JPH0245405B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、特に超々高圧変電所あるいは開閉所
に好適なガス絶縁開閉装置に関する。

（従来の技術） 大都市周辺あるいは臨海地区に設置される変電
所あるいは開閉所においては、用地の入手難又は
塩害対策などの理由で、いわゆるガス絶縁開閉装
置を設置することが望ましい。

ところで、この種の変電所は敷地面積を大幅に
縮小するため、所要機器を立体的に配置し、各機
器相互間の接続は、SF₆のような絶縁消弧性ガス
を封入したガス絶縁母線によつて行なうよう構成
されている。

このような立体配置を行なうため通常は比較的
重量の重いしや断器を下方に設置し、このしや断
器の上方へ計器用変流器及び断路器などを分岐母
線を介して縦横に配置して構成される。

さらに通常は事故、点検及び補修などのため、
ガス絶縁開閉装置は絶縁スペーサによつてガス区
画され、この部分のみ分離できるようになつてい
る。また超々高圧変電所は重要な電力幹線に設置
されるため、事故点検及び補修などによる停電時
間は極力短かいことが望まれる。

上述のような一般の変電所あるいは開閉所にお
けるガス絶縁開閉装置の単線結線図の一例を示し
た第１図において、２点鎖線で囲つた部分につい
て説明する。受送電口よりブツシング１から断路
器２を経てしや断器３を通り、第１、第２の母線
側断路器５−１，５−２を介して２重主母線６の
第１、第２の主母線６−１，６−２に夫々接続さ
れる。また、反対側は第１及び第２の主母線６−
１，６−２から夫々第１、第２の母線側断路器７
−１，７−２を介してしや断器８を通り、ケーブ
ルヘツド９から受送電される。そしてブツシング
１側には避雷器１０、接地装置１０ａが接続さ
れ、またケーブルヘツド９側には避雷器１１、接
地装置１１ａが接続される。さらにしや断器３，
８の夫々の口出し部に計器用変流器１２，１２
ａ；１３，１３ａが接続される。

このように単線結線図に対応した従来のガス絶
縁開閉装置の一方の回線の側面図を第２図に示
す。第１，第２の母線側断路器５−１，５−２は
しや断器３のしや断部の軸線方向と第１，第２の
主母線６−１，６−２の夫々の上部口出しの軸線
方向が交わる点に配置されている。

〔背景技術の問題点〕

一方、ガス区画用の絶縁スペーサは第３図に示
すようにガス絶縁機器の容器２０の接続部２４は
容器２０内部の電界を一定化するため、富士山形
をしているのが通常である。したがつて、この絶
縁スペーサ２１の両側の導体２２を取外すには導
体２２の軸線方向に沿つて引き抜く以外には取外
しができない構造となつている。

そこで第１の母線側断路器５−１を点検などで
取外す場合には、着脱母線２５を取外しても、第
１の母線側断路器５−１としや断器３をガス区画
している絶縁スペーサを介して接続されている接
続部２６と、第１の母線側断路器５−１と第１の
主母線６−１がス区分している絶縁スペーサを介
して接続されている接続部２７との夫々の導体の
軸方向が直交している。しかもこの接続部２６，
２７は第３図に示した接続部２４と同様な構造で
ある。そのために上述したように第１の母線側断
路器５−１は水平及び垂直何れの方向にも移動で
きず、取外すことはできない。したがつて、取外
すときは、主母線６−１，６−２等の絶縁ガスを
抜き、ブツシング１、接地装置１０ａ、断路器
２、計器用変流器１２、しや断器３、計器用変流
器１２ａの順に全て取外さなければ不可能であ
る。従つて、分解、再組立には長時間を要する。
ところがこのような超々高圧変電所を長い間停電
することは、周囲に対して影響が大きく、改良す
べき問題点があつた。

〔発明の目的〕 本発明は上記の点を考慮してなされたもので、
その目的とするところは、主母線上側に垂直に配
設したガス絶縁機器、例えば母線側断路器を他の
機器を移動することなく、即ち、しや断器及び主
母線の絶縁ガスを抜くことなく、短時間に容易に
着脱することのできるガス絶縁開閉装置を提供す
ることにある。

〔発明の概要〕

かかる目的を達成するために本発明において
は、二つの母線側断路器間を着脱装置で接続する
とともに、母線側断路器と主母線間及び接地開閉
器等のガス絶縁機器としや断器間を全て絶縁スペ
ーサを有する接続部を介して接続しているので、
しや断器及び主母線内の絶縁ガスを一切回収する
ことなく母線側断路器の取外しを容易に行なうこ
とができる。

〔発明の実施例〕

以下本発明の第１の実施例のガス絶縁開閉装置
を図面を参照して説明する。第１図ないし第３図
に示す部分と同一部分及び同一機能を有する部分
は同一符号を付してある。第１図の単線結線図に
対応したガス絶縁開閉装置の平面図を第４図に、
また一方の回線のガス絶縁開閉装置の側面図を第
５図に示す。第４図において、２重主母線の第
１，第２の主母線６−１，６−２の軸線方向に対
し、夫々しや断器３及び８のしや断部の軸線方向
が直交するようにブツシング１側及びケーブルヘ
ツド９側とも３相構成配置となつている。

なお、しや断器３，８のしや断部（図示しな
い）は互に接離可能に対向して設けられた一対の
接触子を有し、このしや断部は１個あるいは複数
個直列に接続され、この接触子が接離する軸線方
向は水平になるように配設される。

第５図において、２重主母線６の第１，第２の
主母線６−１，６−２の上側に接続部２７，２７
を介して夫々ガス絶縁機器例えば第１及び第２の
母線側断路器５−１及び５−２を夫々取付け、ま
た相互間を着脱母線２５を介して接続する。第１
の母線側断路器５−１の一方の接続口と、ガス絶
縁機機器例えば接地装置５−１ａの一方の接続口
とを接続する。そして、接地装置５−１ａの他方
の接地口をしや断器３の上側に設けられた上向き
口出部３ａに接続部２６を介して接続する。しや
断器３の他方の口出部は断路器２及び接続母線２
ａを経て、避雷器１０と接続される接地装置１０
ａを介してブツシング１に接続される。なお、し
や断器３の点検のための２点鎖線で示した引出し
部分２８はブツシング１側に引出しができる。

さらに上述した接続構成の要部を第６図におい
て詳述する。しや断器３の第１の主母線６−１側
の容器３０の上側に、垂直上方向に開口した上向
き口出部３１を形成する。またしや断器３の上側
に配設される接地装置５−１ａの一方の垂直下方
向に開口した接続口３２と上向き口出部３１とを
接続部２６を介して接続する。接地装置５−１ａ
のしや断器３の軸線方向に沿つて設けられる他方
の接続口３３を、寸法調整のために設けた接続母
線３４を介して、第１の主母線６−１上側に設け
た第１の母線側断路器５−１の接続口３５と接続
する。第１，第２の主母線６−１，６−２の上側
に垂直上方向に開口する接続口３６，３６に、第
１，第２の母線側断路器５−１，５−２の垂直下
方向に開口した接続口３７を夫々接続部２７，２
７を介して接続する。また第１，第２の母線側断
路器５−１，５−２間はベローズ３８を介して着
脱母線２５によつて接続される。

そして、接続部２６，２７，２７は何れも同一
構造をしているので、第１の主母線６−１上側の
接続部２６について説明する。接続口３６，３７
間に夫々フランジ３６ａ，３７ａを介してコーン
形の絶縁スペーサ３９を気密に接続する。また絶
縁スペーサ３９の頂部に設けられた接続部材４０
に夫々中空の導体４１，４２が夫々接触子４３を
介して接続される。

次に上記実施例１の作用効果について設明す
る。点検あるいは補修などによつて、第１の母線
断路器５−１を取外す際に、まず第１，第２の母
線側断路器５−１，５−２間の着脱母線２５の作
業口２５ａから図示しない導体を軸方向に短縮す
るように引き外し、ベローズ３８を縮めて余裕を
出して着脱母線２５を外す。そして、接続部２
６，２７の図示しないボルトを外しておき、接地
装置５−１ａ及び第１の母線側断路器５−１を一
体のまま、例えば吊り上げ装置を介して垂直上方
向に吊り上げることによつて、導体３２と接地部
材４０とを引き抜いて外すことができる。

このように接続部２６，２７は垂直上方向に外
すことができるので、従来のように他の機器を全
く移動することなく、また、しや断器及び主母線
の絶縁ガスを抜いて回収することなく、第１の母
線側断路器５−１を着脱できる。第２の母線断路
器５−２を取外す場合も上記に準ずる。したがつ
て点検あるいは部品交換などの作業時間を極めて
短縮でき、作業が容易となり、また停電時間を大
幅に通通短縮することができる。

次に本発明の第２及び第３の実施例を図面を参
照して説明する。第５図に示す部分と同一又は同
一機能を有する部分は同符号を付してある。本発
明の第２の実施例は第７図において、しや断器３
の点検しろ、すなわち点検のときの引出し部分２
８を第５図と反対側、すなわち第１の主母線６−
１側に向くように配置する。接地装置５−１ａの
しや断器３の軸線方向、すなわち図示では水平方
向の部分は長く形成される。第１の母線側断路器
５−１及び接地装置５−１ａの着脱は本発明の第
１の実施例と同様である。

また本発明の第３の実施例は第８図において、
しや断器３のブツシング１側の口出部をしや断器
３の軸線方向、すなわち図示では水平方向に配設
するように構成しても本発明の第１の実施例と同
様な作用効果が得られる。

上記全ての実施例はブツシング１側の回線につ
いて説明したが、ケーブルヘツド９側の回線も全
く第１の実施例と同様な作用効果が得られる。ま
た接地装置を分岐母線によつて代替えし、母線側
断路器に接地装置を付加することもできる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明のガス絶縁開閉装置
によれば、二つの母線側断路器間を着脱装置で接
続するとともに、母線側断路器と主母線間及び接
地開閉器等のガス絶縁機器としや断器間を全て絶
縁スペーサを有する接続部を介して接続している
ので、しや断器及び主母線内の絶縁ガスを一切回
収することなく母線側断路器の取外しを容易に行
なうことができるため、着脱する作業時間を短縮
し、作業も容易であり、また停電時間を大幅に短
縮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般のガス絶縁開閉装置を示す単線結
線図、第２図は第１図の単線結線図の一方の回線
に対応した従来のガス絶縁開閉装置を示す側面
図、第３図は一般の接続部を示す断面図、第４図
及び第５図は本発明の一実施例のガス絶縁開閉装
置を示す平面図及びブツシング側回線の側面図、
第６図は第５図のガス絶縁開閉装置を示す一部切
欠き側断面図、第７図及び第８図は本発明の第２
及び第３の実施例のガス絶縁開閉装置を示す側面
図である。 １…ブツシング、２…断路器、３，８…しや断
器、５−１，５−２…第１，第２の母線側断路
器、７−１，７−２…反対側の第１，第２の母線
側断路器、５−１ａ，７−２ａ…接地装置、６…
２重主母線、６−１，６−２…第１，第２の主母
線、９…ケーブルヘツド、１０，１１…避雷器、
１０ａ，１１ａ…接地装置、２５…着脱母線、２
６，２７…接続部、３１…上向き口出部、３２，
３６，３７…接続口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 互いに接離可能な一対の接触子を備えるしや
   断部を収納したしや断器を前記接触子が接離する
   軸線方向に沿つて水平配置し、このしや断器の軸
   線と直交するように互い水平かつ水平に配設した
   第１及び第２の主母線からなる２重主母線を配置
   し、この２重主母線の夫々上側に設けられる接続
   口と垂直方向に着脱自在で絶縁スペーサを有する
   接続部を介して第１及び第２の母線側断路器の垂
   直下方に設けられた夫々の接続口とを気密に接続
   するとともに、前記第１及び第２の母線側断路器
   相互間を着脱母線を介して着脱自在に接続してな
   るものにおいて、前記しや断器の前記２重主母線
   の上側に垂直方向に開口して設けた口出部とこの
   口出部の上方に配置した第１のガス絶縁機器の垂
   直下方向に設けた接続口とを垂直方向に着脱自在
   で絶縁スペーサを有する接続部を介して夫々気密
   に接続し、さらに第１のガス絶縁機器とこの第１
   のガス絶縁機器と対向する第１の母線側断路器と
   を接続することを特徴とするガス絶縁開閉装置。