JPH0448464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は収納物品を冷却（冷凍）貯蔵するシ
ヨーケースに係り、特にシヨーケースの庫内フア
ン取付構造に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に、この種のシヨーケースは、第８図に示
すように構成され、上部に物品収納室１を形成し
た本体ケーシング２の下部を、断熱仕切壁３によ
り下部の機械室４と上部にの冷却室５とに画成し
ている。機械室４にはコンプレツサ等の冷凍機械
６が設けられる一方、冷却室５に冷却器７が収容
され、この冷却器７で冷却された冷却風は物品収
納室１内に案内されて物品を冷却貯蔵するように
なつている。

その際、収納物品の冷却性能を向上させるため
に、シヨーケースの本体ケーシング２内に送風フ
アン（図示せず）が設けられる。送風フアンは回
転機器であるため、故障頻度が比較的高く、サー
ビス交換の必要性も多い。

しかしながら、従来のシヨーケースの庫内フア
ン取付構造においては、フアンモータ付きの送風
フアンが本体ケーシング２内の中心部分に配置さ
れるため、送風フアンユニツト（送風フアン組立
体）の部品交換が面倒で、交換作業に長時間要す
る等の問題があつた。

この点から、断熱仕切壁を２ピースに分割して
断熱仕切用底壁と側壁とから構成し、断熱仕切用
底壁上に送風フアンユニツトを着脱自在に取付け
た後、側壁を被せてシールする庫内フアン取付構
造が採用されている。

ところが、この庫内フアン取付構造において
は、一体成形された断熱仕切壁を二部品に分割す
るため、構造が複雑になり、断熱壁の気密性が劣
つたり、また分割部品を良好なシール状態に保つ
て嵌合させることが困難であつたり、さらには断
熱仕切壁に収納され、セツトされた送風フアンユ
ニツトの着脱が困難である等の欠点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は上述した事情を考慮してなされたも
ので、送風フアン組立体の着脱を簡単かつ容易に
行ない得るようにして、送風フアンの信頼性や保
守性を向上させたシヨーケースの庫内フアン取付
構造を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

この考案に係るシヨーケースの庫内フアン取付
構造は、本体ケーシングの下部を断熱仕切壁によ
り下方の機械室と上方の冷却室とに区画し、この
冷却室に冷却器を設け、上記冷却器からの冷却風
で本体ケーシング上部の物品収納室を冷却可能に
構成したシヨーケースにおいて、前記断熱仕切壁
を凹成形して冷却器と送風フアンユニツトとを収
容する収納凹部を形成し、上記送風フアンユニツ
ト用収納凹部の両側壁に、下方に向つて溝幅が縮
小する取付案内溝を形成し、この取付案内溝に送
風フアンユニツトを出し入れ自在に収納したこと
を特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案に係るシヨーケースの庫内フア
ン取付構造の一実施例について添付図面を参照し
て説明する。

第２図はこの考案の庫内フアン取付構造を採用
したシヨーケースを示し、このシヨーケースは本
体ケーシング１０の上部に物品収納室１１が形成
される。この物品収納室１１への物品の出し入れ
は取手１２を有する開閉扉１３を介して行なわ
れ、収納された物品はガラス壁を通して外部から
確認できるようになつている。

本体ケーシング１０の下部には断熱仕切壁１５
が収容され、この断熱仕切壁１５により下方の機
械室１６と上方の冷却室１７とに区画される。機
械室１６にはコンプレツサ等の冷凍機械１８が収
容される。

また、断熱仕切壁１５は発泡スチロール等の断
熱発泡剤を一体成形したもので、上方に開口する
収納凹部２０が第１図および第３図に示すように
形成され、この収納凹部２０内に冷却器２１や送
風フアンユニツト２２が収容される。送風フアン
ユニツト２２はユニツトプレート２３に取付ブラ
ケツト２４を一体あるいは一体的に設け、この取
付ブラケツト２４にフアンモータ２５を取付け、
このフアンモータ２５の出力軸に装着された送風
フアン２５をユニツトプレート２３で覆うように
したものである。

一方、送風フアンユニツト２２を収納する収納
凹部の両側壁には取付案内溝２８（第１図参照）
が対向して設けられる。取付案内溝２８は、溝側
面を、下部に送風フアンユニツト２２のユニツト
プレート２３と係合し保持される差込み溝２８ａ
をほぼ垂直方向に備えるとともに、上部がこの差
込み溝２８ａより幅広となるように成形すること
で、この差込み溝２８ａに向つて溝幅が縮小する
ように形成される。取付案内溝２８は具体的には
第１図に示すように溝側面が階段形成され、送風
フアンユニツト２２を上方斜めの物品収納室内中
央方向から出し入れ自在となるように収容してい
る。

また、断熱仕切壁１５の上面には第４図内箱底
板（フレーム）３０が配置されており、この内箱
底板３０の内側フツク部３０ａに断熱仕切壁１５
を上方から覆う底プレート３１が着脱自在に載置
される。内箱底板３０は第４図に示すようにガラ
ス壁取付溝３０ｂと冷却風を物品収納室１１へ案
内する通風開口部３０ｃとが形成される。

次に、庫内フアン取付構造の作用について説明
する。

送風フアンユニツト２２をシヨーケース内に取
付ける場合、底プレート３１を取り外しておく。
続いて、送風フアンユニツト２２を取付案内溝２
８に内箱底板３０のフツク部３０ａを逃げるよう
にして挿入する。この挿入は取付案内溝２８の切
欠きを階段状（あるいはテーパ状でもよい。）と
することにより可能であり、取付案内溝２８に案
内された送風フアンユニツト２２は続いて差込み
溝２８ａに挿入され、所定位置にセツトされる。
差込み溝２８ａの深さは、送風フアンユニツト２
２を保持するに充分なものである。その後、底プ
レート３１を被せて、送風フアンユニツト２２の
取付作業が終了する。

また、送風フアンユニツト２２を取外す場合に
は、初めに底プレート３１を取り外す。次に、送
風フアンユニツト２２を差込み溝２８ａに沿つて
持ち上げる。送風フアンユニツト２２を垂直に持
ち上げると内箱底板３０に当るので、そのままで
は外に搬出することができない。そこで、第５図
に示すように取付案内溝２８の段部を利用して横
方向にスライドさせ、続いて第６図に示すよう
に、内箱底板３０と断熱仕切壁１５との〓間か
ら、内箱底板３０のフツク部３０ａを逃げるよう
にして取り出される。

このように、送風フアンユニツト２２は底プレ
ート３１を取り外すだけで出し入れすることがで
きる。したがつて、送風フアンユニツト２２の取
外しや取付けが非常に簡単かつ容易になり、送風
フアンユニツト２２の信頼性や保守点検性を向上
させることができる。しかも、送風フアンユニツ
ト２２を着脱させるために、断熱仕切壁を分割構
造としたりすることがないので、製造し易く、コ
ストも安価である。また、断熱仕切壁は一体成形
品でよいので、分割箇所がなく気密性が保持さ
れ、性能の向上や信頼性の向上を図ることができ
る。

なお、この考案の一実施例では、収納物品を冷
却貯蔵するシヨーケースについて説明したが、こ
のシヨーケースは物品を冷凍貯蔵したり、加温貯
蔵するタイプのものであつてもよい。

また、第７図に示すように、断熱仕切壁１５の
取付案内溝２８に補助部材３３を着脱自在に介装
し、送風フアンユニツト２２の保持力を向上させ
てもよく、さらに、底プレート３１に係止突起３
４を設けて送風フアンユニツト２２の保持力を向
上させてもよい。

〔考案の効果〕

以上に述べたようにこの考案においては、断熱
仕切壁を凹成形して冷却器と送風フアンユニツト
とを収容する収納凹部を形成し、上記送風フアン
ユニツト用収納凹部の両側壁に、下方に向つて溝
幅が縮小する取付案内溝を形成し、この取付案内
溝に送風フアンユニツトを出し入れ自在に収納し
たから、断熱仕切壁を分割構造としなくても、送
風フアンユニツトの着脱を簡単にしかも確実に行
なうことができ、送風フアンユニツトの信頼性や
点検・保守性を向上させることができる。したが
つて、シヨーケースの性能や信頼性の向上を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るシヨーケースの庫内フ
アン取付構造の一実施例を示す分解斜視図、第２
図は上記庫内フアン取付構造を採用したシヨーケ
ースを示す図、第３図は上記庫内フアン取付構造
を示す平面図、第４図から第６図は送風フアンユ
ニツトの取付け、取外し手順を示す図、第７図は
この考案の変形例を示す図、第８図は従来のシヨ
ーケースを示す図である。 １０……本体ケーシング、１１……物品収納
室、１３……開閉扉、１５……断熱仕切壁、１６
……機械室、１７……冷却室、２０……収納凹
部、２１……冷却器（熱交換器）、２２……送風
フアンユニツト、２５……フアンモータ、２６…
…送風フアン、２８……取付案内溝、２８ａ……
差込み溝、３０……内箱底板、３１……底プレー
ト、３３……補助材、３４……係合突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケーシングの下部に断熱仕切壁により下方
   の機械室と上方の冷却室とを区画形成し、上記冷
   却室に冷却器と送風フアンユニツトとを設け、本
   体ケーシングの上部に上記冷却室に連通する物品
   収納室を形成し、上記冷却器からの冷却風で物品
   収納室を冷却可能に構成したシヨーケースにおい
   て、前記冷却室は断熱仕切壁を凹成形して冷却器
   と送風フアンユニツトとを収容する上方が開口し
   た収納凹部を形成し、上記収納凹部には送風フア
   ンユニツトを上方から出し入れ自在に収納し保持
   するために収納凹部の両側壁に対向して設けら
   れ、下部に送風フアンユニツトを係合保持する差
   込み溝を備えるとともに、上部がこの差込み溝よ
   り幅広となるように溝側面を成形した取付案内溝
   を具備したことを特徴とするシヨーケースの庫内
   フアン取付構造。