JP2007092159A - 清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法 - Google Patents

清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 脱酸生成物であるアルミナ系介在物が他の鋼種に比べて多い極低炭素鋼を製造するに当たり、脱酸生成物であるアルミナ系介在物を効率的に且つ安定して低減し、清浄性の高い極低炭素鋼を安定して製造する。
【解決手段】 転炉における脱炭精錬によって得た溶鋼を、真空脱ガス設備の大気圧よりも低い減圧下において脱炭精錬して極低炭素鋼を溶製するに際し、前記減圧下での脱炭精錬の終了後に、CaO粉の供給速度と金属Alの供給速度との比が下記の(1)式の範囲を満足するように、それぞれの供給速度を調整して金属AlとCaO粉とを同時に溶鋼へ添加して溶鋼を脱酸する。但し、(1)式において、QCaO はCaO粉の供給速度(kg/分)、QAlは金属Alの供給速度(kg/分)である。
1.6≦QCaO /QAl≦2.4…(1)
【選択図】 図2

Description

本発明は、酸化物系非金属介在物の少ない清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法に関するものである。
近年、製鋼段階における取鍋精錬技術及び鋳造技術の進歩により、酸化物系非金属介在物(以下、「介在物」と記す)の少ない清浄性に優れる鋳片及び鋼塊の製造が可能となっている。しかし、鉄鋼材料に要求される材料特性は、その使用用途の拡大化や過酷化によって従来にも増して厳しいものとなっており、更なる清浄化が要求されつつある。
溶鋼のAl脱酸時に生成するアルミナ(Al23 )は、溶鋼をガス攪拌することによって大部分は系外へ除去されるが、一部は溶鋼中に懸濁したまま介在物として残留し、最終製品において欠陥の原因となることがあり、そのため、Al脱酸時に生成するアルミナに対して積極的な除去処理が施されている。
例えば特許文献1には、Si、Mn、Alを含有し、C含有量が0.2質量%未満の溶鋼に脱酸調整を施し、溶存酸素濃度を50ppm以下とした後、Mg合金を添加して脱酸生成物であるアルミナの凝集を防止し、介在物を微細化する方法が提案されている。特許文献1によれば、介在物を微細化することによって、加工時の応力の集中を避けることができ、介在物の悪影響を避けることができるとしているが、Mgは蒸発しやすい元素であるため、溶鋼への歩留が悪く、濃度の制御が非常に難しく、品質が安定しないばかりか、Mg合金は高価であり、実操業においては有効な手段であるとはいいがたい。
また、特許文献2には、取鍋内の溶鋼に円筒状の浸漬管を浸漬させ、この浸漬管の内部で脱炭、脱窒などの真空脱ガス処理を行った後に、金属Alを脱酸剤として投入すると同時に、或いは金属Alの投入に引き続いて、微粉状のCaO系フラックスを溶鋼中に投入し、その後、溶鋼をガス攪拌して溶鋼中のアルミナ系介在物を12CaO・7Al23 などの低融点化合物として浮上分離させる方法が提案されている。この方法はアルミナ系介在物を低融点化合物へと形態制御する手段として優れている。しかしながら、アルミナ系介在物を目的とする介在物組成に形態制御するためには、脱酸剤としてのAl添加量に対するCaO添加量が極めて重要であるが、この点に関して特許文献2は何ら記載していない。そのため、特許文献2では、介在物の少ない溶鋼を安定して製造することができるとはいいがたい。
特開平6−212236号公報 特開平9−31528号公報
清浄性に優れ、介在物性欠陥の少ない鋼板の製造に当たり、溶鋼のAl脱酸時に生成するアルミナを低減することが切望されているにも拘わらず、上記のように、従来の方法は必ずしも効果的な方法とはいいがたい。
ところで、炭素含有量が0.01質量%以下である極低炭素鋼は、RH真空脱ガス装置などの真空脱ガス設備において、CO生成反応(脱炭精錬)によって鋼中の炭素含有量を0.01質量%以下の低いレベルまで下げることにより溶製されていることから、精錬中において溶鋼の溶存酸素濃度が高くなる。その結果、CO生成反応終了後におけるAlによる脱酸量が多くなり、鋼中に懸濁するアルミナの量が低炭素鋼などよりも多く、他の鋼種に比べて清浄性が劣化しやすいという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、脱酸生成物であるアルミナ系介在物が他の鋼種に比べて多い極低炭素鋼を製造するに当たり、脱酸生成物であるアルミナ系介在物を効率的に且つ安定して低減し、清浄性の高い極低炭素鋼を安定して製造することのできる極低炭素鋼の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法は、転炉における脱炭精錬によって得た溶鋼を、真空脱ガス設備の大気圧よりも低い減圧下において脱炭精錬して極低炭素鋼を溶製するに際し、前記減圧下での脱炭精錬の終了後に、CaO粉の供給速度と金属Alの供給速度との比が下記の(1)式の範囲を満足するように、それぞれの供給速度を調整して金属AlとCaO粉とを同時に溶鋼へ添加し、溶鋼を脱酸することを特徴とするものである。但し、(1)式において、QCaO はCaO粉の供給速度(kg/分)、QAlは金属Alの供給速度(kg/分)である。
Figure 2007092159
第2の発明に係る清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法は、第1の発明において、前記金属Alは粉体状であり、この粉体状の金属Alと前記CaO粉とを上吹きランスから減圧下の溶鋼湯面に吹き付けて添加することを特徴とするものである。
第3の発明に係る清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法は、第2の発明において、前記粉体状の金属Alと前記CaO粉とを予め混合することを特徴とするものである。
本発明によれば、真空脱ガス設備での減圧下での脱炭精錬の終了後に、CaO粉の供給速度と金属Alの供給速度との比が上記の(1)式の範囲を満足するように、それぞれの供給速度を調整して金属AlとCaO粉とを同時に溶鋼へ添加して溶鋼を脱酸するので、アルミナ系の脱酸生成物は、3CaO・Al23 、12CaO・7Al23 、CaO・Al23 などの融点が1500℃程度或いは1500℃以下の低融点化合物に形態制御される。その結果、介在物のクラスター化が抑制されるとともに、介在物の浮上分離が促進され、介在物の少ない清浄性に優れた極低炭素鋼を安定して製造することが可能となる。
以下、本発明について具体的に説明する。
先ず、本発明に至った検討結果について説明する。本発明者等は、極低炭素鋼について連続鋳造鋳片中の介在物の実態を調査し、その対策を検討した。極低炭素鋼の薄鋼板において介在物性欠陥となるのは、或る程度大きなサイズのクラスターを形成しているアルミナ系介在物であり、単独の大きなアルミナ粒子が欠陥の原因となる場合は殆ど見つからなかった。この結果から、アルミナ系介在物のクラスター化を防ぐことが可能であれば、介在物性欠陥の低減が可能となることが分かった。しかし、極低炭素鋼はAlの添加が必須であるアルミキルド鋼であるため、Al脱酸時にはアルミナが生成し、アルミナの性質としてクラスター化しやすく、従って、アルミナ系介在物による欠陥発生を防止するには、アルミナ系介在物の形態制御が必要であることが分かった。
ここで、溶鋼中で液体状の介在物であれば、クラスター化しにくく、しかも、クラスター化したアルミナに比べて浮上速度が速く分離性に優れていることが知られており、そこで、脱酸生成物であるアルミナを迅速に液体化する方法を検討した。
溶鋼の二次精錬工程における主なスラグ成分であるCaO−Al23 系スラグは、CaOとAl23 との質量比が1対1となる前後で、融点が1500℃以下の低融化することが知られている。溶鋼に金属Alを添加して脱酸すると、瞬時にアルミナが生成するが、金属Alの添加場所と同一場所にCaO粉を同時に添加すると、生成したアルミナがCaOと合体してCaO−Al23 系介在物へと変化することが分かった。アルミナとCaOとを合体させるには、AlとCaO粉とが同一場所に存在することが必要であるが、AlとCaOが同一場所に存在することにより、アルミナが生成する際に発熱し、その熱の影響でCaOの溶融が起こり、合体化が促進されることも分かった。
但し、生成するアルミナを目的とするCaO−Al23 系介在物(3CaO・Al23 、12CaO・7Al23 、CaO・Al23 )の組成に制御するためには、金属Alの供給速度(QAl:「kg/分」)に対するCaO粉の供給速度(QCaO :「kg/分」)の比(QCaO /QAl)が重要であり、実験の結果、比(QCaO /QAl)が前述した(1)式の範囲を満たす必要のあることが分かった。比(QCaO /QAl)が2.4を超える場合には、添加するCaO粉の量が多すぎ、余分なCaO粉が溶鋼中に懸濁して浮上分離できないまま鋳片に存在し、清浄性が悪化する結果となり、一方、比(QCaO /QAl)が1.6よりも小さい場合には、添加するCaO粉の量が不足し、金属Alを単独添加した脱酸の場合と同等の結果となるためである。
更に、生成するアルミナとCaO粉とを瞬時に合体させるには、粉体状の金属AlとCaO粉とを1つの上吹きランスを介して溶鋼表面に搬送用ガスとともに吹き付ける方法が有効であることが分かった。この場合に、粉体状の金属AlとCaO粉とを、上記の(1)式を満足する所定の配合比率で予め混合しておけば、容易に(1)式を満足して添加できることも分かった。また、溶鋼に吹き付ける粉体状の金属Al量は必ずしも添加するAlの全量である必要はなく、全Al添加量の50質量%以上を吹き付ければ、清浄性の効果が得られることも分かった。
このように、CaO粉の供給速度(QCaO )と金属Alの供給速度(QAl)との比(QCaO /QAl)が上記の(1)式の範囲を満足するように、金属AlとCaO粉とを同時に溶鋼へ添加して溶鋼を脱酸することで、介在物の少ない清浄性に優れた極低炭素鋼を安定して製造可能であることが確認された。
次に、本発明を実際のプロセスに適用した場合について説明する。
高炉から出銑された溶銑をトーピードカーや溶銑鍋などの溶銑保持・搬送用容器で受銑し、大気圧下で脱炭精錬を行う次工程の転炉に搬送する。この搬送途中で、予備脱硫処理や予備脱燐処理などの溶銑予備処理が施されることもあるが、本発明においては実施しても実施しなくても、どちらでも構わない。この溶銑を転炉に装入して、更に、必要に応じて生石灰などの媒溶剤を装入し、脱炭用の酸素ガスを上吹きまたは底吹き若しくは上底吹きして脱炭精錬を行う。この脱炭精錬終了時の溶鋼中炭素濃度は、0.02〜0.06質量%とする。0.02質量%未満まで脱炭精錬した場合には、鉄及びMnなどの有用金属の酸化が著しくなり、これら有用金属の歩留まりが低下して製造コストの上昇を招くので好ましくなく、一方、溶鋼中炭素濃度が0.06質量%を超える場合には、次工程の真空脱ガス設備における脱炭精錬(「真空脱炭精錬」とも記す)の負担が重くなり、処理時間が延長するなどして製造コストの上昇を招くので好ましくない。
転炉での脱炭精錬終了後、溶鋼を転炉から取鍋に出鋼する。出鋼時、溶鋼に巻き込まれて炉内スラグの一部が取鍋内に流出し、取鍋内の溶鋼上に滞留する。取鍋内に滞留するスラグは次工程の真空脱ガス設備における脱酸処理後に溶鋼中のAlなどの脱酸剤と反応して溶鋼の清浄性を損なうこともあるので、清浄性を高めるために、スラグ中に金属Alなどのスラグ改質剤を取鍋上方から添加してスラグを脱酸することが好ましい。但し、次工程の真空脱ガス設備における脱炭精錬では、溶鋼中の溶存酸素が脱炭剤として機能するので、本発明においては、出鋼時、AlやSiなどの強脱酸元素による溶鋼の脱酸処理は実施しない。
次いで、この溶鋼を収容した取鍋を真空脱ガス設備に搬送し、真空脱ガス設備において真空脱炭精錬を実施する。溶鋼を処理する真空脱ガス設備としてはRH真空脱ガス装置が広く使用されているので、RH真空脱ガス装置を使用した例で本発明を説明する。図1は、本発明を実施する際に用いたRH真空脱ガス装置の概略断面図であり、図1において、1はRH真空脱ガス装置、2は取鍋、3は溶鋼、4はスラグ、5は真空槽、6は上部槽、7は下部槽、8は上昇側浸漬管、9は下降側浸漬管、10は環流用ガス吹込管、11はダクト、12は原料投入口、13は上吹きランスである。真空槽5は上部槽6と下部槽7とから構成されている。
RH真空脱ガス装置1では、溶鋼3を収納する取鍋2を真空槽5の直下に搬送し、取鍋2を昇降装置(図示せず)によって上昇させ、上昇側浸漬管8及び下降側浸漬管9を取鍋2に収容された溶鋼3に浸漬させる。そして、環流用ガス吹込管10から上昇側浸漬管8の内部にArガスを環流用ガスとして吹き込むとともに、真空槽5の内部をダクト11に連結される排気装置(図示せず)にて排気して真空槽5の内部を減圧する。真空槽5の内部が減圧されると、取鍋2に収容された溶鋼3は、環流用ガス吹込管10から吹き込まれるArガスとともに上昇側浸漬管8を上昇して真空槽5の内部に流入し、その後、下降側浸漬管9を介して取鍋2に戻る流れ、所謂、環流を形成してRH真空脱ガス精錬が施される。
溶鋼3の環流が形成され、溶鋼3が真空槽5の減圧雰囲気に曝されると、真空槽内の減圧雰囲気中のCOガス分圧が大気圧下で実施した転炉脱炭精錬時の雰囲気ガス中のCOガス分圧に比べて大幅に小さくなり、溶鋼中の炭素と溶存酸素との反応が発生する。つまり、脱炭反応が発生し、溶鋼3に含まれる炭素はCOガスとなって排ガスとともに真空槽5からダクト11を介して排出され、溶鋼3に真空脱炭精錬が施される。この際に、溶鋼3に含有される溶存酸素のみでは所定の炭素濃度まで脱炭できない場合や、脱炭速度を高めたい場合には、上吹きランス13から酸素ガスを吹き付ける、或いは、原料投入口12から鉄鉱石などの酸素鉄を添加するなどしても構わない。
このようにして真空脱炭精錬を継続し、溶鋼3の炭素濃度が0.01質量%以下の所定の値となったなら、粉体状の金属Al粉とCaO粉とを、Arガスなどの不活性ガスを搬送用ガスとして上吹きランス13から溶鋼湯面に向けて吹き付けて添加し、溶鋼3を脱酸する。その際に、CaO粉の供給速度(QCaO )と金属Al粉の供給速度(QAl)との比(QCaO /QAl)が上記の(1)式の範囲になるように調整する。CaO粉と金属Al粉とをその質量比(CaO質量/Al質量)が1.6〜2.4となるように予め混合し、この混合したものを上吹きランス13から吹き込むことで、上記(1)式を容易に満足することができる。勿論、それぞれの供給量を個別に制御しても構わない。また、前述したように、脱酸用の全てのAlを上吹きランス13から吹き込む必要はなく、脱酸用の全Al添加量の50質量%以上を吹き付ければよく、残りは原料投入口12から粒状或いは塊状の金属Alを投入すればよい。
使用するCaO粉のサイズは細かいほど好ましく、粒径1mm以下、望ましくは粒径0.1mm以下のCaO粉を使用する。CaO粉としては生石灰粉を使用すればよく、供給速度(QCaO )は生石灰中のCaO純分当たりの供給速度に換算すればよい。使用する金属Al粉は、アトマイズ処理されたAl粉(「針状Al」ともいう)を使用することができる。
金属Al粉の添加により溶鋼3の溶存酸素は急激に減少し、脱炭反応が終了する。また、脱酸生成物のアルミナとCaO粉とは真空槽5で激しく攪拌されて接触・合体し、低融点のCaO−Al23 系介在物を形成する。形成されたCaO−Al23 系介在物は取鍋2の溶鋼上に滞留するスラグ4に吸収される。そして、脱酸処理後も更に数分間程度の環流を継続し、必要に応じてAl、Si、Mn、Nb、Ti、V、Bなどの成分調整剤を原料投入口12から溶鋼3に投入して溶鋼3の成分を調整する。成分調整後、真空槽5を大気圧に戻してRH真空脱ガス精錬を終了する。RH真空脱ガス精錬終了後、溶鋼3を連続鋳造機などの鋳造設備に搬送し、鋳片を製造する。
このようにして、介在物の少ない清浄性に優れる極低炭素鋼が製造される。
尚、上記説明は真空脱ガス設備としてRH真空脱ガス装置1を使用した例で説明したが、本発明はRH真空脱ガス装置1に限るものではなく、DH真空脱ガス装置、VOD設備、VAD設備などの他の真空脱ガス設備を用いても、上記に沿って実施することができる。また、上吹きランス13を用いてCaO粉及び金属Al粉を吹き付けたが、浸漬管8,9や下部槽7の側壁に羽口を設け、この羽口から不活性ガスとともに溶鋼中に吹き込むようにしても構わない。
高炉で製造された溶銑に対して予備脱硫処理及び予備脱燐処理の溶銑予備処理を施した後に、転炉で脱炭精錬し、得られた約300トンの溶鋼を取鍋に出鋼した。溶鋼成分は、C:0.03〜0.04質量%、Si:0.01質量%以下、Mn:0.2〜0.4質量%、P:0.01質量%以下、S:0.003質量%以下であった。次いで、図1に示すRH真空脱ガス装置において、環流用Arガス流量が2000〜3000Nl/分、真空槽内真空度が1torr(133Pa)以下の操業条件で所定の炭素濃度に真空脱炭精錬した後に、金属Al粉及びCaO粉を添加して脱酸し、脱酸後、更にMn濃度を調整して極低炭素鋼を溶製した。
溶鋼の脱酸は、生石灰粉と金属Al粉とを予め混合したものを、真空槽内に設置された上吹きランスからArガスを搬送用ガスとして溶鋼浴面に吹き付けて実施した。その際、生石灰粉と金属Al粉との混合質量比(CaO質量/Al質量)を0〜2.83に変化させ、つまり、CaO粉の供給速度(QCaO )と金属Al粉の供給速度(QAl)との比(QCaO /QAl)を0〜2.83の範囲で変化させ、清浄性に及ぼす比(QCaO /QAl)の影響を調査した。
RH真空脱ガス精錬終了後の溶鋼は連続鋳造機で鋳造してスラブ鋳片を製造し、このスラブ鋳片を圧延して薄鋼板を製造した。この薄鋼板において、介在物に起因する欠陥の発生率を調査した。この場合の製品欠陥率の合格基準は、0.1%以下と定めた。また、薄鋼板の断面方向の一部から試験片を切り出し、光学顕微鏡によって切り出した試験片の介在物個数及び清浄性を調査した。
表1に脱酸処理における操業条件及び製品における欠陥率の調査結果を示す。また、図2に、比(QCaO /QAl)と製品欠陥率との関係を示す。
Figure 2007092159
表1及び図2からも明らかなように、比(QCaO /QAl)が1.6〜2.4の範囲では製品の欠陥率が激減し、清浄性に優れた極低炭素鋼を製造可能であることが確認できた。
本発明を実施する際に用いたRH真空脱ガス装置の概略断面図である。 比(QCaO /QAl)と製品欠陥率との関係を示す図である。
符号の説明
1 RH真空脱ガス装置
2 取鍋
3 溶鋼
4 スラグ
5 真空槽
6 上部槽
7 下部槽
8 上昇側浸漬管
9 下降側浸漬管
10 環流用ガス吹込管
11 ダクト
12 原料投入口
13 上吹きランス

Claims (3)

  1. 転炉における脱炭精錬によって得た溶鋼を、真空脱ガス設備の大気圧よりも低い減圧下において脱炭精錬して極低炭素鋼を溶製するに際し、前記減圧下での脱炭精錬の終了後に、CaO粉の供給速度と金属Alの供給速度との比が下記の(1)式の範囲を満足するように、それぞれの供給速度を調整して金属AlとCaO粉とを同時に溶鋼へ添加し、溶鋼を脱酸することを特徴とする、清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法。
    1.6≦QCaO /QAl≦2.4…(1)
    但し、(1)式において、QCaO はCaO粉の供給速度(kg/分)、QAlは金属Alの供給速度(kg/分)である。
  2. 前記金属Alは粉体状であり、この粉体状の金属Alと前記CaO粉とを上吹きランスから減圧下の溶鋼湯面に吹き付けて添加することを特徴とする、請求項1に記載の清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法。
  3. 前記粉体状の金属Alと前記CaO粉とを予め混合することを特徴とする、請求項2に記載の清浄性に優れた極低炭素鋼の製造方法。
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