JPH05163356A - フェノール性水酸基を含有するジブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

フェノール性水酸基を含有するジブロック共重合体およびその製造方法

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JPH05163356A
JPH05163356A JP35290591A JP35290591A JPH05163356A JP H05163356 A JPH05163356 A JP H05163356A JP 35290591 A JP35290591 A JP 35290591A JP 35290591 A JP35290591 A JP 35290591A JP H05163356 A JPH05163356 A JP H05163356A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 耐熱性が良好であり、高い溶剤溶解性を有
し、他のポリマーとの相溶性がよく、かつ、成形加工時
に異常な粘度上昇を伴わず、活性水素と反応可能な材料
と複合化できる新規なジブロック共重合体およびその製
造方法を提供する 【構成】 下記一般式(I)で示されることを特徴とす
るポリアミド−ポリブタジエンジブロック共重合体。 (Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳香族
基、Ar2 は二価の有機基、Arは下記式(1)〜
(6)で示される二価の芳香族基、nおよびxは、平均
重合度であって、n=2〜100、x=20〜200、
kおよびmは共縮重合比であって、k/(k+m)の値
が0.01〜1.0。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール性水酸基を
有する構造の規制された新規なジブロック共重合体およ
びその製造方法に関し、更に詳しくは、フェノール性水
酸基を有する反応可能なポリアミド−ポリブタジエンジ
ブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは柔軟な分子構造を有
し、また、スチレン−ブタジエン共重合体は優れた熱可
塑性弾性体であることが知られている。しかしながら、
この共重合体は、低温で軟化し、120℃を越える温度
域では満足な性能を示さないという問題があった。この
問題を解決するために、スチレン成分をポリアミド成分
に変えたポリアミド−ポリブタジエン系ブロック共重合
体が提案されている(特開昭60−49026号公報及
び特公昭62−3171号公報)。このブロック共重合
体は、有機溶媒への溶解性、他のポリマーとの相溶性に
問題あるので、耐熱性を損なわずにそれらの問題点を改
良したものとして、本発明者は、ポリアミド−アクリロ
ニトリル−ブタジエン系ブロック共重合体が提案し、ま
た、他の反応性材料との複合化において、機能性を発現
するフェノール性水酸基を有するポリアミド−アクリロ
ニトリルーブタジエン系ブロック共重合体を提案した。
(特願平2−105290号)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で提案されている上記ポリアミド−ポリブタジエン系ブ
ロック共重合体、ポリアミド−アクリロニトリル−ポリ
ブタジエン系ブロック共重合体或いはフェノール性水酸
基を有するポリアミド−アクリロニトリル−ポリブタジ
エン系マルチブロック共重合体、耐熱性、溶剤溶解性、
相溶性を有するものの、そのポリマー構造および分子量
分布が規制されていないため、他の材料とのブレンドに
おいて、粘度が異常に上昇し、加工困難である等の問題
があった。本発明は、上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものである。したがって、本発明の目的は、耐熱性
が良好であり、高い溶剤溶解性を有し、他のポリマーと
の相溶性がよく、かつ、成形加工時に異常な粘度上昇を
伴わず、活性水素と反応可能な材料と複合化できる新規
なジブロック共重合体およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来提案
された技術における上記問題点を解決するために研究を
進めた結果、ポリアミド−ポリブタジエン系ブロック共
重合体を製造する際に、両末端にカルボキシル基を有す
るアクリロニトリル−ブタジエン共重合体の代わりに、
片末端にのみカルボキシル基を有するポリブタジエンを
使用することにより、上記の問題が解決されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明のポリアミド−ポリブタ
ジエンジブロック共重合体は、片末端にのみカルボキシ
ル基を有するポリブタジエン共重合体と、片末端にアミ
ノアリール基を他の片末端にカルボキシル基を有し、か
つ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基を有するポリア
ミドとの縮合体であって、下記一般式(I)で示される
ものである
【化7】 (式中、Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳
香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、Arは下
記式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、
【0006】
【化8】 nおよびxは、それぞれ平均重合度であって、n=2〜
100、x=20〜200の整数を示し、kおよびmは
共縮重合比であって、k/(k+m)の値が0.01〜
1.0であり、k+m=1の数である。)
【0007】また、本発明の、上記フェノール性水酸基
を持つポリアミド−ポリブタジエンジブロック共重合体
の製造方法は、下記一般式(II)で示される片末端にカ
ルボキシル基を有するポリブタジエン
【化9】 (式中、xは平均重合度であって、x=20〜200の
整数を示す。)と、下記一般式(III )で示される片末
端にアミノアリール基を他の片末端にカルボキシル基を
有し、かつ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基を有す
るポリアミド
【化10】 (式中、Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳
香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、Arは下
記式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、
【化11】 nは平均重合度であって、n=2〜100、x=20〜
200の整数を示し、kおよびmは共縮重合比であっ
て、k/(k+m)の値が0.01〜1.0であり、k
+m=1の数である。)とを、芳香族亜リン酸エステル
とピリジン誘導体の存在下に実施することを特徴とする
【0008】本発明の製造方法によれば、官能基である
フェノール性水酸基を保護することなしに、又はこの水
酸基とカルボキシル基やアミノ基との反応を起こすこと
なしに、更には、これらの縮合に際して高温を必要とせ
ず、ブタジエン鎖の分解や反応などの副反応やアミド交
換反応をさけることができるばかりでなく、構造の規制
されたフェノール性水酸基を持つポリアミド−ポリブタ
ジエンジブロック共重合体を容易に製造できるという、
大きな利点を有する。
【0009】次に、本発明について詳細に説明する。本
発明において、原料として使用される一般式(II)で示
される片末端にカルボキシル基を有するポリブタジエン
は、数平均分子量が1000〜5000程度のものであ
って、例えば、ブタジエンをアニオン重合させ、次いで
片末端のみがプロトン化される量のプロトン供与性溶剤
を添加して、過剰の炭酸ガスを導入し、重合反応を停止
することによって製造することができるが、製造方法
は、如何なる方法によってもよい。
【0010】一方、本発明の他の原料である一般式(II
I )で示される片末端にアミノアリール基を有し、他の
片末端にカルボキシル基を有するポリアミドは、下記の
反応式にしたがって、一般式(IV)で示される芳香族ジ
アミンと、一般式(V)で示されるヒドロキシ置換芳香
族ジカルボン酸および一般式(VI)で示されるジカルボ
ン酸とを、公知の方法によって反応させることによって
製造することができる。ただし、その際、フェノール性
水酸基が反応によって影響を受けないと言う制限があ
る。
【0011】
【化12】 (式中、Ar、Ar1 、Ar2 、k、mおよびnは、前
記と同意義を有し、Xはヒドロキシル基、メトキシ基等
のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、
エチルチオ基等のアルキルチオ基、フェニルチロ基等の
アリールチオ基等を表わす。)
【0012】得られる一般式(III )で示される片末端
にアミノアリール基を有し、他の片末端にカルボキシル
基を有するポリアミドの平均重合度は、得られるジブロ
ック共重合体の引っ張り強度、引っ張り弾性率等の機械
的特性を考慮して、2〜100の範囲にする必要があ
り、数平均分子量は数千〜20万の範囲が適当である。
【0013】一般式(IV)で示される芳香族ジアミンと
しては、例えば、ビス(4−アミノフェニル)メタン、
ビス(3−アミノフェニル)メタン、4,4′−エチレ
ンジアニリン、2,2′−ビス(p−アミノフェニル)
プロパン、3,4′−オキシジアニリン、4,4′−オ
キシジアニリン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、3,3′
−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾ
フェノン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス
(4−アミノフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等があげられ
るが、これらに限定されるものではない。更に、本発明
のポリアミド体の形成に対して、これら芳香族ジアミン
類を単独又は複数個併用することができる。
【0014】また、上記一般式(V)で示されるヒドロ
キシ置換芳香族ジカルボン酸としては、4−ヒドロキシ
イソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒド
ロキシフタル酸、4−ヒドロキシフタル酸、2−ヒドロ
キシテレフタル酸、3−ヒドロキシテレフタル酸および
これらの誘導体をあげることができるが、これらに限定
されるものではない。またこれらのものは単独または複
数併用することもできるが、本発明においては、これら
フェノール性水酸基を持つ芳香族ジカルボン酸は、全ジ
カルボン酸に対して1モル%以上含有させることが必要
である。さらに、一般式(VI)で示されるジカルボン酸
としては、脂肪族、脂環式、芳香族等、如何なるジカル
ボン酸でも差し支えない。例えば、イソフタル酸、テレ
フタル酸、3,3′−ビフェニルジカルボン酸、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二
安息香酸、4、4′−メチレン二安息香酸、4,4′−
オキシ二安息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、3,
3′−カルボニル二安息香酸、4,4′−カルボニル二
安息香酸、4,4′−スルホニル二安息香酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メチ
ルマロン酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、1,10
−デカン二酸、フェニルマロン酸、ベンジルマロン酸、
フェニルスクシン酸、3−フェニルグルタル酸、ホモフ
タル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレ
ン二酢酸、4−カルボキシフェニル酢酸、5−ブロモ−
N−(カルボメチル)アントラニル酸、2,5−ジヒド
ロキシ−1,4−ベンゼン二酢酸、m−カルボキシシナ
モン酸等のジカルボン酸およびそれらの誘導体を例示す
ることができるが、これらに限定されるものではない。
これらは単独または複数併用することができる。
【0015】上記ジカルボン酸類と上記芳香族ジアミン
類とを使用して、上記一般式(III)で示される片末端に
アミノアリール基を持つポリアミドを製造する際には、
一般式(IV)で示される芳香族ジアミンと、一般式
(V)で示されるヒドロキシ置換芳香族ジカルボン酸お
よび一般式(VI)で示されるジカルボン酸とを、芳香族
ジアミンが混合ジカルボン酸成分に対して等モルになる
ように重縮合させるのが好ましい。また、得られるポリ
アミドは、好ましくは、固有粘度0.10dl/g〜
4.0dl/g、さらに好ましくは、0.20dl/g
〜1.2dl/g、の範囲のものである。
【0016】本発明のポリアミド−ブタジエン系ジブロ
ック共重合体は、上記片末端にカルボキシル基を有する
ポリブタジエンと、片末端にアミノアリール基を有し、
他の片末端にカルボキシル基を有するポリアミドとを縮
合させることによって製造される。縮合反応は、芳香族
亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在下で実施する
のが好ましい。なお、縮合反応は、片末端にカルボキシ
ル基を有するポリブタジエンと片末端にアミノアリール
基を有し、他の片末端にカルボキシル基を有するポリア
ミドとを、単に混合加熱することによっても実施できる
が、その場合には、縮合反応を高温下で行う必要があ
り、その結果、アミド交換反応、フェノール性水酸基と
ジカルボン酸とのエステル化反応およびエステル交換反
応などの副反応を伴うことが避けられず、フェノール性
水酸基の保護が必要になる。しかしながら、芳香族亜リ
ン酸エステルとピリジン誘導体の存在下では、フェノー
ル性水酸基を保護することなく縮合反応を行うことがで
き、また、高温を要せず、したがって、アミド交換反
応、エステル化反応、エステル交換反応などの副反応を
避けることができるという大きな利点がある。
【0017】本発明において使用することができる芳香
族亜リン酸エステルとしては、亜リン酸トリフェニル、
亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リ
ン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リ
ン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−トリル、亜リ
ン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−o−クロロフェニ
ル、亜リン酸トリ−p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−
p−クロロフェニル等があげることができるが、これら
に限定されるものではない。更に、本発明において芳香
族亜リン酸エステルと共に使用するピリジン誘導体とし
て、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコ
リン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−
ルチジン等をあげることができる。
【0018】この反応に際しては、通常の場合、ピリジ
ン誘導体を含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用され
る。ここで、使用する有機溶媒は、両反応成分や亜リン
酸エステルと実質的に反応しない溶媒という点で制限を
受けるが、このほかに両反応成分に対する良溶媒であっ
て、しかも反応生成物のジブロック共重合体に対する良
溶媒であることが望ましい。このような有機溶媒として
代表的なものは、N−メチル−2−ピロリドンやN,N
−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒である。さら
に、反応を円滑に進行させるために、塩化リチウム、塩
化カルシウムなどの無機塩類を反応系に添加することも
できる。
【0019】本発明によるジブロック共重合体の製造方
法をさらに詳しく説明すると、上記縮合反応において使
用する亜リン酸エステル系縮合剤の量は、通常カルボキ
シル基に対して等モル量以上が使用されるが、30倍モ
ル量以上の使用は経済的にみて得策ではない。又ここで
使用するピリジン誘導体の量は、カルボキシル基に対し
て等モル量以上であることが必要であるが、実際には反
応溶媒としての役割を含めて大過剰使用するのが好まし
い。ここでピリジン誘導体とN−メチル−2−ピロリド
ンによって代表される有機溶媒からなる混合溶媒が好ま
しく使用されるが、混合溶媒の使用量は、通常、反応成
分を5〜30重量%含むことになるだけの量が使用され
る。反応温度は、通常の場合、60〜140℃の範囲が
好ましい。反応時間は反応温度により大きく影響される
が、如何なる場合にも最高粘度が得られるまで反応系を
撹拌するのがよく、多くの場合数分から20時間の間で
ある。上記縮合反応においては、反応成分を等モル量使
用する。すなわち、末端にアミノアリール基と末端カル
ボキシル基のモル比率が1:1になるように反応させ
る。それによって、本発明のフェノール性水酸基を含有
するポリアミド−ポリブタジエンジブロック共重合体が
得られる。反応終了後は、反応混合物をメタノール、ヘ
キサンなどの非溶媒注に投じて、生成物を分子し、さら
に再沈澱法により生成を行って、副生成物や無機塩類を
除去することにより、生成ジブロック共重合体を得るこ
とができる。
【0020】本発明において、フェノール性水酸基を持
つ芳香族ジカルボン酸をポリアミドの形成に使用する全
ジカルボン酸成分に対して1モル%以上含有させること
により、形成されるポリアミド−ポリブタジエンジブロ
ック共重合体は、その水酸基を、カルボキシル基、エポ
キシ基、アシルハライド基、イソシアナト基、クロルス
ルホン基等を有する化合物や酸無水物等により変性させ
ることが可能になる。即ち、そのフェノール性水酸基
は、イソシアナート、イソチオシアナート、ジケテン、
エチレンイミン、エポキシ等の基を有する化合物と容易
に反応し、架橋構造を持たせることができる。特に、比
較的温和な条件で架橋反応が進み、更に耐熱性や接着性
の向上、幅広い化合物の選択性、低コスト、容易な取扱
い性等で有利なエポキシ化合物との架橋反応を利用する
のが好適である。これらエポキシ化合物として、少なく
とも二個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、特
に制限されるものではない。例えば、臭素化エポキシ、
エポキシノボラック、ビスフェノールA型エポキシ、多
官能性エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環族エポキシ、フ
ッ素含有エポキシ、更にはエポキシ変性樹脂等があり、
非常に多くの化合物が提示、市販されており、目的に応
じて種々選択することができる。更に、必要に応じて、
触媒や硬化促進剤等を併用することもできる。
【0021】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に述べる
が、本発明はこれのみによって限定されるものではな
い。 実施例1 イソフタル酸0.831g(5mmol)、5−ヒドロ
キシイソフタル酸0.910g(5mmol)、3,
4′−オキシジアニリン2.002g(10mmo
l)、塩化リチウム0.33g、塩化カルシウム1.0
1g、N−メチル−2−ピロリドン20ml、ピリジン
20mlを100mlの三つ口丸底フラスコの中に入
れ、撹拌溶解させた後、亜リン酸トリフェニル6.2g
を加えて、100℃で2時間反応させて、ポリアミドを
生成させた。このポリアミドの固有粘度は0.17dl
/g(n=約10)であり、k/(k+m)=0.5で
あった。片末端にカルボキシル基を有する数平均分子量
約3600のポリブタジエン3.60g(約1.0mm
ol相当)を20mlのピリジンに溶解した溶液を、反
応液中に添加し、更に2時間反応させた。室温まで冷却
した後、得られた反応液を1リットルのメタノール中に
投入して、ポリアミド−ポリブタジエンジブロック共重
合体を析出させた。得られたジブロック共重合体の固有
粘度は0.50dl/g(N,N−ジメチルアセトアミ
ド,30℃)であった。このブロック共重合体の赤外ス
ペクトル(アナレクト社製FX6160にて測定、以下
同様)測定の結果、2800cm-1付近にポリブタジエ
ンのC−Hに基づく吸収が、また、1658cm-1に−
NHCOに基づくカルボニルの吸収が認められた。
【0022】実施例2 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリンを、
3,3−′ジアミノベンゾフェノン2.122g(10
mmol)に代えた以外は、全く同様の操作を行いポリ
アミド(固有粘度:0.19dl/g、n=約10、k
/(k+m)=0.5)を製造し、同様にして、ジブロ
ック共重合体を得た。このジブロック共重合体の固有粘
度は0.56dl/g(N,N−ジメチルアセトアミ
ド,30℃)であった。このジブロック共重合体の赤外
スペクトルを測定したところ、2820cm-1付近にポ
リブタジエンのC−Hに基づく吸収が、1657cm-1
に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が、1720c
-1にケトンカルボニル基に基づく吸収が認められた。
【0023】実施例3 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリンを、ビ
ス(4−アミノフェニル)スルホン2.481g(10
mmol)に代えた以外は、全く同様の操作を行いポリ
アミド(固有粘度:0.24dl/g、n=約10、k
/(k+m)=0.5)を製造し、同様にして、ジブロ
ック共重合体を得た。このジブロック共重合体の固有粘
度は0.74dl/g(N,N−ジメチルアセトアミ
ド,30℃)であった。このジブロック共重合体の赤外
スペクトルを測定したところ、2810cm-1付近にポ
リブタジエンのC−Hに基づく吸収が、1661cm-1
に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が、1217c
-1付近および1368cm-1に−SO2 −に基づく吸
収が認められた。
【0024】実施例4 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリンを、ビ
ス(4−アミノフェニル)メタン1.982g(10m
mol)に代えた以外は、全く同様の操作を行いポリア
ミド(固有粘度:0.13dl/g、n=約10、k/
(k+m)=0.5)を製造し、同様にして、ジブロッ
ク共重合体を得た。このジブロック共重合体の固有粘度
は0.43dl/g(N,N−ジメチルアセトアミド,
30℃)であった。このジブロック共重合体の赤外スペ
クトルを測定したところ、2812cm-1付近にポリブ
タジエンのC−Hに基づく吸収が、1664cm-1に−
NHCOに基づくカルボニルの吸収が認められた。
【0025】実施例5 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリンを、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン3.332g(10mmol)に代えた以外は、
全く同様の操作を行いポリアミド(固有粘度:0.10
dl/g、n=約10、k/(k+m)=0.5)を製
造し、同様にして、ジブロック共重合体を得た。このジ
ブロック共重合体の固有粘度は0.39dl/g(N,
N−ジメチルアセトアミド,30℃)であった。このジ
ブロック共重合体の赤外スペクトルを測定したところ、
2814cm-1付近にポリブタジエンのC−Hに基づく
吸収が、1300cm-1付近に−C−Fに基づく吸収
が、1667cm-1に−NHCOに基づくカルボニルの
吸収が認められた。
【0026】
【発明の効果】本発明のポリアミド−ポリブタジエンジ
ブロック共重合体は、耐熱性、溶剤溶解性、相溶性が優
れているのみならず、優れた加工性を有しており、異種
材料と複合化する際に粘度の上昇を伴わず、活性水素と
反応可能な材料と複合化できるという特徴がある。した
がって、耐熱性の高い熱可塑性弾性体を与え、より利用
範囲の広い素材として用いることができる。また、本発
明の方法によれば、縮合に際して高温を必要とせず、ま
たアミド交換反応などの副反応をさけることができるば
かりでなく、構造の規制されたポリアミド−ポリブタジ
エンジブロック共重合体を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片末端にのみカルボキシル基を有するポ
    リブタジエン共重合体と、片末端にアミノアリール基を
    他の片末端にカルボキシル基を有し、かつ、高分子主鎖
    中にフェノール性水酸基を有するポリアミドとの縮合体
    であって、下記一般式(I)で示されることを特徴とす
    るポリアミド−ポリブタジエンジブロック共重合体。 【化1】 (式中、Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳
    香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、Arは下
    記式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 【化2】 nおよびxは、それぞれ平均重合度であって、n=2〜
    100、x=20〜200の整数を示し、kおよびmは
    共縮重合比であって、k/(k+m)の値が0.01〜
    1.0である。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で示される片末端にカ
    ルボキシル基を有するポリブタジエン 【化3】 (式中、xは平均重合度であって、x=20〜200の
    整数を示す。)と、下記一般式(III )で示される片末
    端にアミノアリール基を他の片末端にカルボキシル基を
    有し、かつ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基を有す
    るポリアミド 【化4】 (式中、Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳
    香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、Arは下
    記式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 【化5】 nは平均重合度であって、n=2〜100、x=20〜
    200の整数を示し、kおよびmは共縮重合比であっ
    て、k/(k+m)の値が0.01〜1.0であであ
    る。)とを、芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体
    の存在下に実施することを特徴とする下記一般式(I)
    で示されるフェノール性水酸基を持つポリアミド−ポリ
    ブタジエンジブロック共重合体の製造方法 【化6】 (式中、Ar1 、Ar2 、n、x、kおよびmは、上記
    と同意義を有する。)。
  3. 【請求項3】 一般式(III )で示される片末端にアミ
    ノアリール基を他の片末端にカルボキシル基を有し、か
    つ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基を有するポリア
    ミドが、混合ジカルボン酸成分に対して等モル量の芳香
    族ジアミン成分を重縮合して得られたものであり、か
    つ、その末端アミノアリール基と、ポリブタジエンの末
    端カルボキシル基とのモル比が1:1であることを特徴
    とする請求項2記載のフェノール性水酸基を持つポリア
    ミド−ポリブタジエンジブロック共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(III )で示される片末端にアミ
    ノアリール基を他の片末端にカルボキシル基を有し、か
    つ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基を有するポリア
    ミドが、ランダム共重合またはマルチブロック共重合に
    よって得られたものである請求項2記載のフェノール性
    水酸基を持つポリアミド−ポリブタジエンジブロック共
    重合体の製造方法。
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