JPS6311348B2 - - Google Patents

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JPS6311348B2
JPS6311348B2 JP26930585A JP26930585A JPS6311348B2 JP S6311348 B2 JPS6311348 B2 JP S6311348B2 JP 26930585 A JP26930585 A JP 26930585A JP 26930585 A JP26930585 A JP 26930585A JP S6311348 B2 JPS6311348 B2 JP S6311348B2
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JP
Japan
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hydroxy
acid
threo
oxo
group
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JP26930585A
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JPS61178955A (ja
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Tadashi Shirai
Rinzo Nishizawa
Masao Suzuki
Tetsuyuki Saino
Hamao Umezawa
Takaaki Aoyanagi
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 制癌剤などとして有用なベスタチン及びその類
縁化合物などの製造に有用な中間体の製造法に関
するものである。 〔従来の技術〕 従来、たとえば(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フエニル酪酸誘導体は下図に示
すように (R)−フエニルアラニン(1)をベンジルオキシカ
ルボニル誘導体(2)にかえ、次いで3,5−ジメチ
ルピラゾールとジシクロヘキシルカルボジイミド
を用いて縮合させる。得られたベンジルオキシカ
ルボニル−(R)−フエニルアラニンの3,5−ジ
メチルピラゾリド(3)を水素化アルミニウムリチウ
ムで還元して、ベンジルオキシカルボニル−(R)
−フエニルアラニナール(4)にかえ、これに亜硫酸
水素ナトリウムを作用させてその付加物(5)を作
り、さらに青酸化合物を作用させて、シアンヒド
リン誘導体(6)に導く。これを酸で加水分解して
(2RS,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4
−フエニル酪酸(7)にかえ、再びベンジルオキシカ
ルボニル化して、(2RS,3R)−3−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フ
エニル酪酸(8)とし、これをブルシンを利用して分
別結晶し、(2S,3R)−3−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪
酸(9)として作られてきた。 〔本発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、この方法は実験室スケールで行
うには何ら障害はなく遂行できるが、大規模な生
産を考えた場合、非天然型のアミノ酸であり、非
常に高価な(R)−フエニルアラニンを原料とす
ることからくる経済的問題、非常に発火性の強い
水素化アルミニウムリチウムによる還元を−20℃
以下の低温で行うことからくる安全性および装置
的問題、シアンヒドリンを合成する際に猛毒な青
酸化合物を使用することからくる安全衛生上の問
題などがあり、大量生産には決して好ましい方法
とはいい難い。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで我々はこれらの欠点を有せず、大量生産
に適した方法はないかと鋭意研究した結果、本発
明を完成した。 即ち本発明は 一般式 (式中、R1は水素原子またはヒドロキシル基、
R2は保護されたアミノ基、R3は水素原子または
エステル残基を示す。) で表わされるスレオ−3−アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−オキソ−4−フエニル酪酸またはそのエ
ステルを還元し一般式 (式中R1、R2およびR3は前記と同じ。) で表わされるスレオ−3−アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−フエニル酪酸またはそのエステルを得る
ものである。 本発明の一般式()の化合物は一般式 (式中R1は水素原子またはヒドロキシル基、R2
は保護されたアミノ基を示す。) で表わされるアセトフエノン誘導体に一般式 (式中R3は水素原子またはエステル残基を示
す。) で表わされるグリオキシル酸またはそのエステル
を反応させることによつて得ることができる。 本発明で得られる一般式()の化合物から例
えば後記一般式()で示される最終化合物を得
るには、次のようにすればよい。 即ち、必要に応じて、一般式()の化合物の
アミノ保護基または(および)エステル残基の除
去、(b)光学分割し、分割剤と塩を形成していると
きは、分割剤の除去、または(および)(c)エステ
ル残基が残つている場合には、エステル残基の除
去の工程を行い、一般式 (式中R1は前記と同じ、R′2はアミノ基または保
護されたアミノ基を示す。) で表わされる(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒド
ロキシ−4−フエニル酪酸とし、次いで この(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ
−4−フエニル酪酸と一般式 (式中R4は炭素数3個ないし4個のアルキル基
あるいは3−グアニジノプロピル基を示す。) で表わされるアミノ酢酸を反応に関与しない官能
基は必要に応じて保護した後、ペプチド結合形成
の常法により縮合させ、次いで官能基の保護基を
除去することにより一般式 (式中R1およびR4は前記と同じ) で示される(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロ
キシ−4−フエニルブタノイルアミノ酢酸とする
ことができる。 本発明をさらに詳しく説明すれば、本発明の原
料である一般式()で表わされるアセトフエノ
ン誘導体において、R1はオルト位、パラ位また
はメタ位のいずれに置換していてもよく、また
R2の保護されたアミノ基におけるアミノ基の保
護基としてはホルミル基、アセチル基、クロルア
セチル基、ジクロルアセチル基、ブロムアセチル
基、2−クロルプロピオニル基、2−ブロムプロ
ピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基:メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソ
プロピルオキシカルボニル基、イソブチルオキシ
カルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、
t−アミルオキシカルボニル基、2,2,2−ト
リクロルエトキシカルボニル基、シクロベンチル
オキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカル
ボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メ
トキシベンジルオキシカルボニル基、p−ハロゲ
ノベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル基などのオキシカルボニル
基:カルバミル基、メチルカルバミル基、エチル
カルバミル基、プロピルカルバミル基、ブチルカ
ルバミル基、フエニルカルバミル基などのカルバ
ミル基およびフタリル基等があげられる。またこ
のアシル基、オキシカルボニル基、カルバミル基
およびフタリル基等の保護基中におけるアルキル
基、フエニル基、フエニレン基等は反応に支障を
与えない置換基を有していてもよい。 また一般式()で表わされる化合物における
R3のエステル残基の例としてはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシ
ル基などの炭素数1ないし6の低級アルキル基が
あげられ、この低級アルキル基は反応に支障を来
たさないフエニル、クロル等の置換基を有しても
よい。 本発明の原料として使用する一般式()のア
セトフエノン誘導体の一部は新規化合物である
が、公知化合物と同様一般式() (R1は前記に同じである。) で表わされるアセトフエノンを臭素化して得られ
る相当する臭化フエナシルにヘキサメチレンテト
ラミンを作用させ、次いでこれを加水分解して相
当するフエナシルアミンにかえ適当なアシル化剤
を反応させアミノ基をアシル化することによつて
合成される。 一般式()の化合物の代表的な例をあげれ
ば、N−(2−オキソ−2−フエニルエチル)ア
セタミド、N−(2−オキソ−2−フエニルエチ
ル)ベンズアミド、N−(2−オキソ−2−フエ
ニルエチル)フタルイミド、2−メトキシカルボ
ニルアミノアセトフエノン、2−t−ブチルオキ
シカルボニルアミノアセトフエノン、N−〔2−
オキソ−2−(4′−ヒドロキシフエニル)エチル〕
アセタミド、N−〔2−オキソ−2−(4′−ヒドロ
キシフエニル)エチル〕クロルアセタミド、2−
エトキシカルボニルアミノ−4′−ヒドロキシアセ
トフエノン、N−〔2−オキソ−2−(3′−ヒドロ
キシフエニル)エチル〕ベンズアミド、2−t−
ブチルオキシカルボニルアミノ−3′−ヒドロキシ
アセトフエノン、N−(2−オキソ−2−フエニ
ルエチル)クロルアセタミド、N−〔2−オキソ
−2−(2′−ヒドロキシフエニル)エチル〕アセ
タミド、N−〔2−オキソ−2−(4′−ヒドロキシ
フエニル)エチル〕ベンズアミド、N−〔2−オ
キソ−2−(3′−ヒドロキシフエニル)エチル〕
アセタミド等である。 また一般式()の化合物としては例えば、グ
リオキシル酸、グリオキシル酸メチルエステル、
グリオキシル酸エチルエステル、グリオキシル酸
ベンジルエステル等である。 本発明の一般式()のアセトフエノン誘導体
と一般式()のグリオキシル酸またはそのエス
テルとの反応は通常水、有機溶媒または水と有機
溶媒の混合溶媒中で塩基の存在下で行われる。水
との混合溶媒として使用する有機溶媒としては水
に溶けるものであれば特に制限はないが、メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどの低級アル
コール類、アセトン、メチルエチルケトンなどケ
トン類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルスルホキシド等が好まし
い。 また有機溶媒中で反応を行う有機溶媒としては
原料が溶けるものであれば特に制限はないが上記
の溶媒のほか、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエ
ステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテルなどのエーテル類、クロロホルム、四塩化
炭素などのハロゲン化炭化水素類が好ましい。 また塩基としては水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水
素カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアな
どの無機塩基、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、
ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン
などの有機塩基があげられるが、水あるいは含水
有機溶媒中で反応を行うときは無機塩基特に炭酸
水素カリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましく、
有機溶媒あるいは含水有機溶媒中で反応を行うと
きは有機塩基特にトリエチルアミンが好ましく、
使用する量は反応液の液性が弱酸性ないしアルカ
リ性を保つ量であれば特に制限はないが、使用す
る一般式()で表わされるグリオキシル酸また
はそのエステルに対して1〜2当量であることが
好ましい。 反応温度は0℃から溶媒の沸点まで使用するこ
とができるが、室温から70℃ぐらいで行うのが好
ましく、普通〔3〜24時間〕反応させることによ
つて反応は完結する。 本発明に使用する一般式()のグリオキシル
酸またはそのエステルの使用量は特に制限はなく
例えば一般式()で表わされるアセトフエノン
誘導体に対して、0.2〜10当量の広い範囲で使用
しうるが実用的には0.5〜5当量好ましくは1〜
2当量である。 一般式()において、R3が水素原子である
グリオキシル酸の場合は安価な水溶液を使用して
も差し障りない。 このようにして、一般式()の化合物と一般
式()の化合物を反応させることにより一般式
()の化合物を得ることができる。この化合物
の反応液からの単離はたとえば次のようにして行
われる。 (a) R3が水素原子のとき、 反応溶媒として水を用いた場合には反応液
に酸を加え、酸性にし、結晶を析出させこの
結晶を取することにより、 反応溶媒として水と有機溶媒の混合溶媒を
用いて反応を行つた場合には、まず有機溶媒
を減圧下に除去し、次いで酸を加え、酸性に
し、結晶を析出させ、この結晶を取するこ
とにより行われる。 上記の、において、酸を加えて酸性にし
ても結晶化しない場合は、酢酸エチルなどで抽
出し、以下下記に述べる(b)と同様にして行う
と、結晶が単離される。 (b) R3がエステル残基のときは通常反応溶媒と
して有機溶媒または含水溶媒が使用されるの
で、反応後反応液を減圧濃縮して有機溶媒を留
去し、水を加えて、酢酸エチルなどで抽出し、
水洗し、無水硫酸ナトリウムなどを加えて脱水
乾燥し、溶媒を減圧で留去し、残渣にn−ヘキ
サンなどを加え、析出した結晶を取すること
によつて行われる。 かくして得られた一般式()で表わされるス
レオ−(2RS)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4
−オキソ−4−フエニル酸またはそのエステルの
代表的な例としてはスレオ−(2RS)−3−フタル
イミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエ
ニル酪酸、スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ
−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル酪
酸およびそのエチルエステル、スレオ−(2RS)−
3−クロルアセチルアミノ−2−ヒドロキシ−4
−オキソ−4−フエニル酪酸およびそのメチルエ
ステル、スレオ−(2RS)−3−メトキシカルボニ
ルアミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フ
エニル酪酸、スレオ−(2RS)−3−t−ブトキシ
カルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ
−4−フエニル酪酸、スレオ−(2RS)−3−ベン
ゾイルアミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4
−フエニル酪酸、スレオ−(2RS)−3−アセチル
アミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−
(4′−ヒドロキシフエニル)酪酸、スレオ−
(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2−ヒドロキシ
−4−オキソ−4−(4′−ヒドロキシフエニル)
酪酸、スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−オキソ−4−(3′−ヒドロキ
シフエニル)酪酸、スレオ−(2RS)−3−ベンゾ
イルアミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−
(3′−ヒドロキシフエニル)酪酸、スレオ−
(2RS)−3−エトキシカルボニルアミノ−2−ヒ
ドロキシ−4−オキソ−4−(4′−ヒドロキシフ
エニル)酪酸、スレオ−(2RS)−3−t−ブチル
オキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−
オキソ−4−(3′−ヒドロキシフエニル)酪酸、
スレオ−(2RS)−3−クロルアセチルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−(4′−ヒドロキシフエニル)
酪酸、スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−(2′−ヒドロキシフエニル)
酪酸などがあげられる。 このようにして得られた一般式()で表わさ
れるスレオ−(2RS)−3−アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−オキソ−4−フエニル酪酸またはそのエ
ステルは還元によつて、一般式()で表わされ
るスレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フ
エニル酪酸またはそのエステルに容易に導くこと
ができる。また場合によつて上記のようにして得
られた一般式()のラセミ体を光学分割し、
(2S,3R)形の光学異性体を単離し、光学分割剤
が結合している場合には必要に応じてこれを除去
し、(2S,3R)形の一般式()の化合物とし、
これを還元してもよく、この場合には(2S,3R)
形の一般式()の化合物が得られる。 ここで使用される還元方法としては、芳香族環
に直結したカルボニル基をメチレン基に変換でき
るものであれば特に制限はないが、パラジウム
黒、パラジウム炭素、パラジウム硫酸バリウムな
どのパラジウム類またはラネーニツケルによる接
触還元、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリ
ウムなどと無水塩化アルミニウムによる還元、亜
鉛あるいはスズと酸による還元、液体アンモニア
中金属ナトリウムあるいは金属リチウムなどによ
る還元などがあらわれるが、特にパラジウム黒や
パラジウム炭素などのパラジウム類、ラネーニツ
ケルによる接触還元が好ましい。 パラジウム類あるいはラネーニツケルを用いて
還元を行うのには一般式()で表わされるスレ
オ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−
4−フエニル酪酸またはそのエステルを溶媒に溶
かすか懸濁させ、これにパラジウム類あるいはラ
ネーニツケルを加え、水素雰囲気中で行われる。
水素の圧力としては常圧でも加圧でもよく、加圧
下に行えば反応は速やかに進行する。 また反応溶媒としては一般式()で表わされ
るスレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−オ
キソ−4−フエニル酪酸またはそのエステルが少
量でも溶ける溶媒であれば特に制限はないが、酢
酸またはメタノールあるいはそれらを含む溶媒が
好ましく、反応温度は室温以上150℃まで使用で
きるが、酢酸またはメタノール含有溶媒中40〜
100℃で行うのが好ましい。 かくして得られた一般式()で表わされる3
−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸ま
たはそのエステルは触媒を別後、液を濃縮
し、残渣に適当な溶媒を加えて、結晶を析出さ
せ、析出した結晶を取することによつて反応液
から容易に単離することができる。 なお穏やかに還元すれば、中間体である一般式 で表わされる3−アミノ−2,4−ジヒドロキシ
−4−フエニル酪酸またはそのエステルを生成、
単離することもでき、これをさらに還元すれば一
般式()の化合物に導くことができる。 一般式()で表わされる化合物において、
R2がクロルアセチル基、ジクロルアセチル基、
t−ブチルオキシカルボニル基、t−アミルオキ
シカルボニル基、2,2,2−トリクロルエトキ
シカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニ
ル、シクロヘキシルオキシカルボニルおよびフタ
リル等で保護されたアミノ基である化合物は、光
学分割したのち、そのままロイシンなどと反応さ
せてベスタチンおよびヒドロキシベスタチンおよ
びその類縁化合物とすることができるので好適で
ある。 一般式()で表わされる3−アミノ−2−ヒ
ドロキシ−4−フエニル酪酸またはそのエステル
の代表的な例としてはスレオ−(2RS)−3−アセ
チルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪
酸、スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−フエニル酪酸のエチルエステ
ル、スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸、スレオ−
(2RS)−3−クロルアセチルアミノ−2−ヒドロ
キシ−4−フエニル酪酸、スレオ−(2RS)−3−
メトキシカルボニルアミノ−4−フエニル酪酸、
スレオ−(2RS)−3−t−ブチルオキシカルボニ
ルアミノ−4−フエニル酪酸、スレオ−(2RS)−
3−フタルイミノ−4−フエニル酪酸、スレオ−
(2RS)−3−アセチルアミノ−2−ヒドロキシ−
4−(4′−ヒドロキシフエニル)酪酸、スレオ−
(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2−ヒドロキシ
−4−(4′−ヒドロキシフエニル)酪酸、スレオ
−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−ヒドロキシ
−4−(3′−ヒドロキシフエニル)酪酸、スレオ
−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2−ヒドロキ
シ−4−(3′−ヒドロキシフエニル)酪酸、スレ
オ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−ヒドロキ
シ−4−(2′−ヒドロキシフエニル)酪酸、スレ
オ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2−ヒドロ
キシ−4−(2′−ヒドロキシフエニル)酪酸およ
びこれらの(2S,3R)形光学異性体などがあげ
られる。 一般式()の化合物は、必要に応じて、(a)得
られた化合物のアミノ保護基または(および)エ
ステル残基の除去、(b)光学分割の工程を行い、分
割剤と塩を形成しているときは分割剤の除去およ
び(または)、(c)エステル残基が残つている場合
にはエステル残基の除去の工程を行い一般式
()で示される(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フエニル酪酸にすることができ
る。 このようにして得られた一般式()の(2S,
3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニ
ル酪酸と一般式()のアミノ酢酸の縮合は、反
応に関与しない官能基を必要に応じて保護し、ペ
プチド結合形成の常法により行われる。 縮合反応の終了後官能基の保護基を除去するこ
とにより本発明の最終目的化合物である前記一般
式()で示される(2S,3R)−3−アミノ−2
−ヒドロキシ−4−フエニルブタノイルアミノ酢
酸を得ることができる。 反応に関与しない官能基例えば一般式()に
おけるアミノ基の保護等は、常法によつて行えば
よい。 このようにして得られる最終化合物は(2S,
3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニ
ルブタノイル−(S)−ロイシン(ベスタチン)、
(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
(2′−ヒドロキシフエニル)ブタノイル−(S)−
ロイシン(o−ヒドロキシベスタチン)、(2S,
3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−(3′−
ヒドロキシフエニル)ブタノイル−(S)−ロイシ
ン(m・ヒドロキシベスタチン)、(2S,3R)−3
−アミノ−2−ヒドロキシ−4−(4′−ヒドロキ
シフエニル)ブタノイル−(S)−ロイシン。 (2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4
−フエニルブタノイル−(S)−バリン、(2S,
3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニ
ルブタノイル−(S)−ノルバリン、(2S,3R)−
3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニルブタ
ノイル−(S)−アルギニンおよび(2S,3R)−3
−アミノ−2−ヒドロキシ−4−(4′−ヒドロキ
シフエニル)ブタノイル−(S)−アルギニンおよ
びこれらの生理的に無毒な塩例えが塩酸塩、酢酸
塩等をあげることができる。 次に本発明を実施例により具体的に説明する。 実施例 1 (1) スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル酪酸の
製造 N−(2−オキソ−2−フエニルエチル)ア
セタミド4.43g(0.025mol)および炭酸水素ナ
トリウム4.20g(0.05mol)を25%グリオキシ
ル酸水溶液13g(0.044mol)および水25mlに
加えて溶かし、50−60℃で一夜反応させると、
反応は完結する。反応液を氷冷し、稀塩酸でPH
1〜2に調整し、析出した結晶を取し、水洗
し、五酸化リン上で真空乾燥すると、スレオ−
(2RS)−3−アセチルアミノ−2−ヒドロキシ
−4−オキソ−4−フエニル酪酸4.07g(収率
64.9%)が得られる。融点151−152℃(分解)。 NMRスペクトル(DMSO−d6)δ=2.0(s、
3H:CH3)4.6(d、H、J=3Hz:C−OH)、
5.9(dd、H:C−NH)、7.7(multi、
【式】)。 このほか、NH、OHに基づくブロード
(broad)な吸収が6.6−8.0にあり、重水を加え
ることにより消失する。 (2) スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−フエニル酪酸の製造 スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル酪酸
3.00g(0.012mol)を酢酸25mlに溶かし、5%
パラジウム炭素0.30gを加え、60℃常圧で水素
を流すと、約6時間で反応は完結する。 触媒を別し、液を減圧濃縮し、残渣に酢
酸エチル20mlを加え、析出した結晶を取し酢
酸エチルで洗浄し、五酸化リン上で真空乾燥す
ると、スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−
2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸2.33g(収
率82.3%)が得られる。融点174−176℃。 NMRスペクトル(DMSO−d6)δ=1.8(s、
3H:CH3)、2.7、2.8(d、d、H、H、J=
5Hz:CH2)、3.9(d、H、J=3Hz:C
OH)、4.3(multi、H:C−NH)、7.2(s、
【式】)、7.6(d、H、J=9Hz: NH) このほか、OHに基づくブロード(broad)
な吸収が7.0−8.0にあり、重水を加えることに
より消失する。 (3) (2S,3R)−3−アセチルアミノ−2−ヒド
ロキシ−4−フエニル酪酸の製造 スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−フエニル酪酸10.87g
(0.046mol)およびS(−)−1−フエニルエチ
ルアミン5.55g(0.046mol)をエタノール90ml
に加え、加熱して溶かす。次いで、室温に放冷
し、析出した結晶を取し、少量のエタノール
で洗浄し、乾燥すると、結晶6.37gが得られ
る。 〔α〕20 D+16.8゜(c=1、メタノール)。 この結晶6.30gをエタノール100mlに加え、
加熱して溶かし室温まで放冷し、析出した結晶
を取し、少量のエタノールで洗浄し、乾燥す
ると、(2S,3R)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−フエニル酪酸のS(−)−1−フエ
ニルエチルアミン塩3.45gが得られる。融点
194−195℃。 〔α〕20 D+29.0゜(c=1、メタノール) 別途に(2S,3R)−3−アセチルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸とS(−)−1
−フエニルエチルアミンより製造した塩の旋光
度。 〔α〕20 D+29.1゜(c=1、メタノール)。 (4) (2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−
4−フエニル酪酸の製造 (2S,3R)−3−アセチルアミノ−2−ヒド
ロキシ−4−フエニル酪酸のS(−)−1−フエ
ニルエチルアミン塩4.25g(0.0119mol)と炭
酸水素ナトリウム1.49g(0.0178mol)を水80
mlに加え、酢酸エチル50mlずつで3回S(−)−
1フエニルエチルアミンを抽出する。 次に水層を36%塩酸でPHを1−2に調整し約
40mlまで減圧濃縮し、36%塩酸1.7ml
(0.02mol)を加えて2時間加熱還流すると反
応は完結する。 反応液を減圧で濃縮乾固し、残渣に水10mlを
加えて減圧で濃縮乾固し、この操作をもう一度
行う。 最後に雑渣を水40mlに溶かし、2規定水酸化
ナトリウム水溶液でPHを5〜6に調整し、氷冷
後析出した結晶を取し、冷水で洗浄し、乾燥
すると(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−フエニル酪酸1.48gが得られる。収率
63.8% 〔α〕19.5 578+32.5゜(c=0.76、NHCl)。 文献値(J.Med.Chem.、20、510(1977))、 〔α〕20-25 578+29.5゜(c=1、NHCl) 参考例 1 (1) (2S,3R)−3−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸の
製造 (2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−
4−フエニル酪酸1.45g(7.44mmol)、トリエ
チルアミン1.13g(11.2mmol)およびベンジ
ルS−4,6−ジメチルピリジン−2−イルチ
オールカーボネート2.24g(8.20mmol)を水
7mlおよびジオキサン7mlの混合溶媒に加え
る。 室温で3時間カクハンすることによつて反応
は完結する。 反応液に水20mlを加え、酢酸エチル25mlずつ
で2回洗浄する。水層に稀塩酸を加えて、PHを
1−2に調整する。析出した油状物を酢酸エチ
ル30mlずつで2回抽出し、抽出液を合し、食塩
水30mlずつで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で脱水乾燥する。 硫酸ナトリウムを別し、減圧濃縮し、残渣
に石油エーテルを加えて結晶を取し、石油エ
ーテルで洗浄し、乾燥すると(2S,3R)−3−
ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ヒドロ
キシ−4−フエニル酪酸2.10gが得られる。収
率85.7%。融点154−155℃。 〔α〕20 578+82.5゜(c=1、酢酸) 文献値(特開昭52−136118公報実施例1(2))
融点154.5℃。 〔α〕24 578+83.5°(c=1.34、酢酸) (2) (2S,3R)−3−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニルブタノ
イル−(S)−ロイシンベンジルエステルの製造 (2S,3R)−3−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸
2.00g(6.00mmol)、(S)−ロイシンのベンジ
ルエステルのp−トルエンスルホン酸塩2.63g
(6.60mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール0.97g(7.20mmol)をテトラヒドロ
フラン20mlに加え、食塩と氷で冷却下、トリエ
チルアミン0.67g(6.6mmol)次いでジシクロ
ヘキシルカルボジイミド1.49g(7.20mmol)
を加え、氷浴を変えることなく一夜反応させ
る。 析出したジシクロヘキシル尿素を別し、
液を減圧で濃縮し、残渣に酢酸エチル50mlを加
え、不溶物を別し、酢酸エチルで洗浄する。
液及び洗液を合し、0.5規定塩酸で2回、食
塩水で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で
2回、食塩水で3回順次洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで脱水乾燥する。 硫酸ナトリウムを別し、減圧濃縮し、残渣
にn−ヘキサンを加え、析出した結晶を取し
n−ヘキサンで洗浄し乾燥すると、(2S,3R)
−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−フエニルブタノイル−(S)−
ロイシンのベンジルエステル3.19gが得られ
る。収率99.4%。融点122−123℃。 〔α〕24 578+15.2゜(c=1、酢酸) 文献値(特開昭52−136118公報実施例2(3))
融点122℃。 〔α〕23 578+15.1°(c=0.77、酢酸) (3) ベスタチン〔(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フエニルブタノイル−(S)−
ロイシン〕の製造 (2S,3R)−3−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニルブタノ
イル−(S)−ロイシンのベンジルエステル3.00
g(5.60mmol)を95%酢酸50mlに溶かし、パ
ラジウム黒を触媒量加えて、常圧で水素を導入
する。 接触還元は2時間で完結するので、パラジウ
ム黒を別し、液を減圧でよく濃縮する。残
渣にアセトン30mlを加え、析出した結晶を取
し、1N塩酸に溶かし、少量の活性炭を加えて、
不溶物を別し、液を希アンモニア水でPH5
−6に調整し、析出した結晶を取し、次いで
アセトンで洗浄し、乾燥すると、ベスタチン、
〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4
−フエニルブタノイル−(S)−ロイシン〕、
1.47gが得られる。収率85.0%。 〔α〕25 578−21.1゜(c=1、酢酸) 文献値(特開昭52−136118公報実施例2(4)) 〔α〕25 578−21.8゜(c=0.45、酢酸) 実施例 2 (1) スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル酪酸
の製造 N−(2−オキソ−2−フエニルエチル)ベ
ンズアミド16.7g(0.07mol)および炭酸水素
ナトリウム13.0g(0.155mol)を25%グリオキ
シル酸水溶液37.5g(0.13mol)、水100mlおよ
びメタノール250mlに加えて溶かし、50−60℃
で一夜反応させる。 反応液中の不溶物を別し、液を減圧濃縮
して、メタノールを留去し、稀塩酸でPHを1〜
2に調整し、析出した結晶を取し、水洗し、
五酸化リン上で真空乾燥すると、粗結晶17.6g
が得られる。これを酢酸エチルから再結晶する
と、スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−
2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル酪
酸13.5g(収率61.8%)が得られる。 融点174−176℃(分解) NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=4.6(d、H、J=4Hz:C−OH)、5.9
(dd、H:C−NH)、7.7(multi、
【式】および【式】)、8.5 (d、H、J=9Hz:NH)。 (2) スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸の製造 スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル酪酸
5.00g(0.016mol)および10%パラジウム炭素
0.50gを酢酸90mlに加え、70℃、常圧で水素を
導入すると、約8時間で反応は完結する。 触媒は別し、液を減圧濃縮し、油状の残
渣に石油エーテル(沸点30−70℃留分)を加え
て、よくかき混ぜ、上澄液をデカンテーシヨン
して除き、新しい石油エーテルを加えて、冷却
し、ガラス壁をガラス棒でこすると、結晶化す
る。室温で1時間放置後、取し、石油エーテ
ルで洗浄し、乾燥すると、スレオ−(2RS)−3
−ベンゾイルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フ
エニル酪酸4.61gが得られる。収率96.4%。融
点144−145℃ NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=2.9(d、2H、J=7Hz:CH2)、4.0(d、
H、J=3Hz:C−OH)、4.55(multi、H:C
H−NH)、7.25、7.5(s、multi、
【式】および【式】)、7.95 (d、H、J=8Hz、NH) 実施例 3 (1) スレオ−(2RS)−2−ヒドロキシ−4−オキ
ソ−4−フエニル−3−フタルイミノ酪酸の製
造 N−(2−オキソ−2−フエニルエチル)フ
タルイミド10.0g(0.0377mol)および炭酸水
素ナトリウム9.00g(0.107mol)を25%グリオ
キシル酸水溶液20.1g(0.068mol)およびエタ
ノール20mlに加えて溶かし50−60℃で24時間反
応させる。 反応液を減圧濃縮して、エタノールを留去し
残液に酢酸エチル100mlおよび5%炭酸水素ナ
トリウム水溶液50mlを加えて、振盪し、炭酸水
素ナトリウム溶液を分取し、稀塩酸でPHを1〜
2に調整し、析出した結晶を取し、水洗し、
五酸化リン上で真空乾燥すると、スレオ−
(2RS)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フ
エニル−3−フタルイミノ酪酸1.97gが得られ
る。 (収率15.4%)。融点168−170℃(分解)。 NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=4.55(d、H、J=4Hz:C−OH)、5.8
(dd、H:C−NH)、7.8(multi、
【式】および【式】)、8.45 (d、H、J=9Hz:NH) (2) スレオ−(2RS)−2−ヒドロキシ−4−フエ
ニル−3−フタルイミノ酪酸の製造 スレオ−(2RS)−2−ヒドロキシ−4−オキ
ソ−4−フエニル−3−フタルイミノ酪酸1.00
g(2.90mmol)、10%パラジウム黒0.10gを酢
酸20mlに加え、70℃常圧で水素を導入し、5.5
時間接触還元する。 反応液を減圧で濃縮し、残渣に石油エーテル
(沸点30−70℃留分)を加え、次いで酢酸エチ
ルを少量ずつ加えて行くと、油状物が結晶化す
る。析出した結晶を取し、石油エーテルで洗
浄し、乾燥すると、スレオ−(2RS)−2−ヒド
ロキシ−4−フエニル−3−フタルイミノ酪酸
0.55gが得られる。収率57%。融点97−103℃
(発泡)。 NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=2.9(d、2H、J=7Hz:CH2)、3.9(d、
H、J=3Hz:C−OH)、4.4(multi、H:C
H−NH)、7.3、7.5(s、multi、
【式】および【式】) 実施例 4 (1) スレオ−(2RS)−3−クロルアセチルアミノ
−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル
酪酸の製造 N−(2−オキソ−2−フエニルエチル)ク
ロルアセタミド1.60g(7.60mmol)、炭酸水素
ナトリウム1.92g(22.8mmol)および20%グ
リオキシル酸水溶液5.60g(15.2mmol)をメ
タノール50mlおよび水10mlに加え、65℃で10時
間反応させる。 以下実施例1の(1)と同様に処理すると、スレ
オ−(2RS)−3−クロルアセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル酪酸
1.06gが得られる。 収率48.9%、融点141−142℃(分解) NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=4.2(s、2H、CH2)、4.5(d、H、J=
4Hz:C−OH)、5.7(dd、H:C−NH)、
7.8(multi、【式】)、8.4(d、H、 J=9Hz:NH)。 (2) スレオ−(2RS)−3−クロルアセチルアミノ
−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸の製造 スレオ−(2RS)−3−クロルアセチルアミノ
−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル
酪酸400mg(1.40mmol)および10%パラジウム
炭素40mgを酢酸10mlに加え、65℃常圧で水素を
導入し、14.5時間接触還元を行う。 反応後、触媒を別し、液を減圧で濃縮し
油状の残渣にエーテル10mlを加え、析出した結
果を取し、エーテルで洗浄し、乾燥すると3
−クロルアセチル−2−ヒドロキシ−4−フエ
ニル酪酸140mgが得られる。収率36.8%融点108
−110℃ NMRスペクトル(CDCl3) δ=2.95(d、2H、
【式】)、4.0、4.2(s、d、 H、2H:C−OH、CH2−Cl)、4.7(multi、
H:C−NH)、7.15(d、H、J=10Hz:
NH)、7.25(s、5H、【式】) 実施例 5 (1) スレオ−(2RS)−3−t−ブチルオキシカル
ボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−
4−フエニル酪酸の製造 2−アミノアセトフエノン塩酸塩4.00g
(0.0233mol)にジオキサン−水(1:1)中
で、t−ブチルS−4,6−ジメチルピリジン
−2−イルチオールカーボネートおよびトリエ
チルアミンを作用させて得られる油状の2−t
−ブチルオキシカルボニルアミノアセトフエノ
ン、炭酸水素ナトリウム4.70g(0.0559mol)
および20%グリオキシル酸水溶液13.75g
(0.037mol)をメタノール50mlに加え、60−65
℃で一夜反応させる。 反応後、不溶物を別し、液を減圧濃縮し
10%食塩水10mlを加えて、不溶物を別し液
を酢酸エチル50mlずつで2回抽出し、抽出液を
合し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで脱水乾燥する。 硫酸ナトリウムを別し、液を減圧で濃縮
し、残渣にエーテルを加えて、不溶物を取し
エーテルで洗浄し、乾燥すると、スレオ−
(2RS)−3−t−ブチルオキシカルボニルアミ
ノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニ
ル酪酸1.18gが得られる。収率2−アミノアセ
トフエノン塩酸塩より38.2%、融点142−143℃
(分解) NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=1.35(s、9H:(CH33C)、4.3(d、H、J
=4Hz:C−OH)、5.35(dd、H:C
NH)、6.6(d、H、J=10Hz:NH)、7.8
(multi、【式】)。 (2) スレオ−(2RS)−3−t−ブチルオキシカル
ボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル
酪酸の製造 スレオ−(2RS)−3−t−ブチルオキシカル
ボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−オキソ−
4−フエニル酪酸500mg(1.62mmol)および10
%パラジウム炭素100mgを酢酸10mlに加え、室
温で水素圧50Kg/cm2で接触還元を行う。 反応後、触媒を別し、液を減圧で濃縮し
溶媒をよく留去する。油状の残渣を酢酸エチル
50mlに溶かし、食塩水30ml、0.5規定塩酸30ml、
食塩水30mlで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で脱水乾燥する。 硫酸ナトリウムを別し、液を減圧で濃縮
し、油状の残渣にn−ヘキサンを加えて、よく
洗浄し、n−ヘキサン層をデカンテーシヨンし
て除き、新しいn−ヘキサンを加える。この操
作を数回繰返すと、やがて結晶化するので、析
出した結晶を取し、n−ヘキサンで洗浄し、
乾燥すると、スレオ−(2RS)−3−t−ブチル
オキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4
−フエニル酪酸261mgが得られる。収率54.6%。
融点121−122℃ NMRスペクトル(CDCl3) δ=(s、9H:(CH33C)、2.9(d、2H、J=
7Hz:CH2)、4.1(s、H:C−OH)、
4.2multi、H:CH−NH)、7.2(s、
【式】)。 実施例 6 (1) スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−(3′−ヒドロキシフエニル)
−4−オキソ酪酸の製造 N−〔2−(3′−ヒドロキシフエニル)−2−
オキソエチル〕ベンズアミド3.82g
(0.015mol)、炭酸水素ナトリウム3.78g
(0.0450mol)および25%グリオキシル酸水溶
液7.76g(0.030mol)を95%エタノール50mlお
よびメタノール50mlに加え、50−60℃で24時間
反応させる。 反応液を減圧で約20mlまで濃縮し、水を加え
て約50mlにし、濃塩酸を加えて、PHを1−2に
調整する。 次に酢酸エチル100mlおよび水50mlを加えて、
よく振盪し、分液する。水層に酢酸エチル100
mlを加え再度抽出し、酢酸エチル層を合し、食
塩水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱
水乾燥する。 硫酸マグネシウムを別し、液を減圧で濃
縮し、残渣にエーテルを加え、析出した結晶を
取し、エーテルで洗浄し、乾燥すると、スレ
オ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2−ヒド
ロキシ−4−(3′−ヒドロキシフエニル)−4−
オキソ酪酸1.96gが得られる。 収率40.2%、融点176−177℃(分解) NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=4.7(d、H、J=4Hz:C−OH)、5.95
(dd、H:C−NH)、7.5(multh、
【式】および【式】)、8.4 (d、H、J=9Hz:NH)、9.5−10.5に
【式】 に基づくブロード(broad)な吸収があり、重水
を加えることにより消失する。 (2) スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−(3′−ヒドロキシフエニル)
酪酸の製造 スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2
−ヒドロキシ−4−(3′−ヒドロキシフエニル)
−4−オキソ酪酸1.65g(5.00mmol)および
10%パラジウム炭素0.33gをメタノール30mlお
よび酢酸30mlに加え、60℃で7時間反応させ
る。 反応液を実施例4の(2)と同様に処理すると、
スレオ−(2RS)−3−ベンゾイルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−(3′−ヒドロキシフエニル)
酪酸0.99gが得られる。収率63%。融点80−90
℃で発泡、162−165℃ NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=2.95(d、2H、J=7Hz:CH2)、4.15(d、
H、J=2Hz:C−OH)、4.7(multi、H:C
H−NH)、7.2、7.4(s、multi、5H、
【式】および【式】)。 実施例 7 (1) スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−オキソ−4−(4′−ヒドロキ
シフエニル)酪酸の製造 N−〔2−オキソ−2−(4′−ヒドロキシフエ
ニル)エチル〕アセタミド10.0g(0.052mol)、
炭酸水素ナトリウム12.4g(0.148mol)、およ
び25%グリオキシル酸水溶液27.6g
(0.093mol)をメタノール50mlに加え、50℃で
21時間反応させる。 反応液を減圧で濃縮して、メタノールを留去
し、水50mlを加え、稀塩酸でPHを1−2に調整
し、岩塩を加えて飽和させ、酢酸エチル200ml
ずつで5回抽出する。 酢酸エチル層を合し、無水硫酸ナトリウムで
脱水乾燥する。硫酸ナトリウムを別し、液
を減圧でよく濃縮し、残渣に少量の酢酸エチル
を加え、析出した結晶を取し、酢酸エチルで
洗浄し、乾燥すると、スレオ−(2RS)−3−ア
セチルアミノ−2−ヒドロキシ−4−(4′−ヒ
ドロキシフエニル)−4−オキソ酪酸8.01gが
得られる。収率57.7%。融点179−181℃(分
解) NMRスペクトル(DMSO−d6) δ=1.9(s、3H:CH3)、4.45(d、H、J=
3Hz:C−OH)、5.7(dd、H:C−NH)、
6.9、7.9(dd、2H、2H、
【式】)、7.95(d、H、J= 8Hz:NH)。 (2) スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−(4′−ヒドロキシフエニル)
酪酸の製造 スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ−2−
ヒドロキシ−4−(4′−ヒドロキシフエニル)−
4−オキソ酪酸2.60g(9.70mmol)および10
%パラジウム炭素0.30gを酢酸45mlに加え、常
圧70℃で水素を導入し、一夜接触還元を行う。 反応後、実施例2の(2)と同様に処理し、得ら
れた結晶をエタノールと酢酸エチルから再結晶
すると、スレオ−(2RS)−3−アセチルアミノ
−2−ヒドロキシ−4−(4′−ヒドロキシフエ
ニル)酪酸0.67gが得られる。収率27%。融点
194−197℃(分解) NMRスペクトル(CF3COOH) δ=2.3(s、3H:CH3)、3.1(d、2H、J=
7Hz:CH2)、4.65(s、H:C−OH)、4.85
(multi、H:C−NH)、6.9、7.2(d、d、
2H、2H、【式】)、8.6(d、 H、J=9Hz:NH)。 実施例 10 (1) スレオ−(2RS)−3−クロルアセチルアミノ
−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル
酪酸のメチルエステルの製造 グリオキシル酸5.60g(15.2mmol)のかわ
りにグリオキシル酸メチルエステル1.34g
(15.2mmol)を用い、それ以外は実施例4の(1)
と同様に反応を行つた。反応後実施例5の(1)と
同様に処理すると、スレオ−(2RS)−3−クロ
ルアセチルアミノ−2−ヒドロキシ−4−オキ
ソ−4−フエニル酪酸のメチルエステル1.42g
が得られる。収率62.5% 融点119−121℃ NMRスペクトル(CDCl3) δ=3.9(s、3H:CH3)、4.1(S、2H:CH2)、
4.6(d、H、J=2Hz:C−OH)、5.95(dd、
H:C−NH)、7.8(multi、
【式】) このほか、NH、OHに基づくブロード
(broad)な吸収が7.0−9.0にあり重水を加える
ことにより消失する。 (2) スレオ−(2RS)−3−クロルアセチルアミノ
−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸のメチル
エステルの製造 スレオ−(2RS)−3−クロルアセチルアミノ
−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−フエニル
酪酸のメチルエステル1.00g(3.77mmol)お
よび10%パラジウム炭素0.10gを酢酸20mlに加
えて、実施例4の(2)と同様に反応させる。 反応後、触媒を別し、減圧で濃縮する。残
渣に酢酸エチル30mlを加えて、溶かし、10%食
塩水、5%炭酸水素ナトリウム溶液、10%食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾
燥する。 硫酸ナトリウムを別し、液を減圧で濃縮
すると、油状のスレオ−(2RS)−3−クロルア
セチルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル
酪酸のメチルエステル0.38gが得られる。収率
40%。 NMRスペクトル(CDCl3) δ=2.95(d、2H、 【式】)、3.7(s、3H: CH3)、3.95(s、2H:CH2−Cl)、4.15(d、H、
J=2Hz:C−OH)、4.6(multi、H:C
NH)、6.9(d、H、J=9Hz:NH)、7.3(s、
【式】)。 IRスペクトル υFilm nax(cm-1)=3400と3300(broad)1740
(broad)、1660(broad)、1605、1545と1525
(broad)、1500、1400、1410、1270と1220
(broad)、1120、995、930、915、860、750、
700。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、R1は水素原子またはヒドロキシル基、
    R2は保護されたアミノ基、R3は水素原子または
    エステル残基を示す。) で表わされるスレオ−3−アミノ−2−ヒドロキ
    シ−4オキソ−4−フエニル酪酸またはそのエス
    テルを還元することを特徴とする 一般式 (式中R1、R2およびR3は前記と同じ。) で示されるスレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシ
    −4−フエニル酪酸の製法。
JP26930585A 1985-12-02 1985-12-02 スレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フエニル酪酸の製造法 Granted JPS61178955A (ja)

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