JPH08304068A - 距離計測装置及びその方法 - Google Patents

距離計測装置及びその方法

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JPH08304068A
JPH08304068A JP11581195A JP11581195A JPH08304068A JP H08304068 A JPH08304068 A JP H08304068A JP 11581195 A JP11581195 A JP 11581195A JP 11581195 A JP11581195 A JP 11581195A JP H08304068 A JPH08304068 A JP H08304068A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定対象に対する距離の測定が高速高精度で
行える距離測定装置及びその方法を提供する。 【構成】 光源1から発せられた複数の線状ビーム3
は、測定対象A,Bを照射し該測定対象に複数の像を形
成する。多分割光検出手段6,7は前記複数の像を受光
し受光量に対応した複数の電気信号を発生する。距離演
算手段15は、その複数の電気信号に基き、予め決めら
れた関数により積和演算を行ない、その積和演算の結果
から像位置を近似する関数を求め、前記測定対象までの
距離を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、距離計測装置及びその
方法に関し、特に鋼板プラント等において、無接触で測
定対象との距離を高速高精度で測定する距離計測装置及
びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無接触で測定対象との距離を測定
する方式として光学式の三角測量方式が使用されてき
た。光学式三角測量方式は、距離計測装置から発せられ
た光が測定対象で反射され、その反射光の光の位置を光
学式のセンサにより検出し、測定対象との距離を求め
る。前記センサの具体例としては、PSD(光半導体位
置検出素子)やCCD等が使われているが、高精度を狙
う場合には、反射光の受光面の分割数が多いCCDが使
用される。
【0003】図8は従来の光学式距離計測装置の構成図
である。
【0004】図8に示すように、光源101から出射さ
れた光は必要により対物レンズ103により絞られ、光
線110として測定対象を照射する。例えば、A点或い
はB点に測定対象があると仮定すると、該測定対象によ
り反射された光は、集光レンズ104により多分割光検
出素子であるCCD105のa点或いはb点に結像す
る。符号111及び112は、AまたはB点からの反射
光の直線状の経路を示す。
【0005】そして、測定対象の位置が変動すると、こ
の位置変動はCCD105に結像される光の位置の変動
として現われるので、この光の位置変動を計算で求める
ことにより測定対象の位置を知ることができる。この測
定対象の位置を求めるため、CCD105の受光面の分
割された各測定エレメントの電気信号をAD変換器10
6によりデジタル値に変換し、マイクロコンピュータ1
08が、この変換値を記憶すると共に記憶した値に基き
測定対象の位置の計算を行なう。
【0006】図9は、前記CCD105の受光面の位置
Zと光量P(Z)との関係を模式的に示した図である。
【0007】図中の黒丸はCCD105の各素子の値を
示し、実線はこの値をつなぐ近似曲線である。マイクロ
コンピュータ108は、前記実線でつないだ各素子の光
量の重心位置を計算して結像位置ZP を求める。即ち、
【数1】 ここに、ZはCCD105の受光面の位置であり、P
(Z)は位置Zにおける光量である。そして、図8にお
いて、前記結像位置ZP と測定対象との幾何学的関係を
計算して最終的に測定対象の位置を求める。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光学式距離計測装置には次のような問題点があり、その
精度は高いものではなかった。即ち、 測定対象の反射率が一様ではなく、測定箇所による反
射率の変動により光量P(Z)の曲線が崩れ、重心位置
が正確に求まらない。例えば、図9に示す点線のように
曲線が崩れると、等価的に重心位置が移動することにな
る。これは、例えば鋼板プラント等で連続走行する鋼板
までの距離を測定する場合には、その距離を正確に求め
ることが不可能であることを意味する。
【0009】光源から測定対象までの距離をLとし、
光源が微小角δθだけ回転したと仮定すると、測定対象
上の光点がLδθだけ移動することになる。つまり、光
源の微小回転が増幅されて測定対象上に現われるので、
計測距離を不正確にする。
【0010】精度の高い測定を可能にするためには、
光源として波長及び位相が揃ったコヒーレント光を使う
必要がある。しかし、コヒーレント光は、測定対象に反
射した光が測定対象の凹凸により干渉してスペックルを
生じ、該スペックルも光量P(Z)の曲線に乱れをつく
り、等価的に重心位置が移動することになる。
【0011】一個の光点の重心位置を測定するので、
精度があがらない。そこで、本発明の目的は、測定対象
に対する距離の測定が高速高精度で行える距離測定装置
及びその方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、複数の線状ビームを送出する
光源と、該光源から測定対象に照射され、該測定対象に
形成された線状ビームの複数の像を受光する多分割光検
出手段と、該多分割光検出手段が受光した複数の線状ビ
ームに対応した電気信号に基き、予め決められた関数に
より積和演算を行ない、その積和演算の結果から像位置
を近似する関数を求め、前記測定対象までの距離を演算
する距離演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】また、請求項2記載の発明は、前記距離演
算手段は、予め決められた関数として前記複数の像に対
応して複数の山を持つ関数を用いて積和演算を行ない、
畳み込み或いは相関を求める手段であることを特徴とす
る。
【0014】また、請求項3記載の発明は、前記多分割
光検出手段は、複数の多分割光検出手段からなることを
特徴とする。
【0015】また、請求項4記載の発明は、光源から複
数の線状ビームを送出し、測定対象に形成された前記複
数の線状ビームに対応した像を多分割光検出素子により
受光し、前記多分割光検出素子が受光した複数の線状ビ
ームに対応した電気信号に基き、予め決められた関数に
より積和演算を行ない、その積和演算の結果から像位置
を近似する関数を求め、前記測定対象までの距離を演算
するようにしたことを特徴とする。
【0016】また、請求項5記載の発明は、板状の測定
対象の両面側に少なくとも2個の請求項1記載の距離計
測装置を配置して各距離計測装置から前記板状の測定対
象までの距離を求め、この求めた距離に基いて前記板状
の測定対象の厚みを求めるようにしたことを特徴とす
る。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明によれば、光源から発せら
れた複数の線状ビームは、測定対象を照射し該測定対象
に複数の像を形成する。多分割光検出手段は前記複数の
像を受光し、その受光量に対応した複数の電気信号を発
生する。距離演算手段は、前記複数の電気信号に基き、
予め決められた関数により積和演算を行ない、その積和
演算の結果から像位置を近似する関数を求め、前記測定
対象までの距離を演算する。
【0018】また、請求項2記載の発明によれば、距離
演算手段は、予め決められた関数として複数の像に対応
して複数の山を持つ関数を用いて積和演算を行ない、畳
み込み或いは相関を求める。
【0019】また、請求項3記載の発明によれば、多分
割光検出手段は、複数の多分割光検出手段からなる。従
って、図4に示すように、例えば2個の多分割光検出手
段P,Qが真の座標Oを誤って座標Rと認識したとして
も、計算により真の座標を求めることが可能となる。
【0020】また、請求項4記載の発明によれば、光源
から複数の線状ビームを送出し、多分割光検出素子によ
り前記光源から照射され測定対象に形成された像を受光
し、前記多分割光検出素子の受光量に対応した複数の電
気信号に基いて予め決められた関数により積和演算を行
ない、その積和演算の結果から像位置を近似する関数を
求め、前記測定対象までの距離を演算する。
【0021】また、請求項5記載の発明によれば、板状
の測定対象の両面側に少なくとも2個の請求項1記載の
距離計測装置を配置して各距離計測装置から前記板状の
測定対象までの距離を求め、この求めた距離に基いて前
記板状の測定対象の厚みを求める。
【0022】
【実施例】
[1]先ず、本発明の実施例の説明に先立ち、本発明の
基本的な考え方を説明する。即ち、本発明では、高速高
精度で平面状の測定対象との距離を計測するために、以
下の手段を用いる。
【0023】光源として複数の線状ビームを発生する
光源を使用し、同時に複数の距離測定を行なう。点状の
光源(従来)から線状の光源(本発明)に変更すること
により、測定対象の範囲を広げ、スペックルや不均一な
反射率の影響を減らすことができ、また、複数の線状ビ
ームにより測定することにより、同時に複数回測定した
ことと同様の効果を生じさせ、精度を向上させる。ここ
に、光源としては、例えばレーザ光等が好適である。
【0024】複数の線状ビームの像をCCD等の多分
割光検出素子上に結像させ、多分割光検出素子の各素子
の位置Zに対する光量データP(Z)に対して、複数の
山を持つ関数Q(Z)との積和演算を、関数Q(Z)の
位置Zを(k−Z)としてZを全範囲に渡って変化させ
て行い、積和演算値R(k)を求める。
【0025】そして、ずらした量kを必要な範囲に対し
て行い、その結果の積和演算値R(k)の値から、最も
積和演算値R(k)が高い値を示す素子の位置Zを一素
子以下の細かい値まで(例えば、一素子の10分の1。
一素子以下のことをサブピクセルという。)、2次関数
或いはスプライン関数等に近似して求める。関数Q
(Z)は光量データから最もその複数のピークが求めや
すく、谷の部分の影響が少ないように考慮した関数とす
る。
【0026】前記,項に説明したように、サブピ
クセルまで精度よく検出できるようになると、他の誤差
に基く測定精度の悪化が問題になる。
【0027】そこで、像を結像させる多分割光検出素子
を複数設け(例えば、2個)、光源の振動によるビーム
の移動や反射率の不均一による像の移動に対して計算に
より補正する。
【0028】[2]以下、本発明を図示の実施例に基い
て説明する。 (A)第1実施例 図1は第1実施例の構成図である。先ず本実施例の計測
装置Mの概略構成および概略動作を説明し、次に光源等
の各要素について詳述する。
【0029】図1に示すように、複数の線状光(線状ビ
ーム、図2(b),(c)参照)を発する光源1からの
光は、対物レンズ2により集光されて光線3になり、該
光線3により測定対象の例えばA点またはB点を照射す
る。測定対象からの反射光はそれぞれ集光レンズ4,5
により集光され、CCD等からなる第1,第2多分割光
検出器6,7上にそれぞれ像a1 とb1 、像a2 とb2
を結像する。ここに、光源1から発せられる光線3を中
心に、多分割光検出器6と7とは対象位置に配設されて
いる。
【0030】第1,第2多分割光検出器6,7の検出し
た光量信号は信号線8,9を介してAD変換器11,1
2に送られてデジタル値に変換され、それぞれ信号線1
3,14を介してマイクロコンピュータ15のメモリに
全光量データP(Z)が記憶される。符号25〜28
は、それぞれ測定対象からの反射光の直線状の経路であ
る。
【0031】前記光量データP(Z)は、次に図3
(a)〜(e)を用いて詳述するように、関数Q(Z)
との積和演算を行ない、畳み込み等の計算を行なう。そ
して、2次曲線やスプライン関数等により近似し、光量
の中心位置を求める。求めた中心位置は2個あるので、
後述の方法により最終的な中心位置を求める。
【0032】なお、近年の半導体の著しい進歩により、
32ビットという高精度の計算が高速で可能になり、メ
モリや周辺回路まで収納した高集積のワンチップのマイ
クロコンピュータが安価に入手できるようになったの
で、次に述べるような多数の積和演算や複雑な近似計算
でも短時間に行なえるようになり、実用化できるように
なった。
【0033】次に各要素を詳細に説明する。 (1)光源 従来、光源としては、測定対象物が任意形状である場合
に分解能を高めて検出するために、できるだけ小さい点
光源が用いられてきた。従来の光源により測定対象に形
成される像を図2(a)に示す。しかし、測定対象が平
面状のものである場合には(例えば、鋼板)、次のよう
にすることが可能である。
【0034】多分割光検出器での分解能を下げずに、
測定対象の計測領域を増加させるために、幅の狭い線状
の光源を使用する(図2(b),(c)参照)。このよ
うにすれば、反射率のばらつきやスペックルの影響を平
均化により軽減することができる。
【0035】測定対象が平面状であるので、同時に複
数ポイントの計測を行うことができる。即ち、図2
(b)に示すように、3個の線状の像を形成するような
光源を用いれば多分割光検出器上に3個の山が形成さ
れ、3個の山から平均化した距離を求めることができ
る。これに対して従来は、前述の如く1個の山に基いて
距離を求めていたので(図9参照)、計測距離が不正確
であった。
【0036】また、図2(c)に示すように、線状の像
を増やせば更に測定精度を向上させることができる。な
お、図中の符号xは多分割光検出器の各素子の分割方向
である。
【0037】(2)距離計算 測定対象の距離は、多分割光検出器上の像の位置に対応
する。正確には三角測量の原理に従って像の位置と多分
割光検出器の位置、および光源からの光線の位置から計
算する。狭い範囲を考えれば、像の位置と測定対象の距
離とは比例関係にある。そして、全範囲を考えると距離
は像の位置の関数となる。従って、像の位置を求めれば
測定対象の距離が計算できる。
【0038】図1に示すように、測定対象がA及びB点
の位置にあるとき、第1多分割光検出器6のa1 及びb
1 点に像を結ぶと共に、第2多分割光検出器7のa2
びb2 点に像を結ぶ。従って、前述の如く像の位置を求
めれば、この図1の幾何学的関係から距離を求めること
ができる。
【0039】前述の如く、光源1は複数の線状の光源
(図2(b))を使用するので、図3(a)に示すよう
に複数の山を持つ光量データP(Z)が求まる。黒丸
は、多分割光検出器の各素子の光量データP(Z)であ
り、見やすくするためそれらを近似曲線で繋いでいる。
この例では、レーザ光をスリットに照射し、回析により
発生した光源を使用した例であるので、中央の山が大き
く、左右の山が小さくなる。なお、複数ビームを発生す
る光源としては、レーザとプリズムを使用する手段等、
種々の手段がある。
【0040】光量データP(Z)に基き距離を測定する
ため、複数の山を同時に測定できるように関数Q(Z)
との積和演算により畳み込みR(k)を求める(図3
(b)参照)。
【0041】関数Q(Z)としては、光源がつくる多分
割光検出器上の像から山の間隔を保持し、雑音の影響を
受けやすい部分は値を小さくした関数を作成して使用す
る。例えば、回析を使用すると、図3(a)に示すよう
に、3個の山以外に小さい山ができるが、これらの部分
を含めると雑音に影響されやすい周辺のデータを含める
ことになるので削除する。つまり、値を0にする。その
具体例として、図3(c)では、計算がしやすい直線で
作成した関数の例を示したが、図3(d)に示すよう
に、曲線で作成してもよい。
【0042】光量データP(Z)と関数Q(Z)との積
和演算により、畳み込みR(k)は、以下のようにな
る。
【数2】
【0043】この式(2)において、関数Q(Z)が左
右対称の関数であるので(図3(c)、(d)参照)、
畳み込みR(k)は光量データP(Z)の山と関数Q
(Z)の山が一致するkの値のときに最大になる。しか
し、畳み込みR(k)は離散的な関数であるから、図3
(e)に示すように、最大付近のいくつかのデータから
2次関数或いはスプライン関数等により近似を行い中心
位置を求める。R(k)は畳み込みの処理を行ったの
で、中心位置の付近が特にピークをつくり、中心位置以
外の位置では値が低いような関数となる。
【0044】ここに、関数Q(Z)の意味は以下のよう
に考えることができる。 関数の中に線状光源に対応した山の部分を作ること
で、山の部分を重視してデータを作ることになる。つま
り、影響度を大きくする。 関数の中で影響度の少ない部分を作ることで、ノイズ
等の影響の多い部分を削除できる。例えば二つの山の間
の谷の部分は、山の影響による迷光がでて完全な谷にな
りづらいが、ここにおける値を0又は小さい値にすれば
影響が著しく小さくなる。 要するに、最も適応した関数により中心値kを鋭敏に
求めることができる。
【0045】また、前述の積和演算では、畳み込みを求
めたが、同じように相関を求めて計算することもでき
る。この場合の式は、
【数3】 この式(3)は、Q(Z)が左右対称の関数であれば、
前記畳み込みと本質的に同じものである。
【0046】また、積和演算を行うと次のメリットがあ
る。 距離の中心値を求めやすくする。 個別の山から距離を計算しその上で複数の距離より代
表値を求めるのでなく、複数の山の代表値を一度に求め
ることができる。即ち、個々の山から求めるのにくらべ
光量データP(Z)を無駄なく使用し有効に活用でき
る。また、山の部分の乱れに対しても影響が少ない頑健
なデータがとれる。
【0047】なお、多分割光検出器の幾何学的な配置に
よっては、多分割光検出器上の像が全範囲にわたって同
一ではない場合があるので、その場合は計測に用いる像
の位置によって、関数Q(Z)を少しずつ変化させる必
要がある。
【0048】また、積和演算は計算量が多いので、実際
に使用する中心位置付近の限られた部分についてのみ計
算することで、計算量を減らすことができる。
【0049】(3)複数の多分割検出素子 前述の如く、反射率の部分的な変動や光源の振動等によ
り、あたかも測定対象が水平方向に移動したように多分
割光検出器からは見えることがある。この場合には多分
割光検出器は距離計算が不正確になる。
【0050】このような場合には、複数の多分割光検出
器を配置すれば計算により真の距離を求めることができ
る。従来はこのような変動が補正する必要がないほどの
精度でしか距離計測装置を使用できなかったので問題に
ならなかったが、分割数の多いCCD素子や複数の線状
光源により、これらの変動も無視できないようになって
きた。
【0051】そこで、以下に述べるように補正を行う。
これらの補正は、安価で高速で精度の高い(例えば32
ビットの演算ができる)マイクロコンピュータが出現し
たことも具体化できる要因となった。
【0052】この補正を図4に基いて説明する。図4に
示すように、水平方向にx軸、上下方向の下方にy軸を
とり、y軸上に存在する光源1が測定対象を照射し、測
定対象はy軸上で測定されるものと仮定する。
【0053】説明を簡単にするために、二つの多分割光
検出器P,Qがそれぞれ位置(l1,−d1 )、
(l2 ,−d2 )に位置し、多分割光検出器P,Qの置
かれた点と測定対象Rとを結ぶ線がy軸となす角θ1
θ2 を求めることができるとする。なお、l1 ,l2
1 ,d2 は、全て正とする。
【0054】今、測定対象がO点にあるにも拘らず、反
射率の部分的な変動により多分割光検出器P,Qは測定
対象がR点にあるものとして計測したとする。すると、
多分割光検出器PはPRを結ぶ直線上に測定対象がある
ものと判断し、多分割光検出器QはQRを結ぶ直線上に
測定対象があるものと判断する。
【0055】すると、それぞれの多分割光検出器P,Q
における測定対象の位置(直線PRとy軸のなす角θ1
、直線QRとy軸のなす角θ2 )は次式(4),
(5)となる。
【数4】
【0056】(4),(5)式より、x座標を削除して
両直線の交点のy座標を求めると次式(6)になる。
【数5】
【0057】前記両直線PR,QRがy軸と交差する点
をそれぞれy1 ,y2 とすると、これらの点y1 ,y2
までの距離が多分割光検出器P,Qが個別に検出する距
離である。前記y1 ,y2 にそれぞれ対応するx1 ,x
2 の値は0であり、これらのx1 ,x2 ,y1 ,y2
前記式(4),(5)にそれぞれ代入するとtan
θ1 ,tanθ2 は次式(7),(8)となる。
【数6】
【0058】以上の演算結果により、求めるべきy方向
の距離y0 は、式(7),(8)を式(6)に代入する
ことにより求めることができる。
【0059】
【数7】
【0060】もし、P,Q点がy軸に関して対称の位置
にあるものと仮定し、d1 =d2 =d,l1 =l2 =l
とおけば、距離y0 は次式(10)となる。
【数8】 この(10)式は、多分割光検出器P,Qからの距離y
0 がy1 ,y2 の平均値と、それ以外の補正項よりなる
ことを示している。
【0061】以上のようにして、多分割光検出器P,Q
からO点に存在する測定対象までの真の距離y0 を求め
ることが可能となる。なお、以上の計算は、強力で安価
なマイクロコンピュータにより容易に計算可能である。
【0062】(B)第2実施例 本実施例は、平面状の測定対象の厚さを測定する場合で
ある。 厚さ測定の原理 この場合は、図5(a)に示すように、前記図1に示し
た計測装置Mと同一構成の計測装置M1 、M2 を基準物
体(テストピース)30の上下に2組配設し、第1実施
例と同様の手段により基準物体30の上下の基準面L
1-0 ,L2-0 からの距離N1 ,N2 を求め、図示しない
記憶手段に記憶しておく。このとき、基準物体30の厚
みD0 は予め判明しているものとする。
【0063】そして、実際に測定対象を測定する場合に
は、図5(b)に示すように、前述のようにして位置決
めした計測装置M1 ,M2 の間に鋼板等の測定対象31
を配置し、それぞれの表面から計測装置M1 ,M2 まで
の距離N3 ,N4 を求める。この距離N3 ,N4 と前記
記憶手段に記憶された基準の距離N1 ,N2 との差を演
算手段(図示せず)で求め、測定対象31の厚みを算出
する。
【0064】計測装置の校正 しかし、高精度測定を意図すると(例えば、ミクロン単
位の測定)、外気の温度変化や材料への熱の影響によ
り、三角測量を行なう光源やレンズや多分割光検出器の
位置の微小な変動や、計測装置を置いている位置の変動
等が発生し、正確な計測ができないので定期的な校正が
必要となる。
【0065】特に、前述の板状物の厚み計測のように間
接的に計測する場合には、正確な校正が重要である。そ
の場合には、図6(a)に示すような校正物体41を使
い、校正を行う。ここに、校正物体41は、薄い部分4
1aと厚い部分41bとから構成されている。
【0066】そして、校正物体41の全範囲(薄い部分
41aの基準面L1-0 から厚い部分41bの基準面L
1-MAX まで、及び薄い部分41aの基準面L2-0 から厚
い部分41bの基準面L2-MAX まで)の、少なくとも2
箇所の点を定期的に測定し、計測装置M1 ,M2 と各基
準面との距離測定の校正を行なう。この校正に際して
は、矢印X1 で示すように、校正物体41を左右に移動
して行う。
【0067】図6(b)に示した場合は、下の計測装置
2 の基準点L2-0 が上の計測装置M1 の基準点L1-0
より上にある場合に使用する。L1-MAX ,L2-MAX は測
定の最大範囲の位置を示す。校正物体42は水平方向に
移動できるようにして普段は測定対象に邪魔にならない
ようにし、校正するときは、移動により少なくとも2箇
所の校正ができるようにする。
【0068】(C)第3実施例 平面状の測定対象の厚さを測定する場合に、鋼板等が走
行するとき、先端や終端では鋼板が傾くことがある。
【0069】図7に示すように、板状の測定物体51の
真の厚さをd、測定物体51の傾きをδθとすれば、傾
きによりあたかも厚さがd(1+δθ)に増えたように
測定される。
【0070】従って、図7に示すように、走行方向に更
に一対の計測装置M3 ,M4 の両方(または一方)を設
ければ、測定物体51の傾きを距離計算から求めること
が可能である。
【0071】この距離計算を説明する。計測装置M1
よる距離をL1 、計測装置M3 よる距離をL3 とし、両
計測装置M1 ,M3 間の距離をLDとすれば、傾きδθ
は[L1 −L3 ]/LDとなり、また、測定値はd(1
+δθ)となる。従って、測定値からδθを減算すれ
ば、真の厚みdを求めることができる。よって、傾きを
求めることで、厚さを補正して真の厚さを求めることが
できる。なお、もう一つの計測装置M4 があれば反対側
での表面の傾きも求められる。
【0072】図7では4個の計測装置を設けたので、傾
きは2個の値の平均値を使うことで精度をあげることが
できる。また、走行方向と垂直方向に計測装置を更に追
加すればこの方向での傾きも計算でき、補正できる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように各請求項記載の発明
によれば、複数の線状ビームを送出する光源と、該光源
により照射された測定対象に形成された像を受光する多
分割光検出手段と、該多分割光検出手段の受光量に対応
した複数の電気信号に基き、予め決められた関数により
積和演算を行ない、その積和演算の結果から像位置を近
似する関数を求め、前記測定対象までの距離を演算する
距離演算手段とを備えたので、同時に複数回の測定がで
きたことになり精度が高く、平均した広い範囲の距離が
測定でき、同時に複数のビームに対する計算ができ、精
度を悪くする谷の部分のデータに対しては積和演算を行
なう関数の値を小さくすることで影響を小さくすること
ができる。
【0074】また、複数の多分割検出手段を備えたの
で、像の水平方向の移動があっても、その補償を行ない
精度のよい計測ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成図である。
【図2】光源による像を示す図であって、(a)は従来
の点光源、(b)は本実施例に用いる光源(その1)、
(c)は本実施例に用いる光源(その2)である。
【図3】本実施例における積和計算を説明する図であっ
て、(a)は多分割検出素子の位置と受光光量との関係
を示す図、(b)は畳み込みを示す概念図、(c)と
(d)は近似曲線Q(Z)の特性図、(e)は畳み込み
R(k)の中心位置を示す図である。
【図4】本実施例における2個の多分割検出素子を有す
る場合の距離測定を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例の原理を説明する図であっ
て、(a)は基準物体の測定、(b)は測定対象の測定
を示す図である。
【図6】第2実施例における厚み測定の場合の校正方法
を示す図である。
【図7】第3実施例における測定対象の傾きを補正する
倍の図である。
【図8】従来の光学式距離計測装置の構成図である。
【図9】従来の光学式距離計測装置における多分割検出
素子の位置と受光光量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光源 6,7 多分割光検出器 15 マイクロコンピュータ(距離演算手段) 30 基準物体 31 測定対象 41,42 校正物体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の線状ビームを送出する光源と、 該光源から測定対象に照射され、該測定対象に形成され
    た線状ビームの複数の像を受光する多分割光検出手段
    と、 該多分割光検出手段が受光した複数の線状ビームに対応
    した電気信号に基き、予め決められた関数により積和演
    算を行ない、その積和演算の結果から像位置を近似する
    関数を求め、前記測定対象までの距離を演算する距離演
    算手段とを備えたことを特徴とする距離計測装置。
  2. 【請求項2】 前記距離演算手段は、予め決められた関
    数として前記複数の像に対応して複数の山を持つ関数を
    用いて積和演算を行ない、畳み込み或いは相関を求める
    手段であることを特徴とする請求項1記載の距離計測装
    置。
  3. 【請求項3】 前記多分割光検出手段は、複数の多分割
    光検出手段からなることを特徴とする請求項1記載の距
    離計測装置。
  4. 【請求項4】 光源から複数の線状ビームを送出し、 測定対象に形成された前記複数の線状ビームに対応した
    像を多分割光検出素子により受光し、 前記多分割光検出素子が受光した複数の線状ビームに対
    応した電気信号に基いて予め決められた関数により積和
    演算を行ない、 その積和演算の結果から像位置を近似する関数を求め、 前記測定対象までの距離を演算するようにしたことを特
    徴とする距離計測方法。
  5. 【請求項5】 板状の測定対象の両面側に少なくとも2
    個の請求項1記載の距離計測装置を配置して各距離計測
    装置から前記板状の測定対象までの距離を求め、この求
    めた距離に基いて前記板状の測定対象の厚みを求めるよ
    うにしたことを特徴とする距離計測方法。
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