JP2007270178A - 極低硫鋼の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】減圧下で、螢石を使用せずに、かつ低Al含有率のもとで、CaO系脱硫剤を上吹きすることにより、従来以上の脱硫を達成できる極低硫鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】C:0.5%以下、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.005%以下およびAl:0.01〜0.5%を含有する溶鋼の表面に、減圧下において、CaF2を含まないCaO系フラックスを吹き付けて脱硫処理を行うに際し、前記フラックス中のCaO純分の供給速度であるV(kg/min/t)が溶鋼中Al含有率である[Al](%)に応じて下記(1)式により表される関係を満足する極低硫鋼の製造方法である。
0.35×ln[Al]+1.9≧V≧0.32×ln[Al]+1.55・・(1)
【選択図】 図3

Description

本発明は、溶鋼にフラックスを吹き付けて脱硫処理を行う極低硫鋼の製造方法に関し、さらに詳しくは、フラックスとして螢石(CaF2)を用いることなくCaO系の最小限の脱硫剤を用い、溶鋼中のAl含有率に応じたフラックスの供給速度とすることにより効率よく脱硫を図る極低硫鋼の製造方法に関する。
硫黄(S)は鋼中において偏析し、局所的に高濃度となりやすいことから、硫化物系介在物を形成しやすく、この硫化物系介在物は水素誘起割れ(HIC)、硫化物応力腐食割れ(SSCC)、溶接性低下などの原因となる。このため、従来から溶鋼段階でのS含有率の低減が重要とされ、種々の技術が開発されてきた。さらに、近年では、製品に対する要求性能の高度化から、従来以上に鋼の低硫化が必要とされるとともに、安価で簡便な脱硫処理方法の必要性も高まってきた。
当初、溶鋼の脱硫には、取鍋内の溶鋼に脱硫剤を添加して攪拌する方法や、取鍋内の溶鋼に脱硫剤を吹き込む方法が用いられていた。しかし、これらの方法では、その処理が脱硫のみに限定されるため、別途、脱ガス処理が必要であった。
そこで、真空脱ガス処理と脱硫処理とを同時に達成できる技術として、例えば特許文献1に開示されたように、真空脱ガス処理中の溶鋼に、減圧下で脱硫剤を吹き込むかまたは吹き付ける方法が開発された。この方法によれば、脱ガスと脱硫との同時処理ができることから、より安価に大量の極低硫鋼を製造することが可能となった。
さらに、上記の減圧下における粉体精錬処理の能力を向上させるために、さまざまな適正条件が検討された。例えば、特許文献2には、脱硫剤の吹込み位置としては、真空槽内に溶鋼の上昇流を導く浸漬管の下方中央部が最適であることが、また、特許文献3および特許文献4には、脱硫を効果的に進行させるための取鍋スラグ中の酸化鉄と酸化マンガンの合計含有率の適正範囲、溶鋼中Alの適正含有率などが開示されている。
また、特許文献5には、脱硫のための取鍋スラグおよびフラックスの適正組成ならびにフラックスの適正吹き付け量が、そして、特許文献6には、鋼中のAl含有率を低く調整した条件下でCaF2を含む脱硫剤を添加して極低硫鋼を製造する方法が、それぞれ開示されている。このように、減圧下における粉体精錬技術には、様々な改善技術が導入され、脱硫技術にとって欠くことのできない重要な位置を占めるに至った。
従来技術では、脱硫効率を向上させるためには、スラグを含めてより強い還元雰囲気において、できる限り高速で粉体を供給し、かつフラックスの融点を低下させることが重要とされ、大量のフラックスを高速で添加する方法が一般的であった。例えば、スラグ中の(FeO+MnO)含有率の上限値やAl含有率の下限値が規定され、また、フラックスの成分がCaO系とされているのはこのためである。さらに、粉体供給速度は、設備仕様が許す範囲内で最大とすることにより、処理時間の短縮が図られると考えられていた。特に、CaO系フラックスに螢石やアルミナを混合することにより、フラックスの融点を低下させ、溶鋼−フラックス間の物質移動速度を高めることにより脱硫効率が向上することはよく知られている。このため、特に、融点低下効果の大きい螢石がCaO系フラックスに混合して用いられている。
しかしながら、強還元雰囲気を作るために溶鋼中のAl含有率を高める方法、大量のフラックスを高速添加する方法、または螢石をCaO系フラックスと混合して用いる処理方法は、コストの上昇を招くとともに、極低硫化を図ろうとするほど処理コストが上昇する。さらに、Alの大量添加や螢石の使用は、環境負荷に与える影響が大きい。
上記の理由により、従来と同等以上の脱硫能力を維持したまま、Al含有率を高めることなく、また、螢石を使用せずに減圧下において溶鋼を脱硫することができる技術が必要となってきた。
特開昭58−9914号公報(特許請求の範囲および2頁右下欄) 特開昭58−37112号公報(特許請求の範囲および2頁左下欄〜右下欄) 特開平5−214424号公報(特許請求の範囲および段落[0007]) 特開平5−345910号公報(特許請求の範囲および段落[0009]) 特開平5−171253号公報(特許請求の範囲、段落[0006]および[0007]) 特開平10−30116号公報(特許請求の範囲および段落[0009])
前記のとおり、従来の極低硫鋼の製造方法には下記の問題が残されている。すなわち、(1)脱硫率を向上させるために溶鋼中Al含有率を高め、大量のフラックスを高速で添加し、または螢石をCaO系フラックスと混合使用する方法は、コスト上昇を招く、(2)Alの大量使用やフラックスへの螢石の使用は、環境負荷に大きな影響を与える、などである。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、減圧下での粉体上吹き脱硫処理において、従来は効果的と考えられていた螢石を使用することなく、最小量のCaO系脱硫剤を上吹き使用し、かつ鋼中Al含有率を低く抑えながら、従来と同等以上の脱硫を図ることのできる極低硫鋼の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、螢石を使用することなくCaO系脱硫剤のみを使用し、かつ低Al含有率下において効率的に脱硫する方法について検討を行い、下記の(a)〜(d)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)CaO系フラックスの粉体を溶鋼表面に吹き付けると、CaO表面に低融点のCa−Al−O相が形成され、この相の存在により粉体同士の凝集肥大化が進行し、その結果、溶鋼とCaO系フラックスとの反応界面積が減少して脱硫速度が低下する。
(b)上記(a)におけるCa−Al−O相の形成を抑制することにより、CaO系フラックス粉体同士の凝集肥大化を抑制することができ、したがって、脱硫速度の低下を防止して、充分な脱硫速度を確保することができる。
(c)溶鋼に供給するCaO量、つまりCaO系フラックス粉体中のCaO純分の供給速度が、後述する図3の試験結果に示されるとおり、下記(1)式により表される溶鋼中Al含有率に応じた適正範囲にあるとき、上記(b)のCa−Al−O相の形成が抑制される。
0.35×ln[Al]+1.9≧V≧0.32×ln[Al]+1.55・・(1)
ここで、VはCaO系フラックス中のCaO純分の供給速度(kg/min/t−溶鋼)を、[Al]は鋼中のAl含有率(質量%)を表す。
(d)上記(c)の結果から、CaO系フラックス中のCaO純分の供給速度(V)が溶鋼中Al含有率([Al])に応じて上記(1)式の関係を満足するとき、螢石を用いなくとも、充分な脱硫速度を確保して従来と同等以上の脱硫率を得るとともに、過剰なAlおよびCaOの使用を回避できることが判明した。
本発明は上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨とするところは下記に示す極低硫鋼の製造方法にある。すなわち、
「質量%で、C:0.5%以下、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.005%以下およびAl:0.01〜0.5%を含有する溶鋼の表面に、減圧下において、CaF2を含まないCaO系フラックスを吹き付けて脱硫処理を行うに際し、前記フラックス中のCaO純分の供給速度であるV(kg/min/t)が溶鋼中Al含有率である[Al](質量%)に応じて下記(1)式により表される関係を満足することを特徴とする極低硫鋼の製造方法。
0.35×ln[Al]+1.9≧V≧0.32×ln[Al]+1.55・・(1)」
本発明において、「減圧下」とは、溶鋼周囲の雰囲気圧力が13.3kPa以下であることを意味し、好ましくは1.3kPa以下であることを意味する。また、本発明の方法を適用できる減圧精錬方法としては、RH法、DH法、VOD法、VAD法などがある。
「CaO系フラックス」とは、CaO含有率が90質量%以上であり、螢石を含まないことはもちろんのこと、Al粉も含まないフラックスを意味する。ただし、CaO原料などから混入するCaF2成分を排除するものではない。また、MgOなどの酸化物も含まないことが好ましいが、Ca−Al−O相の形成や粉体の凝集肥大に影響を及ぼさない例えばCaなどの金属は含まれてもよい。CaOとしては酸化カルシウム粉や生石灰粉などが例示される。
そして、「極低硫鋼」とは、鋼中のS含有率が0.0015質量%以下の鋼を意味する。
以下の説明では、含有率についての「質量%」を単に「%」とも記す。
本発明の極低硫鋼の製造方法によれば、減圧下において、溶鋼の表面にCaF2を含まないCaO系フラックスを、溶鋼中Al含有率に応じた適正供給速度により吹き付けて脱硫処理を行うので、螢石を用いることなく、かつ最小限のCaO系フラックス使用量および低Al含有率のもとで、従来と同等以上に脱硫された極低硫鋼を製造することができる。さらに、本発明の方法によれば、安価かつ大量に極低硫鋼を製造でき、また、耐火物寿命をも向上させることができることに加えて、環境負荷への影響も大幅に軽減できる。
本発明は、前記したとおり、C:0.5%以下、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.005%以下およびAl:0.01〜0.5%を含有する溶鋼の表面に、減圧下において、CaF2を含まないCaO系フラックスを吹き付けて脱硫処理を行うに際し、フラックスの供給速度を溶鋼中Al含有率に応じて前記(1)式の関係を満足するように制御する極低硫鋼の製造方法である。以下に、本発明の方法についてさらに詳しく説明する。
(1)対象溶鋼の成分組成および適正粉体供給速度
(1)−1 対象溶鋼の成分組成
本発明で対象とする溶鋼成分を前記のとおり規定した理由および好ましい範囲について下記に説明する。
C:0.5%以下
Cは、溶鋼中のSの活量を上昇させる作用を有するので、脱硫には有利な元素であるが、その含有量が0.5%を超えて高くなると、微小な脱炭が無視できなくなることから、その含有率は0.5%以下と規定した。溶鋼中におけるSの活量の上昇効果が得られることから、C含有率は0.015%以上であることが好ましい。
Si:0.01〜2%
本発明においてはAlによる脱酸が主体となることから、特にSi含有率を厳密に規定する必要はないが、Si含有率が2%を超えて高いとAl−Si複合脱酸となることから、これを回避するため、その含有率を2%以下とした。また、溶鋼中Si含有率が低いとスラグの改質が困難になる場合があることから、Si含有率は0.01%以上とした。
Mn:0.2〜2%
Mnは、強度および介在物の生成をはじめとして鋼材特性に最も大きな影響を及ぼす元素であり、実用鋼における含有率の範囲は広範囲である。そこで、実用鋼における含有率の範囲に基づいて、Mn含有率の範囲を0.2〜2%とした。
S:0.005%以下
S含有率が0.005%を超えて高くなると、脱硫反応の律速過程がCaOとSとの化学反応律速からメタル側境膜内における物質移動律速に変化するため、溶鋼の攪拌を強化する必要が生じるので好ましくない。そこで、S含有率の範囲は0.005%以下とした。
Al:0.01〜0.5%
Alは、脱酸作用を有し、本発明において重要な役割を有する元素である。その含有率が0.01%未満では脱酸が不足し、製品中の酸素含有率が高くなる。一方、その含有率が0.5%を超えて高くなると、後述するとおり、低融点のCa−Al−O相が形成され、フラックス粉体の凝集肥大が進行して脱硫速度が低下する。上記の理由から、Al含有率の適正範囲は0.01〜0.5%と規定した。
本発明の対象溶鋼は、上記成分に加えて、鋼種に応じて下記の含有率の範囲の合金成分を含有してもよい。
例えば、Ni:0.03〜9%、Cr:0.01〜9%、Nb:0.01〜0.3%、Ti:0.005〜0.15%、V:0.001〜0.3%、W:0.001〜0.3%、Cu:0.001〜0.5%、P:0.001〜0.03%、Ca:0.0003 〜0.0045%、Mg:0.0002〜0.0035%、REM:0.0005〜0.05%、N:0.0018〜0.0075%、H:0.0001〜0.001%などである。
(1)−2 適正粉体供給速度
(1)−2−1 溶鋼中Al含有率に応じた適正粉体供給速度の存在
溶鋼中のAl含有率に応じた粉体供給速度の適正範囲が存在することを考察するために、上吹きされたフラックス粉体が溶鋼表面に到達した際の現象を下記の方法により調査検討した。溶鋼5gにCaO粉0.1gを添加し、1600〜1630℃において所定時間保持した後、フラックスおよび溶鋼をそのまま急冷し、観察用サンプルを作成した。溶鋼の成分組成は前記(1)−1にて示した範囲内の組成に調整した。サンプルにおけるフラックス粉と溶鋼との界面を走査型電子顕微鏡により観察し、以下の現象を確認した。
フラックス粉が溶鋼中に添加されると、フラックス粉の表面が溶鋼と反応し、CaOの表面がCa−Al−O相に変化する。さらに時間が経過すると、表面のCa−Al−O相が接着相となり、表面にCa−Al−O相を有するCaOフラックス粉の粒子が凝集し肥大化する。これはCa−Al−O相が低融点組成であることによる。その結果、CaOフラックス粉同士の凝集肥大化が進行し、溶鋼とフラックスの界面積が減少する。
上記の観察結果は、CaO粉体を溶鋼表面に吹き付けた場合に、第一にCaO表面にAlとの低融点相が形成され、第二にこの低融点相により粉体同士の凝集が進行し、第三に溶鋼とCaOフラックスと溶鋼との界面積が減少することを示している。この界面積の減少は反応界面積の減少、つまり脱硫速度の低下を意味し、脱硫能力を低下させる。
さらに、この現象から、以下のことが推察される。すなわち、CaOとAlとの反応の程度はCaO量と鋼中Al含有率とのバランスにより決定されるから、例えば、ある鋼中Al含有率において、CaO量が少ない場合には、CaO表面に形成されるCa−Al−O相の生成量が増加し、凝集肥大化が促進される。逆に、これと同じAl含有率において、CaO量が多い場合には、Ca−Al−O相の生成量は減少し、凝集肥大化は抑制される。したがって、Ca−Al−O相の形成を抑制するための「鋼中Al含有率に応じたCaO量の下限値」が存在すると推察される。一方、CaO自体の量が過剰に多い場合には、CaO粉体粒子同士の衝突確率が増加し、CaO粉体自体が凝集肥大化する。したがって、CaO量には、鋼中Al含有率に応じた上限値が存在すると推察される。
また、鋼中Al含有率が低くなると、酸素活量が高くなるので、CaO+S→CaS+O により表される化学反応速度は低下する。これを補償するには一定の反応時間が必要となることから、反応を充分に進行させるためには、CaOの供給速度を過度に高くすることは不利である。
以上の考察において「CaO量」と記載した内容は、減圧下においてCaOフラックスを上吹きすることにより脱硫を行うプロセスでは、「CaOの供給速度」に相当する。その理由は、CaOの上吹き完了後に凝集や脱硫化学反応が進行する場合には、CaO量はCaOの総添加量に相当するが、CaOの上吹き時には、供給されたCaOが順次溶鋼と定常的に反応し、脱硫反応に関与するからである。例えば、CaOフラックスの粉体供給速度が大きいことは、単位時間当たりに脱硫反応に関与するCaO量が多いことを意味するからである。
したがって、CaOフラックスを用いて減圧下において粉体上吹きを行う場合には、溶鋼中Al含有率に応じた適正な粉体供給速度が存在する。しかし、この適正粉体供給速度は、(1)溶鋼中のAlとフラックス中のCaOとの化学反応速度、(2)粉体同士の凝集肥大化、(3)フラックス中のCaOと溶鋼中のSとの化学反応速度、といった各素過程により支配されるため、簡便な方法により決定することはできない。
また、従来技術の中にも、粉体供給速度を開示した技術は存在するものの、前記のように、鋼の成分組成に応じて適正粉体供給速度を求めた例、または上記(1)〜(3)の素過程を考慮して粉体供給速度を求めた例はない。例えば、従来技術では、フラックス供給速度は大きくするのが好ましいとされており、また、その上限値が開示されていたとしても、それはスプラッシュの抑制などを主目的とした限界供給速度であって、本発明において重要な要素となる適正供給速度に対しては何ら参考にならない。さらに、従来技術ではフラックスとして螢石が用いられている場合が多く、本発明のようにCaO系フラックスを用いる場合とは、脱硫反応の機構が相違する。つまり、従来技術においては、吹き付けられた粉体の凝集の抑制および化学反応の適正化という観点から、粉体供給速度が検討されていないため、本発明の参考となる技術的情報は得られない。
(1)−2−2 適正粉体供給速度の決定
本発明者らは、下記に述べる実験を行って適正粉体供給速度を明確化した。1.3kPa以下に減圧した雰囲気下において、1.5トン(t)の溶鋼に上吹きランスを用いてCaO粉体を吹き付けた。溶鋼中Al含有率は0.011〜0.47%とし、CaOの総添加量を5kg/tで一定として、CaO供給速度を0.15〜1.7kg/tの範囲で変化させた。CaO粉を上吹きする前の溶鋼中S含有率(以下、「処理前[S]」とも記す)は0.0035〜0.0045%である。粉体上吹き処理後の溶鋼中S含有率(以下、「処理後[S]」とも記す)を分析し、下記(2)式により脱硫率を、また、下記(3)式により脱硫速度定数を、それぞれ算出した。
脱硫率(%)=〔{処理前[S](%)−処理後[S](%)}/処理前[S](%)〕×100 ・・・(2)
脱硫速度定数(cm/min)={溶鋼深さ(cm)/上吹き時間(min)}×ln{処理前[S](%)/処理後[S](%)} ・・・(3)
図1は、脱硫速度定数および脱硫率に及ぼすCaO粉体供給速度の影響を示す図である。同図は、Al含有率が0.035〜0.04%の溶鋼にCaO粉体を吹き付けた場合の結果である。同図の結果から、CaO粉体供給速度が0.3kg/t/minにおいては脱硫速度定数および脱硫率ともに低い値であるが、CaO粉体供給速度が0.5〜0.75kg/t/minの範囲では脱硫速度定数が大きく、脱硫率も90%以上に達することがわかる。しかし、さらにCaO粉体供給速度が増加すると、脱硫速度定数および脱硫率ともに低下する。
上記の結果は、前記(1)−2−1にて考察した「溶鋼中Al含有率に応じた適正粉体供給速度範囲の存在」を裏付けるものである。しかしながら、その適正範囲は±0.1kg/t/min程度と非常に狭いことがわかった。
さらに、比較のため、CaOに螢石を混合した粉体を溶鋼に上吹きする実験を行った。図2は、CaOおよび螢石の混合粉体供給速度が脱硫速度定数および脱硫率に及ぼす影響を示す図である。同図は、CaOに螢石(CaF2)を25%混合した混合粉体をAl含有溶鋼に吹き付けた場合の結果であり、同図中の粉体供給速度は、混合粉体中のCaO純分の供給速度を意味する。CaO粉体のみを吹き付けた図1の場合とは異なり、粉体供給速度が低い領域において脱硫速度の低下が認められるが、全体的に脱硫速度に及ぼす粉体供給速度の影響は小さい。これは、螢石の混合によって、フラックス全体の融点が低下したことにより、粉体の凝集による影響が小さくなったこと、およびフラックスの脱硫能がCaO単体の場合に比べて高くなったことによる。
上記の結果を考慮すると、従来、適正粉体供給速度について検討がなされてこなかったのは、(1)螢石を含有しないCaOフラックスを用いた場合には、粉体供給速度の適正範囲が狭いこと、および、(2)CaO−CaF2系フラックスを用いる場合には、粉体供給速度の影響が小さく、また供給速度の低い領域を回避すれば大きな問題はないなどの理由によると考えられる。しかし、螢石を含有しないCaO系フラックスにより脱硫を図る場合には、この粉体供給速度が重要であり、図1および図2の結果に示されたとおり、粉体供給速度を適正範囲とすることにより、CaO−CaF2系フラックスの場合と同等以上の脱硫が可能であることが明らかとなった。
次に、鋼中Al含有率を広範囲に変化させて同様の実験を行った。図3は、脱硫率に及ぼす鋼中Al含有率および粉体供給速度の影響を示す図である。同図において、粉体供給速度は、粉体中のCaO純分の供給速度を表す。また、□印は脱硫率が90%以上に達したことを、■印は脱硫率が90%未満であったことを、それぞれ表す。
同図の結果によれば、粉体供給速度の適正範囲の上限値および下限値は、鋼中Al含有率の増加にともなって上昇し、しかも、各Al含有率における粉体供給速度の適正範囲は比較的狭い。この理由は、粉体供給速度が適正範囲未満の場合には、Ca−Al−O相が形成されること、および単位時間当たりのCaOの絶対量が不足することの両要因により、脱硫率が低下するからであり、また、粉体供給速度が適正範囲を超えて高い場合には、CaO粉体粒子同士の凝集肥大化が起こり、脱硫率が低下するからである。
図3の結果に基づいて、粉体中のCaO純分の供給速度:V(kg/t/min)の適正範囲の上限を鋼中Al含有率:[Al](%)の関数として求めると、下記(A)式が得られる。
V=0.35×ln[Al]+1.9 ・・・・(A)
同様にして、粉体供給速度の適正範囲の下限を鋼中Al含有率の関数として近似式により求めると、下記(B)式が得られる。
V=0.32×ln[Al]+1.55 ・・・・(B)
したがって、本発明で対象とするAl含有溶鋼を、螢石を含まないCaO系フラックスを用いて粉体上吹き法により脱硫処理し、良好な脱硫率を得るには、CaO系フラックスの粉体供給速度が、下記(1)式により表される関係を満足する必要がある。
0.35×ln[Al]+1.9≧V≧0.32×ln[Al]+1.55・・(1)
つまり、フラックス粉体中のCaO純分の供給速度が上記の関係式を満足すれば、螢石を用いることなくCaO系フラックスのみの使用により、CaO−CaF2系フラックスを用いた場合と同等以上の脱硫率が達成できるとともに、過剰なAl、またはCaO系フラックスの使用を回避することができる。
(2)好適な実施態様
本発明の極低硫鋼の製造方法を実施するに際しての好ましい態様および好ましい範囲について、転炉吹錬により得られた溶鋼にRH処理を行う製鋼処理を例にとり、下記に説明する。
(2)−1 鋼中Al含有率の調整およびフラックス粉体の供給方法
転炉にて脱炭精錬された溶鋼を取鍋内に出鋼し、RH装置へと移送する。Alは、出鋼中または出鋼後に添加してもよいし、RH装置に移送した後にRH処理中に添加してもよいが、スラグ中のFeOおよびMnO含有率を低減するためには、Alは出鋼中に添加することが好ましい。また、出鋼時に、その他の合金またはCaO、SiO2、Al23などの造滓剤を添加してもよい。
RH装置に移送された溶鋼に、本発明の方法にしたがって、前記(1)式により表される関係を満足するフラックス供給速度でCaO系フラックス粉を上吹きする。鋼中のAl含有率は、迅速分析法や溶鋼中酸素濃度センサーを用いることにより測定することができる。
Al含有率は、下記の方法により決定する。第1の方法は、製品規格Al含有率に予め調整しておく方法であり、第2の方法は、CaO系フラックス供給量または処理時間を優先してそれに応じたAl含有率を決定し、粉体上吹き後にAl含有率を再調整する方法である。いずれの方法による場合でも、前記(1)式の関係を満足すればよく、操業目的に応じて適宜選択すればよい。
フラックスの総供給量は、処理前における溶鋼中S含有率(処理前[S])および目標とする処理後[S]に応じて決定すればよい。処理前[S]は迅速分析法を用いることにより把握できる。フラックスの総供給量の決定には、過去の実績値を用いる方法と、前記図1および図3を用いる方法とがある。図1および図3には、粉体供給速度と脱硫率および脱硫速度定数の関係が示されているので、これらから粉体供給量または粉体供給時間を決定することができる。
本発明は、上吹きされたCaO系フラックスの溶鋼表面における凝集肥大化を抑制し、脱硫反応を効率よく促進させることにより、従来と同等以上に脱硫処理された極低硫鋼を得るという作用および効果を有する。したがって、本発明は、CaO系フラックスを上吹きランスなどを介して、減圧下において溶鋼表面に吹き付ける方法に限定され、また、本発明の方法には、フラックスの一括添加や溶鋼中へのCaO系フラックスの吹き込み、または螢石の混合は含まれない。
フラックスの上吹き用ランスノズルとしては、ラバール型、ストレート型、急拡大型、先細型などいかなる形状のものをも用いることができる。好ましくは、ストレート型または不適正膨張ラバール型がよい。従来、粉体をより高速に加速して溶鋼表面に供給するノズルやその精錬条件が開示されているが、これらの方法ではガスジェットが拡がらないため、より狭い領域に粉体が供給される。その結果、粉体の凝集肥大化が促進される可能性がある。したがって、ガスジェットが不適正膨張、特に不足膨張となるストレート型やラバール型ノズルの使用が好ましい。
粉体上吹き時の雰囲気圧力は、RH装置内の溶鋼の環流が可能な程度でよいが、より低いことが好ましく、1.3kPa以下であることがさらに好ましい。雰囲気圧力が高いと、上吹きガスが雰囲気ガスを巻き込み、粉体供給が不安定になるので、粉体供給速度を本発明で規定する前記(1)式の関係を満足する狭い適正範囲に調整することが困難となる。
CaO系フラックスを上吹きする場合の搬送ガスとしては、Arガスなどの不活性ガスを用いるのが好ましい。搬送ガスの流量は、粉体供給速度(kg/min)とガス流量(Nm3/min)の比の値で、40〜60kg/Nm3の範囲であることが好ましい。前記比の値が40kg/Nm3未満では、粉体に対して搬送ガス量が不足し、安定した供給速度を確保できないおそれがある。また、前記比の値が60kg/Nm3を超えて高いと、一旦溶鋼に接触した粉体が搬送ガスにより気相側に運び去られる場合があるからである。
さらに、RH処理において合金を添加する必要のある場合は、フラックス粉体の上吹き期間を避けて添加することが好ましい。CaO系フラックス粉体の上吹き期間中に合金を添加すると、粉体と溶鋼の反応および粉体の凝集機構が変化するおそれがある。特に、Alは粉体上吹き前に添加しておくことが好ましく、粉体上吹き期間中に鋼中Al含有率が大きく変化するほどの合金量を添加すると、処理途中で粉体供給速度を変化させる必要が生じる場合がある。
(2)−2 溶鋼温度、スラグの成分組成
上吹き時の溶鋼温度は1580〜1670℃の範囲であることが好ましい。溶鋼温度が1580℃未満では、温度が低すぎて化学反応速度が低下し過ぎるおそれがある。一方、溶鋼温度が1650℃を超えて高いと、平衡酸素活量が上昇し過ぎるおそれがあるからである。
取鍋内のスラグは、CaO−Al23−SiO2系であることが好ましく、さらに好ましくは、CaO含有率とAl23含有率との比である(CaO/Al23)の値を1.5以上とし、スラグ中SiO2含有率を20%以下とするのがよい。(CaO/Al23)の値が1.5未満であると、RH処理後に復硫するおそれがあり、SiO2含有率が20%を超えて高いと、溶鋼の酸素活量が高くなって化学反応速度が低下しやすいからである。また、スラグ中のFeOおよびMnOの含有率は、それらの合計で10%以下とすることが好ましく、4%以下とすることがさらに好ましい。スラグ中のFeOおよびMnOの合計含有率が上記の値を超えて高いと、溶鋼中Al含有率が低下しやすくなり、前記(1)式の関係を満足させることが難しくなるからである。
また、スラグ量は、10kg/t以上とするのが好ましい。スラグ量が10kg/t未満では、粉体上吹き中に、吹き付けられた粉体によりスラグ成分組成が経時的に変化し、成分組成を安定に保持することが難しくなる。
(2)−3 減圧脱ガス処理
RH処理における溶鋼の環流速度は、環流速度Q(t/min)と溶鋼量W(t)の比Q/Wの値で0.35〜0.7(1/min)とするのが好ましい。Q/Wの値が0.35(1/min)未満では溶鋼の流速が遅く、供給された粉体が十分に拡散することができない。また、Q/Wの値が0.7(1/min)を超えて大きいと、供給された粉体が溶鋼と十分に反応する前に取鍋内スラグへと循環排出される。具体的には、上記のQ/Wの範囲を満足するように、浸漬管径または環流ガス流量を調整することが好ましい。
本発明の極低硫鋼の製造方法では、前記のとおり、螢石およびAl粉のいずれをも含まないCaO系フラックス粉体を使用する。また、耐火物の保護などを目的とした、フラックス中へのMgOなどの酸化物の混合も行わないことが好ましい。ただし、Ca−Al−O相の形成や粉体の凝集肥大化に影響を及ぼさない金属、例えばCaなどの金属は混合してもよい。Caは蒸気圧が高いため、その大部分が蒸発するが、Ca−Al−O相の形成を抑制し、また鋼中の酸素活量を低減する効果を有するからである。
上記のとおり、減圧下において溶鋼表面にCa系フラックスを吹き付けることにより脱硫処理を効果的に行うことができる。
RH処理においては、溶鋼にAlを添加し酸素ガスを供給して溶鋼を昇熱させる溶鋼温度上昇処理を、CaO系フラックス粉体の上吹き前、または粉体上吹き後に行ってもよい。ただし、CaO系フラックス粉体の上吹き前に溶鋼温度上昇処理を行う場合には、溶鋼温度上昇処理後の溶鋼中Al含有率を測定することが重要であり、必要に応じてAlを追加添加することが好ましい。
鋼の高い清浄度が要求される場合であって、フラックス粉体の上吹き後または粉体上吹き後に温度上昇処理を行う場合には、温度上昇処理の後に、環流処理を8分間以上、より好ましくは13分間以上行うことが好ましい。この処理により、溶鋼中の介在物量を低減することができる。
また、RH処理前に、予備処理として不活性ガスの吹き込みなどの取鍋精錬を行ってもよいし、さらに、RH処理後にCa添加処理を行ってもよい。
本発明の極低硫鋼の製造方法の効果を確認するため、下記に述べる脱硫処理試験を行い、その結果を評価した。
(実施例1)
表1に示す成分組成を有する溶鋼2.5トン(t)を1600℃に保持し、雰囲気圧力を133Paに制御した。
Figure 2007270178
その後、内径が5mmのストレート型ランスを用い、Arガスを搬送ガスとして500NL/min流しながら、CaOフラックスとして粒度が100メッシュ以下(粒径:0.147mm以下)の生石灰粉を溶鋼表面に吹き付けた。生石灰粉の総添加量は7kg/tとした。ここで、ランス下端と溶鋼表面との鉛直距離は400mmとした。
溶鋼中Al含有率および生石灰粉の供給速度を表1に示すように種々変化させて、溶鋼中の処理前S含有率(処理前[S])および処理後S含有率(処理後[S])を測定した。試験番号1−1〜1−13は、溶鋼の成分組成が本発明で規定する範囲を満足し、かつ生石灰粉の供給速度が前記(1)式の関係を満たす本発明例についての試験であり、試験番号1−14〜1−26は、本発明で規定する条件を満たさない比較例についての試験である。
試験結果である処理後[S]および脱硫率を表1に併せて示した。本発明で規定する条件を満たす本発明例についての試験である試験番号1−1〜1−13では、生石灰粉の供給速度が溶鋼中Al含有率に応じて前記(1)式により表される関係を満足するため、90%以上の良好な脱硫率が得られた。
これに対して、生石灰粉の供給速度が溶鋼中Al含有率に応じて前記(1)式の関係を満足しない比較例についての試験である試験番号1−14〜1−26では、脱硫率は高々80%の水準に留まっており、一部の試験では脱硫率が70%未満という劣った結果も存在した。
(実施例2)
転炉吹錬により脱炭した溶鋼250tを取鍋へ出鋼し、同時に、生石灰をCaO純分で6kg/tおよびAlを添加した。この時のスラグ成分組成は、(CaO/Al23)の値が1.2〜1.5であり、(FeO+MnO)含有率が4〜12%であった。
その後、取鍋をRH装置へと移送した。 移送後の溶鋼温度は(1610±10)℃であった。RH装置の浸漬管径は0.66mであり、溶鋼環流のためのArガス流量は2000NL/min、そして到達真空度は140Paであった。
RH処理を開始後、直ちに、粒度100メッシュ以下の生石灰粉の上吹きを開始した。搬送ガスにはArガスを用い、その流量は5Nm3/minとした。生石灰粉の総添加量は7kg/tとした。ランスノズルは内径30mmのストレート型を用い、ランス下端とRH真空槽内の溶鋼表面との鉛直距離は2.5mとした。
表2に、上吹き前の溶鋼成分組成、粉体供給速度などの試験条件、および脱硫処理後の溶鋼中S含有率(処理後[S])および脱硫率の結果を示した。
Figure 2007270178
試験番号2−1〜2−5は、本発明で規定する溶鋼の成分組成範囲および前記(1)式の関係を満足する本発明例についての試験であり、試験番号2−6〜2−10は、本発明の範囲を外れる比較例についての試験である。
本発明で規定する条件を満たす本発明例についての試験である試験番号2−1〜2−15では、生石灰粉の供給速度が前記(1)式により表される関係を満足するため、90%以上の良好な脱硫率が得られた。
これに対して、生石灰粉の供給速度が前記(1)式の関係を満足しない比較例についての試験である試験番号2−6〜2−10では、脱硫率は80%未満に留まっており、一部の試験では脱硫率が50%未満と著しく劣った結果となった。
本発明の方法によれば、減圧下において、溶鋼の表面にCaF2を含まないCaO系フラックスを、溶鋼中Al含有率に応じた供給速度により吹き付けて脱硫処理を行うので、螢石を用いることなく、かつ最小限のCaO系フラックス使用量および低Al含有率のもとで、従来と同等以上に脱硫された極低硫鋼を製造することができる。さらに、本発明法によれば、従来以上に安価かつ大量に極低硫鋼を製造でき、また、耐火物寿命をも向上させることができることに加えて、環境負荷への影響も大幅に軽減することができる。したがって、本発明の方法は、製鋼工程において、経済性を具備した環境対応型の極低硫鋼量産プロセスとして広範に適用できる。
脱硫速度定数および脱硫率に及ぼすCaO粉体供給速度の影響を示す図である。 CaOおよび螢石の混合粉体供給速度が脱硫速度定数および脱硫率に及ぼす影響を示す図である。 脱硫率に及ぼす鋼中Al含有率および供給速度の影響を示す図である。

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.5%以下、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、S:0.005%以下およびAl:0.01〜0.5%を含有する溶鋼の表面に、減圧下において、CaF2を含まないCaO系フラックスを吹き付けて脱硫処理を行うに際し、前記フラックス中のCaO純分の供給速度であるV(kg/min/t−溶鋼)が溶鋼中Al含有率である[Al](質量%)に応じて下記(1)式により表される関係を満足することを特徴とする極低硫鋼の製造方法。
    0.35×ln[Al]+1.9≧V≧0.32×ln[Al]+1.55・・(1)
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