JP2020122840A - 電子写真装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子写真感光体の表面状態が変化することによって電子写真感光体の解像力が低下し、印刷品質が低下する課題があった。【解決手段】 非画像形成時に、前記電子写真感光体の表面に形成された潜像の電位分布に対して、電位センサの検出部で発生する誘導電流を検出し計算解析することにより前記電位分布の変化を測定し、前記電位分布の変化が予め定められた基準値を満たしているかを判定し、前記電位分布の変化が前記基準値を満たしていない場合に、前記電子写真感光体の表面に負電荷を与えて、前記電子写真感光体の最表面を酸化処理する。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体の表面状態を検知し、必要に応じて電子写真感光体に表面処理を施す電子写真装置の制御方法に関する。
近年、電子写真装置はデジタル露光の書き込み解像度が、1200dpi、2400dpiと高度化されるにつれ、印刷分野でも利用されるようになってきた。印刷分野で使用される場合、プリント成果物が商品となるため、従来の電子写真方式に求められてきた印刷品質に比べて、印刷分野における電子写真装置は、より高い印刷品質が要求される。
プリント画質に影響を及ぼす一つのパラメータとして、スクリーン線数が挙げられる。スクリーン線数は1インチ幅に含まれる網点数で定義され、スクリーン線数を高くする程、網点が見えにくくなるため、より滑らかな中間調表現が可能となり、スクリーン線数を高くすることは、高画質化に有利とされている。
デジタル方式の電子写真の潜像は、電子写真感光体を一様に帯電して、画像データに対応した露光を行って露光部の帯電電荷をキャンセルすることで、電子写真感光体表面に電荷密度分布によりを形成される。こうして形成された潜像を保持するためには電子写真感光体の表面抵抗をある一定以上高くしておく必要がある。電子写真感光体の表面の電気抵抗(以下「抵抗」とも呼ぶ)は電子写真感光体の表面、および、電子写真感光体表面に付着した付着物の影響を受ける。いずれの要因であっても、電子写真感光体の表面抵抗が低くなると電荷密度分布で形成された潜像を形成する電位が面方向に均一化してしまい(以下「潜像の劣化」とも呼ぶ)、潜像の劣化が生じることで画像品質が低下してしまう。このような潜像の劣化は潜像の空間周波数が高い程、影響を受けやすい。つまり、高画質化のためにスクリーン線数を高く設定したシステム程、影響を受けやすくなってしまう。
解像度を制御する技術として、特許文献1には、像担持体表面における電位分布の変化に伴い導電部に流れる誘導電流を検出する電流検出部を有する検知手段とを備える技術が開示されている。加えて、検知手段の検知結果に応じて放電生成物付着による画像流れを防止するための画像流れ防止工程を実行する画像形成装置の技術が開示されている。
また、電子写真感光体の表面処理として、特許文献2には、非画像形成時に、電子写真感光体の表面に印加する電圧もしくは電流を、画像形成時より一時的に高くすることで表面摩擦係数μを急激に上げることが記載されている。そして、リフレッシュモードによってクリーニングローラを研磨剤リッチにする。すなわち、研磨剤リッチのトナーを用いて電子写真感光体の表面を研磨することで、必要最小限の量のトナーにより感光体表面に付着した放電生成物や水分を効率良く除去する技術が開示されている。
特許第3571901号公報 特開2010−122249号公報
本発明は、デジタル方式の電子写真装置において、電子写真感光体の表面状態が変化することで電子写真感光体の解像力が低下し、印刷品質が低下してしまう課題があった。
本発明に係る電子写真装置の制御方法は、最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンまたは水素化アモルファスシリコンカーバイドからなる表面層を有する電子写真感光体の表面を加熱制御しながら一様に帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に潜像を形成する露光工程と、前記電子写真感光体に形成された潜像をトナーによって現像する現像工程と、前記電子写真感光体上の残留トナーを除去するクリーニング工程を有する電子写真装置の制御方法であって、
非画像形成時に、以下の工程を有することを特徴とする電子写真装置の制御方法である。
i)前記電子写真感光体の表面に形成された潜像電位から、電位センサの検出部で発生する誘導電流を検出し計算解析することにより電位分布の変化を測定する工程、
ii)前記電位分布の変化が予め定められた基準値を満たしているかを判定し、
前記電位分布の変化が前記基準値を満たしていない場合に、前記電子写真感光体の表面に負電荷を与えて、前記電子写真感光体の最表面を酸化処理し、i)の工程に戻り、
前記電位分布の変化が前記基準値を満たしている場合は、画像形成を行うことが可能であると判断する工程
以上説明したように、本発明によれば、非画像形成時に電子写真感光体の解像力を精度良く検出することができ、必要に応じて電子写真感光体の表面を負電荷付与による酸化処理を行うことによって、電子写真感光体の解像力を回復させることができる。その結果、電子写真装置の本来の性能を維持することができる。
本発明の電子写真装置の制御方法を説明するフロー図。 本発明の電子写真装置の画像形成プロセスの一例を示す概略図。 本発明の電子写真方法に適した電子写真感光体の製造装置。 本発明の電子写真方法に適した電子写真感光体の層構成の模式図。
本発明は、非画像形成時に電子写真感光体の解像力を評価し、必要に応じて電子写真感光体の表面を負電荷付与による酸化処理を行うことで、電子写真感光体の解像力低下を抑制し、画像品質の低下を抑制する。
本発明を適用するタイミングとしては、電子写真装置の立ち上げ時、あるいは、休止状態からの復帰時の非画像形成時に行うと良い。本発明の方法は、i)電子写真感光体の表面を加熱制御しながら一様に帯電し、露光装置によって電子写真感光体上に解像力評価用の潜像を形成する。ii)形成した潜像電位から、電位センサの検出部で発生する誘導電流を検出し計算解析することより電位分布の変化を測定する。電位分布の変化が予め定められた基準値を満たしているかどうかで電子写真感光体の解像力を評価する。
[本発明に適用可能な電子写真装置]
図2は本発明の電子写真装置の構成の一例を示す概略図である。以下、図2を用いて電子写真装置による画像形成プロセス(電子写真プロセス)を説明する。回転駆動機構(不図示)により、円筒状の電子写真感光体201を回転させる。感光体201の表面外周面に配置された帯電器202により、感光体201の表面を帯電する。その後、画像露光装置(不図示)により、感光体201の表面に画像露光光208を照射し、感光体201の表面に静電潜像を形成する。その後、現像装置214内のトナーにより、感光体201の表面に形成された静電潜像を現像し、感光体201の表面にトナー像を形成する。
このトナー像は転写器206において、トナー像と逆極性の電圧を印加することで、不図示の給紙カセットから給紙ローラ213により搬送されてくる紙等の記録媒体212に転写される。トナー像が転写工程で転写されずに感光体201の表面に残留している残留トナー(転写残トナー)は、感光体201の表面に接触配置されたクリーニングブレード210を有するクリーニング装置211によって除去される。以上のプロセスを繰り返すことで画像形成が連続的に行われる。
(解像力評価)
本発明では、電子写真装置内に感光体201上の静電潜像の電位分布の変化を測定する電位センサ220を設置している。この電位センサ220は、感光体201上における微小領域の電位変化、即ち感光体201表面の面方向電荷密度分布を誘導電流として検出する電位測定装置である。電位センサ220は、検知電極221と増幅回路、A/D変換器等を含む回路要素により構成されている。
電子写真感光体201の解像力評価は、感光体201の表面に所定のテスト静電潜像パターン(ライン潜像またはドット潜像)を形成する。その後、形成した潜像の電位分布に対して、電位センサ220の検知電極221で発生する誘導電流を計算解析することより電位分布の変化を測定できる。解像力評価は、例えばある電位分布の変化を基準として相対値を見積ることによって定量評価が可能となる。
電位センサ220の検知電極221では、電位センサ220と感光体201表面との間に相対移動が生じたとき、電位の変化量をdV、相対移動速度をdx/dtとすると、dV/dt=(dV/dx)・(dx/dt)に比例する誘導電流が発生する。
検出される信号、即ち誘導電流は、相対移動速度に比例しているため、相対移動速度を速くすることで信号強度が増大し、S/Nの良い信号を得ることができる。しかし、速くし過ぎると接続している回路要素等に起因する時定数の影響により、かえってS/Nが悪くなる場合が生じる。このため、相対移動速度は10〜10000mm/secの範囲であることが好ましい。
また、検出される誘導電流は、感光体上の電位分布の変化(即ち、像担持体表面の面方向電荷密度分布)として微分波形信号として出力される。そして、信号強度の絶対値(以下「信号強度」と呼ぶ)の最も大きな部分は、ある瞬間において最も電位変化の大きい部分の信号強度(ピーク強度変化率)、即ち潜像微分波形のある瞬間における傾きの最大値を示している。
ここで、感光体の電位分布の変化とは、信号強度の最大値で表す。
解像力が悪化した場合は、良好な場合に比べて潜像電位の歪みが大きくなるため、ある瞬間における潜像電位の傾きの最大値も低下する。この結果、出力される潜像微分波形の信号強度(ピーク強度変化率)も低下してしまうため、この信号強度(ピーク強度変化率)を測定することで解像力を定量評価することができる。
本発明における電位センサ220の検出部221分の幅は、測定する電位分布の変化の幅よりも小さいことが必要である。
電位センサ220の検出部221は棒状導電体を用いることが好ましい。また電位センサ220の検出部221の材質は、金、銅、鉄、アルミニウムなど導電性のものならよいが、制作容易性や、コストの点からタングステンが適している。
(電子写真感光体の解像力判定方法)
電子写真感光体の解像力は、電位分布の変化を測定し解像力の定量評価により予め定められた基準値を満たしているかどうかで判定する。
具体的には、画像ドット再現レベルが良好な感光体の潜像微分波形の信号強度を測定する。測定で得られた信号強度は、電位分布の変化結果を反映している。その後、様々な画像ドット再現レベルの感光体を準備し、その時の潜像微分波形の信号強度と比較して、画像ドット再現レベルが、電位分布の変化がどの程度の場合、どの程度低下しているかを求める。その結果、電位分布の変化の低下率を求めることで、電子写真感光体の解像力を定量化して判断することが可能となる。
主観的な評価による画像ドット再現レベルは、信号強度の低下率が30%以上になると画像ドット再現レベルの低下を認識できるため、低下率30%を基準値として30%以上の場合は解像力を回復させる必要がある。
(電子写真感光体の表面処理)
以下、電子写真感光体の解像力を回復させるための表面酸化処理について説明する。
前述したように電子写真感光体の解像力は電子写真感光体の表面抵抗の影響が大きい。表面抵抗は、電子写真感光体表面の材料物性、あるいは、電子写真感光体表面の付着物が影響している。よって、表面処理とは付着物の除去、あるいは、変質した電子写真感光体の表面を除去する処理等が挙げられる。
まず、電子写真感光体表面の付着物を除去する方法として、前述した特許文献2に開示されているような方法で、電子写真感光体表面を研磨する方法が挙げられる。例えば、表面層がアモルファスシリコンカーバイドで構成された電子写真感光体の場合、帯電等によって、最表面に水酸基が形成され親水性が高くなり、高湿環境下で水分の影響を受けることが知られている。つまり、電子写真感光体の最表面を除去するために、研磨することが有効である。
一方で、電子写真感光体表面の材料物性をコントロールする例として、例えば表面層を水素化アモルファスカーボン(以下、単に「a−C」とも表記する。)で構成し、最表面を酸化処理して表面抵抗を制御した電子写真感光体を例に説明する。まず、a−Cからなる表面層の最表面を酸化処理して表面抵抗を制御する方法について説明する。a−Cは、水素量を低減して炭素原子の密度を高めるとsp結合が増える傾向があり、抵抗が低下する傾向がある。そこで、a−Cの最表面を酸化させ、酸素原子が結合することで、sp結合が減少し、表面抵抗を高めることができる。しかし、こうして改質した最表面領域に結合させた酸素原子は、長期的にはCOやCOとなって脱離してしまうため、sp結合が再び増加し、表面抵抗が低下してしまい、電子写真感光体の表面抵抗が低下してしまう場合があった。よって、電子写真感光体の解像力が低下した際に、電子写真装置内で電子写真感光体の表面を酸化処理することで、解像力を回復させることが可能である。例えば、電子写真感光体表面に負イオンを与えることで、電子写真感光体の最表面を陽極酸化させることができる。電子写真感光体を負に帯電するシステムの場合には、単に電子写真感光体に帯電と除電を繰り返し施す空回転を実施すれば良い。なお、酸化処理をより短時間で施すために、電子写真感光体に接触する現像器やクリーニング手段等を電子写真感光体から離間して実施するとなお良い。
[本発明に適用可能な電子写真感光体]
以下、本発明に適した電子写真感光体について説明する。
図4は、本発明に適した電子写真感光体の層構成の一例であり、導電性支持基体401上に、下部阻止層402、光導電層403、中間層404、表面層405が積層されており、表面層405はa−Cで構成されている。
次に、前述した層構成の電子写真感光体を構成する各層および基体について説明する。
(表面層)
本発明に適した電子写真感光体の表面層材料は、a−Cである。表面層を構成するa−Cの水素含有比率(炭素原子数と水素原子数の和に対する水素原子数)は、0.40以下とすることによって、電子写真感光体に負イオンを与えた際に、負イオンが表面層を透過することを防止できる。
これは、表面層の水素含有量を低減することによって、骨格原子となる炭素原子同士の結合が増え、骨格原子の密度が高まり、負イオンに対するバリア性が向上するためと考えられる。
また、a−C以外にa−Cにケイ素を微量添加した水素化アモルファスシリコンカーバイド(以下、単に「a−SiC」とも表記する。)でも構わない。a−SiCの場合は、a−Cと同様にガスバリア性向上を得るために構成する炭素原子の原子数(C)とケイ素原子の原子数(Si)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(C+Si))の平均値が0.90以上1.00未満であることが必要である。
プラズマCVD法を用い、例えばa−Cを形成する場合、水素含有比率は成膜条件パラメータによって調整が可能である。成膜条件パラメータとして、原料ガスの種類、原料ガス流量、高周波電力、反応圧力、基板温度等が挙げられる。検討の結果、水素含有比率を低下させる方向として、原料ガス流量を減らす方向、高周波電力を高くする方向、反応圧力を下げる方向、基板温度を高くする方向が、夫々望ましい方向であった。なお、バリア性という観点では何れの成膜パラメータも有効であったが、高周波電力および基板温度は表面層の光透過率を低下させやすい成膜パラメータでもあることが分かった。よって、低めの高周波電力および基板温度条件において、原料ガス流量および反応圧力を調整すると良い。
一方、表面層の水素含有比率を低減すると炭素原子同士の結合が増加するため、sp結合比率が高くなりやすい。sp結合比率が高くなる程グラファイト的な特性に近付くため、電気抵抗は低下しやすくなる。画像解像力に影響を与えるのは、表面層の最表面領域の表面抵抗である。すなわち、表面層の最表面領域におけるsp結合比率を0.50以下とすることによって、良好な画像解像力が得られる。
表面層の最表面領域のsp結合比率を制御する方法として、最表面領域を改質する方法が挙げられる。具体的方法として、酸素原子を含む処理ガスを用いたプラズマ処理によって、最表面領域のsp結合のπ結合を解離させて酸素原子を含む処理ガスに含まれる酸素原子がエーテル結合やケトンを形成することで、結果的にsp結合比率が低下すると考えられる。なお、酸素原子を含む処理ガスとしては、酸素(O)、オゾン(O)、水蒸気(HO)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、等が挙げられる。
また、大気圧下でのプラズマ処理としては、大気中での負コロナ放電処理が有効な方法であった。大気中での負コロナ放電処理に関しては、負コロナ放電で生成される硝酸イオン等の酸化力の高い負イオンが最表面領域のsp結合のπ結合を解離させる。その際、負イオンに含まれる酸素原子がエーテル結合やケトンを形成することによって結果的にsp結合比率が低下するためと考えられる。
(中間層)
本発明に適した電子写真感光体において中間層に制限はないが、表面層と光導電層との整合を考慮した材料を選択する必要がある。例えば、a−Cで表面層を形成し、水素化アモルファスシリコンで光導電層を形成する場合、中間層の材料として、a−SiCを用いると良い。a−SiC中間層の組成を適正化することによって、露光により光導電層で発生した光キャリアを表面層まで移動しやすくできる。
また、a−SiC中間層を形成する炭素原子数(C)とケイ素原子数(Si)の和に対する炭素原子数(C)の比率(C/(Si+C))を段階的に変化させた複数の層を設けることで光キャリアを表面層まで移動しやすくできる。又、a−SiC中間層を形成する炭素原子数(C)とケイ素原子数(Si)の和に対する炭素原子数(C)の比率(C/(Si+C))を連続的に変化させることで、前述の光キャリアの移動を改善できる。さらに、中間層を複数層の構成にしたり、組成を連続的に変化させたりすることによって、表面層と中間層の界面、中間層と光導電層の界面で生じる光の反射を制御することができる。結果、感光体を長期的に使用し場合に生じる表面層膜厚の減少に伴って生じる反射特性の変動に起因した感度特性の変動を抑制することも可能である。
さらに、負帯電用の電子写真感光体の場合、中間層に電荷注入阻止能を付与することで帯電特性を向上することができる。電荷注入阻止能を向上させるためにa−SiC中間層に周期表第13族を含有させることが有効である。周期表13族に属する原子の中でも、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子が好ましい。
(光導電層)
本発明に適用する電子写真感光体の光導電層は、電子写真特性上の性能を満足できる光導電特性を有するものであればいずれのものであってもよいが、耐久性、安定性の観点から、水素化アモルファスシリコン光導電層が好ましい。
伝導性を制御するための原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができる。すなわち、p型伝導性を与える周期表13族に属する原子またはn型伝導性を与える周期表15族に属する原子を用いることができる。周期表13族に属する原子の中でも、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子が好ましい。周期表15族に属する原子の中でも、リン原子、ヒ素原子が好ましい。
なお、光導電層は、単一の層で構成されてもよいし、複数の層(たとえば、電荷発生層と電荷輸送層)で構成されてもよい。
(下部阻止層)
本発明に適用する電子写真感光体おいて、基体と光導電層との間に基体側からの電荷の注入を阻止する働きを有する下部阻止層を設けることが好ましい。下部阻止層は、電子写真感光体の表面が一定極性の帯電処理を受けた際、基体から光導電層への電荷の注入を阻止する機能を有する層である。このような機能を付与するために、下部阻止層は、光導電層を構成する材料をベースとしたうえで、伝導性を制御するための原子を光導電層に比べて比較的多く含有させる。
伝導性を制御するために下部阻止層に含有させる原子としては、帯電極性に応じて周期表13族または15族に属する原子を用いることができる。
さらに、下部阻止層には、炭素原子、窒素原子および酸素原子のうち少なくとも1種の原子を含有させることにより、下部阻止層を基体との間の密着性を向上させることができる。
(導電性基体)
導電性基体は表面に形成される光導電層および表面層を保持しうるものであれば特に限定されず、いずれのものであってもよい。基体の材質としては、たとえば、アルミニウム、鉄などの金属や、これらの合金などが挙げられる。
[本発明に適した電子写真感光体を製造するための製造装置および製造方法]
本発明に適した電子写真感光体の製造方法として、プラズマCVD法を用いた製造装置および製造方法について説明する。
図3は、本発明の感光体を作製するための高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による電子写真感光体の堆積装置の一例を模式的に示した図である。
この堆積装置は、大別すると、反応容器3110を有する堆積装置3100、原料ガス供給装置3200、および、反応容器3110内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。
堆積装置3100中の反応容器3110内にはアースに接続された基体3112、基体加熱用ヒーター3113、および、原料ガス導入管3114が設置されている。さらにカソード電極3111には高周波マッチングボックス3115を介して高周波電源3120が接続されている。
原料ガス供給装置3200は、原料ガスボンベ3221〜3225、バルブ3231〜3235、圧力調整器3261〜3265を具備する。更に、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255およびマスフローコントローラ3211〜3215から具備することで構成されている。各原料ガスを封入したガスのボンベは補助バルブ3260を介して反応容器3110内の原料ガス導入管3114に接続されている。3116はガス配管であり、3117はリークバルブであり、3121は絶縁材料である。
次に、この装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。まず、あらかじめ脱脂洗浄した基体3112を反応容器3110に受け台3123を介して設置する。次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器3110内を排気する。真空計3119の表示を見ながら、反応容器3110内の圧力がたとえば1Pa以下の所定の圧力になったところで、基体加熱用ヒーター3113に電力を供給し、基体3112をたとえば50〜350℃の所定の温度に加熱する。このとき、ガス供給装置3200より、Ar、Heなどの不活性ガスを反応容器3110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。
次に、ガス供給装置3200より堆積膜形成に用いるガスを反応容器3110に供給する。すなわち、必要に応じてバルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を開き、マスフローコントローラ3211〜3215に流量設定を行う。各マスフローコントローラの流量が安定したところで、真空計3119の表示を見ながらメインバルブ3118を操作し、反応容器3110内の圧力が所望の圧力になるように調整する。
所望の圧力が得られたところで高周波電源3120より高周波電力を印加すると同時に高周波マッチングボックス3115を操作し、反応容器3110内にプラズマ放電を生起する。その後、速やかに高周波電力を所望の電力に調整し、堆積膜の形成を行う。
所定の堆積膜の形成が終わったところで、高周波電力の印加を停止し、バルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255、および、補助バルブ3260を閉じ、原料ガスの供給を終える。同時に、メインバルブ3118を全開にし、反応容器3110内を1Pa以下の圧力まで排気する。
以上で、堆積膜の形成を終えるが、複数の堆積膜を形成する場合、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すればよい。原料ガス流量や、圧力などを光導電層形成用の条件に一定の時間で変化させて、接合領域の形成を行うこともできる。
すべての堆積膜形成が終わったのち、メインバルブ3118を閉じ、反応容器3110内に不活性ガスを導入し大気圧に戻した後、基体3112を取り出す。
例えば、水素化アモルファスカーボンの表面層を形成するために、炭素原子供給用の原料ガスとしては、以下のものが挙げられる。たとえば、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)、エチレン(C)、アセチレン(C)が好適に使用できる。
なお、a−Cの水素含有比率を調整するために、原料ガス流量、反応圧力、高周波電力、基板温度、希釈ガス流量等が制御パラメータを最適化する必要がある。原料ガス流量を少なくすることで水素含有比率は下がる傾向があった。反応圧力を低く設定することで、水素含有比率は下がる傾向があった。高周波電力を高く設定することで水素含有比率は下がる傾向があった。基板温度を高く設定することで水素含有比率は下がる傾向があった。希釈ガスとしては水素(H)やヘリウム(He)が有用で、希釈ガス流量を増大させることで水素含有比率は下がる傾向があった。
a−C表面層の最表領域は酸素原子を含有するガスを用いてプラズマ処理すれば良い。
a−SiCの中間層を形成するために、ケイ素原子供給用の原料ガスとしては、たとえば、シラン(SiH)、ジシラン(Si)などのシラン類が好適に使用できる。そして、反応容器に供給する原料ガス流量、高周波電力、反応容器内の圧力、基体の温度などの条件を、必要に応じて設定することで形成される。なお、中間層に電荷注入阻止能を付与するには、帯電極性に応じて周期表13族または15族に属する原子を含有する原料ガスを添加して中間層を形成すればよい。周期表13族または15族に属する原子を含有する原料ガスとしては、ホスフィン(PH)、ジボラン(B)などが挙げられる。
水素化アモルファスシリコンの光導電層を形成するために、ケイ素原子供給用の原料ガスとしては、たとえば、シラン(SiH)、ジシラン(Si)などのシラン類が好適に使用できる。また、水素原子供給用の原料ガスとしては、上記シラン類に加えて、たとえば、水素(H)も好適に使用できる。
また、上述のハロゲン原子、伝導性を制御するための原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子など光導電層を含有させる場合には、それぞれの原子を含むガス状または容易にガス化しうる物質を材料として適宜使用すればよい。
〔実施例1および比較例1〕
本実施例では、キヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「imagePRESS C65」(商品名)の改造機に本発明の電子写真方法を適用した。
改造点は、デジタル電子写真装置「imagePRESS C65」のBkステーションに、a−C表面層を有する電子写真感光体を搭載し、帯電設定、露光設定、現像バイアス設定を最適化した。Bkステーションに設置した電子写真感光体に解像力評価用の電位センサを設置した。画像ドット再現レベルと測定された電位分布の変化との関係から定義される基準値を記憶し、測定された電位分布の変化から解像力が判定可能となる。なお、本実施例では図1に示すフロー図に従って解像力の評価を行った。そして、解像度の判定は電位分布の変化の低下率が30%を基準値とし、低下率が30%以上の場合は解像力を回復させる必要がある。
本実施例では、a−C表面層を有する電子写真感光体を用い、電子写真感光体を負に帯電するシステムであるため、電子写真感光体の表面に負電荷を与えて最表面を酸化処理した。具体的には、電子写真感光体に帯電と除電を繰り返し施す空回転を実施した。なお、本実施例および本比較例に使用した電子写真感光体、および、条件を表3に示す。
以下、本実施例および本比較例に用いた電子写真感光体について説明する。
(電子写真感光体)
前述したRFプラズマCVD法を用いて、表1に示す条件で電子写真感光体を3本形成し、表2に示す条件で表面処理を行い、3本の電子写真感光体を作製した。
本実施例では、作製後の電子写真感光体を気温25℃、湿度40%の環境で2日間放置した電子写真感光体をS1、100日放置した電子写真感光体をS2とした。なお、本比較例では、作製後の電子写真感光体を気温25℃、湿度40%の環境で100日放置した電子写真感光体S2を用いた。
そして、2種類の電子写真感光体を電子写真装置に搭載し、前述の方法で電子写真感光体の解像力評価を行った。
Figure 2020122840
Figure 2020122840
以下の具体的方法によって、出力画像の解像度評価の評価を行い、本発明の効果を確認した。
(出力画像の解像度評価)
画像解像力の評価は、キヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「imagePRESS C65」(商品名)の改造機を用いて行った。改造機は、一次帯電および現像バイアスを外部電源から印加できる構成とした。本体に搭載されたもっとも高線数の230lpiの網点スクリーンを用いて、面積階調画像により出力画像の解像度を評価した。
面積階調画像は、17段階に均等配分した階調データを用いた。このとき、最も濃い階調を16、最も薄い階調を0として各階調に番号を割り当て、階調段階とした。
得られた画像のうち、0〜8階調の各階調ごとに反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)により画像濃度を測定した。なお、反射濃度測定では各々の階調ごとに3枚の画像を出力し、それらの濃度の平均値を評価値とした。
こうして得られた評価値と階調段階との線形近似した時の決定係数R2値を算出し、0.996以上をA、0.990以上0.96未満をB、0.990未満をCとして評価した。B以上で本発明の効果が得られたと判定した。
Figure 2020122840
表3から以下のことが明らかとなった。
実施例1と比較例1から、電子写真感光体の表面状態が変化した状態でも電子写真装置内で電子写真感光体の解像力評価を行い、表面処理を施すことで電子写真感光体の解像力を回復させることができる。
その結果、電子写真装置の本来の性能を維持することができる。
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1と同様にS1の電子写真感光体を3本作製した。本実施例に使用した条件を表4に示す。評価の方法・基準は実施例1と同じ条件とした。なお、本実施例では電子写真感光体の履歴として実機内休止期間が変化している。
Figure 2020122840
表4から以下のことが明らかとなった。
実施例2と比較例2から、電子写真装置内で電子写真感光体の表面状態が変化した状態でも電子写真装置内で電子写真感光体の解像力評価を行い、表面処理を施すことで電子写真感光体の解像力を回復させることができる。
その結果、電子写真装置の本来の性能を維持することができる。
220 電位センサ
221 検知電極
401 導電性基体
402 下部阻止層
403 光導電層
404 上部阻止層
405 表面層
406 表面層の最表面

Claims (3)

  1. 最表面を酸化した水素化アモルファスカーボンまたは水素化アモルファスシリコンカーバイドからなる表面層を有する電子写真感光体の表面を加熱制御しながら一様に帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に潜像を形成する露光工程と、前記電子写真感光体に形成された潜像をトナーによって現像する現像工程と、前記電子写真感光体上の残留トナーを除去するクリーニング工程を有する電子写真装置の制御方法であって、
    非画像形成時に、以下の工程を有することを特徴とする電子写真装置の制御方法。
    i)前記電子写真感光体の表面に形成された潜像電位から、電位センサの検出部で発生する誘導電流を検出し計算解析することにより電位分布の変化を測定する工程、
    ii)前記電位分布の変化が予め定められた基準値を満たしているかを判定し、
    前記電位分布の変化が前記基準値を満たしていない場合に、前記電子写真感光体の表面に負電荷を与えて、前記電子写真感光体の最表面を酸化処理し、i)の工程に戻り、
    前記電位分布の変化が前記基準値を満たしている場合は、画像形成を行うことが可能であると判断する工程
  2. 前記酸化処理は、前記電子写真感光体の帯電と除電を繰り返す方法であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置の制御方法。
  3. 前記酸化処理は、前記電子写真感光体に接触する現像器及びクリーニング手段を前記電子写真感光体から離間する方法であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真装置の制御方法。
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