JPH05311231A - 環流式真空脱ガス装置を用いた高純度鋼の精錬方法 - Google Patents
環流式真空脱ガス装置を用いた高純度鋼の精錬方法Info
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Abstract
低酸素のような高純度鋼の精錬方法の提供。 [構成] RH脱ガス装置の真空槽5内に導入したラン
スよりフラックス7を環流用下降浸漬管1b直上部の湯
面にブラスティングする。
Description
用いた極低硫鋼、極低酸素鋼のような高純度鋼の精錬方
法に関する。
な高純度鋼を精錬する方法はいろいろ提案されている。
例えば、環流式真空脱ガス装置において、真空槽内の溶
鋼にフラックス粉体を吹きつけて溶鋼の精錬を行なう方
法が特開昭53−92320号公報に開示されている。
この方法は溶鋼の酸素濃度を低減する方法に関するもの
であり、フラックスを粉状あるいは微細粒状に適正な粒
度調整を行ない、高圧搬送ガスによって真空槽内溶鋼浴
面上に吹き込み添加してフラックスの反応性を促進さ
せ、かつ滓化率を向上させることによって短時間で造滓
精錬効果を発揮させつつ安定して低酸素鋼を得る方法で
ある。
度が15ppm以下といった極低酸素鋼、同じく硫黄濃
度が15ppm以下といった極低硫鋼を得る際には極め
て重要となる取鍋浴面上のスラグ組成に関する技術的開
示がなく、本発明をこのような高純度鋼の精錬方法に適
用しても所望の高純度鋼が得られない。また、この方法
では真空槽内側壁に斜め下方に向けてノズルを設置し、
このノズルを用いて粉体を搬送ガスと共に浴面中央に斜
めに吹きつける方法が開示されている。この方法ではノ
ズルの閉塞防止のために、粉体を吹きつける必要のない
時期でもノズルからガスを噴出し続けることが必要であ
り、不活性ガスの費用がかさむのみならず、高真空を必
要とする水素などの脱ガス処理時に、このガスのために
高真空が達成できないといった問題があった。
吹きランスを用いて減圧下の鋼浴面に搬送ガスと共に粉
体を吹きつける技術が開示されている。この方法は環流
式真空脱ガス装置における処理のように転炉などの1次
精錬炉から溶鋼が取鍋に出鋼させる際、不可避的に取鍋
浴面上に流出する1次精錬炉の酸化性スラグの影響に対
する技術が開示されていない。このため、この方法を酸
化性スラグが存在するような条件に適用しても十分な効
果は望めず、前述のような所望の高純度鋼が得られな
い。
た比較的比重の軽いフラックス等の粉体を真空槽5内に
導入するランスを用い、図4に示す環流用上昇浸漬管部
のフラックス吹きつけ位置X1、また、図5に示す槽内
溶鋼滞留部のフラックス吹きつけ位置X2に吹きつけた
場合、フラックス7が溶鋼3中に侵入し難く、その結果
いつまでも真空槽5内の浴面に浮遊、滞留して取鍋2内
の溶鋼中に分散しない。そこで、真空槽5内にフラック
ス7が滞留するのをさけるために、真空槽5内の浴深さ
を極端に浅くして渦を生成させ、強制的に環流用下降浸
漬管1bから取鍋2内へフラックスを送り込む方策が取
られるが、これは溶鋼環流量の減少、環流用下降浸漬管
耐火物の溶損増大をもたらす為、好ましい方法ではな
い。また、フラックス7を取鍋2内の溶鋼中に浸漬ラン
スを用いて搬送ガスと共に、直接インジョンする周知の
技術では浸漬ランスの耐火物コストが著しく高くなると
いう問題があった。
記問題の解決を目的とし、具体的には、環流式真空脱ガ
ス装置の真空槽内の浴面上にフラックス等の粉体を吹き
つけるに際し、適切な場所を選定し、粉体を吹きつける
ことにより、環流用下降浸漬管の耐火物溶損を極めて少
なくしつつ、フラックスを取鍋内の溶鋼に均一分散させ
て反応を促進すること、さらに取鍋スラグの改質を効果
的に行なうこと、さらに、この方法によって極低硫鋼、
極低酸素鋼等の高純度鋼を得る方法を提供することを目
的とするものである。
鍋等の金属収納容器中の溶鋼を環流用上昇浸漬管によっ
て真空槽内に導き、この真空槽内から溶鋼を環流用下降
浸漬管によって金属収納容器中に戻して溶鋼を環流しつ
つ脱ガス等の処理を行なう環流式真空脱ガス方法におい
て、真空槽内に導入したランスよりフラックスを環流用
下降浸漬管の直上部の湯面にブラスティングしてフラッ
クスを金属収納容器中の溶鋼に均一分散させることを特
徴とする。
たる構成ならびにその作用効果について説明する。
置の一例を示す縦断面図であり、図2は図1のフラック
ス吹きつけ位置の説明図であり、図3は従来例の装置の
縦断面図であり、図4は図3のフラックス吹きつけ位置
の説明図であり、図5は図3のフラックス吹きつけ位置
の説明図である。符号1aは環流用上昇浸漬管、1bは
環流用下降浸漬管、2は取鍋、3は溶鋼、4は排気口、
5は真空槽、6はガス上吹き、フラックス上吹き兼用ラ
ンス、7はフラックス(粉体)、8は取鍋スラグ、X1
はフラックス吹きつけ位置、X2はフラックス吹きつけ
位置、X3はフラックス吹きつけ位置を示す。
に導入したガス上吹き、フラックス上吹き兼用ランス6
によりフラックス7をフラックス吹きつけ位置X3の環
流用下降浸漬管1bの直上部の湯面にブラスティングし
てフラックス7を取鍋2内の溶鋼に均一に分散させるこ
とができる。
上部にブラスティングすると、フラックス7は溶鋼3の
中に侵入し易くなる。従って、環流用下降浸漬管1bの
溶鋼流と共に直ちに取鍋2内に流入する。また、環流用
上昇浸漬管1a直上部の湯面や溶鋼滞留部の湯面にフラ
ックス7をブラスティングする場合に比べてスプラッシ
ュの発生が少なく、真空槽壁面ならびに環流用下降浸漬
管内壁面の耐火物の溶損が少ないという効果がある。
る。
脱ガス装置を用いて精錬を行なった。なお、RH処理前
の[%C]=0.02〜0.05、[%O]=0.04
〜0.07、溶鋼温度=1600〜1630℃であり、
その浴深は約350mmであった。
下方に向けて導入した水冷ランスを用い、ランス先端が
浴表面から1.5〜2.5mの位置で酸素ガスを湯面に
吹きつけた。酸素流量は30〜50Nm3/min、吹
きつけ時間は3〜8min、吹きつけ後の[%O]=
0.04〜0.06、溶鋼温度は1600〜1610℃
であった。
5Kg/t添加した。Al添加直前の[C]=7〜15
ppm、[O]=400〜550ppm、このAl添加
開始時期は処理開始後12〜18minであった。還元
剤添加開始0〜3min後から上記上吹きランスを用い
てArガスを搬送ガスとしてCaO粉を環流用下降浸漬
管直上部の湯面に吹きつけた。吹きつけ速度は50〜2
00Kg/minで原単位は1.0〜3.2Kg/tと
した。この結果、精錬後の溶鋼組成は、[C]=5〜1
2ppm、[O]=8〜16ppm、[Al]=0.0
3〜0.04%であり、溶鋼温度は1570〜1580
℃であった。
きランスを用いてCaO粉を環流用上昇浸漬管直上部の
湯面に吹きつけた場合、精錬後の溶鋼組成は[C]=6
〜13ppm、[O]=14〜25ppm、[Al]=
0.03〜0.05%であり、溶鋼温度は1565〜1
590℃であった。
られており、本発明の効果が優れていることは明らかで
ある。これは、CaO粉が取鍋内の溶鋼に均一に分散し
たことおよびCaO粉により酸化性スラグと溶鋼の接触
が遮断されたためと考えられる。
鍋に出鋼したのち、取鍋内および実施例1と同等の環流
式真空脱ガス装置を用いて[%C]=0.04〜0.0
8、[%Si]=0.25〜0.35、[%Mn]=
0.8〜1.6%、[%P]≦0.007、[%Al]
=0.02〜0.04、[%S]=0.002〜0.0
04を得た。出鋼の際、取鍋内には溶融した転炉スラグ
が流出するが、Alなどでスラグ改質を行なうことによ
りCaO/40〜50%、SiO2/10〜17%、A
l2O3/18〜23%、(FeO+MnO)/0.5〜
5.0%の組成とした。その量は約2.5tであった。
この組成の溶鋼を実施例1と同じ上吹きランスを用い3
〜5Nm3/minのArガスと共にCaO粉、CaO
+CaF2粉を500〜100Kgブラスティングし
た。ブラスティング処理前の溶鋼温度は1605〜16
30℃、処理後のそれは1570〜1590℃であっ
た。
上部の湯面にブラスティングする場合(本発明法)と、
真空槽内溶鋼滞留部の湯面にブラスティングする場合
(比較法)を比較した。本発明法の場合、処理後[S]
=3〜7ppmと低値でかつバラツキも小さかった。一
方、比較法の場合、処理後の[S]=5〜20ppmで
あり、バラツキが極めて大きかった。これはフラックス
の溶鋼中での分散状態のバラツキが大きい為、脱硫反応
の界面積と取鍋スラグを溶鋼の遮断効果にバラツキを生
じたためである。
取鍋等の金属収納容器中の溶鋼を環流用上昇浸漬管によ
って真空槽内に導き、この真空槽内から溶鋼を環流用下
降浸漬管によって金属収納容器中に戻して溶鋼を環流し
つつ脱ガス等の処理を行なう環流式真空脱ガス方法にお
いて、真空槽内に導入したランスよりフラックスを環流
用下降浸漬管の直上部の湯面にブラスティングしてフラ
ックスを金属収納容器中の溶鋼に均一分散させることを
特徴とする。
内に導入したランスからフラックスを環流用下降管直上
部の湯面にブラスティングするようにしたため、フラッ
クスが取鍋内で均一に分散されると共に、反応が促進さ
れ、また、取鍋スラグの改質が効果的に行なわれ、高純
度鋼が得られる。
示す縦断面図である。
る。
る。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 取鍋等の金属収納容器中の溶鋼を環流用
上昇浸漬管によって真空槽内に導き、この真空槽内から
溶鋼を環流用下降浸漬管によって前記金属収納容器中に
戻して溶鋼を環流しつつ脱ガス等の処理を行なう環流式
真空脱ガス方法において、前記真空槽内に導入したラン
スよりフラックスを環流用下降浸漬管の直上部の湯面に
ブラスティングしてフラックスを金属収納容器中の溶鋼
に均一分散させることを特徴とする環流式真空脱ガス装
置を用いた高純度鋼の精錬方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14645892A JP3214730B2 (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | 環流式真空脱ガス装置を用いた高純度鋼の精錬方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311231A true JPH05311231A (ja) | 1993-11-22 |
JP3214730B2 JP3214730B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=15408100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14645892A Expired - Fee Related JP3214730B2 (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | 環流式真空脱ガス装置を用いた高純度鋼の精錬方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3214730B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000129338A (ja) * | 1998-10-22 | 2000-05-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 清浄性に優れた極低炭素鋼の溶製方法 |
JP2007270178A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 極低硫鋼の製造方法 |
JP2016183378A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | Jfeスチール株式会社 | 溶鋼の脱硫方法 |
JP2016211018A (ja) * | 2015-04-30 | 2016-12-15 | 新日鐵住金株式会社 | 溶鋼の精錬処理方法 |
WO2017145877A1 (ja) | 2016-02-24 | 2017-08-31 | Jfeスチール株式会社 | 真空脱ガス設備における溶鋼の精錬方法 |
-
1992
- 1992-05-13 JP JP14645892A patent/JP3214730B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20180102179A (ko) | 2016-02-24 | 2018-09-14 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 진공 탈가스 설비에 있어서의 용강의 정련 방법 |
US10745771B2 (en) | 2016-02-24 | 2020-08-18 | Jfe Steel Corporation | Method for refining molten steel in vacuum degassing equipment |
Also Published As
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---|---|
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