JPH05103165A - 原稿読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 原稿読取装置 【目的】 原稿読取装置の薄紙／厚紙原稿の読取時の読
取り性能と原稿搬送性能の信頼性を向上させる。 【構成】 原稿をラインセンサに密着させ、光源により
前記原稿を照明し、前記原稿上の反射光をラインセンサ
で検知して前記原稿の画像を読取る原稿読取装置におい
て、原稿搬送ローラのニップ外、かつ原稿給紙側に配置
した前記ラインセンサの読取面と、前記読取面に原稿を
密着させる原稿密着手段と、該原稿密着手段を、前記ラ
インセンサの原稿読取面に対し離接駆動する手段を有す
ることを特徴とする原稿読取装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ、イメー
ジスキャナ等の画像情報処理装置に適用され、原稿の画
像情報を光学的に読取る原稿読取装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、ファクシミリ、イメージスキャナ
等の画像情報処理装置に対して、小型化、軽量化及び低
価格化の要求が高まってきている。特にファクシミリに
おいては、個人使用等のホームファクシミリの市場拡大
に伴い、小型化、軽量化及び低価格化のみならず、デザ
イン及び機能に対する多種多様な要求が高まってきた。

【０００３】この様な画像情報処理装置に搭載され原稿
の画像情報を光学的に読取る原稿読取装置としては、Ｃ
ＣＤ等のラインセンサと縮小光学系とを組合せた縮小読
取方式、原稿幅と同じ長さを有するラインセンサと集束
性ファイバレンズアレイ等の等倍光学系とＬＥＤアレイ
等の光源とをフレーム内に一体的に組み込んだ密着型読
取方式、或はレンズアレイを用いずにラインセンサと光
源とをフレーム内に一体的に組込み、ラインセンサ上に
原稿を近接させて原稿画像を読取る完全密着型読取方式
等の原稿読取装置が採用されている。

【０００４】従来の原稿読取装置の概略構成を図５及び
図６に示す。図５は従来の原稿読取装置を模式的に示す
断面図であり、図６は図５の模式的斜視図である。

【０００５】ここで、１はラインセンサであり、原稿Ｐ
の画像を光学的に読取る。１３は分離片１１と給送ロー
ラ１２との組合せからなる自動給紙部であり、原稿Ｐを
ラインセンサ１に向けて一枚ずつ分離給送する。２は搬
送ローラであり、給送された原稿Ｐをラインセンサ１の
読取り位置４に押圧して密着させる原稿密着手段ととも
に原稿Ｐを搬送する原稿搬送手段の機能を有している。

【０００６】一般的に原稿画像をラインセンサにより読
取るには、ラインセンサと原稿とを密着させることが必
要であるため、搬送ローラの長さはラインセンサの長さ
或は原稿の読取り幅全長にわたり必要となる。そのため
ラインセンサの読取面の平面度の影響で、搬送力が位置
によりばらつき、原稿の斜行の原因となる。

【０００７】又、ラインセンサ読取面に原稿を密着さ
せ、搬送するには、搬送ローラを回転駆動させるモータ
に与える負荷が増大するため、モータの発熱、脱調等を
生じやすくなる。したがって、安定した原稿搬送のため
に、大型モータを用いなければならず、原稿読取装置の
小型化、軽量化を困難としてきた。

【０００８】又斜めに給紙された原稿は更に斜めに成り
やすい。この説明は図４によって行なう。図４（Ａ）に
おいて、原稿Ｐが自動給紙部１３に斜めに差し込まれる
と図４（Ｂ）の如く自動給紙部１３により、搬送ローラ
２まで原稿Ｐが搬送力（ａ）によって搬送される。次に
図４（Ｃ）において、搬送ローラ２とラインセンサとに
挟まれた原稿Ｐの一部は搬送ローラ２の搬送力（ｂ）が
作用する。一般に、自動給紙部１３の給紙ローラ（図中
省略）は搬送ローラ２より若干小さな周速度を有してい
る。したがって、周速度差、摩擦片負荷により、原稿搬
送方向とは逆方向に負荷（ｃ）が働き、（ｂ）と（ｃ）
の力によって回転力（ｄ）が発生し、原稿Ｐを更に斜行
することになる。

【０００９】これらの問題のように、近年ますます拍車
の掛かってきた原稿読取装置の小型化、軽量化、低価格
化に対して、従来の構造では十分とは言えず、その実現
には技術的課題が多い。

【００１０】これらの改善案としてライセンサの読取り
部を原稿搬送ローラのニップ外となる様に原稿給紙側に
配置し、読取り部にシート状原稿密着手段を設けたこと
より、この問題を解決する方法が考案されている。

【００１１】

【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記シート状原稿密着部材を原稿搬送ローラの手前に配置
することは、エアメール紙（厚さ４０μｍ）等の薄紙原
稿の搬送の際、シート状密着部材の抵抗で薄紙原稿が腰
くだけを起し紙詰りを生じる問題があり、その対応とし
て、薄紙原稿の搬送性をよくするために、シート状原稿
密着部材の押圧力を弱めると厚手原稿の読取面に対する
密着性が悪くなり、画像ボケとなり読取り不良を生じ
る。

【００１２】この様に薄紙／厚紙原稿の読取時のシート
状原稿密着部材の読取り性能と原稿搬送性能の相反する
条件が問題として残されていた。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
を解決するための手段として、原稿をラインセンサに密
着させ、光源により前記原稿を照明し、前記原稿上の反
射光をラインセンサで検知して前記原稿の画像を読取る
原稿読取装置において、原稿搬送ローラのニップ外、か
つ原稿給紙側に配置した前記ラインセンサの読取面と、
前記読取面に原稿を密着させる原稿密着手段と、該原稿
密着手段を、前記ラインセンサの原稿読取面に対し離接
駆動する手段を有することを特徴とする原稿読取装置を
提供するものであり、前記原稿が前記原稿搬送ローラに
達するまでは、前記原稿密着手段が前記読取面から離
れ、前記原稿が前記搬送ローラに達した後、前記原稿を
挟んで前記読取面に密着させることを特徴とする。

【００１４】また、前記原稿密着手段の前記ラインセン
サの読取面に対する押圧力を可変駆動する手段を有する
ことを特徴とし、前記押圧力を可変駆動する手段が、前
記原稿の厚さが薄くなるほど、前記原稿密着手段の押圧
力を小さくすることを特徴とする。

【００１５】また、更に前記原稿密着手段がフィルム状
の可撓性部材であることを特徴とし、また、前記離接駆
動する手段が、原稿密着手段と、該原稿密着手段を支持
する支持部材と、該支持部材を駆動して前記原稿密着部
材を前記読取面に離接動作させる電磁ソレノイドと、弾
性部材を有して構成されることを特徴とし、また、前記
原稿密着手段が白色であることを特徴とする原稿読取装
置である。

【００１６】

【作用】本発明の原稿読取装置によれば、シート状原稿
密着部材を原稿搬送ローラの手前に配置し、原稿をライ
ンセンサに密着させ、光源により原稿を照明し、原稿上
の反射光をラインセンサで検知して、原稿の画像を読取
る原稿読取装置において、前記シート状原稿密着部材の
原稿押圧力を可変可能もしくは、読取面からシート状原
稿密着部材を離接可能にすることによって、薄手原稿の
腰砕けによる紙詰まりを防ぐとともに、厚手原稿の十分
な押圧力を得られる。

【００１７】すなわち、信頼性の高い原稿搬送性を保ち
ながら、高画質の読取りを可能とし原稿読取装置の小型
化、軽量化及び低価格化も合せて実現するものである。

【００１８】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳細に
説明する。

【００１９】図１は、本発明による原稿読取装置の実施
例を示す模式的断面図であり、図２は図１に示す原稿読
取装置の模式的斜視図である。

【００２０】図１及び図２において、１は原稿Ｐの画像
を読取るラインセンサ、２は原稿Ｐを搬送する搬送ロー
ラ、３は原稿Ｐをラインセンサ１の読取り位置４上に密
着させる原稿密着部材である。１３は、分離片１１と給
送ローラ１２との組合せからなる自動給紙部である。

【００２１】原稿密着部材３は、ラインセンサ１と搬送
ローラ２とが当接する点５より原稿給紙部１３側で、搬
送ローラ２のつぶれ幅の外側に配されている。ラインセ
ンサ１上における原稿密着部材３と搬送ローラ２との距
離は、読取り位置４に配された原稿密着部材３と搬送ロ
ーラ２とが干渉しないように決定される。なお、一般的
に自動給紙部１３の搬送力は原稿の紙質の変化により不
安定になる恐れがあるため、原稿密着部材３と搬送ロー
ラ２との距離は短いほど望ましく、具体的には２〜５ｍ
ｍが実際上問題とならない距離である。

【００２２】搬送ローラ２はＥＰＤＭ、ＣＲ、シリコン
等の材料からできている。

【００２３】原稿密着部材３は、ＰＥ、ＰＥＴ、ＰＥＥ
Ｋ、ナイロン、フッ素フィルム等のプラスチックフィル
ムや金属箔、アルミ箔、チタン箔等の可撓性部材からな
る。原稿密着部材３の厚みは０．１ｍｍ以下が望まし
い。

【００２４】この可撓性部材３の一端は、支持部材６に
接着ネジ止め等で固定されており且つ支持部材６は、支
点６′を中心に回動可能になっている。

【００２５】又、支持部材６の一端６ａには電極ソレノ
イド１４が連結され、他端６ｂには可撓性部材３を読取
り位置４から離接する方向に作用させる弾性部材として
引張りバネ１５が設けられている。

【００２６】原稿Ｐが自動給紙部１３の給紙ローラ１２
で搬送され搬送ローラ２の位置まで送られる間は、不図
示のセンサーとスイッチ機構により、電磁ソレノイド１
４は通電されず、ＯＦＦ状態となっている。この時、支
持部材６はバネ１５により反時計方向に回転した位置に
保たれ、支持部材６に設けられている可撓性部材３は、
読取り位置４から離接されるか又は著しくその押圧力を
減じ、薄紙等の原稿搬送でも紙の腰くだけを生じない。

【００２７】原稿Ｐが搬送ローラ２に達した時、始めて
電磁ソレノイド１４が通電されＯＮ状態となり、バネ１
５に反して可撓性部材３を時計方向に回転させ原稿Ｐを
読取り位置４に密着させる。

【００２８】この時、原稿Ｐの先端は搬送ローラ２によ
って搬送されているので紙詰りの危険はなく、且つ原稿
Ｐは電磁ソレノイド１４によって回転力を与えられた可
撓性部材３の押圧力によって読取り位置４に確実に密着
され、正確な画像読取りが行なわれる。

【００２９】また、原稿の厚さをセンサー等の検知手段
や、給紙ローラ駆動モータ等の負荷の変化を検知するこ
と等によって検知し、電磁ソレノイドに流す電流を調整
することにより、薄手の原稿の時には原稿密着手段の押
圧力を小さくし、厚手の原稿のときには押圧力を大きく
することも可能である。 また、本発明では、シート状
原稿密着部材の可動手段として電磁ソレノイドを用いた
が、歯車連結カム機構等他の回動手段でも同様の効果が
得られるものである。

【００３０】

【発明の効果】以上説明した様に、原稿読取面の対向位
置に設けられたシート状原稿密着部材を読取面に対し離
接可能に配置し、電磁ソレノイド等で上記密着部材を回
動する本発明の原稿読取装置により、従来のシート状原
稿部材を用いた読取り装置の問題である、薄紙原稿の搬
送ローラまでの紙詰りを解決し、合せて紙の腰の強い厚
手原稿でも読取面に原稿を確実に密着させ、正確な画像
読取りを可能にすることが出来た。

【００３１】又、本発明に用いたシート状原稿密着部材
の採用、及び読取り位置を搬送ローラから手前に配置し
た構成等には次の様な効果も合せて得られる。

【００３２】（１） 搬送ローラ２は原稿搬送のみの機
能を担うため、搬送ローラ２のゴム部分を短く出来る。
これにより、ラインセンサの読取面の平面度の影響を低
減でき、安定した原稿搬送を行うことが可能となる。さ
らには、従来必要であったラインセンサの読取面の平面
度管理も軽減できるので、低価格化を容易にする。

【００３３】（２） 原稿搬送機能と原稿密着機能とを
別々の部材によって機能分離する構造としたため、原稿
を搬送するために必要な押圧力と、原稿をラインセンサ
上に押圧するために必要な押圧力とをそれぞれ最小限に
することができる。つまり、従来は搬送ローラ２をつぶ
してラインセンサの平面度を吸収するだけ力が必要であ
ったものが不要となる。これにより、モータにかかる負
荷が減り、モータの外寸、コストを小さくすることが可
能となる。

【００３４】（３） 斜めに給紙されても斜行しにくく
なる。図３は、本発明の実施例を上面から見た模式図で
ある。なお、ラインセンサは不図示ながら原稿搬送ロー
ラ２の紙面奥側に配置されている。図３（Ａ）において
原稿Ｐが斜めに差し込まれると、図３（Ｂ）のように原
稿搬送力を有していない原稿密着手段３にその先端がぶ
つかり、負荷抵抗（ｅ）が発生する。また、自動給紙部
１３においては給紙力（ａ）が働いているため、負荷抵
抗（ｅ）とあいまって原稿Ｐを矯正する回転力（ｄ）が
発生し、原稿Ｐが正位置にもどる。そして負荷抵抗
（ｅ）が原稿先端全域に分布したときに、給紙力（ａ）
が負荷抵抗（ｅ）に打ち勝って原稿搬送ローラ２に原稿
を送り込む。図３（Ｃ）図において、原稿搬送ローラ２
は短いローラ部を有するため自動給紙部１３の負荷
（ｃ）と搬送ローラ２の搬送力（ｂ）との間には回転力
がほとんど働かないので、斜行のない原稿搬送を行なう
ことができる。このとき搬送ローラ２のゴム部の主走査
方向の中心と自動給紙部１３の中心と図示されていない
ラインセンサの有効読取り長中心とを一致させることに
よって、より一層斜向しにくい原稿搬送を行なうことが
できる。

【００３５】（４） 原稿密着手段３の読取り位置の少
なくとも一部を白色にすることにより、薄紙、透明な原
稿或は紙幅の狭い原稿を読取る場合でも、画像に影響を
与えない。さらに、多階調読み取りの際の白基準ともな
り得る。つまり、原稿密着手段３の白色部の反射率を基
準にしてラインセンサ１の出力を例えばビット単位で記
憶するなどして電気的補正が可能である。白色とする手
段としては、原稿密着手段３自身が白色でも良いし、原
稿密着手段３の原稿側表面に白色塗装、印刷等により設
けても良い。あるいは、透明な原稿密着手段３の原稿面
と反対面に塗装、印刷等して設けても同様の効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による原稿読取装置の実施例を模式的に
示す断面図、

【図２】本発明による原稿読取装置の実施例を模式的に
示す斜視図、

【図３】本発明による原稿読取装置の原稿の搬送状態を
説明する図、

【図４】従来の原稿読取装置の原稿の搬送状態を説明す
る図、

【図５】従来の原稿読取装置を模式的に示す断面図、

【図６】従来の原稿読取装置を模式的に示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ ラインセンサ ２ 原稿搬送ローラ ３ 原稿密着手段 ４ 読取面（位置） ５ 原稿搬送ローラの当接位置 ６ 支持部材 １１ 分離片 １２ 給紙ローラ １３ 自動給紙部 １４ 電磁ソレノイド １５ バネ（弾性部材） Ｐ 原稿 （ａ） 自動給紙部の原稿搬送力 （ｂ） 搬送ローラの原稿搬送力 （ｃ） 自動給紙部の負荷 （ｄ） 回転力 （ｅ） 負荷

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿をラインセンサに密着させ、光源に
   より前記原稿を照明し、前記原稿上の反射光をラインセ
   ンサで検知して前記原稿の画像を読取る原稿読取装置に
   おいて、 原稿搬送ローラのニップ外、かつ原稿給紙側に配置した
   前記ラインセンサの読取面と、 前記読取面に原稿を密着させる原稿密着手段と、 該原稿密着手段を、前記ラインセンサの原稿読取面に対
   し離接駆動する手段を有することを特徴とする原稿読取
   装置。
2. 【請求項２】 前記原稿密着手段の前記ラインセンサの
   読取面に対する押圧力を可変駆動する手段を有すること
   を特徴とする請求項１に記載の原稿読取装置。
3. 【請求項３】 前記原稿密着手段がフィルム状の可撓性
   部材であることを特徴とする請求項１に記載の原稿読取
   装置。
4. 【請求項４】 前記原稿が前記原稿搬送ローラに達する
   までは、前記原稿密着手段が前記読取面から離れ、前記
   原稿が前記搬送ローラに達した後、前記原稿を挟んで前
   記読取面に密着させることを特徴とする請求項１に記載
   の原稿読取装置。
5. 【請求項５】 前記離接駆動する手段が、原稿密着手段
   と、該原稿密着手段を支持する支持部材と、該支持部材
   を駆動して前記原稿密着部材を前記読取面に離接動作さ
   せる電磁ソレノイドと弾性部材を有して構成されること
   を特徴とする請求項１に記載の原稿読取装置。
6. 【請求項６】 前記原稿密着手段が白色であることを特
   徴とする請求項１に記載の原稿読取装置。
7. 【請求項７】 前記押圧力を可変駆動する手段が、原稿
   密着手段と、該原稿密着手段を支持する支持部材と、該
   支持部材を駆動して前記原稿密着部材を前記読取面に押
   圧力を変えて押圧させる電磁ソレノイドと弾性部材を有
   して構成されることを特徴とする請求項２に記載の原稿
   読取装置。
8. 【請求項８】 前記押圧力を可変駆動する手段が、前記
   原稿の厚さが薄くなるほど、前記原稿密着手段の押圧力
   を小さくすることを特徴とする請求項２に記載の原稿読
   取装置。