JPH05203010A - カム機構及びカム機構を有する材料供給装置 - Google Patents

カム機構及びカム機構を有する材料供給装置

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JPH05203010A
JPH05203010A JP13168592A JP13168592A JPH05203010A JP H05203010 A JPH05203010 A JP H05203010A JP 13168592 A JP13168592 A JP 13168592A JP 13168592 A JP13168592 A JP 13168592A JP H05203010 A JPH05203010 A JP H05203010A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カムの回転周期中に一時的にカム駆動軸の回
転方向と逆方向に旋回する材料採取手段を有するカム機
構、ならびにこのカム機構を有する材料供給装置を提供
する。 【構成】 カム板10は環状に延びる第一案内溝12お
よび第二案内溝11を有する。回転駆動軸40には駆動
板30が連結され、この駆動板に第一アーム26が枢支
される。第一アームの両端には第一および第二カムフォ
ロワーが枢支される。第一カムフォロワー22は第一案
内溝12に沿って移動自在であり、第二カムフォロワー
21は第一および第二案内溝12,11に沿って移動自
在である。第一アーム26には従動シャフト52を介し
て採取手段58が連結されている。従動シャフトの中心
軸線4は第一および第二カムフォロワー各々の中心軸線
1,2のどちらよりも第一アームの中心軸線3から離れ
た位置に配される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物品包装装置(物品を
包装容器に装填する装置)に使用するカム機構、並びに
このカム機構を持つ材料供給装置に関するものである。
本発明の材料供給装置は、ホッパーから容器ブランクを
順次取り出し、取り出した容器ブランクを部分的または
完全に包装容器に組み立て、しかる後、それらの包装容
器を物品装填位置(即ち、びんまたは缶を包装容器に装
填する場所)へ送り込むものである。
【0002】
【従来の技術】従来のカム機構及び材料供給装置は、例
えば欧州特許出願182593号に記載されている。
【0003】この欧州出願に記載されたカム機構は、周
回軌道に沿って移動する採取手段を有する。周回軌道上
には、最外方位置と最内方位置とがあり、採取手段は、
最外方位置に来た時に材料(具体的には容器ブランク)
に係合する。このような従来のカム機構は、ほぼ環状に
延びる第1案内溝をもつカム板を備えている。この第1
案内溝は、同じくカム板に形成された第2案内溝とつな
がっている。また、このカム機構においては、第1及び
第2カムフォロワーが第1案内溝に沿って移動自在に設
けられている。第2案内溝に沿って移動可能なのは、両
カムフォロワーのうちのどちらか一方のみである。
【0004】上記両案内溝及び両カムフォロワーは互い
に区別できる。なぜなら、一方の案内溝の方が他方の案
内溝よりも深く、また一方のカムフォロワーは他方のカ
ムフォロワーより軸方向長が長いからである。両カムフ
ォロワーとも深い方の案内溝に沿って移動できるが、短
い方のカムフォロワーだけが浅い方の案内溝に沿って移
動できる。このように2つの別々の案内溝と別々のカム
フォロワーをカム機構に設けることにより、アームを介
して両カムフォロワーと連結された採取手段(例えば吸
引カップ)をカムの駆動軸の周りの偏心周回軌道に沿っ
て旋回させることができる。
【0005】上記欧州特許出願の材料供給装置は、上述
したカム機構を有し、このカム機構が採取した容器ブラ
ンクを円滑に移動させるので包装装置の処理速度を速く
することができる。しかしながら、採取手段の旋回方向
は、カムの駆動軸周りに一定方向、すなわち時計方向も
しくは反時計方向に限られてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来のカム機構及び材料供給装置の採取手段の動
きが単純であるため、材料用ホッパー及び包装装置の他
の部分の設計に柔軟性を持たせることが難しい点であ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、材料
供給装置に使用するカム機構を提供する。このカム機構
は、ほぼ環状に延びる第1案内溝及びこの第1案内溝よ
り浅い第2案内溝を有するカム板と、このカム板に対し
て移動自在な従動手段とを有する。従動手段は、第1案
内溝に沿って移動自在に設けられた第1カムフォロワー
と、第1及び第2案内溝に沿って移動自在に設けられた
第2カムフォロワーとを有する。更にカム機構は、第1
及び第2案内溝に沿って従動手段を旋回させる回転駆動
手段と、従動手段に連結された採取手段と、第1及び第
2カムフォロワーを互いに連結する第1アームと、この
第1アームに固定された第2アームと、この第2アーム
に固定されるとともにカムの中心軸線と平行に延びる従
動シャフトとを備えている。第1案内溝は、第1カムフ
ォロワーに係合する部分と、前記第1及び第2カムフォ
ロワーの両者に係合する部分とを有する一方、第2案内
溝は第2カムフォロワーに係合する部分を有する。従動
シャフトは、採取手段に対して回転自在に連結される。
従動シャフトの中心軸線は、第1及び第2カムフォロワ
ーの各々の中心軸線よりも第1アームの中心軸線から離
れた位置に配置される。
【0008】本発明のカム機構は、採取手段を下方へ移
動させる基本的な動作に加え、採取手段を上方へ移動さ
せる動作を行うことができる。つまり、このカム機構に
おいて、材料(容器ブランク)は、採取手段によりホッ
パーの外へ持ち上げられてから装填位置へ送られる。本
発明のカム機構は、従来のものに比べ非常に進歩してい
る。なぜなら、採取手段及びこの採取手段に保持された
材料の動きがより複雑であり、この装置に使用されるホ
ッパーの設計及び包装装置中の他の部分の設計に大きな
柔軟性を持たすことができるからである。また、本発明
によれば、包装装置の運転速度も極めて速くなる。
【0009】本願第2の発明は、上記カム機構及び材料
積載部を有する材料供給装置を提供する。この装置にお
いて、採取手段は、回転駆動手段の回転方向と逆方向に
旋回しながら材料積載部から材料を取り出すことができ
る。
【0010】
【作用】採取手段は、カム板の中心軸線から離れた最外
方位置と、この位置よりカム板の中心軸線に近い最内方
位置との間を行き来する。採取手段は、回転駆動手段の
回転方向と同じ方向及び逆方向に旋回させられる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。
【0012】図1において、カム板10は部分的に断面
で示されている。この断面部分に符号11,12で示さ
れるのが案内溝である。案内溝11は、案内溝12より
も浅く形成されている。案内溝11は、軸方向長(図1
における左右方向の寸法)の比較的短いカムフォロワー
21のみを受け入れるようになっている。カムフォロワ
ー22は、その軸方向長がカムフォロワー21のそれよ
り長く、カムフォロワー21に対向する位置に配されて
いる。
【0013】図2にはカム板10の正面図が示されてい
る。この図において、カムフォロワー21,22は、カ
ム板10の中心軸線に沿う駆動シャフト40の周りの種
々の位置に示されている。図2から判るように、深い方
の案内溝12は、カム板10の周縁の近傍にほぼ周縁全
長に沿って環状に形成される。しかし、点Xにおいて浅
い方の案内溝11が案内溝12から分岐している。
【0014】分岐した案内溝11がカム板10のほぼ上
縁沿いを点11aに向かって延びるのに対し、案内溝1
2は案内溝11の内側(駆動シャフト40寄り)を点1
2aに向かって延びる。案内溝11は、点11aにおい
て折れ曲がって方向を変え、今度はカム板10の内方
(駆動シャフト40寄り)へ延びるので、両案内溝1
1,12は、点Yにおいて互いに交差する。
【0015】交差点Yの下方では、案内溝12がさらに
点12aに向かって延びるのに対し、案内溝11は、案
内溝12の内側をカム板10の下縁に向かって延びる。
案内溝12は、点12aで折れ曲がって今度はカム板1
0の下縁に沿って延びるので、両案内溝11,12は点
Zで合流する。
【0016】カムフォロワー21,22は、第1アーム
26により互いに連結されている。図1に示すように、
第1アーム26は、駆動板30に回転自在に支持される
アームシャフト27を有する。このアームシャフト27
は、第2アーム50の一端に差し込まれ、キーを介して
第2アーム50に固定されている。
【0017】駆動板30は、カム板10に対して回転し
得るよう駆動シャフト40に固定されている。駆動板3
0により第1アーム26が駆動シャフト40の周りを旋
回させられると、カムフォロワー21,22は図2〜図
9に示すように各々の所定の経路に沿って運動する。
【0018】カムフォロワー21,22は、各々軸線1
及び軸線2を中心として回転可能であり、第1アーム2
6の運動中に摩擦を減少させるベアリング作用がある。
アームシャフト27の中心軸線3は軸線1,2のほぼ中
央に位置する。
【0019】第1アーム26と第2アーム50とは、相
対的に動くことがないよう互いに剛結合されている。第
2アーム50は、従動シャフト52に接続されている。
つまり、第2アーム50の他端には穴51が形成され、
この穴51に従動シャフト52の1端が挿入されかつ固
定されている。従動シャフト52の中心軸線4は、カム
フォロワー21,22の中心軸線1,2に比べアームシ
ャフト27の中心軸線3から離れた位置に配置されてい
る。
【0020】この構成により、カム機構を駆動する駆動
シャフト40の一定方向への回転中に、後述する吸引カ
ップ58が一時的に逆方向へ旋回することになる。な
お、本実施例では、アームシャフト27が第1アーム2
6の長手方向のほぼ中央位置に設けられているが、中央
位置でなくとも良いことは勿論である。
【0021】従動シャフト52は、摺動ブロック54内
に挿入され、摺動ブロック54に対して中心軸線4を中
心に回転自在である。摺動ブロック54には、ロッド5
6と吸引カップ58が固定されている。ロッド56は、
カラー57内に挿入され、カラー57に対してロッド長
手方向に摺動自在である。カラー57は、駆動シャフト
40に対して回転自在に嵌められており、駆動シャフト
40が駆動しても回転しない。また、カラー57は、駆
動シャフト40上でその軸方向に動かないよう拘束され
ている。
【0022】駆動シャフト40が駆動板30を回転させ
ると、回転する駆動板30が第1アーム26を駆動シャ
フト40の周りに旋回させる。アームシャフト27は、
駆動板30に回転自在に挿入されているので、固定され
たカム板10に対して第1アーム26が旋回運動する
時、第1アーム26は、同時にその中心軸線3を中心に
駆動板30に対して回転する。この時、吸引カップ58
と摺動ブロック54は、第1アーム26及び従動シャフ
ト52に対して回動し、ロッド56は、カラー57に対
して摺動させられる。第1アーム26及び他の構成部分
の動きについては、図2〜図9に基づいて後に詳述す
る。
【0023】吸引カップ58は、真空吸引装置(図示
略)に接続されている。真空吸引装置は、吸引カップ5
8内の圧力を制御することにより吸引カップ58に容器
ブランクを吸い付けたり吸引カップ58から容器ブラン
クを放したりするのに使用される。カム機構の回転周期
中の特定のタイミングに吸引装置を作動させて吸引カッ
プ58の内圧を上げたり下げたりすることにより、容器
ブランクを適切なタイミングでつかみ、あるいは解放す
ることができる。
【0024】図2は、ブランク供給周期中の異なるタイ
ミングにおけるカムフォロワー21,22及びその他の
部分のカム板10に対する位置を示すものである。この
図において、第1アーム26、第2アーム50、従動シ
ャフト52、ロッド56及び吸引カップ58は概略的に
示されている。
【0025】すなわち、第1アーム26は、カムフォロ
ワー21,22の間を結ぶ実線として、第2アーム50
は、カムフォロワー21から延びる第1アーム26の延
長線として、また従動シャフト52は、第2アーム50
の先端の点として示されている。更にロッド56は、第
2アーム50の先端からカム板10のほぼ半径方向外方
に延びる実線により、また吸引カップ58は、ロッド5
6の外方端の点により表されている。
【0026】吸引カップ58が図2の位置Oにある時、
両カムフォロワー21,22は共に案内溝12内、すな
わち図2中右側の円弧状部内にある。カム機構の回転周
期中に吸引カップ58がたどる経路は軌跡Lで示されて
いる。この軌跡L上には前述の点Oの他に七つの点A,
B,C,D,E,F,Gが吸引カップ58の位置として
示されている。吸引カップ58がこれら各位置にある時
の容器ブランクの状態(容器ブランクとホッパー70及
び容器ブランクと吸引カップ58の位置関係)及びカム
フォロワー21,22の位置が図3〜図9に示されてい
る。すなわち、位置A〜Gは、各々図3〜9に対応す
る。これらの図3〜9は、全て包装装置の一部である材
料供給装置の側面図である。
【0027】まず、図3について説明すれば、この図は
吸引カップ58により先頭の容器ブランクC1がホッパ
ー70から取り出される前の状態を示している。ホッパ
ー70内には、容器ブランクC1を含む多数の筒状の容
器ブランクCが平板状に潰された状態で積み込まれてい
る。
【0028】ホッパー70は、底部66及びこの底部6
6の前端(または下端)から斜め上方に突出するリム6
8を有する。リム68は先頭(または一番下)の容器ブ
ランクに係合する。これら底部66及びリム68は、共
に容器ブランクCを支持する。特にリム68は、容器ブ
ランクが前方へスライドしてホッパー70から抜け出る
のを防止する。容器ブランクCは、更に頂部ブラケット
60によりホッパー70内に支持されている。このブラ
ケット60は、ローラ62とアーム64とを備えてい
る。
【0029】前述したように、図3は、吸引カップ58
が図2に示される位置Aにある場合の吸引カップ58と
容器ブランクCとの位置関係及びカムフォロワー21,
22の位置を示している。吸引カップ58がこの位置に
ある時、カムフォロワー21は、図2に示す位置11a
にある。
【0030】カムフォロワー22が案内溝12に沿って
カム板10上の位置XからYへ移動する間(正確にはカ
ムフォロワー22がXY間の距離の一部を動く数瞬の
間)、カムフォロワー21は、位置11aに止まって動
かない。カムフォロワー21が位置11aに止まってい
る間の吸引カップ58の移動軌跡上において、位置A
は、駆動シャフト40から最も遠い位置である。つま
り、図3において、ロッド56上の吸引カップ58は、
カム板10の半径方向外方に最も押し出された位置、す
なわち最外方位置にある。吸引カップ58は、この位置
で容器ブランクC1に押し当てられてこれに係合(吸
着)する。
【0031】図4は、吸引カップ58が図2に示される
位置Bにある場合の吸引カップ58と容器ブランクCと
の位置関係、及びカムフォロワー21,22の位置を示
している。吸引カップ58は、前述の位置Aから時計回
りの方向に移動(旋回)して位置Bに達する(この移動
方向は、駆動シャフト40の回転に従って反時計方向に
回転する駆動板30の回転方向とは逆である)。この吸
引カップ58の移動により、容器ブランクC1がその面
方向に沿って上方に持ち上げられる。
【0032】面方向に沿って動かされる理由は、ブラン
クC1の面がこれと接触した直後の吸引カップ58の移
動軌跡(図2の位置Aと位置B間の軌跡参照)に対して
ほぼ接線方向に延びているから、言い換えれば、ホッパ
ー70が中の容器ブランクをそのような状態に支持して
いるからである。
【0033】吸引カップ58により持ち上げられた容器
ブランクC1は、ボス63,リム68及び後続の容器ブ
ランクC等により案内されつつ上方へ摺動し、その上端
がブラケット60内の凹部65内へ挿入される。つま
り、吸引カップ58が位置Aから位置Bへ移動させられ
る際に、容器ブランクC1は、上方へ持ち上げられる。
そして吸引カップ58が位置Bに達すると、容器ブラン
クC1の下縁は、リム68の上端68aより上に出ると
ともに、容器ブランクC1の上縁は、頂部ブラケット6
0のアーム64に当接する。
【0034】駆動板30が駆動シャフト40とともに更
に反時計方向に回転すると、吸引カップ58は、図2の
位置Cに達する。この位置Cに吸引カップがある場合の
吸引カップ58と容器ブランクとの関係、及びカムフォ
ロワー21,22の位置は図5に示されている。
【0035】図2及び図5から判るように、吸引カップ
58がこの位置Cにある時、カムフォロワー21は、既
に案内溝11内の位置11aを離れている。つまり、位
置Cは、吸引カップ58の最外方位置、すなわち位置A
よりもカム板10寄りに後退した位置である。従って、
この時、容器ブランクC1は、図5に示すようにホッパ
ー70の外へ引き出され、しかも、その組み立て段階の
初期の状態にある。
【0036】この時、吸引カップ58内は、負圧にされ
て容器ブランクC1が吸引カップ58に吸い付けられる
ようになっている。吸引カップ58内が負圧に制御され
て容器ブランクC1を吸い付けるのは、吸引カップ58
がほぼ位置Aに達した時である。図3のローラ62と固
定ガイド72は、容器ブランクが包装容器に組み立てら
れるのを補助するのに使用される。
【0037】図10は包装装置の正面図である。この図
において、ホッパー70は、左右両側フランジF1,F
2を有する。吸引カップ58により容器ブランクC1の
前壁パネルが図5の右方に引き出される時、ローラ62
は、容器ブランクC1の頂壁パネルが動かないように拘
束する。この時、フランジF1,F2は、容器ブランク
の後壁パネルに連設された端壁パネルに係合して後壁パ
ネルを拘束する。つまり、前壁パネルが引き出される時
に頂壁パネル及び後壁パネルが拘束されていることによ
り、前壁パネルが後壁パネルから容易に分離する。すな
わち、ブランクの組み立てが容易になされる。
【0038】駆動板30が更に回転すると、吸引カップ
58は、図2に示す軌跡上の位置Dに達する。吸引カッ
プ58が前述の位置Cからこの位置Dに向かって移動す
る時、カムフォロワー22は、案内溝12内の位置12
aに向かって移動する。つまり、位置Cから位置Dへの
移動とは、言い換えれば、吸引カップ58の反時計方向
への移動の初期に相当する。従って、容器ブランクC1
は、吸引カップ58により下方へ引き降ろされてローラ
62との係合から離脱する。
【0039】しかし、この時点(吸引カップが位置Dに
ある時)においても、容器ブランクC1は、固定ガイド
72により保持された状態にある(図6参照)。このよ
うにして、容器ブランクC1がホッパー70から引き出
されると、ホッパー内の残りの容器ブランクは自重によ
り前進し、今度は容器ブランクC1の直後の容器ブラン
クがボス63及びリム68に当接する。
【0040】図6、すなわち吸引カップ58が位置Dに
来た時点において、容器ブランクC1は、ほぼ筒状に立
体化される。つまり、筒状になることにより、容器ブラ
ンクC1は、その中に物品(例えばビンや缶)を受け入
れることのできる状態となる(勿論、筒状の容器は中に
物品を収容した後に両端が閉じられて容器として完成す
る。)。吸引カップ58の最内方位置は、図に示されて
いないが、この位置は、図2の位置Dと位置Eの間の軌
跡上にある。
【0041】駆動板30が更に回転して、吸引カップ5
8が位置Dよりさらに先に進んだ状態が図7に示されて
いる。図7は、吸引カップ58が図2の位置Eにある場
合の吸引カップ58と容器ブランクC1の様子、及びカ
ムフォロワー21,22の位置を示している。
【0042】吸引カップ58がこの位置Eにある時、容
器ブランクC1はまだホッパー70から引き出される過
程にあり、かつ容器ブランクC1は、まだ完全に物品を
受け入れることのできる状態になっていない。吸引カッ
プ58の位置Dから位置Eへの移動は、言い換えれば、
吸引カップ58が引き続き反時計方向に駆動シャフト4
0の周囲を旋回することであるが、この移動により、図
7のように、容器ブランクC1は、更にホッパー70か
ら遠ざかる。
【0043】この時点においても、容器ブランクC1
は、部分的にまだ固定ガイド72に保持されているとと
もに、まだ完全に筒状に立体化された状態になっていな
い。なぜなら、容器ブランクC1が吸引カップ58によ
り図7の右方に引かれると同時に、固定ガイド72との
間に生じる摩擦力により容器ブランクC1が左方に引か
れて偏平になるからである。
【0044】図8及び図9は、吸引カップ58が位置E
から更に先に進み、容器ブランクC1がフライトバー8
0a,80bの間へ運ばれた状態を示している。フライ
トバー80a,80bは、筒状の容器をベース82に沿
って移動させるものである。ただし、ベース82自体も
コンベヤである。
【0045】図9には完全に筒状に組み立てられた容器
ブランクが示されている。この時点において、吸引カッ
プ58は、まだ容器ブランクC1の頂壁パネルを解放し
ていない。図8及び図9は、吸引カップ58が図2に示
す軌跡L上の位置F及び位置Gの各々にある場合の吸引
カップ58と容器ブランクC1の様子、及びカムフォロ
ワー21,22の位置を示している。
【0046】駆動板30が更に回転すると、カムフォロ
ワー21,22は、両者とも図9に示す位置から案内溝
12に沿って反時計回りに旋回する。つまり、吸引カッ
プ58は、位置Gから反時計方向に移動し、位置Oを経
て再度位置Aに達する。その後は駆動シャフト40が回
転する限り前述した動作が繰り返される。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、採取手段の動きがより複雑であり、従っ
て、このカム機構とともに使用される(あるいは材料供
給装置中に使用される)ホッパーの設計及び包装装置内
の他の部分の設計に大きな柔軟性を持たせることができ
る。また、本発明によれば包装装置の運転速度を高める
ことができる。例えば、本発明のカム機構を複数使用し
て、上述したようなホッパー及び材料供給装置を複数有
する包装装置を構成すれば、包装処理速度が著しく速く
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカム機構の一実施例を示す一部を断面
にした側面図。
【図2】図1のカム機構に使用されるカム板の正面図で
あり、送り出し周期中のカム機構の動きを概略的に表す
図。。
【図3】包装装置の一部である本発明の材料供給装置の
側面図であり、吸引カップが図2の位置Aにある時の状
態を示す図。
【図4】吸引カップが図2の位置Bにある時の図3相当
図。
【図5】吸引カップが図2の位置Cにある時の図3相当
図。
【図6】吸引カップが図2の位置Dにある時の図3相当
図。
【図7】吸引カップが図2の位置Eにある時の図3相当
図。
【図8】吸引カップが図2の位置Fにある時の図3相当
図。
【図9】吸引カップが図2の位置Gにある時の図3相当
図。
【図10】材料供給装置の一部を示す正面図。
【符号の説明】
1 第2カムフォロワーの中心軸線 2 第1カムフォロワーの中心軸線 3 第1アーム(アームシャフト)の中心軸線 10 カム板 11 第2案内溝 12 第1案内溝 21 第2カムフォロワー 22 第1カムフォロワー 26 第1アーム 30 駆動板 40 回転駆動軸 50 第2アーム 52 従動シャフト 58 採取手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】材料供給装置に使用するカム機構であっ
    て、(イ) ほぼ環状に延びる第1案内溝及びこの第1
    案内溝より浅い第2案内溝を有するカムと、(ロ) 前
    記第1案内溝に沿って移動自在に設けられた第1カムフ
    ォロワー、並びに前記第1及び第2案内溝に沿って移動
    自在に設けられた第2カムフォロワーを有する従動手段
    と、(ハ) 前記第1及び第2案内溝に沿って前記従動
    手段を旋回させる回転駆動手段と、(ニ) 前記従動手
    段に連結された採取手段と、(ホ) 前記第1及び第2
    カムフォロワーを互いに連結する第1アームと、(ヘ)
    この第1アームに固定された第2アームと、(ト)
    この第2アームに固定されるとともに前記カムの中心軸
    線と平行に延びる従動シャフトとを備え、(チ) 前記
    第1案内溝は、第1カムフォロワーに係合する部分と前
    記第1及び第2カムフォロワーの両者に係合する部分と
    を有し、(リ) 前記第2案内溝は、第2カムフォロワ
    ーに係合する部分を有し、(ヌ) 前記従動シャフト
    は、前記採取手段に対して回転自在に連結されるととも
    に、この従動シャフトの中心軸線は、前記第1及び第2
    カムフォロワーの各々の中心軸線よりも前記第1アーム
    の中心軸線から離れた位置に配置され、 前記採取手段が前記カムの中心軸線から離れた最外方位
    置とこの位置より前記中心軸線に近い最内方位置との間
    を行き来するとともに、前記採取手段が前記回転駆動手
    段の回転方向と同じ方向及び逆方向に旋回させられよう
    にしたことを特徴とするカム機構。
  2. 【請求項2】請求項1記載のカム機構と材料積載部とを
    有し、前記採取手段が、前記回転駆動手段の回転方向と
    逆方向に移動しながら前記材料積載部から材料を取り出
    すようにしたことを特徴とする材料供給装置。
  3. 【請求項3】前記材料積載部は、組み立て前の状態の容
    器ブランクを保持するホッパーであり、このホッパー
    は、中の容器ブランクの重量の大部分を支持する底部を
    有し、この底部は、その最下端縁から突出するリムを備
    え、このリムに一番先頭の容器ブランクが当接して支持
    されるようにした請求項2記載の材料供給装置。
  4. 【請求項4】前記ホッパーは頂部ブラケットを備え、こ
    のブラケットは凹部を有し、この凹部の深さは前記リム
    の高さ以上の寸法であり、前記リムの上方に容器ブラン
    クを持ち上げた時、その容器ブランクの一部が前記凹部
    に入り込むことにより容器ブランクがリムを乗り越える
    ようにした請求項3記載の材料供給装置。
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