JP2020071276A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特に高いスクリーン線数を用いる画像形成装置において、最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンからなる表面層を有する電子写真感光体の最表面状態が経時により変質・変化した場合、印刷品質が低下する課題があった。【解決手段】 非画像形成時に、前記電子写真感光体の作製日または最終使用日のうち、どちらか近い方までの日数を算出し、算出された日数を参照して、前期電子写真感光体に負電荷を与える改質工程を有することを特徴とする画像形成方法。【選択図】 図1
Description
本発明は、非画像形成時、電子写真感光体の状態に応じて、電子写真感光体に改質処理を実施する画像形成方法に関する。
近年、電子写真装置はデジタル露光の書き込み解像度が1200dpi、2400dpiと高解像度化されるにつれ、印刷分野でも利用されるようになってきている。印刷分野で使用される場合、プリント成果物が商品となるため、従来の電子写真装置に求められてきた印刷品質に比べて、より高いレベルが要求される。
プリント画質に影響を及ぼすパラメータの一つとしてスクリーン線数が挙げられる。スクリーン線数は、1インチ幅に含まれる網点数で定義され、スクリーン線数を高くする程、網点が見えにくくなるため、より滑らかな中間調表現が可能になる。したがって、スクリーン線数を高くすることは、高画質化に有利であるとされている。
また、印刷分野で使用される電子写真装置はプリントボリュームが大きいため、搭載される電子写真感光体は画像形成の繰り返しによって摩耗する。そのため、搭載される電子写真感光体は耐久性に優れていることが望ましい。
耐久性に優れた電子写真感光体として水素化アモルファスカーボンからなる表面保護層を有するアモルファスシリコン電子写真感光体が知られている。以降、アモルファスシリコン電子写真感光体を「a−Si感光体」とも表記する。
電子写真装置では、電子写真感光体を一様に帯電して、画像データに対応した露光を行って露光部の電荷をキャンセルし、電子写真感光体表面に電荷密度分布で潜像を形成する。この電荷密度分布を保持するためには電子写真感光体の表面抵抗を高く設定することが必要である。電子写真感光体の表面抵抗に影響を与えるものとしては、電子写真感光体表面自体の材質と電子写真感光体表面に付着した付着物が挙げられる。いずれの場合であっても、電位写真感光体の表面抵抗が低くなると、潜像として形成された電荷密度の分布が面方向に均一化して、画像ボケが生じ、解像力が低下する場合がある。このようなメカニズムで生じる画像ボケは、潜像形成時の空間周波数が高くなるほど影響を受けやすくなる。つまり、高画質化のためにスクリーン線数を高くするシステムでは、画像品質が、電子写真感光体の表面抵抗の影響を受け易くなると言える。
そこで電子写真装置の画像ボケの発生を抑制し、解像力を維持する方法が提案されている。たとえば特許文献1には以下のような技術が記載されている。
非画像形成時に、電子写真感光体の表面に印加する電圧もしくは電流を、画像形成時より一時的に高くすることで電子写真感光体の表面摩擦係数μを急激に上げて、クリーニングローラを研磨剤リッチにする。研磨剤リッチのクリーニングローラを用いて表面を研磨することで、必要最小限の量のトナーにより感光体表面に付着した放電生成物や水分を効率良く除去する。その結果、トナーを多量に消費してしまうことなく、かつ短時間で画像ボケの発生を抑制することができる。
特許文献1に記載の方法は電子写真感光体の表面に付着した付着物による影響で表面抵抗が低くなる場合には有効であった。
しかしながら、以下に示すような例では画像ボケの発生を抑制することが困難であった。
水素化アモルファスカーボンからなる表面保護層を有するa−Si感光体は、その材質より最表面の表面抵抗が低くなり易いが、最表面に酸化処理を施して表面抵抗を高めて使用することができる。
しかし、最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンからなる表面保護層を有するa−Si感光体を電子写真装置に搭載し、長期画像形成を行わなかった場合、最表面の酸素が脱離し、表面抵抗が低くなる場合があった。この場合に特許文献1に記載されている画像形成装置を用いても、最表面が研磨されるだけで、再度酸化処理が施されるわけではないので表面抵抗が低いままである。そのため、画像ボケの発生を抑制することが困難であった。
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであり、
特に高いスクリーン線数を用いる画像形成装置において、最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンからなる表面保護層を有する電子写真感光体の最表面状態が変質・変化した場合でも、印刷品質が低下しない画像形成方法を提案することを目的とする。
特に高いスクリーン線数を用いる画像形成装置において、最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンからなる表面保護層を有する電子写真感光体の最表面状態が変質・変化した場合でも、印刷品質が低下しない画像形成方法を提案することを目的とする。
本発明は、
最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンからなる表面層を有する電子写真感光体を一様に帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に潜像を形成する露光工程と、前記電子写真感光体に形成された潜像をトナーによって現像する現像工程と、前記電子写真感光体の表面上の転写残トナーをクリーニング手段で除去するクリーニング工程と、を有する画像形成方法において、
予め前記電子写真感光体の解像力と前記電子写真感光体が負電荷を与えられずに放置された時間との相関関係、及び負電荷を与えられずに放置された前記電子写真感光体の解像力と前記電子写真感光体に負電荷を与える時間の相関関係を算出しておき、
非画像形成時に、前記電子写真感光体の作製日または最終使用日のうち、どちらか近い方までの日数を算出し、算出された日数から前記電子写真感光体に負電荷を与える時間を参照して、前記電子写真感光体に負電荷を与える改質工程を有することを特徴とする画像形成方法である。
最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンからなる表面層を有する電子写真感光体を一様に帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に潜像を形成する露光工程と、前記電子写真感光体に形成された潜像をトナーによって現像する現像工程と、前記電子写真感光体の表面上の転写残トナーをクリーニング手段で除去するクリーニング工程と、を有する画像形成方法において、
予め前記電子写真感光体の解像力と前記電子写真感光体が負電荷を与えられずに放置された時間との相関関係、及び負電荷を与えられずに放置された前記電子写真感光体の解像力と前記電子写真感光体に負電荷を与える時間の相関関係を算出しておき、
非画像形成時に、前記電子写真感光体の作製日または最終使用日のうち、どちらか近い方までの日数を算出し、算出された日数から前記電子写真感光体に負電荷を与える時間を参照して、前記電子写真感光体に負電荷を与える改質工程を有することを特徴とする画像形成方法である。
特に高いスクリーン線数を用いる画像形成装置において、最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンからなる表面保護層を有する電子写真感光体の最表面状態が変質・変化した場合でも、印刷品質が低下しない画像形成方法を提案することができる。
前述したように水素化アモルファスカーボンからなる表面保護層を有するa−Si感光体は最表面の表面抵抗が低いものの、酸化処理を施して表面抵抗を高めることができる。
ところが感光体を画像形成装置に搭載した後に長期間画像形成が行われなかった場合、a−Si感光体最表面の酸素が脱離し、表面抵抗が低くなる場合があった。その結果、画像ボケが発生し、解像力が低下する場合があった。
そこで本発明者らは、鋭意検討を行った結果、長期間放置されたa−Si感光体最表面に画像形成装置内で再び酸化処理を施してやることで解像力の低下を抑制できることを見出した。
さらには、予め電子写真感光体の解像力と電子写真感光体が負電荷を与えられずに放置された時間との相関関係、及び負電荷を与えられずに放置された電子写真感光体の解像力と電子写真感光体に負電荷を与える時間の相関関係を算出しておく。そうすることで電子写真感光体が放置された時間さえわかれば、即座に改質処理を施す時間を導きだすことができ、電子写真感光体の解像力を向上させることができることを見出した。
以下に、図面に基づいて本発明の効果について説明する。
電子写真感光体が電荷を与えられず放置された時間と電子写真感光体の解像力には相関関係があり、その相関関係を予め算出しておく。例えば図1(a)に示すような関係となる。電子写真感光体を放置する環境は電子写真感光体を搭載する画像形成装置が使用される環境と近い環境とすることが好ましい。図1(a)では気温25℃、湿度40%とした。
また、負電荷を与えられず放置された電子写真感光体の解像力と電子写真感光体に負電荷を与える時間にも相関関係があり、その相関関係を予め算出しておく。例えば図1(b)に示すような関係となる。電子写真感光体に負電荷を与える際の帯電器の単位面積当たりの電流値は電子写真感光体を搭載する画像形成装置にて負電荷を与える際に使用する条件とすることが好ましい。図1(b)では0.1μA/cm2とした。
上記2つの相関関係を予め算出しておくことで、電子写真感光体が放置された時間さえわかれば、負電荷を与える改質処理を施す時間が即座に導きだされる。それにより、画像形成装置に電子写真感光体の解像力を検知する機構を追加しなくても、解像力の低下を抑制することができる。
例えば、図1(a)、(b)から電子写真感光体が放置された時間がA日だとわかれば、負電荷を与える改質処理を施す時間はC時間であることが即座にわかる。
もう少し具体的には、図1(a)から電子写真感光体が放置された時間がA日である場合の解像力低下分はBであることがわかり、図1(b)から解像力低下分Bを改善するためには負電荷を与える改質処理をC時間施せばいいことがわかる。
電子写真感光体が長期間放置されるパターンとしては大きく3つのパターンが考えられる。1つ目は、電子写真感光体を画像形成装置に搭載してから初期画像形成を行うまでに長期間経過するパターンがある。2つ目は、画像形成装置に搭載していた電子写真感光体を長期間放置された新たな電子写真感光体に交換してその新たな電子写真感光体の使用を開始するパターンがある。3つ目は、画像形成装置で画像形成を行う期間が長期間空いてしまうパターンがある。
上記の1つ目、2つ目のパターンに関しては解像力の低下と相関があるパラメータは電子写真感光体の作製日から画像形成を行うまでの日数となる。
一方、3つ目のパターンに関しては解像力の低下と相関があるパラメータは電子写真感光体10が搭載された電子写真装置の最終使用日から再び画像形成を行うまでの日数となる。
よって、電子写真感光体の作製日または最終使用日のうち、どちらか近い方までの日数を算出し、算出された日数を参照して、前述した相関関係から負電荷を与える改質処理を施す時間を導きだし、電子写真感光体に負電荷を与える改質処理を実施する。
どちらか近い方までの日数を算出して改質処理する時間を決めるのは、過剰な改質処理をすることを防止するためである。
それにより、長期間放置されたa−Si感光体でも解像力の低下を効率的に抑制することが可能となる。
長期間放置されたa−Si感光体最表面に画像形成装置内で再び酸化処理を施す方法としては大気中での負帯電のコロナ放電処理(以下、「負コロナ放電処理」とも呼ぶ」)が有効な方法であった。
大気中での負コロナ放電処理に関しては、負コロナ放電で生成される硝酸イオン等の酸化力の高い負イオンが、最表面領域の炭素原子のsp2結合のπ結合を解離させて、負イオンに含まれる酸素原子がエーテル構造やケトン構造を有する最表面領域を形成する。そうすることで、a−Si感光体の最表面領域を酸化させることができると考えられる。以下、a−Si感光体最表面に画像形成装置内で再び酸化処理を施す工程を、電子写真感光体に負電荷を与える改質工程とも呼ぶ。
次に、本発明に用いられる電子写真装置を図4(a)に示す。電子写真装置40は4色の画像形成部41Y、41M、41C、及び41Bkを有している。各画像形成部で形成されたトナー像は中間転写ベルト42上に転写される。転写されたトナー像は2次転写部43においてカセット44から搬送された記録材へ転写される。2次転写部43において記録材へと転写されずに中間転写ベルト42上に残留したトナーは不図示のベルトクリーナにより清掃される。トナー像が転写された記録材は定着装置45に搬送される。定着装置45によりトナーが定着された記録材は機外へと排出される。
画像形成部41の詳細を図4(b)に示す。電子写真感光体52が帯電装置51により帯電された後、レーザスキャナ46からの露光により電子写真感光体52上に静電潜像が形成される。現像装置47から供給されるトナーにより静電潜像が現像されてトナー像が形成される。電子写真感光体52上に現像されたトナー像は1次転写ローラ48により中間転写ベルト42へと転写される。中間転写ベルトへと転写されずに電子写真感光体52の表面上(電子写真感光体の表面上)に付着した転写残トナーはクリーニング装置49により除去される。最後に静電潜像を除去するために前露光装置50により除電光が電子写真感光体52に照射される。
非画像形成時に電子写真感光体52を回転させたまま、帯電装置51により電子写真感光体52に負電荷を与える。負電荷を与える時間は前述した方法で算出された時間とする。これにより、電子写真感光体52の最表面を再度酸化処理することで解像力の低下を抑制できる。
また、負電荷を与える際は、クリーニング装置49のうち電子写真感光体52に接しているクリーニング手段53を離間しておくことが好ましい。それにより、電子写真感光体52の最表面が研磨されることがなくなり、電子写真感光体52の最表面を再度酸化処理する時間を短縮できるので好ましい。
<本発明の電子写真感光体>
本発明に用いられる電子写真感光体の層構成について説明する。
本発明に用いられる電子写真感光体の層構成について説明する。
図2は、a−Si感光体の別の層構成を示す模式図である。基体201上に下部阻止層202、光導電層203、上部阻止層206、表面層204が順次積層されており、表面層204には最表面領域205が形成されている。この層構成は主に負帯電用のa−Si感光体に適用される。
(表面層)
本発明に適した電子写真感光体の表面層材料は、水素化アモルファスカーボンである。表面層を構成する水素化アモルファスカーボンの水素含有比率(炭素原子数と水素原子数の和に対する水素原子数)を0.40以下とすることによって、電子写真感光体に負イオンを与えた際に、負イオンが表面層を透過することを防止できる。
本発明に適した電子写真感光体の表面層材料は、水素化アモルファスカーボンである。表面層を構成する水素化アモルファスカーボンの水素含有比率(炭素原子数と水素原子数の和に対する水素原子数)を0.40以下とすることによって、電子写真感光体に負イオンを与えた際に、負イオンが表面層を透過することを防止できる。
これは、表面層の水素含有量を低減することによって、骨格原子となる炭素原子同士の結合が増え、骨格原子の密度が高まり、バリア性が向上するためと考えられる。
プラズマCVD法を用い、水素を含む非晶質炭素を形成する場合、水素含有比率は成膜条件パラメータによって調整が可能である。成膜条件パラメータとして、原料ガスの種類、原料ガス流量、高周波電力、反応圧力、基板温度等が挙げられる。検討の結果、水素含有比率を低下させる方向として、原料ガス流量を減らす方向、高周波電力を高くする方向、反応圧力を下げる方向、基板温度を高くする方向が、夫々望ましい方向であった。なお、バリア性という観点では何れの成膜パラメータも有効であったが、高周波電力および基板温度は表面層の光透過率を低下させやすい成膜パラメータでもあることが分かった。よって、低めの高周波電力および基板温度条件において、原料ガス流量および反応圧力を調整すると良い。
一方、表面層の水素含有比率を低減すると炭素原子同士の結合が増加するため、sp2結合比率が高くなりやすい。sp2結合比率が高くなる程グラファイト的な特性に近付くため、電気抵抗は低下しやすくなる。検討の結果、画像解像力に影響を与えるのは、表面層の最表面領域の表面抵抗であることが分かった。すなわち、表面層の最表面領域におけるsp2結合比率を0.50以下とすることによって、良好な画像解像力が得られる。
表面層の最表面領域のsp2結合比率を制御する方法として、最表面を改質する方法が挙げられる。
表面層の最表面領域を改質する方法は、プラズマ処理等が挙げられる。具体的方法として、酸素原子を含む処理ガスを用いたプラズマ処理では、最表面領域のsp2結合のπ結合を解離させて酸素原子を含む処理ガスに含まれる酸素原子がエーテル結合やケトンを形成することで、結果的にsp2結合比率が低下すると考えられる。なお、酸素原子を含む処理ガスとしては、酸素(O2)、オゾン(O3)、水蒸気(H2O)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、一酸化窒素(NO)、等が挙げられる。
また、大気圧下でのプラズマ処理としては、大気中での負コロナ放電処理が有効な方法である。
<本発明の電子写真感光体を製造するための製造装置および製造方法>
図3は、本発明の感光体を作製するための高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による電子写真感光体の堆積装置の一例を模式的に示した図である。
図3は、本発明の感光体を作製するための高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による電子写真感光体の堆積装置の一例を模式的に示した図である。
この堆積装置は、大別すると、反応容器3110を有する堆積装置3100、原料ガス供給装置3200、および、反応容器3110内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。
堆積装置3100中の反応容器3110内にはアースに接続された基体3112、基体加熱用ヒーター3113、および、原料ガス導入管3114が設置されている。さらにカソード電極3111には高周波マッチングボックス3115を介して高周波電源3120が接続されている。
原料ガス供給装置3200は、原料ガスボンベ3221〜3225を有する。更に、原料ガス供給装置は、バルブ3231〜3235、圧力調整器3261〜3265、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255およびマスフローコントローラ3211〜3215を有する。各原料ガスを封入したガスのボンベは補助バルブ3260を介して反応容器3110内の原料ガス導入管3114に接続されている。3116はガス配管であり、3117はリークバルブであり、3121は絶縁材料である。
次に、この装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。まず、あらかじめ脱脂洗浄した基体3112を反応容器3110に受け台3123を介して設置する。次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器3110内を排気する。真空計3119の表示を見ながら、反応容器3110内の圧力がたとえば1Pa以下の所定の圧力になったところで、基体加熱用ヒーター3113に電力を供給し、基体3112をたとえば50〜350℃の所定の温度に加熱する。このとき、ガス供給装置3200より、Ar、Heなどの不活性ガスを反応容器3110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。
次に、ガス供給装置3200より堆積膜形成に用いるガスを反応容器3110に供給する。すなわち、必要に応じてバルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を開き、マスフローコントローラ3211〜3215に流量設定を行う。各マスフローコントローラの流量が安定したところで、真空計3119の表示を見ながらメインバルブ3118を操作し、反応容器3110内の圧力が所望の圧力になるように調整する。
所望の圧力が得られたところで高周波電源3120より高周波電力を印加すると同時に高周波マッチングボックス3115を操作し、反応容器3110内にプラズマ放電を生起する。その後、速やかに高周波電力を所望の電力に調整し、堆積膜の形成を行う。
所定の堆積膜の形成が終わったところで、高周波電力の印加を停止し、バルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255、および、補助バルブ3260を閉じ、原料ガスの供給を終える。同時に、メインバルブ3118を全開にし、反応容器3110内を1Pa以下の圧力まで排気する。
以上で、堆積膜の形成を終えるが、複数の堆積膜を形成する場合、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すればよい。原料ガス流量や、圧力などを光導電層形成用の条件に一定の時間で変化させて、接合領域の形成を行うこともできる。
すべての堆積膜形成が終わったのち、メインバルブ3118を閉じ、反応容器3110内に不活性ガスを導入し大気圧に戻した後、基体3112を取り出す。
水素化アモルファスカーボン表面層の形成は、炭素原子供給用の原料ガスとしては、以下のものが挙げられる。
たとえば、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)、エチレン(C2H4)、アセチレン(C2H2)などのガスが、好適に使用できる。
〔実施例1および比較例1〕
本実施例および比較例では、図3のプラズマCVD装置を用いて、円筒状基体上に下記表1に示す条件で図2の層構成の負帯電用のa−Si感光体を2本作製し、表2に示す条件で最表面領域の酸化を行った。なお、円筒状基体として、直径84mm、長さ381mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム製の導電性基体を使用した。
a−Si感光体作製後、気温25℃、湿度40%の環境で100日間放置した。
その後、図4に示す画像形成装置に搭載し、後述する方法で解像力の評価を行った。
本実施例および比較例では、図3のプラズマCVD装置を用いて、円筒状基体上に下記表1に示す条件で図2の層構成の負帯電用のa−Si感光体を2本作製し、表2に示す条件で最表面領域の酸化を行った。なお、円筒状基体として、直径84mm、長さ381mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム製の導電性基体を使用した。
a−Si感光体作製後、気温25℃、湿度40%の環境で100日間放置した。
その後、図4に示す画像形成装置に搭載し、後述する方法で解像力の評価を行った。
ただし、実施例1では画像形成を行う前に負電荷を与える際の帯電器の単位面積当たりの電流値を0.1μA/cm2とし、15分間改質処理を行った。一方、比較例1では改質処理をせずに画像形成を行った。
また、最表面に改質処理を施す時間は以下のように導きだした。
図1(a)、(b)に示すように予めa−Si感光体の解像力とa−Si感光体が負電荷を与えられずに放置された時間との相関関係、及び負電荷を与えられずに放置されたa−Si感光体の解像力とa−Si感光体に負電荷を与える時間の相関関係を算出した。上記2つの相関関係からa−Si感光体が100日間放置された場合の改質処理時間は15分であることを導きだした。解像力の評価結果を表3に示す。
図1(a)、(b)に示すように予めa−Si感光体の解像力とa−Si感光体が負電荷を与えられずに放置された時間との相関関係、及び負電荷を与えられずに放置されたa−Si感光体の解像力とa−Si感光体に負電荷を与える時間の相関関係を算出した。上記2つの相関関係からa−Si感光体が100日間放置された場合の改質処理時間は15分であることを導きだした。解像力の評価結果を表3に示す。
(画像解像力の評価)
画像解像力の評価は、キヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「imagePRESS C65」(商品名)の改造機を用いて行った。改造機は、一次帯電および現像バイアスを外部電源から印加できる構成とした。本体に搭載されたもっとも高線数の230lpiの網点スクリーンを用いて、面積階調画像により出力画像の解像度を評価した。
画像解像力の評価は、キヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「imagePRESS C65」(商品名)の改造機を用いて行った。改造機は、一次帯電および現像バイアスを外部電源から印加できる構成とした。本体に搭載されたもっとも高線数の230lpiの網点スクリーンを用いて、面積階調画像により出力画像の解像度を評価した。
面積階調画像は、17段階に均等配分した階調データを用いた。このとき、最も濃い階調を16、最も薄い階調を0として各階調に番号を割り当て、階調段階とした。
得られた画像のうち、0〜8階調の各階調ごとに反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)により画像濃度を測定した。なお、反射濃度測定では各々の階調ごとに3枚の画像を出力し、それらの濃度の平均値を評価値とした。
こうして得られた評価値と階調段階との線形近似した時の決定係数R2値を算出し、0.98以上をA、0.96以上0.98未満をB、0.96未満をCとして評価した。B以上で本発明の効果が得られたと判定した。
表3から以下のことがわかる。
長期間放置されたa−Si感光体最表面に画像形成装置内で再び酸化処理を施してやることで解像力の低下を抑制できることを確認できた。
長期間放置されたa−Si感光体最表面に画像形成装置内で再び酸化処理を施してやることで解像力の低下を抑制できることを確認できた。
〔実施例2〕
a−Si感光体の最表面に改質処理を施す際に、図4に示す画像形成装置内のクリーニング装置49のうち電子写真感光体52に接しているクリーニング手段53を離間した状態で改質処理を施した。改質処理時間を10分に変更したこと以外は実施例1と同様にした。
a−Si感光体の最表面に改質処理を施す際に、図4に示す画像形成装置内のクリーニング装置49のうち電子写真感光体52に接しているクリーニング手段53を離間した状態で改質処理を施した。改質処理時間を10分に変更したこと以外は実施例1と同様にした。
解像力の評価結果を表4に示す。表4には比較のため、実施例1の結果も合わせて示す。
表4から以下のことがわかる。
改質処理を施す際にクリーニング手段を離間しておくことで、a−Si感光体の最表面が研磨されることがなくなり、a−Si感光体の最表面を再度酸化処理する時間を短縮できることを確認できた。
改質処理を施す際にクリーニング手段を離間しておくことで、a−Si感光体の最表面が研磨されることがなくなり、a−Si感光体の最表面を再度酸化処理する時間を短縮できることを確認できた。
Claims (2)
- 最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンからなる表面層を有する電子写真感光体を一様に帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に潜像を形成する露光工程と、前記電子写真感光体に形成された潜像をトナーによって現像する現像工程と、前記電子写真感光体の表面上の転写残トナーをクリーニング手段で除去するクリーニング工程と、を有する画像形成方法において、
予め前記電子写真感光体の解像力と前記電子写真感光体が負電荷を与えられずに放置された時間との相関関係、及び負電荷を与えられずに放置された前記電子写真感光体の解像力と前記電子写真感光体に負電荷を与える時間の相関関係を算出しておき、
非画像形成時に、前記電子写真感光体の作製日または最終使用日のうち、どちらか近い方までの日数を算出し、算出された日数から前記電子写真感光体に負電荷を与える時間を参照して、前記電子写真感光体に負電荷を与える改質工程を有することを特徴とする画像形成方法。 - 前記改質工程を、前記電子写真感光体の表面上の転写残トナーを除去するための前記クリーニング手段を前記電子写真感光体から離間した状態で実施することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
Priority Applications (1)
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JP2018203272A JP2020071276A (ja) | 2018-10-29 | 2018-10-29 | 画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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2018
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