JPH05288760A - ドップラ速度計測装置 - Google Patents

ドップラ速度計測装置

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JPH05288760A
JPH05288760A JP8714792A JP8714792A JPH05288760A JP H05288760 A JPH05288760 A JP H05288760A JP 8714792 A JP8714792 A JP 8714792A JP 8714792 A JP8714792 A JP 8714792A JP H05288760 A JPH05288760 A JP H05288760A
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acceleration
doppler
vibration
laser
signal
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Application number
JP8714792A
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English (en)
Inventor
Masaharu Nakamura
正治 中村
Kazuyuki Nishida
和志 西田
Tokinobu Yamazaki
勅信 山崎
Tokuo Wakabayashi
得夫 若林
Hirofumi Nojima
裕文 野島
Kazuyuki Kitagawa
和行 北川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドップラ速度計自体に振動があっても、この
影響を除去して精度の良い計測値が得られるドップラ速
度計測装置を得ること。 【構成】 移動物体に2ビームレーザを照射するレーザ
ドップラ速度計1と、該速度計1の前部及び後部に装着
された一対の加速度センサ2A及び2Bと、各加速度セ
ンサの出力信号を個別に積分増幅して速度信号を出力す
る一対の積分増幅器3A及び3Bと、前記一対の速度信
号より振動に基づく計測誤差相当値を算出して、レーザ
ドップラ速度計の計測値に補正演算を行なう振動補正演
算手段4〜8とを備えたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動物体にレーザまた
は電波の送受波を行ない、そのドップ効果から前記移動
物体の速度を計測するドップラ速度計に係り、特に速度
計自体の振動による誤差を補正演算することができるド
ップラ速度計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来移動物体の移動速度を非接触で測定
する速度計としては、レーザまたは電波を用いたドップ
ラ速度計が利用されている。図3はレーザドップラ速度
計の計測原理を説明する図である。同図の(a)は物体
表面の不規則性によりレーザの照射に対して反射光が拡
散する拡散表面をもつ移動物体の表面に、レーザ投光器
31からレーザを照射し、その拡散反射光を受光検出器
32により検出する方式を示している。この場合、レー
ザ投光器31と受光検出器32とを結ぶ直線の長さdを
3角形の底辺とすると、照射光の光路長r1 と検出光の
光路長r2 は3角形の他の2辺となる関係位置に配置さ
れる。
【0003】図3の(b)は移動物体を微小粒子でモデ
ル化した説明図であり、微小粒子33が速度vで矢印方
向に移動しており、時刻t1 では位置x1 にあった微小
粒子33が、微小時間経過後の時刻t2 では位置x2
移動した状態を示している。この場合、時刻t1 におけ
る照射光の光路長をr1 、この検出光の光路長をr2
し、時刻t2 における照射光の光路長をr1 ′この検出
光の光路長をr2 ′とすると、この時刻t1 とt2 にお
ける光路長の差{(r1 +r2 )−(r1 ′+
2 ′)}に基づき、受光検出器32で検出する光の周
波数にドップラシフト効果が生じる。従っていまレーザ
投光器31から照射する照射光の周波数をf、受光検出
器32で受光検出する光の周波数をf′とすると、λの
差周波数Δf=f〜f′がドップシフト周波数であり、
このΔfから前記微小粒子の移動速度vが求められるこ
とは広く知られている。
【0004】図4は2ビーム入射レーザドップラ速度計
の計測原理を説明する図である。同図は、#1レーザ投
光器31Aと#2レーザ投光器31Bとを結ぶ直線の長
さを3角形の底辺とすると、その底辺を2等分した位置
に受光検出器32を配置する。この一対のレーザ投光器
31A及び31Bからの2つの照射光は、所定のビーム
交差角(例えば20度)により共に微小粒子33に照射
するように、即ち2つの照射光の光路長が前記3角形の
他の2辺をなすように照射される。そして、前記ビーム
交差角を2等分した角度から得られる2つの反射光を共
に受光検出器32で検出する方式である。この場合も微
小粒子33は時刻t1 から微小時間経過後のt2 の間に
位置がx1 からx2 に移動したとすると、#1レーザ投
光器31Aによるドップラシフト周波数は、r11+r12
<r11′+r12′により負の−Δfであり、#2レーザ
投光器31Bによるドップラシフト周波数は、r21+r
22>r21′+r22′により正の+Δfであり、受光検出
器32より、正、負両方の偏移周波数を検出することに
より、2つの照射光のビーム交差角を既知とすれば、微
小粒子33の速度vが計測できる。
【0005】前記ドップラ速度計の計測原理は、レーザ
投光器及び受光検出器が完全に静止しており、速度計自
体には振動や位置の変動がないものとし、移動物体の移
動速度を計測するものである。従って速度計自体に振動
やブレが生じると、照射光及び検出光の光路長が直接変
化するから、これを移動物体の移動速度として計測する
ことになり、計測誤差になるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のドップラ速度計
は前記の計測原理に基づき構成されているので、例えば
オンラインの製造工程で、鋼板の移動速度を測定するよ
うな場合には、製造ラインに設置されたドップラ速度計
に発生する振動により直ちに計測誤差を生じ、精度の良
い計測値が得られないという問題点があった。本発明は
かかる問題点を解決するためになされたもので、ドップ
ラ速度計自体に振動があっても、この影響を除去して精
度の良い計測値が得られるドップラ速度計測装置を得る
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本請求項1の発明に係る
ドップラ速度計測装置は、移動物体にレーザまたは電波
の送受波を行ない、そのドップラ効果から、前記移動物
体の移動速度を計測するドップラ速度計と、該ドップラ
速度計に設定された所定の1次元座標軸方向における振
動加速度をそれぞれ検出する所定数の加速度センサを前
記ドップラ速度計に装着してなる加速度検出手段と、該
加速度検出手段に含まれる各加速度センサの検出する加
速度信号を個別に積分増幅してそれぞれ速度信号を出力
する前記所定数の積分増幅器よりなる積分増幅手段と、
該積分増幅手段に含まれる所定数の積分増幅器の出力信
号から前記ドップラ速度計の1次元座標軸方向における
振動に基づく計測誤差相当値を算出し、前記ドップラ速
度計が計測した速度計測値に対して、前記算出した計測
誤差相当値による補正演算を行なう振動補正演算手段と
を備えたものである。
【0008】本請求項2の発明に係るドップラ速度計測
装置は、移動物体にレーザまたは電波の送受波を行な
い、そのドップラ効果から前記移動物体の移動速度を計
測するドップラ速度計と、該ドップラ速度計に設定され
た所定の2次元または3次元座標の各軸方向における振
動加速度をそれぞれ検出する所定数の加速度センサを前
記ドップラ速度計に装着してなる加速度検出手段と、該
加速度検出手段に含まれる各加速度センサの検出する前
記各座標軸方向毎の加速度信号を個別に積分増幅してそ
れぞれ速度信号を出力する前記各座標方向毎に所定数の
積分増幅器よりなる積分増幅手段と、該積分増幅手段に
含まれる各座標軸方向毎に所定数の積分増幅器の出力信
号から前記ドップラ速度計の各座標軸方向における振動
に基づく計測誤差相当値を算出し、前記ドップラ速度計
が計測した速度計測値に対して、前記算出した各座標軸
方向毎の計測誤差相当値を代数加算した総和による補正
演算を行なう振動補正演算手段とを備えたものである。
【0009】本請求項3の発明に係るドップラ速度計測
装置は、移動物体に2ビームレーザの照射を行ない、そ
の反射検出光のドップラ効果から前記移動物体の移動速
度を計測するレーザドップラ速度計と、該レーザドップ
ラ速度計の2つのレーザ照射位置を結ぶ直線方向におけ
る振動加速度をそれぞれ検出する第1の加速度センサ及
び第2の加速度センサを前記レーザドップ速度計の前部
及び後部にそれぞれ装着してなる加速度検出手段と、前
記第1及び第2の加速度センサの検出する第1及び第2
の加速度信号を個別に積分増幅してそれぞれ第1の速度
信号及び第2の速度信号を出力する第1及び第2の積分
増幅器よりなる積分増幅手段と、あらかじめ前記第2の
加速度センサと前記移動物体の測定箇所間の水平距離に
対する前記第1の加速度センサと第2の加速度センサ間
の距離の比を所定係数として算出しておき、前記第1の
速度信号から第2の速度信号を減算して差信号を算出
し、該算出した差信号と前記所定係数とを乗算して積信
号を算出し、該算出した積信号と前記第1の速度信号と
を加算した和信号である計測誤差相当値を算出し、前記
レーザドップラ速度計が計測した速度計測値から前記算
出した計測誤差相当値を差引く補正演算を行なう振動補
正演算手段とを備えたものである。
【0010】
【作用】本請求項1に係る発明においては、ドップラ速
度計は移動物体にレーザまたは電波の送受波を行ない、
そのドップラ効果から前記移動物体の移動速度を計測す
る。加速度検出手段は前記ドップラ速度計に設定された
所定の1次元座標軸方向における振動加速度をそれぞれ
検出する所定数の加速度センサを前記ドップラ速度計に
装着してなる。積分増幅手段は前記加速度検出手段に含
まれる各加速度センサの検出する加速度信号を個別に積
分増幅してそれぞれ速度信号を出力する前記所定数の積
分増幅器よりなる。振動補正演算手段は前記積分増幅手
段に含まれる所定数の積分増幅器の出力信号から前記ド
ップラ速度計の1次元座標軸方向における振動に基づく
計測誤差相当値を算出し、前記ドップラ速度計が計測し
た速度計測値に対して、前記算出した計測誤差相当値に
よる補正演算を行なう。
【0011】本請求項2に係る発明においては、ドップ
ラ速度計は移動物体にレーザまたは電波の送受波を行な
い、そのドップラ効果から前記移動物体の移動速度を計
測する。加速度検出手段は前記ドップラ速度計に設定さ
れた所定の2次元または3次元座標の各軸方向における
振動加速度をそれぞれ検出する所定数の加速度センサを
前記ドップラ速度計に装着してなる。積分増幅手段は前
記加速度検出手段に含まれる各加速度センサの検出する
前記各座標軸方向毎の加速度信号を個別に積分増幅して
それぞれ速度信号を出力する前記各座標方向毎に所定数
の積分増幅器よりなる。振動補正演算手段は前記積分増
幅手段に含まれる各座標軸方向毎に所定数の積分増幅器
の出力信号から前記ドップラ速度計の各座標軸方向にお
ける振動に基づく計測誤差相当値をそれぞれ算出し、前
記ドップラ速度計が計測した速度計測値に対して、前記
算出した各座標軸方向毎の計測誤差相当値を代数加算し
た総和による補正演算を行なう。
【0012】本請求項3に係る発明においては、レーザ
速度計は移動物体に2ビームレーザの照射を行ない、そ
の反射検出光のドップラ効果から前記移動物体の移動速
度を計測する。加速度検出手段は前記レーザドップラ速
度計の2つのレーザ照射位置を結ぶ直線方向における振
動加速度をそれぞれ検出する第1の加速度センサ及び第
2の加速度センサを前記レーザドップラ速度計の前部及
び後部にそれぞれ装着してなる。積分増幅手段は前記第
1及び第2の加速度センサの検出する第1及び第2の加
速度信号を個別に積分増幅してそれぞれ第1の速度信号
及び第2の速度信号を出力する第1及び第2の積分増幅
器よりなる。振動補正演算手段はあらかじめ前記第2の
加速度センサと前記移動物体の測定箇所間の水平距離に
対する前記第1の加速度センサと第2の加速度センサ間
の距離の比を所定係数として算出しておき、前記第1の
速度信号から第2の速度信号を減算して差信号を算出
し、該算出した差信号と前記所定係数とを乗算して積信
号を算出し、該算出した積信号と前記第1の速度信号と
を加算した和信号である計測誤差相当値を算出し、前記
レーザドップラ速度計が計測した速度計測値から前記算
出した計測誤差相当値を差引く補正演算を行なう。
【0013】
【実施例】図2は本発明の一実施例を示すレーザドップ
ラ速度計測装置の構成を示すブロック図である。同図に
おいて、1はレーザドップラ速度計であり、この例で
は、図4で計測原理を説明した2ビーム入射レーザドッ
プラ速度計を使用し、その形状は筒状である。またレー
ザドップラ速度計1には、その振動加速度の方向を決め
るために3次元座標が設定されている。この例では、前
記3次元座標の原点はレーザドップラ速度計1の重心位
置に設け、レーザ検出光の光路延長線と一致する軸方向
(図の水平方向)をx軸に、x軸と直交する図の鉛直方
向をy軸に、図の表面から裏面方向に向かう軸をz軸に
設定している。なお、レーザドップラ速度計1は、その
前面(レーザの送受波を行なう面)と被測定物表面との
間隔が所定距離(例えば100mm)であり、且つ検出光
の光路は水平で被測定物の表面に対して直角になるよう
に固定設置される。
【0014】図2の2Aはこの筒状のレーザドップラ速
度計1の前部に装着された#1加速度センサ、2Bは筒
状の速度計1の後部に装着された#2加速度センサであ
る。前記一対の加速度センサ2A及び2Bは、レーザド
ップラ速度計1つの振動を検出するセンサであり、例え
ば圧電振動型センサを使用することができる。加速度セ
ンサ2A及び2Bの加速度検出方向は後述する。9は本
発明による振動補正演算装置であり、その構成の詳細は
図1により説明する。10は被測定物であり、この実施
例では、ローラ等の回転物体の例を示している。11は
被測定物10の表面上の測定箇所であり、この測定箇所
にレーザドップラ速度計1から2つのレーザビームが所
定の交差角により照射され、この測定箇所からの反射光
がレーザドップラ速度計1により受光検出される。また
図2において、d1 に#1加速度センサ2Aと#2加速
度センサ2Bの中心位置間の距離であり、d2 は前記測
定箇所11と#2加速度センサ2Bの中心位置との間の
水平距離(x軸方向の距離)である。
【0015】図1は本発明の一実施例を示す振動補正演
算装置の構成を示すブロック図である。同図において、
3A及び3Bは前記一対の加速度センサ2A及び2Bの
出力信号を個別に積分増幅し、アナログの速度信号v1
及びv2 を得る#1及び#2積分増幅器である。4はア
ナログの減算器であり、前記速度信号v1 からv2 を減
算するものであるが、例えば速度信号v2 を極性反転器
(入力信号と同一振幅値で、その極性のみを反転した信
号を出力するもので、具体例は後述する。)を介して−
2 とし、これと前記速度信号v1 とをアナログ加算器
で加算する構成としてもよい。5はアナログの係数乗算
器であり、減算器4の出力信号に対して所定係数kを乗
算して出力する。この実施例において所定係数kは前記
2つの距離d2 とd1 の比、即ちk=d2 /d1 として
あらかじめ算出された値を設定しておく。6A及び6B
はそれぞれ入力される2つのアナログ信号を加算するア
ナログ加算器。7は極性反転器であり、例えば入出力の
ゲインが1で、その極性のみが反転する線形演算増幅器
で構成される。8は2入力信号の一方を選択して出力す
るための切換スイッチであり、前記回転物体である被測
定物の回転方向に対応して、即ち正回転であるか、逆回
転であるかに対応して手動で切換えられる。上記3A〜
8の各機器により振動補正演算装置9は構成される。
【0016】図1及び図2の動作を説明する。2ビーム
入射レーザドップラ速度計1は既に公知技術となってい
るので、その仕様の概要を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1の光学系構成の欄における測定距離変
動:±4mmについて説明する。これはレーザドップラ速
度計から2ビームのレーザ光が測定箇所11に照射され
ると、この2つの光波の位相差により合成波の明るさが
異なり、干渉じまが発生する。この干渉じまの深度(図
2のx軸方向の距離)が約4mmであり、この範囲内(即
ち振動振幅が±2mmの範囲内)で被測定物10またはレ
ーザドップラ速度計1が図2のx軸方向に振動しても、
計測精度にはほとんど影響しないということである。
【0019】#1及び#2加速度センサ2A及び2Bで
検出する加速度の方向は、図2のレーザドップラ加速度
計1に設定された3次元座標の各軸方向において、それ
ぞれ検出するのが好ましいわけである。また最近の加速
度センサには、単一センサに複数の圧電振動素子が内蔵
され、2軸または3軸方向の加速度を同時に検出できる
ものが市販されている。従ってこれらの加速度センサを
使用すれば、センサの装着数を増加させなくとも、2軸
または3軸方向の加速度を検出することは可能である。
ここで、レーザドップラ速度計1の3次元各軸方向にお
ける振動成分について、どの軸方向の振動成分が最も計
測精度に悪影響を与えているかを実際にレーザドップラ
速度計の装備場所で調査したところ、図2のy軸方向の
影響度が最も大きいと判った。これは本実施のレーザド
ップラ速度計1が2ビーム入射型であり、前記2ビーム
レーザによる干渉じまの深度が約4mmあるため、図2の
x軸方向の振動振幅が±2mm以下の場合には、計測精度
に与える影響がきわめて少ないからである。従ってこの
実施例においては、振動補正演算装置9のコストを低減
するため、一対の加速度センサ2A及び2Bは図2のy
軸方向のみの加速度を検出するものとした。しかし図2
のx軸方向の振動振幅が±2mmを越える場合や、レーザ
ドップラ速度計が1ビーム入射型の場合には、当然x軸
方向の振動成分による計測誤差も大きくなるので、y軸
方向のほかにx軸方向における加速度も検出し、この2
軸方向の検出値に基づく総合的な補正演算を行なうこと
が好ましい。
【0020】図1の#1及び#2加速度センサ2A及び
2Bが、それぞれレーザドップラ速度計1の前部及び後
部において検出した前記y軸方向の加速度信号acc1
及びacc2 は、#1及び#2積分増幅器3A及び3B
で、積分増幅されアナログの速度信号v1 及びv2 とな
って出力される。減算器4は前記2つの速度信号v1
びv2 を入力し、その差信号(v1 −v2 )を出力す
る。ここで速度の差信号を算出する物理的な意味は、レ
ーザドップラ速度計1の前部と後部とが反対方向(例え
ば一方が上向きで、他方が下向き)に振動し、計測精度
に与える悪影響の程度が大きい場合には、速度信号v1
とv2 とは極性が異なるため、前記差信号の値は大きく
なり(実質的には和になり)、レーザドップラ速度計2
の前部と後部とが同一方向に振動し、計測精度に与える
悪影響の程度がやや小さい場合には、速度信号v1 とv
2 とは極性が同一であるため、前記差信号の値は小さく
なるようにする意味をもっている。
【0021】係数乗算器5は所定係数kを前記d2 /d
1 として、前記差信号(v1 −v2)に前記所定係数k
を乗算し、乗算結果の積信号k(v1 −v2 )を出力す
る。ここで前記所定係数kの意味は、距離d1 の間隔に
おいて発生した振動差分信号(v1 −v2 )を距離d2
の間隔における値に換算する意味をもつ。従ってこのd
2 /d1 を乗算することにより、被測定物10の測定箇
所11における振動差分の誤差値を算出することにな
る。次に加算器6Aは#1加速度センサ2Aから得られ
た速度信号v1 と前記係数乗算器5の出力信号k(v1
−v2 )とを加算し、加算結果のv1 +k(v1
2 )を出力する。この加算器6Aの出力信号は、#1
加速度センサ2Aからの振動誤差値と、1対の加速度セ
ンサ2A及び2Bの振動差分からの誤差算出値とを加算
したもので、この和信号が、レーザドップラ速度計1の
y軸方向の振動に基づき測定箇所11に発生する計測誤
差相当値である。
【0022】そしてこの計測誤差相当値(勿論極性の正
負は存在する)は、レーザドップラ速度計1が測定箇所
11で測定した速度v0 に重畳する形式で含まれている
ので、測定速度v0 より前記計測誤差相当値を差引くこ
とにより、被測定物10の真の速度vx を求めることが
できる。この実施例では、被測定物10が回転体で回転
方向が正転と逆転の2通りあるので、加算器6Aの出力
信号と、これを極性反転器7を介して極性の反転した出
力信号のいずれか一方の信号を前記回転方向に応じて切
換スイッチ8で選択し、この選択した信号を加算器6B
の一方の入力に供給し、同時に他方の入力に供給される
ドップラ速度計1からの測定信号v0 と加算した加算結
果を出力することにより、実質的に前記計測誤差相当値
を差引いた補正後の速度情報を得ることができる。
【0023】また図1及び図2の実施例においては、移
動物体の移動速度を非接触で測定するドップラ速度計と
してレーザ光を使用した例を示したが、本発明はこれに
限定されるものではない。例えばマイクロ波等の電波を
用いるトップラ速度計は既に実用として使用されてお
り、これらの速度計には屋外で使用したり、携帯用のも
のが多い。従ってマイクロ波の送受波器(ホーンアンテ
ナやパラボラアンテナが多い)が風力や手ぶれで振動す
ると、ドップラ速度計としては計測誤差を生じることに
なるので、本発明の振動補正演算装置を付加することに
より、計測精度を向上させる効果が得られる。
【0024】図2の実施例においては、レーザドップラ
速度計1を測定位置に固定設置したこと、及び2ビーム
入射による干渉じまの深度範囲内の影響が余りないこと
により、一対の加速度センサ2A及び2Bは図2のy軸
(垂直)方向の加速度のみを検出する例を示したが、例
えば携帯用等のドップラ速度計を使用する場合には、手
ぶれ等により種々の方向の振動があるので、3次元の各
軸方向毎の加速度信号を検出し、各軸方向毎に前記と同
様に算出した計測誤差相当値を代数加算した総和を求
め、この総和により前記の振動補正演算を行なうように
すればよい。また加速度センサの装着数やその装着箇所
は、ドップラ速度計の形状とその測定法に応じて決めら
れる。図2の例では、レーザドップラ速度計の形状が筒
状であること、及びその測定法が2ビーム入射法である
ことにより、速度計の前部と後部に1つずつ加速度セン
サを設けるようにしたものである。一般に加速度センサ
の装着数を増せば、補正演算の精度は向上するが、コス
トも上昇するから、精度とコストのバランスを考慮して
決めることになる。なお電波ドップラ速度計の場合に
は、電波の送受波器であるホーンアンテナやパラボナア
ンテナ等に加速度センサを装着するようにするのが効果
的である。
【0025】また図1の実施例においては、すべてアナ
ログ演算を行なう、減算器、係数乗算器、加算器及び極
性反転器を各演算ステップ毎に設ける場合の例を示した
が、これは演算速度を高速化するためと、説明を容易に
するための例として示したものであり、本発明の振動補
正演算はアナログ演算に限定されるものではない。即ち
#1及び#2積分増幅器3A及び3Bのアナログ出力信
号をそれぞれ個別に高速A/D変換器を介してデジタル
速度信号に変換し、以降の演算は、例えばデジタル・シ
グナル・プロセッサ(DSP)等を用いて、すべてデジ
タル演算で処理することも可能である。また現在では、
DSPやCPUを複数個並列使用することにより、アナ
ログの演算処理時間にほぼ匹敵する短時間で、デジタル
演算処理が可能になっているので、いずれの演算処理に
おいても高速応答性を保持することができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、移動物体
にレーザまたは電波の送受波を行ない、そのドップラ効
果から、前記移動物体の移動速度を計測するドップラ速
度計に、所定の1次元座標軸方向における振動加速度を
それぞれ検出する所定数の加速度センサを装着し、前記
各加速度センサの検出する加速度信号から前記座標軸方
向における振動に基づく計測誤差相当値を算出して、前
記ドップラ速度計の計測値に含まれる振動による誤差分
を補正するようにしたので、ドップラ速度計を防振構造
にしなくとも、計測精度の良い速度信号を得ることがで
きる。また移動物体に速度ムラや回転ムラがある場合に
も、これを見分ける計測が可能である。さらに補正演算
の高速応答性も兼ね備えているのでオンラインにおける
実時間計測が可能である。
【0027】また本発明によれば、前記ドップラ速度計
に2次元または3次元座標の各軸方向における振動加速
度をそれぞれ検出する所定数の加速度センサを装着し、
前記各加速度センサの検出する各座標軸方向毎の加速度
信号から前記各座標軸方向における振動に基づく計測誤
差相当値をそれぞれ算出し、該算出値の総和により、前
記ドップラ速度計の計測値に含まれる振動による誤差分
を補正するようにしたので、ドップラ速度計自体の振動
による影響を除去し、防振機構がなくとも、きわめて計
測精度の良い速度信号を得ることができる。
【0028】また本発明によれば、移動物体に2ビーム
レーザの照射を行ない、その反射検出光のドップラ効果
から前記移動物体の移動速度を計測するレーザドップラ
速度計の前部及び後部に1対の加速度センサを装着し、
前記各加速度センサの検出する2つのレーザ照射位置を
結ぶ直線方向における加速度信号から振動に基づく計測
誤差相当値を算出して、前記レーザドップラ速度計の計
測値に含まれる振動による誤差分を補正するようにした
ので、被測定物体が微小な物体であっても、レーザドッ
プラ速度計自体の振動による影響を除去し、計測精度の
良い速度信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す振動補正演算装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を示すレーザドップラ速度計
測装置の構成を示すブロック図である。
【図3】レーザドップラ速度計の計測原理を説明する図
である。
【図4】2ビーム入射レーザドップラ速度計の計測原理
を説明する図である。
【符号の説明】
1 レーザドップラ速度計 2A #1加速度センサ 2B #2加速度センサ 3A #1積分増幅器 3B #2積分増幅器 4 減算器 5 係数乗算器 6A,6B 加算器 7 極性反転器 8 切換スイッチ 9 振動補正演算装置 10 被測定物 11 被測定物10の測定箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 得夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 野島 裕文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 北川 和行 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動物体にレーザまたは電波の送受波を
    行ない、そのドップラ効果から、前記移動物体の移動速
    度を計測するドップラ速度計と、 該ドップラ速度計に設定された所定の1次元座標軸方向
    における振動加速度をそれぞれ検出する所定数の加速度
    センサを前記ドップラ速度計に装着してなる加速度検出
    手段と、 該加速度検出手段に含まれる各加速度センサの検出する
    加速度信号を個別に積分増幅してそれぞれ速度信号を出
    力する前記所定数の積分増幅器よりなる積分増幅手段
    と、 該積分増幅手段に含まれる所定数の積分増幅器の出力信
    号から前記ドップラ速度計の1次元座標軸方向における
    振動に基づく計測誤差相当値を算出し、前記ドップラ速
    度計が計測した速度計測値に対して、前記算出した計測
    誤差相当値による補正演算を行なう振動補正演算手段と
    を備えたことを特徴とするドップラ速度計測装置。
  2. 【請求項2】 移動物体にレーザまたは電波の送受波を
    行ない、そのドップラ効果から前記移動物体の移動速度
    を計測するドップラ速度計と、 該ドップラ速度計に設定された所定の2次元または3次
    元座標の各軸方向における振動加速度をそれぞれ検出す
    る所定数の加速度センサを前記ドップラ速度計に装着し
    てなる加速度検出手段と、 該加速度検出手段に含まれる各加速度センサの検出する
    前記各座標軸方向毎の加速度信号を個別に積分増幅して
    それぞれ速度信号を出力する前記各座標方向毎に所定数
    の積分増幅器よりなる積分増幅手段と、 該積分増幅手段に含まれる各座標軸方向毎に所定数の積
    分増幅器の出力信号から前記ドップラ速度計の各座標軸
    方向における振動に基づく計測誤差相当値をそれぞれ算
    出し、前記ドップラ速度計が計測した速度計測値に対し
    て、前記算出した各座標軸方向毎の計測誤差相当値を代
    数加算した総和による補正演算を行なう振動補正演算手
    段とを備えたことを特徴とするドップラ速度計測装置。
  3. 【請求項3】 移動物体に2ビームレーザの照射を行な
    い、その反射検出光のドップラ効果から前記移動物体の
    移動速度を計測するレーザドップラ速度計と、 該レーザドップラ速度計の2つのレーザ照射位置を結ぶ
    直線方向における振動加速度をそれぞれ検出する第1の
    加速度センサ及び第2の加速度センサを前記レーザドッ
    プラ速度計の前部及び後部にそれぞれ装着してなる加速
    度検出手段と、 前記第1及び第2の加速度センサの検出する第1及び第
    2の加速度信号を個別に積分増幅してそれぞれ第1の速
    度信号及び第2の速度信号を出力する第1及び第2の積
    分増幅器よりなる積分増幅手段と、 あらかじめ前記第2の加速度センサと前記移動物体の測
    定箇所間の水平距離に対する前記第1の加速度センサと
    第2の加速度センサ間の距離の比を所定係数として算出
    しておき、前記第1の速度信号から第2の速度信号を減
    算して差信号を算出し、該算出した差信号と前記所定係
    数とを乗算して積信号を算出し、該算出した積信号と前
    記第1の速度信号とを加算した和信号である計測誤差相
    当値を算出し、前記レーザドップラ速度計が計測した速
    度計測値から前記算出した計測誤差相当値を差引く補正
    演算を行なう振動補正演算手段とを備えたことを特徴と
    するレーザドップラ速度計測装置。
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