en) * 1997-09-23 2000-06-13 International Business Machines Corporation Method of forming a flip chip assembly
US7618759B2 (en) 2006-03-30 2009-11-17 Kyocera Corporation Electrophotographic photosensitive member, and image forming apparatus using same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6074895A (en) * 1997-09-23 2000-06-13 International Business Machines Corporation Method of forming a flip chip assembly
US6348738B1 (en) 1997-09-23 2002-02-19 International Business Machines Corporation Flip chip assembly
US7618759B2 (en) 2006-03-30 2009-11-17 Kyocera Corporation Electrophotographic photosensitive member, and image forming apparatus using same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5849446A (en) Light receiving member having a surface protective layer with a specific outermost surface and process for the production thereof
JPH0115867B2 (ja)
JPS6226459B2 (ja)
JPH06266138A (ja) 電子写真装置
US6280895B1 (en) Light-receiving member with outer layer made by alternatively forming and etching
JPH05313392A (ja) アモルファスシリコン感光体の製造方法
JP3236692B2 (ja) 電子写真感光体
JP2003107767A (ja) 電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法
US5670286A (en) Electrophotographic light receiving member having an outermost surface with a specific metal element-bearing region and a region substantially free of said metal element which are two-dimensionally distributed
JP2015007753A (ja) 電子写真感光体
JPS6183544A (ja) 電子写真感光体
JPH05232730A (ja) アモルファスシリコン感光体及びその製造方法
JPS61273551A (ja) 電子写真用感光体の製造方法
JP2008299255A (ja) 電子写真方法
JP3437299B2 (ja) 画像形成方法
JPS6216420B2 (ja)
JPH05232728A (ja) アモルファス・シリコン感光体
JP2020071276A (ja) 画像形成方法
JPH05150532A (ja) アモルフアスシリコン感光体の作製方法
JP2006189822A (ja) 電子写真感光体
JPH05232729A (ja) アモルファス・シリコン感光体
JPH01156758A (ja) 電子写真感光体
JPS6216419B2 (ja)
JP3113453B2 (ja) 電子写真感光体の製法
JP2004133399A (ja) 電子写真感光体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990803