JPH0520425B2 - - Google Patents

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JPH0520425B2
JPH0520425B2 JP58092941A JP9294183A JPH0520425B2 JP H0520425 B2 JPH0520425 B2 JP H0520425B2 JP 58092941 A JP58092941 A JP 58092941A JP 9294183 A JP9294183 A JP 9294183A JP H0520425 B2 JPH0520425 B2 JP H0520425B2
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JP
Japan
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threo
serine
racemic
dihydroxyphenyl
phthaloyl
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JP58092941A
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JPS59216858A (ja
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Naohito Oohashi
Shoji Nagata
Kikuo Ishizumi
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
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Priority to ES532710A priority patent/ES8601100A1/es
Priority to DE8484303513T priority patent/DE3468679D1/de
Priority to AT84303513T priority patent/ATE31917T1/de
Priority to EP84303513A priority patent/EP0128684B1/en
Priority to US06/614,246 priority patent/US4562263A/en
Publication of JPS59216858A publication Critical patent/JPS59216858A/ja
Publication of JPH0520425B2 publication Critical patent/JPH0520425B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は式〔〕 (式はラセミ体または光学活性体を表わし、※
は不斉炭素を示す。) で表わされるラセミまたは光学活性スレオ−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンの製造
方法に関する。
更に詳しくは一般式〔〕 (式はラセミ体または光学活性体を表わし、※
は不斉炭素を示す。R1およびR2は、各々水素原
子またはメチル基を意味するか、またはR1とR2
とでメチレン基を意味する。ただし、R1および
R2は同時には水素原子を意味しない。) で表わされるラセミまたは光学活性−スレオ−N
−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエ
ニル)セリン誘導体がラセミ体である場合には、
必要に応じ、エフエドリン、シンコニジン、2−
アミノ−1,1−ジフエニルプロパノールから選
ばれる光学活性なアミンの1つを作用させること
により、光学分割操作を行なつて、前記一般式
〔〕で表わされる光学活性−スレオ−N−フタ
ロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン誘導体を得、前記一般式〔〕で表わされ
るラセミ又は光学活性−スレオ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
誘導体をルイス酸で処理し、 式〔〕 (式はラセミ体または光学活性体を表わし、※
は前記と同じ意味を示す。) で表わされるラセミ又は光学活性−スレオ−N−
フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニ
ル)セリンを得、これがラセミ体である場合に
は、必要に応じシンコニン、シンコニジン、キニ
ン、エフエドリン、2−アミノ−1,1−ジフエ
ニルプロパノールから選ばれる光学活性なアミン
の1つを作用させることにより光学分割操作を行
つて前記式〔〕で表わされる光学活性スレオ−
N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)セリンを得、前記式〔〕で表わされる
ラセミ又は光学活性−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンを
脱フタロイル化反応に付すことにより前記式
〔〕で表わされるラセミまたは光学活性−スレ
オ−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリ
ンを製造する方法に関する。
本発明方法により得ることができるラセミ及び
光学活性−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシ
フエニル)セリン〔〕(以下DOPSと略称する)
は、末梢性起立性低血圧症の治療剤(特開昭56−
104815号公報)、抗うつ剤(特開昭55−20747号公
報)、あるいはパーキンソン病治療剤(特開昭58
−52219号公報)として有用であることが知られ
ている医薬品である。
従来、ラセミまたは光学活性−DOPSの製造方
法としては、一般式〔〕 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を示
す。) で表わされるアルデヒド誘導体を出発原料とする
方法が知られている。
すなわち、上記一般式〔〕で表わされる化合
物、例えばバニリン、ベラトリルアルデヒドまた
はピペロナールを出発原料として用い、カテコー
ル部分の保護基であるメチル基またはメチレン基
を除去することによつて式〔〕 で表わされるプロトカテキユアルデヒドを得た
後、改めてカテコール部分をエトキシカルボニル
基またはベンジル基で保護して式〔〕 〔式中、R3はエトキシカルボニル基またはベ
ンジル基を意味する。〕 で表わされるベンズアルデヒド誘導体とし、この
ベンズアルデヒド誘導体をグリシンまたはグリシ
ン誘導体と縮合させて、スレオおよびエリスロー
3−((3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘
導体の混合物を得、必要に応じ光学分割操作を経
て保護基を除去することにより、ラセミまたは光
学活性−DOPSを製造するという方法が用いられ
ている。〔Chem.Ber.,52,1724(1919);J.Chem.
Soc.,658(1947);Chem.Ber.,87,892(1954);
J.Am.Chem.Soc.,76,1322(1954);Helv.Chim.
Acta.,58,157(1975)〕 すなわちDOPSを製造するにあたり、原料化合
物となるベンズアルデヒド誘導体のカテコール部
分の保護基の変更という煩雑な操作を必要とする
欠点がある。
かかる情況下、本発明者らはカテコール部分の
保護基の変更を必要としないラセミ及び光学活性
−DOPSの製造方法を鋭意検討した。
その結果、前記一般式〔)で表わされる化合
物、例えばバニリン、ベラトリルアルデヒドまた
はピペロナールのメチル基またはメチレン基をカ
テコールの保護基としてそのまま用いるという本
発明方法を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明方法は 前記一般式〔〕で示されるアルデヒド誘導
体、例えばバニリン、ベラトリルアルデヒド、
ピペロナール等のメチル基またはメチレン基を
除去することなく、そのまま用いて得られる一
般式〔〕 (ラセミ体または光学活性体を表わし、※,
R1およびR2は前記と同じ意味を示す。) で表わされるラセミまたは光学活性−スレオ−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘導
体をフタロイル化剤と反応させることにより、前
記一般式〔〕で表わされるラセミまたは光学活
性−スレオ−N−フタロイル−3−(3,4−ジ
ヒドロキシフエニル)セリン誘導体が収率良く得
られる。
ラセミまたは光学活性−スレオ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン誘導体〔〕をルイス酸で処理すると、
カルボキシル基、ヒドロキシル基、イミド基が
同一分子内に存在するにもかかわらず、カテコ
ール部分のメチル基またはメチレン基だけが除
去できる。
ラセミまたは光学活性−スレオ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン〔)をヒドラジンと処理すると、収率
良く、対応するラセミまたは光学活性−DOPS
が得られる。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘導体
〔〕及びラセミ−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
〔〕は工業的に利用可能である光学活性なア
ミンを光学分割剤に用いて、光学分割すること
ができ、対応する化合物を各々光学活性体(D
体またはL体)として得ることができる。
という知見を得、完成されたものである。かかる
本発明は、工業的、かつ経済的な光学活性DOPS
の製造方法を提供するものである。
以下に、本発明方法についてさらに詳細に説明
する。
ラセミ又は光学活性−スレオ−3−(3,4−
ジヒドロキシフエニル)セリン誘導体〔〕を無
水フタル酸、N−エトキシカルボニルフタルイミ
ド等のフタロイル化剤で処理することによりラセ
ミ又は光学活性−スレオ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘導体
〔〕が得られる。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘導体〔〕
を光学分割により光学活性体として得るには、ラ
セミ体にエフエドリン、シンコニジン、2−アミ
ノ−1,1−ジフエニルプロパノールから選ばれ
る光学活性アミンの1つを作用させてDおよびL
−スレオ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒ
ドロキシフエニル)セリン誘導体のアミン塩と
し、溶解度の差を利用してD−スレオ−N−フタ
ロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン誘導体のアミン塩とL−スレオ−N−フタ
ロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン誘導体のアミン塩とに分別し、しかる後に
それぞれの塩に酸を作用させることにより得るこ
とができる。
ラセミまたは光学活性スレオ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
誘導体〔〕から対応するスレオ−N−フタロイ
ル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリ
ン〔〕を得るという方法は今まで全く知られて
いない。
一般的にカテコール部分にメチル基又はメチレ
ン基をもつ化合物からメチル基、メチレン基を除
きカテコール基とする方法については種々知られ
てはいるが、同時にアミノ基やカルボキシル基を
有する化合物の例として3−(3,4−メチレン
ジオキシフエニル)アラニンあるいはこれのN−
アセチル誘導体を赤リンの存在下、ヨウ化水素酸
と無水酢酸により処理し、3−(3,4−ジヒド
ロキシフエニル)アラニンを得た例(Chem.
Pharm.Bull.,10,693(1962))、2−メチル−3
−(3,4−ジメトキシフエニル)アラニンを
47.5%臭化水素酸にて還流下処理し2−メチル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)アラニン
を得た例(J.Amer.Chem.Soc.,77,700(1955))
が知られているが、これらの条件は本発明方法の
カテコール部分の脱メチル基反応または脱メチレ
ン基反応には適用できなかつた。
本発明者らは、メトキシ基またはメチレンジオ
キシ基の他にヒドロキシル基、イミド基、カルボ
キシル基を有するラセミまたは光学活性スレオ−
N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)セリン誘導体〔〕から対応するラセミ
または光学活性スレオ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン〔〕
に変換する方法を鋭意検討した所、ルイス酸によ
り緩和な条件下処理する事で目的を達することが
できる事を見出した。この反応ではルイス酸の他
にメルカプタン類を加えることが好ましい。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン〔〕は光学
活性アミンを用いた光学分割操作により光学活性
(D及びL)−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン〔〕とする
ことができる。
即ち、ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン〔〕
に、シンコニジン、シンコニン、キニン、エフエ
ドリン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプロパ
ノールから選ばれる光学活性なアミンの1つを作
用させDおよびL−スレオ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンのア
ミン塩とし、溶解度の差を利用して、D−スレオ
−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシ
フエニル)セリンのアミン塩とL−スレオ−N−
フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニ
ル)セリンのアミン塩に分別し、しかる後にそれ
ぞれの塩に酸を作用させ、光学活性−スレオ−N
−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエ
ニル)セリンを製造することができる。
ラセミまたは光学活性スレオ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
〔〕から光学活性DCPS〔〕を製造する方法
は、通常の、ヒドラジン等を用いる脱フタロイル
化反応にて実施すれば良い。
上述したことをまとめて反応工程式で示すと次
のようになる。
〔〕(ラセミ体) 〔〕(光学活性体) ↓A工程 ↓B工程 〔〕(ラセミ体)C工程 ―――→ 〔〕(光学活性体) ↓D工程 E工程 〔〕(ラセミ体)F工程 ―――→ 〔〕(光学活性体) ↓G工程 ↓H工程 〔〕(ラセミ体) 〔〕(光学活性体) 以下に各工程について説明する。
(1) A工程及びB工程 A工程及びB工程は原料化合物がラセミ体であ
るか、光学活性体であるかの違いであり反応は全
く同じである。
スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン誘導体〔〕(ラセミ体または光学活性体)
を無水フタル酸、N−カルボエトキシフタールイ
ミド等のフタロイル化剤と反応させることにより
スレオ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒド
ロキシフエニル)セリン誘導体〔〕((ラセミ体
または光学活性体)を得ることができる。この反
応では、一般的にα−アミノ酸のアミノ基をフタ
ロイル化する時に用いらるモル比、溶媒、反応温
度、反応時間等の反応条件を用いて実施すれば良
い。
(2) C工程 この工程はラセミ−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘
導体〔〕(ラセミ体)を光学分割操作に付し、
光学活性(D及びL)−スレオ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
誘導体〔〕(光学活性体)を得る工程である。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘導体〔〕
(ラセミ体)をエフエドリン、シンコニジン、2
−アミノ−1,1−ジフエニルプロパノールから
選ばれる光学活性アミンの1つを用いて適当な溶
媒中で反応させてDおよびL−スレオ−N−フタ
ロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン誘導体と光学活性アミンとの塩とし、溶解
度の差を利用してD−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘
導体の光学活性アミン塩と、L−スレオ−N−フ
タロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン誘導体の光学活性アミン塩とに分別し、し
かる後にそれぞれの塩に酸を作用させて塩を分解
する方法で行なわれる。
塩を形成し分別する温度としては0〜80℃で行
う事ができるが、溶媒の沸点付近まで加温した後
0〜30℃まで冷却する事もできる。塩を形成する
時間は数分間で充分であるが、数時間をかけても
良く制限はない。
光学活性アミンはラセミ−スレオ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セ
リン誘導体〔〕(ラセミ体)に対し0.5〜1倍モ
ル用いて実施する事ができる。
上記塩の形成、分別に用いる溶媒としては、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、
水及びこれらの混合溶媒を好ましい例として挙げ
ることができる。
得られた光学活性−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘
導体〔〕(光学活性体)の光学活性アミンとの
塩に酸性水溶液を加えることにより、塩を分解
し、有機溶媒により抽出することにより光学活性
−スレオ−N−カルボベンゾキシ−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリン誘導体〔〕
(光学活性体)を得ることができる。
この酸性水溶液の酸としては塩酸、硫酸、リン
酸等の鉱酸が挙げられ、その使用量は塩に対し1
〜10倍モル用いることができる。
抽出に用いる有機溶媒としては、酢酸エチル、
クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタ
ン、ジエチルエーテル等を挙げることができる。
(3) D工程及びE工程 D工程及びE工程は原料化合物がラセミ体であ
るか、光学活性体であるかの違いであり反応は全
く同じである。
ラセミまたは光学活性−スレオ−N−フタロイ
ル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリ
ン誘導体〔〕(ラセミ体または光学活性体)を
適当な溶媒中ルイス酸で処理すると、対応するラ
セミまたは光学活性−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
〔〕(ラセミ体または光学活性体)が得られる。
ルイス酸としては塩化アルミニウム、臭化アル
ミニウム、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化ホウ
素、臭化ホウ素等を好ましい例として挙げること
ができ、又ルイス酸とジメチルスルフイドとのコ
ンプレツクスをルイス酸として用いても良い。ル
イス酸はスレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)セリン誘導体〔〕に対し1〜20倍モ
ル、好ましくは2〜10倍モル使用することにより
実施することができる。好ましい結果を得るため
に反応液にルイス酸の他に、メチルメルカプタ
ン、エチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、
オクチールメルカプタン、ドデカニルメルカプタ
ン、オクデカニルメルカプタン等の炭素数1〜20
のメルカプタン類をルイス酸に対し1〜5倍モル
加えてもよい。
反応溶媒としては反応の進行を妨げる溶媒以外
は何を用いても良いが、好ましい溶媒としては、
ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、クロロベンゼン等のハロゲン化アルキル系溶
媒、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
媒、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼ
ン等のニトロ化炭化水素系溶媒、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のアセトン系溶媒、ピリジン
等、またはこれらの混合溶媒を挙げることができ
る。
反応温度は−40〜80℃の範囲で実施することが
できるが、−10〜30℃で実施するのが好ましい。
反応は10分から4時間の範囲で完結するが反応
時間が長くなつても良い。
(4) F工程 ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン〔〕(ラセ
ミ体)から光学活性−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
〔〕(光学活性体)を得るにはラセミ−スレオ−
N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)〔〕(ラセミ体)に、シンコニジン、シ
ンコニン、キニン、エフエドリン、2−アミノ−
1,1−ジフエニルプロパノールから選ばれる光
学活性なアミンの1つを作用させDおよびL−ス
レオ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリンのアミン塩とし、溶解度の
差を利用して、D−スレオ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンのア
ミン塩とL−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリンのアミン塩に
分別し、しかる後にそれぞれの塩に酸を作用させ
る事により光学活性−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
〔〕(光学活性体)を製造することができる。
この光学分割における条件は光学分割剤として
用いる光学活性なアミン以外はラセミ−スレオ−
N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)セリン誘導体〔〕(ラセミ体)の光学
分割にて用いたモル比、溶媒、温度、時間及び塩
分解条件と同様の条件を用い実施すれば良い。
(5) G工程及びH工程 G工程及びH工程は原料化合物がラセミ体であ
るか、光学活性体であるかの違いであり反応は全
く同じである。
ラセミまたは光学活性スレオ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
〔〕(ラセミ体または光学活性体)をヒドラジン
と反応させることにより対応するラセミまたは光
学活性DOPSを得ることができる。
ヒドラジンは無水物、水和物いずれも用いるこ
とができ、スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン〔〕に対
し、1〜20倍モル、好ましくは2〜5倍モル用い
て実施すれば良い。溶媒としては水、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、1,2−
ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒及
びこれらの混合溶媒を用いることができる。反応
は室温でも進行するが、反応を加速する為に溶媒
の沸点まで加温しても良い。
ところで、本発明方法に含まれる化合物の内式
〔〕および〔〕で示される化合物はすべて新
規であり、本発明者らにより初めて合成され、
DOPS合成中間体としての有用性が示されたもの
である。
又、一般式〔〕で示される化合物の内でR1
が水素原子、かつR2がメチル基である化合物は
ラセミ体、光学活性体共に公知(米国特許第
3723514号)であり、一般式〔〕でR1とR2が共
にメチル基である化合物及びR1とR2がメチレン
基を表わす化合物も、既に知られている(薬学雑
67,218(1947);Can.J.Chem.42,1901(1964),
Z.Naturforsch.,30c.538(1975)Texas
Bepts.,Biol.and Med.,13,195(1955))が、
スレオ、エリスロの立体については全く不明であ
り、本発明者らによつてスレオ体として立体が明
らかにされ、単離されたものである。
即ち、一般式〔〕で表わされる化合物の内
R1とR2でメチレン基を表わす化合物のラセミ体
は、グリシンとピペロナールとを水酸化カリウム
等の無機塩基の存在下、メタノール等の有機溶媒
の中で反応させた後、反応液に水と酢酸を添加し
反応中間体を分解させた後トルエン等の有機溶媒
を加え、有機層にピペロナールを移行させると共
にラセミ−スレオ−3−(3,4−メチレンジオ
キシフエニル)セリンの酢酸塩が析出し、この塩
を取した後、水から再結晶することにより得る
ことができ、光学活性体は、上記酢酸塩をカルボ
ベンゾキシクロリドと反応させ、ラセミ−スレオ
−N−カルボベンゾキシ−3−(3,4−メチレ
ンジオキシフエニル)セリンを得た後光学分割操
作を行い、続いて接触還元を行つて得ることがで
きる。(特願昭57−99786号) 一般式〔〕で表わされる化合物の内R1とR2
が共にメチル基である化合物のラセミ体、光学活
性共、上記と同様の方法にて得ることができる。
以下に実施例および参考例を挙げ本発明方法を
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
参考例 1 ラセミ−スレオ−3−(3,4−メチレンジオ
キシフエニル)セリン20g、無水炭酸ナトリウム
11.31gを水200mlに溶解し、この溶液にN−カル
ボエトキシフタルイミド27.28gを5℃以下で加
えた。
この混合物を室温で3時間撹拌した後濃塩酸を
加え弱酸性とした。析出した結晶を取してラセ
ミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,4−メ
チレンジオキシフエニル)セリン30.68g、
mp124℃を得た。
実施例 1 上記参考例1で得たラセミ−スレオ−N−フ
タロイル−3−(3,4−メチレンジオキシフ
エニル)セリン30g、エチルメルカプタン45
ml、乾燥ジクロロメタン900mlの溶液を−10〜
0℃に冷却し、無水塩化アルミニウム67.5gを
加え−10〜0℃にて4時間撹拌した。この混合
物を5%シユウ酸水600ml中に20℃以下で滴下、
その後30〜40℃として30分撹拌した。さらに室
温として30分撹拌して析出した結晶を取し、
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン22.0g、
mp130〜132℃を得た。
上記で得たラセミ−スレオ−N−フタロイ
ル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セ
リン20.6gをエタノール200mlに溶解しこの溶
液に抱水ヒドラジン4.5gを加え2時間加熱還
流した。この反応液を減圧下濃縮し、残渣にメ
タノール200mlを加えた後、濃塩酸にてPH≒1
とした。30分撹拌後、不溶物を去し、過母
液を30%水酸化ナトリウム水溶液でPH=5.5〜
6に調整し、析出した結晶を取することによ
り、ラセミ−スレオ−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリンmp222〜224℃、10.5g
を得た。
参考例 2 ラセミ−スレオ−3−(3,4−メチレンジ
オキシフエニル)セリン59.0gを5℃以下で水
酸化ナトリウム20gを含む水溶液800mlに加え、
溶解後5℃以下でカルボベンゾキシクロリド
47.0gを滴下した。同時に30%水酸化ナトリウ
ムを滴下し、PH8.5〜9.5になる様に調節した。
2時間後、濃塩酸水にてPH≒2とし酢酸エチル
にて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫
酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧下留去し
た。残渣をトルエンにて結晶化し、結晶を取
することによりラセミ−スレオ−N−カルボベ
ンゾキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフ
エニル)セリン89.0gを得た。
mp136〜138℃ このラセミ−スレオ−N−カルボベンゾキシ−
3−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリ
ン50.0gをアセトニトリル500mlに溶解し、キニ
ジン45.1gを加え均一な溶液とした。氷水にて5
時間冷却し、析出晶を取してL−スレオ−N−
カルボベンゾキシ−3−(3,4−メチレンジオ
キシフエニル)セリン・キニジン塩45.0gを得
た。
mp161〜163℃ 〔α〕20 D+119.5゜(c=1.0、メタノール)上記塩
の一部36.0gをメタノールにて2回再結晶して塩
26.4g(mp162〜163.5℃、〔α〕20 D+122.6゜(c=
1.0、メタノール))を得た後、この塩24.0gに3
%塩酸水を加え、酢酸エチルにて抽出して、無定
形粉末としてL−スレオ−N−カルボベンゾキシ
−3−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セ
リン10.8gを得た。
〔α〕20 D−28.1゜(c=1.0、メタノール) このL−スレオ−N−カルボベンゾキシ−3−
(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリン
10.16gをメタノール880mlに溶解後10%pd−c
(50%含水)1.04gと水10.16gを加えて常圧にて
接触還元を行つた。水素をもはや吸収しなくなつ
てから濃塩酸4.0gを加えて撹拌後不溶物を去
し母液を30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒
5.5とした。析出晶を取して続いて水から再結
晶してL−スレオ−3−(3,4−メチレンジオ
キシフエニル)セリン4.16g、mp196〜198℃
(分解)、 〔α〕25 D−31.3゜(c=1.0、N−HCl) を得た。
上記で得たL−スレオ−3−(3,4−メ
チレンジオキシフエニル)セリン4.0g、無水
炭酸ナトリウム2.25gを水50mlに溶解し、この
溶液にN−カルボエトキシフタルイミド5.45g
を5℃以下で加えた。この混合物を室温で3時
間撹拌した後、水50mlを加えさらに濃塩酸にて
弱酸性とした。析出した結晶を取してL−ス
レオ−N−フタロイル−3−(3,4−メチレ
ンジオキシフエニル)セリン5.95gを得た。
この結晶を2.5gを酢酸エチルより再塩してL
−スレオ−N−フタロイル−3−(3,4−メチ
レンジオキシフエニル)セリン1.15g、mp119〜
124℃、〔α〕20 D−96.1゜(c=1、メタノール)を得
た。
実施例 2 上記参考例2で得たL−スレオ−N−フタロ
イル−3−(3,4−メチレンジオキシフエニ
ル)セリン1.0gと、エチルメルカプタン1.5
ml、乾燥ジクロルメタン30mlの溶液を−10〜0
℃に冷却し、無水塩化アルミニウム2.25gを加
え−10〜0℃にて4時間撹拌した。この混合物
を5%シユウ酸水20ml中に20℃以下で滴下、そ
の後30〜40℃として30分撹拌した。さらに室温
として30分撹拌して析出した結晶を取するこ
とにより、L−スレオ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン0.76
g、mp205〜208℃、 〔α〕20 D−91.0゜(c=1、メタノール)を得
た。
上記で得たL−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
0.52gをメタノール5mlに溶解し、この溶液に
抱水ヒドラジン0.11gを加え2時間加熱還流し
た。この反応液を減圧下濃縮し残渣にメタノー
ル4mlを加え濃塩酸にてPH1として30分撹拌
後、不溶物を去し、過母液をN−塩酸にて
PH5.6に調整して析出した結晶を取すること
により、L−スレオ−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリンmp223〜226℃、0.36g、
〔α〕20 D−37.4゜(c=1、N−塩酸)を得た。
実施例 3 参考例1と同様の反応で得たラセミ−スレオ
−N−フタロイル−3−(3,4−メチレンジ
オキシフエニル)セリン15.0gをエタノール
150mlに溶解後、S−2−アミノ−1,1−ジ
フエニル−1−プロパノール9.6gを加え、溶
解させた。この溶液を室温にて15時間放置後析
出晶を取しL−スレオ−N−フタロイル−3
−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリ
ン・S−2−アミノ−1,1−ジフエニル−1
−プロパノール塩9.9g、mp113−125℃、〔α〕
20 D−24.1゜(c=1.0、メタノール)を得た。
この塩6.0gに1N−塩酸水26mlを加え室温に
て2時間撹拌した。析出した結晶を取し、L
−スレオ−N−フタロイル−3−(3,4−メ
チレンジオキシフエニル)セリン4.18g、
mp90〜100℃、〔α〕20 D−87.2゜(c=1.0、メタノ
ール)を得た。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−メチレンジオキシフエニル)セリン0.5g
をジオキサン5mlに溶解させ、シンコニジン
0.41gを加え溶解させた。室温にて48時間放置
後析出した結晶を取し、L−スレオ−N−フ
タロイル−3−(3,4−メチレンジオキシフ
エニル)セリン・シンコニジン塩0.12g、
mp202〜207℃、〔α〕20 D−81.4゜(c=1、メタノ
ール)を得た。この塩の一部をN−塩酸10mlに
加え酢酸エチル20mlで2回抽出し酢酸エチル層
は無水芒硝で乾燥後酢酸エチルを留去するとL
−スレオ−N−フタロイル−3−(3,4−メ
チレンジオキシフエニル)セリンmp118〜123
℃、〔α〕20 D−32.7゜(c=1、メタノール)を得
た。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−メチレンジオキシフエニル)セリン0.5g
をアセトニトリル5mlに溶解させ、エフエドリ
ン0.23gを加え溶解させ。室温にて15時間放置
後析出した結晶を取しD−スレオ−N−フタ
ロイル−3−(3,4−メチレンジオキシフエ
ニル)セリン・エフエドリン塩0.25g、mp178
〜182℃、〔α〕20 D+42.0゜(c=1.0、メタノール)
を得た。この塩の一部を上記と同様に分解す
るとD−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−メチレンジオキシフエニル)セリンmp120
〜124℃、〔α〕20 D+72.7゜(c=1、メタノール)
を得た。
上記で得たL−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セ
リン3g、エチルメルカプタン4.5ml、乾燥ジ
クロルメタン90mlの溶液を−10〜0℃に冷却
し、無水塩化アルミニウム6.75gを加え、−10
〜0℃にて4時間撹拌した。この混合物を5%
シユウ酸水60ml中に20℃以下で滴下、その後30
〜40℃として30分撹拌した。さらに室温として
30分撹拌して析出した結晶を取すると、L−
スレオ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒ
ドロキシフエニル)セリン2.24g、mp200〜
208℃、〔α〕20 D−90.2゜(c=1、メタノール)を
得た。
上記で得たL−スレオ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
2.06gをエタノール20mlに溶解し、この溶液に
抱水ヒドラジン0.45gを加え2時間加熱還流し
た。この反応液を減圧下濃縮し残渣にメタノー
ル200mlを加え濃塩酸にてPH1として30分撹拌
後、不溶物を去し、過母液を30%水酸化ナ
トリウム水溶液にてPH5.6に調整して析出した
結晶を取するとL−スレオ−3−(3,4−
ジヒドロキシフエニル)セリン、mp223〜225
℃、1.07g、〔α〕20 D−37.4゜(c=1、N−塩酸)
を得た。
実施例 4 実施例1−と同様の反応で得たラセミ−ス
レオ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒド
ロキシフエニル)セリン0.5gをメタノール5
mlに溶解させ、キニン0.46gを加え溶解させ
た。室温にて15時間放置後析出した結晶を取
し、D−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン・キニン塩
0.41g、mp180〜185℃、〔α〕20 D−82.7゜(c=1、
メタノール)を得た。この塩の一部を実施例3
−と同様に分解するとD−スレオ−N−フタ
ロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリンmp175℃(分解)、〔α〕20 D−32.1゜(c=
1、メタノール)を得た。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン0.5gをメ
タノール5mlに溶解させ、シンコニジン0.43g
を加え溶解させた。室温にて5時間放置後析出
した結晶を取し、D−スレオ−N−フタロイ
ル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セ
リン・シンコニジン塩0.28g、mp165〜172℃、
〔α〕20 D−41.2゜(c=1、メタノール)を得た。
この塩の一部を実施例3−と同様に分解する
とD−スレオ−N−フタロイル−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリンmp180℃(分
解)、〔α〕20 D+44.7゜(c=1、メタノール)を得
た。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン0.5gをジ
オキサン5mlに溶解させ、シンコニン0.43gを
加え溶解させた。室温にて5時間放置後析出し
た結晶を取し、D−スレオ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリ
ン・シンコニン塩0.29g、mp154〜163℃、
〔α〕20 D+117.3゜(c=1、メタノール)を得た。
この塩の一部を実施例3−と同様に分解する
とD−スレオ−N−フタロイル−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリンmp185℃(分
解)、〔α〕20 D+61.9゜(c=1、メタノール)を得
た。
ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリン0.5gをエ
タノール5mlに溶解させ、エフエドリン0.24g
を加え、溶解させた。0〜5℃にて15時間放置
後析出した結晶を取しD−スレオ−N−フタ
ロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン・エフエドリン塩0.3g、mp139℃(分
解)、〔α〕20 D−15.2゜(c=1、メタノール)を得
た。
参考例 3 水酸化カリウム55g、メタノール1040mlの溶
液にグリシン29.7gを加え溶解さした。これに
ベラトリルアルデヒド144.5gを加え62〜65℃
で30分撹拌した後濃縮した。この残渣にメタノ
ール285mlを加え溶解し、さらに酢酸725gを加
え40〜45℃で30分撹拌した。その後水120g、
トルエン900gを加え40〜45℃で2時間撹拌し
た。この反応液は分液し、酢酸を含む水層はト
ルエン300ml、ジエチルエーテル300mlの混液で
洗浄した後15時間放置した後析出した結晶を
取するとラセミ−スレオ/エリスロ−3−(3,
4−ジメトキシフエニル)セリン(スレオ/エ
リスロ=7/3)21.72g、mp182℃(分解)
を得た。この結晶20gを水100mlより再結晶し
てラセミ−スレオ−3−(3,4−ジメトキシ
フエニル)セリン6.g、mp190℃(分解)を得
た。
IR;νNujol(cm-1)3360,3150,1660,1600,
1510,1340,1240,1150,1020 NMR;δTMS DMSO−d6(ppm)3.39(d,1H),
3.75(s,3H),3.77(s,3H),5.05
(d,1H)6.7〜7.1(m,3H) 上記で得たラセミ−スレオ−3−(3,4
−ジメトキシフエニル)セリン5.0g、無水炭
酸ナトリウム2.3gを水50mlに溶解し、この溶
液にN−カルボエトキシフタルイミド5.13gを
5℃以下で加えた。
この混合物を室温で15時間撹拌した後水200ml
を加える。さらに濃塩酸を加え弱酸性とした後析
出した結晶を取してラセミ−スレオ−N−フタ
ロイル−3−(3,4−ジメトキシフエニル)セ
リン5.34g、mp97℃(分解)を得た。
実施例 5 上記参考例3で得たラセミ−スレオ−N−フ
タロイル−3−(3,4−ジメトキシフエニル)
セリン0.5gとエチルメルカプタン0.75ml、乾
燥ジクロロメタン15mlの混合物中に5℃以下に
て無水臭化アルミニウム1.44gを加え室温にて
2時間撹拌後、エチルメルカプタン0.75ml、無
水臭化アルミニウム1.44gを追加して室温にて
72時間撹拌した。この混合物を5%シユウ酸水
50ml中に20℃以下で滴下した後、酢酸エチル50
mlで3回抽出を行ない、酢酸エチル層を合わせ
て飽和食塩水5mlで3回洗浄した。
この酢酸エチル層は無水芒硝で乾燥後酢酸エ
チルを留去し、残渣をジエチルエーテルより結
晶化し、ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン0.3
g、mp128−132℃を得た。
上記で得たラセミ−スレオ−N−フタロイ
ル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セ
リン0.21gをエタノール2に溶解し、この溶液
に抱水ヒドラジン0.045gを加え2時間加熱還
流した。この反応液を減圧下濃縮し残渣にメタ
ノール2mlを加え濃塩酸にてPH1として30分撹
拌後、不溶物を去し過母液を30%水酸化ナ
トリウム水溶液でPH5.5〜6に調整して析出し
た結晶を取するとラセミ−スレオ−3−(3,
4−ジヒドロキシフエニル)セリンmp222〜
225℃、0.1gを得た。
参考例 4 ラセミ−スレオ/エリスロ−3−(3−ヒドロ
キシ−3−メトキシフエニル)セリン5.0g(ス
レオ/エリスロ≒3/2)、無水炭酸ナトリウム
2.8gを水50mlに溶解し、この溶液にN−カルボ
エトキシフタルイミド6.75gを5℃以下で加え
た。この混合物を室温で3時間撹拌した後濃塩酸
を加え弱酸性とした後、酢酸エチル500mlで3回
抽出した。この酢酸エチル層は無水芒硝で乾燥
後、酢酸エチルを留去するとラセミ−スレオ/エ
リスロ−N−フタロイル−3−(3−ヒドロキシ
−4−メトキシフエニル)セリン12.1gを油状物
として得た。
この一部をシリカゲルクロマトで分離・精製す
る事によつてラセミ−スレオ−N−フタロイル−
3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフエニル)
セリンを油状物として得た。NMRδTMSCDCl3
(ppm)3.6−(s,3H)4.9(d,1H)5.22−(d,
1H)6.6〜7.0−(m,3H)7.92−(s,5H)又同
様にシリカゲルクロマトの分離・精製によつてラ
セミ−エリスロ−N−フタロイル−3−(4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシフエニル)セリンも油状
物として得た。NMR,δTMS CDCl3(ppm)3.6(s,
3H)4.7(d,1H)5.28(d,1H,),6.4〜6.8(m,
3H)7.8(s,5H) 実施例 6 上記参考例4で得たラセミ−スレオ−N−フ
タロイル−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキ
シフエニル)セリン1.0g、n−オクチルメル
カプタン3.5ml乾燥ジクロロメタン150mlの混合
物中に5℃以下にて無水塩化アルミニウム1.4
gを加えた。室温にて15時間撹拌の後、無水臭
化アルミニウム2.1g、n−オクチルメルカプ
タン3.5mlを加えた。そして15時間撹拌後さら
に無水臭化アルミニウム2.1g、n−オクチル
メルカプタン3.5mlを加え40時間撹拌した。こ
の混合物を5%シユウ酸水200ml中に20℃以下
で滴下した。酢酸エチルで抽出し、無水芒硝で
乾燥後酢酸エチルを留去し残渣をジエチルエー
テルより結晶化取してラセミ−スレオ−N−
フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエ
ニル)セリン0.14g、mp122〜132℃を得た。
上記で得た。ラセミ−スレオ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン0.11gをエタノール1mlに溶解し、この
溶液に抱水ヒドラジン0.023gを加え2時間加
熱還流した。この反応液を減圧下濃縮し残渣に
メタノール1mlを加え濃塩酸にてPH1として30
分撹拌後不溶物を去し過母液を30%水酸化
ナトリウム水溶液でPH5.5〜6に調整して析出
した結晶を取するとラセミ−スレオ−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
mp222〜224℃、0.05gを得た。
参考例 5 ラセミおよびスレオ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンの標
品の合成 ラセミ−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキ
シフエニル)セリン20g、無水炭酸ナトリウム
11.94gを水200mlに溶解し、この溶液にN−カ
ルボエトキシフタルイミド28.8gを5℃以下で
加えた。この混合物を室温で15時間撹拌した後
不溶物を去し、母液を濃塩酸にて弱酸性とし
た後酢酸エチル1000mlで3回抽出した。この酢
酸エチル層は無水芒硝で乾燥後酢酸エチルを留
去し、残渣をジエチルエーテルにて結晶化後
取し、ラセミ−スレオ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン20.9
g、mp131℃(分解)を得た。
L−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)セリン10g、無水炭酸ナトリウム5.97
gを水100mlに溶解し、この溶液にN−カルボ
エトキシフタルイミド14.4gを5℃以下で加え
た。この混合物を室温で3時間撹拌した後水
100mlを加えさらに濃塩酸を加えて弱酸性とし
た後酢酸エチル500mlで3回抽出した。この酢
酸エチル層は無水芒硝で乾燥後酢酸エチルを留
去し、残渣10.5gを得、これをジエチルエーテ
ルにて結晶化して、L−スレオ−N−フタロイ
ル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セ
リン6.0g、mp187℃(分解)、〔α〕20 D−99.9゜(c
=1、メタノール)を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式〔〕 (式はラセミ体または光学活性体を表わし、※
    は不斉炭素を示す。R1およびR2は、各々水素原
    子またはメチル基を意味するか、またはR1とR2
    とでメチレン基を意味する。ただし、R1および
    R2は同時には水素原子を意味しない。) で表わされるラセミまたは光学活性−スレオ−N
    −フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエ
    ニル)セリン誘導体をルイス酸で処理し、 式〔〕 (式はラセミ体または光学活性体を表わし、※
    は前記と同じ意味を示す。) で表わされるラセミまたは光学活性−スレオ−N
    −フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエ
    ニル)セリンを得、これがラセミ体であり、か
    つ、後記一般式〔〕が光学活性体である場合に
    は、シンコニン、シンコニジン、キニン、エフエ
    ドリン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプロパ
    ノールから選ばれる光学活性なアミンの1つを作
    用させることにより光学分割操作を行つて、前記
    式〔〕で表わされる光学活性−スレオ−N−フ
    タロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
    セリンを得、次いで前記式〔〕で表わされるラ
    セミ又は光学活性−スレオ−N−フタロイル−3
    −(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンをヒ
    ドラジンを用いて脱フタロイル化反応に付すこと
    を特徴とする式〔〕 (式はラセミ体及び光学活性体を表わし、※は
    前記と同じ意味を示す。) で表わされるラセミまたは光学活性−スレオ−3
    −(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンの製
    造方法。 2 エフエドリン、シンコニジン、2−アミノ−
    1,1−ジフエニルプロパノールから選ばれる光
    学活性アミンの1つを用いた光学分割操作で得ら
    れる前記一般式〔〕で表される光学活性−スレ
    オ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキ
    シフエニル)セリン誘導体を出発原料とする特許
    請求の範囲第1項記載の製造方法。
JP58092941A 1983-05-25 1983-05-25 スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンの製造法 Granted JPS59216858A (ja)

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