JP2008163389A - 軸受鋼の溶製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸化物系非金属介在物が従来よりも少なく、耐転動疲労性に優れた軸受鋼の溶製方法を提供する。
【解決手段】 転炉での脱炭精錬により得た溶鋼の転炉から取鍋への出鋼中に金属Alを添加して取鍋内の溶鋼を脱酸し、出鋼後、取鍋内の溶鋼上に存在する転炉スラグを排出し、転炉スラグの排出後に取鍋内にフラックスを添加して塩基度(CaO/SiO2 )が質量比で1.5〜3.0の取鍋スラグを取鍋内に生成させ、次いで、希ガスを溶鋼中に吹き込んで前記取鍋スラグと溶鋼とを攪拌し、その後、RH真空脱ガス装置で溶鋼の真空脱ガス精錬を実施し、軸受鋼を溶製する。
【選択図】 なし
【解決手段】 転炉での脱炭精錬により得た溶鋼の転炉から取鍋への出鋼中に金属Alを添加して取鍋内の溶鋼を脱酸し、出鋼後、取鍋内の溶鋼上に存在する転炉スラグを排出し、転炉スラグの排出後に取鍋内にフラックスを添加して塩基度(CaO/SiO2 )が質量比で1.5〜3.0の取鍋スラグを取鍋内に生成させ、次いで、希ガスを溶鋼中に吹き込んで前記取鍋スラグと溶鋼とを攪拌し、その後、RH真空脱ガス装置で溶鋼の真空脱ガス精錬を実施し、軸受鋼を溶製する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、軸受鋼の溶製方法に関し、詳しくは、酸化物系非金属介在物の少ない高清浄な軸受鋼を溶製する技術に関するものである。
機械などの回転部品を支える軸受は、この回転部品から接触加重を繰り返し受けるので、所謂「転動疲労」に耐える必要がある。そのため、軸受の素材、つまり軸受鋼には、転動疲労性に優れていることが要求されている。
鋼材の転動疲労性は、その鋼材が溶製される過程で巻き込んだ酸化物系非金属介在物の大きさ及び量に影響するといわれている。従って、軸受鋼の溶製に際しては、酸化物系非金属介在物を減少させるために、転炉にて精錬して得た溶鋼を取鍋へ出鋼した後、取鍋内で更に精錬して、酸化物系非金属介在物の低減を図るのが一般的である。転炉にて精錬して得た溶鋼を取鍋へ出鋼した後、取鍋内で更に精錬することを二次精錬と称している。
例えば、特許文献1には、転炉から取鍋に出鋼した溶鋼に、MgO、CaO、Al2 O3 を主成分とする混合フラックスを添加して、溶鋼上に存在するスラグの組成を、SiO2が10質量%以下、MgOが15〜25質量%、Al2 O3 が30〜45質量%、及びCaOが35〜50質量%に調製し、このスラグと溶鋼とを、取鍋内溶鋼中への希ガスの吹き込みにより強攪拌し、その後、溶鋼をRH真空脱ガス装置で真空脱ガス精錬して溶製する方法が提案されている。尚、この取鍋内溶鋼中への希ガスの吹き込みによる強攪拌処理を、ガスインジェクション処理(GI処理)とも呼んでいる。
また、特許文献2には、転炉から出鋼された溶鋼に、取鍋精錬設備(「LF設備」ともいう)において窒素ガスを吹き込んで溶鋼中の窒素濃度を0.012質量%以上に上昇させ、その後、RH真空脱ガス装置において、30分以上ArガスまたはArガス+窒素ガスを吹込んで脱窒素、脱酸素処理を行って溶製する方法が提案されている。尚、取鍋精錬設備とは、アーク加熱しながら溶鋼を希ガスなどの吹き込みで強攪拌することのできる設備である。
特開2000−129336公報
特開2005−272953号公報
しかしながら、上記した技術を採用しても、未だ軸受鋼の転動疲労性に関する仕様を満たさない溶鋼を溶製してしまうことが多い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、酸化物系非金属介在物が従来よりも少なく、耐転動疲労性に優れた軸受鋼の溶製方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る軸受鋼の溶製方法は、転炉での脱炭精錬によって得た溶鋼の転炉から取鍋への出鋼中に金属Alを添加して取鍋内の溶鋼を脱酸し、出鋼後、取鍋内の溶鋼上に存在する転炉スラグを排出し、転炉スラグの排出後、取鍋内にフラックスを添加して塩基度(CaO/SiO2 )が質量比で1.5〜3.0の取鍋スラグを取鍋内に生成させ、次いで、希ガスを溶鋼中に吹き込んで前記取鍋スラグと溶鋼とを攪拌し、その後、RH真空脱ガス装置で溶鋼の真空脱ガス精錬を実施することを特徴とするものである。
第2の発明に係る軸受鋼の溶製方法は、第1の発明において、前記希ガスの溶鋼中吹き込みにより取鍋スラグと溶鋼とを攪拌した後に、溶鋼を取鍋精錬設備でアーク加熱して溶鋼の温度を調整し、その後、RH真空脱ガス装置で溶鋼の真空脱ガス精錬を実施することを特徴とするものである。
第3の発明に係る軸受鋼の溶製方法は、第1または第2の発明において、前記フラックスを添加した後に生成する取鍋スラグのトータル.Fe濃度を1.0質量%以下に調整することを特徴とするものである。
本発明によれば、転炉脱炭精錬で形成され、出鋼時に溶鋼に混入して取鍋内に流出した転炉スラグを取鍋から排出した後に、フラックスを添加して酸化物系非金属介在物を吸収するための取鍋スラグを形成するので、酸化度の高い転炉スラグが除滓されることによって形成される取鍋スラグは酸化度が低く、取鍋スラグによる溶鋼の酸化が防止され、その結果、酸化物系非金属介在物が少なく極めて清浄である、耐転動疲労性に優れた軸受鋼を安定して溶製することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。先ず、本願発明をなすに至った経緯を説明する。
酸化物系非金属介在物を吸収するために成分を調整した取鍋スラグと溶鋼とをガス吹き込みなどによって強攪拌して、溶鋼中の酸化物系非金属介在物を取鍋スラグに取り込んで高清浄度鋼を溶製する場合、一般に、酸化物系非金属介在物の吸収能を増加させるためには、取鍋スラグのCaO/Al2 O3 を大きくすることが有効であると考えられてきた。しかし、本発明者等の研究によれば、鋼中に残留する粗大な酸化物系非金属介在物は、多くはAl2O3 またはこのAl2 O3 とともにCaOやMgOを含む酸化物系非金属介在物であり、これが軸受鋼の転動疲労寿命を悪くする原因であり、そのような酸化物系非金属介在物を減少させることこそが、耐転動疲労性に優れた軸受鋼を溶製するポイントであることが分かった。
また、この研究を通じ、CaOを含有した鋼中酸化物系非金属介在物におけるCaO濃度は、取鍋スラグのCaO濃度に比べると非常に低く、それ故に、取鍋スラグの単なる巻き込みにより生成したものではないと推定された。
尚、本発明における取鍋スラグとは、取鍋内にフラックスやスラグ用脱酸剤などを添加して、取鍋内に形成される、成分を調製したスラグのことであり、出鋼時の末期に溶鋼に混入して取鍋内に流出した転炉スラグは、フラックスやスラグ用脱酸剤を加えない限り、取鍋内に存在しても取鍋スラグとは呼ばず、転炉スラグと称する。従って、本発明における取鍋スラグとは、転炉スラグにフラックスやスラグ用脱酸剤などを加えて成分を調製したスラグ、並びに、転炉スラグを除滓した後にフラックスやスラグ用脱酸剤を取鍋に添加して成分を調製したスラグである。
従来、溶鋼中の酸化物系非金属介在物を吸収するための取鍋スラグを形成する場合、出鋼時に溶鋼に混入して取鍋内に流出した転炉スラグを排出することなく、この転炉スラグにフラックスを加えることで、取鍋スラグが形成されていた。転炉スラグは、転炉での脱炭精錬時に形成されるスラグであり、脱炭精錬が酸化反応であることからFeOなどの酸化鉄を、トータル.Fe濃度換算で10〜20質量%程度含有している。尚、スラグ中のトータル.Fe(「T.Fe」とも記す)とは、スラグ中の全ての鉄酸化物(FeOやFe2 O3 など)の鉄分の合計値である。
鉄は酸素との親和力が弱く、従ってスラグ中の酸化鉄はAl、Siなどの酸素との親和力の強い元素によって還元される。つまり、従来、形成した取鍋スラグに含まれる酸化鉄が、該取鍋スラグと溶鋼とが攪拌される際に溶鋼中のAlと反応して溶鋼中にAl2 O3 が生成し、これが清浄度を劣化させる原因の1つであることが分かった。
そこで、本発明では、出鋼後に酸素源となる取鍋内の転炉スラグを取鍋から除滓し、除滓後、取鍋内にフラックスを添加して取鍋スラグを形成し、この取鍋スラグを溶鋼と強攪拌させて、溶鋼を清浄化させることとした。そして、取鍋スラグと溶鋼とを強攪拌させた後は、必要に応じて取鍋精錬設備でアーク加熱によって溶鋼の温度を調整し、その後、RH真空脱ガス装置で脱ガス処理及び溶鋼の成分調整を実施し、軸受鋼を溶製する。
以下、具体的な溶製方法を説明する。
高炉から出銑された溶銑をトーピードカーや溶銑鍋などの溶銑保持・搬送用容器で受銑し、脱炭精錬を行う次工程の転炉に搬送する。通常、この搬送途中で、溶銑に対して脱硫処理、脱燐処理及び脱珪処理などの溶銑予備処理が施されており、本発明においては、低硫・低燐鋼である軸受鋼を溶製するので、脱硫処理及び脱燐処理を実施する。また、脱燐処理の前に脱燐処理を円滑に行うために脱珪処理を実施してもよい。尚、軸受鋼の化学成分例は、例えば、JIS G 4805(1999)のSUJ1〜SUJ5による。
この溶銑を転炉に装入して、上吹き酸素または底吹き酸素若しくは上底吹き酸素によって脱炭精錬を実施する。脱炭精錬終了後、脱炭精錬により得られた溶鋼を転炉から取鍋に出鋼する。この出鋼時、取鍋内に金属Alを添加して溶鋼を脱酸する。また、Fe−Si合金、Si−Mn合金、金属Cu、Fe−Cr合金、金属Ni、Fe−Mo合金、Fe−Nb合金などを必要に応じて添加して軸受鋼の成分に粗調整する。金属Cu、金属Ni、Fe−Mo合金などは予め転炉に装入して脱炭精錬を実施しても構わない。最終的には、RH真空脱ガス装置で成分調整するので、この段階では目標値を超えないように調整すればよい。
出鋼後、取鍋内の溶鋼上に存在する転炉スラグを、掻き出し式の除滓機(「スラグドラッガー」ともいう)、真空吸引式の除滓機などを用いて取鍋から排出する。現在の除滓機では、全ての転炉スラグを排出させることは困難であることから、転炉から取鍋内に流入した転炉スラグの80質量%以上が排出できたなら、除滓が実施されたとみなす。但し、残留する転炉スラグは少ないほど好ましく、転炉スラグの取鍋への流入量にもよるが、流入した転炉スラグの90質量%以上を排出することが好ましい。
除滓後、取鍋内にフラックスを添加して取鍋スラグを形成させる。用いるフラックスの組成及び添加量は、形成させる取鍋スラグの塩基度(CaO/SiO2 )が質量比で1.5〜3.0の範囲になるように、残留する転炉スラグの量及び組成に応じて決定する。ここで、形成させる取鍋スラグの塩基度(CaO/SiO2)を質量比で1.5〜3.0の範囲に調整する理由は、転炉スラグを除滓することによって添加するフラックスの滓化が損なわれるので、形成させる取鍋スラグの塩基度(CaO/SiO2)を転炉スラグに比べて下げ、これにより形成させる取鍋スラグの融点を下げ、添加するフラックスの滓化を促進させるためである。取鍋スラグで溶鋼中の酸化物系非金属介在物を吸収する場合、取鍋スラグが滓化しないと、酸化物系非金属介在物の吸収能が低下し、吸収剤として機能しないからである。
通常、転炉スラグの塩基度(CaO/SiO2 )は質量比で3.0以上の場合が多く、フラックスとしてCaO(生石灰)のみを添加すると、取鍋スラグの塩基度(CaO/SiO2)は質量比で3.0を超えることは明らかである。従って、使用するフラックスとしては、例えば、CaO−SiO2 系のフラックス、CaO−Al2O3 −SiO2 系のフラックス、CaO−Al2 O3 −MgO−SiO2系のフラックスなどを適宜選択することとする。この場合、予めCaOやSiO2 などを混合したフラックスを使用せず、CaO源、SiO2源、Al2 O3 源、MgO源などを、それぞれ所定量だけ添加するようにしてもよい。CaO源としては生石灰、SiO2源としては珪石、Al2 O3 源としてはボーキサイト、MgO源としてはマグネシアクリンカーなどを用いればよい。また、CaO源及びSiO2源として、珪灰石(Wollastonite:CaO−SiO2 )を使用するなど、2種類成分以上の化合物を使用してもよい。
転炉スラグを除滓し、更に、フラックスを投入して取鍋スラグを形成するので、形成される取鍋スラグの酸化鉄濃度は減少する。仮に、転炉スラグの全量が除滓されたなら、取鍋スラグのトータル.Fe濃度はゼロとなり、転炉スラグが残留してもフラックスによって1/20に希釈されれば、取鍋スラグのトータル.Fe濃度は、転炉スラグのトータル.Fe濃度に応じて、0.5〜1.0質量%程度に希釈される。この場合、溶鋼の清浄性を高めるためには、取鍋スラグのトータル.Fe濃度を1質量%以下とすることが好ましく、従って、取鍋スラグのトータル.Fe濃度が1質量%以下になるように、除滓を確実に行うとともに、フラックスの投入量を確保することが好ましい。取鍋スラグのトータル.Fe濃度は、転炉スラグのトータル.Fe濃度、転炉スラグの残留量、フラックスの投入量から、計算によって求めることができる。取鍋内の転炉スラグの残留量は、転炉スラグの溶鋼湯面における面積率或いは転炉スラグの厚み測定などから求めることができる。
フラックスが添加された取鍋内の溶鋼中に、Arガスなどの希ガスを攪拌用ガスとして吹き込むためのインジェクションランスを浸漬させ、このインジェクションランスを介して、2000〜4000NL/分の大量の希ガスを吹き込んで溶鋼と取鍋スラグとを強攪拌する。希ガスを吹き込んで溶鋼と取鍋スラグとを強攪拌する処理を、本発明では「ガスインジェクション処理」と称し、その設備を「ガスインジェクション設備」と称す。
ガスインジェクション設備は、取鍋の上縁部全周を覆う円形状の上蓋と、この上蓋の略中心部を貫通する上下動可能なインジェクションランスと、インジェクションランスに供給するガス供給装置とを備えており、ガスインジェクション処理中には、取鍋と上蓋とで囲まれる空間は、インジェクションランスから供給される大量の希ガスによって置換され、ガスインジェクション処理中の空気による溶鋼の酸化が防止できるようになっている。尚、フラックスの取鍋内への投入は、除滓後直ちに実施しても、ガスインジェクション設備への搬送途中で実施しても、また、ガスインジェクション設備で実施しても、何れであっても構わない。
このガスインジェクション処理により、溶鋼中の酸化物系非金属介在物は取鍋スラグに吸収され、酸化物系非金属介在物の極めて少ない、清浄性に優れた溶鋼が溶製される。
ガスインジェクション処理によって溶鋼の温度は低下するので、温度降下が大きく、加熱する必要のある場合には、溶鋼を収容した取鍋を取鍋精錬設備に搬送し、アーク加熱によって溶鋼を加熱する。加熱する必要のない場合には、取鍋精錬設備で精錬する必要はない。
そして、必要に応じて取鍋精錬設備でアーク加熱によって溶鋼の温度を調整した後、溶鋼を収容した取鍋をRH真空脱ガス装置に搬送して、真空脱ガス精錬を実施する。この真空脱ガス精錬により溶鋼中の水素が除去され、軸受鋼製品における水素による欠陥が防止される。この真空脱ガス精錬の末期に、溶鋼成分の最終調整を行い、例えば、JIS G 4805(1999)に記載された成分組成範囲に調整し、更に溶鋼温度を所定温度に調整して真空脱ガス精錬を終了し、かくして軸受鋼を溶製する。
本発明では、このようにして軸受鋼を溶製するので、酸化物系非金属介在物が少なく極めて清浄であり、転動疲労寿命が5×106 サイクル以上である、耐転動疲労性に優れた軸受鋼を安定して溶製することが可能となる。
軸受鋼の鋼種としてJIS G 4805(1999)のSUJ2を対称とし、このSUJ2を、本発明方法を適用して溶製した(本発明例)。取鍋スラグを形成するためのフラックスとしては、CaO−Al2 O3 −MgO−SiO2 系のフラックスを使用した。転炉スラグの除滓時に、転炉スラグの一部は取鍋内に残留したが、CaO−Al2O3 −MgO−SiO2 系のフラックスにより希釈されて、取鍋スラグのトータル.Fe濃度は1.0質量%以下であった。ガスインジェクション処理後に取鍋精錬設備でアーク加熱し、その後、RH真空脱ガス装置で真空脱ガス精錬を実施した。
また、比較のために、転炉スラグを除滓することなく、フラックスを投入して取鍋スラグの塩基度(CaO/SiO2 )が質量比で1.5〜3.0の範囲になるように調整した試験(比較例)も実施した。
溶製した溶鋼を連続鋳造機で鋳造してブルーム鋳片を製造し、このブルーム鋳片から酸化物系非金属介在物の調査用試料を採取し、光学顕微鏡によって酸化物系非金属介在物を調査した。酸化物系非金属介在物は、直径が5μm以上の酸化物系非金属介在物の個数で評価した。
その結果、本発明例では直径が5μm以上の酸化物系非金属介在物の個数が10ヒートの平均値で約52個/cm2 であったが、比較例では10ヒートの平均値で約126個/cm2であり、本発明によって清浄性が大幅に向上することが確認できた。
Claims (3)
- 転炉での脱炭精錬によって得た溶鋼の転炉から取鍋への出鋼中に金属Alを添加して取鍋内の溶鋼を脱酸し、出鋼後、取鍋内の溶鋼上に存在する転炉スラグを排出し、転炉スラグの排出後、取鍋内にフラックスを添加して塩基度(CaO/SiO2 )が質量比で1.5〜3.0の取鍋スラグを取鍋内に生成させ、次いで、希ガスを溶鋼中に吹き込んで前記取鍋スラグと溶鋼とを攪拌し、その後、RH真空脱ガス装置で溶鋼の真空脱ガス精錬を実施することを特徴とする、軸受鋼の溶製方法。
- 前記希ガスの溶鋼中吹き込みにより取鍋スラグと溶鋼とを攪拌した後に、溶鋼を取鍋精錬設備でアーク加熱して溶鋼の温度を調整し、その後、RH真空脱ガス装置で溶鋼の真空脱ガス精錬を実施することを特徴とする、請求項1に記載の軸受鋼の溶製方法。
- 前記フラックスを添加した後に生成する取鍋スラグのトータル.Fe濃度を1.0質量%以下に調整することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の軸受鋼の溶製方法。
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