JPH052232Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、解決可能性のある操縦困難性を意図
的に付与した遊戯用のゴー・カートに関する。

（従来の技術） 従来のゴー・カートは、一般に、前車輪のみを
一つ又は二つの操縦ハンドルにより操作するよう
にしてある。

（考案が解決しようとする問題点） 遊戯用に使用されるゴー・カートは、単に走行
させるだけでは楽しさに欠けることから何等かの
特異性を持たせるようにしてあるが、従来の殆ど
ものは既に大衆慣れしてしまつて、格別な楽しさ
を味わえない嫌いがある。

本考案は斯有る実情に鑑みて成されたもので、
新たな操縦困難性を付与することにより従来とは
異なる楽しさを味わえるようにしたゴー・カート
を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案のゴー・カー
トは、前輪を転向操作するための操向装置と後輪
を転向操作するための操向装置を設けると共に、
各装置にはこれらを独立に作動させるための操縦
ハンドルを前部位置に各一つ並設せしめるのほか
前輪を転向操作するための操向装置は操縦ハンド
ルを任意の一定方向へ回転操作すると車体が前記
一定方向とは逆方向に転向するものとなる構成
で、且つ後輪を転向操作するための操向装置は操
縦ハンドルを任意の一定方向に回転操作すると車
体が前記一定方向と同一方向、若しくは逆方向に
転向するものとなる構成と成さしめてあることを
特徴としている。

（作用） 本考案品では二人の操縦者が同乗し、各々が一
つの操縦ハンドルを操作するため、前輪と後輪と
が同時に且つ独立的に転向するものとなり、新た
な操縦困難性が生まれるのである。

（実施例） 以下、本考案品の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は平面視説明図、第２図は正面視説明図
である。

図において、１は前輪２……を転向操作するた
めの操向装置であり、３は後輪４……を転向操作
するための操向装置である。

前者操向装置１を構成するに、一つの操縦ハン
ドル５を具備せしめると共に該操縦ハンドル５の
基部には同ハンドル５の回転変位をスライドロツ
ド６，６の横方向変位に転換するための伝動機構
７を設け、且つ前記スライドロツド６，６の両端
を、基部がキングピン８，８に固定された各キン
グピン・アーム９，９の先部と連結せしめて成
り、操縦ハンドル５を例えば矢印ｆ１の方向に回
転操作することにより、その操作方向とは逆の方
向に車体が転向するものとなるように前輪用ハブ
１０が矢印ｆ２の方向に転向するようにしてあ
る。

また後者操向装置３を構成するに、操縦ハンド
ル１１を具備せしめると共に、該操縦ハンドル１
１の基部に同ハンドル１１の回転を伝動回転軸１
２に伝達するための伝動装置１３を設け、且つ該
伝動回転軸１２の回転変位をスライドロツド１
４，１４の横方向変位に転換するための前記同様
の伝動機構１５を設けると共にスライドロツド１
４，１４の両端を、基部がキングピン１６，１６
に固定された各キングピン・アーム１７，１７の
先部と連結せしめて成り、操縦ハンドル１１を例
えば矢印ｆ３の方向に回転操作することにより、
その操作方向と同じ方向に車体が転向するものと
なるように後輪用ハブ１８，１８が矢印ｆ４の方
向に転向するようにしてある。

なお、各操向装置１，３にパワーステアリング
機構を設けることは自由である。

１９はエンジンであり、両横に配した後輪駆動
軸２０，２０に適宜なユニバーサルジヨイント２
１，２１を介して動力伝達し得るように構成して
ある。各後輪駆動軸２０，２０の外方端は後輪用
ハブ１８，１８と適宜なユニバーサルジヨイント
を介して連動連結してある。

図中、２２及び２３は座席、２４は伸縮自在な
保護カバーである。

次に本考案品の作用を説明する。二人の操縦者
が各座席２２，２３に座り、一致協力して所定の
走行コースに沿つて操縦するようにする。走行コ
ースは成るべくカーブの多いものとし、出来れば
所々に、前輪２……による車体転向方向と後輪４
……によるそれとを一致させるようにハンドル操
作しなければ曲がりきれない小さなカーブを形成
しておくようにする。

そして走行コースを走行するさいにおいて、車
体が例えば右廻りのカーブに差しかかつたなら
ば、左側座席２２の操縦者は操縦ハンドル５を適
量だけ左方向に回転操作し、且つ右側座席２３の
操縦者は操縦ハンドル１１を右方向に適量だけ回
転操作するようにして車体を所定曲率で転向させ
るようにするのである。なお、左廻りのカーブに
おいてはかかる操作とは対称的な操作をすること
になる。

この場合において、操向装置１が一般のものと
は逆の動作をすることから、その装置１の操縦者
は不慣れな感覚で操縦しなければならず、正確且
つ迅速なハンドル操作は困難となるのである。ま
た他方の装置３の操縦者は通常の感覚で操縦でき
るものの、一方の操縦者のハンドル操作に適応し
た量だけハンドル操作をしなければならず、これ
また正確且つ迅速なハンドル操作は困難となるの
である。

ましてや、一定曲率よりも小さなカーブを曲が
るような場合には、前輪２……による車体転向方
向と後輪４……によるそれとを一定態様に正確に
一致させるように操縦する必要があり、二人の操
縦者の息が余程ぴつたりと合つていなければコー
ス通りに走行することができず、操縦の困難性は
一層増大するものとなる。

しかし、これらの操縦困難性は解決不可能なこ
とではなく、二人の操縦者が思考錯誤し且つぴつ
たりと息統合しさえすれば必ず解決し得ることで
あり、このことが新たな楽しさを生みだすことに
なるのである。

なお、上記の実施例では一方の操向装置１が一
般の操向装置とは逆作動するように成されている
が、両操向装置１，３が共に逆作動するものであ
つてもよい。

（考案の効果） 以上の如く本考案によれば、前輪２……と後輪
４……とが二人の操縦者により別々に転向操作さ
れることから、解決可能な新たな操縦困難性が付
与されるものとなり、操縦者等は忍耐、努力、達
成が織り成す従来にない楽しさを味わい得るので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案品の平面視説明図、第２図は同
品の正面視説明図である。 符号、１……前輪２を転向操作するための操向
装置、２……前輪、３……後輪４を転向操作する
ための操向装置、４……後輪、５……操縦ハンド
ル、１１……操縦ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前輪２を転向操作するための操向装置１と後輪
   ４を転向操作するための操向装置３を設けると共
   に、各装置１，３にはこれらを独立に作動させる
   ための操縦ハンドル５，１１を前部位置に各一つ
   並設せしめるのほか前輪２を転向操作するための
   操向装置１は操縦ハンドル５を任意の一定方向へ
   回転操作すると車体が前記一定方向とは逆方向に
   転向するものとなる構成で、且つ後輪４を転向操
   作するための操向装置３は操縦ハンドル１１を任
   意の一定方向に回転操作すると車体が前記一定方
   向と同一方向若しくは逆方向に転向するものとな
   る構成と成さしめてあることを特徴としたゴー・
   カート。