JP3714721B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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- F25D—REFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- F25D2400/00—General features of, or devices for refrigerators, cold rooms, ice-boxes, or for cooling or freezing apparatus not covered by any other subclass
- F25D2400/08—Refrigerator tables
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は冷却貯蔵庫に関し、特に冷気の循環供給部分の構造に改良を加えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
貯蔵室の側方に冷却室を設けた横型冷蔵庫として、特開平7−127968号公報に記載されたものが知られている。これは図9に示すように、冷蔵室101の側方に冷却器102が収納される冷却室103が設けられ、冷蔵室101と冷却室103の間の側壁104に窓孔105が開口されて、窓孔105の表面側が多数の吸気口107の形成されたカバー106(図10参照)で覆われるとともに、カバー106の上端側に吹出ダクト108が設けられた構造である。そして冷却運転中は、庫内ファン109が駆動されることによって、図9の矢線に示すように、冷蔵室101内の空気がカバー106の吸気口107から窓孔105を通って冷却器102の下面側に吸引され、冷気に変換されたのち吹出ダクト108から冷蔵室101側に吹き出され、もって冷気が循環供給されるようになっている。
ところでこのような冷蔵庫において食材xを冷蔵室101に入れた場合に、図9の鎖線に示すように、食材xがカバー106に接近して吸気口107を塞ぐおそれがある。そのため従来は、図10に示すように、カバー106の表面に縦方向の突条110を複数本間隔を開けて形成し、食材xがカバー106に接近しても隙間ができるようにして、吸気口107が塞がれることがないような手当が施されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のものでは、各突条110がカバー106の全高さにわたって形成された構造であるため、上下方向からは食材xとの隙間に空気を導入し得るものの、側方からの導入は大幅に制限され、吸気効率を考慮すると必ずしも万全な対策とは言い難いものであった。
本発明の冷却貯蔵庫は上記のような事情を背景として完成されたものであって、庫内空気の冷却室側への吸引をよりスムーズに行うことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る冷却貯蔵庫は、貯蔵物が収納される貯蔵室の側方には仕切壁を介して冷却室が設けられ、この仕切壁の前記貯蔵室側の面には同仕切壁に開口された窓孔を覆うようにしてカバーが取り付けられ、このカバーは、上縁及び左右両側縁に側板が張られた形状であり、このカバーのうち前記上縁及び左右両側縁の側板を除いた表面には、貯蔵物を当てる複数個の突起が点在して設けられるとともに吸気口が開口され、かつこのカバーの左右の側板にも吸気口が開口されており、庫内空気は前記カバーの前記各吸気口を通して前記冷却室側に導入され、熱交換された後の冷気が吹出口から貯蔵室に向けて吹き出されるようになっている構成としたところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記カバーにおける前記上縁及び左右両側縁の側板を除いた表面には棚柱が設けられ、その棚柱には棚板の縁部を載置する棚受金が高さ位置の変更可能に取り付けられるようになっており、前記突起の突出寸法が、棚板が突起と干渉することなく棚受金上に載置できるような寸法に設定されているところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用および効果】
<請求項1の発明>
貯蔵物が仕切壁に取り付けられたカバーに接近した状態で収納された場合にも、突起に当たることでカバーの表面と貯蔵物との間に隙間が確保され、庫内空気はその隙間から同表面に設けられた吸気口を通って冷却室側に吸引される。しかも突起は独立して点在状に配されているから、庫内空気は隙間に向けて上下並びに左右の全方向から導入され、スムーズに吸気が行われる。併せて、カバーの左右の側板に開口された吸気口からも吸気される。もって冷却効率を高めることができる効果が得られる。
<請求項2の発明>
突起があるにもかかわらず、棚板を突起と干渉することなく自由な高さ位置に配置することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図8に基づいて説明する。
図1ないし図3において、符号1は冷蔵庫の本体であって、前面に開口した横長の箱形に形成され、その内部に食材xを貯蔵する冷蔵室2が構成されている(図5,6参照)。前面の開口には観音開き式の扉3が備えられており、底面の四隅に設けられた脚4によって支持されている。
【0008】
本体1の正面から見て左側部には、冷却ユニット6が取り出し可能に収納されるようになっている。詳細には、本体1における左側部の上部側には、外方に張り出すようにして、かつ本体1の前面から所定寸法奥方に引っ込むようにして直方体状の膨出部8が形成され、その内部が冷却室9となっている。この膨出部8を含む本体1を構成する壁面の内部には、図5に示すように断熱材7が充填されており、外部に対する断熱性が確保されている。冷却室9の前面壁には出入口10が形成されているとともに、冷却室9の下面側には収納スペース11が構成されており、この収納スペース11と冷却室9とによって、圧縮機20、凝縮器23、冷却器(蒸発器)27等からなる冷却ユニット6が引き出し自在に収納されるようになっている。
【0009】
収納スペース11において、本体1の側面の下縁には浅皿状をなす受け板13の一側縁が固定されている。また、膨出部8の側面の下縁における前後両端部からは、一対の支持フレーム14が垂下して取り付けられ、各支持フレーム14の下端に受け板13のもう一方の側縁が固定され、これにより受け板13の支持がなされている。この受け板13上には、冷却ユニット6の基板15が載置可能とされている。この基板15は左右両側縁が折曲げられた伏コ字形に形成されており、上記の受け板13上に前方から押し込まれ、基板15の前縁(図3の右側)に設けられた突当板17が、受け板13の前縁の中央部に立ち上がって形成されたねじ受け片18に突き当たることで押し込みが停止され、突当板17とねじ受け片18とがねじ止めにより固定されるようになっている。
【0010】
冷却ユニット6は、収納スペース11に収められる部分と、冷却室9内に収められる部分とに分かれ、これらが上記の基板15上において上下に積み上げ状に配置されている。収納スペース11に収められる部分として、奥側に圧縮機20、その手前側にモータ22で駆動される凝縮器ファン21、最も手前側に凝縮器23がそれぞれ配置されている。また凝縮器23の上面には、上記した冷却室9の出入口10を閉塞するための冷却室蓋25がL型ブラケット26を介して固定されている。冷却室蓋25の裏面側には、冷却室9に対して出し入れ可能な冷却器27がブラケット28を介して取り付けられている。
この冷却器27はケーシング27a内に収容されて設けられ、図5に示すように、ケーシング27aの底面と、冷蔵室2側の面における上部が開放されていて、それぞれ空気の取入口29と、空気の吹出口30とされており、その空気の吹出口30の前面には庫内ファン31が取り付けられている。
【0011】
図3に示すように、圧縮機20の出口と凝縮器23の入り口とが配管33で接続され、凝縮器23の出口と冷却器27の入り口とが配管34で接続され、また冷却器27の出口と圧縮機20の入り口とが配管35で接続され、これにより冷却サイクルが構成されている。上記の配管のうち、冷却器27に出し入れされる配管34,35は途中で一緒になって断熱材チューブで被包され、上記の冷却室蓋25の左側の端縁部分からその側方に引き出されている。両配管34,35の冷却室蓋25から引き出される部分は、半円形をなす押さえ具37で固定される一方、冷却室9の出入口10の側縁には、上記の押さえ具37が嵌合される凹部38が形成されている。
【0012】
冷却室9の前面壁における出入口10の周縁には、上記の凹部38を含めて断熱パッキン39が貼着されている。また前面壁の上下両縁からは一対の取付ボルト41が突設される一方、冷却室蓋25には取付ボルト41の挿通孔42が設けられている。冷却室蓋25の前面側には、電装箱43が取り付けられている。
そして冷却ユニット6は、既述のように基板15が受け板13の上に押し込まれるとともに、冷却器27が出入口10を通して冷却室9内に挿入される。押し込みの途中で、取付ボルト41が冷却室蓋25の挿通孔42に挿通され、所定位置まで押し込まれると、配管の押さえ具37が凹部38に嵌まりつつ、冷却室蓋25が断熱パッキン39を介して冷却室9の前面壁に当接し、冷却室蓋25を貫通した取付ボルト41の突出端に図示しないナットを螺合して締め付けると、冷却室蓋25が冷却室9の出入口10を気密に閉鎖する。また、基板15は既述した要領で受け板13に固定され、これにより冷却器27が冷却室9内に収容され、一方圧縮機20、凝縮器ファン21および凝縮器23が収納スペース11に収納されることとなる。
【0013】
また、図4に示すように、膨出部8を含む本体1の上面には天板49が張られている。また支持フレーム14の外側において、冷却室9ならびに収納スペース11の側方を覆うようにしてサイドパネル50が張られるとともに、後面側にリヤパネル51が張られている。さらに、冷却室9ならびに収納スペース11の前面側には、フロントパネル52がヒンジ53を介して揺動開閉可能に装着されている。
【0014】
フロントパネル52の下部側には、複数の外気の吸気口55が全面にわたって開口されているとともに、上部側における冷却室9の側壁とサイドパネル50の間の空間と対応する部分には、排気口56が形成されている。また、サイドパネル50、リヤパネル51にも排気口56が形成されている。
したがって冷却運転中には、凝縮器ファン21の駆動によって、図4の矢線に示すように、外気がフロントパネル52の吸気口55から収納スペース11内に吸引され、凝縮器23を冷却して熱交換された暖排気が上記した各排気口56から外部に排気されるようになっている。
【0015】
続いて、庫内構造について図5ないし図7によって説明する。
図5に示すように、冷蔵室2と冷却室9との間には、仕切板63が張られている。この仕切板63は、収納スペース11との間を仕切る本体1の側壁1aから立ち上がるようにして張られており、その天井側の中央部には、冷気の吹出ダクト71を装置するための切欠部64が形成されているとともに、略中央部には長方形をなす窓孔65が開口されている。この窓孔65は、収納された冷却器27の取入口29と対応する高さに設けられている。
【0016】
仕切板63の冷蔵室2側の面にはカバー67が取り付けられている。このカバー67は、上縁および左右両側縁に側板67aが張られ、下縁側が開放されており、各側板67aに設けられたフランジ67bをねじ止めすることにより、上記した窓孔65からその下部の領域にわたって覆うように取り付けられている。カバー67の表面には、複数の長孔状の吸気口68が上下2列に並んで全幅にわたって開口されているとともに、左右の側板67aにも複数個ずつの吸気口69が開口されている。
【0017】
上記した吹出ダクト71は、図5,6に示されるように、前端側(冷蔵室2側)に向けて上り勾配となった案内板72の前端側の側縁に、一対の側板73が立ち上がって固着されるとともに、両側板73の前端の間に2枚の補強板74が上下に間隔を開けて差し渡されて固着され、ルーバ状の吹出口75が形成された形状となっている。そして、この吹出ダクト71は、仕切板63の天井側に設けられた切欠部64内に、吹出口75を冷蔵室2側に向けた姿勢で嵌められ、両側板73の上縁に形成されたフランジ76を天井面にねじ止めすることで固定されている。
【0018】
さて、前記したカバー67の表面には、収納された食材xの側面を当てるべく突起77が設けられている。この突起77は、カバー67を裏面側から打ち出すことによって円錐台状に形成され、頂面中心には孔78が開けられており、図6に示すように、上下の吸気口68の列の間、及び上側の吸気口68の列の上方において、長方形の角部に対応するようにして図示4個が設けられている。
【0019】
また、カバー67の表面における前縁側には棚柱80が取り付けられている。この棚柱80は、多数の引掛孔81が上下方向に等ピッチで形成されたものであって、図8に示されるように、棚受金82の上下の引掛部83を隣り合う上下2個の引掛孔81にわたって引っ掛けて、任意の高さ位置に着脱自在に取り付けられるようになっており、棚受金82には、棚網85の縁部を引っ掛けつつ載置できるようになっている。なお、冷蔵室2の奥面と、前面の開口の中心に立てられた仕切柱にも同様の棚柱80が取り付けられ、各棚柱80に同一高さで取り付けられた棚受金82に棚網85の四隅が受けられて支持され、その上に食材xが載置し得るようになっている。
【0020】
そして、前記した突起77がカバー67の表面から突出する寸法aは、図8に示すように、カバー67の表面から棚柱80の表面までの寸法bよりも大きく、また棚受金82に載せられた棚網85の縁部までの寸法cよりも短くなるように設定されている。これにより、食材xの側面が突起77に当たった場合に、食材xの側面と棚柱80との間に隙間ができ、かつ棚網85を突起77と干渉することなく棚受金82に載置することができる。
【0021】
なお図5に示すように、冷却器27に備えられたヒータ58に通電して除霜運転を行うと、冷却器27並びに吹出ダクト71から除霜排水が底面に滴下し、そこに設けられた排水口87からパイプ88を通り、さらに側壁1a内の排水管89を通って本体1の底面から外部に排水されるようになっている。
【0022】
本実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。
食材xが棚網85に載せられつつ冷蔵室2内に収納され、その場合、図5および図7の鎖線に示すように、カバー67に接近して収納された場合にも、食材xの側面が突起77に当たることで、カバー67の表面との間に隙間Sが確保される。また、突起77の頂面はカバー67に取り付けられた棚柱80の表面よりも突出しているので、棚柱80と食材xの間にも隙間ができる。
【0023】
したがって冷却運転中には、庫内ファン31が駆動されることによって、冷蔵室2内の空気は、図5,7の矢線に示すように、食材xとカバー67の表面との間の隙間Sに上下及び左右の全方向から入り込んで、表面に開口された吸気口68からカバー67の裏面側に導入され、またカバー67の左右の側板67aの吸気口69や下縁の開口からもカバー67の裏面側に導入される。その後、仕切板63に開口された窓孔65を通って冷却器27の下面側の取入口29から吸引され、冷気に変換されたのち、庫内ファン31から吹出ダクト71内に吹き出され、吹出口75から冷蔵室2の天井面側に向けて吹き出され、すなわち冷蔵室2に冷気が循環供給される。
【0024】
また、棚網85の高さを変える場合は、棚柱80における棚受金82の取付位置を変更して棚網85を載せ直せばよく、その場合、突起77の突出寸法aが、棚網85を突起77と干渉することなく棚受金82に載置することができる寸法に設定されているので、棚網85の高さ調節も支障なく行われる。
【0025】
このように本実施形態によれば、食材xの側面を当てるべくカバー67の表面に設けられる突起77が、それぞれ独立して点在状に配されているから、庫内空気はカバー67の表面と食材xとの間にできる隙間S内に上下並びに左右の全方向から導入され、吸気口68を通って冷却器27側にスムーズに吸引される。もって庫内を効率良く冷却することができる。しかも突起77自体は、カバー67を打ち出し成形することで簡単に形成することができる。また棚網85は、突起77と干渉することなく自由な高さ位置に配置することができる。
【0026】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本発明は、冷却ユニットが引き出し式であるものに限らず、冷却器が冷蔵室の側方に設けられた冷却室内に固定的に設けられた形式の冷却貯蔵庫にも、同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
【図2】 その側面図である。
【図3】 冷却ユニットを収納する前の状態の斜視図である。
【図4】 暖排気の流れを示すための一部切欠斜視図である。
【図5】 冷却室付近の構造を示す背面側から見た拡大断面図である。
【図6】 図1のA−A線断面図である。
【図7】 カバーの取付部分を示す斜視図である。
【図8】 突起の突出寸法を説明するための部分拡大断面図である。
【図9】 従来例の断面図である。
【図10】 そのカバーの斜視図である。
【符号の説明】
2…冷蔵室 9…冷却室 63…仕切板 65…窓孔 67…カバー 68,69…吸気口 75…吹出口 77…突起 80…棚柱 82…棚受金 85…棚網 S…隙間 x…食材
Claims (2)
- 貯蔵物が収納される貯蔵室の側方には仕切壁を介して冷却室が設けられ、この仕切壁の前記貯蔵室側の面には同仕切壁に開口された窓孔を覆うようにしてカバーが取り付けられ、このカバーは、上縁及び左右両側縁に側板が張られた形状であり、
このカバーのうち前記上縁及び左右両側縁の側板を除いた表面には、貯蔵物を当てる複数個の突起が点在して設けられるとともに吸気口が開口され、かつこのカバーの左右の側板にも吸気口が開口されており、
庫内空気は前記カバーの前記各吸気口を通して前記冷却室側に導入され、熱交換された後の冷気が吹出口から貯蔵室に向けて吹き出されるようになっていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記カバーにおける前記上縁及び左右両側縁の側板を除いた表面には棚柱が設けられ、その棚柱には棚板の縁部を載置する棚受金が高さ位置の変更可能に取り付けられるようになっており、前記突起の突出寸法が、棚板が突起と干渉することなく棚受金上に載置できるような寸法に設定されていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
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