JPH0530833B2 - - Google Patents
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- JPH0530833B2 JPH0530833B2 JP60042870A JP4287085A JPH0530833B2 JP H0530833 B2 JPH0530833 B2 JP H0530833B2 JP 60042870 A JP60042870 A JP 60042870A JP 4287085 A JP4287085 A JP 4287085A JP H0530833 B2 JPH0530833 B2 JP H0530833B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluorouracil
- present
- fatty acid
- platelet aggregation
- higher fatty
- Prior art date
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
発明の背景
技術分野
本発明は、5−フルオロウラシル誘導体を含有
する血小板凝集抑制剤に関するものである。 先行技術 α−リノレン酸は必須脂肪酸であり、ジホモ−
γ−リノレン酸はプロスタグランジンの前駆体で
あり、5,8,11,14,17−エイコサペンタエン
酸は魚油中に含まれる高度不飽和脂肪酸である。 5−フルオロウラシルは制癌剤として臨床で使
用されているが毒性が高く必ずしも満足すべき薬
物とは言い難い。 発明の目的 本発明者等は5−フルオロウラシルの1位−カ
ルバモイル誘導体を合成し、それらの薬理活性を
鋭意研究した結果、それらが優れた血小板凝集抑
制作用を有することを見い出し、本発明を完成す
るに至つた。 従つて、本発明は5−フルオロウラシル誘導体
を含有する血小板凝集抑制剤を提供することを目
的とする。 発明の具体的説明 かかる目的を達成する本発明は一般式() (式中Rはトリエン高級脂肪酸あるいはペンタエ
ン高級脂肪酸から誘導されるアシル基である)で
示される5−フルオロウラシル誘導体を含有する
血小板凝集抑制剤である。ここで、トリエン高級
脂肪酸あるいはペンタエン高級脂肪酸から誘導さ
れるアシル基とは炭素鎖中に3個の二重結合を有
する高級脂肪酸あるいは炭素鎖中に5個の二重結
合を有する高級脂肪酸のカルボキシル基から水酸
基を除いた基を意味する。また、トリエン高級脂
肪酸はα−リノレン酸あるいはジホモ−γ−リノ
レン酸であることが好ましく、ペンタエン高級脂
肪酸は5,8,11,14,17−エイコサペンタエン
酸であることが好ましい。 本発明で用いられる前記式で示される5−フル
オロウラシル誘導体は、5−フルオロウラシル
(以下、5−FUという)をジフエニルホスホリル
アジドおよび塩基として例えばトリエチルアミン
の存在下に一般式R−NHCH2CO2H(式中Rは前
記一般式()における定義と同じ。)で示され
る化合物とジメチルホルムアミドとかジオキサン
といつた溶媒中で反応させることにより得られ
る。 本発明の5−フルオロウラシル誘導体は臨床に
用いられている5−FUと動物試験において同等
以上の抗腫瘍作用(制癌作用)を示し、且つ、5
−FUに較べて低毒性である。また本発明の5−
フルオロウラシル誘導体は5−FUには見られな
い強力な血小板凝集抑制作用を有するという特徴
も持つている。 本発明の5−フルオロウラシル誘導体は制癌剤
または血小板凝集抑制剤の有効成分若しくは有効
成分の1つとして有用に使用される。投与量は一
般に成人1日量約0.1〜3gが好ましく、必要に
より1〜3回に分けて投与するのがよい。 本発明の5−フルオロウラシル誘導体は単独ま
たは通常の方法で製剤担体あるいは賦形剤と混合
されて製剤化され、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、
シロツプ剤等として経口投与するとか、注射剤、
坐剤等として非経口投与することが可能である。 担体あるいは賦形剤の例として炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、でんぷん、しよ糖、乳
糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム等があげ
られる。本発明の化合物は、上記の固形剤の他の
油性懸濁剤、シロツプのような液剤とすることも
できる。 本発明の化合物をサイクロデキストリンで包接
し安定化することもできる。 次に本発明に係る代表的な化合物の実施例およ
び試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する
が本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例 1 アルゴン雰囲気下、N−(α−リノレノイル)−
グリシン4.026g(12ミリモル)、ジフエニルスル
ホリルアジド3.632g(13.2ミリモル)、5−フル
オロウラシル1.56g(12ミリモル)及びトリエチ
ルアミン9.35(92.4ミリモル)を室温にて乾燥N,
N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解した。該反
応混液を30分かけて室温から80℃に加熱しつづい
て80℃で3時間反応させた。反応混液を放冷後氷
水20ml中に注ぎつづいて0.5規定修酸水溶液にて
弱酸性化し、エーテルにて2回抽出した。抽出有
機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去し、抽出残渣4.42gを得た。該残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付し、
酢酸エチル−塩化メチレン2対3溶出画分より、
1−(α−リノレノイルアミノメチルカルバモイ
ル)−5−フルオロウラシル1.461gを得た。この
ものの物理化学的データは下記式()の構造を
支持する。 融点:103〜105℃ IRνCHCl3 nax(cm-1):1715、1665、12551 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.97(3H、t、J
=7.6Hz)、2.80(4H、t、J=5.6Hz)、5.04
(2H、d、J=6.5Hz)、7.87(1H、d、J=5.3
Hz) 実施例 2 アルゴン雰囲気下、N−(5,8,11,14,17
−エイコサペンタエノイル)グリシン2.516g
(7ミリモル)、ジフエニルホスホリルアジド
2.119g(7.7ミリモル)、5−フルオロウラシル
911mg(7ミリモル)、及びトリエチルアミン
5.454g(53.9ミリモル)を室温にて乾燥N,N
−ジメチルホルムアミド30mlに溶解した。該反応
混液を30分かけて室温から80℃に加熱し、つづい
て80℃で3時間反応させた。反応混液を放冷後、
氷水20ml中に注ぎつづいて0.5規定修酸水溶液に
て弱酸性化、エーテルにて2回抽出した。抽出有
機層を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
を減圧留去し、抽出残渣3.83gを得た。該残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフイーに付し、酢
酸エチル−塩化メチレン2対3溶出画分より1−
(5,8,11,14,17−エイコサペンタエノイル
アミノメチルカルバモイル)−5−フルオロウラ
シル790mgを得た。このものの物理化学的データ
は下記式()の構造を支持する。 融点:91〜94℃ IRνCHCl3 nax(cm-1):1710、1660、12501 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.97(3H t、J
=7.6Hz)、5.03(2H d、J=6.5Hz)、7.83(1H
d、J=5.3Hz) 試験例 1 抗腫瘍作用 CDF1マウス(雄性、5週令)にP388細胞1
×106個/マウスを腹腔内移殖する。前記実施
例で得られた検体の0.5%カルボキシルメチル
セルロース懸濁液を翌日より1日1回5日間連
続して腹腔内投与し延命率を測定する。 延命率(%)=処置群の生存日数の中央値/
コントロール群の生存日数の中央値×100−100 として5−FUと比較した結果を表1に示す。
する血小板凝集抑制剤に関するものである。 先行技術 α−リノレン酸は必須脂肪酸であり、ジホモ−
γ−リノレン酸はプロスタグランジンの前駆体で
あり、5,8,11,14,17−エイコサペンタエン
酸は魚油中に含まれる高度不飽和脂肪酸である。 5−フルオロウラシルは制癌剤として臨床で使
用されているが毒性が高く必ずしも満足すべき薬
物とは言い難い。 発明の目的 本発明者等は5−フルオロウラシルの1位−カ
ルバモイル誘導体を合成し、それらの薬理活性を
鋭意研究した結果、それらが優れた血小板凝集抑
制作用を有することを見い出し、本発明を完成す
るに至つた。 従つて、本発明は5−フルオロウラシル誘導体
を含有する血小板凝集抑制剤を提供することを目
的とする。 発明の具体的説明 かかる目的を達成する本発明は一般式() (式中Rはトリエン高級脂肪酸あるいはペンタエ
ン高級脂肪酸から誘導されるアシル基である)で
示される5−フルオロウラシル誘導体を含有する
血小板凝集抑制剤である。ここで、トリエン高級
脂肪酸あるいはペンタエン高級脂肪酸から誘導さ
れるアシル基とは炭素鎖中に3個の二重結合を有
する高級脂肪酸あるいは炭素鎖中に5個の二重結
合を有する高級脂肪酸のカルボキシル基から水酸
基を除いた基を意味する。また、トリエン高級脂
肪酸はα−リノレン酸あるいはジホモ−γ−リノ
レン酸であることが好ましく、ペンタエン高級脂
肪酸は5,8,11,14,17−エイコサペンタエン
酸であることが好ましい。 本発明で用いられる前記式で示される5−フル
オロウラシル誘導体は、5−フルオロウラシル
(以下、5−FUという)をジフエニルホスホリル
アジドおよび塩基として例えばトリエチルアミン
の存在下に一般式R−NHCH2CO2H(式中Rは前
記一般式()における定義と同じ。)で示され
る化合物とジメチルホルムアミドとかジオキサン
といつた溶媒中で反応させることにより得られ
る。 本発明の5−フルオロウラシル誘導体は臨床に
用いられている5−FUと動物試験において同等
以上の抗腫瘍作用(制癌作用)を示し、且つ、5
−FUに較べて低毒性である。また本発明の5−
フルオロウラシル誘導体は5−FUには見られな
い強力な血小板凝集抑制作用を有するという特徴
も持つている。 本発明の5−フルオロウラシル誘導体は制癌剤
または血小板凝集抑制剤の有効成分若しくは有効
成分の1つとして有用に使用される。投与量は一
般に成人1日量約0.1〜3gが好ましく、必要に
より1〜3回に分けて投与するのがよい。 本発明の5−フルオロウラシル誘導体は単独ま
たは通常の方法で製剤担体あるいは賦形剤と混合
されて製剤化され、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、
シロツプ剤等として経口投与するとか、注射剤、
坐剤等として非経口投与することが可能である。 担体あるいは賦形剤の例として炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、でんぷん、しよ糖、乳
糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム等があげ
られる。本発明の化合物は、上記の固形剤の他の
油性懸濁剤、シロツプのような液剤とすることも
できる。 本発明の化合物をサイクロデキストリンで包接
し安定化することもできる。 次に本発明に係る代表的な化合物の実施例およ
び試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する
が本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例 1 アルゴン雰囲気下、N−(α−リノレノイル)−
グリシン4.026g(12ミリモル)、ジフエニルスル
ホリルアジド3.632g(13.2ミリモル)、5−フル
オロウラシル1.56g(12ミリモル)及びトリエチ
ルアミン9.35(92.4ミリモル)を室温にて乾燥N,
N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解した。該反
応混液を30分かけて室温から80℃に加熱しつづい
て80℃で3時間反応させた。反応混液を放冷後氷
水20ml中に注ぎつづいて0.5規定修酸水溶液にて
弱酸性化し、エーテルにて2回抽出した。抽出有
機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去し、抽出残渣4.42gを得た。該残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに付し、
酢酸エチル−塩化メチレン2対3溶出画分より、
1−(α−リノレノイルアミノメチルカルバモイ
ル)−5−フルオロウラシル1.461gを得た。この
ものの物理化学的データは下記式()の構造を
支持する。 融点:103〜105℃ IRνCHCl3 nax(cm-1):1715、1665、12551 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.97(3H、t、J
=7.6Hz)、2.80(4H、t、J=5.6Hz)、5.04
(2H、d、J=6.5Hz)、7.87(1H、d、J=5.3
Hz) 実施例 2 アルゴン雰囲気下、N−(5,8,11,14,17
−エイコサペンタエノイル)グリシン2.516g
(7ミリモル)、ジフエニルホスホリルアジド
2.119g(7.7ミリモル)、5−フルオロウラシル
911mg(7ミリモル)、及びトリエチルアミン
5.454g(53.9ミリモル)を室温にて乾燥N,N
−ジメチルホルムアミド30mlに溶解した。該反応
混液を30分かけて室温から80℃に加熱し、つづい
て80℃で3時間反応させた。反応混液を放冷後、
氷水20ml中に注ぎつづいて0.5規定修酸水溶液に
て弱酸性化、エーテルにて2回抽出した。抽出有
機層を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
を減圧留去し、抽出残渣3.83gを得た。該残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフイーに付し、酢
酸エチル−塩化メチレン2対3溶出画分より1−
(5,8,11,14,17−エイコサペンタエノイル
アミノメチルカルバモイル)−5−フルオロウラ
シル790mgを得た。このものの物理化学的データ
は下記式()の構造を支持する。 融点:91〜94℃ IRνCHCl3 nax(cm-1):1710、1660、12501 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.97(3H t、J
=7.6Hz)、5.03(2H d、J=6.5Hz)、7.83(1H
d、J=5.3Hz) 試験例 1 抗腫瘍作用 CDF1マウス(雄性、5週令)にP388細胞1
×106個/マウスを腹腔内移殖する。前記実施
例で得られた検体の0.5%カルボキシルメチル
セルロース懸濁液を翌日より1日1回5日間連
続して腹腔内投与し延命率を測定する。 延命率(%)=処置群の生存日数の中央値/
コントロール群の生存日数の中央値×100−100 として5−FUと比較した結果を表1に示す。
【表】
表1から明らかなように本発明に係る1−
(α−リノレノイルアミノメチルカルバモイル)
−5−フルオロウラシルとは1−(5,8,11,
14,17−エイコサペンタエノイルアミノメチル
カルバモイル)−5−フルオロウラシルは5−
FUにくらべて同等以上の抗腫瘍活性を示して
いる。また、5−FUは投与量40mg/Kg/日で
は毒性によりマウスの生存日数が上記制癌剤を
投与しないコントロールより短かくなつてしま
うのに反し、本発明に係る1−(α−リノレノ
イルアミノメチルカルバモイル)−5−フルオ
ロウラシルおよび1−(5,8,11,14,17−
エイコサペンタエノイルアミノメチルカルバモ
イル)−5−フルオロウラシルは100mg/Kg/日
でもILS(%)が36.3とか24.7であり、毒性が5
−FUより低いことが示された。 2 血小板凝集抑制作用 3.8%クエン酸ナトリウム(1容)を入れた
注射器を用いてウサギ頚動脈より9容の血液を
採取する。該血液より遠心分離し血小板に富む
血漿(PRP:50万個/μ)を得る。該PRP
を用い、凝集惹起剤としてアラキドン酸あるい
はコラーゲンを用いて本発明に係る化合物の血
小板凝集抑制作用を測定した。例えば、アラキ
ドン酸(90マイクロモル)によつて誘起される
血小板凝集に対する1−(α−リノレノイルア
ミノメチルカルバモイル)−5−フルオロウラ
シルおよび1−(5,8,11,14,17−エイコ
サペンタエノイルアミノメチルカルバモイル)
−5−フルオロウラシルの50%抑制濃度
(IC50)は各々4.6×10-4M、4.6×10-5Mである
のに対し5−FUは1×10-3Mでも抑制しなか
つた。 またコラーゲン(7μg/ml)による血小板
凝集に対する1−(α−リノレノイルアミノメ
チルカルバモイル)−5−フルオロウラシルお
よび1−(5,8,11,14,17−エイコサペン
タエノイルアミノメチルカルバモイル)−5−
フルオロウラシルのIC50はそれぞれ8.4×10-4、
4.2×10-4Mであるのに対し5−FUは1×
10-3Mでも抑制せず、本発明化合物が強力な血
小板凝集抑制作用を有していることが明らかと
なつた。 3 急性毒性 1−(α−リノレノイルアミノメチルカルバ
モイル)−5−フルオロウラシルおよび1−
(5,8,11,14,17−エイコサペンタエノイ
ルアミノメチルカルバモイル)−5−フルオロ
ウラシルの腹腔内投与による急性毒性について
ICRマウス(雄、7週令)を用いて調べた結
果、5−FUのLD50値は235mg/Kgであるのに
対し、1−(α−リノレノイルアミノメチルカ
ルバモイル)−5−フルオロウラシルおよび1
−(5,8,11,14,17−エイコサペンタエノ
イルアミノメチルカルバモイル)−5−フルオ
ロウラシルのLD50値はそれぞれ、447mg/Kg、
368mg/Kgであつた。 また、上記実施例以外の本発明に係る化合物に
ついても同様な試験結果が得られた。 発明の効果 以上詳述したように本発明によれば、強力な制
癌作用および血小板凝集抑制作用を有する5−フ
ルオロウラシル誘導体が提供される。 また、近年、血小板の凝集が、ガンの転移に関
与していることを示唆する結果が得られてきてい
る。従つて本発明の5−フルオロウラシル誘導体
はガン転移予防剤としても使用できる。よつて本
発明の5−フルオロウラシル誘導体は制癌作用と
ガン転移予防作用が相乗的に働き、かつ低毒性で
あるため癌治療に有効に使用することができる。 さらに、本発明の5−フルオロウラシル誘導体
は採取された血液の血液凝固防止用としても有効
に使用することができる。
(α−リノレノイルアミノメチルカルバモイル)
−5−フルオロウラシルとは1−(5,8,11,
14,17−エイコサペンタエノイルアミノメチル
カルバモイル)−5−フルオロウラシルは5−
FUにくらべて同等以上の抗腫瘍活性を示して
いる。また、5−FUは投与量40mg/Kg/日で
は毒性によりマウスの生存日数が上記制癌剤を
投与しないコントロールより短かくなつてしま
うのに反し、本発明に係る1−(α−リノレノ
イルアミノメチルカルバモイル)−5−フルオ
ロウラシルおよび1−(5,8,11,14,17−
エイコサペンタエノイルアミノメチルカルバモ
イル)−5−フルオロウラシルは100mg/Kg/日
でもILS(%)が36.3とか24.7であり、毒性が5
−FUより低いことが示された。 2 血小板凝集抑制作用 3.8%クエン酸ナトリウム(1容)を入れた
注射器を用いてウサギ頚動脈より9容の血液を
採取する。該血液より遠心分離し血小板に富む
血漿(PRP:50万個/μ)を得る。該PRP
を用い、凝集惹起剤としてアラキドン酸あるい
はコラーゲンを用いて本発明に係る化合物の血
小板凝集抑制作用を測定した。例えば、アラキ
ドン酸(90マイクロモル)によつて誘起される
血小板凝集に対する1−(α−リノレノイルア
ミノメチルカルバモイル)−5−フルオロウラ
シルおよび1−(5,8,11,14,17−エイコ
サペンタエノイルアミノメチルカルバモイル)
−5−フルオロウラシルの50%抑制濃度
(IC50)は各々4.6×10-4M、4.6×10-5Mである
のに対し5−FUは1×10-3Mでも抑制しなか
つた。 またコラーゲン(7μg/ml)による血小板
凝集に対する1−(α−リノレノイルアミノメ
チルカルバモイル)−5−フルオロウラシルお
よび1−(5,8,11,14,17−エイコサペン
タエノイルアミノメチルカルバモイル)−5−
フルオロウラシルのIC50はそれぞれ8.4×10-4、
4.2×10-4Mであるのに対し5−FUは1×
10-3Mでも抑制せず、本発明化合物が強力な血
小板凝集抑制作用を有していることが明らかと
なつた。 3 急性毒性 1−(α−リノレノイルアミノメチルカルバ
モイル)−5−フルオロウラシルおよび1−
(5,8,11,14,17−エイコサペンタエノイ
ルアミノメチルカルバモイル)−5−フルオロ
ウラシルの腹腔内投与による急性毒性について
ICRマウス(雄、7週令)を用いて調べた結
果、5−FUのLD50値は235mg/Kgであるのに
対し、1−(α−リノレノイルアミノメチルカ
ルバモイル)−5−フルオロウラシルおよび1
−(5,8,11,14,17−エイコサペンタエノ
イルアミノメチルカルバモイル)−5−フルオ
ロウラシルのLD50値はそれぞれ、447mg/Kg、
368mg/Kgであつた。 また、上記実施例以外の本発明に係る化合物に
ついても同様な試験結果が得られた。 発明の効果 以上詳述したように本発明によれば、強力な制
癌作用および血小板凝集抑制作用を有する5−フ
ルオロウラシル誘導体が提供される。 また、近年、血小板の凝集が、ガンの転移に関
与していることを示唆する結果が得られてきてい
る。従つて本発明の5−フルオロウラシル誘導体
はガン転移予防剤としても使用できる。よつて本
発明の5−フルオロウラシル誘導体は制癌作用と
ガン転移予防作用が相乗的に働き、かつ低毒性で
あるため癌治療に有効に使用することができる。 さらに、本発明の5−フルオロウラシル誘導体
は採取された血液の血液凝固防止用としても有効
に使用することができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式() (式中Rはトリエン高級脂肪酸あるいはペンタエ
ン高級脂肪酸から誘導されるアシル基である)で
示される5−フルオロウラシル誘導体を含有する
血小板凝集抑制剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60042870A JPS61204171A (ja) | 1985-03-06 | 1985-03-06 | 5−フルオロウラシル誘導体およびこれを含有する医薬製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60042870A JPS61204171A (ja) | 1985-03-06 | 1985-03-06 | 5−フルオロウラシル誘導体およびこれを含有する医薬製剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61204171A JPS61204171A (ja) | 1986-09-10 |
| JPH0530833B2 true JPH0530833B2 (ja) | 1993-05-11 |
Family
ID=12648067
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60042870A Granted JPS61204171A (ja) | 1985-03-06 | 1985-03-06 | 5−フルオロウラシル誘導体およびこれを含有する医薬製剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61204171A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102724877B (zh) | 2009-09-01 | 2015-05-13 | 凯特贝希制药公司 | 脂肪酸烟酸缀合物及其用途 |
| USRE46608E1 (en) | 2009-09-01 | 2017-11-14 | Catabasis Pharmaceuticals, Inc. | Fatty acid niacin conjugates and their uses |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5581865A (en) * | 1978-10-30 | 1980-06-20 | Fujisawa Pharmaceut Co Ltd | 5-fluorouracil derivatives and their preparation |
| JPS5663966A (en) * | 1979-10-29 | 1981-05-30 | Tokyo Kinzoku Kogyo Kk | Pyrimidine derivative and its preparation |
-
1985
- 1985-03-06 JP JP60042870A patent/JPS61204171A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61204171A (ja) | 1986-09-10 |
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