JPH07238159A - 共重合体樹脂の製造方法 - Google Patents

共重合体樹脂の製造方法

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JPH07238159A
JPH07238159A JP3145794A JP3145794A JPH07238159A JP H07238159 A JPH07238159 A JP H07238159A JP 3145794 A JP3145794 A JP 3145794A JP 3145794 A JP3145794 A JP 3145794A JP H07238159 A JPH07238159 A JP H07238159A
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JP
Japan
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compound
bis
acid
polycarbonate polymer
oxazoline
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JP3145794A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Arita
和弘 有田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ビス(2−オキサゾリン)化合物を原料の一つ
として、耐熱性にすぐれる線状共重合体樹脂を提供し、
また、高硬度、高強度、高靱性を有し、しかも、低吸水
性で耐熱性にすぐれる共重合体樹脂の製造方法を提供す
ることにある。 【構成】本発明による線状共重合体樹脂の製造方法は、
ビス(2−オキサゾリン)化合物とビスフエノール型ポ
リカーボネート重合体とを反応させることを特徴とす
る。更に、本発明の方法においては、上記ビス(2−オ
キサゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネー
ト重合体と共に、(a) 分子内にチオール基を少なくとも
2つ有するポリチオール化合物、(b) 分子内にエポキシ
基を少なくとも2つ有するポリエポキシ化合物、(c) 分
子内にカルボキシル基を少なくとも2つ有する多塩基
酸、及び(d) 分子内にアミノ基を少なくとも2つ有する
芳香族ポリアミノ化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物を併せて用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な共重合体樹脂の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビス(2−オキサゾリン)化合物と分子
内に2つのフエノール性水酸基を有する化合物を反応さ
せることによつて、熱可塑性樹脂を得ることができるこ
とや、また、ビス(2−オキサゾリン)化合物と分子内
に3つのフエノール性水酸基を有する化合物や、或いは
フエノール・ホルムアルデヒド初期縮合物を加熱下に反
応させることによつて、熱硬化性樹脂を得ることができ
ることは、米国特許第 4,430,491号明細書に記載されて
いるように、既に知られている。この米国特許には、こ
れらの方法において、触媒として、代表的には、酢酸亜
鉛のような遷移金属塩を用いて、反応を促進し得ること
も記載されている。
【0003】他方、特開昭62−230824号公報に
は、ビス(2−オキサゾリン)化合物をビスフエノール
化合物やノボラツク樹脂とを亜リン酸、有機亜リン酸エ
ステル又はオキサゾリン環開環重合触媒の存在下に反応
させることによつて、架橋樹脂を得ることができること
が記載されている。しかしながら、前記米国特許の方法
によれば、樹脂液の調製に高温と長時間を要し、上記特
開昭62−230824号公報に記載の方法によれば、
得られる架橋樹脂は、耐熱性にすぐれ、低吸水性である
ものの、機械的強度が十分でなく、特に、耐衝撃性が小
さいという問題があつた。
【0004】他方、高分子討論会第36回(1987
年)予稿集第3535〜3537頁に記載されているよ
うに、ビス(2−オキサゾリン)化合物は、エポキシ化
合物とも反応して、架橋樹脂を与えることが知られてい
る。しかし、この反応は、高温長時間を必要とし、実用
性に乏しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ビス(2
−オキサゾリン)化合物とフエノール性水酸基を有する
化合物又は重合体とを原料として用いる樹脂の製造にお
ける上記した問題を解決するために、鋭意研究した結
果、フエノール性水酸基を有する原料として、ビスフエ
ノール型ポリカーボネート重合体を用いることによつ
て、耐熱性にすぐれる共重合体樹脂を得ることができる
ことを見出し、更に、ビス(2−オキサゾリン)化合物
と上記ビスフエノール型ポリカーボネート重合体を反応
させるに際して、分子内にチオール基を少なくとも2つ
有するポリチオール化合物、分子内にエポキシ基を少な
くとも2つ有するポリエポキシ化合物、分子内にカルボ
キシル基を少なくとも2つ有する多塩基酸及び分子内に
アミノ基を少なくとも2つ有する芳香族ポリアミノ化合
物から選ばれる少なくとも1種の化合物を併せて反応さ
せることによつて、高硬度、高強度、高靱性を有し、更
に、低吸水性で耐熱性にすぐれ、しかも、硬化時の収縮
が小さい新規な共重合体樹脂を得ることができることを
見出して、本発明に至つたものである。
【0006】即ち、本発明は、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート重合体
を反応させることによつて、耐熱性にすぐれる新規な共
重合体樹脂を製造する方法を提供することを目的とし、
更に、本発明は、ビス(2−オキサゾリン)化合物と上
記ビスフエノール型ポリカーボネート重合体を反応させ
る際に、上記芳香族ポリアミノ化合物、ポリチオール化
合物、ポリエポキシ化合物及び多塩基酸から選ばれる少
なくとも1種の化合物を併せて反応させることによつ
て、高硬度、高強度、高靱性を有し、更に、低吸水性で
耐熱性にすぐれ、しかも、硬化時の収縮が小さい新規な
共重合体樹脂を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による共重合体樹
脂の製造方法は、ビス(2−オキサゾリン)化合物とビ
スフエノール型ポリカーボネート重合体とを反応させる
ことを特徴とする。更に、本発明によれば、上記ビス
(2−オキサゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカ
ーボネート重合体と共に、(a) 分子内にチオール基を少
なくとも2つ有するポリチオール化合物、(b) 分子内に
エポキシ基を少なくとも2つ有するポリエポキシ化合
物、(c) 分子内にカルボキシル基を少なくとも2つ有す
る多塩基酸、及び(d) 分子内にアミノ基を少なくとも2
つ有する芳香族ポリアミノ化合物から選ばれる少なくと
も1種の化合物を併せて反応させることができる。
【0008】本発明において用いるビス(2−オキサゾ
リン)化合物は、一般式(I)
【0009】
【化1】
【0010】(但し、Rは炭素間結合又は2価の炭化水
素基を示し、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素、アルキ
ル基又はアリール基を示す。)で表わされ、Rが炭化水
素基のとき、具体例としてアルキレン基、シクロアルキ
レン基又はアリーレン基等を挙げることができる。
【0011】かかるビス(2−オキサゾリン)化合物の
具体例として、Rが炭素間結合のとき、例えば、2,2'−
ビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−
2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(5−メチル−2−オ
キサゾリン)、2,2'−ビス(5,5'−ジメチル−2−オキ
サゾリン)、2,2'−ビス(4,4,4',4'−テトラメチル−2
−オキサゾリン)等を挙げることができる。
【0012】また、Rが2価の炭化水素基のうち、アル
キレン基であるときは、例えば、1,2−ビス(2−オキ
サゾリン−2−イル)エタン、1,4−ビス(2−オキサ
ゾリン−2−イル)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾ
リン−2−イル)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾ
リン−2−イル)オクタン等を挙げることができ、シク
ロアルキレン基であるときは、例えば、1,4−ビス(2
−オキサゾリン−2−イル)シクロヘキサン等を挙げる
ことができ、また、アリーレン基であるときは、例え
ば、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼ
ン、1,2−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−
イル)ベンゼン、1,3−ビス(5−メチル−2−オキサ
ゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル
−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス
(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベン
ゼン等を挙げることができる。これらは単独で、又は2
種以上の混合物として用いられる。本発明においては、
これらのなかでは、特に、1,3−ビス(2−オキサゾリ
ン−2−イル)ベンゼンが好ましく用いられる。
【0013】本発明において用いるビスフエノール型ポ
リカーボネート重合体は、分子の両末端にフエノール性
水酸基を有し、一般式(II)
【0014】
【化2】
【0015】(式中、Aは炭化水素基又はスルホニル基
(-SO2-)を示し、Bは水素又はハロゲンを示し、nは1
〜10の整数を示す。)で表わされる。
【0016】上記一般式(II)において、Aが炭化水素
基であるときは、そのような炭化水素基として、例え
ば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,1'−エチレン
基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基、2,2'−
プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−
プロピレン基、1,1−ジメチル−1,2−エチレン基等の
炭化水素1〜4の低級アルキレン基を挙げることがで
き、これらのなかでは、特に、メチレン基又は2,2'−プ
ロピレン基が好ましい。Bがハロゲンであるときは、そ
のようなハロゲンとして、例えば、フツ素、臭素、塩素
又はヨウ素を挙げることができ、特に、臭素が好まし
い。また、nは、好ましくは、2又は3を示す。
【0017】本発明においては、前記一般式(II)にお
いて、特に、Aが2,2'−プロピレン基であり、Bが水素
であるビスフエノールAポリカーボネート重合体、Aが
2,2'−プロピレン基であり、Bが臭素であるテトラブロ
モビスフエノールAポリカーボネート重合体、又はAが
スルホニル基であり、Bが水素であるビスフエノールS
ポリカーボネート重合体が好ましく用いられる。
【0018】本発明によれば、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート重合体
との反応によつて、線状共重合体樹脂を得ることができ
る。ビス(2−オキサゾリン)化合物とビスフエノール
型ポリカーボネート重合体とを反応させるには、通常、
これら原料の混合物を融点以上の温度、好ましくは、攪
拌下に150〜300℃の温度で数分間、加熱すればよ
い。ここに、ビス(2−オキサゾリン)化合物とビスフ
エノール型ポリカーボネート重合体とは、ビス(2−オ
キサゾリン)化合物/ビスフエノール型ポリカーボネー
ト重合体のモル比0.8〜1.2の範囲にて反応させること
が好ましく、特に、モル比0.95〜1.05の範囲にて反
応させることが好ましい。上記モル比が上記範囲をはず
れるときは、得られる共重合体樹脂の重合度が高くな
く、すぐれた物性を得ることができない場合があるから
である。
【0019】このようにして、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート重合体
との反応によつて得られる線状共重合体樹脂は、ジメチ
ルスルホキシドやジメチルホルムアミド等の極性溶媒に
可溶性である。
【0020】更に、本発明によれば、(A) ビス(2−オ
キサゾリン)化合物と、(B) ビスフエノール型ポリカー
ボネート重合体と共に、(C) (a) 分子内にチオール基を
少なくとも2つ有するポリチオール化合物、(b) 分子内
にエポキシ基を少なくとも2つ有するポリエポキシ化合
物、(c) 分子内にカルボキシル基を少なくとも2つ有す
る多塩基酸、及び(d) 分子内にアミノ基を少なくとも2
つ有する芳香族ポリアミノ化合物から選ばれる少なくと
も1種の化合物を併せて反応させることができる。
【0021】本発明において、分子内にチオール基を少
なくとも2つ有するポリチオール化合物は、芳香族、非
芳香族化合物のいずれであつてもよく、例えば、エチレ
ングリコールビスチオグリコレート、ブチレングリコー
ルビスチオグリコレート等の非芳香族ジチオール化合
物、例えば、4,4'−チオビスベンゼンチオール、ビス
(4−メルカプトフエニル)エーテル、3,4−ジメルカ
プトトルエン等の芳香族ジチオール化合物、例えば、6
−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオ
ール等の芳香族複素環ジチオール化合物、例えば、2,4,
6−トリメルカプト−S−トリアジン、2,5−ジメルカ
プト−1',2',4−チアジアゾール等のポリチオール化合
物を挙げることができる。これらは、単独で、又は2種
以上の混合物として用いられる。これらのなかでは、ビ
ス(4−メルカプトフエニル)エーテル、6−ジブチル
アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール等が好
ましく用いられる。
【0022】本発明において、分子内にエポキシ基を少
なくとも2つ有するポリエポキシ化合物は、例えば、ビ
スフエノールAジグリシジルエーテル、ビスフエノール
Fジグリシジルエーテル、ビスフエノールSジグリシジ
ルエーテル、テトラブロモビスフエノールAジグリシジ
ルエーテル等のビスフエノール型エポキシ化合物、例え
ば、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグ
リシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル
エステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル
等のフタル酸型エポキシ化合物、ダイマー酸ジグリシジ
ルエステル、8,11−ジメチル−7,11−オクタデカジエン
−1,18−ジグリシジルエステル、7−エチルオクタデカ
ンジグリシジルエステル等の脂肪族系エポキシ化合物、
また、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステルグリシ
ジルエステルや、更に、これら以外にも、例えば、フエ
ノールノボラツクグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラツクグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂等の多官能エ
ポキシ樹脂も挙げることができる。これらは、単独で、
又は混合物として用いられる。これらのなかでは、特
に、ビスフエノールAジグリシジルエーテル、ビスフエ
ノールFジグリシジルエーテル等が好ましく用いられ
る。
【0023】本発明において用いる分子内にカルボキシ
ル基を少なくとも2つ有する多塩基酸は、脂肪族、脂環
族、芳香族いずれであつてもよく、例えば、マロン酸、
コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、エ
イコサン二酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、例えば、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸等の脂肪族不飽和ジカ
ルボン酸、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフエニルスルホンジ
カルボン酸、ジフエニルメタンジカルボン酸等の芳香族
ジカルボン酸、トリメリツト酸、トリメシン酸、ピロメ
リツト酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸等の脂
肪族及び芳香族多塩基酸を挙げることができる。これら
の多塩基酸は単独で、又は2種以上の混合物として用い
ることができる。本発明においては、これらのなかで
は、特に、脂肪族飽和ジカルボン酸が好ましく用いら
れ、特に、アジピン酸又はセバシン酸が好ましく用いら
れる。
【0024】本発明においては、多塩基酸には、分子内
に2つ以上の末端カルボキシル基を有するオリゴマーも
含まれるものとする。かかるオリゴマーの分子量は、特
に限定されるものではないが、通常、約500〜500
0の範囲が適当である。このオリゴマーも、単独で、又
は2種以上の混合物として、更には、前記多塩基酸との
混合物として用いることができる。
【0025】このようなオリゴマーはジオール成分に過
剰の二塩基酸成分(いずれもがオリゴマーであつてもよ
い。)を常法に従つて反応させることによつて得ること
ができる。ジオール成分としては、例えば、(ポリ)ア
ルキレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリ
カプロラクトンジオール、ポリエステルジオール、ポリ
エーテルジオール等を用いることができ、また、二塩基
酸としては、上述したような二塩酸又はその無水物を用
いることができる。更に、上記以外にも、末端カルボキ
シル基を有する種々のオリゴマーを用いることができ
る。このようなオリゴマーの具体例として、例えば、ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエンオリ
ゴマー、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体等を挙げることが
できる。
【0026】本発明において用いる分子内にアミノ基を
少なくとも2つ有する芳香族ポリアミノ化合物は、単環
式、多環式又は縮合多環式化合物のいずれであつてもよ
く、具体例として、単環式化合物として、例えば、o
−、m−又はp−フエニレンジアミン、2,3−又は2,4
−又は2,5−トルイレンジアミン等を、多環式化合物と
して、例えば、4,4'−ジアミノビフエニル、3,3'−ジメ
トキシ−4,4'−ジアミノビフエニル、4,4'−ジアミノト
リフエニルメタン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビ
フエニル、2,2',5,5’−テトラクロロ−4,4'−ジアミノ
ビフエニル、4,4'−メチレンビスアニリン、4,4'−メチ
レンビス(2−クロロアニリン)、2,2'−ビス〔4−
(4−アミノフエノキシ)フエニル〕プロパン、1,3−
ビス(4−アミノフエノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノフエノキシ)ベンゼン、3,4'−ジアミノジ
フエニルエーテル、4,4'−ジアミノジフエニルスルフイ
ド、4,4'−ビス(アミノフエニル)アミン等を、また、
縮合多環式化合物として、例えば、ナフチレンジアミン
等を挙げることができる。
【0027】上記したなかでは、多環式化合物、例え
ば、4,4'−メチレンビスアニリン、4,4'−メチレンビス
(2−クロロアニリン)、1,3−ビス(4−アミノフエ
ノキシ)ベンゼン、3,4'−ジアミノジフエニルエーテ
ル、4,4'−ジアミノジフエニルスルフイド、2,2'−ビス
〔4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕プロパン等
が好ましく用いられる。これら芳香族ポリアミノ化合物
は、単独にて、又は二種以上の混合物として用いられ
る。
【0028】更に、本発明においては、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート
重合体と前記(C) 成分に加えて、例えば、アントラニル
酸やp−アミノ安息香酸等の芳香族アミノカルボン酸
や、例えば、チオサリチル酸等のような芳香族メルカプ
トカルボン酸をも、併せて、用いることができる。
【0029】前述したように、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物は、ポリエポキシ化合物と反応するには、高
温長時間を必要とし、後述するように、本発明に従つて
架橋樹脂を得るための反応条件下では、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物とポリエポキシ化合物との反応は、通
常、これを無視することができ、ポリエポキシ化合物
は、主として、ポリチオール化合物、多塩基酸、芳香族
ポリアミノ化合物及び/又はビスフエノール型ポリカー
ボネート重合体と反応する。また、反応原料として、上
述したように、芳香族アミノカルボン酸や芳香族メルカ
プトカルボン酸を併用した場合には、ポリエポキシ化合
物は、ビス(2−オキサゾリン)化合物よりも、これら
と優先的に反応する。
【0030】一般に、本発明において、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート
重合体と共に、前記(C) 成分、即ち、芳香族ポリアミノ
化合物、ポリチオール化合物、ポリエポキシ化合物及び
多塩基酸から選ばれる少なくとも1種の化合物とを反応
させて、共重合体樹脂を得る際には、これら原料の使用
割合は、得られる共重合体樹脂の要求物性に応じて適宜
に決定される。
【0031】特に、本発明において、ビス(2−オキサ
ゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート重
合体と共に、前記(C) 成分、即ち、ポリチオール化合
物、ポリエポキシ化合物、多塩基酸及び芳香族ポリアミ
ノ化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を反応さ
せて、共重合体樹脂を製造する場合において、(C) 成分
として、芳香族ポリアミノ化合物を用いるときは、芳香
族ポリアミノ化合物における単一のアミノ基が2つの活
性水素を有するので、芳香族ポリアミノ化合物は、4官
能以上であり、従つて、その他の原料の種類の如何にか
かわらずに、架橋共重合体樹脂を得ることができる。
【0032】また、前記(C) 成分として、芳香族ポリア
ミノ化合物の使用の有無にかかわらず、前記(C) 成分の
うち、用いるポリチオール化合物、ポリエポキシ化合物
及び多塩基酸から選ばれる少なくとも1種の化合物が3
官能以上であるときも、架橋共重合体樹脂を得ることが
できる。
【0033】一般に、ビス(2−オキサゾリン)化合物
とビスフエノール型ポリカーボネート重合体と、必要に
応じて、前記(C) 成分として、分子内にチオール基を2
つ有するジチオール化合物、分子内にエポキシ基を2つ
有するジエポキシ化合物、分子内にカルボキシル基を2
つ有する二塩基酸(ジカルボン酸)、及び分子内にアミ
ノ基を2つ有する芳香族ジアミノ化合物から選ばれる少
なくとも1種を用いるとき、これら原料は、通常、オキ
サゾリン環の数+オキシラン環の数≧アミノ基の数+チ
オール基の数+カルボキシル基の数+フエノール性水酸
基の数を満足するように反応させることが好ましい。オ
キサゾリン環の数+オキシラン環の数<アミノ基の数+
チオール基の数+カルボキシル基の数+フエノール性水
酸基の数である場合には、得られる共重合体樹脂の機械
的物性等が十分でない場合があるからである。
【0034】前述したようなアントラニル酸やp−アミ
ノ安息香酸等のような2官能性芳香族アミノカルボン酸
や、例えば、チオサリチル酸等のような2官能性芳香族
メルカプトカルボン酸を用いる場合も、これらは、上記
官能基数に関する条件を満足するように用いることが望
ましい。
【0035】特に、本発明によれば、ビス(2−オキサ
ゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート重
合体と、必要に応じて、前記(C) 成分として、分子内に
チオール基を2つ有するジチオール化合物、分子内にエ
ポキシ基を2つ有するジエポキシ化合物、及び分子内に
カルボキシル基を2つ有する二塩基酸(ジカルボン酸)
から選ばれる少なくとも1種を用い、且つ、これらを無
触媒下に反応させることによつて、線状共重合体樹脂を
得ることができる。この場合において、極性溶媒に可溶
性であつて、機械的特性や耐熱性にすぐれる線状共重合
体樹脂を得るためには、各原料は、ビス(2−オキサゾ
リン)化合物とジエポキシ化合物との合計量/ビスフエ
ノール型ポリカーボネート重合体とジチオール化合物と
ジカルボン酸の合計量のモル比が0.8〜1.2の範囲にあ
り、特に、0.95〜1.05の範囲にあるように用いるこ
とが好ましい。上記モル比が上記範囲をはずれるとき
は、得られる共重合体樹脂が分子量が低く、十分な物性
を得ることができない場合がある。
【0036】本発明においては、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート重合体
と共に、前記(C) 成分として、芳香族ポリアミノ化合物
を反応させるときは、後述するオキサゾリン環開環重合
触媒を用いることが必要である。従つて、本発明におい
ては、架橋共重合体樹脂を得るには、通常、ビス(2−
オキサゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネ
ート重合体と共に、前記(C) 成分のうちの少なくとも1
種として、芳香族ポリアミノ化合物をオキサゾリン環開
環重合触媒の存在下に反応させる。
【0037】ビス(2−オキサゾリン)化合物とビスフ
エノール型ポリカーボネート重合体と共に、前記(C) 成
分として、ポリチオール化合物、ポリエポキシ化合物及
び多塩基酸から選ばれる少なくとも1種の化合物を反応
させるには、特に、オキサゾリン環開環重合触媒を用い
なくともよいが、用いてもよい。しかし、このような反
応においても、上記オキサゾリン環開環重合触媒や、或
いは亜リン酸又は有機亜リン酸エステルを触媒として用
いることによつて、反応温度を低くすることができ、或
いは反応に要する時間を短くすることができると共に、
硬く、強靭な架橋樹脂を得ることができる。特に、亜リ
ン酸又は有機亜リン酸エステルは、原料として、アミノ
基をもたない化合物を用いるときに有用である。また、
亜リン酸又は有機亜リン酸エステルは、オキサゾリン環
開環重合触媒と併用してもよい。
【0038】また、本発明において、このように、オキ
サゾリン環開環重合触媒や、又は亜リン酸や有機亜リン
酸エステルを触媒として用いるときは、得られる共重合
体樹脂は、架橋樹脂である。
【0039】上記有機亜リン酸エステルとしては、モ
ノ、ジ及びトリエステルが好ましく、例えば、亜リン酸
モノフエニル、亜リン酸モノ(クロロフエニル)、亜リ
ン酸モノ(ノニルフエニル)、亜リン酸モノ(2,4−ジ
−t−ブチルフエニル)等の亜リン酸モノエステル、亜
リン酸ジフエニル、亜リン酸ジ(クロロフエニル)等の
亜リン酸ジエステル、亜リン酸トリフエニル、亜リン酸
トリス(ノニルフエニル)、亜リン酸トリス(4−クロ
ロフエニル)、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n
−ブチル、亜リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、亜
リン酸トリステアリル、亜リン酸ジフエニルモノデシ
ル、テトラフエニルジプロピレングリコールジホスフア
イト、テトラフエニルテトラ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールテトラホスフアイト、亜リン酸 4,4' −ブチ
リデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフエニル−ジ
−トリデシル)、ビスフエノールAペンタエリスリトー
ルホスフアイト等の亜リン酸トリエステルを挙げること
ができる。これらは単独で、又は2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0040】オキサゾリン環開環重合触媒としては、例
えば、Polymer J., Vol.3, No.1,p. 35-39 (1972) や、
「講座重合反応論7、開環重合II、p. 159-164、化学同
人(1973)に記載されているように、既に知られているカ
チオン触媒が用いられる。このような触媒の具体例とし
て、例えば、強酸、スルホン酸エステル、硫酸エステ
ル、ルイス酸、脂肪族又は脂環族炭素、例えば、アルキ
ル炭素やアルキレン炭素に結合したハロゲン原子を少な
くとも1つ有する有機ハロゲン化物等を挙げることがで
きる。
【0041】強酸としては、例えば、リン酸、硫酸、硝
酸等のオキソ酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸、硫化水素等の水素酸等の鉱酸、例えば、フエニル
リン酸、メタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、ナフタレン−α−スルホン酸、ナ
フタレン−β−スルホン酸等のアレーンスルホン酸、ス
ルフアニル酸、フエニルホスホン酸等の有機酸を挙げる
ことができる。これら強酸は、それ自体を用いてもよい
が、また、(C) 成分として、芳香族ポリアミノ化合物を
用いるときは、その芳香族ポリアミノ化合物の塩を形成
させて、これを用いることもできる。
【0042】スルホン酸エステルとしては、例えば、p
−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸
エチル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル等のアレー
ンスルホン酸アルキルエステルを挙げることができる。
硫酸エステルとしては、例えば、ジメチル硫酸やジエチ
ル硫酸を挙げることができる。ルイス酸としては、例え
ば、塩化アルミニウム、塩化第二スズ、塩化バナジウ
ム、塩化バナジル、三フツ化ホウ素等を挙げることがで
きる。
【0043】前記した有機ハロゲン化物の好ましい例
は、モノハロアルカン及びポリハロアルカンであつて、
例えば、具体例として、ヨウ化メチル、塩化ブチル、臭
化ブチル、ヨウ化ブチル、臭化n−ヘキシル、塩化オク
チル、臭化n−オクチル、臭化ラウリル、臭化ステアリ
ル、臭化アリル、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジブロ
モプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモ
ブタン、1,3−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタ
ン、2,3−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、
1,6−ジブロモヘキサン、1,8−ジブロモオクタン、四
臭化エタン等を挙げることができる。更に、有機ハロゲ
ン化物の他の好ましい具体例として、例えば、臭化ベン
ジル、p,p'−ジクロロメチルベンゼン等のモノハロメチ
ルベンゼンやポリハロメチルベンゼン、α−ブロモプロ
ピオン酸エチル、α−ブロモイソ酪酸エチル等のハロゲ
ン化脂肪酸エステルを挙げることができる。更に、塩化
シクロヘキシル、臭化シクロヘキシル、ヨウ化シクロヘ
キシル等のハロゲン化シクロヘキシルも用いることがで
きる。
【0044】これら有機ハロゲン化合物は、加温によつ
て容易に芳香族アミンと塩を形成し、カチオン種とし
て、ハロゲン化水素を発生するので、前記(C) 成分とし
て、芳香族ポリアミノ化合物を用いるときに、触媒とし
て、特に有利に用いられる。
【0045】本発明の方法において、これらのオキサゾ
リン環開環重合触媒は、樹脂原料、即ち、前記したビス
(2−オキサゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカ
ーボネート重合体(と前記(C) 成分、即ち、ポリチオー
ル化合物、ポリエポキシ化合物、多塩基酸及び芳香族ポ
リアミノ化合物から選ばれる少なくとも1種)の合計重
量に基づいて、約0.05〜5重量%の範囲で用いられ、
好ましくは約0.1〜3重量%の範囲で用いられる。
【0046】本発明において、ビス(2−オキサゾリ
ン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート重合体
(と前記(C) 成分、即ち、ポリチオール化合物、ポリエ
ポキシ化合物、多塩基酸及び芳香族ポリアミノ化合物か
ら選ばれる少なくとも1種)との反応によつて共重合体
樹脂を得るには、これら原料を混合し、この混合物を通
常、100〜200℃、好ましくは、120〜140℃
の温度に加熱して、全体を均一に溶融させ、この後、硬
化反応が急激に起こらない温度、例えば、90〜125
℃程度に冷却し、これに必要に応じて触媒を加えて、樹
脂液を調製し、例えば、所要の温度に加温した型に注入
して、硬化させれば、共重合体樹脂からなる硬化物を得
ることができる。
【0047】また、上記において、ポリエポキシ化合物
は、他の樹脂原料を混合、溶融し、100〜130℃の
温度に冷却した後に、必要に応じて、触媒と共に加えて
もよい。ここに、上記樹脂液の硬化温度は、用いる原料
や触媒の種類、その量等によつても異なるが、通常、8
0℃以上、好ましくは、100〜250℃の範囲の温度
であり、特に好ましくは、120〜200℃の範囲の温
度である。硬化時間は、通常、1分から2時間程度であ
る。このような方法に基づいて、注型によつて種々の成
形物を得ることができる。このような成形物の好適な例
として、例えば、カレンダー加工用樹脂ロールを挙げる
ことができる。
【0048】本発明の方法によれば、強化材及び/又は
充填材を含有する共重合体樹脂をも得ることができる。
強化材としては、通常の繊維強化樹脂に用いられる繊維
強化材が好ましい。かかる繊維強化材として、具体的に
は、ガラス繊維、炭素繊維、石英繊維、セラミツク繊
維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、タングステン繊維、
モリブデン繊維、ステンレス繊維、ベリリウム繊維、石
綿繊維等の無機繊維、綿、亜麻、大麻、ジユート、サイ
ザル麻等の天然繊維、脂肪族又は芳香族ポリアミド系繊
維、ポリエステル系繊維等の耐熱性有機合成繊維等を挙
げることができる。また、これら繊維強化材は、樹脂と
の接着性を改良するために、その表面を例えばボラン、
シラン、ガラン、アミノシラン等にて予め処理されてい
てもよい。これらの繊維強化材は単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0049】また、これらの繊維強化材は、その形状に
おいて、何ら限定されず、例えば、紐状、マツト状、テ
ープ状、一定の寸法に切断された短繊維状等の形状にて
用いられる。繊維強化材は、これらの複合された形状で
あつてもよい。繊維強化材の配合量は、例えば、触媒を
含有する前記樹脂液の溶融粘度や、用いる強化材の種
類、その形態、製品としての強化樹脂の用途等に応じて
適宜に選ばれるが、通常、樹脂原料に基づいて、約3〜
95重量%、好ましくは5〜80重量%程度である。
【0050】本発明によれば、更に、充填材を含有する
共重合体樹脂も得ることができる。充填材は、従来より
合成樹脂成形の分野で用いられている任意のものを用い
ることができ、そのような充填材として、例えば、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン等の酸化物、水酸化アルミニ
ウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
等の炭酸塩、タルク、クレー、ガラスビーズ、ベントナ
イト等のケイ酸塩、カーボンブラツク等の炭素、鉄粉、
アルミニウム粉等の金属粉等を挙げることができる。か
かる充填材の配合量も、繊維強化材の場合と同様にして
適宜に選ばれるが、通常、樹脂原料に基づいて、約3〜
95重量%、好ましくは約10〜80重量%の範囲であ
る。
【0051】特に、得られる硬化物の表面抵抗率を低減
するために、カーボンブラツクの1種であるケッチェン
ブラツクを配合する場合は、その配合量は、通常、樹脂
原料に基づいて、約0.1〜1重量%の範囲が適当であ
る。更に、本発明の方法においては、上記繊維強化材及
び充填材以外にも、通常の熱硬化性樹脂成形において用
いられている安定剤、内部離型剤、顔料、難燃剤等の任
意の添加剤も添加してもよい。
【0052】本発明に従つて、上記のような繊維強化材
や充填材を含有する共重合体樹脂を得るには、ビス(2
−オキサゾリン)化合物とビスフエノール型ポリカーボ
ネート重合体と、必要に応じて、前記(C) 成分、即ち、
ポリチオール化合物、ポリエポキシ化合物、多塩基酸及
び芳香族ポリアミノ化合物から選ばれる少なくとも1種
と、前記触媒とからなる樹脂原料、好ましくはこれらを
溶融させた均一な混合物である樹脂液に強化材及び/又
は充填材を混合し、或いは上記混合物を強化材及び/又
は充填材に含浸させた後、加熱する。
【0053】繊維強化した架橋樹脂を得るに際しては、
一般に、ガラス繊維強化熱硬化性樹脂の製造において従
来より知られている任意の方法によることができる。具
体的には、例えば、加熱加圧成形用金型に予め配布され
た繊維強化材に触媒を含有する樹脂液を注入含浸させ、
加熱硬化を行なうプリフオーム・マツチドメタルダイ法
やレジン・インジエクシヨン法、触媒を含有する樹脂原
料と一定の寸法に切断された繊維強化材とからなる混練
物を加熱加圧成形用金型に投入又は注入し、加熱硬化を
行なうバルク・モールデイング・コンパウンド法、トラ
ンスフアー成形法、射出成形法、リアクシヨン・インジ
エクシヨン・モールデイング法(RIM法)、引抜き成
形法、触媒を含有する樹脂原料を繊維強化材に含浸さ
せ、粘着性のないプリプレグ成形材料とするSMC法や
プリプレグ・クロス法等、種々の方法を採用することが
できる。
【0054】このように、繊維強化材や充填材を含有す
る共重合体樹脂を得る場合は、成形温度は、通常、13
0〜230℃程度である。加熱硬化時間は、用いるビス
(2−オキサゾリン)化合物やビスフエノール型ポリカ
ーボネート重合体のほか、前記(C) 成分や、また、触媒
を用いるときは、その種類や量、成形温度等によるが、
通常、1分乃至1時間程度である。
【0055】本発明に従つて得られる繊維強化樹脂は、
特に、架橋共重合体樹脂は、その樹脂のすぐれた機械的
性質と耐熱性を保持しつつ、繊維強化されているため
に、広範な用途に実用し得る種々の成形品を製造するの
に好適である。かかる樹脂成形品の用途として、例え
ば、宇宙、航空、船艇、鉄道車両、自動車、土木建築、
電気電子機器、耐食機器、スポーツ及びレジヤー用品、
医療機器、各種工業部品等を挙げることができ、更に
は、従来の繊維強化樹脂の場合は、強度や吸水性、耐熱
性等、その性能不足のために使用し得ない用途にも実用
することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ビス(2−オキ
サゾリン)化合物と分子の両末端にフエノール性水酸基
を有するビスフエノール型ポリカーボネート重合体とを
反応させることによつて、極性溶媒に可溶性で耐熱性に
すぐれる新規な線状共重合体樹脂を得ることができる。
【0057】また、本発明によれば、ビス(2-オキサゾ
リン)化合物と上記ビスフエノール型ポリカーボネート
重合体とを、ポリチオール化合物、ポリエポキシ化合
物、多塩基酸及び芳香族ポリアミノ化合物から選ばれる
少なくとも1種の化合物と共に反応させることによつ
て、高硬度、高強度、低吸水性であり、更に、強靭で耐
熱性にすぐれ、硬化時の収縮の小さい新規な共重合体脂
を得ることができる。
【0058】特に、本発明によれば、ビス(2-オキサゾ
リン)化合物とビスフエノール型ポリカーボネート重合
体とを、ジチオール化合物、ジエポキシ化合物及びジカ
ルボン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物と共に反
応させることによつて、極性溶媒に可溶性で、高硬度、
高強度、低吸水性の線状共重合体樹脂を得ることができ
る。
【0059】更に、本発明に従つて、上記ビスフエノー
ル型ポリカーボネート重合体として、テトラブロモビス
フエノールA型ポリカーボネート重合体を用いた場合
は、上記特性に加えて、難燃性にすぐれる共重合体脂を
得ることができる。本発明によるこのような共重合体樹
脂は、その特性を利用して、繊維や種々の成形品の製造
等に有利に用いることができる。
【0060】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下において、得られた硬化物の熱変形温度
は、18.5kg/cm2 の荷重下での測定値であり、また、
吸水率は、厚さ3mmのデイスク状の硬化板を23℃の水
に24時間浸漬した後の重量増加率である。
【0061】実施例1 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン2.
16g(0.01モル)と分子の両末端にフエノール性水
酸基を有するテトラブロモビスフエノールA型ポリカー
ボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR−30、前
記一般式において、nが2、分子量1700)17.0g
(0.01モル)を試験管に秤り取り、215℃に保持し
た油浴中に浸漬し、8分間攪拌下に反応させて、線状共
重合体樹脂を得た。
【0062】得られた共重合体樹脂について、プロトン
核磁気共鳴吸収(400MHz、d 6 DMSO) を測定
したところ、-CONHCH2(δ=3.3)と-O-CH2 (δ=4.1)の
吸収ピークが認められ、エーテルアミド共重合体である
ことが確認された。ゲルパーミエーシヨンクロマトグラ
フイー(テトラヒドロフラン溶媒)によるポリスチレン
換算の重量平均分子量は6200であり、0.3重量%ジ
メチルホルムアミド溶液として25℃で測定した極限粘
度は0.062であつた。
【0063】また、得られた共重合体樹脂は、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性有機溶媒に
溶解した。更に、示差熱分解熱天秤にて熱挙動を調べた
結果、軟化点は295℃、分解開始温度は333℃であ
つた。
【0064】実施例2 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン3.
9g(0.018モル)と分子の両末端にフエノール性水
酸基を有するテトラブロモビスフエノールA型ポリカー
ボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR−30)1
0.2g(0.006モル)とビスフエノールAグリシジル
エーテル型ポリエポキシ化合物(油化シエル(株)製エ
ピコート828)2.2g(0.006モル)と6−ジブチ
ルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール4.9
g(0.018モル)を試験管に秤り取り、222℃に保
持した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱反応させて、線状
共重合体樹脂を得た。
【0065】得られた共重合体樹脂について、プロトン
核磁気共鳴吸収(400MHz、d 6 DMSO) を測定
したところ、-CONHCH2(δ=3.2-3.6)と-S-CH2 (δ=2.
5)と-O-CH2(δ=3.9-4.1)の吸収ピークが認められ、チ
オエーテルエーテルアミド共重合体であることが確認さ
れた。ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー(テト
ラヒドロフラン溶媒)によるポリスチレン換算の重量平
均分子量は14580であり、0.3重量%ジメチルホル
ムアミド溶液として25℃で測定した極限粘度は0.11
0であつた。
【0066】また、得られた共重合体樹脂は、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性有機溶媒に
溶解した。更に、示差熱分解熱天秤にて熱挙動を調べた
結果、軟化点は230℃、分解開始温度は240℃であ
つた。
【0067】実施例3 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン6
9.1g(0.32モル)とテトラブロモビスフエノールA
型ポリカーボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR
−30)27.2g(0.016モル)と4,4'−メチレンビ
スアニリン28.5g(0.154モル)を試験管に秤り取
り、140℃に保持した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱
した。その結果、混合物は22分後に約130℃の温度
で透明な液状物となつた。そこで、これを120℃に冷
却し、臭化オクチル0.6gを加え、よく攪拌して、樹脂
液を調製した。予め約160℃の温度に加熱した幅3mm
の空間部を有する金型(以下、同じ。)に上記樹脂液を
注入し、160℃の乾燥機内に1時間置いて、樹脂液を
硬化させ、架橋した硬化樹脂板を得た。
【0068】このようにして得られた厚さ3mmの硬化樹
脂板は、緑色透明、不溶不融であつて、次の物性を有す
るものであつた。 熱変形温度 182℃ 曲げ強度 217.4MPa 曲げ弾性率 4.04GPa たわみ率 7.65% 吸水率 0.12% バーコル硬度 58 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き) 6.1KJ/m2
【0069】実施例4 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8.
1g(0.375モル)とテトラブロモビスフエノールA
型ポリカーボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR
−30)22.1g(0.0125モル)と4,4'−メチレン
ビスアニリン(44.0g(0.2375モル)を試験管に
秤り取り、140℃に保持した油浴中に浸漬し、攪拌下
に加熱した。その結果、混合物は19分後に約130℃
の温度で透明な液状物となつた。そこで、これを115
℃に冷却し、臭化オクチル0.9gを加え、よく攪拌し
て、樹脂液を調製した。予め約160℃の温度に加熱し
た金型に上記樹脂液を注入し、160℃の乾燥機内に1
時間置いて、樹脂液を硬化させ、架橋した硬化樹脂板を
得た。
【0070】このようにして得られた厚さ3mmの硬化樹
脂板は、緑色透明、不溶不融であつて、次の物性を有す
るものであつた。 熱変形温度 181℃ 曲げ強度 200.2MPa 曲げ弾性率 4.165GPa たわみ率 8.37% 吸水率 0.11% バーコル硬度 53 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き) 9.8KJ/m2
【0071】実施例5 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン5
1.8g(0.24モル)とテトラブロモビスフエノールA
型ポリカーボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR
−30)27.2g(0.016モル)とビスフエノールA
グリシジルエーテル型ポリエポキシ化合物(油化シエル
(株)製エピコート828)23.1g(0.0324モ
ル)と4,4'−メチレンビスアニリン19.0g(0.096
モル)とp−アミノ安息香酸6.6g(0.048モル)を
試験管に秤り取り、140℃に保持した油浴中に浸漬
し、攪拌下に加熱した。その結果、混合物は15分後に
約130℃の温度で透明な液状物となつた。そこで、こ
れを120℃に冷却し、臭化オクチル0.8gを加え、よ
く攪拌して、樹脂液を調製した。予め約160℃の温度
に加熱した金型に上記樹脂液を注入し、160℃の乾燥
機内に1時間置いて、樹脂液を硬化させ、架橋した硬化
樹脂板を得た。
【0072】このようにして得られた厚さ3mmの硬化樹
脂板は、琥珀色透明、不溶不融であつて、次の物性を有
するものであつた。 熱変形温度 165℃ 曲げ強度 139.2MPa 曲げ弾性率 4.184GPa たわみ率 3.608% 吸水率 0.09% バーコル硬度 54 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き) 2.3KJ/m2
【0073】実施例6 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8
5.5g(0.396モル)とテトラブロモビスフエノール
A型ポリカーボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製F
R−40)26.4g(0.011モル)と4,4'−メチレン
ビスアニリン32.7g(0.165モル)とテレフタル酸
7.3g(0.044モル)を試験管に秤り取り、165℃
に保持した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱した。その結
果、混合物は40分後に145℃の温度で透明な液状物
となつた。そこで、これを120℃に冷却し、臭化オク
チル0.76gを加え、よく攪拌した後、真空下で脱泡し
て、樹脂液を調製した。予め約160℃の温度に加熱し
た金型に上記樹脂液を注入し、160℃の乾燥機内に1
時間置いて、樹脂液を硬化させ、架橋した硬化樹脂板を
得た。
【0074】このようにして得られた厚さ3mmの硬化樹
脂板は、黄緑色透明、不溶不融であつて、次の物性を有
するものであつた。 熱変形温度 179℃ 曲げ強度 190.8MPa 曲げ弾性率 4.181GPa たわみ率 5.21% 吸水率 0.16% バーコル硬度 54 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き) 5.9KJ/m2
【0075】実施例7 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン4
3.2g(0.2モル)とテトラブロモビスフエノールA型
ポリカーボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR−
30)34.0g(0.02モル)と4,4'−メチレンビスア
ニリン28.5g(0.18モル)を試験管に秤り取り、1
50℃に保持した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱した。
その結果、混合物は10分後に約128℃の温度で透明
な液状物となつた。そこで、これを100℃に冷却し、
これにビスフエノールAグリシジルエーテル型ポリエポ
キシ化合物(油化シエル(株)製エピコート828)3
7.0g(0.1モル)と臭化オクチル1.2gを加え、よく
攪拌した後、真空下で脱泡して、樹脂液を調製した。予
め約180℃の温度に加熱した金型に上記樹脂液を注入
し、180℃の乾燥機内に1時間置いて、樹脂液を硬化
させ、架橋した硬化樹脂板を得た。
【0076】このようにして得られた厚さ3mmの硬化樹
脂板は、琥珀色透明、不溶不融であつて、次の物性を有
するものであつた。 熱変形温度 166.1℃ 曲げ強度 175.3MPa 曲げ弾性率 3.98GPa たわみ率 7.91% 吸水率 0.13% バーコル硬度 47 アイゾツド衝撃値(ノツチ付き) 7.02KJ/m2
【0077】実施例8 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン2.
77g(0.0105モル)とチオサリチル酸0.66g
(0.0035モル)と6−ジブチルアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジチオール1.16g(0.0043モ
ル)とテトラブロモビスフエノールAポリカーボネート
重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR−30)7.26g
(0.0035モル)を試験管に秤り取り、222℃に保
持した油浴中に浸漬し、4分間攪拌下に反応させて、共
重合体樹脂を得た。
【0078】得られた共重合体樹脂について、プロトン
核磁気共鳴吸収(400MHz 、d6DMSO)を測定したとこ
ろ、-COOCH2 と-CONHCH2 (δ=3.1-3.8)と-SCH2(δ=2.
5)と-OCH2 (δ=4.1)の吸収ピークが認められ、チオエ
ーテルエステルアミドの共重合体であることが確認され
た。ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー(テトラ
ヒドロフラン溶媒)によるポリスチレン換算の重量平均
分子量は8339であり、0.3重量%のジメチルホルム
アミド溶液の25℃における極限粘度は0.097であつ
た。また、得られた共重合体樹脂は、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒に溶解した。ま
た、熱天秤による10%重量減少温度は315℃であつ
た。
【0079】実施例9 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン3.
24g(0.015モル)とビスフエノールAグリシジル
エーテル型ポリエポキシ化合物(油化シエル(株)製エ
ピコート828)1.85g(0.005モル)とテトラブ
ロモビスフエノールAポリカーボネート重合体(三菱瓦
斯化学(株)製FR−30)8.50g(0.005モル)
と6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
チオール2.72g(0.01モル)とアジピン酸0.73g
(0.005モル)とを試験管に秤り取り、210℃に保
持した油浴中に浸漬し、8分間攪拌下に反応させて、線
状共重合体樹脂を得た。
【0080】得られた共重合体樹脂について、プロトン
核磁気共鳴吸収(400MHz 、d6DMSO)を測定したとこ
ろ、-COOCH2 と-CONHCH2 (δ=3.2-3.7)と-SCH2(δ=2.
5)と-OCH2 (δ=4.1)の吸収ピークが認められ、チオエ
ーテルエステルアミドの共重合体であることが確認され
た。0.3重量%のジメチルホルムアミド溶液の25℃に
おける極限粘度は0.075であつた。また、得られた共
重合体樹脂は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒に溶
解した。また、熱天秤による10%重量減少温度は31
3℃であつた。
【0081】実施例10 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン
(0.05モル)とテトラブロモビスフエノールA型ポリ
カーボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR−3
0)(0.004モル)と6−ジブチルアミノ−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジチオール(0.01モル)とビスフ
エノールFグリシジルエーテル型ポリエポキシ化合物
(油化シエル(株)製エピコート807)(0.01モ
ル)とアゼライン酸(0.01モル)と4,4'−メチレンビ
スアニリン(0.16モル)と臭化オクチル0.29gとを
試験管に秤り取り、150℃に保持した油浴中に浸漬
し、攪拌下に加熱したところ、10分後に温度181℃
で硬化し、透明琥珀色の硬化物を与えた。
【0082】実施例11 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン6.
48g(0.03モル)とビスフエノールAグリシジルエ
ーテル型ポリエポキシ化合物(油化シエル(株)製エピ
コート828)5.55g(0.015モル)とテトラブロ
モビスフエノールA型ポリカーボネート重合体(三菱瓦
斯化学(株)製FR−30)5.10g(0.003モル)
と4,4'−メチレンビスアニリン5.35g(0.0027モ
ル)と臭化オクチル0.22gとを試験管に秤り取り、1
50℃に保持した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱したと
ころ、8分30秒後に温度185℃で硬化し、透明琥珀
色の硬化物を与えた。
【0083】実施例12 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン1
2.96g(0.06モル)とテトラブロモビスフエノール
A型ポリカーボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製F
R−30)5.1g(0.003モル)と6−ジブチルアミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール2.45g
(0.009モル)と4,4'−メチレンビスアニリン3.56
g(0.018モル)とp−トルエンスルホン酸メチル0.
12gとを試験管に秤り取り、150℃に保持した油浴
中に浸漬し、攪拌下に加熱したところ、8分40秒後に
温度183℃で硬化し、透明琥珀色の硬化物を与えた。
【0084】実施例13 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン1
2.96g(0.06モル)と4,4'−メチレンビスアニリン
2.97g(0.015モル)とアジピン酸1.75g(0.0
12モル)とテトラブロモビスフエノールA型ポリカー
ボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製FR−30)5.
1g(0.003モル)と1,4−ジブロモブタン0.20g
とを試験管に秤り取り、150℃に保持した油浴中に浸
漬し、攪拌下に加熱したところ、5分10秒後に温度1
95℃で硬化し、透明褐色の硬化物を与えた。
【0085】実施例14 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン6.
48g(0.03モル)とビスフエノールAグリシジルエ
ーテル型ポリエポキシ化合物(油化シエル(株)製エピ
コート815)7.77g(0.021モル)と4,4'−メチ
レンビスアニリン3.56g(0.018モル)とアゼライ
ン酸1.69g(0.009モル)とテトラブロモビスフエ
ノールA型ポリカーボネート重合体(三菱瓦斯化学
(株)製FR−30)5.1g(0.003モル)と臭化オ
クチル0.24gとを試験管に秤り取り、150℃に保持
した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱したところ、4分3
0秒後に温度192℃で硬化し、不透明黄色の硬化物を
与えた。
【0086】実施例15 1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン8.
64g(0.04モル)とビスフエノールFグリシジルエ
ーテル型ポリエポキシ化合物(油化シエル(株)製エピ
コート807)7.40g(0.02モル)と4,4'−メチレ
ンビスアニリン1.98g(0.01モル)とアジピン酸1.
46g(0.01モル)と4,4'−チオビスベンゼンチオー
ル2.5g(0.01モル)とテトラブロモビスフエノール
A型ポリカーボネート重合体(三菱瓦斯化学(株)製F
R−30)1.02g(0.0006モル)とp−トルエン
スルホン酸メチル0.11gとを試験管に秤り取り、15
0℃に保持した油浴中に浸漬し、攪拌下に加熱したとこ
ろ、2分20秒後に温度200℃で硬化し、透明琥珀色
の硬化物を与えた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビス(2−オキサゾリン)化合物とビスフ
    エノール型ポリカーボネート重合体とを反応させること
    を特徴とする共重合体樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】ビス(2−オキサゾリン)化合物とビスフ
    エノール型ポリカーボネート重合体とをビス(2−オキ
    サゾリン)化合物/ビスフエノール型ポリカーボネート
    重合体のモル比0.8〜1.2の範囲にて反応させる請求項
    1記載の共重合体樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】ビスフエノール型ポリカーボネート重合体
    がテトラブロモビスフエノールA型ポリカーボネート重
    合体である請求項1又は2記載の共重合体樹脂の製造方
    法。
  4. 【請求項4】(A) ビス(2−オキサゾリン)化合物と、 (B) ビスフエノール型ポリカーボネート重合体と、 (C) (a) 分子内にチオール基を少なくとも2つ有するポ
    リチオール化合物、(b) 分子内にエポキシ基を少なくと
    も2つ有するポリエポキシ化合物、(c) 分子内にカルボ
    キシル基を少なくとも2つ有する多塩基酸、及び(d) 分
    子内にアミノ基を少なくとも2つ有する芳香族ポリアミ
    ノ化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを反応
    させることを特徴とする共重合体樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】(A) ビス(2−オキサゾリン)化合物と、 (B) ビスフエノール型ポリカーボネート重合体と、 (C) (a) 分子内にチオール基を2つ有するジチオール化
    合物、(b) 分子内にエポキシ基を2つ有するジエポキシ
    化合物、及び(c) 分子内にカルボキシル基を2つ有する
    ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物を、 ビス(2−オキサゾリン)化合物とジエポキシ化合物と
    の合計量/ビスフエノール型ポリカーボネート重合体と
    ジチオール化合物とジカルボン酸の合計量のモル比0.8
    〜1.2の範囲にて反応させる共重合体樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】ビスフエノール型ポリカーボネート重合体
    がテトラブロモビスフエノールA型ポリカーボネート重
    合体である請求項4又は5に記載の共重合体樹脂の製造
    方法。
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