JPH046580B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば自動車製造工場における自
動車のボデー搬送ラインの如き、大形搬送物の下
面を両外側方から支持して搬送するパワーアンド
フリーオーバーヘツドコンベヤのハンガーであつ
て、搬送中の搬送物にロボツト等にて自動加工し
得るよう、搬送物の搬送径路、搬送姿勢等を一定
に保持する高精度搬送位置を有する搬送装置に関
する。

従来の技術 自動車製造工場の自動車組立ラインにおいて
は、通常オーバーヘツドコンベヤのハンガーには
自動車ボデーを吊持して搬送しながら各種部品を
組付け或は加工をしていくのであるが、ハンガー
にボデーを容易に載脱荷し得るように、従来はハ
ンガーが外側方に開閉する構造のものが用いられ
ていたのである。しかしながら、近年は前記組付
けや加工にロボツトを用いることが多く、搬送中
のボデーとロボツトとの関係位置を高精度に保持
することが必要になつてきたのである。そのた
め、従来の開閉ハンガーでは、開閉用支点部の摩
耗や、ストツパの摩滅等により搬送物の正確な位
置、姿勢を確保することができず、ロボツトと共
動し得なくなつたのである。

発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、大形物品を搬送するパワーア
ンドフリーオーバヘツドコンベヤのハンガーを非
開閉形とし、搬送中における搬送物の搬送径路、
姿勢を正確に一定に保持し得るハンガーを具えた
オーバーヘツドコンベヤと該ハンガーに適する載
脱荷装置とを有する搬送装置を提供するにある。

問題点を解決するための手段 本発明は、パワーアンドフリーオーバヘツドコ
ンベヤのキヤリヤに大形搬送物の下面を外側方か
ら支持するハンガー杆を両側に固着したハンガー
の上部中央を上下遊動可能に取付け、ハンガーの
前後両外側に搬送方向に設けた固定レール上に側
方動不能に載架する案内ローラを設けるととも
に、該ハンガーへの大形搬送物の載脱荷装置とし
て、大形搬送物の下面両側の前後部を支持して昇
降する左右の下部リフタと、下部リフタの上昇後
に下部リフタの外側から大形搬送物の下方に進出
し上昇して下部リフタ上から大形搬送物を受取つ
た後更にハンガー通路まで上昇して、ハンガー上
に移載する上部リフタとの２段リフタを用いたこ
とを特徴とする。

作 用 ハンガーは前後両外側の案内ローラが固定レー
ルに側動不能に載架し、キヤリヤと共に前進駆動
されるので、ハンガー上の搬送物は固定レールの
高さ、横位置によつて定まる搬送径路上を正確に
移動し、固定レールとオーバーヘツドコンベヤと
の上下間隔に不同があつても、その影響はハンガ
ーとキヤリヤ間の上下遊動可能な取付構造によつ
て解消される。したがつて、搬送物はロボツトに
対する関係位置を正確に保持して搬送される。

また載脱荷装置の下部リフタは、台車等で搬入
された大形搬送物の下面を支持してハンガーより
下位の定位置まで上昇させ、ついで上部リフタの
横動アームが大形搬送物の下方に進出したのち搬
送物をハンガー通路まで上昇させて停止し、ハン
ガー到着後下降して搬送物をハンガー上に移載す
る。

実施例 第１図に示すパワーアンドフリーオーバヘツド
コンベヤにおいて、天井レール１を走行するキヤ
リヤ２はトロリー３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄを連結
してなり、トロリー３ｂ，３ｃ間を水平回動自由
に連結したロードバー４の前後に支持金具５を固
定し、これに穿設した上下方向の長溝６（第２
図）に、ハンガー８の上部中央の水平杆９の前後
端に固定したピン７を貫通させて、ハンガー８を
キヤリヤ２に上下遊動可能に取付ける。

ハンガー８は上部水平杆９の前後部から側方に
張り出した横杆１０を有し、前部横杆１０の両端
に固定した垂直のハンガー杆１１の下部に後方に
延びる水平杆１２の前端を固着して、ハンガー８
の側方形状を第１図の如くＬ形に構成し、両水平
杆１２の前後部に固着したアーム１３の先に受具
１４を設け、自動車ボデーＭの下面に突設した支
持部１５を受部１４上に載せてボデーＭを支持す
る。支持部１５はボデーＭのシル部１６より内方
にある。

前後の横杆１０の各両端から外側方に突設した
水平軸１７に案内ローラ１８を軸支し、天井固定
のブラケツト１９に固定した固定レール２０の上
側凹溝内に案内ローラ１８を嵌入させてハンガー
８の側方動を阻止すると共に、ハンガー荷重を固
定レール２０に支持させる。案内ローラ１８と固
定レール２０との嵌合構造は、案内ローラの側方
動を阻止し得るものならば如何なる構造のもので
あつてもよい。この状態でピン７は長溝６のほぼ
中央部にあり、ハンガー８の前進に伴いコンベヤ
レール１とガイドレール２０との上下間隔が多少
変化しても、この変化にかかわらずハンガー８の
高さ及び横方向位置は固定レール２０によつて一
定に保持される。ローラ２１は固定レール２０を
設けない搬送路で図示しないカムレームと接触し
てハンガー８を側方傾動させる作用をする。その
場合、キヤリヤ２が側方傾動しないようロードバ
ー４の両側に図示しないガイドレールと接するガ
イドローラ２２を設ける。

上記のように、ボデーＭは開閉しないハンガー
杆１１に支持されて、所定搬送位置を正しく移動
するので、ロボツトによりこれと所定の関係位置
を保持して加工をすることができる。

第２図にはまたハンガー８にボデーＭを載脱荷
する装置を示す。載脱荷装置は下部リフタ２３と
上部リフタ２４とを有し、下部リフタ２３は左右
２対のガイドポスト２５に夫々案内支持した昇降
金具２６の各々に支持金具２７が突設されてお
り、支持金具２７の先端受具２８にシル部１６を
支持してボデーＭを昇降することができる。昇降
動力としては、各ガイドポスト２５に昇降金具２
６を昇降する駆動チエーンを設け、各駆動チエー
ンのスプロケツトを同一駆動軸によつて回転させ
たり、或は同期回転するねじ軸により各昇降金具
２６を昇降させる等、適宜周知の昇降駆動装置を
用いることができる。

上部リフタ２４は、ガイドポスト２５の搬送方
向中間でそれより外側方に設けた左右１対のガイ
ドポスト２９と、これに案内支持されて同期昇降
する１対の支持金具３０と、支持金具３０の搬送
方向両端に水平摺動可能に案内支持した各１対の
コ字形横動アーム３１とを有し、該アーム３１
は、支持金具３０内に設けたシリンダ３２により
常にコ字形屈曲端を上方に保持した状態で搬送路
中心面に向つて進退する。支持金具３０の昇降駆
動には昇降金具２６と同様に周知装置を用いるこ
とができる。

横動アーム３１のコ字形屈曲端に受部１４と同
様の受部３３を設け、横動アーム３１を前進させ
たときは受部３３がハンガー８の受部１４より搬
送路中心寄りに移動し、横動アーム３１を進退さ
せたときは、そのコ字形屈曲部前端がハンガー８
上のボデーＭより外側に位置するように横動アー
ム３１のコ字形寸法及び進退位置を定める。

次にボデーＭの載荷動作について説明する。ボ
デーＭはハンガー８の搬送路直下に設けた台車コ
ンベヤの台車３４上に載置されて載荷部の所定位
置に搬入される。上、下部リフタ２３，２４は予
めボデー搬入前に下降位置ａ，ｂにあり、受具２
８は搬入されたボデーＭのシル部１６の直下にあ
る。また上部リフタ２４は後退位置にある。

次いで下部リフタ２３が上昇し、受具２８がシ
ル部１６を支持してボデーＭを、下降位置にある
横動アーム３１の上方まで上昇させて停止する
（Ｃ位置）。次に横動アーム３１が前進して受具３
３をボデー支持部１５の直下に位置させて（ｄ位
置）から上部リフタ２４が上昇し、受具３３上に
支持部１５を支持してボデーＭを上昇させる。こ
のとき、ハンガー８は載脱荷部に到来しておら
ず、ボデーＭはハンガー８と干渉することなく上
昇して、ハンガー８上の載荷高さよりも高い最高
位置M′に停止する。このとき横動アーム３１は
そのコ字形屈曲空間内をハンガー８のアーム１３
及び受具１４が通過しうる高さ位置ｅにある。

ハンガー８が到来し、所定位置に停止すると、
上部リフタ２４が停止する。受具３３が下降する
とボデーＭの支持部１５は受具１４上に移載さ
れ、横動アーム３１は更に下降したのち後退して
元の位置へ戻る。

下部リフタ２３を用いる理由は、ボデーＭが台
車３４上にあるとき、横動アーム３１は、シル部
１６を持ち上げ得る高さにおいては台車３４と干
渉して前進し得ないので、下部リフト２３により
ボデーＭを一旦上昇させ、横動アーム３１が台車
３４の上方を前進しうるようにするためである。
したがつて、ボデーＭを例えば台車レスフロアコ
ンベヤにより、横動アーム３１の前進を妨げない
高さに保持して搬入すれば、下部リフタ２３は不
要である。

発明の効果 本発明は上記のように構成されているので、ハ
ンガーに可動部の摩耗、組立誤差等による遊動の
予地がなく、大形搬送物を所定の搬送路上に正確
な位置、姿勢を保持して搬送することができ、ハ
ンガー上の搬送物に対してロボツトから加工をす
ることができる効果があり、また、下部リフタと
は別に上部リフタを設けて、定位置まで上昇した
下部リフタとハンガーとの間の搬送物の移載を行
わせたもので、側方動可能のハンガーに対しても
搬送物の載脱荷を支障なく行うことができる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施したパワーアンドフリー
オーバヘツドコンベヤの概略立面図、第２図は上
記コンベヤの載脱荷部の側面図である。 ２……オーバーヘツドコンベヤ、８……ハンガ
ー、１１……ハンガー杆、１２……水平杆、１３
……アーム、１８……案内ローラ、２０……固定
レール、２３……下部リフタ、２４……上部リフ
タ、２５……第１のガイドポスト、２５……第１
の支持金具、２９……第２のガイドポスト２５、
３０……第２の支持金具、３１……横動アーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (イ) 次の構成を有するオーバーヘツドコンベ
   ヤと載脱荷装置とを有する搬送装置であつて、 (ロ) オーバーヘツドコンベヤは、その駆動キヤリ
   ヤに、大形搬送物の下面を外側方から支持する
   ハンガー杆を両側に固着したハンガーの上部中
   央が上下遊動可能に取付けられており、ハンガ
   ーの前後両外側に搬送方向の固定レール上に側
   方動可能に載架する案内ローラを有する。 (ハ) 載脱荷装置は、ハンガー通路の下部両側に対
   設され搬送方向に離隔した２対の第１ガイドポ
   ストの各々に同高に案内昇降し先端上に大形搬
   送物の下面を支持する第１の支持金具を有する
   下部リフタと、 第１のガイドポストの外側で且つ搬送方向に
   おける中間位置においてハンガー通路の両側に
   対設した１対の第２のガイドポストの各々に同
   高に案内昇降駆動される第２の支持金具を有
   し、第２の支持金具の搬送方向両側で且つ第１
   のガイドポストの搬送方向内側において搬送路
   中央に向つて進退し且つ進出時にハンガー杆の
   下部水平杆の前後に固着したアームの先端を搬
   送路中央側から包囲する各１対の横動アームを
   有し、第２の支持金具の上昇時に横動アームの
   先端上に大形搬送物の下面を支持し、下降時に
   前記アーム上に移載する上部リフタと を有する。