JP3683326B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却ユニットが引き出し形式で収納される冷却貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷却ユニットの組み付けやメンテナンスを容易にするために、ユニット全体をハウジングの前面側から引き出すことができるようにした冷蔵庫が提案され、その一例として、本出願人の出願になる特開平6−213553号公報に記載のものが知られている。
【0003】
これを図10によって簡単に説明する。断熱箱製の本体81の内部には貯蔵物を収納する冷蔵室が形成され、その本体81の一側面の上部には、本体81の前面よりも奥方に引っ込んだ位置から側方に張り出すようにして冷却室82が形成されている。冷却室82の前面には出入口83が開口されているとともに、下面側に収納スペース84が設けられている。一方の冷却ユニット85は、基板86上に凝縮器87と圧縮機88とが前後に並んで載置されるとともに、凝縮器87の上面に冷却室82の出入口83を閉塞する断熱構造の冷却室蓋89が立設され、その裏面側に冷却器90が設けられた構造である。
そして冷却ユニット85は、圧縮機88と凝縮器87側が収納スペース84に収納されつつ、冷却器90が出入口83から冷却室82内に挿入され、冷却室蓋89が出入口83の口縁に当たるまで押し込まれたところで、ねじで止めることにより気密に閉鎖する構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで冷却室蓋89が冷却室82の出入口83を閉じた状態では、図11に示すように、冷却室蓋89の端面が本体81の側壁81aと対応することになるが、従来はその間の隙間が3〜5mmと狭いものであった。そのため、冷却室蓋89でほとんど塞がれた状態となる側壁1a上に結露xが生じやすかった。その理由は以下のようである。上記した冷却ユニット85の収納部分の回りは最終的にパネルで覆われ、冷却運転中には、凝縮器ファンによりフロントパネルの下面側に開口された吸気口から外気が吸引され、凝縮器87と熱交換した後の暖排気がフロントパネルの上面側に開口された排気口から排出され、その暖排気の一部が本体81の側壁81aに吹き付けられることで結露を防止する機能を果たしている。しかるに、冷却室蓋89と対応する側壁81aの部分については、隙間が狭いために暖排気が十分に吹き付けられず、結露xが生じやすかった。もちろん、冷却室蓋89と側壁81aとの間隔を大きく取れば良いのであるが、それでは冷蔵庫全体の大型化を招くこととなる。
【0005】
したがって従来では、冷却室蓋89と対応する側壁81a内にヒータ91を埋設することで結露を防止する手段が講じられていた。しかしながら、ヒータ91の取り付けることに伴って製造コストの上昇を招くことは必至であり、またランニングコストも高く付くことから、新たな対応策が希求されていた。
本発明は上記のような要望に基づいて完成されたものであって、その目的とするところは、冷却貯蔵庫の大型化やコストアップを招くことなく結露の発生を有効に防止するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、本発明は、貯蔵物を収納するための貯蔵室を内部に設けた断熱箱製の本体の側部には、冷却器を収納する冷却室が本体の前面から奥方に引っ込んだ位置から一体的に設けられ、前記冷却器は冷却室の前面に開口された出入口から引き出し可能に収納され、かつ冷却器の手前側に設けられた冷却室蓋により前記出入口を閉塞するようにした冷却貯蔵庫において、前記冷却室蓋の前面における前記本体の側壁と対応する側の角の部分には、その側壁との間の間口を大きく取るべく切欠部が形成されている構成としたところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用および効果】
冷却室蓋における本体の側壁と対応する端面に切欠部を設けることにより、側壁との間の間口が大きく取られ、凝縮器と熱交換された後の暖排気等を十分に当てることが可能となる。これにより側壁上に結露が生ずることが防止される。
すなわち、冷却室蓋に切欠部を設けるだけであるから、従来のようにヒータを備える場合と比べて安価に対応でき、また冷却室蓋と本体の側壁との間隔自体は小さく留められるから、冷蔵庫全体はコンパクトにまとめることができる効果がある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1ないし図6は本発明の第1実施形態を示す。図1ないし図3において、符号1は冷蔵庫の本体であって、前面に開口した横長の箱形に形成され、その内部に食材を貯蔵する冷蔵室2が構成されている(図4参照)。前面の開口には観音開き式の扉3が備えられており、底面の四隅に設けられた脚4によって支持されている。
【0009】
本体1の正面から見て左側部には、冷却ユニット6が取り出し可能に収納されるようになっている。詳細には、本体1における左側部の上部側には、外方に張り出すようにして、かつ本体1の前面から奥方に引っ込むようにして直方体状の膨出部8が形成され、内部が冷却室9となっている。この膨出部8を含む本体1を構成する壁面の内部には断熱材7が充填されており、外部に対する断熱性が確保されている。冷却室9の前面壁には出入口10が形成されているとともに、冷却室9の下面側には収納スペース11が構成されており、この収納スペース11と冷却室9とによって、凝縮器23、圧縮機20、冷却器(蒸発器)27等からなる冷却ユニット6が引き出し自在に収納されるようになっている。
【0010】
収納スペース11において、本体1の側面の下縁には浅皿状をなす受け板13の一側縁が固定されている。また、膨出部8の側面の下縁における前後両端部からは、一対の支持フレーム14が垂下して取り付けられ、各支持フレーム14の下端に受け板13のもう一方の側縁が固定され、これにより受け板13の支持がなされている。この受け板13上には、冷却ユニット6の基板15が載置可能とされている。この基板15は左右両側縁が折曲げられた伏コ字形に形成されており、上記の受け板13上に前方から押し込まれ、基板15の前縁(図3の右縁)に設けられた突当板17が、受け板13の前縁の中央部に立ち上がって形成されたねじ受け片18に突き当たることで押し込みが停止され、突当板17とねじ受け片18とがねじ止めにより固定されるようになっている。
【0011】
冷却ユニット6は、収納スペース11に収められる部分と、冷却室9内に収められる部分とに分かれ、これらが上記の基板15上において上下に積み上げ状に配置されている。収納スペース11に収められる部分として、奥側に圧縮機20、その手前側にモータ22で駆動される凝縮器ファン21、最も手前側に凝縮器23がそれぞれ配置されている。また凝縮器23の上面には、冷却室9の出入口10を閉塞するための詳しくは後記する冷却室蓋25が、L型ブラケット26を介して固定されている。冷却室蓋25の裏面側には、冷却室9に対して出し入れ可能な冷却器27がブラケット28を介して取り付けられている。この冷却器27はケーシング27a内に収容されて設けられ、図4に示すように、ケーシング27aの底面と、冷蔵室2側の面における上部が開放されていて、それぞれ空気の取入口29と、空気の吹出口30とされており、その空気の吹出口30の前面には庫内ファン31が取り付けられている。
【0012】
図3に示すように、圧縮機20の出口と凝縮器23の入り口とが配管33で接続され、凝縮器23の出口と冷却器27の入り口とが配管34で接続され、また冷却器27の出口と圧縮機20の入り口とが配管35で接続され、これにより冷却サイクルが構成されている。上記の配管のうち、冷却器27に出し入れされる配管34,35は途中で一緒になって断熱材チューブで被包され、上記の冷却室蓋25の左側の端縁部分からその側方に引き出されている。両配管34,35の冷却室蓋25から引き出される部分は、半円形をなす押さえ具37で固定される一方、冷却室9の出入口10の側縁には、上記の押さえ具37が嵌合される凹部38が形成されている。
【0013】
冷却室9の前面壁における出入口10の周縁には、上記の凹部38を含めて断熱パッキン39が貼着されている。また前面壁の上下両縁からは一対の取付ボルト41が突設される一方、冷却室蓋25には取付ボルト41の挿通孔42が設けられている。冷却室蓋25の前面側には、電装箱43が取り付けられている。
【0014】
そして冷却ユニット6は、既述のように基板15が受け板13の上に押し込まれるとともに、冷却器27が出入口10を通して冷却室9内に挿入される。押し込みの途中で、取付ボルト41が冷却室蓋25の挿通孔42に挿通され、所定位置まで押し込まれると、配管の押さえ具37が凹部38に嵌まりつつ、冷却室蓋25が断熱パッキン39を介して冷却室9の前面壁に当接し、冷却室蓋25を貫通した取付ボルト41の突出端にナットを螺合して締め付けると、冷却室蓋25が冷却室9の出入口10を気密に閉鎖する。また、基板15は既述した要領で受け板13に固定され、これにより冷却器27が冷却室9内に収容され、一方圧縮機20、凝縮器ファン21および凝縮器23が収納スペース11に収納されることとなる。
【0015】
一方庫内では、図4に示すように、冷却室9と冷蔵室2の間において冷気の案内板45が設けられている。この案内板45は、庫内ファン31の下方位置から冷蔵室2の天井面の少し下方位置に向けて斜め前方に延出されて設けられている。その案内板45の下面からは、冷蔵室2の底面の少し上方位置まで垂下された帰還用板46が設けられ、この帰還用板46と、冷蔵室2と収納スペース11とを仕切る本体1の側壁1aの間には所定のスペースが設けられ、その間に冷却器27の取入口29に達する帰還路47が構成されている。
【0016】
なお図5にも示すように、膨出部8を含む本体1の上面には天板49が張られている。また支持フレーム14の外側において、冷却室9ならびに収納スペース11の側方を覆うようにしてサイドパネル50が張られるとともに、後面側にリヤパネル51が張られている。さらに、冷却室9ならびに収納スペース11の前面側には、フロントパネル52がヒンジ53を介して揺動開閉可能に装着されている。
【0017】
フロントパネル52の下部側には、複数の外気の吸気口55が全面にわたって開口されているとともに、上部側における冷却室9とサイドパネル50の間の空間と対応する部分には、排気口56が形成されている。また、リヤパネル51並びにサイドパネル50にも排気口56が形成されている。
したがって、冷却ユニット6が駆動されると、図4の矢線に示すように、冷蔵室2内の空気が帰還路47を通って冷却器27の下面側の取入口29から吸引され、冷気に変換されたのち、庫内ファン31から案内板45の上面を通って冷蔵室2の天井面側に吹き出され、すなわち冷蔵室2に冷気が循環供給される。また、凝縮器ファン21の駆動によって、図5の矢線に示すように、外気がフロントパネル52の吸気口55から収納スペース11内に吸引され、凝縮器23を冷却して熱交換された暖排気が上記した各排気口56から外部に排気されるようになっている。
【0018】
さて本実施形態では、本体1の側壁1a上に結露が生ずることを防止するために、冷却室9の出入口10を閉塞する冷却室蓋25が以下のように形成されている。冷却室蓋25は、図6に示すように、外殻体61内に発泡ウレタン等の断熱材7が充填された断熱構造に形成され、既述のように、冷却室9の出入口10の周縁に断熱パッキン39を介して押し付けられて固定されることで、出入口10を気密に閉鎖するように機能する。そして、この実施形態の冷却室蓋25では、同図に示すように、本体1の側壁1aと対応する側の端面における表面側の角部に、ほぼ2/3の厚さ部分にわたって斜めに切除された切欠部63が形成されている。それに対して、冷却室蓋25と側壁1aとの間の間隔は、従来と同様に3〜5mm程度に留められている。
【0019】
続いて本実施形態の作用を説明する。
冷却運転が行われて冷蔵室2内が冷却されると、断熱材7があるとは言え本体1の側壁1aの外面側も次第に冷却される。しかしながら冷却運転中は、図5の矢線に示すように、凝縮器ファン21が駆動されることで、外気がフロントパネル52の下部側の吸気口55から収納スペース11内に吸引され、凝縮器23と熱交換された後の暖排気が収納スペース11内を回ってフロントパネル52の上部側に設けられた排気口56から排出される。その間、冷却室蓋25の前面側に暖排気の一部が回り込み、上記のように冷却室蓋25の角の部分には切欠部63が設けられていて間口が広くされているので、図6の矢線aに示すように、切欠部63を通って側壁1aの奥側にまで入り込み、暖排気が有効に当てられることで加熱される。これにより、側壁1a、特に従来結露しやすかった冷却室蓋25で塞がれた部分においても結露することが防止される。
【0020】
すなわち本実施形態によれば、冷却室蓋25に切欠部63を設けるだけの簡単な構造でもって結露を確実に防止でき、従来のようにヒータを備える場合と比べて安価に対応できる。また冷却室蓋25と本体1の側壁1aとの間隔自体は従来と同様に小さく留められるから、冷蔵庫全体はコンパクトにまとまったものに維持される。
【0021】
<他の実施形態>
以下には、切欠部の形状に変更を加えてなる冷却室蓋の例を示す。
図7に示す第2実施形態の冷却室蓋71では、角部に丸みを付けることで切欠部72が形成されている。
図8に示す第3実施形態の冷却室蓋73では、角部を円弧形にえぐり取った形状とすることで切欠部74が形成されている。
図9に示す第4実施形態の冷却室蓋75では、角部を裏面側にへこませた段付きの形状とすることで切欠部76が形成されている。
上記のいずれの冷却室蓋71,73,75も、切欠部72,74,76を設けることで間口が広げられ、第1実施形態と同様に本体1の側壁1aの奥まで十分に暖排気を送り込むことが可能になる。
さらに本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
【図2】 その側面図である。
【図3】 冷却ユニットを収納する前の状態の斜視図である。
【図4】 冷蔵庫の内部を示す断面図である。
【図5】 暖排気の流れを示すための一部切欠斜視図である。
【図6】 冷却室の出入口部分の構造を示す拡大断面図である。
【図7】 第2実施形態に係る冷却室蓋の平面図である。
【図8】 第3実施形態に係る冷却室蓋の平面図である。
【図9】 第4実施形態に係る冷却室蓋の平面図である。
【図10】 従来例の冷却ユニットを収納する前の状態の斜視図である。
【図11】 その冷却室の出入口部分の構造を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…本体 1a…側壁 2…冷蔵室 8…膨出部 9…冷却室 10…出入口21…凝縮器ファン 23…凝縮器 25…冷却室蓋 63…切欠部 71…冷却室蓋 72…切欠部 73…冷却室蓋 74…切欠部 75…冷却室蓋 76…切欠部
Claims (1)
- 貯蔵物を収納するための貯蔵室を内部に設けた断熱箱製の本体の側部には、冷却器を収納する冷却室が本体の前面から奥方に引っ込んだ位置から一体的に設けられ、前記冷却器は冷却室の前面に開口された出入口から引き出し可能に収納され、かつ冷却器の手前側に設けられた冷却室蓋により前記出入口を閉塞するようにした冷却貯蔵庫において、
前記冷却室蓋の前面における前記本体の側壁と対応する側の角の部分には、その側壁との間の間口を大きく取るべく切欠部が形成されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。
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1996
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