JPH0516236A - ライニング工法 - Google Patents

ライニング工法

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JPH0516236A
JPH0516236A JP3193634A JP19363491A JPH0516236A JP H0516236 A JPH0516236 A JP H0516236A JP 3193634 A JP3193634 A JP 3193634A JP 19363491 A JP19363491 A JP 19363491A JP H0516236 A JPH0516236 A JP H0516236A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】分岐管を有する既設配管内面に均質な合成樹脂
管を形成する。 【構成】分岐管2を含む既設配管の流れ方向の下流側の
配管から順に内張り材を重ね合わせながらライニングし
て、既設配管内の全てに均質な合成樹脂管4,5を形成
する。内張り材を重ね合わせるときに、各内張り材の接
合部では下流側の内張り材が下側になるように内張り材
の端部を重ね合わせ、端部に流体流速による力が作用す
ることを防ぎ、流速による破壊や剥離を低減し、長期間
使用しても漏水や侵入水が生じることを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は分岐管を有する既設配
管の全ての配管内面に合成樹脂管を形成するライニング
工法、特に形成された合成樹脂管の剥離防止に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】下水道管や水道管,石油管等の既設配管
内に合成樹脂管をライニングすることにより、既設管の
強度補強や防食,漏水対策あるいは流量改善などが図ら
れている。
【0003】下水道管のように分岐管を有する既設配管
の全ての配管に合成樹脂管をライニングする従来の工法
は、例えば特開昭62−284727号公報に開示されているよ
うに、まず、接着剤を含浸した柔軟な内張り材を圧力流
体により分岐管の開放端から本管に向かって反転挿入
し、流体圧力を維持しながら接着剤を硬化させて分岐管
内に合成樹脂管を形成する。次に、本管内に突出した合
成樹脂管を切断してから本管内に接着剤を含浸した柔軟
な内張り材を圧力流体により反転挿入し、流体圧力を維
持しながら接着剤を硬化させて本管内に合成樹脂管を形
成する。その後、分岐管と本管の合成樹脂管の接合部に
止水剤を注入して止水してから、本管内の合成樹脂管の
分岐部に孔を開けて、分岐管と本管の合成樹脂管の管路
を連結している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記工法によると、本
管内の合成樹脂管と分岐管内の合成樹脂管との接合部は
単に突き合わされているだけであるから、長期間使用し
ていると、内部を流れる流体の流速により合成樹脂管の
接合部端部が損傷したり剥離し、漏水,侵入水,防食対
策という本来の機能が発揮できなくなってしまう。
【0005】また、侵入水量や洩れ量が最も多くなる危
険性がある本管と分岐管との接合部に止水剤を注入して
止水しているが、時間の経過とともに、止水剤の収縮や
加水分解による劣化、あるいは通行する車両の振動や輸
送荷重又は地震に起因する剥離等が生じ、長期間に渡っ
ての止水効果が期待できない。また、この接合部に剥離
等が生じると、接合部から流体が本管や分岐管と合成樹
脂管の間に浸透して本管等を腐食させるという短所があ
った。
【0006】さらに、上記工法は本管側と各分岐管の開
放端にそれぞれ施工場所を設ける必要があり、各施工場
所毎に公衆災害防止対策を履行しなければならず、施工
費用が多くかかるという短所もあった。
【0007】この発明はかかる短所を解決するためにな
されたものであり、分岐管を有する既設配管内面に均質
な合成樹脂管を形成するとともに、長期間使用しても分
岐管と本管の接続部も確実に止水することができるライ
ニング工法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係るライニン
グ工法は、分岐管を含む既設配管の流れ方向の下流側の
配管から順に内張り材をライニングし、各内張り材の接
合部では下流側の内張り材が下側になるように内張り材
の端部を重ね合わせたことを特徴とする。
【0009】この内張り材をライニングするときに、分
岐管は熱硬化性樹脂を含浸し先端部に鍔を有する柔軟な
樹脂チュ−ブと、抗張力を有し鍔と樹脂チュ−ブの外面
を覆うフイルムチュ−ブとからなる内張り材を本管側か
ら反転,挿入してライニングすることが好ましい。
【0010】また、重なり合う内張り材の下側の内張り
材端部に円周方向に沿った溝を付けてから上側の内張り
材をライニングすると良い。
【0011】
【作用】この発明においては、分岐管を含む既設配管の
流れ方向の下流側の配管から順に内張り材を重ね合わせ
ながらライニングすることにより、既設配管内の全てに
均質な合成樹脂管を形成する。
【0012】この内張り材を重ね合わせるときに、各内
張り材の接合部では下流側の内張り材が下側になるよう
に内張り材の端部を重ね合わせ、内張り材の接合部の端
部を流れ方向に向ける。
【0013】また、内張り材をライニングするときに、
分岐管は熱硬化性樹脂を含浸し先端部に鍔を有する柔軟
な樹脂チュ−ブと、耐熱性と抗張力を有し鍔と樹脂チュ
−ブの外面を覆うフイルムチュ−ブとからなる内張り材
を本管側から反転,挿入してライニングすることによ
り、分岐管と同時に本管接続部をもライニングする。
【0014】さらに、重なり合う内張り材の下側の内張
り材端部に円周方向に沿った溝を付けてから上側の内張
り材をライニングすることにより、内張り材の接合部の
密着強度を高めることができる。
【0015】
【実施例】図1はこの発明の一実施例によりライニング
状態を示す断面図である。図において、1は水道管や石
油管のような内圧配管系の本管、2は本管1に接続され
た分岐管、3は分岐管2と本管1との接続部である。4
は分岐管2の内面と接続部3に形成した合成樹脂管、5
は本管1の内面に形成した合成樹脂管である。
【0016】水道管等のような内圧配管系において、流
体は口径の大きい本管1から分岐管2へと流れ、それぞ
れのプロセス機器や需要家に接続されている。この内圧
配管系の本管1と分岐管2及び接続部3に合成樹脂管
4,5を形成するときのライニング工法を施工順序にし
たがって説明する。
【0017】内圧配管系においては、まず流体の流れ方
向の下流側に配置された分岐管2に合成樹脂管4をライ
ニングする。この合成樹脂管4をライニングするときに
使用する分岐管用の内張り材6は、図2の斜視図に示す
ように、樹脂チュ−ブ7と、樹脂チュ−ブ7の先端部に
接合された鍔8と、鍔8と樹脂チュ−ブ7の外面にラミ
ネ−トしたフイルムチュ−ブ9とから形成されている。
樹脂チュ−ブ7と鍔8は熱硬化性樹脂を含浸した柔軟な
合成樹脂の織物や不織布からなる。この内張り材6の円
筒部は分岐管2の内径に対して90〜100%の外径を有
し、分岐管2の全長よりある程度長く形成されている。
そして、内張り材6は扁平にしたり、折り曲げられて断
面積を小さくしてある。この分岐管用の内張り材6の後
端部には、図3に示すように、先端部に複数の流体放出
孔11を有する加熱流体供給ホ−ス10が連結され、加
熱流体供給ホ−ス10を内側にしてスイベル機構付きの
ドラムに巻取られている。
【0018】上記のように構成された内張り材6を分岐
管2内にライニングするときは、図3に示すように、加
熱流体供給ホ−ス10と内張り材6を巻取ったドラムを
圧力容器12内に収納し、加熱流体供給ホ−ス10の後
端部を圧力容器12の流体供給口14に接続して現地に
搬入し本管1の近傍に設置する。この圧力容器12の流
体供給口14,15と流体排出口16を温水ボイラや蒸
気ボイラからなる加熱流体発生装置17と接続する。ま
た、本管1の近傍には自走車18に連結されたパッカ−
19を配置する。このパッカ−19の内部には表面に先
端部を連結されたエルボからなるガイドパイプ20が固
定され、ガイドパイプ20の後端部には導入チュ−ブ2
1が取り付けられている
【0019】次に、圧力容器14の引出口13から内張
り材6の鍔8を引出し、導入チュ−ブ21とガイドパイ
プ20を通してパッカ−19の表面に仮装着し、導入チ
ュ−ブ21の後端部を圧力容器12の引出口13に接続
する。
【0020】この状態で本管1内に自走車18を走行さ
せ、パッカ−19が分岐管2の接続部3に達したら自走
車18を停止させ、自走車18の回動装置で回動して内
張り材6の鍔8を接続部3の位置に合わせた後、パッカ
−19を膨張させて鍔8を接続部3の本管1側端部に固
定する。
【0021】次に、加熱流体発生装置17から圧力容器
12を通して導入チュ−ブ21とガイドパイプ20に加
圧流体を供給する。この加圧流体の圧力と大気圧の差圧
により、内張り材6の樹脂チュ−ブ7とフイルムチュ−
ブ9が反転し、図4に示すように、反転面23が分岐管
2内に進行し、樹脂チュ−ブ7を分岐管2の内面に密着
させる。
【0022】内張り材6の反転面23が分岐管2の開放
端に達すると加熱流体供給ホ−ス10の先端部も分岐管
2の開放端近傍に移動する。そこで、圧力容器12の流
体供給口15のバルブ15aを閉じ、加熱流体供給ホ−
ス10の後端部を接続してある流体供給口14のバルブ
14aを開き、加熱流体発生装置17から鍔8と樹脂チ
ュ−ブ7に含浸してある熱硬化性樹脂を加熱硬化させる
温度の加熱加圧流体を加熱流体供給ホ−ス10に供給
し、先端部の流体放出孔11から放出し、内張り材6と
ガイドパイプ20,導入チュ−ブ21を通しながら循環
させる。
【0023】そして、鍔8と樹脂チュ−ブ7に含浸して
ある熱硬化性樹脂が硬化するまで加熱温度を保つ。所定
時間経過して熱硬化性樹脂が硬化したら、加熱流体の供
給を停止し、パッカ−19を下降させてから、分岐管2
の開放端で内張り材6の反転面23を切断して、加熱流
体供給ホ−ス10を引き抜くことにより、分岐管2の内
面全体と本管1との接続部3を硬化した樹脂チュ−ブ7
と鍔8とからなる合成樹脂管4で完全に覆う。
【0024】その後、パッカ−19と自走車18を本管
1から引き抜き、次の分岐管2aのライニングを上記と
同様にして行う。全ての分岐管に合成樹脂管をライニン
グした後、本管1のライニング工程に入る。
【0025】本管1に合成樹脂管5を形成するときは、
図5に示すように、熱硬化性樹脂を含浸した樹脂チュ−
ブを有する内張り材24を既知の方法で本管1内に反
転,挿入したり、PVCのような熱可塑性合成樹脂管の
場合には断面積を小さくした内張り材24を引き込み、
内部から加熱,加圧して拡管した後、本管1の内面全体
に合成樹脂管5をライニングする。その後、各分岐管
2,2aの接続部3に孔を開けて、各分岐管2,2aと
本管1の合成樹脂管4,5の管路を連結する。
【0026】このように、水道管や石油管のような内圧
配管系の配管に合成樹脂管4,5を形成するときは、ま
ず、端部に鍔8を有する内張り材6で分岐管2と接続部
3に合成樹脂管4を形成し、その後、合成樹脂管4の端
部に重ね合わせて本管1の合成樹脂管5を形成すること
により、全ての配管内に均質な合成樹脂管を形成するこ
とができる。
【0027】また、各合成樹脂管4,5の接合部におい
ては、流れが上流側である本管1内の合成樹脂管5が下
流側の合成樹脂管4の上にあるから、合成樹脂管4の端
部に対して流体流速よる力が作用することを防止するこ
とができる。
【0028】なお、上記実施例は分岐管2と本管1の接
続部3や、分岐管2に形成した合成樹脂管4を何等加工
せずにライニングした場合について説明したが、図6に
示すように、接続部3の本管1側の端部と分岐管2の端
部に円周方向に沿った複数の溝25,26を付けてから
分岐管2と接続部3に合成樹脂管4を形成し、形成した
合成樹脂管4の端部にも円周方向に沿った複数の溝27
を付けてから本管1の合成樹脂管5を形成しても良い。
この場合には熱硬化性樹脂を加熱硬化するときに、熱硬
化性樹脂が各溝25,26,27内に浸透して硬化し、
熱硬化性樹脂による化学的接着に物理的な接合を加える
ことができ、合成樹脂管4,5の接合部の接合強度をよ
り高めることができる。
【0029】また、上記実施例は分岐管2と接続部3の
合成樹脂管4を、鍔8を有する長尺の内張り材6で一体
に形成した場合について説明したが、図7に示すよう
に、分岐管2と接続部3を分離して、分岐管2,接続部
3,本管1の順に合成樹脂管が重なり合うように3工程
に分けてライニングしても良い。この場合には、上記の
ように熱硬化性樹脂を含浸した柔軟な樹脂チュ−ブで分
岐管2をライニングする代りに、分岐管2内に断面積を
小さくするか、小口径の熱可塑性樹脂管30を牽引,挿
入して内部から加熱,加圧しながら拡管し、その後、熱
硬化性樹脂を含浸した鍔を有する内張り材31で接続部
3をライニングしてから、本管1内に断面積を小さくす
るか、小口径の熱可塑性樹脂管32を牽引,挿入して内
部から加熱,加圧しながら拡管しても良い。この場合に
は、事前に分岐管2にライニングする熱可塑性樹脂管3
0の端部と内張り材31の鍔に凹凸25,26や溝を加
工しておくと、施工時間を短縮することができる。
【0030】また、上記実施例は水道管や石油管のよう
な内圧配管系の配管にライニングする場合について説明
したが、下水道管のように分岐管(取付管)から徐徐に
太い口径の管に流体が流れる外圧配管系の場合には、上
記実施例とは逆に本管側から合成樹脂管を形成すること
により、上記実施例と同様な作用を奏することができ
る。
【0031】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、分岐管
を含む既設配管の流れ方向の下流側の配管から順に内張
り材を重ね合わせながらライニングして合成樹脂管を形
成するようにしたから、各合成樹脂管の接合部を一体化
することができ、既設配管内の全てに均質な合成樹脂管
を形成することができる。
【0032】この内張り材を重ね合わせるときに、下流
側の配管から順に内張り材を重ね合わせることにより、
各内張り材の接合部では下流側の内張り材の端部が下側
になるから、この端部に流体流速による力が作用するこ
とを防ぎ、流速による破壊や剥離を低減することがで
き、長期間使用しても漏水や侵入水が生じることを防ぐ
ことができる。
【0033】また、各内張り材の接合部は互いに清浄な
面を重ね合わせて接着するから、安定して接合すること
ができる。
【0034】また、内張り材をライニングするときに、
分岐管は熱硬化性樹脂を含浸し先端部に鍔を有する柔軟
な樹脂チュ−ブと、抗張力を有し鍔と樹脂チュ−ブの外
面を覆うフイルムチュ−ブとからなる内張り材を本管側
から反転,挿入してライニングすることにより、分岐管
と同時に本管接続部をもライニングすることができると
ともに、分岐管も本管側の一個所から施工することがで
き、施工時間と施工費用を低減することができる。
【0035】さらに、重なり合う内張り材の下側の内張
り材端部に円周方向に沿った溝を付けてから上側の内張
り材をライニングすることにより、内張り材の接合部の
密着強度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例によりライニングした状態を
示す断面図である。
【図2】分岐管用の内張り材を示す斜視図である。
【図3】上記実施例の第1の施工工程を示す断面図であ
る。
【図4】上記実施例の第2の施工工程を示す断面図であ
る。
【図5】上記実施例の第3の施工工程を示す断面図であ
る。
【図6】他の実施例によりライニングした状態を示す断
面図である。
【図7】第3の実施例によりライニングした状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 本管 2 分岐管 3 接続部 4 合成樹脂管 5 合成樹脂管 6 分岐管用の内張り材 7 樹脂チュ−ブ 8 鍔 9 フイルムチュ−ブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分岐管を含む既設配管の流れ方向の下流
    側の配管から順に、内張り材の端部が重なり合うように
    ライニングすることを特徴とするライニング工法。
  2. 【請求項2】 分岐管は熱硬化性樹脂を含浸し先端部に
    鍔を有する柔軟な樹脂チュ−ブと、抗張力を有し鍔と樹
    脂チュ−ブの外面を覆うフイルムチュ−ブとからなる内
    張り材を本管側から反転,挿入してライニングする請求
    項1記載のライニング工法。
  3. 【請求項3】 重なり合う内張り材の下側の内張り材端
    部に円周方向に沿った溝を付けてから上側の内張り材を
    ライニングする請求項1又は2記載のライニング工法。
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