JP2001221856A - ドップラ式対地速度計 - Google Patents

ドップラ式対地速度計

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JP2001221856A JP2000032104A JP2000032104A JP2001221856A JP 2001221856 A JP2001221856 A JP 2001221856A JP 2000032104 A JP2000032104 A JP 2000032104A JP 2000032104 A JP2000032104 A JP 2000032104A JP 2001221856 A JP2001221856 A JP 2001221856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドップラシフト測定用の送信波の入射角およ
び反射波の反射角が変化して測定ドップラシフト値ひい
ては、それから演算される速度値に影響を及ぼすことを
防止し、常に高精度の速度測定を行う。 【解決手段】 超音波もしくは電波である送信波(4)
を路面(5)に向けて照射し、反射波(6)のドップラ
効果による周波数偏移を検出して、対地速度(V)を測定
する速度計において、送信器(3)からの送信波(4)
をオフセットパラボラ型の反射器(10)で反射させて
路面(5)に当て、路面からの反射波(6)を別のオフ
セットパラボラ型反射器(12)で反射させて受信器
(7)で受信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は超音波あるいは電
磁波のドップラーシフトを利用して車両など地上を移動
する物体の対地速度を測定する装置に関するものであ
り、自律走行車両の位置認識システムにおいて走行距離
のデータを提供するための車速計、自動車のナビゲーシ
ョンシステムのための車速計、自動車のABS(アンチ
ロックブレーキシステム)のための車速計、船舶の速度
計測機などに適用可能な速度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等に用いられるドップラ
式対地速度計は、超音波信号等の探信波を地表面に向け
て照射し、地表面から反射された反射波を受信し、ドッ
プラ効果によって生じた周波数変化から対地速度を演算
により求めるものが知られている。
【0003】図1に、かかる従来のドップラ式対地速度
測定装置の例を示す。図1においてドップラ式対地速度
測定装置Aは図示しない移動体に固定されており、該移
動体は速度Vで図中の矢印V方向に向かって移動してい
るものとする。該ドップラ式対地速度測定装置Aは、発
振器1、送信用の増幅器2、送信器3、受信器7、受信
用増幅器8、およびドップラシフト検出回路9によって
構成されている。
【0004】発振器1は所定の周波数の出力信号を生成
し、該出力信号は送信用の増幅器2で増幅され、送信器
3から路面5に向けて前記所定の周波数を有する送信波
4が発せられる。この送信波としては超音波もしくは電
波が用いられる。該送信波4が路面5にあたり、そこで
反射されて反射波6が生ずる。該反射波6は受信器7に
向かう。受信器7はこの反射波6を受信して、受信信号
に変換しこれを増幅器8に送る。増幅器8は受信信号を
増幅し、増幅された受信信号はさらにドップラシフト検
出回路9に送られる。ドップラシフト検出回路9では、
発振器1よりの発振信号により送信波4の周波数を測定
する。また、前記増幅された受信信号から受信波6の周
波数を測定する。該送信波4と受信波6の周波数を比較
することによりドップラ効果による周波数偏移、すなわ
ちドップラシフトを検出し、このシフト周波数より対地
速度が計算される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ドップラシフ
トと車速の間には以下の関係がある。超音波を用いる場
合に、空気が路面に対して静止しているものとすると、
受信波6の周波数は以下の(1)式のようになる。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、(1)式において、FRは受信波
6の周波数、F0は送信波4の周波数、CSは音速、Vは
車速である。また、図1で示す車両に対する路面の相対
速度ベクトルをV’とするとき、角αは相対速度ベクト
ルV’と送信波4の進行方向がなす角度であり、角βは
相対速度ベクトルV’と反射波6の進行方向がなす角度
である。
【0008】また、超音波の代わりに電波が用いられて
も良く、この場合には受信波6の周波数は(2)式で表
される。
【0009】
【数2】
【0010】ここでCLは光速である。
【0011】これらの(1)(2)式からわかるよう
に、ドップラ式速度計では、超音波の場合も、電波の場
合も、速度Vをドップラシフトから演算により求めよう
とする場合、速度Vの値は角度αおよびβに影響を受け
る。
【0012】正確な速度Vを得ようとする場合、これら
の角度αおよびβを一定にするか、あるいは独立して検
出できれば問題はないが、従来の方法ではそれが困難で
ある。というのは、送信器3から出た送信波4は図1の
ように1本の直線に沿って伝わるのではなく、実際には
図2に示すように送信器の指向範囲内で広がりながら伝
わり、路面に達した送信波4から4は、それぞれ路
面で乱反射されることにより一層拡散された反射波を生
成する。この拡散した反射波のうち受信器7の指向範囲
にあるもののみが受信され、速度Vの算出に用いられ
る。
【0013】図2の模式図では乱反射により生成された
反射波aと反射波bが受信され、その和が受信信号とな
る。路面での反射の仕方は、路面の凹凸の状態によって
常に変化するので、送信波が路面内のどの点で受信器7
の指向範囲内において強く反射するのかは予測不可能で
ある。したがって図1の相対速度ベクトルに対する送信
波および反射波の入射角αと反射角βを正確に特定する
のは困難である。
【0014】このため従来のドップラ式速度計では、前
もって測定現場と似た条件の路面で較正試験を行うこと
により角度αおよびβの平均値を取得し、測定時にはそ
の値を用いて速度を計算している。しかし従来の方法で
は、設定された角度αおよびβの平均値では対応する事
ができない条件を有する路面上では、正確な速度Vを求
める事ができなくなるという問題があった。
【0015】本発明は、上述のような路面状況によって
ドップラシフト測定用の送信波の入射角および反射波の
反射角が変化して測定ドップラシフト値ひいては、それ
から演算される速度値に影響を及ぼすことを防止し、常
に高精度の速度測定を行うことのできる、ドップラ式の
対地速度測定装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に係
るドップラ式の対地速度測定装置は、送信器からの送信
波を収束させて照射面に向けて反射するための送信波用
反射器と、路面から反射される反射波のうち、所定の反
射角で反射されたもののみを受信器へ向けて反射する反
射波(受信波)用反射器を備えている。
【0017】送信波用反射器によって、送信波はほぼビ
ーム状に形成されて路面に当たるため、送信波の入射角
を所定の角度にすることができる。また反射波にはさま
ざまな反射角で反射されたものが含まれるが、反射波
(受信波)用反射器はそれら反射波のうち、所定の反射
角で反射されたもののみを受信器に入るように設定され
ており、その結果、本発明に係る対地速度測定装置で
は、所定の反射角である反射波の周波数のみをドップラ
シフトの算出対象として検出する事が可能となる。その
結果、送信波の入射角および反射波の反射角のばらつき
に左右される事なく、ドップラシフトおよび対地速度を
算定する事が可能となる。
【0018】なお、送信波用反射器および反射波(受信
波)用反射器のそれぞれは、いわゆるオフセットパラボ
ラ形状の反射面を有する反射板としても良く、また送信
器、受信器はそれらオフセットパラボラの焦点に位置す
るように配置されれば良い。
【0019】また、送信波としては、超音波あるいは電
磁波等を用いて良い。
【0020】また、本発明の第2の態様に係るドップラ
式の対地速度測定装置は、送信器からの送信波を収束さ
せて照射面に向けて反射するとともに、路面から反射さ
れる反射波のうち、所定の反射角で反射されたもののみ
を受信器へ向けて反射する送信波および反射波兼用の反
射器を備えている。
【0021】該兼用反射器は、送信波の左右への広がり
を妨げず、照射面積が極端に小さくなるのを防ぐ形状に
されている。具体的には該測定装置がつけられた移動体
の進行方向にそった断面を見れば、該反射器の反射面は
放物線となっているが、移動体の進行方向と直行する方
向、すなわち、移動体の横方向に沿った断面を見れば該
反射面は湾曲しておらず直線となっているように、その
形状が与えられる。
【0022】これにより、送信波の路面に当接する領域
である照射領域が、(進行方向においては収束されつつ
該横方向においては拡大されるので、入射角・反射角を
一定にするという条件を満たしつつ反射波の受信強度を
確保できるため、より一層測定精度を向上させることが
可能になる。
【0023】なお、送信波としては、超音波あるいは電
磁波等を用いて良い。
【0024】さらに、本発明の第3の態様によれば、前
記第1の態様に係るドップラ式の対地速度測定装置、若
しくは前記第2の態様に係るドップラ式の対地速度測定
装置であって、前記送信波は低周波数の超音波、たとえ
ば40KHz近傍の周波数を有する超音波であることを
特徴とするドップラ式の対地速度測定装置が提供され
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら、本発
明の実施例について説明する。
【0026】[実施例1]本発明の第1の実施例に係る
ドップラ式の対地速度測定装置は、送信波を照射する送
信器3と、該送信器からの送信波を受けこれを路面に向
けて反射する送信用反射器10と、該路面から反射され
る反射波を受信器7に向けて反射する受信用反射器12
と、該受信用反射器12からの反射波を受信する受信器
7とを備えている。その他の構成については、従来のド
ップラ測定装置と同様に構成しても良く、たとえば送信
器3の入力端には、図示しない発振器、増幅器等が接続
されており、また、受信器7の出力端には、図示しない
増幅器、ドップッラシフト検出回路が接続されていれば
良い。
【0027】本実施例の構成について、図3、図4を参
照しながら更に詳しく説明する。
【0028】図3は、本実施例の構成を模式的に示す側
面断面図である。本図に示された直交座標系xyzのx
軸は、本実施例に係る測定装置を備えた移動体(図示せ
ず)の進行方向を示し、y軸は該進行方向に対して直行
し、かつ路面5に対して平行左方向(紙面に対して表面
から裏面へ向かう方向)を示し、z軸は路面5に対して
鉛直上方向を示している。
【0029】いま、送信器3から発せられた送信波は、
その指向範囲内において広がりつつ送信用反射器10に
当るものとする。ここで、該反射器10の反射面10’
は、放物線c1をその中心線d1のまわりに回転させてで
きる回転放物面の一部で構成されており、また送信器3
は放物線c1の焦点位置にあるように位置づけされてい
る。また放物線c1は斜め下の路面に向かって開口して
いる。すなわち送信用反射器10の反射面は、送信器を
焦点とするオフセットパラボラ形状である。これにより
反射器10の反射面10’で反射された送信波はすべて
同一の進行方向を有するおおよそ柱状ないしビーム状の
ものとなり、適宜な照射面積を有する照射面11で路面
に当たる。反射面10’からの送信波4は照射面11に
向かって互いに平行な状態で進行するので、照射面11
内のどの点においても送信波4の入射角αは一定とな
る。
【0030】本実施例においては、前記の送信用反射器
10と同様のオフセットパラボラ型の受信用反射器12
が受信器7に対して配置されている。すなわち、該反射
器12の反射面12’は、放物線cをその中心線d
のまわりに回転させてできる回転放物面の一部で構成さ
れており、また受信器7は放物線cの焦点位置にある
ように位置づけされている。従って路面で反射した反射
波6のうち、一定の反射角で反射した反射波のみが、反
射器12を介して受信器7に到達する。これにより、受
信器7が受信する反射波の反射角はほぼ一定となり、反
射角は角度βであるものとして、演算処理を行う事が可
能となる。
【0031】図5は、本実施例の構成の概略を示す該略
平面図である。送信器3と受信器7は進行方向に対して
並列に、すなわちy軸に沿って配置され、また送信用反
射器10、受信用反射器12もy軸に沿って配置される
ように構成されている。しかしながら、本実施例におい
ては、送信器3、受信器7、送信用反射器10、受信用
反射器12の位置はこれらに限定されるものではなく、
送信波、反射波がこれら反射器および照射面を経由して
送信器3から受信器7へ到達できれば他の構成でも良
く、たとえば送信器3受信器7をz軸方向に沿って配置
しても良いし、x軸方向に沿って配置しても良い。
【0032】本実施例によれば、路面が非常に荒れてい
て凹凸が激しい場合には送信波は該荒れた路面でさらに
乱反射する事になるが、反射面12’が所定の反射角β
で反射した反射波のみを受信器7に到達させるので、路
面の状態に左右されずドップラシフトに基づく速度計算
を正確に行う事が可能である。
【0033】[実施例2]つぎに、本発明の第2の実施
例について、図6、図7、図8を参照しながら説明す
る。
【0034】本発明の第2の実施例に係るドップラ式の
対地速度測定装置は、送信波を照射する送信器3と、該
送信器からの送信波を受けこれを路面に向けて反射する
とともに、該路面から反射される反射波を受信器7に向
けて反射する送信波・反射波兼用の反射器13と、該反
射器13からの反射波を受信する受信器7とを備えてい
る。その他の構成については、従来のドップラ測定装置
と同様に構成して良く、たとえば送信器3の入力端には
図示しない発振器、増幅器等が接続され、また、受信器
7の出力端には図示しない増幅器、ドップッラシフト検
出回路が接続されて良い。
【0035】図6は、本実施例の構成を模式的に示す側
面断面図である。本図に示された直交座標系xyzのx
軸は、本実施例に係る測定装置を備えた移動体の進行方
向を示し、y軸は該進行方向に対して直行し、かつ路面
5に対して平行左方向(紙面に対して表面から裏面へ向
かう方向)を示し、z軸は路面5に対して鉛直上方向を
示している。
【0036】送信器3と受信器7は図中のy軸方向に沿
って並べて取り付けられている。すなわち送信器3と受
信器7はy軸に平行な同一直線上にあるように配置され
る。
【0037】送信器3から発せられた送信波4は反射器
13に当たって反射し、路面上の照射面11に向かって
所定の入射角で当接するように進む。
【0038】ここで、反射器13について説明すると、
該反射器13の反射面13’はxz平面内で放物線cに
沿って湾曲している。該放物線cの焦点は送信器3と受
信器7の取り付け位置と一致するように定められる。ま
た放物線cは斜め下に向かって開口しており、その反射
面13’を規定する該放物線cの中心線dが角度θで路
面5と交わるように、該反射器13が配置される。反射
器13の反射面13’はy軸方向には湾曲していない。
すなわち反射面13’とx軸に垂直な平面の交線はy軸
に平行な直線となるように、反射面13’が形成されて
いる。
【0039】図7に示すように、上述の反射面13’に
当たることで進行方向が制限されつつ路面5に向かう送
信波4は、路面5に当たると乱反射し、さまざまな反射
角を有する反射波が生ずる。このうち一定の方向に反射
した反射波だけが、再び反射器13の反射面13’で反
射されて受信器7に向かい、受信される。一定の方向に
反射した反射波の該路面に対する角度、すなわち反射角
はほぼθに等しいものである。
【0040】図8は、本実施例の構成の概略を示す該略
平面図である。送信器3と受信器7はy軸に平行な同一
直線上に配置されている。また、反射面13’がy軸方
向には湾曲していない形状にされているために送信波は
y軸方向には拡散して路面5に当接するので、反射器1
3から反射されて路面5に当接する部分である照射面1
1は、y軸方向に伸長した形状となる。
【0041】該反射器の作用により、路面に対する送信
波の向き、および受信波の向きが制限され、これにより
前述の式(1)および式(2)におけるcosαとco
sβの値がほぼ一定となる。これについて図9により説
明する。図9において送信波が直線mに沿って伝播し、
点Pで路面5に当たるものとする。点Pがx軸上にある
ように座標を設定する。座標軸の向きは図6、図7、図
8と共通である。直線m上に単位長さの線分PQをと
る。線分PQのxz平面への射影をPRとし、∠QPR
=φとすると、PR=cosφである。さらに線分PR
のx軸への射影をPSとし、∠RPS=θとすると、P
S=PRcosθ=cosφcosθである。このとき
θは図6、図7における角θと同一である。また線分P
Sは線分PQのx軸への射影であるから、∠QPS=α
とすると、PS=cosαである。αは図1における角
αと同一である。これより以下の式(3)が成立する。
【0042】
【数3】
【0043】式(3)において、θおよびφが変化した
場合のcosαへの影響をしらべる。式(3)をθとφ
でそれぞれ微分すると、式(4)、(5)となる。
【0044】
【数4】
【0045】
【数5】
【0046】ドップラ式速度計では伏角を45°程度と
して取り付けることが多いので、θは45°程度とな
る。φについては通常使われる送受信器の指向性、およ
び送受信器と路面との位置関係から5°以内である場合
が多い。そこで、θ=45°、φ=5°として式
(4)、(5)に代入すると、
【数6】
【0047】従って、角φの変化によるcosαの変化
は、角θによるcosαの変化に比べて非常に小さい。
本発明では反射器の作用により、θを一定にすることに
より、cosαをほぼ一定の値に維持することができ
る。受信波についても送信波と同様に考えられる。角θ
を一定にすることにより、受信波における反射角の余弦
cosβをほぼ一定に維持できる。
【0048】上記の方法で、ドップラ速度計における、
送信波の入射角と受信波の反射角をほぼ一定に維持でき
る。これにより、路面の状態に影響されず、正確な速度
測定が行えるようになる。
【0049】なお、上記角θ及び角φの両方を一定にし
た場合は、αおよびβは完全に一定となるが、これに伴
う弊害が生じる。すなわち、こうした場合、反射器に当
たった送信波は全く広がらなくなり、路面の照射面積が
小さくなる。これにより、特に凹凸の少ない路面では波
が受信される方向に反射される確率が小さくなって、反
射波を受信できなくなる可能性が増大する。
【0050】したがって本実施例では角θおよびφのう
ち影響の大きいθのみを一定にし、φは制御しないこと
で、具体的には、反射面13’をy軸方向には湾曲して
いない形状にすることによって、送信波の左右への広が
りを妨げず、照射面積が極端に小さくなるのを防いでい
る。これにより反射波の受信強度を確保しつつ、測定精
度を向上させることが可能になる。また、反射器を送信
・受信共通とする事により、装置を小型化する事も可能
となる。
【0051】[実施例3]本実施例は、比較的低周波数
の超音波、たとえば40KHz程度の超音波を送信波と
して用いることを特徴とする、上記実施例1もしくは2
に係るドップラ式対地速度計を提供するものである。
【0052】一般に、比較的低周波数の超音波を発生す
る送信器は指向性が悪く、送信波が広範な角度で拡散し
てしまう。そのため、従来のドップラ式速度計において
比較的低周波数の超音波を発生する送信器を用いた場合
は、送信波の路面に対する入射角、ひいては反射波の路
面に対する反射角を所定の値に保つことが大変難しい。
【0053】ところが、本発明に係るドップラ式対地速
度計においては、送信波の路面に対する入射角および反
射波の路面に対する反射角を所定の値に保つ反射器を備
えているので、これら入射角・反射角を一定に保ちなが
ら低周波数の超音波を送信波として用いることが可能と
なる。また、低周波数の送信波を用いたドップラ式速度
計は減衰が小さいので、反射強度が比較的小さい路面か
らでも充分な強度の反射波を得ることを可能となり、多
様な路面状況に対応できるドップラ式速度計を提供でき
る。さらに、風などによるノイズの影響を受け難く、高
精度の測定を行うことができる。
【0054】
【発明の効果】反射面10’、12’、13’の作用に
より、車両と路面の相対速度ベクトルに対する送信波の
入射角、および反射波の反射角を規制する事が可能とな
り、これにより前述の式(1)および式(2)における
角度αおよび角度βの値が一定となり、より正確な速度
を求める事が可能となるドップラ式速度計を提供する事
ができる。また、一定の反射角を有する反射波のみを受
信器に送る事ができるので、路面の状態に影響されず、
正確な速度測定が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のドップラ式速度計の構成を示すブロック
図である。
【図2】従来のドップラ式速度計における送信波および
反射波の伝播を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例1において送信機が照射した送
信波が路面に当たる様子を示す側面概略図である。
【図4】本発明の実施例1において路面からの反射波を
受信器が受信する様子を示す側面概略図である。
【図5】本発明の実施例1の構成を示す概略平面図であ
る。
【図6】本発明の実施例2において送信機が照射した送
信波が路面に当たる様子を示す側面概略図である。
【図7】本発明の実施例2において路面からの反射波を
受信器が受信する様子を示す側面概略図である。
【図8】本発明の実施例2の構成を示す概略平面図であ
る。
【図9】送信波の入射角度を説明するための図である。
【符号の説明】
A:ドップラ式対地速度測定装置 1:発振器 2:送信用増幅器 3:送信器 4:送信波 5:路面 6:反射波 7:受信器 8:受信信号増幅器 9:ドップラシフト検出回路 10:送信用反射器 10’:反射面 11:路面上の照射面 12:受信用反射器 12’:反射面 13:反射器 13’反射面 V:車両の速度ベクトル V’:車両に対する路面の相対速度ベクトル α:送信波4と相対速度ベクトルV’のなす角 β:反射波6と相対速度ベクトルV’のなす角 c:放物線 d:放物線cの中心線 c1:送信器3を焦点とする放物線 c2:受信器7を焦点とする放物線 d1:放物線c1の中心線 d2:放物線c2の中心線 PQ:送信波の進行方向上の単位長さの線分 PR:線分PQのxz平面への射影 PS:線分PQのx軸への射影 θ:∠RPS φ:∠QPR

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信波(4)を路面(5)に向けて照
    射し、反射波(6)のドップラ効果による周波数偏移を
    検出して、対地速度(V)を測定するドップラ式対地速
    度計であって、該ドップラ式対地速度計は:送信波を送
    出する送信器(3)と;該送信波が路面にて反射されて
    生成される反射波(6)を受ける受信器(7)と;該送
    信波が所定の入射角で路面に照射されるように、該送信
    器からの送信波を路面に向けて反射する第1の反射面
    (13’)を有する第1の反射器(10)と;該路面か
    ら反射された反射波(6)を受け、該受けた反射波のう
    ち所定の反射角で反射されたものを該受信器(7)へ反
    射する第2の反射面(12’)を有する第2の反射器
    (12)と;を具備することを特徴とする、ドップラ式
    対地速度計。
  2. 【請求項2】 送信波(4)を送出する送信器(3)
    と;該送信波が路面で反射されて生成される反射波
    (6)を受ける受信器(7)と;該送信器から照射され
    た送信波を路面に向けて反射するための第1の反射面
    (10’)を有する第1の反射器(10)と;該路面か
    ら反射された反射波(6)を受けて、該受けた反射波を
    該受信器に向けて反射するための第2の反射面(1
    2’)を有する第2の反射器(12)と;を具備するド
    ップラ式対地速度計であって、 該第1の反射面は、回転放物面の一部で構成され、かつ
    該送信器はその回転放物面の焦点位置にあるように位置
    づけされており、 該第2の反射面は、回転放物面の一部で構成され、かつ
    該受信器はその回転放物面の焦点位置にあるように位置
    づけされている、ことを特徴とする、ドップラ式対地速
    度計。
  3. 【請求項3】 送信波(4)を路面(5)に向けて照
    射し、反射波(6)のドップラ効果による周波数偏移を
    検出して、対地速度(V)を測定するドップラ式対地速
    度計であって、該ドップラ式対地速度計は:送信波を送
    出する送信器(3)と;該送信波が路面にて反射されて
    生成される反射波(6)を受ける受信器(7)と;該送
    信波が所定の入射角で路面に照射されるように、該送信
    器からの送信波を路面に向けて反射するとともに、該路
    面から反射された反射波(6)を受け、該受けた反射波
    のうち所定の反射角で反射されたものを該受信器(7)
    へ反射する反射面(13’)を有する反射器(13)
    と;を具備し、 該反射面は、所定の方向において該送信波の広がりを抑
    制しないような形状を有する、ことを特徴とする、ドッ
    プラ式対地速度計。
  4. 【請求項4】 送信波(4)を送出する送信器(3)
    と;該送信波が路面で反射されて生成される反射波
    (6)を受ける受信器(7)と;該送信器から照射され
    た送信波を路面に向けて反射するとともに、該路面から
    反射された反射波(6)を受けて、該受けた反射波を該
    受信器に向けて反射する反射面(13’)を有する反射
    器(13)と;を具備するドップラ式対地速度計であっ
    て、 該反射面は、該送信波および反射波の進行方向に沿った
    方向には湾曲しているが、該進行方向にほぼ直行しかつ
    路面に対して平行な方向には湾曲していない放物面の一
    部で構成されており、 該送信器および受信器は反射波の進行方向に関しては、
    該放物面の焦点に配置され、かつ該進行方向にほぼ直行
    しかつ路面に対して平行な方向おいては、同一直線状に
    配置されていることを特徴とする、ドップラ式対地速度
    計。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015162812A1 (ja) * 2014-04-21 2015-10-29 シャープ株式会社 路面検出センサおよび該路面検出センサを備えた自律走行装置
CN106093938A (zh) * 2016-05-17 2016-11-09 长安大学 一种基于人工角反射器偏移量的矿区形变监测方法
JP2017015441A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 三菱電機株式会社 距離検知センサおよび物体検知装置
JP2017015473A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 日立オートモティブシステムズ株式会社 速度計測装置、その取り付け方法、及び、それを取り付けた乗り物

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