JP3380031B2 - 架橋樹脂の製造方法 - Google Patents

架橋樹脂の製造方法

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JP3380031B2 JP03145694A JP3145694A JP3380031B2 JP 3380031 B2 JP3380031 B2 JP 3380031B2 JP 03145694 A JP03145694 A JP 03145694A JP 3145694 A JP3145694 A JP 3145694A JP 3380031 B2 JP3380031 B2 JP 3380031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な架橋樹脂の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビス(2−オキサゾリン)化合物と脂肪
族ジカルボン酸とを反応させることによつて、架橋樹脂
を得ることができることは、特開平2−36321号公
報に記載されているように、既に知られている。この方
法によつて、高硬度、高強度、高靱性の樹脂を得ること
ができるが、代表的な樹脂は、耐熱性が十分でなく、吸
水性も大きい。そこで、この耐熱性や吸水性を改善しよ
うとすれば、靱性に乏しくなる等、従来、物性のバラン
スをとることが困難であつた。
【0003】特開昭59−226021号公報に提案さ
れているように、ジカルボン酸として、テレフタル酸を
併用することによつて、耐熱性と吸水性とを改善し、更
に、高強度、高靱性を有する架橋樹脂を得ることができ
るが、反面、この方法によれば、テレフタル酸を含む樹
脂液の調製に高い温度での加熱を必要とするうえに、得
られる樹脂液の粘度が高く、急速に増粘する等、取扱い
に難がある。
【0004】他方、特開平2−32129号公報には、
ビス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族ポリアミノ化
合物と多塩基酸とから架橋樹脂を製造する方法が記載さ
れている。しかし、この方法によつて得られる架橋樹脂
は、用途によつては、硬度が十分でないことがある。ま
た、ビス(2−オキサゾリン)化合物に芳香族ジアミン
を反応させることによつて、架橋樹脂を得ることができ
ることが、例えば、特開昭63−241029号公報に
記載されている。また、ビス(2−オキサゾリン)化合
物と芳香族ポリアミンとポリエポキシ化合物とを触媒の
存在下に反応させることによつて、架橋樹脂を得ること
ができることも、例えば、特開昭64−26628号公
報に記載されているように、既に知られている。更に、
ビス(2−オキサゾリン)化合物とビス(4−メルカプ
トフエニル)エーテルや1,4−ビス(メルカプトメチ
ル)ベンゼンのようなジチオール化合物を反応させるこ
とによつて、チオエーテルアミド重合体が得られること
も、J. Polym. Sci., Polymer Letters Edition,Vol. 1
8, 761-764 (1980) に記載されている。
【0005】他方、高分子討論会第36回(1987
年)予稿集第3535〜3537頁に記載されているよ
うに、ビス(2−オキサゾリン)化合物は、エポキシ化
合物とも反応して、架橋樹脂を与えることが知られてい
る。しかし、この反応は、高温長時間を必要とし、実用
性に乏しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ビス
(2−オキサゾリン)化合物を原料の一つとする架橋樹
脂の製造について、更に、研究を進めた結果、ビス(2
−オキサゾリン)化合物と芳香族アミノカルボン酸と多
塩基酸とを反応させることによつて、高硬度、高強度、
高靱性を有し、しかも、低吸水性で耐熱性にすぐれ、樹
脂液の調製においては、より低温で、しかも短時間に
て、適度の粘度を有するものを容易に調製することがで
きることを見出して、本発明に至つたものである。
【0007】即ち、本発明は、上述したような新規な架
橋樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による架橋樹脂の
製造方法は、ビス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族
アミノカルボン酸と多塩基酸とを反応させることを特徴
とする。更に、本発明の方法によれば、上記ビス(2−
オキサゾリン)化合物と芳香族アミノカルボン酸とを、
(a) 分子内にチオール基を少なくとも2つ有するポリチ
オール化合物、(b) 分子内にエポキシ基を少なくとも2
つ有するポリエポキシ化合物、(c) 分子内にアミノ基を
少なくとも2つ有する芳香族ポリアミノ化合物、及び
(d) 芳香族メルカプトカルボン酸から選ばれる少なくと
も1種の化合物と共に反応させて、架橋樹脂を得ること
ができる。
【0009】本発明において用いるビス(2−オキサゾ
リン)化合物は、
【0010】
【化1】
【0011】(但し、Rは炭素間結合又は2価の炭化水
素基を示し、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素、アルキ
ル基又はアリール基を示す。)で表わされ、Rが炭化水
素基のとき、具体例としてアルキレン基、シクロアルキ
レン基又はアリーレン基等を挙げることができる。
【0012】かかるビス(2−オキサゾリン)化合物の
具体例として、Rが炭素間結合のとき、例えば、2,2'−
ビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−
2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(5−メチル−2−オ
キサゾリン)、2,2'−ビス(5,5'−ジメチル−2−オキ
サゾリン)、2,2'−ビス(4,4,4',4'−テトラメチル−2
−オキサゾリン)等を挙げることができる。
【0013】また、Rが2価の炭化水素基のうち、アル
キレン基であるときは、例えば、1,2−ビス(2−オキ
サゾリン−2−イル)エタン、1,4−ビス(2−オキサ
ゾリン−2−イル)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾ
リン−2−イル)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾ
リン−2−イル)オクタン等を挙げることができ、シク
ロアルキレン基であるときは、例えば、1,4−ビス(2
−オキサゾリン−2−イル)シクロヘキサン等を挙げる
ことができ、また、アリーレン基であるときは、例え
ば、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン、1,2−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−
イル)ベンゼン、1,3−ビス(5−メチル−2−オキサ
ゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル
−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス
(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベン
ゼン等を挙げることができる。これらは単独で、又は2
種以上の混合物として用いられる。本発明においては、
これらのなかでは、特に、1,3−ビス(2−オキサゾリ
ン−2−イル)ベンゼンが好ましく用いられる。
【0014】本発明においては、前記芳香族アミノカル
ボン酸としては、2,4−ジアミノ安息香酸、3,4−ジア
ミノ安息香酸等のジアミノ置換安息香酸や、p−アミノ
安息香酸、o−アミノ安息香酸(アントラニル酸)、3
−アミノ−4−クロロ安息香酸等のモノアミノ置換安息
香酸、アミノナフトエ酸等のモノアミノ置換ナフトエ酸
を挙げることができる。本発明においては、これらのな
かでは、モノアミノ置換安息香酸が好ましく用いられ、
特に、p−アミノ安息香酸が好ましく用いられる。
【0015】本発明において用いる多塩基酸は、脂肪
族、脂環族、芳香族いずれであつてもよく、例えば、マ
ロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマ
ー酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、例え
ば、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、ジフエニルスルホンジカルボ
ン酸、ジフエニルメタンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸、トリメリツト酸、トリメシン酸、ピロメリツト
酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸等の脂肪族及
び芳香族多塩基酸を挙げることができる。これらの多塩
基酸は単独で、又は2種以上の混合物として用いること
ができる。上記したなかでは、ジカルボン酸(二塩基
酸)、特に、脂肪族ジカルボン酸、例えば、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等が好ましく用いられ
る。
【0016】本発明においては、多塩基酸には、分子内
に2つ以上の末端カルボキシル基を有するオリゴマーも
含まれるものとする。かかるオリゴマーの分子量は、特
に限定されるものではないが、通常、約500〜500
0の範囲が適当である。このオリゴマーも、単独で、又
は2種以上の混合物として、更には、前記多塩基酸との
混合物として用いることができる。
【0017】このようなオリゴマーはジオール成分に過
剰の二塩基酸成分(いずれもがオリゴマーであつてもよ
い。)を常法に従つて反応させることによつて得ること
ができる。ジオール成分としては、例えば、(ポリ)ア
ルキレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリ
カプロラクトンジオール、ポリエステルジオール、ポリ
エーテルジオール等を用いることができ、また、二塩基
酸としては、上述したような二塩酸又はその無水物を用
いることができる。更に、上記以外にも、末端カルボキ
シル基を有する種々のオリゴマーを用いることができ
る。このようなオリゴマーの具体例として、例えば、ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエンオリ
ゴマー、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体等を挙げることが
できる。
【0018】本発明において、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物と芳香族アミノカルボン酸と多塩基酸とを反
応させて、架橋樹脂を製造する際に、これら原料の割合
は、芳香族アミノカルボン酸と多塩基酸におけるアミノ
基とカルボキシル基の数や、また、得られる架橋樹脂の
要求物性等によつて適宜に決定されるが、原料として、
ビス(2−オキサゾリン)化合物とモノアミノ置換芳香
族カルボン酸とジカルボン酸とを用いるときは、通常、
オキサゾリン環の数≧アミノ基の数+カルボキシル基の
数となるような範囲にて用いることが好ましい。オキサ
ゾリン環の数<アミノ基の数+カルボキシル基の数とな
るときは、得られる架橋樹脂の機械的特性が十分でない
場合があるからである。
【0019】更に、本発明によれば、(A) ビス(2−オ
キサゾリン)化合物と、(B) 芳香族アミノカルボン酸
と、(C) 多塩基酸と共に、(D) (a) 分子内にチオール基
を少なくとも2つ有するポリチオール化合物、(b) 分子
内にエポキシ基を少なくとも2つ有するポリエポキシ化
合物、(c) 分子内にアミノ基を少なくとも2つ有する芳
香族ポリアミノ化合物、及び(d) 芳香族メルカプトカル
ボン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物とを反応さ
せて、架橋樹脂を得ることができる。
【0020】本発明において、分子内にチオール基を少
なくとも2つ有するポリチオール化合物は、芳香族、非
芳香族化合物のいずれであつてもよく、例えば、エチレ
ングリコールビスチオグリコレート、ブチレングリコー
ルビスチオグリコレート等の非芳香族ジチオール化合
物、例えば、4,4'−チオビスベンゼンチオール、ビス
(4−メルカプトフエニル)エーテル、3,4−ジメルカ
プトトルエン等の芳香族ジチオール化合物、例えば、6
−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオ
ール、2,5−ジメルカプト−1',2',4−チアジアゾール
等の芳香族複素環ジチオール化合物、例えば、2,4,6−
トリメルカプト−S−トリアジン等のポリチオール化合
物を挙げることができる。
【0021】本発明において、分子内にエポキシ基を少
なくとも2つ有するポリエポキシ化合物は、例えば、ビ
スフエノールAジグリシジルエーテル、ビスフエノール
Fジグリシジルエーテル、ビスフエノールSジグリシジ
ルエーテル、テトラブロモビスフエノールAジグリシジ
ルエーテル等のビスフエノール型エポキシ化合物、例え
ば、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグ
リシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル
エステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル
等のフタル酸型エポキシ化合物、ダイマー酸ジグリシジ
ルエステル、8,11−ジメチル−7,11−オクタデカジエン
−1,18−ジグリシジルエステル、7−エチルオクタデカ
ンジグリシジルエステル等の脂肪族系エポキシ化合物、
また、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステルグリシ
ジルエステルや、更に、これら以外にも、例えば、フエ
ノールノボラツクグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラツクグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂等の多官能エ
ポキシ樹脂も挙げることができる。
【0022】本発明において用いる分子内にアミノ基を
少なくとも2つ有する芳香族ポリアミノ化合物は、単環
式、多環式又は縮合多環式化合物のいずれであつてもよ
く、具体例として、単環式化合物として、例えば、o
−、m−又はp−フエニレンジアミン、2,3−又は2,4
−又は2,5−トルイレンジアミン等を、多環式化合物と
して、例えば、4,4'−ジアミノビフエニル、3,3'−ジメ
トキシ−4,4'−ジアミノビフエニル、4,4'−ジアミノト
リフエニルメタン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビ
フエニル、2,2',5,5’−テトラクロロ−4,4'−ジアミノ
ビフエニル、4,4'−メチレンビスアニリン、4,4'−メチ
レンビス(2−クロロアニリン)、2,2'−ビス〔4−
(4−アミノフエノキシ)フエニル〕プロパン、1,3−
ビス(4−アミノフエノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノフエノキシ)ベンゼン、3,4'−ジアミノジ
フエニルエーテル、4,4'−ジアミノジフエニルスルフイ
ド、4,4'−ビス(アミノフエニル)アミン等を、また、
縮合多環式化合物として、例えば、ナフチレンジアミン
等を挙げることができる。
【0023】本発明において、前記芳香族メルカプトカ
ルボン酸としては、モノメルカプト置換安息香酸が好ま
しく用いられ、特に、チオサリチル酸等を好ましい例と
して挙げることができる。
【0024】前述したように、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物は、ポリエポキシ化合物と反応するには、高
温長時間を必要とし、後述するように、本発明に従つて
架橋樹脂を得るための反応条件下では、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物とポリエポキシ化合物との反応は、通
常、これを無視することができ、ポリエポキシ化合物
は、主として、芳香族アミノカルボン酸、多塩基酸、ポ
リチオール化合物、芳香族ポリアミノ化合物及び/又は
芳香族メルカプトカルボン酸と反応する。
【0025】本発明において、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物と芳香族アミノカルボン酸と多塩基酸とを、
(a) 分子内にチオール基を少なくとも2つ有するポリチ
オール化合物、(b) 分子内にエポキシ基を少なくとも2
つ有するポリエポキシ化合物、(c) 分子内にアミノ基を
少なくとも2つ有する芳香族ポリアミノ化合物、及び
(d) 芳香族メルカプトカルボン酸から選ばれる少なくと
も1種の化合物を反応させて、架橋樹脂を製造するに際
して、これら原料の割合は、得られる架橋樹脂の要求物
性に応じて適宜に決定される。
【0026】特に、ビス(2−オキサゾリン)化合物と
モノアミノ置換芳香族カルボン酸と二塩基酸(ジカルボ
ン酸)とを、(a) 分子内にチオール基を2つ有するジチ
オール化合物、(b) 分子内にエポキシ基を2つ有するジ
エポキシ化合物、(c) 分子内にアミノ基を2つ有する芳
香族ジアミノ化合物、及び(d) モノメルカプト置換芳香
族カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物を反
応させて、架橋樹脂を製造する場合には、これら原料
は、オキサゾリン環の数+オキシラン環の数≧アミノ基
の数+チオール基の数+カルボキシル基の数を満足する
ように用いることが好ましい。オキサゾリン環の数+オ
キシラン環の数<アミノ基の数+チオール基の数+カル
ボキシル基の数となる場合は、得られる架橋樹脂が機械
的強度等の物性において十分でないことがあるからであ
る。
【0027】本発明においては、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物と芳香族アミノカルボン酸と多塩基酸とを、
必要に応じて、前記(D) 成分、即ち、ポリチオール化合
物、ポリエポキシ化合物、芳香族ポリアミノ化合物及び
芳香族メルカプトカルボン酸から選ばれる少なくとも1
種と反応させるに際しては、亜リン酸、有機亜リン酸エ
ステル又はオキサゾリン開環重合触媒を用いることが好
ましい。このような触媒を用いることによつて、反応温
度を低くすることができ、或いは反応に要する時間を短
くすることができる。特に、亜リン酸又は有機亜リン酸
エステルは、原料として、アミノ基をもたない化合物を
用いる場合に有用である。また、亜リン酸又は有機亜リ
ン酸エステルは、オキサゾリン開環重合触媒と併用して
もよい。
【0028】上記有機亜リン酸エステルとしては、モ
ノ、ジ及びトリエステルが好ましく、例えば、亜リン酸
モノフエニル、亜リン酸モノ(クロロフエニル)、亜リ
ン酸モノ(ノニルフエニル)、亜リン酸モノ(2,4−ジ
−t−ブチルフエニル)等の亜リン酸モノエステル、亜
リン酸ジフエニル、亜リン酸ジ(クロロフエニル)等の
亜リン酸ジエステル、亜リン酸トリフエニル、亜リン酸
トリス(ノニルフエニル)、亜リン酸トリス(4−クロ
ロフエニル)、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n
−ブチル、亜リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、亜
リン酸トリステアリル、亜リン酸ジフエニルモノデシ
ル、テトラフエニルジプロピレングリコールジホスフア
イト、テトラフエニルテトラ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールテトラホスフアイト、亜リン酸 4,4' −ブチ
リデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフエニル−ジ
−トリデシル)、ビスフエノールAペンタエリスリトー
ルホスフアイト等の亜リン酸トリエステルを挙げること
ができる。これらは単独で、又は2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0029】オキサゾリン環開環重合触媒としては、例
えば、Polymer J., Vol.3, No.1,p. 35-39 (1972) や、
「講座重合反応論7、開環重合II、p. 159-164、化学同
人(1973)に記載されているように、既に知られているカ
チオン触媒が用いられる。このような触媒の具体例とし
て、例えば、強酸、スルホン酸エステル、硫酸エステ
ル、ルイス酸、脂肪族又は脂環族炭素、例えば、アルキ
ル炭素やアルキレン炭素に結合したハロゲン原子を少な
くとも1つ有する有機ハロゲン化物等を挙げることがで
きる。
【0030】強酸としては、例えば、リン酸、硫酸、硝
酸等のオキソ酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸、硫化水素等の水素酸等の鉱酸、例えば、フエニル
リン酸、メタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、ナフタレン−α−スルホン酸、ナ
フタレン−β−スルホン酸等のアレーンスルホン酸、ス
ルフアニル酸、フエニルホスホン酸等の有機酸を挙げる
ことができる。これら強酸は、それ自体を用いてもよい
が、また、前記 (D) 成分として、芳香族ポリアミノ化
合物を用いるときは、その芳香族ポリアミノ化合物の塩
を形成させて、これを用いることもできる。
【0031】スルホン酸エステルとしては、例えば、p
−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸
エチル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル等のアレー
ンスルホン酸アルキルエステルを挙げることができる。
硫酸エステルとしては、例えば、ジメチル硫酸やジエチ
ル硫酸を挙げることができる。ルイス酸としては、例え
ば、塩化アルミニウム、塩化第二スズ、塩化バナジウ
ム、塩化バナジル、三フツ化ホウ素等を挙げることがで
きる。
【0032】前記した有機ハロゲン化物の好ましい例
は、モノハロアルカン及びポリハロアルカンであつて、
例えば、具体例として、ヨウ化メチル、塩化ブチル、臭
化ブチル、ヨウ化ブチル、臭化n−ヘキシル、塩化オク
チル、臭化n−オクチル、臭化ラウリル、臭化ステアリ
ル、臭化アリル、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジブロ
モプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモ
ブタン、1,3−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタ
ン、2,3−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、
1,6−ジブロモヘキサン、1,8−ジブロモオクタン、四
臭化エタン等を挙げることができる。更に、有機ハロゲ
ン化物の他の好ましい具体例として、例えば、臭化ベン
ジル、p,p'−ジクロロメチルベンゼン等のモノハロメチ
ルベンゼンやポリハロメチルベンゼン、α−ブロモプロ
ピオン酸エチル、α−ブロモイソ酪酸エチル等のハロゲ
ン化脂肪酸エステルを挙げることができる。更に、塩化
シクロヘキシル、臭化シクロヘキシル、ヨウ化シクロヘ
キシル等のハロゲン化シクロヘキシルも用いることがで
きる。
【0033】これら有機ハロゲン化合物は、加温によつ
て容易に芳香族アミンと塩を形成し、カチオン種とし
て、ハロゲン化水素を発生するので、前記(D) 成分とし
て、芳香族ポリアミノ化合物を用いるときに、触媒とし
て、特に有利に用いられる。
【0034】本発明において、上述した亜リン酸、有機
亜リン酸エステル又はオキサゾリン環開環重合触媒は、
単独にて、又は2種以上の混合物として用いられる。
【0035】また、これらの触媒は、樹脂原料、即ち、
前記したビス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族アミ
ノカルボン酸と多塩基酸(と前記(D) 成分、即ち、ポリ
チオール化合物、ポリエポキシ化合物、芳香族ポリアミ
ノ化合物及び芳香族メルカプトカルボン酸から選ばれる
少なくとも1 種の化合物)の合計重量に基づいて、約0.
05〜5重量%の範囲で用いられ、好ましくは約0.1〜
3重量%の範囲で用いられる。
【0036】本発明に従つて、架橋樹脂を得るには、樹
脂原料と触媒とを混合し、加熱して、均一な溶融物、即
ち、樹脂液を調製し、これを更に加熱して、硬化させる
ことによつて、架橋樹脂からなる硬化物を得ることがで
きる。硬化温度は、用いる原料や触媒の種類、その量等
によつても異なるが、通常、80℃以上、好ましくは、
100〜300℃の範囲の温度であり、特に好ましく
は、100〜200℃の範囲の温度である。また、硬化
時間も、硬化温度、用いる原料や触媒の種類、その量等
によつても異なるが、通常、約1分から2時間程度であ
る。
【0037】本発明の方法によれば、強化材及び/又は
充填材を含有する共重合体樹脂をも得ることができる。
強化材としては、通常の繊維強化樹脂に用いられる繊維
強化材が好ましい。かかる繊維強化材として、具体的に
は、ガラス繊維、炭素繊維、石英繊維、セラミツク繊
維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、タングステン繊維、
モリブデン繊維、ステンレス繊維、ベリリウム繊維、石
綿繊維等の無機繊維、綿、亜麻、大麻、ジユート、サイ
ザル麻等の天然繊維、脂肪族又は芳香族ポリアミド系繊
維、ポリエステル系繊維等の耐熱性有機合成繊維等を挙
げることができる。また、これら繊維強化材は、樹脂と
の接着性を改良するために、その表面を例えばボラン、
シラン、ガラン、アミノシラン等にて予め処理されてい
てもよい。これらの繊維強化材は単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0038】また、これらの繊維強化材は、その形状に
おいて、何ら限定されず、例えば、紐状、マツト状、テ
ープ状、一定の寸法に切断された短繊維状等の形状にて
用いられる。繊維強化材は、これらの複合された形状で
あつてもよい。繊維強化材の配合量は、例えば、触媒を
含有する前記樹脂液の溶融粘度や、用いる強化材の種
類、その形態、製品としての強化樹脂の用途等に応じて
適宜に選ばれるが、通常、樹脂原料に基づいて、約3〜
95重量%、好ましくは5〜80重量%程度である。
【0039】本発明によれば、更に、充填材を含有する
架橋樹脂も得ることができる。充填材は、従来より合成
樹脂成形の分野で用いられている任意のものを用いるこ
とができる。そのような充填材の具体例として、例え
ば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の酸化物、水酸化
アルミニウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム等の炭酸塩、タルク、クレー、ガラスビーズ、
ベントナイト等のケイ酸塩、カーボンブラツク等の炭
素、鉄粉、アルミニウム粉等の金属粉等を挙げることが
できる。かかる充填材の配合量も、繊維強化材の場合と
同様にして適宜に選ばれるが、通常、樹脂原料に基づい
て、約3〜95重量%、好ましくは約10〜80重量%
の範囲である。
【0040】特に、得られる硬化物の表面抵抗率を低減
するために、カーボンブラツクの1種であるケッチェン
ブラツクを配合する場合は、その配合量は、通常、樹脂
原料に基づいて、約0.1〜1重量%の範囲が適当であ
る。更に、本発明においては、上記繊維強化材及び充填
材以外にも、通常の熱硬化性樹脂成形において用いられ
ている安定剤、内部離型剤、顔料、難燃剤等の任意の添
加剤を添加してもよい。
【0041】本発明に従つて、上記のような繊維強化材
や充填材を含有する共重合体樹脂を得るには、ビス(2
−オキサゾリン)化合物と芳香族アミノカルボン酸と多
塩基酸と、必要に応じて、前記(D) 成分、即ち、ポリチ
オール化合物、ポリエポキシ化合物、芳香族ポリアミノ
化合物及び芳香族メルカプトカルボン酸から選ばれる少
なくとも1 種の化合物と、前記触媒とからなる樹脂原
料、好ましくはこれらを溶融させた均一な混合物である
樹脂液に強化材及び/又は充填材を混合し、或いは上記
混合物を強化材及び/又は充填材に含浸させた後、加熱
する。
【0042】繊維強化した架橋樹脂を得るに際しては、
一般に、ガラス繊維強化熱硬化性樹脂の製造において従
来より知られている任意の方法によることができる。具
体的には、例えば、加熱加圧成形用金型に予め配布され
た繊維強化材に触媒を含有する樹脂液を注入含浸させ、
加熱硬化を行なうプリフオーム・マツチドメタルダイ法
やレジン・インジエクシヨン法、触媒を含有する樹脂原
料と一定の寸法に切断された繊維強化材とからなる混練
物を加熱加圧成形用金型に投入又は注入し、加熱硬化を
行なうバルク・モールデイング・コンパウンド法、トラ
ンスフアー成形法、射出成形法、リアクシヨン・インジ
エクシヨン・モールデイング法(RIM法)、引抜き成
形法、触媒を含有する樹脂原料を繊維強化材に含浸さ
せ、粘着性のないプリプレグ成形材料とするSMC法や
プリプレグ・クロス法等、種々の方法を採用することが
できる。
【0043】このように、繊維強化材や充填材を含有す
る架橋樹脂を得る場合は、成形温度は、通常、70〜1
70℃程度である。加熱硬化時間は、用いるビス(2−
オキサゾリン)化合物や芳香族アミノカルボン酸のほ
か、前記(D) 成分や、また、触媒を用いるときは、その
種類や量、成形温度等によるが、通常、1分乃至5時間
程度である。
【0044】本発明に従つて得られる繊維強化樹脂は、
その樹脂のすぐれた機械的性質と耐熱性を保持しつつ、
繊維強化されているために、広範な用途に実用し得る種
々の成形品を製造するのに好適である。かかる樹脂成形
品の用途として、例えば、宇宙、航空、船艇、鉄道車
両、自動車、土木建築、電気電子機器、耐食機器、スポ
ーツ及びレジヤー用品、医療機器、各種工業部品等を挙
げることができ、更には、従来の繊維強化樹脂の場合
は、強度や吸水性、耐熱性等、その性能不足のために使
用し得ない用途にも実用することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物と芳香族アミノカルボン酸と多塩基酸
とを、必要に応じて、前記(D) 成分、即ち、ポリチオー
ル化合物、ポリエポキシ化合物、芳香族ポリアミノ化合
物及び芳香族メルカプトカルボン酸から選ばれる少なく
とも1種の化合物と反応させることによつて、短時間に
て、高硬度、高強度、高靱性を有し、不溶不融で、しか
も、低吸水性で耐熱性にすぐれる架橋樹脂を得ることが
できる。また、樹脂液も、より低温で短時間で低粘度の
ものを容易に調製することができる。本発明による架橋
樹脂は、その特性を利用して、繊維や種々の成形品の製
造等に有利に用いることができる。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下において、得られた硬化物の熱変形温度
は、18.5kg/cm2 の荷重下での測定値であり、また、
吸水率は、厚さ3mmのデイスク状の硬化板を23℃の水
に24時間浸漬した後の重量増加率である。
【0047】実施例1 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8
8.2g(0.408モル)とp−アミノ安息香酸8.2g
(0.06モル)とアジピン酸26.3g(0.18モル)と
臭化オクチル1.2gとを試験管に秤り取り、この混合物
を140℃に保持した油浴中に浸漬し、間攪拌下に加熱
したところ、15分後に127℃の温度で透明な低粘度
の溶融物、即ち、樹脂液を得た。予め約160℃の温度
に加熱した幅3mmの空間部を有する金型(以下、同
じ。)に上記樹脂液を注入し、160℃の乾燥機内に1
時間置いて、樹脂液を硬化させた。このようにして得ら
れた厚さ3mmの硬化樹脂板は、琥珀色透明、不溶不融で
あつて、次の物性を有するものであつた。
【0048】 熱変形温度 127℃ 曲げ強度 199.7MPa 曲げ弾性率 4.65GPa たわみ率 6.76% 吸水率 0.55% バーコル硬度 57 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き) 6.1KJ/m2
【0049】実施例2 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8
8.2g(0.408モル)とp−アミノ安息香酸8.2g
(0.06モル)とアジピン酸26.3g(0.18モル)と
臭化オクチル0.6gと亜リン酸トリフエニル0.6gとを
試験管に秤り取り、この混合物を140℃に保持した油
浴中に浸漬し、間攪拌下に加熱したところ、22分後に
132℃の温度で透明な溶融物、即ち、樹脂液を得た。
この樹脂液を脱泡し、金型に注入し、160℃の乾燥機
内に1時間置いて、樹脂液を硬化させた。
【0050】このようにして得られた厚さ3mmの硬化樹
脂板は、琥珀色透明、不溶不融であつて、次の物性を有
するものであつた。 熱変形温度 123℃ 曲げ強度 199.7MPa 曲げ弾性率 4.55GPa たわみ率 7.06% 吸水率 0.52% バーコル硬度 57 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き) 6.1KJ/m2
【0051】実施例3 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8
7.6g(0.405モル)とp−アミノ安息香酸14.8g
(0.108モル)とアジピン酸26.3g(0.18モル)
とp−トルエンスルホン酸エチル0.6gとを試験管に秤
り取り、この混合物を140℃に保持した油浴中に浸漬
し、間攪拌下に加熱したところ、20分後に130℃の
温度で透明な溶融物、即ち、樹脂液を得た。この樹脂液
を真空下に脱泡し、金型に注入し、160℃の乾燥機内
に1時間置いて、樹脂液を硬化させた。
【0052】このようにして得られた厚さ3mmの硬化樹
脂板は、琥珀色透明、不溶不融であつて、次の物性を有
するものであつた。 熱変形温度 123℃ 曲げ強度 194.0MPa 曲げ弾性率 4.48GPa たわみ率 7.05% 吸水率 0.49% バーコル硬度 54 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き)11.4KJ/m2
【0053】実施例4 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン9
7.2g(0.45モル)とp−アミノ安息香酸24.8g
(0.18モル)とアジピン酸17.5g(0.12モル)と
臭化オクチル0.7gと亜リン酸トリフエニル0.7gとを
試験管に秤り取り、この混合物を140℃に保持した油
浴中に浸漬し、間攪拌下に加熱したところ、120℃の
温度で透明な溶融物、即ち、樹脂液を得た。この樹脂液
を真空下に脱泡し、金型に注入し、160℃の乾燥機内
に1時間置いて、樹脂液を硬化させた。
【0054】このようにして得られた厚さ3mmの硬化樹
脂板は、琥珀色透明、不溶不融であつて、次の物性を有
するものであつた。 熱変形温度 154℃ 引張強度 137.4MPa 引張弾性率 3.97GPa 引張伸び率 4.36% 曲げ強度 227.4MPa 曲げ弾性率 4.65GPa たわみ率 7.65% 吸水率 0.45% バーコル硬度 51 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き)10.4KJ/m2
【0055】実施例5 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8.
64g(0.04モル)とp−アミノ安息香酸1.37g
(0.01モル)とアジピン酸1.46g(0.01モル)と
6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチ
オール2.72g(0.01モル)とビスフエノールFジグ
リシジルエーテル(油化シエル(株)製エピコート80
7)7.40g(0.02モル)と4,4'−メチレンビスアニ
リン1.98g(0.01モル)とp−トルエンスルホン酸
メチル0.23gとを試験管に秤り取り、この混合物を1
50℃に保持した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱したと
ころ、4.5分後に187℃で硬化して、黄色透明、不溶
不融の硬い硬化物を得た。
【0056】実施例6 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8.
64g(0.4モル)とビスフエノールFジグリシジルエ
ーテル(油化シエル(株)製エピコート807)7.40
g(0.02モル)とアジピン酸2.92g(0.02モル)
とp−アミノ安息香酸2.74g(0.02モル)と臭化オ
クチル0.23gとを試験管に秤り取り、この混合物を1
50℃に保持した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱したと
ころ、3分後に200℃の温度で硬化し、透明で淡い琥
珀色、不溶不融で硬く、強靭な硬化物を与えた。
【0057】実施例7 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン1
2.96g(0.06モル)とビスフエノールAジグリシジ
ルエーテル(油化シエル(株)製エピコート815)7.
40g(0.02モル)とアゼライン酸3.76g(0.02
モル)と4,4'−メチレンビスアニリン3.96g(0.02
モル)とp−アミノ安息香酸1.37g(0.01モル)と
p−トルエンスルホン酸メチル0.22gとを試験管に秤
り取り、この混合物を150℃に保持した油浴中に浸漬
し、攪拌下に加熱したところ、2分55秒後に205℃
の温度で硬化し、透明で淡い琥珀色、不溶不融で硬く、
強靭な硬化物を与えた。
【0058】実施例8 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン1
2.96g(0.06モル)とビスフエノールFジグリシジ
ルエーテル(油化シエル(株)製エピコート807)7.
40g(0.02モル)とアジピン酸1.46g(0.01モ
ル)と4,4'−メチレンビスアニリン3.96g(0.02モ
ル)と4,4'−チオビスベンゼンチオール2.50g(0.0
1モル)とp−アミノ安息香酸1.37g(0.01モル)
と臭化オクチル0.28gとを試験管に秤り取り、この混
合物を150℃に保持した油浴中に浸漬し、間攪拌下に
加熱したところ、4分10秒後に193℃の温度で硬化
し、透明で黄緑色、不溶不融で硬く、強靭な硬化物を与
えた。
【0059】実施例9 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン6.
48g(0.03モル)とビスフエノールAジグリシジル
エーテル(油化シエル(株)製エピコート828)5.5
5g(0.015モル)とセバシン酸3.03g(0.015
モル)とp−アミノ安息香酸2.06g(0.015モル)
と4,4'−メチレンビスアニリン2.97g(0.015モ
ル)と1,4−ジブロモブタン0.25gとを試験管に秤り
取り、この混合物を150℃に保持した油浴中に浸漬
し、間攪拌下に加熱したところ、3分後に190℃の温
度で硬化し、透明琥珀色、不溶不融で硬く、強靭な硬化
物を与えた。
【0060】実施例10 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8.
64g(0.04モル)とビスフエノールFジグリシジル
エーテル(油化シエル(株)製エピコート807)7.4
0g(0.02モル)とアジピン酸1.46g(0.01モ
ル)とp−アミノ安息香酸1.37g(0.01モル)と6
−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオ
ール2.72g(0.01モル)と4,4'−メチレンビスアニ
リン0.99g(0.005モル)とp−トルエンスルホン
酸メチル0.15gとを試験管に秤り取り、この混合物を
150℃に保持した油浴中に浸漬し、間攪拌下に加熱し
たところ、4分30秒後に183℃の温度で硬化し、透
明琥珀色、不溶不融で硬く、強靭な硬化物を与えた。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビス(2−オキサゾリン)化合物と芳香族
    アミノカルボン酸と多塩基酸とを反応させることを特徴
    とする架橋樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】芳香族アミノカルボン酸がモノアミノ置換
    安息香酸である請求項1記載の架橋樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】モノアミノ置換安息香酸がp−アミノ安息
    香酸又はアントラニル酸である請求項2記載の架橋樹脂
    の製造方法。
  4. 【請求項4】(A) ビス(2−オキサゾリン)化合物と、 (B) 芳香族アミノカルボン酸と、 (C) 多塩基酸と、 (D) (a) 分子内にチオール基を少なくとも2つ有するポ
    リチオール化合物、(b) 分子内にエポキシ基を少なくと
    も2つ有するポリエポキシ化合物、(c) 分子内にアミノ
    基を少なくとも2つ有する芳香族ポリアミノ化合物、及
    び(d) 芳香族メルカプトカルボン酸から選ばれる少なく
    とも1種の化合物とを反応させることを特徴とする架橋
    樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】芳香族アミノカルボン酸がモノアミノ置換
    安息香酸である請求項4記載の架橋樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】モノアミノ置換安息香酸がp−アミノ安息
    香酸又はアントラニル酸である請求項5記載の架橋樹脂
    の製造方法。
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