JPH048275A - 乾燥剤及び乾燥食品の保存方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は粉末醤油を主要構成成分としてなる乾燥剤及び
それを用いる乾燥食品の保存方法に関する。

従来、のり、あられ等の乾燥食品を袋、箱或いは缶等の
外包装内で貯蔵する場合、該食品の湿気による変質を防
止すべく、シリカゲルや生石灰等の包装乾燥剤が用いら
れできたが、これらの乾燥剤は食べられないばかりでな
く、幼児等が包装袋を不用意に破くと吸込んだり、やけ
どを負いかねない欠点を有する。

一方、おかき、あられ、せんべい及び一部のスナック菓
子等においては、醤油をベースとした調味料による味付
けがなされているが、製品は時間の経過とともに特徴あ
る醤油の芳醇な香りが次第に消失し、商品価値が低下す
る欠点を有する。

そこで本発明者等は、このような現状に鑑み種々検討を
重ねた結果、粉末醤油を主要構成成分としてなる乾燥剤
は吸湿性がシリカゲルや生石灰等の乾燥剤に比べて強く
、しかも誤って幼児等が食べても食品衛生上全く問題が
なく、更に前述のおかき等の乾燥食品が醤油由来の芳醇
な香気を消失することを防止し、反対に香気を付着して
強化できることを知り、この他見に基づいて本発明を完
成した。

即ち本発明は粉末醤油を主要構成成分としてなる乾燥剤
であり、また本発明は通気性を有する袋に粉末醤油を封
入したものを、乾燥食品と共に気密性を有する外包装内
に入れ、密封することを特徴とする乾燥食品の保存方法
である。

以下、本発明の詳細な説明する。

先ず本発明に用いられる粉末醤油としては、醤油を噴霧
乾燥法或いは真空乾燥法等によって乾燥し粉末化したも
のが挙げられる。ここにおいて原料となる醤油としては
濃口醤油、淡口醤油、白醤油、溜醤油、再仕込み醤油等
の天然醸造醤油、速醸醤油；これらを脱塩して得られる
減塩醤油、低塩醤油；蛋白質原料又はこれに澱粉質原料
を加えた原料を化学的或いは酵素的に分解して得られる
アミノ酸液；麹消液化或いはそれを酵母発酵及び／又は
乳酸発酵させて得られる醤油風調味料等が挙げられる。

本発明で言う粉末醤油を主要構成成分としてなる乾燥剤
とは、粉末醤油のみからなる乾燥剤又は、この粉末醤油
を主体としこれに乾燥した澱粉、穀粉等を混和した乾燥
剤が挙げられる。乾燥した澱粉、穀粉等はそれ自体吸湿
性は弱いが、粉末醤油が吸湿により潮解することを防止
することができるので好ましい。これらは、粉体のまま
用いるときは、被乾燥食品（貯蔵食品）に付着したりし
て、該食品の価値が低下するので、飛散防止のため通気
性を有し、粉末醤油非通過性の袋に封入して用いる。

ここに用いられる袋の材質としては、和紙、洋紙、レー
ヨン紙等の紙類、バルブ、セルロース、合成樹脂繊維等
の各種繊維類を用いた不織布（繊維紙）、多孔性のフィ
ルム等が挙げられる。

次に、本発明の乾燥食品の保存方法は、通気性を有する
袋に、粉末醤油、又はこれに乾燥した澱粉、穀粉等を混
和したもの、又はこれらを成型加工（例えば造粒加工）
したもの（これらを粉末醤油と称す）を封入して包装体
とし、これを乾燥食品と共に気密性を有する外包装内に
入れ、密封する。上記外包装（袋又は箱状の包装容器）
の素材としては、空気不透過性のセロファン、ポリプロ
ピレン、塩化ビニリデン系樹脂（ＰＶＤＣ）コートポリ
プロピレン等が挙げられる。

この結果、粉末醤油は外包装内に封じ込められた空気中
の湿気（水分）を急激に吸収するため乾燥食品が湿気に
よって変質するのを防止することができる。

また、食品として、醤油をベースとした調味料で味付け
、焼成されたおかき、あられ、せんべい及び一部のスナ
ック菓子等を用いる場合は、これらの食品に、醤油を主
体とした香りを着香し、風味を増強し、商品価値を高め
ることができる。

以下、実験例を示して本発明の効果を具体的に説明する
。

実験例１ 容量１．０００ｍ１のレトルトパウチ用袋（外包装）内
に、１ｇ　の粉末醤油（水分３％）をティッシュペーパ
ー「キムワイプ（十条キンバリー社製）」で二重に包ん
だもの（乾燥剤）と、乾燥食品［せんべい、ポテトチッ
プス（カルビー社製）、スコーン（湖池屋社製）］とを
入れ、湿度の高い空気を入れ、密封した。

尚、比較のため上記粉末醤油の入った乾燥剤を入れない
以外は全く同様にして同じ空気を入れ、密封した。

２０時間後、乾燥食品を取り出し、風味、しめっぼさの
官能テスト及び重量増加を調べた。

その結果を第１表に示す。

第 表 パネル１３名 実験例２ 容量８，０００ｍ１のデシケータ内に、１０ｇ　の粉末
醤油を入れたティバックと、ｌｏｇの粉末がつぉ節を入
れたティバックとを入れ、密閉した。

尚、比較のため、同デシケータ内に粉末がつぉ節を入れ
たティバックのみを入れ、密閉した。

２４時間後に、２種類の粉末かつお節をとり出し、風味
及び重量変化を比較検討した。

その結果を第２表に示す。

第　　　２　　　表 パネル１３名 （注）　−は減少したことを示す。

上記実験例１及び２の結果から、本発明によれば、乾燥
食品の湿気による変質を防止することができるばかりで
なく、乾燥食品に対して醤油の風味を付与することがで
きることが判る。

また本発明の乾燥剤は吸湿性が強力で、例えば少なくと
も粉末醤油２．３ｍｇを含む乾燥剤で、室温２０℃、湿
度３０％の空気１００ｎ＋１中の水分を殆ど取除くこと
ができる。また粉末醤油の吸湿による経時的な重量変化
は第１図であって、この図から３８時間たつと、自重の
約２５％も水分を吸収することが判る。

尚、第１図は、容量８　、０００ｍ１のデシケータ−内
に、粉末醤油（水分３％）　１０ｇを入れたシャーレを
おき、デシケータ−の底部に飽和食塩水を３００ＣＣ入
れ、潮解直前まで経時的に粉末醤油の重量を測定して、
得たものである。

以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。

実　　施　　例　　１ 通気性を有する和紙の袋（内寸法４ｃｍ　Ｘ　５ｃｍ　
）に、粉末醤油（水分３％）　５ｇを充填し、開口部を
密封して、乾燥剤を得た。

実施−例２ 塩化ビニリデン系樹脂（ｐＶＤＣ）コートポリプロピレ
ン製袋（内寸法２５ｃｍ　Ｘ　２０ｃｍ　）に、上記実
施例１で得られた乾燥剤及び、醤油をベースとした調味
料で味付け、焼成されたあられを入れ密封した。

２週間後、これを開封して食べたところ、歯ごたえが良
好、即ち食感が良好で、且つ醤油風味を濃厚に有するあ
られが得られることが判明した。

実施例３ 上記実施例２の方法において、「あられ」の代りに「醤
油風味を有するポテトチップ」を用い、また「ポリプロ
ピレン製袋」の代りに「アルミ箔を内側にラミネートし
た合成樹脂製袋」を用いる以外は全く同様にして、密封
し、長期保存が可能で且つ醤油風味が強化されたポテト
チップを得た。

【図面の簡単な説明】

第１図は粉末醤油の吸湿による経時的な重量変化を示す
。 特許出願人　キッコーマン株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）粉末醤油を主要構成成分としてなる乾燥剤（２）
   通気性を有する袋に粉末醤油を封入したものを、乾燥食
   品と共に気密性を有する外包装内に入れ、密封すること
   を特徴とする乾燥食品の保存方法。