JP2019015815A - 電子写真装置 - Google Patents

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高典 上野
水谷 匡希
Masaki Mizutani
匡希 水谷
岡村 竜次
Tatsuji Okamura
竜次 岡村
一成 大山
Kazunari Oyama
一成 大山
大脇 弘憲
Hironori Owaki
弘憲 大脇
阿部 幸裕
Yukihiro Abe
幸裕 阿部
純 大平
Jun Ohira
純 大平
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Abstract

【課題】逆帯電メモリーを抑制した電子写真装置を提供する。【解決手段】電子写真感光体1001を帯電する帯電手段1002と、静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像をトナー像として反転現像する現像手段1004と、トナー像を転写材に転写する転写手段1005と、電子写真感光体1001上の残留トナーを除去するクリーニング手段1007と、クリーニング後に残留電荷を除去する前露光手段1010とを有する電子写真装置において、クリーニング手段1007がクリーニングブレード1008を有し、クリーニングブレード1008は電子写真感光体と接触する部分に被覆層1009を備え、被覆層1009は非晶質炭素膜からなり、体積抵抗率が1.00×109Ω・cm以下であり、被覆層1009は電子写真感光体1001の帯電極性と同極性の電圧を印加され、又は電気的に接地されている。【選択図】図1

Description

本発明は電子写真装置に関する。
電子写真感光体(以下、感光体とも表記する。)を利用した電子写真装置としては、複写機、ファクシミリ装置、コンピュータの出力手段であるプリンターなどに広く利用されている。
このような電子写真装置は、その画質の良さや高速なプリントなどの特徴を有しているため注目を浴びている。
近年、電子写真装置の高速化およびフルカラー化が着実に進んでおり、これまで以上に安定して高画質を保つことが要求されている。
中でも画像メモリーの発生の有無は、出力画像の画質を直接左右するため重要である。
画像メモリーとは前回の電子写真プロセス工程で形成した画像の残像が次回の電子写真プロセス工程で現れてしまう現象である。このような画像メモリーの発生は写真のように中間調画像をコピーした場合、あるいはカラー画像をコピーした場合に特に電子写真画像の画質を大きく損なうものである。
特に反転現像を用いたシステムにおいては、転写帯電によって明部電位の極性が、帯電電位と逆転することで、再帯電時に、明部と暗部との電位差が生じ、逆帯電メモリーが生じることがある。
特許文献1においては帯電前に除電装置を設けることで逆帯電メモリーを抑制する技術が示されている。
特開2002−108154号公報
しかしながら従来の方法では、除電装置を設ける必要があるため、除電装置の設置スペースの確保が問題となることがある。特に高速機などでは帯電部材が大型化するため、除電装置の設置スペースの確保は難しい場合もある。また高速機においては耐久性の高い電子写真感光体が使用されることがあるが、耐久性の高い電子写真感光体を使用すると、逆帯電メモリーが発生しやすいことがある。このような高速機においても、スペースをとらずかつ逆帯電メモリーを抑制するシステムが求められている。
本発明の一態様によれば、電子写真感光体を帯電する帯電手段と、前記電子写真感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー像として反転現像する現像手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記電子写真感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段と、前記クリーニング手段によるクリーニング後に残留電荷を除去する前露光手段とを有する電子写真装置において、
前記クリーニング手段がクリーニングブレードを有し、
前記クリーニングブレードは前記電子写真感光体と接触する部分に被覆層を備え、
前記被覆層は非晶質炭素膜からなり、前記被覆層の体積抵抗率が1.00×10Ω・cm以下であり、前記被覆層は前記電子写真感光体の帯電極性と同極性の電圧を印加され、又は電気的に接地されている電子写真装置が提供される。
本発明によれば、電子写真感光体周りのスペースを新たに使わずに逆帯電メモリーの抑制が可能となる。
本発明に係る電子写真装置の画像形成プロセスの一例を示す概略図。 本発明に係る電子写真装置に使用できる電子写真感光体の層構成の一例を示す図。 本発明に係る電子写真装置に使用可能なクリーニングブレードの被覆層および電子写真感光体を作製する形成装置の概略図。 逆帯電メモリー評価に用いたチャートの模式図。
(電子写真装置)
図1は、本発明に係る電子写真装置の構成の一例を示す概略図である。以下、図1を用いて電子写真装置による画像形成プロセス(電子写真プロセス)を説明する。電子写真装置は、帯電手段と、潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段と、前露光手段とを有する。帯電手段は、電子写真感光体を帯電する。潜像形成手段は、電子写真感光体に静電潜像を形成する。現像手段は、静電潜像をトナー像として反転現像する。転写手段は、トナー像を転写材に転写する。クリーニング手段は、電子写真感光体上の残留トナーを除去する。前露光手段は、クリーニング手段によるクリーニング後に残留電荷を除去する。具体的には以下のとおりである。
回転駆動機構(不図示)により、円筒状の電子写真感光体1001が矢印1011の方向に回転される。電子写真感光体1001の表面(外周面)に対向する位置に配置された帯電器1002を有する帯電装置により、回転する電子写真感光体1001の表面が帯電される。その後、画像露光装置(不図示)により、電子写真感光体1001の表面に画像露光光1003が照射され、電子写真感光体1001の表面に静電潜像が形成される。その後、現像装置1004内のトナーにより、電子写真感光体1001の表面に形成された静電潜像が現像され、電子写真感光体1001の表面にトナー像が形成される。
このトナー像は感光体1001と中間転写ベルト1006とのニップ部を通過する過程で、一次転写バイアスが不図示のバイアス電源から一次転写ローラ1005に印加されることにより、中間転写ベルト1006の外周面に順次、中間転写される。一般的に転写電圧を大きくすると転写効率が上がるため、転写過程で感光体上に帯電極性とは逆極性の電荷が付与される場合がある。
トナー像が中間転写ベルト1006に転写された後も感光体1001の表面に残留しているトナー(転写残トナー)は、感光体1001の表面に接触配置されたクリーニングブレード1008を有するクリーニング装置1007によって除去される。
クリーニングブレード1008は感光体1001と接触する部分に被覆層1009を備える。被覆層1009は非晶質炭素膜からなる。被覆層1009は電圧が印加され、又は電気的に接地されている。その後、前露光装置1010により、電子写真感光体1001の表面に前露光光を照射し、電子写真感光体1001の表面を除電する。
以上のプロセスを繰り返すことで画像形成が連続的に行われる。
(クリーニングブレード)
本発明に係る電子写真装置に使用可能なクリーニングブレードの材質は、適度な弾性と硬度を有する材料であればいずれでもよい。一般的なものとして、例えば以下のものが挙げられる。ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、二トリルゴム、クロロプレンゴム等のエラストマー等。電子写真感光体と接触する部分には被覆層として非晶質炭素膜を有する。
クリーニングブレードに被覆する非晶質炭素膜の体積抵抗率を1.00×10Ω・cm以下にし、被覆層が電子写真感光体の帯電極性と同極性の電圧を印加され、又は電気的に接地されていることで本発明の効果が得られる。ここで、逆帯電メモリーの発生メカニズムは以下のように推察する。
電子写真プロセスにおいては、感光体に静電潜像が形成され、形成された潜像はトナーによってトナー像として現像される。形成されたトナー像は、一次転写ローラにより電圧が印加され、中間転写ベルトに転写される。
上記のような電子写真プロセスにおいて、反転現像方式の場合、一次転写ローラにより、帯電極性とは逆極性の電界が印加され、感光体上にも帯電極性とは逆極性の電荷が付与される場合がある。電子写真感光体に帯電極性とは逆極性の電荷が付与されると、マイナス帯電用感光体の場合、暗部においては帯電電荷と結合して、正電荷は概ね消去される。一方、明部においては帯電電荷が光照射ですでに消去されているために、正電荷が保持されてしまう場合がある。このとき、感光体表面に帯電した正電荷を消去するために基体側から負電荷が注入してきて再結合する必要があるが、これには時間がかかるため、一部の正電荷は残留することになる。
このため次の工程で帯電を行った時に、残留した正電荷分だけ明部の電位と暗部の電位差が生じ、逆帯電メモリーが生じてしまうと考えられる。
本発明において、例えば負帯電用電子写真感光体を用いて、クリーニングブレードの被覆層に電圧を印加、又は被覆層を電気的に接地した場合には、電子写真感光体の明部に生じた正電荷が被覆層を通して減少する方向に動く。このため、次の帯電工程時の明部、暗部の電位差が軽減され、逆極性メモリーが軽減されると考える。
また、被覆層に印加する電圧の値しだいでは、明部が負に帯電する場合もあるが、電子写真感光体上の負電荷は前露光によって除去することが可能であるため逆極性メモリーは軽減されると考える。
また、被覆する非晶質炭素の膜中の水素原子と炭素原子の原子比H/(H+C)値は、クリーニングブレードが電子写真感光体と接触することにともなう変形に対する高い追従性が得られるという観点から0.30以上0.40以下であることが好ましい。ここで追従性とは変形による力で、被覆層にクラックなどの発生のしにくさを意味する。H/(H+C)が0.30以上0.40以下においては被覆層のsp性と結合力が向上する傾向にあるため、柔軟性と強度とのバランスがよくなり追従性がよくなると考えられる。
被覆層の形成方法として、後述のRFプラズマCVD方が好適に用いることができる。また被覆層の原料ガスとしては、メタン(CH)やアセチレン(C)などの炭化水素ガスが好適に用いることができる。
(電子写真感光体)
電子写真感光体としてはアモルファスシリコン感光体や、有機感光体を用いることが可能であるが、アモルファスシリコン感光体の方が逆帯電メモリーが顕在化しやすいため本発明の効果が得られやすい。なお、アモルファスシリコンを、以下「a−Si」とも表記する。a−Si感光体は有機感光体に比べて単位面積当たりの静電容量が大きいため、感光体表面電位を大きくしづらいことがある。そのため十分な現像コントラスを確保するために、明部電位が比較的低く設定されることがあるため、転写帯電によって明部が逆極性に反転しやすくなる。
図2は、本発明に係る電子写真装置に搭載可能なa−Si感光体の層構成の一例を示す図である。図2中、円筒状の基体2001の上に、基体2001から光導電層2003への電荷の注入を阻止するために下部阻止層2002が設けられており、その上に光導電層2003、上部阻止層2004、および表面層2005がこの順に設けられている。
(表面層)
表面層2005は、連続繰り返し使用に対する耐性、耐湿性、使用環境耐性などに関して良好な特性を得るために設けられている。また、電気特性に関しては帯電極性の電荷は保持し、逆極性の電荷は通す整流性を有していることが好ましい。
表面層2005には、例えば、アモルファスシリコンカーバイド系やアモルファスカーボン系の材料が用いられる。また電子写真感光体の耐久性をあげるためには、表面層の膜厚を大きくすることが有効である。しかし表面層を厚くした場合には、表面層の抵抗が高くなり、逆極性電荷が再結合によって緩和する時間が長くなるため、逆極性メモリーが顕著に表れることがある。
(光導電層)
光導電層2003は、電子写真特性上の性能を満足できる光導電特性を有するものであればいずれのものであってもよいが、耐久性、安定性の観点から、a−Siが好ましい。
光導電層2003としてa−Siで構成された光導電層を用いる場合は、a−Si中の未結合手を補償するため、水素原子に加えて、ハロゲン原子を含有させることができる。
水素原子(H)およびハロゲン原子(X)の含有量の合計(H+X)は、ケイ素原子(Si)、水素原子(H)およびハロゲン原子(X)の含有量の合計(Si+H+X)に対して10原子%以上であることが好ましく、15原子%以上であることがより好ましい。一方、30原子%以下であることが好ましく、25原子%以下であることがより好ましい。
光導電層2003には必要に応じて伝導性を制御するための原子を含有させてもよい。伝導性を制御するための原子は、光導電層中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよいし、また、層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
伝導性を制御するための原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができる。すなわち、p型伝導性を与える周期表13族に属する原子またはn型伝導性を与える周期表15族に属する原子を用いることができる。周期表13族に属する原子の中でも、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子が好ましい。周期表15族に属する原子の中でも、リン原子、ヒ素原子が好ましい。
光導電層2003の伝導性を制御するための原子の含有量は、ケイ素原子(Si)に対して1×10−2原子ppm以上、1×10原子ppm以下であることが好ましい。
光導電層2003の層厚は、所望の電子写真特性が得られること、経済的効果などの点から、15μm以上60μm以下であることが好ましい。
なお、光導電層は、単一の層で構成されてもよいし、複数の層(たとえば、電荷発生層と電荷輸送層)で構成されてもよい。
光導電層の形成は、ケイ素原子供給用の原料ガスとしては、たとえば、シラン(SiH)、ジシラン(Si)などのシラン類が好適に使用できる。また、水素原子供給用の原料ガスとしては、上記シラン類に加えて、たとえば、水素(H)も好適に使用できる。
また、上述のハロゲン原子、伝導性を制御するための原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子など光導電層を含有させる場合には、それぞれの原子を含むガス状または容易にガス化しうる物質を材料として適宜使用すればよい。
(下部阻止層)
本発明においては、基体2001と光導電層2003との間に基体側からの電荷の注入を阻止する働きを有する下部阻止層2002を設けることが好ましい。下部阻止層2002は、電子写真感光体の表面が一定極性の帯電処理を受けた際、基体から光導電層への電荷の注入を阻止する機能を有する層である。このような機能を付与するために、下部阻止層2002は、光導電層2003を構成する材料をベースとしたうえで、伝導性を制御するための原子を光導電層に比べて比較的多く含有させる。
伝導性を制御するために下部阻止層2002に含有させる原子は、下部阻止層中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよいし、また、層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、基体側に多く分布するように含有させるのが好適である。層厚方向に均一又は不均一、いずれの場合においても、伝導性を制御するための原子が基体の表面に対して平行面内方向においては均一な分布で下部阻止層に含有されることが、特性の均一化を図る上からも好ましい。
伝導性を制御するために下部阻止層に含有させる原子としては、帯電極性に応じて周期表13族または15族に属する原子を用いることができる。
さらに、下部阻止層2002には、炭素原子、窒素原子および酸素原子のうち少なくとも1種の原子を含有させることにより、下部阻止層と基体との間の密着性を向上させることができる。密着性を向上させるために下部阻止層に含有される炭素原子、窒素原子および酸素原子のうち少なくとも1種の原子は、下部阻止層中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよい。また、基体の表面に対して平行面内方向においては均一に含有されてはいるが、層厚方向には不均一に分布する状態で含有されている部分があってもよい。いずれの場合にも、伝導性を制御するための原子が基体の表面に対して平行面内方向において均一な分布で下部阻止層に含有されることが、特性の均一化を図る上からも好ましい。
下部阻止層2002の層厚は、所望の電子写真特性が得られること、経済的効果などの点から、0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることがより好ましい。層厚を0.1μm以上にすることにより、基体からの電荷注入阻止能を十分に有することができ、好ましい帯電能を得ることができる。一方、5μm以下にすることにより、下部阻止層形成時間の延長に起因する製造コストの増加を防ぐことができる。
(基体)
基体2001は、基体2001の上に形成される光導電層2003および表面層2005を保持しうるものであればよく、導電性を有するもの(導電性基体)が好ましい。
基体の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンやこれらの合金を用いることができる。中でも加工性や製造コストを考慮するとアルミニウムが優れており、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金のいずれかに統一して用いることが好ましい。
本発明においてa−Si感光体とは上記のごとく光導電層がa−Siを用いたものを指す。すなわち、上記例示の層構成のほか、適宜層構成を変更したものや、表面層の材料を変更したものも含むものとする。
(本発明に係る電子写真装置に使用できるクリーニングブレードの被覆層、および電子写真感光体を形成するための形成装置および形成方法)
図3は、本発明に係る電子写真装置に使用できるクリーニングブレードの被覆層および電子写真感光体を形成するための高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による形成装置の一例を模式的に示した図である。
この装置は大別すると、反応容器3110を有する堆積装置3100、原料ガス供給装置3200、および、反応容器3110内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置3100中の反応容器3110内にはアースに接続された導電性基体3112、導電性基体加熱用ヒーター3113、および、原料ガス導入管3114が設置されている。さらにカソード電極3111には高周波マッチングボックス3115を介して高周波電源3120が接続されている。
原料ガス供給装置3200は、SiH,H,CH,NO,B等の原料ガスボンベ3221〜3225、バルブ3231〜3235、圧力調整器3261〜3265、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255およびマスフローコントローラ3211〜3215から構成されている。各原料ガスを封入したガスのボンベは補助バルブ3260を介して反応容器3110内の原料ガス導入管3114に接続されている。
次にこの装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。まず、あらかじめ脱脂洗浄した導電性基体3112を反応容器3110に受け台3123を介して設置する。クリーニングブレードの被覆層を形成する場合は、クリーニングブレードを固定できる導電性基体3112を用いる。次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器3110内を排気する。真空計3119の表示を見ながら、反応容器3110内の圧力がたとえば1Pa以下の所定の圧力になったところで、基体加熱用ヒーター3113に電力を供給し、導電性基体3112を例えば25℃から350℃の所望の温度に加熱する。このとき、ガス供給装置3200より、Ar、He等の不活性ガスを反応容器3110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。
次に、ガス供給装置3200より堆積膜形成に用いるガスを反応容器3110に供給する。すなわち、必要に応じバルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を開き、マスフローコントローラ3211〜3215に流量設定を行う。各マスフローコントローラの流量が安定したところで、真空計3119の表示を見ながらメインバルブ3118を操作し、反応容器3110内の圧力が所望の圧力になるように調整する。所望の圧力が得られたところで高周波電源3120より高周波電力を印加すると同時に高周波マッチングボックス3115を操作し、反応容器3110内にプラズマ放電を生起する。その後、速やかに高周波電力を所望の電力に調整し、堆積膜の形成を行う。所定の堆積膜の形成が終わったところで、高周波電力の印加を停止し、バルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255、および補助バルブ3260を閉じ、原料ガスの供給を終える。同時に、メインバルブ3118を全開にし、反応容器3110内を1Pa以下の圧力まで排気する。
以上で、堆積層の形成を終えるが、複数の堆積層を形成する場合、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すれば良い。原料ガス流量や、圧力等を光導電層形成用の条件に一定の時間で変化させて、接合領域の形成を行うこともできる。
すべての堆積膜形成が終わったのち、メインバルブ3118を閉じ、リークバルブ3117を開いて、反応容器3110内に不活性ガスを導入し大気圧に戻した後、導電性基体3112を取り出す。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
〔実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−2〕
(クリーニングブレードの被覆層の形成)
クリーニングブレードの材料としてウレタンゴムからなる弾性ブレードを用いた。円筒状の基体として長さ381mm、厚さ3mm、外径84mmのアルミニウム製のサンプルホルダーを用意した。クリーニングブレードをサンプルホルダーに固定し、図3に示す形成装置を用いて表1の条件で実施例1−1、1−2、1−3、比較例1−2として、被覆層を形成した。被覆層を形成したクリーニングブレードはそれぞれの条件に対して2つずつ用意した。
(電子写真感光体の形成)
円筒状の基体として長さ381mm、厚さ3mm、外径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダーを準備した。その外周面上に、図3に示した形成装置を用い、表2に示した条件で、下部阻止層、光導電層、上部阻止層、表面層を順次形成し、負帯電用電子写真感光体を用意した。表面層は膜厚を厚くし、逆帯電メモリーには不利な条件とした。
実施例1−1〜1−3および比較例1−2のそれぞれにおいて被覆層を形成した2つのクリーニングブレードのうちの1つを分析用試料とし、被覆層の体積抵抗率を後述の分析方法により求めた。
一方、実施例1−1〜1−3および比較例1−2の各形成条件において被覆層を形成した残りの1本のクリーニングブレードと作製した電子写真感光体を用いて、後述の評価条件にて逆帯電メモリーの評価を行った。
比較例1−1においてはクリーニングブレードに被覆層を形成していないものについて逆帯電メモリーの評価を行った。
実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−2の結果を表3に示す。
(被覆層の体積抵抗率の算出)
分析用試料をアルバック(株)製の真空蒸着機(MODEL:EX―400−D6)で櫛形マスクを用いてクロムメッキを施し電極を設けた。蒸着後の試料をHewlettPackard製の電源(MODEL:4140)と試験機(MODEL:Test Fixture 16055A)を用いて、測定される電流値と電圧の傾きから抵抗を求めた。またケーエルエー・テンコール社製の膜厚測定器(MODEL:αステップ500)で被覆層の膜厚を測定し、求めた抵抗値と膜厚から体積抵抗率を算出した。
(逆帯電メモリーの評価)
逆帯電メモリーの評価は、キヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「image RUNNER ADVANCE C7065」(商品名)の改造機を用いた。改造機は、一次帯電および現像バイアスを外部電源から印加できる構成とした。またクリーニングブレードの被覆層についても外部電源より電圧を印加、又は電気的に接地できる構成とした。
暗部電位は−450V、明部電位は−100Vとし、現像バイアスは−300Vとした。また、転写電流は50μAに設定し逆帯電メモリーが起こりやすい条件とした。また、クリーニングブレードの被覆層は0Vに接地する構成とした。プロセススピードは500mm/秒とした。
また、画像データは、プリンタードライバーを介さずに直接出力可能な構成とし、図4に示すA3のテストチャートを使用した。このテストチャートは、画像の先端側にベタ白とベタ黒の繰り返しパターンがあり、その後、600dpiの1ドット1スペースの面積比率25%のハーフトーンで形成されている。感光体の1周目でベタ白ベタ黒の画像を形成した感光体部の2周目に対応するハーフトーン部の画像濃度を反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)により測定した。具体的にはベタ黒画像部に対応する5点の平均濃度とベタ白画像部に対応する5点の平均濃度の差を求めた。
この評価において、比較例1−1の濃度差を1とした時の相対値を評価値とした。評価値は数値が小さいほど良好である、つまり逆帯電メモリーが発生しにくい、ことを示す。評価値が0.7未満で本発明の効果があらわれていると判断した。
本実施例および比較例より被覆層の体積抵抗率を1.00×10Ω・cm以下にすることで本発明の効果が得られていることがわかる。体積抵抗率が1.00×10Ω・cm以下になることで逆極性電荷が被覆層を通して移動しやすくなり、明部と暗部の電位差が低減したためだと考えられる。
〔実施例2〕
実施例2においては実施例1−1で使用したクリーニングブレードを用い、被覆層にTrek製外部電源(MODEL:610C)より電圧を印加し、印加する電圧を変化させた。それ以外は実施例1と同様の構成で評価を行った。結果を表4に示す。
実施例1−1、実施例2−1〜2−3より被覆層に印加する電圧が高い方が本発明の効果をより得られていることがわかる。電圧が高いほど逆帯電電荷が緩和されるためだと考えられる。また印加する電圧は表面層の膜厚や転写帯電の設定によって適宜調節すればよい。
〔実施例3〕
実施例3においては表5に示す条件で図3に示す形成装置を用いて被覆層を形成したクリーニングブレードをそれぞれ2つ用意した。
実施例3においては被覆層の形成条件を調節することで被覆層の体積抵抗率を維持しながら、被覆層中の水素原子の原子数(H)と炭素原子の原子数(C)との和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(H+C))を変化させた。被覆層に印加する電圧は−100Vとした。作製したクリーニングブレードの1つについて体積抵抗率と後述のH/(H+C)の分析試料として使用し、もうひとつについて逆帯電メモリーの評価と後述の追従性の評価を行った。それ以外は実施例1と同様の構成にし、同様の評価を行った。結果を表6に示す。
(被覆層のH/(H+C)の測定)
分析用試料をRBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、RBSの測定面積における被覆層中の炭素原子の原子数を測定した。
RBSと同時に、上記測定用試料をHFS(水素前方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、HFSの測定面積における被覆層中の水素原子の原子数を測定した。HFSの測定面積から求めた水素原子の原子数と、RBSの測定面積から求めた炭素原子の原子数により、H/(C+H)の値を求めた。
RBSおよびHFSの具体的な測定条件は、入射イオン:4He、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:35nA、入射ビーム経:1mmである。また、RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mmとし、HFSの検出器は、反跳角:30°、アパーチャ径:8mm+Slitとして測定を行った。
(被覆層追従性の評価)
表5に示す条件において被覆層を形成したクリーニングブレードと、表2に示す条件で作製した電子写真感光体とを前述の画像形成装置に設置して評価を行った。前述の画像形成装置において、ベタ白画像を1,000枚出力し、出力後のクリーニングブレードの被覆層表面のクラックの有無を光学顕微鏡(50倍)を用いて評価した。1mm×1mmの面積内にクラックが発生している箇所の個数を数えた。この評価において、以下の基準で評価を行った。
A…クラックが観察されない
B…クラックが数か所観察されるが実用上問題なし
C…クラックが数十か所観察される
クラックの数が少ないほどクリーニングブレードの変形に対する追従性が高いと判断した。
表6に示すように、実施例3−1〜3−5においては体積抵抗率が0.10×10Ω・cm以下であるため逆帯電メモリーがより発生しにくい。またH/(H+C)の値が0.30以上0.40以下において追従性がよい結果となっていることが分かる。長期利用をする場合、クラックに起因する被覆層のハガレやクリーニング性を考えるとH/(H+C)の値が0.30以上0.40以下であることがより好ましい。
1001‥‥電子写真感光体
1002‥‥帯電器
1003‥‥画像露光光
1004‥‥現像装置
1005‥‥一次転写ローラ
1006‥‥中間転写ベルト
1007‥‥クリーニング装置
1008‥‥クリーニングブレード
1009‥‥被覆層
1010‥‥前露光装置

Claims (3)

  1. 電子写真感光体を帯電する帯電手段と、前記電子写真感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー像として反転現像する現像手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記電子写真感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段と、前記クリーニング手段によるクリーニング後に残留電荷を除去する前露光手段とを有する電子写真装置において、
    前記クリーニング手段がクリーニングブレードを有し、
    前記クリーニングブレードは前記電子写真感光体と接触する部分に被覆層を備え、
    前記被覆層は非晶質炭素膜からなり、前記被覆層の体積抵抗率が1.00×10Ω・cm以下であり、前記被覆層は前記電子写真感光体の帯電極性と同極性の電圧を印加され、又は電気的に接地されていることを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記被覆層において水素原子の原子数(H)と炭素原子の原子数(C)との和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(H+C))が0.30以上0.40以下である請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 前記電子写真感光体はアモルファスシリコン感光体である請求項1又は2に記載の電子写真装置。
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