JPH05232729A - アモルファス・シリコン感光体 - Google Patents

アモルファス・シリコン感光体

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JPH05232729A
JPH05232729A JP3491392A JP3491392A JPH05232729A JP H05232729 A JPH05232729 A JP H05232729A JP 3491392 A JP3491392 A JP 3491392A JP 3491392 A JP3491392 A JP 3491392A JP H05232729 A JPH05232729 A JP H05232729A
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JP
Japan
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film
layer
support
barrier layer
gas
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Withdrawn
Application number
JP3491392A
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English (en)
Inventor
Masanori Nakamura
正憲 中村
Tsutomu Maekawa
勉 前川
Akio Tsujita
明夫 辻田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子写真特性(特に、暗減衰率)の向上を可
能とする。 【構成】 少なくともその表面の一部が導電性を有する
基板(支持体)1と、この基板1上に順に原料ガスにS
iH4、H2、N2、B26を使用した珪素を母体とする
非晶質材料からなる障壁層1a、光導電層1bおよび表
面保護層1cとを有するアモルファス・シリコン感光体
の、基板1と障壁層1aとの間に電子ブロッキング層
(AlXY膜(X+Y=1))1dが設けられているこ
とを特徴とする。 【効果】 支持体からの電子流入防止効果が向上するよ
うになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アモルファス・シリコ
ン(以下、a−Siと称す)感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としてSeまたは
SeにTe、As等を添加した感光体、CdS、CdS
を樹脂バインダに分散させた感光体が知られている。し
かし、これらの感光体は人体に有害であり、環境汚染
性、熱的安定性、機械的強度の点で問題がある。
【0003】一方、光導電性、耐熱性、表面硬度の点で
優れた特性が期待できるa−Siを母材として用いた電
子写真感光体の開発が進められている。このa−Siは
Si−Si結合手が切れたいわゆるダングリングボンド
を有しており、この欠陥に起因してエネルギーバンドギ
ャップ内に多くの局在準位が存在する。このために熱励
起キャリアのホッピング伝導が生じて暗抵抗が小さく、
また光励起キャリアが局在準位にトラップされて光伝導
性が悪くなっている。そこで、最近、SiH4、あるい
はSiF4ガスを用い、高周波グロー放電分解法やその
他様々なプラズマCVD法を利用して作製されるa−S
i膜が、電子写真用感光体として注目されている。この
a−Si感光体は内部に水素やフッ素が取り込まれてお
り、欠陥をHまたはFで補償してダングリングボンドを
埋めることが行われている。
【0004】このように欠陥が補償されたa−Si:H
の暗所での抵抗率は108〜109Ω・cmであり、Se
感光体と比較すると約1万分の1も低い。従って、a−
Si:Hの単層からなる電子写真感光体では静電潜像形
成のための帯電処理を施しても暗減衰が著しく速く、初
期表面電位が低い問題を有している。しかし、反面、可
視光および赤外領域の光を照射すると抵抗率が大きく変
化するため、感光体(特に光源に半導体レーザやLED
等の長波長光を利用の際の感光体)として極めて優れた
特性を有している。加えて、多湿雰囲気下にa−Si:
Hを表面とする感光体を長時間放置すると、受容電位が
著しく低下することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点の改
良のため、実際にはa−Si:Hを電子写真感光体に利
用する場合、a−Si:Hを光導電層とし、a−Si:
HにN、B、C、O等の不純物を適当量添加し高抵抗率
とした障壁層および表面保護層を設けた多層構造とす
る。しかし、相接する層界面では含有原子の含有量の分
布状態等によって、製造プロセス上ダングリングボンド
ができ易く、また、エネルギバンドの複雑なベンデイン
グが生じ易い。このため光導電部材に目的どうりの機能
を持たせるためには、相接する層界面部の制御が重要と
なる。
【0006】しかし、このような従来の多層構造化した
a−Si感光体に関しても、その暗減衰率はSe系感光
体と比べ格段に速く、通常の電子写真方式がなかなか適
用され難かった。
【0007】本発明は以上の点に鑑みなされたものであ
り、電子写真特性(特に、暗減衰率)の向上を可能とし
たa−Si感光体を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、基板と障壁
層との間にAlXY膜(X+Y=1)を設けることによ
り、達成される。
【0009】また、AlXY膜を、そのOの含有量を1
<Y/X<2とした。
【0010】また、AlXY膜の膜厚を10〜100オ
ングストロームとした。
【0011】
【作用】上記手段を設けたので、支持体からの電子流入
防止効果が向上するようになる。
【0012】AlXY膜(X+Y=1)は高抵抗率(1
×1016Ωcm以上)を持たせるため、Oの含有量は1
<Y/X<2とした。これは1≧Y/XではOの添加に
よる抵抗率増大が不十分(1×1016Ωcm以下)とな
り、このような膜の使用では暗減衰率の向上は望めな
い。
【0013】また、Y/X≧2ではOの過剰添加のた
め、膜構造の歪が大きくなり、結果として膜中ダングリ
ングボンドが多くなる。このダングリングボンドの多い
膜はエネルギバンドギャップ中に多くの局在準位を持つ
ため、光感度の低下を引き起こすからである。
【0014】また、キャリア流入防止と光感度の両特性
の両立のためAlXY膜の膜厚を1〜10オングストロ
ームとした。これはAlXY膜の膜厚が1オングストロ
ーム以下の場合は十分なキャリアバリアの役目が果たせ
ず、従来のa−Si感光体ドラム同様に暗減衰率が速く
なってしまう。また、AlXY膜の膜厚が10オングス
トローム以上の場合は露光プロセスで生成した光キャリ
アの流れも防止してしまい、結果として光感度が低い感
光体となってしまうからである。
【0015】すなわちグロー放電法により作製されるa
−Si感光体ドラムは無公害であり、かつ光伝導性、耐
熱性、表面硬度の点で優れた特性が期待できる。しか
し、その反面、母材であるa−Si:H膜の抵抗率が低
いため従来のSe系感光体ドラムに比べ暗減衰率が大き
く、初期表面電位が低くなってしまう。そこで、実際に
使用されるa−Si感光体ドラムには導電性の支持体と
光導電層(a−Si:H膜)との間に高い抵抗率(1×
1014〜1×1015Ωcm)を持つ膜厚が0.5〜1.
0μmの障壁層(a−SiC:H、a−SiN:H、a−
SiO:H膜等)を設けている。
【0016】しかし、このような対策を施したa−Si
感光体ドラムに関しても、その暗減衰率はSe系感光体
ドラムがDDR5→0.9(DDR5;5秒後の暗減衰
率)に対して、対策後のa−Si感光体ドラムはDDR
5→0.5と依然低い状態であった。そしてこのa−S
i感光体ドラムを複写機やプリンタの実機に搭載する場
合、感光体ドラムの周辺印字プロセス(帯電器、現像
器、転写器)は事実上大幅な改良が必要とされていた。
また、ドラム径が大きい感光体を使用する大型プリンタ
への利用は困難を極めていた。
【0017】この暗減衰率低下の原因は支持体からのキ
ャリア(電子)の流入である。支持体から流入した電子
は感光体表面に帯電した正電荷と電気的中和を生じ、そ
の結果として表面電位の低下を引き起こしてしまう。
【0018】そこで、本発明では障壁層と支持体との間
に電子ブロッキング層を設けた。こようにすることよ
り、電子写真特性(特に、暗減衰率)の向上を可能とし
たa−Si感光体を得ることを可能としたものである。
【0019】我々は数多くの実験の結果、この電子ブロ
ッキング層はAlXY膜(1<Y/X<2)で膜厚が原
子数層の厚さ(1〜10オングストローム)とした。こ
の電子ブロッキング層の抵抗率は1×1016Ωcmであ
り、従来の障壁層に比べ約1桁高い値である。
【0020】この電子ブロッキング層を加えることによ
り支持体からの電子流入の防止効果が向上し、暗減衰
率;DDR5≒0.75が得られた。その結果、従来の
Se系感光体ドラムの印字プロセスをそのまま使用する
ことを可能とした。更に暗減衰率の向上により安定な表
面電位を保持できるため、ドラム径が大きい感光体を使
用する大型プリンタにおいてもa−Si感光体ドラムの
利用を可能としたものである。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。図1は本発明のa−Si感光体の構成を示したもの
であり、図2(図3)は本発明であるa−Si感光体の
作製に使用したa−Si感光体ドラム作製装置を示した
ものである。少なくともその表面の一部が導電性を有す
る基板(支持体)1と、この支持体1上に順に原料ガス
にSiH4、H2、N2、B26を使用した珪素を母体と
する非晶質材料からなる障壁層1a、光導電層1bおよ
び表面保護層1cとを有するa−Si感光体において、
本実施例では支持体1と障壁層1aとの間にAlXY
(X+Y=1)である電子ブロッキング層1dを設け
た。このようにすることにより、支持体1からの電子流
入防止効果が向上するようになって、電子写真特性(特
に、暗減衰率)の向上を可能としたa−Si感光体を得
ることができる。
【0022】真空ポンプ(図示せず)により排気バルブ
2を介して排気され、例えば1×10のマイナス4乗P
aの高真空状態に維持される反応炉3内に高周波電極
4、ガス吹出口5、a−Siが堆積される導電性の支持
体1が設置されている。
【0023】この高周波電極4は高周波電源6に接続さ
れ、支持体1との間に高周波グロー放電を起こし、高周
波電極4の内壁面のガス吹出口5から導入される各種原
料ガスをプラズマ化してこれらを支持体1上に堆積させ
てa−Si膜を作製するものである。この電極4内壁面
ガス吹出口5の穴数は1200個とした。
【0024】支持体1は接地された支持体ホルダ7によ
って支持され、この支持体1の内側には支持体加熱ヒー
タ8が設けられている。この支持体1および支持体ホル
ダ7は回転導入器9により低速回転される。
【0025】以下、本発明の感光体ドラムの作製および
作製した感光体の電子写真特性の評価を行った実施例に
ついて図1および図2(図3)を用いて説明する。
【0026】〔実施例 1〕図1、図2に基づいて説明
する。まず、厚さ6mm、φ262×L430mm円筒
形アルミニウム管(材質:A3003H24材)からな
る支持体1を、非鉄金属用脱脂洗剤(ケミコート(株)
製ケミコートNO.155:濃度3%液温50℃、Ph
9.5)によって表面洗浄し、かつ十分水洗いし、乾燥
させて表面を清浄化した後、この支持体1を支持体ホル
ダ7に固定した。この際、支持体1も接地電位と同電位
であることを確認した。
【0027】次に支持体加熱ヒータ8によって支持体1
を所定温度(330℃)に均一に加熱すると共に、排気
バルブ2を開き、反応炉3を高真空(1×10のマイナ
ス4乗Pa)に排気する。反応炉3内の高真空が実現さ
れた後、ガスボンベ元栓10、流出バルブ11を開き、
2ガスを高周波電極4の内壁面ガス吹出口5より反応
炉3内に流入させる。
【0028】この際、H2ガスは高純度100%H2を使
用した。H2ガス流量をマスフロ・コントローラ12で
1000sccmとし、反応炉3内の真空度を60Pa
とした状態で高周波電源6をオンし、高周波電極4と支
持体1との間に13.56MHzの高周波電力を120
0Watt印加し、高周波電極4と支持体1との間にH
2ガスによるグロー放電を30分間実施した。この放電
は、水素による還元反応を利用し、高周波電極4内壁面
や支持体1表面の酸化物を除去するために行った。
【0029】この30分間のH2放電を実施した後、グ
ロー放電を持続させた状態でマスフロ・コントローラ1
2の調整およびガスボンベ元栓10、流出バルブ11の
閉により、H2ガスの反応炉3への供給を停止させた。
引き続き、ガスボンベ元栓13、流出バルブ14、ガス
導入バルブ15を開き、添加材ガスO2(高純度100
%酸素)を高周波電極4の内壁面ガス吹出口5より反応
炉3内に流入させた。各々のガス流量制御はマスフロ・
コントローラ16で行った。反応炉3内の真空度を60
Pa、ガス流量をO2:150sccm、高周波電力:
1000Wattとした状態で30秒間のグロー放電成
膜を行い、支持体1上に電子ブロッキング層1d(Al
XY膜)の成膜を行った。
【0030】電子ブロッキング層1d作製後、ガスボン
ベ元栓13、流出バルブ14を閉じ、O2の供給を停止
する。次に、ガスボンベ元栓17、18、19、流出バ
ルブ20、21、22を開とし、SiH4(60%水素
希釈)、B26(イ)(2000ppm水素希釈)、N
2(高純度100%窒素)を供給した。各々のガス流量
制御はマスフロ・コントローラ23、24、25の調整
で、ガス流量をSiH4:200sccm、B2
6(イ):700sccm、N2:750sccmとし、
高周波電力:1200Watt、基板温度:330℃、
真空度:60Paの条件で30分間のグロー放電を実施
し、電子ブロッキング層1d上に障壁層1aの成膜を行
った。この電子ブロッキング層1dと障壁層1aはアル
ミニウムである支持体1からの電子の感光体への流入を
防止するものである。
【0031】障壁層1a作製終了後、基板温度を260
℃に降温し、放電を中断することなく、流出バルブ2
1、22閉によりN2、B26(イ)の供給を停止す
る。次に、ガスボンベ元栓26、流出バルブ27開によ
りB26(ロ)(10ppm水素希釈)を供給した。マ
スフロ・コントローラ23、28の調整により、放電条
件を真空度60Pa、ガス流量がSiH4:1000s
ccm、B26(ロ):30sccm、高周波電力:6
00Watt印加に切替た。この条件で315分間の成
膜を行い、障壁層1aの上に光導電層1bを堆積させ
た。この光導電層1bは光を効率よく吸収して光キャリ
アを発生させるものである。
【0032】更に、放電を中断することなくガス元栓2
6、流出バルブ27閉によりB26(ロ)の供給を停止
し、基板温度を350℃に昇温した後、流出バルブ2
1、22開によりN2、B26(イ)を再び供給する。
マスフロ・コントローラ23、24、25の調整によ
り、放電条件を真空度60Pa、ガス流量がSiH4
150sccm、B26(イ):80sccm、N2
950sccm、高周波電力:1000Watt印加に
切替え、15分間の成膜を行い光導電層1b上に表面保
護層1cを堆積させた。この表面保護層1cは湿気やオ
ゾン等から光導電層1bを保護するものである。
【0033】このような電子ブロッキング層1d、障壁
層1a、光導電層1b、表面保護層1cの計6時間のa
−Si膜1eの成膜を行った後、高周波電源6をオフし
グロー放電を停止させた。引き続いて、マスフロ・コン
トローラ23、24、25の調整および全ガスボンベ元
栓10、17、18、26、19、13、流出バルブ2
0、21、22閉により原料ガスであるSiH4、N2
26(イ)の反応炉3への供給を停止させた。その
後、支持体加熱ヒータ8をオフとし、支持体1の温度が
100℃になるのを待ってから、排気バルブ2、ガス導
入バルブ15、全マスフロ・コントローラ12、23、
24、28、25、16、全流出バルブ11、20、2
1、27、22、14を全開して反応炉3内の真空度を
1×10のマイナス2乗Pa以下にした後、全流出バル
ブ11、20、21、27、22、14と全マスフロ・
コントローラ12、23、24、28、25、16と排
気バルブ2を閉じる。次に、ガスボンベ元栓19、流出
バルブ22を開し、流量をマスフロ・コントローラ25
で制御しながら反応炉3内にN2ガスを導入する。反応
炉3内の気圧がN2ガスによって大気圧となったのを確
認した後、a−Si膜1eを堆積させた支持体1を反応
炉3より取り出した。
【0034】この取り出したa−Si膜1eの各層の膜
厚はSIMS分析の結果、電子ブロッキング層1d:約
8オングストローム、障壁層1a:約1.5μm、光導
電層1b:32μm、表面保護層1c:約0.7μmで
あった。また、電子ブロッキング層1dの元素比はO/
Al=2であった。
【0035】このa−Si感光体ドラムを帯電露光実験
装置に設置し、+7kVで0.4sec間のコロナ帯電
を行い、直ちに露光した。光源は分光器を用い20μW
att/cm2の光量を照射した。その結果、電子写真
特性はオプテイカルギャップ:1.6〜1.7eVのも
とで初期帯電電圧が600V以上、光感度が波長550
〜750nmのもと半減露光量0.1m2/mJ以上が
得られた。更に、暗減衰率DDR5は0.8であった。
【0036】また、作製したa−Si膜表面の水との接
触角を測定したところ、平均接触角度:1000が得ら
れた。
【0037】このa−Si感光体ドラムを高速レーザビ
ームプリンタに装着し画像測定を行った。プリンタは印
刷速度が15×11インチの連続紙で16000行/分
で、光源は光量が5mW/cm2のHe−Neレーザで
ある。画像測定の結果、光感度が小さく残留電位が大き
いため、低濃度な画像が得られた。
【0038】このように本実施例によれば、従来の支持
体/障壁層/光導電層/表面保護層の支持体/障壁層の
間に原子数層の厚さで高抵抗率のAlXYH膜を設ける
ことで、a−Si感光体の暗減衰率を小さくすることが
可能となり、安定した表面電位を保持することができ
る。その結果、従来のa−Si感光体ドラムに比べ、ド
ラム周辺の印字プロセス技術が簡易となり、安定した初
期表面電位が保持できるので高品質印字が得られた。更
に、ドラム径が大きい感光体を使用する大型プリンタに
おいてもa−Si感光体ドラムの利用が可能となった。
【0039】〔実施例 2〕図1、図2に基づいて説明
する。実施例と同様な支持体1を実施例1と全く同様な
方法で洗浄した後、支持体ホルダ7に固定した。
【0040】次に、反応炉3内を高真空(1×10のマ
イナス4乗Pa)にした後、酸化物を除去するため高周
波電極4と支持体1の間にH2ガスによるグロー放電を
30分間実施した(反応炉3内の排気手順、使用H2
スの純度、グロー放電の条件等全て実施例1と全く同
じ)。
【0041】この30分間のH2放電を実施した後、支
持体1上に電子ブロッキング層1d(AlXY膜)を成
膜したが、成膜時のグロー放電条件は反応炉3内の真空
度60Pa、ガス流量はO2:400sccm、、高周
波電力:1000Watt、30秒である(この他の成
膜時前の反応炉内の処理等は実施例1と全く同じ)。
【0042】電子ブロッキング層1d作製後、電子ブロ
ッキング層1dの上に障壁層1aを成膜した(成膜時の
各種原料ガス、流量、グロー放電時の条件および成膜前
の反応炉内の処理等は全て実施例1と同じ)。
【0043】障壁層1aの作製後、障壁層1aの上に光
導電層1bを堆積させたが、この光導電層1bの成膜時
の放電条件は真空度60Pa、ガス流量はSiH4:1
000sccm、B26(ロ):40sccm、高周波
電力:600Watt、315分である(この他の処理
は実施例1と同じ)。
【0044】光導電層1bの作製後、光導電層1bの上
に表面保護層1cを堆積させた(成膜時の原料ガス、流
量等の放電条件は実施例1と全く同じ)。
【0045】この電子ブロッキング層1d、障壁層1
a、光導電層1b、表面保護層1cの計約6時間のa−
Si膜1eの成膜を行った後、実施例1と全く同じよう
にして、a−Si膜1eを堆積させた支持体1を反応炉
3より取り出し、各層の膜厚を測定したが、電子ブロッ
キング層1d:約10オングストローム、障壁層1a:
約1.5μm、光導電層1b:32μm、表面保護層1
c:約0.7μmであった。そして電子ブロッキング層
1dの元素比はO/Al=1.5であった。
【0046】この感光体ドラムの実施例1と同じ装置、
条件下で測定した電子写真特性はオプテイカルギャッ
プ:1.6〜1.7eVのもとで初期帯電電圧が500
V以上、光感度が波長550〜750nmのもと半減露
光量0.3m2/mJ以上が得られた、また、暗減衰率
DDR5は0.75であった。
【0047】また、作製したa−Si膜表面の水との接
触角測定結果は平均接触角度:1000であった。そし
てa−Si感光体ドラムを実施例1と同じ装置、条件で
の画像測定結果は、実施例1と同様解像力に優れ、階調
再現性がよく、高濃度で鮮明な画像が得られた。
【0048】〔実施例 3〕図3には平行平板電極型a
−Si膜作装置が示されている。本実施例はこの図3お
よび図1を用いて説明する。
【0049】実施例1と全く同様な方法で洗浄した20
×20×t3mmの支持体1を支持体ホルダ7に固定し
た。支持体1も接地電位と同電位であることを確認し
た。また、高周波電極4と支持体1との間隔は50mm
とし、高周波電極4内壁のガス吹出口5の穴数は約20
0個とした。
【0050】次に反応炉3内を高真空(1×10のマイ
ナス4乗Pa)にした後、酸化物を除去するため高周波
電極4と支持体1の間に100%H2ガスによるグロー
放電を20分間実施したしたが、H2ガス流量を20s
ccm、反応炉3内の真空度を50Pa、13.56M
Hzの高周波電力200Wattとした。
【0051】この20分間のH2放電を実施した後、支
持体1上に電子ブロッキング層1d(AlXY膜)を成
膜したが、成膜時の条件は反応炉3内の真空度60P
a、ガス流量はO2:40sccm、、高周波電力:1
00Watt、30秒である(この他の成膜時前の反応
炉内の処理等は実施例1と全く同じ)。
【0052】電子ブロッキング層1d作製後、電子ブロ
ッキング層1dの上に障壁層1aを成膜したが、グロー
放電時の条件は、ガス流量SiH4:15sccm、B2
6(イ):30sccm、N2:60sccm、高周波
電力120Watt、基板温度:330℃、真空度:6
0Pa、30分である。
【0053】障壁層1a作製終了後、障壁層1aの上に
光導電層1bを堆積させたが、この光導電層1bの成膜
時の放電条件は真空度60Pa、ガス流量はSiH4
60sccm、B26(ロ):15sccm、高周波電
力:40Watt、315分である(この他の処理は実
施例1と同じ)。
【0054】光導電層1bの作製後、基板温度を330
℃に昇温しB26(ロ)の供給を停止した後、光導電層
1bの上に表面保護層1cを堆積させたが、放電条件は
真空度60Pa、ガス流量はSiH4:15sccm、
26(イ):2sccm、N2:100sccm、高
周波電力:150Watt、15分である。
【0055】この電子ブロッキング層1d、障壁層1
a、光導電層1b、表面保護層1cの計約6時間のa−
Si膜1eの成膜を行った後、実施例1と全く同じよう
にして、a−Si膜1eを堆積させた支持体1を反応炉
3より取り出し、各層の膜厚を測定したが、電子ブロッ
キング層1d:約8オングストローム、障壁層1a:約
1.7μm、光導電層1b:25μm、表面保護層1
c:約0.5μmであった。そして電子ブロッキング層
1dの元素比はO/Al=1であった。
【0056】この感光体ドラムの実施例1と同じ装置、
条件下で測定した電子写真特性はオプテイカルギャップ
1.6〜1.7eVのもとで初期帯電電圧が400V以
上、光感度が波長550〜750nmのもと半減露光量
0.3m2/mJ以上が得られた、また、作製したa−
Si膜表面の水との接触角測定結果は平均接触角度:1
000であった。また、暗減衰率DDR5は0.5であっ
た。
【0057】このa−Si感光体膜を帯電露光実験装置
に設置して+7kVで0.4sec間のコロナ帯電を行
い、直ちに光像を照射した。光像は、光源に分光器を用
い20μWatt/cm2の光量を透過型のテストチャ
ートを通して照射された。その後直ちにマイナス帯電性
の現像剤をa−Si感光体膜表面にカスケードしa−S
i感光体膜表面に良好なトナー画像を得た。a−Si感
光体膜表面上のトナー画像を−5kVのコロナ帯電で転
写紙上に転写したところ、初期帯電が地位小さいためか
ぶりがあり、鮮明なが画像が得られなかった。
【0058】
【発明の効果】上述のように本発明は、基板と障壁層と
の間にAlXY膜(X+Y=1)を設けたので、支持体
からの電子流入防止効果が向上するようになって、電子
写真特性(特に、暗減衰率)の向上を可能としたa−S
i感光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のa−Si感光体の実施例の構成を示す
説明図である。
【図2】本発明のa−Si感光体を作製する一実施例の
作製装置の一部断面正面図ある。
【図3】本発明のa−Si感光体を作製する他の実施例
の作製装置の一部断面正面である。
【符号の説明】
1…支持体(基板)、1a…障壁層、1b…光導電層、
1c…表面保護層、1d…電子ブロッキング層(AlX
Y膜(X+Y=1))、1e…a−Si膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともその表面の一部が導電性を有
    する基板と、この基板上に順に原料ガスにSiH4
    2、N2、B26を使用した珪素を母体とする非晶質材
    料からなる障壁層、光導電層および表面保護層とを有す
    るアモルファス・シリコン感光体において、前記基板と
    障壁層との間にAlXY膜(X+Y=1)が設けられた
    ものであることを特徴とするアモルファス・シリコン感
    光体。
  2. 【請求項2】 前記AlXY膜の膜厚が1〜10オング
    ストロームである請求項1記載のアモルファス・シリコ
    ン感光体。
  3. 【請求項3】 前記AlXY膜が、そのOの含有量が1
    <Y/X<2である請求項1記載のアモルファス・シリ
    コン感光体。
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