JPH0530126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、密閉容器内に絶縁媒体と共に母線、
断路器、しや断器等が収納されたガス絶縁開閉装
置に関するものであつて、特に計器用変流器に接
続されている導体部分の支持構造に改良を施した
ガス絶縁開閉装置に係る。

［発明の技術的背景］ 大都市周辺とか、臨海地区に設置される変電所
或いは開閉所においては、用地の取得難とか、塩
害対策上の理由で、変電所等を構成する電気機器
を、SF₆ガス等の絶縁性及び消孤性に優れた絶縁
媒体と共に容器内に密閉したガス絶縁開閉装置が
使用される。この種のガス絶縁開閉装置は、気中
絶縁に比べてはるかに絶縁性に優れているので、
しや断器、断路器或いはその他の所要機器を立体
的に配置し、各機器相互間の間隔を狭め、敷地全
体の大幅な縮少を図る様にしている。

更に最近では、三相の通電導体を一つの容器内
に収納することにより、更に全体の小型、縮小化
を図る様にした三相一括型のガス絶縁開閉装置も
提案されている。

この様なガス絶縁開閉装置のうち、三相一括型
の一例を第３図に示す。

このガス絶縁開閉装置において、しや断器２０
は、絶縁ガスを封入した容器２１の軸線が、据付
面に対して垂直になる様に配設されている。しや
断器容器２１の内部には、互いに接離可能な固定
側及び可動側電極を有する各相のしや断部２２
が、その動作軸としや断器２１の軸線とが平行に
なる様に、それぞれ配設されている。しや断部２
２の下方の端子から導出された各相の通電導体２
３は、しや断器容器２１の内部で通電導体２４を
上方に分岐した後、しや断器容器２１の側面下方
に設けられた第１の口出し端子２５から導出され
ている。また、通電導体２３から上方に分岐され
た通電導体２４は、各相ともしや断器容器２１の
軸線と平行に配置され、しや断器容器２１の側面
の第１の口出し端子２５の上方に設けられた第２
の口出し端子２６から導出されている。この第
１、第２の口出し端子２５，２６には、断路部２
７，２８と一体になつた主母線２９，３０がそれ
ぞれ接続されている。

一方、しや断部２２の上方の端子から導出され
た各相の通電導体３１は、しや断器容器２１内の
しや断部２２の上方に各相配置された計器用変流
器３２を介して、しや断器容器２１の側面の第２
の口出し端子２６の上方に設けられた第３の口出
し端子３３から導出されている。この第３の口出
し端子３３には、断路器３４、接地装置３５を介
してケーブル接続部３６及び計器用変圧器３７が
接続されている。

［背景技術の問題点］ ところで、上記のようス絶縁開閉装置におい
て、しや断器容器２１内のしや断部２２の上方に
各相配設された計器用変流器３２を貫通している
導体３１は、しや断器容器２１の上部でコ字形に
屈曲しており、その先端部が第２の口出し端子２
６の上方に設けられた第３の口出し端子３３から
導出されている。

この様な屈曲した導体３１をしや断器２０の内
部に配設する場合、その導体３１の剛性のみに頼
つて位置決めをするのは非常に不安定であり、望
ましいものではなかつた。特に、導体３１はしや
断部２２と第３の口出し端子３３に配設された絶
縁スペーサーとで支持されていたが、それだけで
は支持が充分ではなく、導体３１がぐらぐらして
しまい、しや断器容器２１との距離及び計器用変
流器３２のコイルとの距離が近ずいてしまい、充
分な絶縁距離が確保できないという欠点があつ
た。

この様な問題点を解決するために、従来では、
しや断器容器２１の上部開口部のフタ板３８の内
面に逆Ｔ字形をした支持板３９をブラケツトによ
つて固定し、その支持板３９に導体３１を絶縁物
４０を介して支持する手段が提案されている。

しかしながら、上述したようにコ字形導体３１
がしや断器容器２１のフタ板３８に固定されてい
ると、しや断器の保守点検作業等のために、しや
断器を取外す際にフタ板３８をはずすことができ
ないので、まず、しや断器を架台からはずし、導
体を各口出し端子２５，２６，３３の絶縁スペー
サーからはずして、その口出し端子側から前記の
支持板３９と導体３１との支持部をはずしてフタ
板３８を開いていた。そのため、しや断器の保守
点検作業が非常に繁雑なものとなり、望ましいも
のではなかつた。また、導体３１を支持板３９に
固定する組立工程も同様に複雑なものとなるの
で、組立不良を起こす恐れが大きかつた。

なお、上述した三相一括形ガス絶縁開閉装置ば
かりでなく、単相のガス絶縁開閉装置においても
同様の欠点があつた。

［発明の目的］ 本発明は、上記のような従来のガス絶縁開閉装
置の欠点を解消するために提案されたもので、そ
の目的は、計器用変流器に接続されている導体の
支持構造に改良を施すことにより、組立工程の作
業性を大幅に向上し、構成機器の保守点検作業を
効率的に行なうことができるガス絶縁開閉装置を
提供することにある。

［発明の概要］ 本発明のガス絶縁開閉装置は、しや断部の上方
に計器用変流器を支持する変流器支持板を配設
し、この変流器支持板をしや断器容器の内面に設
けられた支持部材によつて支持固定し、また、変
流器支持板の上面に支持絶縁物を配設し、この支
持絶縁物によつて計器用変流器を貫通して導出さ
れる導体を支持すると共に、しや断器容器の上部
の開口部に着脱自在のフタ板を設けたことによ
り、しや断器の保守・点検作業時におけるしや断
器の取りつけ、取外し作業を簡単に行なうことが
できるようにしたものである。

［発明の実施例］ 以下、本発明の一実施例を第１図及び第２図を
参照して具体的に説明する。なお、第３図に示し
た従来型と同一部分に付いては、同一部号を付し
説明は省略する。

本実施例において、しや断部２２の上方に配設
される各相の計器用変流器３２に平面形状が第２
図に示したようなパレツト型をした変流器支持板
１が設けられ、この変流器支持板１は、しや断器
容器２１の内壁に設けられた内側に突出した支持
部材２によつて支持固定されている。また、この
変流器支持板１の上面には支持絶縁物３が配設さ
れている。さらに、しや断部２２の上部より計器
用変流器３２を介して第３の口出し端子３３に導
出される導体４が３つの部分から構成され、水平
部分の接続導体４ａの上部に穴５が設けられ、こ
の穴５より前記支持絶縁物３と接続導体４ａとが
ボルト６等によつて固定されている。また、この
接続導体４ａは、しや断部２２へ接続されている
導体４ｂ及び第３の口出し端子３３へ接続されて
いる導体４ｃとそれぞれボルト７等によつて接続
されている。一方、しや断器容器２１の上部に
は、フタ板８が設けられ、ボルト９等によつて着
脱自在に固定されている。

このような構成を有する本実施例のガス絶縁開
閉装置においては、しや断器の保守・点検作業の
ためにしや断器を取外し、再び取りつける場合
は、しや断器容器２１の上部に配設されたフタ板
８を取外し、接続導体４ａに設けられた穴５よ
り、接続導体４ａと支持絶縁物３とを固定してい
るボルトをはずせば良いので、しや断器の保守・
点検作業が著しく簡略化される。また、組立工程
も同様に簡略化されるので、組立不良も防止する
ことができる。

なお、本発明は、上記の実施例に限定されるも
のではなく、変流器支持板は各相毎に独立したも
のでも良い。

また、本実施例は三相一括形ガス絶縁開閉装置
に付いて説明したが、単相のガス絶縁開閉装置に
おいても同様である。このとき、変流器支持板の
形状は半円形状でも四角形でも良い。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明によれば、計器用変
流器に接続した導体を変流器支持板によつて支持
固定することにより、しや断器の保守・点検作業
時における組立工程の作業性を大幅に向上したガ
ス絶縁開閉装置を提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のガス絶縁開閉装置の一実施例
を示す断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、
第３図は従来のガス絶縁開閉装置の構成を示す断
面図である。 １……変流器支持板、２……支持部材、３……
支持絶縁物、４……導体、４ａ……接続導体、４
ｂ……しや断部に接続している導体、４ｃ……第
３の口出し部に接続している導体、５……穴、６
……ボルト、７……ボルト、８……フタ板、９…
…ボルト、２０……しや断器、２１……しや断器
容器、２２……しや断部、２３，２４……通電導
体、２５……第１の口出し端子、２６……第２の
口出し端子、２７，２８……断路器、２９，３０
……主母線、３１……通電導体、３２……計器用
変流器、３３……第３の口出し端子、３４……断
路器、３５……接地装置、３６……ケーブル接続
部、３７……計器用変圧器、３８……フタ板、３
９……支持板、４０……絶縁物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 絶縁性ガスを封入した容器内に互いに接離自
   在に動作される固定側及び可動側電極を有するし
   や断部を収納し、このしや断部の一端から導出さ
   れる通電導体に断路器を介して主母線が接続さ
   れ、また前記しや断部の他端から導出される通電
   導体には、断路器、接地装置等を介して、ケーブ
   ル接続部等の外部引出し端子部が接続されるガス
   絶縁開閉装置において、 しや断部の上方に配設される計器用変流器に変
   流器支持板が設けられ、この変流器支持板はしや
   断器容器の内壁に設けられた支持部材によつて固
   定され、 前記変流器支持板の上面には支持絶縁物が配設
   され、この支持絶縁物によつて変流器を貫通した
   導体が支持され、 さらにしや断器容器の上部の開口部には、着脱
   自在のフタ板が設けられていることを特徴とする
   ガス絶縁開閉装置。 ２ しや断部の上部より導出され計器用変流器を
   介してケーブル接続部等に導出される導体が、３
   つの部分から構成され、そのうち水平部分を構成
   する接続導体の上部に穴が設けられ、前記３つの
   部分からなる導体が互いにボルト等によつて接続
   されている特許請求の範囲第１項記載のガス絶縁
   開閉装置。