JPH05202633A - 地下立体駐車場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入出庫口を、地表、地下の竪穴中間、竪穴最
下部の任意の位置に設けることができ、また車両の入出
庫に要する時間を従来よりも短縮でき、更に地下トンネ
ルから自由に入出庫することも可能な地下立体駐車場を
提供する。 【構成】 地下の竪穴１内に、複数段の車載ターンテー
ブル４を個別に回転自在に設けるとともに、車両を乗載
して該車載ターンテーブル上に搬入・排出するための昇
降キャリア１４を昇降自在に装備する。各車載ターンテ
ーブルの一部には昇降キャリアの通過をさせるキャリア
通過口９を設ける。車両を転載する際に、昇降キャリア
の上下の通過が車載ターンテーブルの駐車部分１０でも
許容できるように、その駐車部分と昇降キャリアとを互
いに食い違う櫛形とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は地下の竪穴を利用した地
下立体駐車場に関する。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、この種の立体駐車場として
特開平３−８７４７５号に記載のものを既に提案してい
る。この立体駐車場は、地下の竪穴の中央にエレベータ
シャフト、その周囲に複数段の駐車フロアを設け、エレ
ベータシャフト中を昇降するエレベータ上に回転するタ
ーンテーブル、更にその上に横移動するトラバースを搭
載したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の立
体駐車場によると次のような問題点がある。 エレベータ上でターンテーブルを回転させることに
よって駐車フロア上の駐車箇所を選択した後、該ターン
テーブル上でトラバースを横移動させることによって車
両を駐車フロアへ転載し、またこれと逆の手順で駐車フ
ロアからエレベータ上へ転載するため、その転載（搬入
・搬出）に時間がかかる。 各階の駐車フロアは固定され、その中央をエレベー
タが貫通して昇降する構造であるため、竪穴に地下トン
ネルを接続し、地下トンネルからの車両を竪穴の中間か
らエレベータを通じて入出庫することはできない。

【０００４】本発明の目的は、このような問題点を解決
し、入出庫口を、地表、地下の竪穴中間、竪穴最下部の
任意の位置に設けることができ、また車両の入出庫に要
する時間を従来よりも短縮でき、更に地下トンネルから
自由に入出庫することも可能な地下立体駐車場を提供す
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明による地下立体駐
車場では、地下の竪穴内に、複数段の車載ターンテーブ
ルを個別に回転自在に設けるとともに、車両を乗載して
該車載ターンテーブル上に搬入・排出するための昇降キ
ャリアを昇降自在に装備する。各車載ターンテーブルの
一部には昇降キャリアの通過をさせるキャリア通過口を
設ける。

【０００６】車両を転載する際に、昇降キャリアの上下
の通過が車載ターンテーブルの駐車部分でも許容できる
ように、その駐車部分と昇降キャリアとを互いに食い違
う櫛形とするのが良い。

【０００７】車載ターンテーブルは、安定性を良くする
ため、竪穴中に建てられた支柱と竪穴周壁との間に回転
自在に支承する。支柱と竪穴周壁に、昇降キャリアの昇
降を案内するラックレールを設け、昇降キャリアに、こ
れらラックレールと噛み合って昇降キャリアを昇降させ
る昇降駆動装置を設けて、昇降キャリアを自走式に昇降
させることができる。

【０００８】

【作用】車載ターンテーブルの駐車部分が、昇降キャリ
アの上下の通過を許容できるように櫛形になっている場
合について、車両の入出庫動作を説明すると次のとおり
である。通常、車載ターンテーブルは、車両を乗載した
昇降キャリアがそのまま上下に通過できるように、キャ
リア通過口が昇降キャリアの昇降路に一致するようにし
ておく。入庫する場合には、車両を乗載した昇降キャリ
アを、駐車対象の車載ターンテーブルの上方に位置する
高さまで下降（又は上昇）させ、その車載ターンテーブ
ルの空の駐車部分が昇降キャリアの真下にくるように、
当該車載ターンテーブルを回転させた後、昇降キャリア
を下降させて空の駐車部分の下方へと通過させれば、昇
降キャリア上の車両はその駐車部分に自動的に転載され
る。

【０００９】出庫する場合には、出庫対象の車載ターン
テーブルを回転させてその出庫対象の駐車部分を空の昇
降キャリアの真上に位置させた後、昇降キャリアを上昇
させて駐車部分の上方へと通過させれば、その駐車部分
に駐車していた車両は昇降キャリア上に自動的に転載さ
れる。この後、その昇降キャリアを車載ターンテーブル
のキャリア通過口を通じて上昇させて地上の入出庫口
へ、又は下降させて地下の入出庫口へと車両を搬送す
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図１において、地表に開口した竪穴１は、
連続地中壁工法等により構築された円筒形のコンクリー
ト又は鋼製外壁２によって囲繞されている。この竪穴１
の中央には鋼製又はコンクリート製の中空の支柱３が鉛
直に建てられ、該支柱３は竪穴１の底部から地表まで延
びている。

【００１１】支柱３と外壁２との間に、複数段のリング
状車載ターンテーブル４が回転自在に水平に支承されて
いる。各車載ターンテーブル４は、図２に示すように支
柱３の外周面に設けられた内輪レール５上と外壁２の内
周面に設けられた外輪レール６上に、内外両側のローラ
７・８を介して回転摺動自在に載置されている。そし
て、各車載ターンテーブル４は、例えば外側のローラ８
を図示しない回転駆動装置によって回転させることによ
り、内外のレール５・６上を回転される。

【００１２】各車載ターンテーブル４には、図３及び図
４に示すように、矩形の１個のキャリア通過口９と複数
の櫛形の駐車部分１０とが円周方向に所定の間隔をおい
て設けられている。各駐車部分１０は、車載ターンテー
ブル４に設けられた矩形の開口１１の内側に車載フォー
ク１２を水平に固定架設してなるものである。

【００１３】一方、支柱３の外周面には、左右一対の内
側のラックレール１３が上端部から下端部にわたって鉛
直に設けられ、また図示していないが外壁２の内周面に
も、この内側のラックレール１３と対向する左右一対の
外側のラックレールが鉛直に設けられ、これら内外のラ
ックレールに沿って図５に示す昇降キャリア１４が昇降
するようになっている。

【００１４】昇降キャリア１４は左右一対のフォーク１
４a ・１４b で構成されている。各フォーク１４a ・１
４b の枠材１５の両端には、内側のラックレール１３及
び外側のラックレールと噛み合って昇降キャリア１４を
昇降させる内外の昇降駆動装置１６・１７が装着され、
昇降キャリア１４は内外のラックレールに沿って水平の
まま昇降する。

【００１５】この昇降キャリア１４は、車載ターンテー
ブル４のキャリア通過口９をそのまま上下に通過できる
大きさになっており、このキャリア通過口９を通じ地上
の入出庫１８（図１）から最下段の車載ターンテーブル
４の下方までの間を自由に昇降させることができるよう
になっている。また、昇降キャリア１４は、そのフォー
ク１４a ・１４b が車載ターンテーブル４の車載フォー
ク１２と食い違っているため、各駐車部分１０を上下に
通過することもできるようになっている。

【００１６】以上のように構成された本地下立体駐車場
では、通常は全車載ターンテーブル４のキャリア通過口
９を、入出庫口１８の真下に形成される昇降キャリア１
４の昇降路に一致させ、昇降キャリア１４がそのまま自
由に通過できるようにしておく。地上から車両を入庫す
る場合には、入出庫口１８で車両を昇降キャリア１４上
に載せ、その昇降キャリア１４を駐車対象の車載ターン
テーブル４の上方に位置する高さまで下降させてから、
該車載ターンテーブル４の空の駐車部分１０が昇降キャ
リア１４の真下にくるところまで車載ターンテーブル４
を回転させる。この後、昇降キャリア１４を下降させて
空の駐車部分１０の下方へと通過させれば、昇降キャリ
ア４上の車両はその駐車部分１０の車載フォーク１２上
に自動的に転載される。

【００１７】出庫する場合には、出庫対象の車載ターン
テーブル４を回転させてその出庫対象の駐車部分１０を
空の昇降キャリア１４の真上に位置させた後、昇降キャ
リア１４を上昇させて駐車部分１０の上方へと通過させ
れば、その駐車部分１０に駐車していた車両は昇降キャ
リア１４の左右のフォーク１４a ・１４b 上に自動的に
転載される。この後、その昇降キャリア１４を車載ター
ンテーブル４のキャリア通過口９を通じて上昇させて地
上の入出庫口１８へと車両を搬送する。

【００１８】なお、本地下立体駐車場に図１に示すよう
に車道を有する地下のトンネル１９を連絡すれば、地下
のトンネル１９からも自由に入出庫することができる。
また、本地下立体駐車場を地上建造物の地下に構築すれ
ば、支柱３と外壁２を地上建造物の基礎として兼用する
こともできる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の地下立体駐車場によれば次のよ
うな効果がある。 (1) 車両を乗載して鉛直方向に搬入・搬出する昇降キャ
リアと、竪穴内で回転する複数段の車載ターンテーブル
とからなり、これらを独立して昇降又は回転させること
により、任意の段の車載テーブルの任意の駐車部分に車
両を搬入・搬出できるため、入出庫を能率的に行え、そ
の所要時間を従来よりも短縮できる。 (2) 車両を鉛直方向に搬送する際には、車載ターンテー
ブルのキャリア通過口を昇降キャリアの昇降路に一致さ
せるため、その昇降路は車載ターンテーブルの円周方向
のどこにあってもよく、従ってその昇降路に連絡する入
出庫口を、地表の設置条件に応じて竪穴の中央の周囲の
任意の位置に設けることができる。

【００２０】(3) 竪穴の中央に支柱を建て、該支柱の外
壁との間に車載ターンテーブルを支承した構造であるた
め、構造上深くでき、しかも車載ターンテーブル相互の
上下の間隔を狭くして多層構造にできる。 (4) 地下トンネルと連絡することにより、地下トンネル
から自由に入出庫することも可能である。 (5) 地上建造物の地下に構築することにより、その地上
建造物の基礎として兼用することもできる。

【００２１】(6) 車載ターンテーブルの駐車部分と昇降
キャリアとを互いに食い違う櫛形とし、昇降キャリアの
上下の通過が車載ターンテーブルの駐車部分でも許容で
きるようにすれば、車載ターンテーブルと昇降キャリア
との間の車両の転載を能率的に行える。 (7) 車載ターンテーブルを竪穴中に建てられた支柱と竪
穴周壁との間に回転自在に支承すれば、車載ターンテー
ブルの安定性が良い。 (8) 支柱と竪穴周壁に、昇降キャリアの昇降を案内する
ラックレールを設け、昇降キャリアに、これらラックレ
ールと噛み合って昇降キャリアを昇降させる昇降駆動装
置を設ければ、昇降キャリアを自走式に昇降させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による地下立体駐車場の一例の全体の概
要斜視図である。

【図２】車載ターンテーブルの支承構造を示す断面図で
ある。

【図３】支柱の一部と車載ターンテーブルの斜視図であ
る。

【図４】車載ターンテーブルの平面図である。

【図５】車載ターンテーブルと昇降キャリアとの関係を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 竪穴 ２ 外壁 ３ 支柱 ４ 車載ターンテーブル ９ キャリア通過口 １０ 駐車部分 １４ 昇降キャリア １３ ラックレール １６・１７ 昇降駆動装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】地下の竪穴内に、複数段の車載ターンテー
   ブルを個別に回転自在に設けるとともに、車両を乗載し
   て該車載ターンテーブル上に搬入・排出するための昇降
   キャリアを昇降自在に装備し、各車載ターンテーブルの
   一部に昇降キャリアを通過させるキャリア通過口を設け
   たことを特徴とする地下立体駐車場。
2. 【請求項２】前記車載ターンテーブルの駐車部分で前記
   昇降キャリアの上下の通過が許容されるように、これら
   駐車部分と昇降キャリアとを互いに食い違う櫛形にした
   ことを特徴とする請求項１に記載の地下立体駐車場。
3. 【請求項３】車載ターンテーブルを、前記竪穴中に建て
   られた支柱と竪穴周壁との間に回転自在に支承したこと
   を特徴とする請求項１又は２に記載の地下立体駐車場。
4. 【請求項４】前記支柱と竪穴周壁に、前記昇降キャリア
   の昇降を案内するラックレールを設け、昇降キャリア
   に、これらラックレールと噛み合って昇降キャリアを昇
   降させる昇降駆動装置を設けたことを特徴とする請求項
   ３に記載の地下立体駐車場。