JPS6216419B2 - - Google Patents

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JPS6216419B2
JPS6216419B2 JP58079903A JP7990383A JPS6216419B2 JP S6216419 B2 JPS6216419 B2 JP S6216419B2 JP 58079903 A JP58079903 A JP 58079903A JP 7990383 A JP7990383 A JP 7990383A JP S6216419 B2 JPS6216419 B2 JP S6216419B2
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JP
Japan
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layer
gas
image forming
photoconductive
substrate
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JP58079903A
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English (en)
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JPS5952251A (ja
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Katsumi Nakagawa
Toshuki Komatsu
Yutaka Hirai
Teruo Misumi
Tadaharu Fukuda
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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Publication of JPS5952251A publication Critical patent/JPS5952251A/ja
Publication of JPS6216419B2 publication Critical patent/JPS6216419B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光(ここでは広義の光で、紫外光
線、可視光線、赤外光線、X線、γ線等を示す)
の様な電磁波を利用して像形成するのに使用され
る電子写真用像形成部材の製造法に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真用像形成部材の光導電層を構成
する光導電材料としては、Se、CdS、ZnO等の無
機光導電材料やポリ−N−ビニルカルバゾール
(PVK)、トリニトロフルオレノン(TNF)等の
有機光導電材料(OPC)が一般的に使用されて
いる。
而乍ら、これ等の光導電材料を使用する電子写
真感光体に於いては、未だ諸々の解決される可き
点があつて、ある程度の条件緩和をして、個々の
状況に応じて各々適当な電子写真用像形成部材が
使用されているのが実情である。
例えば、Seを光導電層形成材料とする電子写
真用像形成部材は、Se単独では、例えば可視光
領域の光を利用する場合その分光感度領域が狭い
のでTeやAsを添加して分光感度領域を拡げるこ
とが計られている。
而乍ら、この様な、TeやAsを含むSe系光導電
層を有する電子写真用像形成部材は、確かに分光
感度領域は改良されるが、光疲労が大きくなる為
に、同一原稿を連続的に繰返しコピーすると複写
画像の画像濃度の低下やバツクグランドの汚れ
(カブリ)を生じたり、又、引続き他の原稿をコ
ピーすると前の原稿の画像が残像として複写され
る(ゴースト現像)等の欠点を有している。
而も、Se、殊にAs、Teは人体に対して極めて
有害な物質であるので、製造時に於いて、人体へ
の接触がない様な製造装置を使用する工夫が必要
であつて、装置への資本投下が著しく大きい。更
には、製造後に於いても、光導電層が露呈してい
ると、クリーニング等の処理を受ける際、光導電
層表面は直接摺擦される為に、その一部が削り取
られて、現像剤中に混入したり、複写機内に飛散
したり、複写画像中に混入したりして、人体に接
触する原因を与える。
又、Se系光導電層は、その表面がコロナ放電
に、連続的に多数回繰返し晒されると、層の表面
付近が結晶化又は酸化を起して光導電層の電気的
特性の劣化を招く場合が少なくない。或いは又、
光導電層表面が露呈していると、静電潜像の可視
化(現像)に際し、液体現像剤を使用する場合、
その溶剤と接触する為に耐溶剤性(耐液現性)に
優れていることが要求されるが、この点に於い
て、Se系光導電層は必ずしも条件を満足してい
るとは断言し難い。
又、別には、Se系光導電層は、通常の場合真
空蒸着によつて形成されるので、その為の装置へ
の著しい資本投下を必要とし且つ所望の光導電特
性を有する光導電層を再現性良く得る為には、蒸
着温度、蒸着基板温度、真空度、蒸着速度、冷却
速度等の各種の製造パラメーターを厳密に調整す
る必要がある。
又、Se系光導電層は、電子写真用像形成部材
の光導電層としての高暗抵抗を保有させる為に、
アモルフアス状態に形成されるが、Seの結晶化
が約65℃と極めて低い温度で起る為に、製造後の
取扱い中に又は使用中に於ける周囲温度や画像形
成プロセス中の他の部材との摺擦による摩擦熱の
影響を多分に受けて結晶化現像を起し、暗抵抗の
低下を招き易いという耐熱性上にも欠点がある。
一方、ZnO、CdS等を光導電層構成材料として
使用する電子写真用像形成部材は、その光導電層
が、ZnOやCdS等の光導電材料粒子を適当な樹脂
結合剤中に均一に分散して形成されている。こ
の、所謂バインダー系光導電層を有する電子写真
用像形成部材は、Se系光導電層を有する電子写
真用像形成部材に較べて製造上に於いて有利であ
つて、比較的製造コストの低下を計ることが出来
る。即ち、バインダー系光導電層は、ZnOやCdS
の粒子と適当な樹脂結着剤とを適当な溶剤を用い
て混練して調合した塗布液を適当な基体上に、ド
クターブレード法、デイツピング法等の塗布方法
で塗布した後固化させるだけで形成することが出
来るので、Se系光導電層を有する電子写真用像
形成部材に較べ製造装置にそれ程の資本投下をす
る必要がないばかりか、製造法自体も簡便且つ容
易である。
而乍ら、バインダー系光導電層は、基本的に構
成材料が光導電材料と樹脂結着剤の二成分系であ
るし、且つ光導電材料粒子が樹脂結着剤中に均一
に分散されて形成されている特殊性の為に、光導
電層の電気的及び光導電的特性や物理的化学的特
性を決定するパラメーターが多く、斯かるパラメ
ーターを厳密に調整しなければ所望の特性を有す
る光導電層を再現性良く形成することが出来ず、
歩留りの低下を招き量産性に欠けるという欠点が
ある。
又、バインダー系光導電層は分散系という特殊
性故に、層全体がポーラスになつており、その為
に湿度依存性が著しく、多湿雰囲気中で使用する
と電気的特性の劣化を来たし、高品質の複写画像
が得られなくなる場合が少なくない。
更には、光導電層のポーラス性は、現像の際の
現像剤の層中への侵入を招来し、離型性、クリー
ニング性が低下するばかりか使用不能を招く原因
ともなり、殊に、液体現像剤を使用すると毛管現
象による促進をうけてそのキヤリアー溶剤と共に
現像剤が層中に浸透するので上記の点は著しいも
のとなるので、光導電層表面を表面被覆層で覆う
ことが必要となる。
而乍ら、この表面被覆層を設ける改良も、光導
電層のポーラス性に起因する光導電層表面の凹凸
性故に、その界面が均一にならず、光導電層と表
面被覆層との接着性及び電気的接触性の良好な状
態を得る事が仲々困難であるという欠点が存す
る。
又、CdSを使用する場合には、CdS自体の人体
への影響がある為に、製造時及び使用時に於い
て、人体に接触したり、或いは周囲環境下に飛散
したりすることのない様にする必要がある。
ZnOを使用する場合には、人体に対する影響は
殆んどないが、ZnOのバインダー系光導電層は光
感度が低い、分光感度領域が狭い、光疲労が著し
い、光応答性が遅い等の欠点を有している。又、
最近注目されているPVKやTNF等の有機光導電
材料を使用する電子写真用像形成部材に於いて
は、表面が導電処理されたポリエチレンテレフタ
レート等の適当な支持体上にPVKやTNF等の有
機光導電材料の塗膜を形成するだけで光導電層を
形成出来るという製造上に於ける利点及び可撓性
に長けた電子写真用像形成部材が製造出来るとい
う利点を有するものであるが、他方に於いて、光
感度が低い、例えば像形成に使用する光が可視光
領域とした場合分光感度領域が狭く且つ短波長側
に片寄つている等の欠点を有し、極限定された範
囲でしか使途に供されていない。
この様に、電子写真用像形成部材の光導電層形
成材料として従来から指摘されている光導電材料
を使用した電子写真用像形成部材は、利点と欠点
を併せ持つ為に、ある程度、製造条件及び使用条
件を持つ為に、ある程度、製造条件及び使用条件
を緩和して、各々の使途に合う適当な電子写真用
像形成部材を各々に選択して実用に供しているの
が現状である。
従つて、上述の諸問題点の解決された優れた電
子写真用像形成部材が得られる様な電子写真用像
形成部材の光導電層形成材料としての第3の材料
が所望されている。
その様な材料として最近有望視されているもの
の中にアモルフアスシリコン(以後A−Siと略記
する)がある。
A−Si膜は、開発初期のころは、その製造法や
製造条件によつて、その構造が左右される為に
種々の電気的特性・光学的特性を示し、再現性の
点に大きな問題を抱えていた。例えば、初期に於
いて、真空蒸着法やスパツターリング法で形成さ
れたA−Si膜は、ボイド等の欠陥を多量に含んで
いて、その為に電気的性質も光学的性質も大きく
影響を受け、基礎物性の研究材料としてもそれ程
注目されてはいず、応用の為の研究開発もなされ
なかつた。而乍ら、アモルフアスではp、n制御
が不可能とされていたのが、A−Siに於いて、
1976年初頭にアモルフアスとしては初めてp−n
接合が実現し得るという報告(Applid Physics
Letter;Vol28、No.2、15 January 1976)が成
されて以来、大きな関心が集められ、以後上記の
不純物のドーピングによつてp−n接合が得られ
ることに加えて結晶性シリコン(c−Siと略記す
る)では非常に弱いルミネセンスがA−Siでは高
効率で観測されるという点から、主として太陽電
池への応用に研究開発力が注がれて来ている。
この様に、これ迄に報告されているA−Si膜
は、太陽電池用として開発されたものであるの
で、その電気的特性・光学的特性の点に於いて、
電子写真用像形成部材の光導電層としては使用し
得ないのが実情である。即ち、太陽電池は、太陽
エネルギーを電流の形に変換して取り出すので、
SN比が良いだけでなく、効率良く大きな電流を
取り出すには、A−Si膜の抵抗はある程度小さく
なければならないが、余り抵抗が少さ過ぎると光
感度が低下し、SN比が悪くなるので、その特性
の一つとしての抵抗は105〜108Ω・cm程度が要求
される。
而乍ら、この程度の抵抗(暗抵抗:暗所での抵
抗)を有するA−Si膜は、電子写真用像形成部材
の光導電層としては、余りにも抵抗(暗抵抗)が
低く過ぎて、そのままでは現在、知られている電
子写真法を適用するのでは全く使用し得ない。
又、電子写真用像形成部材の光導電層形成材料と
しては、明抵抗(光照射時の抵抗)が暗抵抗に較
べて2〜4桁程度小さいことが要求されるが、従
来、報告されているA−Si膜では精々2桁程度で
あるので、この点に於いても従来のA−Si膜で
は、その特性を充分満足し得る光導電層とは成り
得なかつた。
又、別には、A−Si膜に関するある報告では、
例えば、暗抵抗が1010Ω・cmでのA−Si膜で
は、明抵抗も同程度の値を示すし、SN比が悪い
ことが示されているが、この点に於いても、従来
のA−Si膜は電子写真用像形成部材の光導電層と
は成り得なかつた。
〔目的及び構成〕
本発明は上記の諸点に鑑み成されたもので、A
−Siに就て電子写真用像形成部材への応用という
観点から総括的に鋭意研究検討を続けた結果A−
Si層と以下に詳述する有機化合物の層とを積層す
れば、得られる電子写真用像形成部材は実用的に
充分使用し得るばかりでなく、従来の電子写真用
像形成部材と較べてみても殆んどの点に於いて凌
駕していることを見出した点に基いている。本発
明は、製造時に於いては、製造設備のクローズド
システム化が容易に出来るので、人体に対する悪
影響を避けることが出来、又、一旦製造されたも
のは使用上に際し、人体ばかりかその他の生物、
更には自然環境に対して影響がなく無公害であつ
て、電子写真特性が常時安定していて、殆んど使
用環境に限定を受けない全環境型であり、耐光疲
労に著しく長け、繰返し使用に際しても劣化現象
を起さない電子写真用像形成部材の製造法を提供
することを主たる目的とする。
本発明の他の目的は、濃度が高く、ハーフトー
ンが鮮明に出て且つ解像度の高い、高品質画像を
得る事が容易に出来る電子写真用像形成部材の製
造法を提供することである。
本発明の他の目的は、光感度が高く、分光感度
領域も略々全可視光域を覆つていて、且つ光応答
性も速い電子写真用像形成部材の製造法を提供す
ることである。
本発明の更に他の目的は静電像形成後現像を行
うまでの時間及び現像に要する時間に対する制約
の少ない電子写真用像形成部材の製造法を提供す
ることである。
本発明の所期の目的は、所定の圧力の下に、ア
モルフアスシリコン形成用の原料ガス又はシリコ
ンターゲツトと水素ガスとが導入された放電槽内
に、電圧100〜5000V、電流密度0.1〜10mA/cm2
なる条件で放電を生起させて、50〜350℃の温度
範囲内に維持されている支持体上に所定層厚のア
モルフアスシリコン系層を形成し、次いで該層上
に有機化合物層から成る層を設けることを特徴と
する電子写真用像形成部材の製造法によつて達成
される。
本発明によつて得られる電子写真用像形成部材
の最も代表的な構成例が第1図に示される。
第1図に示される電子写真用像形成部材1は、
電子写真法の実施に適用される像形成部材用の支
持体2、電磁波励起によつて、移動可能なキヤリ
アーを発生するところのA−Si系層3、A−Si系
層3中で発生したキヤリアーが効率良く注入さ
れ、且つ効果的に輸送する為の有機化合物から成
る層4から構成され、層4は、自由表面5を有し
ている。
本発明に於けるA−Si系層3は、像形成部材1
に静電像を形成するプロセス中の一工程である電
磁波照射工程の際に、照射される電磁波の作用を
受けて、移動可能なキヤリアーを生成する層とし
ての機能を有る。
本発明に於いては、A−Si系層3が上記の様な
機能を有するものとされる為に、像形成部材1に
電磁波を照射する方向に応じて、実質的にコント
ラストの充分とれた静電像が形成されるのに充分
なキヤリアーがA−Si系層3中に於いて発生され
得る様に、即ち、前記電磁波がA−Si系層3に充
分到達し得る様に、支持体2と層4の何れか一方
を形成する必要がある。
即ち、例えば、第1図に於いて、層4側より電
磁波を照射する場合には、層4は、A−Si系層3
に於いて充分なるキヤリアーが発生される様な量
の電磁波が透過し、A−Si系層3に到達し得る様
に、材料の選択及び層厚を決定して設けられる必
要があり、逆に、支持体2側より電磁波を照射す
る場合には、支持体2が前記の条件の場合の層4
の様に材料の選択及び層厚を決定して設けられる
必要がある。
又、第1図に示される像形成部材1に於いて
は、支持体2上にA−Si系層3が形成され、該A
−Si系層3上に層4が形成されているが、斯かる
層構成順は、必ずしも本発明を限定するものでは
なく、支持体2を層4側に設け、A−Si系層3が
自由表面を有する層構成順としても良い。この層
構成で、A−Si系層3側より電磁波を照射する場
合には、有機化合物の層4及び支持体2は、先述
した様な、A−Si系層3に於いて充分なるキリア
ーが発生される様な量の電磁波がA−Si系層3に
到達し得る様にはする必要はない。而乍ら、逆に
支持体2側より電磁波を照射する場合には、支持
体2及び層4は、先述した様に、A−Si系層3に
於いて、充分なるキヤリアーが発生される様な量
の電磁波がA−Si系層に到達し得る様に材料の選
択及び層厚を決定して設ける必要がある。
支持体2としては、導電性でも電気絶縁性であ
つても良い。導電性支持体としては、例えば、ス
テンレス、Al、Cr、Mo、Au、Ir、Nb、Ta、
V、Ti、Pt、Pd等の金属又はこれ等の合金が挙
げられる。電気絶縁性支持体としては、ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロ
ーズトリアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポ
リアミド等の合成樹脂のフイルム又はシート、ガ
ラス、セラミツク、紙等が通常使用される。これ
等の電気絶縁性支持体は、好適には少なくともそ
の一方の表面を導電処理され、該導電処理された
表面側に他の層が設けられるのが望ましい。
例えば、ガラスであれば、In2O3、SnO2等でそ
の表面が導電処理され、或いはポリエステルフイ
ルム等の合成樹脂フイルムであれば、Al、Ag、
Pb、Zn、Ni、Au、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、
Ti、Pt等の金属で真空蒸着、電子ビーム蒸着、
スパツタリング等で処理し、又は前記金属でラミ
ネート処理して、その表面が導電処理される。支
持体の形状としては、円筒状、ベルト状、板状
等、任意の形状とし得、所望によつて、その形状
は決定されるが、連続高速複写の場合には、無端
ベルト状又は円筒状とするのが望ましい。支持体
の厚さは、所望通りの電子写真用像形成部材が形
成される様に適宜決定されるが、電子写真用像形
成部材として可撓性が要求される場合には、支持
体としての機能が充分発揮される範囲内であれ
ば、可能な限り薄くされる。而乍ら、この様な場
合、支持体の製造上及び取扱い上、機械的強度等
の点から、通常は10μ以上とされる。
A−Si系層3は、支持体2上に、グロー放電
法、スパツターリング法、イオンインプランテー
シヨン法等によつて形成される。これ等の製造法
は、製造条件、設備資本投下の負荷程度、製造噺
規模、製造される電子写真用像形成部材に所望さ
れる電子写真特性等の要因によつて適宜選択され
て採用されるが、所望する電子写真特性を有する
像形成部材を製造する為の制御が比較的容易であ
る、特性を制御する為にA−Si層中に不純物を導
入するのに、族又は族の不純物を置換型で導
入することが出来る等の利点からグロー放電法が
好適に採用される。更に、本発明に於いては、グ
ロー放電法とスパツターリング法とを同一装置系
内で併用してA−Si層を形成しても良い。
A−Si系層3は、本発明の目的とする電子写真
用像形成部材が得られる可く、水素(H)を含有させ
て制御される。A−Si系層3へのHの含有は、層
3を形成する際、装置系内にSiH4、Si2H6等の化
合物の形で導入した後熱分解、グロー放電分解等
の方法によつて、それ等の化合物を分解して、A
−Si系層3中に、層の成長に併せて含有させても
良いし、又、イオンインプランテーシヨン法でド
ーピングしても良い。
本発明者等の知見によれば、A−Si系層3中へ
のHの含有量は、形成された電子写真用像形成部
材が実際面に於いて充分適用され得るか否かを左
右する大きな要因の一つであつて極めて重要であ
ることが判明している。
本発明に於いて、形成される電子写真用像形成
部材が実際面に充分適用させ得る為には、A−Si
系層中に含有されるHの量は通常の場合10〜
40atomic%、好適には15〜30atomic%とされる
のが望ましい。A−Si系層中へのHの含有量が上
記の数値範囲に限定される理由の理論的裏付は今
の処、明確にされておらず推論の域を出ない。而
乍ら、数多くの実験結果から、上記数値範囲外の
Hの含有量では、場合によつては、例えば、製造
された電子写真用像形成部材は、照射される電磁
波に対する感度が極めて低い又は場合によつて
は、該感度が殆んど認められない、電磁波照射に
よるキヤリアーの増加が小さい、A−Si系層の暗
抵抗が著しく低い等が認められ、Hの含有量が上
記の数値範囲内にあるのが必要条件であることが
裏付けられている。A−Si系層3中にHを含有す
るには、例えば、グロー放電法によつて、A−Si
系層を形成する場合には、A−Siを形成する出発
物質がSiH4、Si2H6等の水素化物を使用するの
で、SiH4、Si2H6等の水素化物が後述の製造条件
下に於いて分解してA−Si系層が形成される際、
Hは自動的に層中に含有されるが、Hの層中への
含有を一層効率良く行なうには、A−Si系層を形
成する際に、グロー放電を行なう系内にH2ガス
を導入してやれば良い。
スパツターリング法による場合にはAr等の不
活性ガス又はこれ等のガスをベースとした混合ガ
ス雰囲気中でSiをターゲツトとしてスパツターリ
ングを行う際にH2ガスを導入してやるか又は
SiH4、Si2H6等の水素化硅素ガス、或いは、不純
物のドーピングも兼ねてB2H6、PH3等のガスを導
入してやれば良い。
A−Si系層中に含有させるHの量を制御するに
は、支持体温度又は/及びHを含有する為に使用
される出発物質の装置系内へ導入する量等々を制
御してやれば良い。更には、A−Si系層を形成し
た後に、結晶化温度以下で加熱するのも一つの方
法である。
本発明に於いては、照射される電磁波に対する
感度が実用上充分であるものとする為にA−Si系
層3の層厚としては、通常0.1μ以下とされる。
一方、上限としては、電子写真分野に於ける光
導電層の通常知られている層厚であつても、充分
良いものであるが、A−Si系層の製造に要する時
間を短くし、製造コストを下げるという観点か
ら、通常は10μ以下、好適には7μ以下とされる
のが望ましい。
A−Si系層中にドーピングされる不純物として
は、A−Si系層をp型にするには、周期律表第
族Aの元素、例えば、B、Al、Ga、In、Tl等が
好適なものとして挙げられ、n型にする場合に
は、周期律表第族Aの元素、例えば、N、P、
As、Sb、Bi等が好適なものとして挙げられる。
これ等の不純物は、A−Si系層中に含有される量
がppmオーダーであるので、その公害性に注意
を払う必要はないが、出来る限り公害性のないも
のを使用するのが好ましい。この様な観点からす
れば、形成されるA−Si系層の電気的・光学的特
性を加味して、例えば、B、As、P、Sb等が最
適である。
A−Si系層中にドーピングされる不純物の量
は、所望される電気的・光学的特性に応じて適宜
決定されるが、周期律表第族Aの不純物の場合
には、通常106〜10-3atomic%、好適には10-5
10-4atomic%、周期律表第族Aの不純物の場合
には、通常10-8〜10-5atomic%、好適には10-8
10-7atomic%とされるのが望ましい。
これ等不純物のA−Si系層中へのドーピング方
法は、A−Si系層を形成する際に採用される製造
法によつて各々異なるものであつて、具体的に
は、以降の説明又は実施例に於いて詳述される。
本発明に於ける、有機化合物から成る層4は、
A−Si系層3中で発生したキヤリアーが、効率良
く注入され、該注入されたキヤリアーを効果的に
輸送する為の層であるから、該層4は、注入され
たキヤリアーを効果的に輸送する様な材料を選択
し、A−Si系層3からのキヤリアーの注入がスム
ーズに行われ得る様な良好な接触状態が形成され
る様にA−Si系層3上に設けられる。
この様な条件を満足す可く層4を形成するに
は、その形成材料としては、A−Si系層3がn型
の場合には電子の易動度に対して正孔易動度の比
較的大きいものが、又A−Si系層3がp型の場合
には正孔の易動度に対して電子易動度の比較的大
きいものが選択して使用される。その様な材料と
しては、成膜性、接着性及び要求される抵抗を有
するものが多い等の点から、有機化合物の多くの
ものが好適なものとして挙げられる。
但し、既に形成された有機化合物の層4上に、
A−Si系層を形成する様な場合には、以後の説明
でも明白な様に、層4を形成する有機化合物とし
ては、耐熱性のものを選択しなければならない。
これらの有機高分子化合物の多くは適当な溶剤
に溶解され、ドクターブレード法、デイツピング
法等の通常の塗布方法で、形成する事ができる。
本発明に於いて有効に使用される正孔易動度の
比較的大きい物質としてはPVK、カルバゾー
ル、N−エチルカルバゾール、N−イソプロピル
カルバゾール、N−フエニルカルバゾール、テト
ラフエニルピレン、1−メチルピレン、ペリレ
ン、クリセン、アントラセン、テトラセン、テト
ラフエン、2−フエニルナフタリン、アザピレ
ン、フルオレン、フルオレノン、1−エチルピレ
ン、アセチルピレン、2・3−ベンゾクリセン、
3・4−ベンゾピレン、1・4−ブロモピレン、
フエニルインドール、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルテトラセン、ポリビニルペリレン、ポリビニ
ルテトラフエン、ポリアクリロニトリル等を挙げ
る事ができる。電子の易動度の比較的大きな物質
としては、PVK:TNF、(単量体でのモル比1:
1)に、テトラニトロフルオレノン、ジニトロア
ントラセン、ジニトロアクリデン、テトラシアノ
フイレン、ジニトロアントラキノン等が挙げられ
る。
第1図に示される像形成部材1に於いては、支
持体2上にA−Si系層3、該層3上に有機化合物
から成る層4が積層された層構成とされている
が、更に、支持体2とA−Si系層3との間に層4
と類似した別の層を設けても良い。この場合に支
持体2とA−Si系層3との間に設けられる上記層
としては、層4が電子易動度の比較的大きな場合
には、正孔易動度の比較的大きな層とし、層4が
正孔易動度の比較的大きな場合には、電子易動度
の比較的大きな層とされる。
有機化合物から成る層4の層厚は、本発明の目
的を達成する為に該層4に要求される特性及びA
−Si系層との関係に於いて適宜決定されるもので
あるが、通常は5〜80μ、好適には10〜50μとさ
れるのが望ましいものである。
第1図に示される電子写真用像形成部材の如
き、有機化合物から成る層4又はA−Si系層3が
自由表面5を有し、該自由表面5に、静電像形成
の為の帯電処理が施される像形成部材に於いて
は、支持体2と、該支持体2上に設けられる層と
の間に静電像形成の際の帯電処理時に支持体2側
からのキヤリアーの注入を阻止する働きのある障
壁層を設けるのが一層好ましいものである。この
様な働きのある障壁層を形成する材料としては、
選択される支持体2の種類及び支持体2上に形成
される層の電気的特性に応じて適宜選択されて適
当なものが使用される。その様な障壁層形成材料
としては、例えば、Al2O3、SiO、SiO2等の無機
化合物、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ
ウレタン、パリレン等の有機化合物、Au、Ir、
Pt、Rh、Pd、Mo等の金属が挙げられる。
次に本発明の電子写真感光体を製造するに際
し、A−Si系層をグロー放電法及びスパツターリ
ング法によつて製造する場合に就いて説明する。
第2図は、キヤパシタンスタイプ(容量結合型)
グロー放電法によつて、A−Si系層を製造する為
のグロー放電真空堆積装置の模式的説明図であ
る。
12はグロー放電堆積槽であつて、内部には、
A−Si系層を形成する為の基板(支持体)13が
固定部材14に固定されており、基板13の下部
側には、基板13を加熱する為のヒーター15が
設置されている。堆積槽12の上部には、高周波
電源16と接続されている、キヤパシタンスタイ
プ電極17,17′が巻かれており、前記高周波
電源16がONされると前記電極17,17′に高
周波が印加されて、堆積槽12内にグロー放電が
生起される様になつている。
堆積槽12の上端部には、ガス導入管が接続さ
れており、ガスボンベ18,19,20より各々
のボンベ内のガスが必要時に堆積槽12内に導入
される様になつている。21,22,23は各々
フローメーターであつてガスの流量を検知する為
のメーターであり、又、24,25,26は流量
調節バルブ、27,28,29はバルブ、30は
補助バルブである。
又、堆積槽12の下端部はメインバルブ31を
介して排気装置(図示されていない)に接続され
ている。32は、堆積槽12内の真空を破る為の
パルプである。
第2図のグロー放電装置を使用して、基板13
上に所望特性のA−Si系層を形成するには、先
ず、所定の清浄化処理を施した基板13を清浄化
面を上面にして或いは予め有機化合物から成る層
の設けられた基板13を該層の設けられた固定部
材14に固定する。
基板13の表面を清浄化するには、通常、実施
されている方法、例えば、アルカリ又は酸等によ
る化学的処理法が採用される。又、ある程度清浄
化した後堆積槽12内の所定位置に設置し、その
上にA−Si系層を形成する前にグロー放電処理を
行つても良い。この場合、基板13の清浄化処理
からA−Si系層形成迄同一系内で行うことが出来
るので、清浄化した基板面に汚物や不純物が付着
するのを避けることが出来る。基板13を固定部
材14に固定したら、メインバルブ31を全開し
て堆積槽12内の空気を排気して、真空度
10-5torr程度にする。
堆積槽12内が所定の真空度に達した後、ヒー
ター15を点火して基板13を加熱し所定温度に
達したら、その温度に保つ。
次に、補助バルブ30を全開し、続いてガスボ
ンベ18のバルブ24及びガスボンベ19のバル
ブ25を全開する。ガスボンベ18は例えばAr
ガス等の稀釈ガス用であり、ガスボンベ19は、
A−Siを形成する為の原料ガス用であつて、例え
ば、SiH4、Si2H6、Si4H10又は、それ等の混合物
等が貯蓄されている。又、ボンベ20は必要に応
じてA−Si系層中に導入する不純物を生成する為
の原料ガス用であつて、PH3、P2H4、B2H6等が
貯蔵されている。
その後ガスボンベ18及び19の流量調節バル
ブ24,25を、フローメーター21及び22を
見乍ら、徐々に開口し、堆積槽12内に稀釈ガス
として例えばArガス及び例えば、SiH4ガス等の
A−Si形成用の原料ガスを導入する。この時Ar
ガス等の稀釈ガスは必ずしも要するものではな
く、SiH4ガス等の前記原料ガスのみ導入しても
良い。ArガスをSiH4ガス等のA−Si形成用の原
料ガスに混合して導入する場合、その量的割合
は、所望に従つて決定されるが、通常の場合、稀
釈ガスに対して前記原料ガスが10Vol%以上とさ
れる。なお、稀釈ガスとしてArガスの代りにHe
ガス等の稀ガスを使用しても良い。
堆積槽12内に、ボンベ18,19よりガスが
導入された時点に於いて、メインバルブ32を調
節して、所定の真空度、通常の場合はA−Siを形
成する為の原料ガス圧で10−2〜3torrに保つ。
次いで、堆積槽12外に巻かれたキヤパシタンス
タイプの電極17,17′に高周波電源16によ
り所定周波数、通常の場合は0.2〜30MHzの高周
波を加えてグロー放電を堆積槽12内に起すと、
例えば、SiH4ガスが分解して、基板13上にSiが
堆積されてA−Si系層が形成される。
形成されるA−Si系層中に不純物を導入する際
には、ボンベ20より不純物生成用のガスを、A
−Si系層形成時に堆積槽12内に導入してやれば
良い。この場合、流量調節バルブ26を適当に調
節することにより、ボンベ20よりの堆積槽12
への導入量を適切に制御することが出来るので、
形成されるA−Si系層中に導入される不純物の量
を任意に制御することが出来る他、更に、A−Si
系層の厚み方向に不純物の量を変化させることも
容易に成し得る。
第2図に示されるグロー放電堆積装置に於いて
は、RF(radio feguency)キヤパシタンスタイ
プグロー放電法が採用されているが、この他、
RFインダクタンスタイプ、DC二極タイプ等のグ
ロー放電法も本発明に於いて採用される。又、グ
ロー放電の為の電極17,17′は、堆積槽12
の外に設けても良いし、又堆積槽12の内に設け
ても良い。
本発明に係る第2図の装置の様なキヤパシタン
スタイプグロー放電装置に於いて、有効とされる
グロー放電を得る為には、電流密度を0.1〜10m
A/cm2とするのが良く、又、充分なパワーを得る
為には、通常100〜5000V、好適には300〜5000V
の電圧に調整されるのが良い。
形成されるA−Si系層の特性は成長時の基板温
度に大きく依存するのでその制御は厳密に行うの
が好ましい。
本発明に於いては基板温度を通常は50〜350
℃、好適には100〜200℃の範囲とすることによつ
て、有効な特性を有するA−Si系層が形成され
る。更に基板温度はA−Si層形成時に連続的又は
断続的に変化させて所望の特性を得るようにする
ことも出来る。
第3図は、スパツタリング法によつて、A−Si
系層を製造する為の装置の1つを示す模式的説明
図である。
33は真空堆積槽であつて、内部には、第2図
で説明したのと同様の、A−Si系層を形成する為
の基板34が堆積槽33とは電気的に絶縁されて
いる導電性の固定部材35に固定されて所定位置
に配置されている。基板34の下方には、基板3
4を加熱する為のヒーター36が配置され、上方
には、所定間隔を設けて基板34と対向する位置
に多結晶又は単結晶シリコンターゲツト37が配
置されている。
基板34が設置されている固定部材35とシリ
コーンターゲツト37間には、高周波電源38に
よつて、高周波電圧が印加される様になつてい
る。又、堆積槽33には、ボンベ39,40が
各々、バルブ41,42、フローメータ43,4
4、流量調節バルブ45,46、補助バルブ47
を介して接続されており、ボンベ39,40より
必要時に堆積槽33内にガスが導入されるように
なつている。
今、第3図の装置を用いて、基板34上にA−
Si系層を形成するには、まず、堆積槽33内の空
気を矢印Bで示す様に、適当な排気装置を使用し
てメインバルブ48を介して排気し、所定の真空
度にする。次に、ヒーター36を点火して基板3
4を所定の温度まで加熱する。スパツタリング法
によつてA−Si系層を形成する場合、この基板3
4の加熱温度は、通常50〜350℃、好適には100〜
200℃とされる。この基板温度は、A−Si系層の
成長速度、層の構造、ボイドの存否等を左右し、
形成されたA−Si系層の物性を決定する一要素で
あるので充分なる制御が必要である。又、基板温
度は、A−Si系層の形成時に、一定に保持しても
良いし、又、A−Si系層の成長と共に上昇又は下
降又は上下させても良い。例えば、A−Si系層の
形成初期に於いては、比較的低い温度T1に基板
温度を保ち、層がある程度成長したらT1よりも
高い温度T2まで基板温度を上昇させながら層を
形成し、層形成終期には再びT2より低い温度T3
に基板温度を下げる等して、A−Si系層を形成す
ることが出来る。この様にすることによつて、A
−Si系層の電気的・光学的性質を層厚方向に連続
的に変化させることが出来る。
又、A−Siは、その層成長速度が、例えば、
Se等に比べて遅いので、形成する層厚が厚くな
ると層形成初期に形成されたA−Si(基板側に近
いA−Si)は、層形成終了迄の間に、層形成初期
の特性を変化させる恐れが充分考えられるので、
層の厚み方向に一様な特性を有するA−Si系層を
形成する為には層形成開始から層形成終了時に亘
つて基板温度を上昇させ乍ら層形成するのが望ま
しい。
次に、基板34が所定の温度に加熱されたこと
を検知した後、メインバルブ48、補助バルブ4
7、バルブ41,42を全開する。次いでメイン
バルブ48及び流量調節バルブ46を調節しなが
らボンベ40より、H2ガスを堆積槽33内に所
定の真空度に下るまで導入し、その真空度に保
つ。
続いて、流量調節バルブ45を開いて、ボンベ
39より例えば、Arガス等の雰囲気ガスを堆積
槽33内に所定の真空度に下るまで導入し、その
真空度に保つ。この場合の、H2ガス及び雰囲気
ガスの堆積槽33内への流量は所望する物性のA
−Si系層が形成されるように適宜決定される。例
えば堆積槽33内の雰囲気ガスとH2ガスの混合
ガスの圧力は真空度で、通常は10-3〜10-1Torr、
好適には5×10-3〜3×10-2Torrとされる。尚、
Arガスは、Heガス等の稀ガスに代えることもで
きる。
堆積槽33内に、ボンベ39,40より所定の
真空度になるまで、Arガス等の雰囲気ガス及び
H2ガスが導入された後、高周波電源38によ
り、所定の周波数及び電圧、基板34が設置され
ている固定部材35とシリコンターゲツト37間
に高周波電圧を印加して放電させ、生じた例えば
ArイオンでシリコンターゲツトのSiをスパツタ
ーリングし、基板34上にA−Si系層を形成す
る。
第3図の説明に於いては、高周波放電によるス
パツターリング法であるが、別に直流放電による
スパツターリング法を採用しても良い。高周波印
加によるスパツターリング法に於いては、その周
波数は本発明の場合、通常0.2〜30MHz、好適に
は5〜20MHzとされ、又、放電電流密度は通常
0.1〜10mA/cm2、好適には1〜5mA/cm2とさ
れるのが望ましい。又、充分なパワーを得る為に
は通常100〜5000V、好適には300〜5000Vの電圧
に調節されるのが良い。
スパツターリング法によつて、A−Si系層を製
造する際の層の成長速度は、主に基板温度及び放
電条件によつて決定されるものであつて、形成さ
れた層の物性を左右する大きな要因の一つであ
る。本発明の目的を達成する為のA−Si層の成長
速度は、通常の場合0.5〜100Å/sec、好適には
1〜50Å/secとされるのが望ましい。
スパツターリング法に於いてもグロー放電法と
同様に不純物のドーピングによつて、形成される
A−Si系層をn型或いはp型に調整することが出
来る。不純物の導入法は、スパツターリング法に
於いてもグロー放電法と同様であつて、例えば、
PH3、P2H4、B2H6等の如き物質をガス状態でA
−Si系層形成時に堆積槽33内に導入して、A−
Si系層中にP又はBは不純物としてドーピングす
る。この他、又、形成されたA−Si系層に不純物
をイオンインプランテーシヨン法によつて導入し
ても良い。この場合、A−Si系層の極薄い表面層
部分を所望の特性に容易に制御することが出来
る。
以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。
実施例 1 第2図に示す装置を用い、以下の様にして本発
明の電子写真用像形成部材を作成し、画像形成処
理を施して画像出しを行つた。
1%のNaOH溶液を用いて表面処理を行い、充
分水洗し乾燥させて表面を清浄化した厚さ1mm、
大きさ10cm×5cmのアルミニウム基板を用意し
て、グロー放電堆積槽12内の所定位置にある固
定部材14の所定位置にヒーター15とは約10cm
程度離して堅固に固定した。
次いで、メインバルブ31を全開して堆積槽1
2内の空気を排気し、約5×10-5Torrの真空度
にした。その後ヒーター15を点火してアルミニ
ウム基板を均一に加熱して150℃に上昇させ、こ
の温度に保つた。その後、補助バルブ30を全開
し、引続いてボンベ18のバルブ27、ボンベ1
9のバルブ28を全開した後、流量調節バルブ2
4及び25を徐々に開いて、ボンベ18よりAr
ガスを、ボンベ19よりSiH4ガスを堆積槽12
内に導入した。この時、メインバルブ31を調節
して堆積槽12内の真空度が約0.75Torrに保持さ
れる様にした。
続いて、高周波電源16のスイツチをONにし
て、電極17,17′間に13.56MHzの高周波電
圧を印加してグロー放電を起し、アルミニウム基
板13上にA−Si系層を形成した。この時のグロ
ー放電電力は5Wであつた。又、この時のA−Si
系層の成長速度は、約4Å/secであつて約20分
間層形成を行い、アルミニウム基板13上に0.5
μ厚のA−Si系層を形成した。この様にしてA−
Si系層の形成された基板を、層形成終了後、メイ
ンバルブ31、バルブ27,28、流量調節バル
ブ24,25、補助バルブ30を閉じ、代りにバ
ルブ32を開いて堆積層12内の真空を破り、外
部に取り出した。
次いで、上記A−Si系層上にPVKをトルエン
に溶解して作つた塗布液をドクターブレード法に
よつて塗布した。次にこれをトルエンを蒸発させ
るため80℃の雰囲気中に約2時間放置した。乾燥
後のPVK膜の厚さは約15μであつた。こうして
得られた像形成部材に次に示す様な方法の画像形
成処理を施した。
先ず、暗中に於いて、電源電圧5500Vで負コロ
ナ放電をその像形成表面に行い、次いで、15
lux.secの露光量で像形成表面より画像露光を行
つて静電像を形成し、該静電像をカースケード法
により正荷電されたトナーで現像して転写紙上に
転写・定着を行つた。この時、帯電後、現像終了
までの処理時間は数秒程度であつたが解像度が高
く極めて鮮明な転写画像が得られた。又、更に、
上記処理時間が10秒を越えても、ほとんど転写画
像のコントラストの低下は見られなかつた。
実施例 2 SiH4ガスに対し、0.01%の割合でB2H6ガスを
混合した状態でグロー放電を行なわせた以外は実
施例1と同様の方法でアルミニウム基板上に厚み
0.5μのA−Si系層を得た。このA−Si系層上
に、PVK:TNFをトルエンとシクロヘキサノン
等量混合物に溶解して得た塗布液を、ドクターブ
レード法にて塗布し、次にこれを溶媒を蒸発させ
るため、80℃の雰囲気中に約2時間放置した。乾
燥後のPVK:TNFの層厚は約20μであつた。こ
れを暗中に於いて電源電圧6000Vで正コロナ帯電
を行い、次いで、15 lux.secの露光量で、像形成
表面より画像露光を行つて、静電像を形成し、該
静電像をカースケード法により、負荷電されたト
ナーで現像して転写紙上に転写・定着を行つた
所、解像度が高くて極めて鮮明な画像が得られ
た。一方帯電を負コロナ放電によつて行い、現像
は正荷電されたトナーを用いて同様に画像処理を
行つた所、得られた転写画像はコントラストの低
いものであつた。
実施例 3 ポリエチレンテレフタレートのシート(厚さ
100μ)にAlをうすく蒸着したものを基板とした
以外は実施例1と同様にして像形成部材を得た。
これを使用して画像露光を基板側から行つた以外
は実施例1と同様の方法で画像処理を行つた。得
られた転写画像は高品質のものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係わる電子写真用像形成部
材の構成の一例を示す模式的構成断面図、第2
図、第3図は夫々本発明の電子写真用像形成部材
を製造する為の装置の一例を示す模式的説明図で
ある。 1……電子写真用像形成部材、2……支持体、
3……A−Si系層、4……有機化合物層、5……
自由表面、12,33……真空堆積槽、13,3
4……基板、14,35……固定部材、15,3
6……ヒータ、16,38……高周波電源、1
7,17′……キヤパシタンスタイプ電極、1
8,19,20,39,40……ガスボンベ、2
1,22,23,43,44……クローメータ
ー、24,25,26,45,46……流量調節
バルブ、27,28,29,41,42……バル
ブ、30,47……補助バルブ、31,48……
メインバルブ、32……リークバルブ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 所定の圧力の下に、アモルフアスシリコン形
    成用の原料ガス又はシリコンターゲツトと水素ガ
    スとが導入された放電槽内に、電圧100〜
    5000V、電流密度0.1〜10mA/cm2なる条件で放
    電を生起させて、50〜350℃の温度範囲内に維持
    されている支持体上に所定層厚のアモルフアスシ
    リコン系層を形成し、次いで該層上に有機化合物
    層から成る層を設けることを特徴とする電子写真
    用像形成部材の製造法。
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