JPH0453558B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電圧変動、周囲温度変動、衣類の量、
さらに衣類の種類に対応して自動的に常に一定の
乾燥仕上がり状態を得る衣類乾燥機を提供するこ
とを目的とする。

現在、最も多く使用されている乾燥機は、手動
操作にてタイマー時間を設定し、乾燥させる方法
を採用しているが、この方法は使用者の使用体験
に基づいて上記のタイマー時間設定を行うため、
未乾燥や過乾燥を生じ易く、過乾燥の場合にはエ
ネルギーのむだ使いとなり、未乾燥の場合には再
度タイマー時間設定のやり直しを行う必要がある
という使用勝手上不便が生じる。

また、所定の乾燥レベルからあらかじめ設定さ
れた遅延時間を得る方法も考えられるが、衣類の
種類や量に応じて、上記の設定時間を使用者が判
断して決めなければならないという問題があつ
た。

本発明は被乾燥物の所定乾燥レベル以降の熱風
温度の上昇度合が電圧変動、周囲温度変動、衣類
の量、さらには衣類の種類にも依存することに着
目し、上記温度上昇度合に応じた遅延時間を設定
することにより、常に一定の乾燥仕上り状態を得
るようにしたものである。

以下、本発明に係る衣類乾燥機の一実施例を説
明する。

第１図において、１は乾燥室をなした回転ドラ
ムで、これは外箱２内に回転可能に支持され、そ
の回転により内部の被乾燥物３をかくはんする。

４は外箱１内の下部に設けられたモータで、こ
れはベルト５を介して前記回転ドラム１を回転さ
せると共にベルト６を介してフアンケース７内の
フアン８を回転させる。このフアン８を回転させ
ると外気が吸気口部９から外箱２内に吸収され、
回転ドラム１の前面に配設されると共に外箱２に
固定されたドラム前板１０内の熱風生成用のヒー
タ１１により熱風化されて、ドラム前板１０の通
気口部１０ａから回転ドラム１内に供給される。
そして、回転ドラム１内で被乾燥物３から湿気を
奪つた熱風は、フイルターカバー１２、フイルタ
ー１３、回転ドラム１に設けられた通気口部１ａ
及びフアンケース７の通気口部７ａを介して外箱
２の外に排出される。このようにして回転ドラム
１内の被乾燥物３は熱風乾燥される。

１４は被乾燥物３と接触してその電気抵抗を検
出するための電極で前記ドラム前板１０の回転ド
ラム１に面した側に固定されている。１５は温度
検出素子である負の抵抗温度特性を有するサーミ
スタで、回転ドラム１内より排出される熱風の温
度即ち排気温度を検出するように、例えば、前記
フアンケース７の排気通路部に設けている。

ところで、上述したような熱風乾燥によつて回
転ドラム１内の被乾燥物３を乾燥させた時、サー
ミスタ１５が検出する排気温度と被乾燥物３の乾
燥率の時間的変化は第２図に示すようになること
が実験的に明らかになつている。即ち、電極１４
にて検知する衣類の乾燥率を排気温度の後期上昇
範囲内で見れば、排気温度の変化が急なNo.１のよ
うな場合には、その乾燥率の変化もNo.１のように
急になる。一方、所定乾燥率以降の排気温度の変
化がゆるやかなNo.２の場合には、その乾燥率の変
化もNo.２のようにゆるやかになるので、所定の乾
燥率Ａから完全乾燥率Ｂに至る時間は、排気温度
の上昇場合ｌ１，ｌ２（例えば一定時間内の温度
上昇値又は一定温度上昇値に要する時間）と関係
があることがわかる。即ち、乾燥率Ａから完全乾
燥率Ｂに至る時間Ｔ１，Ｔ２（以降遅延時間とい
う）は、排気温度の上昇度合が急になればなる
程、短かくなるのである。これを電源電圧で考え
れば電源電圧が高い程排気温度の上昇度合が急に
なるので遅延時間は短かくなる。周囲温度で考え
れば、周囲温度が高い程、排気温度の上昇度合が
急になるので、遅延時間は短かくなる。また、衣
類の種類で考えれば、化繊等の薄物の方が木綿等
の厚物より排気温度の上昇度合が急になるので、
遅延時間は短かくなる。さらにまた、衣類の量で
考えれば、量が少ない程排気温度の上昇度合が急
になるので遅延時間は短かくなる。ヒータの容量
で考えれば、ヒータ容量が大きくなる程、排気温
度の上昇度合が急になるので、遅延時間は短かく
なるという特性を有する。

上記のような特性を利用した点に本発明の特徴
があり、その具体的構成を第３図に従つて説明す
る。

第３図は乾燥機に内蔵された電気回路であつ
て、大きく分けて、前記モータ４及びヒータ１１
への給電回路１６と、この給電回路１６を制御す
る制御回路１７とから構成されている。ヒータ１
１は交流電源１８に、電源スイツチ１９、ドアの
開閉に連動するドアスイツチ２０および給電を制
御する双方向性サイリスタ２１を介して接続され
ている。２２はヒータの容量を切換えるスイツチ
である。モータ４は前記ヒータ１１と並列に双方
向性サイリスタ２３を介して接続されている。

次に、制御回路１７について説明すると、２４
は電圧降下用トランスであつて、その１次側は前
記電源スイツチ１９を介して交流電源に接続され
ている。２５は前記トランス２４の２次側に接続
されたダイオードであつて、その直流出力端子間
には、乾燥レベル検出回路２６が接続されてい
る。２７は電圧比較器であつて、そのプラス入力
端子には抵抗２８と２９の接続点が接続され、電
圧比較器２７の基準電圧を設定している。

また、この比較器２７のマイナス入力端子に
は、前記電極１４とツエナーダイオード３０の接
続点が接続され被乾燥物の乾燥レベルに応じた電
圧が入力されるようになつている。一方、電圧比
較器２７の出力端子には、抵抗３１を介してホト
カプラ３２内の発光ダイオード３３が接続され、
前記電圧比較器２７の出力により駆動されるよう
になつている。３４はホトカプラ３２内のホトト
ランジスタで、前記発光ダイオード３３により駆
動され、その出力はマイクロコンピユータ３５に
入力される。３６は抵抗であり、前記ホトトラン
ジスタ３４のコレクタに接続されている。抵抗３
７，３８、ダイオード３９ａ，３９ｂ、コンデン
サ４１及びツエナーダイオード４２は交流電源１
８から直流電圧を得るように接続されている。

４０は前記双方向性サイリスタ２１の駆動用回
路であり、マイクロコンピユータ３５の指令によ
り制御されるもので、トランジスタと抵抗により
構成されている。これと同じ回路（図示せず）を
別に設ければ、モータ４の運転を制御する双方向
性サイリスタ２３の制御を行えることはいうまで
もない。

４３は非安定マルチバイブレータ回路であり、
負の抵抗温度特性を有するサーミスタ１５を図示
のように接続することによりサーミスタ１５の検
出温度に応じた発振周波数を得ることができる。
上記回路構成では、温度が高くなれば発振器周波
数が高くなる。なお、サーミスタ１５と並列接続
された抵抗４４及び直列に接続された抵抗４５
は、前記温度と発振周波数の関係に直線性を持た
せるようにするためのものである。４６，４７，
４８は抵抗、４９はツエナーダイオード、５０は
コンデンサ、５１は電圧比較器である。非安定マ
ルチバイブレータ回路４３で得られた発振周波数
を、マイクロコンピユータ３５内に設けられたハ
ードカウンタにより一定時間当たりとして検出し
て、サーミスタ１５の検出温度を知るように構成
されている。

なお、前記マイクロコンピユータ内には、図示
していないが、前記乾燥レベル検出回路２６によ
り、被乾燥物３が所定の乾燥率になつた時、前記
サーミスタ１５により検出温度を記憶し、前記検
出温度より所定の温度上昇がなされるまでの時間
をカウントし、この時間により遅延時間を設定す
する遅延時間設定部と、前記遅延時間経過後、双
方向性サイリスタ２１を不導通にすべき指令を出
す出力部と、前記遅延時間経過後、所定時間モー
タ４の運転を継続させる冷風乾燥時間設定部と、
前記冷風乾燥時間経過後、双方向性サイリスタ２
３を不導通にすべき指令を出す出力部とを内蔵し
ている。

次に作用を説明する。今湿つた衣類を回転ドラ
ム１に入れ、乾燥機のドアを閉じ電源スイツチ１
９を閉じると、ヒータ１１、モータ４および制御
回路１７とに通電される。この時、電極１４にて
検知する被乾燥物の電気抵抗値が低いため、電圧
比較器２７の出力端子には、マイナス電位の出力
信号が出ており、このため、発光ダイオード３３
は動作状態を保つので、熱風乾燥運転が進行さ
れ、これに応じて回転ドラム１内の被乾燥物３の
乾燥率及びサーミスタ１５による排気温度は、第
２図に示すように上昇する。

乾燥が進み、被乾燥物３の電気抵抗値が高くな
り、その値が所定のレベルに達すると、電圧比較
器２７の出力端子には、プラス電位の出力信号が
出て、発光ダイオード３３が不動作となる。これ
をホトトランジスタが受け、マイクロコンピユー
タ３５に入力される。この時のサーミスタ１５に
よる排気温度が記憶され、その値から所定の温度
上昇、例えば5deg上昇するに要する時間がカウ
ントされる。

このカウントされた時間により、前記遅延時間
設定部で遅延時間が決められ、その遅延時間が経
過すると、乾燥率は第２図におけるＢ点に到達す
るので、マイクロコンピユータの出力部から停止
信号が出力され、この停止信号を受けた駆動用回
路３９が双方向性サイリスタ２１を不導通にして
ヒータ１１への給電を停止し、熱風乾燥から冷風
乾燥に移る。

冷風乾燥が所定時間経過すると、マイクロコン
ピユータ３５の出力部から停止信号が出力され、
この停止信号により、双方向性サイリスタ２３を
不導通にして、モータ４への給電を停止し、冷風
乾燥を終了する。

なお、冷風乾燥は被乾燥物のしわ防止等のため
に行うものである。

上記実施例から明らかなように本発明によれ
ば、被乾燥物の電気抵抗により所定の乾燥レベル
を検出した後の排気温度の上昇度合に応じて、所
定の遅延時間熱風乾燥を継続し、遅延時間経過後
自動的にヒータへの通電を停止するので、電圧変
動、周囲温度変動、布の量、ヒータ容量変動、さ
らには布の種類に対応して常に一定の乾燥仕上り
状態を得ることができ使用勝手が非常に優れ、し
かも省エネルギーがはかれる。特に、排気温度を
検出するので、依類が化繊等の薄物あるいは木綿
等の厚物であることも加味した乾燥制御が行え、
衣類の種類にも対応した一定の乾燥仕上がり状態
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における乾燥機の縦
断面図、第２図は排気温度及び乾燥率の時間変化
を示す図、第３図は電気回路図である。 １……回転ドラム、１１……ヒータ、１４……
電極、１５……サーミスタ、２１，２３……双方
向性サイリスタ、２６……乾燥レベル検出回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被乾燥物をかくはんする回転ドラムと、この
   回転ドラム内に供給する熱風を生成するヒータ
   と、このヒータへ電力供給する給電回路と、被乾
   燥物と接触してその電気抵抗により被乾燥物の所
   定の乾燥レベルを検出する乾燥レベル検出手段
   と、前記回転ドラムから排気される排気温度を検
   出する温度検出手段と、前記乾燥レベル検出手段
   により被乾燥物の所定の乾燥レベルを検出する
   と、前記温度検出手段から排気温度を検出して、
   排気温度の上昇度合を検出し、この排気温度の上
   昇度合に応じて遅延時間を設定する遅延時間設定
   部と、この遅延時間設定部による遅延時間経過後
   に前記給電回路を制御してヒータへの通電を停止
   する出力部とを備えた衣類乾燥機。