JPH047305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、カーテンウオールの外装面を形成す
る外装ユニツト取付構造に関する。

（従来の技術） 建物の外壁面を形成するカーテンウオールの構
造として、セラミツクタイル、ガラスタイル、石
板等からなる外装材を各種の接着材を用いてコン
クリート若しくは石綿セメントの基板に取付けて
いた。

（考案が解決しようとする問題点） このカーテンウオールの構造においては、太陽
からの直射熱及び火炎時における火炎等の高温環
境の下では、外装材とコンクリート基板の膨張及
び収縮等の変位差によつて外装材が基板から脱落
したり、又地震等により局部的応力が外装材にか
かり外装材自体に亀裂を生じさせたりすることが
ある。特に、外装材を薄板状の大型板材で形成し
た場合は、上記亀裂や脱落が著しい。その為特殊
なバインダーや接着材、取付治具を用いて強固に
外装材を取付ける工法を採用するが、カーテンウ
オール自体の重量が大きくなり搬送、建込み等に
多くの労力を必要とする。

一方、簡易な接合治具を用いて取付ける工法に
よると基板自体の変位が外装材に伝達されず、所
謂外装材が基板から局部的応力を受けることなく
しかも軽量となるが、その反面断熱性能が著しく
低下し、建物の外壁部材としては不都合が生じて
いた。

（問題点を解決する為の手段） 本考案は、上記問題点を解決する為に案出され
たもので、掛着溝を設けた受金具を所定間隔でコ
ンクリート若しくはメタルフレームで構成された
基板上に固定し、一方掛金具を上、下端に定着し
た外装ユニツトを該受金具の掛着溝に掛着させる
もので、外装ユニツト自体が外装板と中空板及び
支持、保持金物との複合体となつているので取付
けが容易かつ確実に施工できるとともに、カーテ
ンウオール自体の軽量化が図られるものである。

（実施例） 以下、図面に基づき本考案のカーテンウオール
の外装ユニツト取付構造を説明する。

第１図は、コンクリート等基板に固定される受
金具１と、化粧板の上、下端に定着される掛金具
２及び３を説明する一部分解斜視図である。

受金具１は、一対の取付片１１，１１とその中
間に架設された状態の胴部１２によつて断面略〓
型状を為し、全体として長尺材として形成されて
いる。胴部１２のほぼ中央には取付片１１と平行
にネジ溝１３が形成されている。更にこのネジ溝
１３を中心にしてその上下には、それぞれ側片１
４，１４を上方向に延出させて上部開口状態の上
部掛着溝１５及び下部掛着溝１６が形成されてい
る。

掛金具２は背板２１と支板２２とで断面略逆Ｌ
状を為し、支板２２を背板２１方向に延出して当
接片２３を形成する。又支板２２の先端を下方向
略直角に屈曲させた掛着片２４を有する。更に背
板２１の所定位置にはビス孔２５が穿孔されてい
る。

一方、掛金具３は背板３１と支板３２により逆
Ｌ状を為し、背板３１の支板３２と反対方向端部
には直角方向に延出させた当接片３３が形成され
ている。又支板３２の先端を下方向略直角に屈曲
させて掛着片３４を有している。

更に背板３１の所定箇所にはビス孔３５が穿孔
されている。この掛金具２と３は、後述する様に
中空板の上端及び下端に定着されるので当接片２
３と３３の位置が異なるだけでほぼ同様の形状を
為している。

尚、中空板に掛金具２，３を取付けるには、例
えば中空板の横方向全長に亘つて取付ける場合も
あり又部分的に取付ける場合もある。前者は中空
板の横寸法とほぼ等しく、又後者の場合は適宜ピ
ース状の金具形状となる。

第２図は、外装板４と中空板５とを貼り合せて
構成した外装ユニツトＵの一部省略分解斜視図で
ある。

外装板４はセラミツクタイル、ガラスタイル、
石板等からなり、通常厚さ８mm、面積600×600mm
程度の大きさを有する。又中空板５は板の側面か
ら他の側面に貫通させた孔５１，５１を有するも
ので、石綿セメントなどからなる。中空板５の下
部には断面略Ｌ状の支持金物６，６を取付ける。
支持金物６，６の一辺に穿孔されたビス孔６１，
６１を中空板５の下部に設けられたビス孔５２，
５２と整合させてビス止めする。次いで支持金物
６，６……の腕部６２，６２……に外装板４の下
端４１を嵌め入れる。

一方、外装板４の上端４２は保持金物７により
中空板５に保持される。すなわち保持金物７の保
持部７１に外装板４の上端４２を嵌め入れ、斯か
る状態において保持金物７に設けられたビス孔７
２と中空板５の上端に設けられたビス孔５３を整
合させてビス止めする。

よつて、外装板４と中空板５は複合状態となつ
て外装ユニツトＵを形成する。

第３図は、この外装ユニツトＵに上述した掛金
具２，３をそれぞれ定着した状態を示す側面概略
図である。

この掛金具２，３も、当接片２３及び３３を中
空板５の上端及び下端にそれぞれ当接させてビス
孔２５，３５を中空板５に設けられたビス孔（図
示せず）に整合させ、ビスｂ，ｂ……によつて定
着するものである。

又、外装板４と中空板５の複合状態を円滑にす
る為、換言すれば中空板５からの局部的応力に無
理なく追従させる為、両板間には弾性及び緩衝性
に富む接着材８を介在させて両者を接着する。

よつて上述した支持金物２及び保持金物３とこ
の接着材８により外装板４自体の脱落を二重に防
止し得る。

以上の様に形成された外装ユニツトＵを、基板
Ｐに固定された受金具１に掛着する施工を説明す
る。

すなわち第４図の一部省略斜視図で示す様に、
外装ユニツトＵの上端において、掛金具２の掛着
片２４を下部掛着溝１６の上方向から嵌め入れ
る。

又、同様に外装ユニツトの下端では、掛金具３
の掛着片３４を下段に配置された受金具１の上部
掛着溝１５に嵌め入れる。これにより外装ユニツ
トＵの単体は基板Ｐの表面上に掛着される。

第５図は、基板Ｐの表面に上段と下段に固定さ
れた受金具１ａ，１ｂを介して外装ユニツトＵを
掛着した状態を示す一部省略側面図である。

上述した取付施工によつて順次外装ユニツトＵ
の各単体を掛着させてゆけば、基板Ｐの表面全体
に所要の縦横目地を有するカーテンウオールの外
表面が形成される。

（効果） 上述した様に本考案の取付構造は、基板表面上
に所定間隔で固定されている受金具に対し、外装
ユニツトの上、下端に定着された受金具を掛着さ
せて取付けるので、外装ユニツトは基板からの拘
束を受けることなく、しかも受金具及び掛金具を
介して十分追従出来ることとなり亀裂はもちろん
基板からの脱落も起こらない。

又、取付に供する部材量も低減されかつ外装ユ
ニツトは薄板状の外装板と中空板材とを主体とす
るのでカーテンウオール自体の軽量化が促進され
て搬送及び建込みが極めて容易となる。更に中空
体によつて外装ユニツトの断熱性能が一段と高く
なり好適なカーテンウオール構造を提供すること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、受金具と各掛金具を説明する一部省
略分解斜視図、第２図は、外装ユニツトを説明す
る一部省略分解斜視図、第３図は、外装ユニツト
に掛金具を定着させた状態の側面概略図、第４図
は、基板に外装ユニツトを掛着させる状態の一部
省略斜視図、第５図は、基板に外装ユニツトを掛
着させた状態の一部省略側面図である。 １……受金具、１３……ネジ溝、１５，１６…
…掛着溝、２，３……掛金具、２３，３３……当
接片、２４，３４……掛止片、４……外装板、５
……中空板、５１，５１……孔、８……弾性及び
緩衝性接着材、Ｐ……基板、Ｕ……外装ユニツ
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基板表面の上、下段に亘り所定間隔で固定した
   受金具に、外装ユニツトの上、下端に定着した掛
   金具を掛着させたカーテンウオールの外装ユニツ
   ト取付構造において、 外装ユニツトは中空板と外装板とを接着剤およ
   び／又は金物により貼り合せて構成されたもの
   で、 前記受金具は、 一対の取付片とその中間の胴部からなる断面略
   〓形状の長尺材で、該胴部の上下には上方開口状
   態に上部掛着溝と下部掛着溝とが夫々形成された
   ものから成り、 前記掛金具は、 背板と支板とにより断面略逆Ｌ状を成し、該支
   板の先端を下方向略直角に屈曲させて掛止片が形
   成されたもので、前記外装ユニツトを構成する中
   空板の上端に定着される該掛金具は支板を背板方
   向に延出して当接片が形成され、 前記外装ユニツトを構成する中空板の下端に定
   着される該掛金具は、背板の下端を支板と反対方
   向に延出して当接片が形成されたものから成るも
   ので、 外装ユニツトの上、下端では、前記掛金具の当
   接片を夫々当接させた状態で各背板を該外装ユニ
   ツトを構成する中空板の裏面に定着し、 下段に固定した受金具の上部掛着溝に前記外装
   ユニツトの下端に定着した掛金具の掛着片を掛着
   し、 上段に固定した受金具の下部掛着溝に外装ユニ
   ツトの上段に定着した掛金具の掛着片を掛着した
   ことを特徴とするカーテンウオールの外装ユニツ
   ト取付構造。