JPH05156013A - 架橋樹脂の製造方法 - Google Patents

架橋樹脂の製造方法

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JPH05156013A
JPH05156013A JP31908491A JP31908491A JPH05156013A JP H05156013 A JPH05156013 A JP H05156013A JP 31908491 A JP31908491 A JP 31908491A JP 31908491 A JP31908491 A JP 31908491A JP H05156013 A JPH05156013 A JP H05156013A
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JP
Japan
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compound
bis
oxazoline
sulfanilamide
crosslinked resin
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Withdrawn
Application number
JP31908491A
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English (en)
Inventor
Yasuo Sano
安雄 佐野
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ビス(2−オキサゾリン)化合物を原料の一つ
として、硬度の高い架橋樹脂を製造する方法を提供する
にある。 【構成】ビス(2−オキサゾリン)化合物とスルフアニ
ルアミドとを好ましくは触媒の存在下に加熱して反応さ
せる。ビス(2−オキサゾリン)化合物とスルフアニル
アミドとを分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有す
るポリエポキシ化合物と共に反応させることによつて
も、架橋樹脂を得ることができ、更に、スルフアニルア
ミドの一部を分子内に少なくとも二つのアミノ基を有す
る芳香族ポリアミノ化合物に代えて反応に供することも
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋樹脂の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ビス(2−オキサゾリン)化合物とジカ
ルボン酸とをほぼ等モル比にて加熱下に反応させること
によつて、線状ポリエステルアミドが得られることは、
米国特許第 3,476,712号明細書に記載されているよう
に、既に知られている。ジカルボン酸に対して約1倍モ
ル以上のビス(2−オキサゾリン)化合物を有機亜リン
酸エステルのような触媒の存在下に、加熱下に反応させ
ることによつて架橋樹脂を得ることができることも、米
国特許第 4,474,942号明細書に記載されている。また、
特開昭60−90219号公報には、ジカルボン酸の存
在下又は不存在下にビス(2−オキサゾリン)化合物を
p−トルエンスルホン酸アミドと共に加熱反応させて架
橋樹脂を得ることが記載されている。
【0003】他方、ビス(2−オキサゾリン)化合物と
芳香族多価アミノ化合物とを反応させることによつて、
強靱であると共に、耐熱性にすぐれ、更に、吸水率の小
さい架橋樹脂を得ることができることは、例えば、特開
昭63−241029号公報に記載されており、また、
ビス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族多価アミノ化
合物とエポキシ化合物とを反応させることによつて、架
橋樹脂を得ることができることは、例えば、特開平1−
113422号公報に記載されている。
【0004】このように、最近に至つて、ビス(2−オ
キサゾリン)化合物を一つの樹脂原料とする架橋樹脂の
製造が種々提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このよう
なビス(2−オキサゾリン)化合物を用いる架橋樹脂の
製造について更に鋭意研究した結果、ビス(2−オキサ
ゾリン)化合物とスルフアニルアミドとを反応させるこ
とによつて、特に、硬度の高い架橋樹脂を得ることがで
きることを見出して、本発明に至つたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による架橋樹脂の
製造方法は、ビス(2−オキサゾリン)化合物とスルフ
アニルアミドを反応させることを特徴とする。本発明に
おいて用いるビス(2−オキサゾリン)化合物は、一般
式(I)
【0007】
【化1】
【0008】(但し、Rは炭素間結合又は2価の炭化水
素基を示し、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素、アルキ
ル基又はアリール基を示す。)で表わされ、Rが炭化水
素基のとき、具体例としてアルキレン基、シクロアルキ
レン基又はアリーレン基等を挙げることができる。かか
るビス(2−オキサゾリン)化合物の具体例として、R
が炭素間結合のとき、例えば、2,2'−ビス(2−オキサ
ゾリン)、2,2'−ビス(4-メチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2'−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン)、
2,2'−ビス(5,5'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,
2'−ビス(4,4,4',4' −テトラメチル−2−オキサゾリ
ン)等を挙げることができる。また、Rが炭化水素基で
あるときは、例えば、1,2−ビス(2−オキサゾリン−
2−イル)エタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2
−イル)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾリン−2−
イル)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾリン−2−
イル)オクタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−
イル)シクロヘキサン、1,2−ビス(2−オキサゾリン
−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリン
−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(2−オキサゾリン
−2−イル)ベンゼン、1,2−ビス(5−メチル−2−
オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(5−
メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4
−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベ
ンゼン、1,4−ビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリ
ン−2−イル)ベンゼン等を挙げることができる。これ
らは単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
【0009】本発明においては、上記ビス(2−オキサ
ゾリン)化合物は、モノ(2−オキサゾリン)化合物と
併用することができる。かかるモノ(2−オキサゾリ
ン)化合物の具体例としては、例えば、2−メチルオキ
サゾリン、2,4−ジメチルオキサゾリン、2−エチルオ
キサゾリン、2,5−ジメチルオキサゾリン、4,5−ジメ
チルオキサゾリン、2−フエニル−2−オキサゾリン、
2−(m−トリル)オキサゾリン、2−(p−トリル)
オキサゾリン、5−メチル−2−フエニルオキサゾリン
等を挙げることができる。
【0010】本発明においては、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物としては、上記したなかでも、特に、2,2'−
ビス(2−オキサゾリン)、1,3−ビス(2−オキサゾ
リン−2−イル)ベンゼン又は1,4−ビス(2−オキサ
ゾリン−2−イル)ベンゼンが好ましく用いられる。本
発明によれば、ビス(2−オキサゾリン)化合物とスル
フアニルアミドとを反応させることによつて、特に、硬
度の高い架橋樹脂を得ることができる。この方法におい
て、ビス(2−オキサゾリン)化合物は、通常、スルフ
アニルアミドに対して、1〜2倍モル量が用いられる。
【0011】本発明によれば、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とスルフアニルアミドを反応させる際に、分
子内に少なくとも二つのエポキシ基を有するポリエポキ
シ化合物を共に反応させることができる。このようなエ
ポキシ化合物としては、通常、分子内に二つのエポキシ
基を有するジエポキシ化合物が用いられる。このような
ジエポキシ化合物としては、例えば、ビスフエノールA
ジグリシジルエーテル、ビスフエノールFジグリシジル
エーテル、テトラブロモビスフエノールAジグリシジル
エーテル等のビスフエノール型エポキシ化合物、フタル
酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエ
ステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキ
シ安息香酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシ
ジルエステル等のジグリシジルエステル型エポキシ化合
物等を挙げることができる。これらは、単独で、又は混
合物として用いられる。また、必要に応じて、かかるジ
エポキシ化合物の一部又は全部を三官能以上のポリエポ
キシ化合物に代えることができる。
【0012】本発明によれば、エポキシ化合物としてジ
エポキシ化合物を用いるときは、通常、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物とジエポキシ化合物の合計量がスルフ
アニルアミドに対して1〜2倍モル量の範囲で用いられ
る。ジエポキシ化合物の使用量は適宜に選ばれるが、通
常は、ビス(2−オキサゾリン)化合物に対して、1倍
モル量未満の範囲で用いられる。また、三官能以上のポ
リエポキシ化合物、例えば、トリエポキシ化合物を用い
るときは、その2/3モル量がジエポキシ化合物の1モ
ル量とみなして使用比率を求めればよい。
【0013】本発明においては、上述した方法におい
て、スルフアニルアミドの一部を分子内に少なくとも二
つのアミノ基を有する芳香族ポリアミノ化合物に代えて
反応に供することができる。この芳香族ポリアミノ化合
物は、単環式又は多環式芳香族化合物のいずれであつて
もよい。即ち、本発明によれば、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とスルフアニルアミドと芳香族ポリアミノ化
合物とを反応させることによつて、架橋樹脂を得ること
ができる。この芳香族ポリアミノ化合物としては、通
常、分子内に二つのアミノ基を有する芳香族ジアミン化
合物が用いられる。
【0014】このような芳香族ジアミン化合物の具体例
としては、例えば、o−、m−又はp−フエニレンジア
ミン、2,3−又は2,4−又は2,5−トルイレンジアミ
ン、4,4'−ジアミノビフエニル、3,3'−ジメトキシ−4,
4'−ジアミノビフエニル、4,4'−ジアミノジフエニルメ
タン、4,4'−ジアミノトリフエニルメタン、3,3'−ジメ
チル−4,4'−ジアミノビフエニル、2,2',5,5' −テトラ
クロロ−4,4'−ジアミノビフエニル、4,4'−メチレンビ
スアニリン、4,4'−メチレンビス(2−クロロアニリ
ン)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)フエ
ニル〕プロパン、1,3−ビス(4−アミノフエノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)ベンゼ
ン、3,4'−ジアミノジフエニルエーテル、4,4'−ジアミ
ノジフエニルスルフイドや、4,4'−ビス(アミノフエニ
ル)アミン等を挙げることができる。この方法において
は、ビス(2−オキサゾリン)化合物は、通常、スルフ
アニルアミドと芳香族ジアミン化合物の合計量の1〜2
倍モル量が用いられる。また、スルフアニルアミドと芳
香族ジアミン化合物とは、通常、その重量比が95:5
〜5:95であるような割合にて用いられる。
【0015】本発明においては、芳香族ポリアミノ化合
物は、分子内に三つ又はそれ以上のアミノ基を有する単
環式又は多環式の芳香族化合物であつてもよい。また、
本発明によれば、上記した芳香族ジアミン化合物と共
に、分子内に単一のアミノ基を有する芳香族モノアミン
化合物を併用することができる。かかる芳香族モノアミ
ン化合物も、単環式化合物でも多環式化合物のいずれで
あつてもよい。かかる芳香族モノアミン化合物の具体例
として、例えば、アニリン、メチルアニリン、エチルア
ニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイ
ジン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、ベン
ジルアミン等を挙げることができる。
【0016】上述したように、芳香族モノアミン化合物
を用いるときは、その2モル量が芳香族ジアミン化合物
の1モル量とみなして使用比率を求めればよく、また、
例えば、芳香族トリアミン化合物を用いるときは、その
2/3モル量が芳香族ジアミン化合物の1モル量とみな
して使用比率を求めればよい。更に、本発明によれば、
ビス(2−オキサゾリン)化合物、スルフアニルアミ
ド、芳香族ポリアミノ化合物及びポリエポキシ化合物の
反応によつても、架橋樹脂を得ることができる。
【0017】芳香族ポリアミノ化合物として芳香族ジア
ミン化合物が、また、ポリエポキシ化合物としてジエポ
キシ化合物が用いられる場合は、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とジエポキシ化合物の合計量がスルフアニル
アミドと芳香族ジアミン化合物の合計量に対して1〜2
倍モル量の範囲で用いられる。ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とジエポキシ化合物との比率は、ジエポキシ
化合物がビス(2−オキサゾリン)化合物の1倍モル量
未満となるように用いられ、スルフアニルアミドと芳香
族ジアミン化合物との比率は、5:95〜95:5であ
るような割合にて用いられる。
【0018】本発明においては、反応は、好ましくは、
オキサゾリン環開環重合触媒の存在下に行なわれる。か
かる触媒を用いることによつて、反応温度を低下させ、
或いは硬化に要する反応時間を短縮することができる。
かかるオキサゾリン環開環重合触媒は、例えば、Polyme
r J., Vol.3, No.1,pp. 35-39 (1972)や、「講座重合反
応論7、開環重合II、pp. 159-164、化学同人 (1973)
に記載されているように既に知られており、具体例とし
て、例えば、強酸、スルホン酸エステル、硫酸エステ
ル、ルイス酸、脂肪族又は脂環族炭素、例えば、アルキ
ル炭素やアルキレン炭素に結合したハロゲン原子を少な
くとも1つ有する有機ハロゲン化物等を挙げることがで
きる。
【0019】強酸としては、例えば、リン酸、硫酸、硝
酸等のオキソ酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸、硫化水素等の水素酸等の鉱酸のほか、例えば、フ
エニルリン酸のようなアリールリン酸や、メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−α−スルホ
ン酸、ナフタレン−β−スルホン酸等のアルカンスルホ
ン酸やアレーンスルホン酸、更には、スルフアニル酸、
フエニルホスホン酸等の有機酸を挙げることができる。
これら強酸は、それ自体を用いてもよいが、また、予め
用いる芳香族アミンの塩を形成させて、これを用いるこ
ともできる。
【0020】スルホン酸エステルとしては、例えば、p
−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸
エチル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル等のp−ト
ルエンスルホン酸アルキルエステルを挙げることができ
る。硫酸エステルとしては、例えば、ジメチル硫酸やジ
エチル硫酸のジアルキル硫酸を挙げることができる。
【0021】ルイス酸としては、例えば、塩化アルミニ
ウム、塩化第二スズ、塩化バナジウム、塩化バナジル、
三フツ化ホウ素等を挙げることができる。前記した有機
ハロゲン化物の好ましい例は、ハロゲンとして塩素、臭
素又はヨウ素を有するモノハロアルカン及びポリハロア
ルカンであつて、例えば、具体例として、ヨウ化メチ
ル、塩化ブチル、臭化ブチル、ヨウ化ブチル、臭化n−
ヘキシル、塩化オクチル、臭化n−オクチル、臭化ラウ
リル、臭化ステアリル、臭化アリル、四臭化エタン、1,
4−ジブロモブタン等を挙げることができる。
【0022】また、前記した有機ハロゲン化物の他の好
ましい具体例として、例えば、臭化ベンジル、p,p'−ジ
クロロメチルベンゼン等のモノハロメチルベンゼンやポ
リハロメチルベンゼン、α−ブロモプロピオン酸エチ
ル、α−ブロモイソ酪酸エチル等のハロゲン化脂肪酸エ
ステルを挙げることができる。更に、塩化シクロヘキシ
ル、臭化シクロヘキシル、ヨウ化シクロヘキシル等のハ
ロゲン化シクロヘキシルも用いることができる。このよ
うな触媒は、単独で、又は2種以上の混合物が併用され
る。
【0023】本発明の方法において、これらの触媒は、
樹脂原料、即ち、ビス(2−オキサゾリン)化合物とス
ルフアニルアミド(、及び用いる場合は、芳香族ポリア
ミノ化合物及びエポキシ化合物をも含む。)の合計重量
に基づいて、約0.05〜5重量%の範囲で用いられ、好
ましくは約0.1〜3重量%の範囲で用いられる。本発明
の方法において、反応温度は、触媒の使用の有無、用い
る触媒の種類やその使用量のほか、個々の樹脂原料にも
よるが、多くの場合、80℃以上、好ましくは100〜
300℃、特に好ましくは100〜200℃の範囲であ
る。また、反応時間も、反応温度、触媒の使用の有無、
用いる触媒の種類や量、樹脂原料、その使用量比等によ
つても異なるが、通常、約1分乃至2時間程度である。
【0024】本発明の方法によれば、強化材及び/又は
充填材を含有する架橋樹脂をも得ることができる。強化
材としては、通常の繊維強化樹脂に用いられる繊維強化
材が好ましい。かかる繊維強化材としては、具体的に
は、ガラス繊維、炭素繊維、石英繊維、セラミツク繊
維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、タングステン繊維、
モリブデン繊維、ステンレス繊維、ベリリウム繊維、石
綿繊維等の無機繊維、綿、亜麻、大麻、ジユート、サイ
ザル麻等の天然繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル
系繊維等の耐熱性有機合成繊維等を挙げることができ
る。また、これら繊維強化材は、樹脂との接着性を改良
するために、その表面を例えばボラン、シラン、アミノ
シラン等にて予め処理されていてもよい。これらの繊維
強化材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0025】また、これらの繊維強化材は、その形状に
おいて、何ら限定されず、例えば、紐状、マツト状、テ
ープ状、一定の寸法に切断された短繊維状等の形状にて
用いられる。繊維強化材は、これらの複合された形状で
あつてもよい。繊維強化材の配合量は、例えば、触媒を
含有する樹脂原料の溶融粘度や、用いる強化材の種類、
その形態、製品としての強化樹脂の用途等に応じて適宜
に選ばれるが、通常、触媒を含有する樹脂原料に基づい
て約3〜95重量%、好ましくは5〜80重量%程度で
ある。
【0026】充填材も、従来より合成樹脂成形の分野で
用いられている任意のものを用いることができる。具体
例として、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の
酸化物、水酸化アルミニウム等の水酸化物、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、タルク、クレー、
ガラスビーズ、ベントナイト等のケイ酸塩、カーボンブ
ラツク等の炭素、鉄粉、アルミニウム粉等の金属粉等を
挙げることができる。かかる充填材の配合量も、繊維強
化材の場合と同様にして適宜に選ばれるが、通常、樹脂
原料に基づいて、約3〜95重量%、好ましくは約10
〜80重量%の範囲である。
【0027】また、本発明においては、上記繊維強化材
及び充填材以外にも、通常の熱硬化性樹脂成形において
用いられている安定剤、内部離型剤、顔料、難燃剤等の
任意の添加剤も用いてよい。本発明に従つて、上記のよ
うな繊維強化材や充填材を含有する架橋樹脂を得るに
は、例えば、前記したビス(2−オキサゾリン)化合
物、スルフアニルアミド、必要に応じて芳香族ポリアミ
ノ化合物やポリエポキシ化合物を混合し、これらを溶融
させて均一な樹脂原料を調製し、これに触媒と共に強化
材及び/又は充填材を混合し、或いは上記樹脂原料を強
化材及び/又は充填材に含浸させた後、加熱すればよ
い。
【0028】繊維強化した架橋樹脂を得るに際しては、
一般にガラス繊維強化熱硬化性樹脂の製造において従来
より知られている任意の方法によることができる。具体
的には、例えば、加熱加圧成形用金型に予め配布された
繊維強化材に触媒を含有する樹脂原料を注入含浸させ、
加熱硬化を行なうプリフオーム・マツチドメタルダイ法
やレジン・インジエクシヨン法、触媒を含有する樹脂原
料と一定の寸法に切断された繊維強化材とからなる混練
物を加熱加圧成形用金型に投入又は注入し、加熱硬化を
行なうバルク・モールデイング・コンパウンド法、トラ
ンスフアー成形法、射出成形法、リアクテイブ・インジ
エクシヨン・モールデイング法(RIM)、触媒を含有
する樹脂原料を繊維強化材に含浸させ、粘着性のないプ
リプレグ成形材料とするSMC法やプリプレグ・クロス
法等、種々の方法を採用することができる。
【0029】このように、繊維強化材や充填材を含有す
る架橋樹脂を得る場合は、成形温度は、通常、130〜
230℃程度である。加熱硬化時間は、用いるビス(2
−オキサゾリン)化合物、スルフアニルアミド、芳香族
ポリアミノ化合物、ポリエポキシ化合物や、触媒の使用
有無、及びその使用量、成形温度等によるが、通常、1
分乃至1時間程度である。
【0030】このようにして得られる繊維強化樹脂は、
架橋樹脂母体のすぐれた機械的性質と耐熱性を保持しつ
つ、繊維強化されているために、広範な用途に実用し得
る種々の成形品を製造するのに好適である。かかる樹脂
成形品の用途として、例えば、宇宙、航空、船艇、鉄道
車両、自動車、土木建築、電気電子機器、耐食機器、ス
ポーツ及びレジヤー用品、医療機器、各種工業部品等を
挙げることができ、更には、従来の繊維強化樹脂の場合
は、強度や吸水性、耐熱性等、その性能不足のために使
用し得ない用途にも実用することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物とスルフアニルアミドを、必要に応じ
て、芳香族ポリアミノ化合物やポリエポキシ化合物と共
に、好ましくは触媒の存在下に、加熱反応させることに
よつて、短時間にて不溶不融であり、強靭で耐熱性にす
ぐれ、特に、硬度の高い架橋樹脂を得ることができる。
かかる樹脂は、その特性を利用して、種々の成形品の製
造等に有利に用いることができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、荷重たわみ温度は、1.81N/mm2 の荷重下で
の測定値である。 実施例1 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン6
0.1g(0.28モル)とスルフアニルアミド39.9g
(0.23モル)を混合し、160℃の油浴を用いて内温
を140℃まで加熱して溶融させた。次いで、これを放
冷し、内温が125℃に低下したときに臭化オクチル0.
5gを加えて攪拌した。
【0033】15cm×25cmの2枚のアルミニウム板の
間に厚さ3mmのスペーサを挟んで構成した型(以下、同
じ。)を予め160℃に予熱しておき、この型中に上記
溶融させた樹脂原料を注入し、7分後に硬化が始まつ
た。そのまま、更に28分間加熱した。このようにし
て、不溶不融で淡黄色透明の非常に固い板状の硬化物を
得た。この硬化物の表面硬度(シヨア硬度D)は92で
あつた。 実施例2 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン5
8.0g(0.27モル)、4,4'−ジアミノジフエニルメタ
ン26.6g(0.134モル)及びスルフアニルアミド1
5.4g(0.089モル)を混合し、160℃の油浴を用
いて加熱し、溶融させた。これを放冷し、内温が120
℃に低下したときに臭化オクチル0.5gを加えて攪拌し
た。
【0034】予め160℃に予熱しておいた型中にこの
溶融させた樹脂原料を注入し、160℃のオーブン中で
加熱した。内部は数分で硬化することが認められたが、
25分間加熱した。このようにして、不溶不融で非常に
固い板状の硬化物を得た。この硬化物の物性は以下のと
おりであつた。
【0035】 荷重たわみ温度(荷重1.81N/mm2) 153℃ 曲げ強度 225MPa 曲げ弾性率 5.11GPa たわみ率 6.4% 表面硬度(シヨア硬度D) 91 実施例3 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン4
5.1g(0.21モル)、2,2'−ビス〔4−(4−アミノ
フエノキシ)フエニル〕プロパン42.9g(0.105モ
ル)及びスルフアニルアミド12.0g(0.070モル)
を混合し、油浴上にて加熱し、溶融させた。これに臭化
オクチル0.3gを加えて攪拌した後、予め160℃に予
熱しておいた型中に注入し、160℃のオーブン中で加
熱した。13分後には硬化したが、更に、17分間加熱
を続けた。
【0036】このようにして、不溶不融で淡褐色の非常
に固い板状の硬化物を得た。この硬化物の表面硬度(シ
ヨア硬度D)は90であつた。 実施例4 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン4
4.9g(0.21モル)とスルフアニルアミド35.8g
(0.21モル)を混合し、油浴上にて加熱したところ、
内温142℃で均一に溶融した。この後、内温を125
℃まで低下させ、これにエポキシ樹脂(エピコート82
8)19.3g(0.052モル)を加え、攪拌したとこ
ろ、発熱した。
【0037】この発熱がおさまつた後、放冷し、内温が
125℃になつたときに、臭化オクチル0.5gを加えて
攪拌した後、実施例1と同様にして予め160℃に予熱
しておいた型中に注入し、160℃のオーブン中で加熱
した。14分後には硬化したが、更に、46分間加熱を
続けた。このようにして、不溶不融で淡黄色の非常に固
い板状の硬化物を得た。この硬化物の表面硬度(シヨア
硬度D)は92であつた。 実施例5 4,4'−ジアミノジフエニルメタン29.7g(0.15モ
ル)、スルフアニルアミド8.6g(0.05モル)及びエ
ポキシ樹脂(エピコート828)18.5g(0.05モ
ル)を混合し、140℃の油浴上で加熱したところ、内
温130℃で均一に溶融した。この後、内温は170℃
まで上昇した。
【0038】内温が150℃まで低下したときに、1,3
−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン43.2
g(0.2モル)を加え、攪拌して溶解させ、更に、臭化
オクチル0.2gを加えて攪拌した。この溶融させた樹脂
原料を予め160℃に予熱しておいた型中に注入し、1
60℃のオーブン中で加熱した。15分後には硬化した
が、更に、45分間加熱を続けた。
【0039】このようにして、不溶不融で淡黄色の非常
に固い板状の硬化物を得た。この硬化物の表面硬度(シ
ヨア硬度D)は90であつた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビス(2−オキサゾリン)化合物とスルフ
    アニルアミドとを反応させることを特徴とする架橋樹脂
    の製造方法。
  2. 【請求項2】ビス(2−オキサゾリン)化合物とスルフ
    アニルアミドとを分子内に少なくとも二つのエポキシ基
    を有するポリエポキシ化合物と共に反応させることを特
    徴とする請求項1記載の架橋樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】スルフアニルアミドの一部を分子内に少な
    くとも二つのアミノ基を有する芳香族ポリアミノ化合物
    に代えて反応に供することを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の架橋樹脂の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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