JPH0140566B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は超高圧以上の変電所あるいは開閉所に
好適な電力用ガス絶縁開閉装置に関する。

大都市周辺とか臨海地区に設置される変電所或
いは開閉所においては、用地の入手難とか塩害対
策の困難等の理由で、変電所とか開閉所を構成す
る電気機器を絶縁ガスで密封するとか絶縁油中に
浸漬した所謂コンパクト変電所に構成される気運
にある。

ところで、この種コンパクト変電所は、敷地面
積の大幅な縮小を計るため、所要機器を立体的に
配置し、各機器相互間の接続はSF₆ガス等の絶縁
性流体を封入した絶縁母線によつて行なうよう構
成されている。

このガス絶縁開閉装置は、例えばしや断器、断
路器、接地装置等の各ブロツクを段積みする方式
が採用され、絶縁距離を大巾に縮小することが可
能となつたが、構成によつて、これら機器間を接
続するために、中心導体等を必要としたりして、
必ずしも据付面積を縮小し得るものではなかつ
た。

この為、ガス絶縁開閉装置全体における構成を
より縮小、合理化する為に、各機器間の接続を合
理化する方式として例えばしや断器と断路器、接
地装置等の各コンポーネントを同一の密封容器内
に設け、必要に応じてガス区画する方式により機
器間の接続母線をなくして縮小化することや、又
各機器の構成を合理化する、例えば母線側断路器
の断路器接点の一部を主母線導体上に組み込み母
線一体形の断路器とすることにより縮小すること
等が逐次行われ、一層の縮小化が図られている。
又これらの縮小、合理化努力はガス絶縁開閉装置
の信頼性の向上とも無縁ではなく、耐震性向上、
保守点検の容易さ、組立据付作業を容易にして運
転後の事故要因の減少を図るなど、種々の信頼面
での向上を目的とした改良と組み合わされ実施さ
れている。

第１図は一般変電所あるいは開閉所における単
線回路接続例で、主母線を甲母線AUS１及び乙
母線BUS２の複母線にし、甲乙両母線BUS１，
BUS２から母線用断路器５，６を径てしや断器
１の一端に接続し、さらにこのしや断器１の他端
を送電線側断路器３を径て送電線側端子ブツシン
グ４に接続している。又、しや断器１の両側線路
には母線及び送電線保護用、計測用の目的で変流
器２を設けている。

なお、第１図においては送電線側の避電器や、
各所の接地装置や計器用変圧器を本発明に関与し
ないので削除してあり、したがつて、以下これら
の説明については省略する。

第２図ａ，ｂは第１図の単線結線図に対応する
配置構成例を示すものである。超高圧以上のガス
絶縁開閉装置においては機器が大形化するために
主母線は３相一括タイプ、その他の機器は各相独
立形の構造が一般的である。したがつて本構成例
においても主母線は３相一括、その他は全て各相
独立形としている。この構成例においては斜線で
示した据付基礎面に平行に甲、乙主母線BUS１，
BUS２を配置し、その上部に３相各相の母線用
断路器５ｕ，５ｖ，５ｗ，６ｕ，６ｖ，６ｗを母
線タンクで支持する。また３相各相のしや断器１
ｕ，１ｖ，１ｗを甲、乙母線BUS１，BUS２の
長手方向軸線とこれら軸線により形成される平面
上方で直交する如く水平に並行配設する。そして
各母線用断路器の口出軸線とその軸線を一致させ
て分岐母線により接続する。さらにしや断器の両
口出端には貫通形変流器２ｕ，２ｖ，２ｗを取り
つけ、送電線側端子ブツシング４ｕ，４ｖ，４ｗ
を気中絶縁距離を確保する為にｖ相を中心として
主母線方向に左右に振り分けて図示してない線路
側断路器（第１図に示す３ｕ，３ｖ，３ｗ）の上
に各々直立にして支持し、各線路側断路器を分岐
母線によつて３相各相のしや断器に接続する。

第２図ａ，ｂにおける配置構成例では３相各相
のしや断器のタンク軸線のある平面と、甲、乙主
母線BUS１，BUS２のタンク軸線のある平面間
には図示する如くH₂の高低段差がある。この段
差は母線用断路器５，６と甲、乙両主母線BUS
１，BUS２の構造によつて決まる。すなわち、
母線用断路器と甲、乙両主母線BUS１，BUS２
を各々独立して構成する場合、275kV定格のガス
絶縁開閉装置では約2m、500kV定格では約3mに
なる。又据付基礎面からのしや断器タンク軸線の
高さH₁はそれぞれ約3m、約4.5mになる。この場
合重量物であるしや断器が上部に配置されること
になる為耐震上好ましくなく、かつしや断器のし
や断操作に要する操作力は各相につき275kVで約
20ton、500kVで約40tonであり、この強大な操作
力によつて発生する加振力はしや断器の重心が高
ければ高い程他の機器に与える悪影響が大きくな
る。

このように母線用断路器と母線を各々独立して
構成した場合、耐震上、機器操作振動の影響低減
の為に強固な架台８を要することになる。又送電
線側ブツシングの高さも高くなる為、同様の問題
が生ずることは云うまでもない。

本発明の目的は各構成機器の配置を改善して、
装置全体の重心位置を低くするとともに装置組立
作業を容易にすることにより、耐震性を改善でき
るとともに装置の据付組立時の高所作業が少くな
つて、安全性がまし、しかも、据付組立に要する
期間が短くなつてその費用も安価になるという相
乗効果を得ることができるガス絶縁開閉装置を提
供するにある。

この目的を達成する為、本発明においては主母
線容器内に主母線と一体となしたガス絶縁断路器
を収納するとともにこのガス絶縁断路器の一極側
を母線に、他極側をしや断器等へ電気的に直列接
続される分岐母線に接続するように構成し、前記
しや断器タンクと分岐母線を直列にして水平に直
線状に配置し、その軸線の延長線と前記ガス絶縁
断路器と一体となした主母線容器の長手方向軸線
とをほぼ同一平面上にて略直交する関係に配置す
るようにするものである。

以下本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。

第３図ａ〜ｃは第２図における甲母線側断路器
と同一機能を有する母線一体形断路器の構成例を
示すものである。第３図ａ〜ｃに示すように母線
タンク９内に３相各相の主母線導体１０ｕ，１０
ｖ，１０ｗを適宜の間隔を存して母線タンク９の
長手方向に配設し、また母線タンク９の上部より
内部に向けて３相各相の断路器５ｕ，５ｖ，５ｗ
を母線タンク９の長手方向に適宜の間隔を存して
設けている。断路器５ｖは第３図ｂに示すように
母線タンク９の上部に設けられた操作装置１２に
より、絶縁ロツド１３を通して操作力が可動接触
子１４に伝達されるようになつている。可動接触
子１４はその移動方向に適宜の間隔を存して設け
られた上部の集電子１５と下部の集電子１６との
間をコンタクトでもつて母線タンク９の直径方向
に接離可能に摺動するようになつており、開路状
態では集電子１５内にその全長の大部分が収納さ
れる断路部を構成している。上部集電子１５は絶
縁物２４により支持されるとともに母線タンク９
の両側面に有する開口部に絶縁スペーサにより支
持された端子１７に接続導体２１により電気的に
接続され、しや断器や乙母線側断路器に接続され
る。なお接続導体２１の形状としては電気的スト
レス緩和の為に断面ダ円形とするのが望ましい。
下部集電子１６は母線タンク９の下部に取りつけ
られたフランジにより強固に支持された支持絶縁
物１９に取付けられている支持電極１８により支
持接続され、支持電極１８と対応する相の主母線
１０ｖとは図示してない即スライドコンタクト等
によつて接続される。また断路器５ｕの下部集電
子１６は第３図ｃに示すように母線タンク９の下
部に取りつけられたフランジにより強固に支持さ
れた支持絶縁物１９に支持金物２６を介して取付
けられている支持絶縁物２３により支持され、対
応する相の主母線１０ｕとは接続導体２２により
接続される。支持金物２６はその両側に配設され
る主母線１０ｖの両者間を図示していないスライ
ドコンタクト等によつて接続するものである。又
主母線１０ｕ，１０ｖ，１０ｗは必要に応じて母
線タンク９の内壁に支持座を介して設けられた支
持絶縁物２７によつて支持される。

第３図においては母線タンク９の長手軸線方向
と、第３図ｂにおける母線タンク両側から端子１
７を導出する母線タンク９の開口部軸線は直交す
るようになつている。

第４図ａ，ｂはこのように構成された母線一体
形断路器を使用して第１図の単線結線に従い第２
図と同様に組立てたガス絶縁開閉装置の構成例で
ある。したがつて、かかる構成例からも明らかな
ようにしや断器タンク軸線方向の寸法l₁，l₂は第
２図の例に比し変らないが、３相各相のしや断器
タンク軸線上の平面と、甲乙主母線のタンク軸線
上の平面とは一致している。この為、据付基礎面
からしや断器タンク軸線までの高さH₁は第２図
の場合のそれの50％以下となり、しや断器側の条
件で決定される高さとなり、しや断器と接続され
る端子１７の母線タンク９からの高さは第２図に
比して大幅に低減することができる。よつてガス
絶縁開閉装置の重心の位置を低く抑えることがで
き、架台が不要となり耐震性が向上し、又しや断
器等の機器操作振動による悪影響を抑えることが
容易になる。加えて機器の据付作業も高所作業が
少くなることから据付期間の短縮、安全性の向上
という効果も生れる。

第５図は１ 1/2しや断器方式の単線回路接続例
を示すもので、２０は３相各相のしや断器、２１
はこの各相しや断器２０の両側線路に設けられる
変流器、２３は引出線側断路器、２２，２４は甲
母線BUS１、乙母線BUS２側断路器、２５，２
６は３相各相引出線であり、これらは図示するよ
うに回路接続されている。第６図ａ，ｂは第５図
に対応する本発明の他の適用実施例である。この
適用実施例においては第６図ａ，ｂに示すように
３相各相のしや断器２０、引出線側断路器２３を
そのタンクの長手方向軸線を合わせ、一直線上に
水平配置し、また各しや断器間には３相各相の引
出線終端箱２５，２６をその軸線上に配置し、さ
らに３相各相のしや断器が配置されるタンクの長
手方向軸線でもつて構成される平面内に前記実施
例と同一構成の３相各相のガス絶縁断路器２２，
２４をこれと一体の甲、乙両主母線BUS１，
BUS２が略直交する関係にして配置している。

第７図は一般変電所あるいは開閉所における甲
乙両母線間をしや断器２７を径て甲、乙両母線用
断路器２９，３０で接続する単線回路接続例であ
る。これに対応した本発明の他の適用実施例を第
８図ａ，ｂに示す。第８図においてもしや断器２
７ｕ，２７ｖ，２７ｗの水平横置タンクの長手方
向軸線でもつて形成される平面内に前記実施例と
同一構成の３相各相のガス絶縁断路器２９ｕ，２
９ｖ，２９ｗ，３０ｕ，３０ｖ，３０ｗをこれと
一体の甲、乙両主母線BUS１，BUS２を略直交
する関係に配置している。本構成に使用した母線
用断路器はしや断器２９ｕ，２９ｖ，２９ｗに接
続される分岐母線との接合部分と、母線用断路器
２８ｕ，２８ｖ，２８ｗ，３０ｕ，３０ｖ，３０
ｗが置かれる部分とは平面的にみて主母線容器軸
線上に各相同一間隔でずらせて配置している。第
９図ａ及びｃは第８図の乙母線用断路器３０の正
面図及びａのＣ―Ｃ矢視断面図で、第９図ｂ及び
ｄは甲母線用断路器２９の正面図及びｂのＤ―Ｄ
矢視断面図である。いずれもしや断器に接続され
る分岐母線に接続される端子１７の位置を３相各
相とも各相の断路器用集電子のおかれる位置とは
ずらして配置し接続導体２１にてこの間を接続し
ている。したがつて、第６図及び第８図に示した
他の実施例のような配置構成としたガス絶縁開閉
装置においても装置全体の重心の位置が低くする
ことができるので従来に比し耐震性が良好とな
り、かつ装置の建設費用も少額で済むという効果
を生み出すものである。

以上述べたように本発明によれば、しや断部を
容器内へ水平に配置して構成したガスしや断器
と、このガスしや断器へ電気的に直列接続される
導体を有しこの導体を容器内に収容してガス絶縁
した分岐母線と、一極側は上記ガス絶縁分岐母線
に接続され他極側はガス絶縁された主母線に接続
されかつ主母線容器内に主母線と一体となして収
納されたガス絶縁断路器とを備えたものにおい
て、上記しや断器のしや断部の各接触子が接離す
る軸線の延長線上に上記ガス絶縁された分岐母線
を直線的に配置し、上記ガス絶縁断路器と一体と
なした主母線はその長手方向軸線が上記しや断器
と分岐母線が配置される上記軸線の延長線上にこ
の軸線とほぼ同一平面上にて略直交する関係に配
置構成したものである。

したがつて、装置全体の重心位置が低くするこ
とにより耐震性が改善でき、また装置の据付組立
時の高所作業が少なくなるため、安全性がまし、
しかも作業性が容易になるため据付組立に要する
期間が短くなつてその費用も安価になるという相
乗効果を得ることができるガス絶縁開閉装置が提
供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般の変電所あるいは開閉所における
接続構成例を示す単線回路図、第２図ａ，ｂは第
１図に対応するガス絶縁開閉装置の配置構成例を
示す平面図及び正面図、第３図ａ〜ｃは本発明の
一実施例における母線一体形断路器の構成を示す
もので、ａは正面図、ｂはａのＡ―Ａ矢視断面
図、ｃはａのＢ−Ｂ矢視断面図、第４図ａ，ｂは
本発明の一実施例を示すガス絶縁開閉装置の配置
構成を示すもので、ａは平面図、ｂは正面図、第
５図は１ 1/2しや断方式の接続構成例を示す単線
回路図、第６図ａ，ｂは本発明を第５図に対応さ
せて適用した場合の実施例を示すもので、ａは平
面図、ｂは正面図、第７図は第１図とは異なる接
続構成例を示す単線回路図、第８図ａ，ｂは本発
明を第７図に対応させて適用した場合の実施例を
示すもので、ａは平面図、ｂは正面図、第９図ａ
及びｂは第８図の乙母線用断路器及び甲母線用断
路器の正面図、ｃはａのＣ―Ｃ矢視断面図、ｄは
ｂのＤ―Ｄ矢視断面図である。 １…ガスしや断器、３…送電線側断路器、５，
６…母線側断路器、９…母線タンク、１０ｕ，１
０ｖ，１０ｗ…主母線導体、１２…操作装置、１
３…絶縁ロツド、１４…可動接触子、１５，１６
…上、下部集電子、１７…端子、１８…支持電
極、１９，２３，２７…支持絶縁物、２１，２２
…接続導体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ しや断部を容器内へ水平に配置して構成した
   ガスしや断器と、このしや断器へ電気的に直列接
   続される導体を有しこの導体を容器内に収容して
   ガス絶縁した分岐母線と、一極側は上記ガス絶縁
   分岐母線に接続され他極側はガス絶縁された主母
   線に接続されかつ主母線容器内に主母線と一体と
   なして収納されたガス絶縁断路器とを備え、上記
   しや断器のしや断部の各接触子が接離する軸線の
   延長線上に上記ガス絶縁された分岐母線を直線的
   に配置し、上記ガス絶縁断路器と一体となした主
   母線容器はその長手方向軸線が上記しや断器と分
   岐母線が配置される上記軸線の延長線上にこの軸
   線とほぼ同一平面上にて略直交する関係に配置し
   たことを特徴とするガス絶縁開閉装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のものにおいて、
   上記ガス絶縁断路器と一体となした主母線は三相
   各相の主母線導体を一体の容器に収納した構成と
   し、上記しや断器、分岐母線、主母線容器内に主
   母線と一体となして収納されたガス絶縁断路器は
   三相各相とし、水平に平行配置構成した三相各相
   の該しや断器、分岐母線の上記軸線とガス絶縁断
   路器と一体となした主母線容器の長手方向軸線は
   ほぼ同一平面上で、且つ各相の該しや断器、分岐
   母線が配置される上記軸線延長線と該主母線容器
   の長手方向軸線とは略直交する関係に配置しその
   直交する近傍に上記主母線と一体となした三相各
   相のガス絶縁断路器を各々配置したものであるガ
   ス絶縁開閉装置。 ３ 特許請求の範囲第２項記載のものにおいてガ
   ス絶縁断路器と一体となした上記主母線容器は互
   いに平行配置した複母線方式に構成され、これら
   の主母線の左右いづれか一方側に又は左右両方の
   側にふりわけて上記しや断器、分岐母線を含む三
   相各相の開閉装置の複数個を平行して分岐配置し
   たものであるガス絶縁開閉装置。 ４ 特許請求の範囲第２項記載のものにおいて、
   上記一軸線上に配置されるしや断器、分岐母線等
   を含む開閉装置は、それぞれ３相各相毎に平行し
   て配置され、これら各相の開閉装置の両端部へガ
   ス絶縁断路器と一体となした上記主母線容器をそ
   の長手方向軸線がこれら各相開閉装置の上記軸線
   延長上とほぼ同一平面上にて略直交するように配
   置したものであるガス絶縁開閉装置。