JP2902908B2 - 低温貯蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、断熱箱体内に間隔を存
して熱良導箱を配設し、この間隔内に冷気を循環して熱
良導箱内の貯蔵室を間接冷却する低温貯蔵庫に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種低温貯蔵庫は、例えば特開平
２−２７９９７０号公報（Ｆ２５Ｄ１７／０８）に示さ
れるように、前面に開口する断熱箱体内に間隔を存して
熱良導箱を配設し、この熱良導箱内を貯蔵室と成すと共
に、熱良導箱と断熱箱体間の空間に冷却ユニットの蒸発
器と送風機を配置し、蒸発器にて冷却された冷気を送風
機にて間隔内に強制循環することにより、貯蔵室内を間
接的に冷却する構造とされている。

【０００３】係る低温貯蔵庫によれば、貯蔵室内は熱良
導箱の上下左右及び後壁面より冷却されると共に、貯蔵
室内への乾燥冷気の直接の侵入がないので、貯蔵室内の
乾燥を抑制し、その湿度を高く維持することができる。
従って、生鮮食品や調理済みの料理を乾燥することな
く、低温で保存するためには好適なものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ホテルやレ
ストラン等においては、厨房で予め調理された料理を顧
客に提供するまで、係る高湿度の貯蔵室内にて一時保存
して置く必要がある。しかしながら、従来の低温貯蔵庫
は前面のみに開口していたため、調理済料理の取り出
し、及び収納を同じ方向から行わなければならず、顧客
への料理の提供及び貯蔵室への料理の補充が円滑に行え
ない問題があった。

【０００５】そこで、低温貯蔵庫を前後面に開口する構
造とすれば、一方の開口から料理を収納し、他方の開口
から取り出すことが可能となり、上記問題を解消するこ
とができるが、熱良導箱の前後面の双方が開口すること
になるため、扉周辺部からの熱侵入が多くなる。そのた
め、通常の低温貯蔵庫よりも貯蔵室内をより強く冷却す
る必要があり、それによって貯蔵室内の湿度が低下し勝
ちとなる。

【０００６】このような湿度低下を解消する手段とし
て、例えば実公平４−４７５９３号公報（Ｆ２５Ｄ２３
／００）に示される如く、湿気を含んだ外気を貯蔵室内
に導入する方法がある。しかしながら、前記公報では外
部と貯蔵室内の差圧によって外気を導入しており、どう
しても導入量に限界があった。

【０００７】また、断熱箱体内に複数の貯蔵室を構成し
た場合、外気を導入するための外気導入路の外気導入口
に近い貯蔵室では比較的多く外気が吐出されるが、外気
導入口から遠い貯蔵室ではその量が少なくなり、貯蔵室
によって湿度が不均一となる問題が生ずる。

【０００８】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、前後に開口した間接冷却
式の低温貯蔵庫において、貯蔵室内の湿度を円滑に維持
することを目的とする。

【０００９】本発明のもう一つの目的は、前後に開口し
た間接冷却式の低温貯蔵庫において、複数の貯蔵室を形
成した場合に、各貯蔵室間の湿度の均一化を図ることに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】即ち、請求項１の発明の
低温貯蔵庫１は、前後面に開口７、８を有した断熱箱体
６と、この断熱箱体６の前後開口７、８を開閉自在にそ
れぞれ閉塞する扉４４、４６と、前後面に開口を有し、
断熱箱体６内に間隔を存して配設され、内部を貯蔵室３
１、３２とする熱良導箱２１、２２と、この熱良導箱２
１、２２の上下左右における熱良導箱２１、２２と断熱
箱体６間に形成された冷気通路３９と、冷気通路３９内
に配設された冷却装置の蒸発器３３及び蒸発器用送風機
３４とを具備し、蒸発器３３にて冷却された冷気を蒸発
器用送風機３４により冷気通路３９内に強制循環するこ
とにより、貯蔵室３１、３２内を間接的に冷却するもの
であって、冷却装置の凝縮器３７を空冷するための凝縮
器用送風機３８と、貯蔵室３１、３２内に外気を導入す
る外気導入路１７とを設け、この外気導入路１７の外気
導入口１９を凝縮器用送風機３８の風下側に配置すると
共に、外気導入口１９には外気案内部材６２を設けたも
のである。

【００１１】また、請求項２の発明の低温貯蔵庫１は、
前後面に開口７、８を有した断熱箱体６と、この断熱箱
体６の前後開口７、８を開閉自在にそれぞれ閉塞する扉
４４、４６と、前後面に開口を有し、断熱箱体６内に間
隔を存して配設され、内部をそれぞれ貯蔵室３１、３２
とする複数の熱良導箱２１、２２と、各熱良導箱２１、
２２の上下左右における熱良導箱２１、２２と断熱箱体
６間に形成された冷気通路３９と、冷気通路３９内に配
設された冷却装置の蒸発器３３及び蒸発器用送風機３４
とを具備し、蒸発器３３にて冷却された冷気を蒸発器用
送風機３４により冷気通路３９内に強制循環することに
より、各貯蔵室３１、３２内を間接的に冷却するもので
あって、一端の外気導入口１８、１９により外部に開口
し、他端の外気吐出口５３、５４により各貯蔵室３１、
３２に開口した外気導入路１６、１７を設け、外気導入
口１８、１９から離間した貯蔵室３２に対する外気吐出
口５３、５４の数、若しくは開口面積を、外気導入口１
８、１９に隣接した貯蔵室３１よりも多く、若しくは大
きくしたものである。

【００１２】

【作用】請求項１の発明の低温貯蔵庫１によれば、扉４
４、４６の開放により貯蔵室３１、３２内は前後方向に
開放されるので、一方から物品を収納し、他方から取り
出すことができる。従って、調理済みの料理等の物品の
提供及び貯蔵室３１、３２への補充を円滑に行うことが
できるようになる。また、貯蔵室３１、３２内は前後の
開口以外の熱良導箱２１、２２の上下左右面から間接的
に冷却されることになるので、貯蔵室３１、３２内に収
納した料理等の食品を乾燥することなく良好に低温保存
することができるようになる。

【００１３】特に、貯蔵室３１、３２内に外気を導入す
る外気導入路１７を設けたので、貯蔵室３１、３２内に
は湿気を多く含んだ外気が導入され、貯蔵室３１、３２
内の湿度が上昇すると共に、この外気導入路１７の外気
導入口１９を、冷却装置の凝縮器３７を空冷するための
凝縮器用送風機３８の風下側に配置し、外気導入口１９
には外気案内部材６２を設けたので、外気導入口１９に
は凝縮器用送風機３８にて加速された外気が円滑に流入
し、外気導入路１７を通って貯蔵室３１、３２内に吐出
されるようになる。従って、貯蔵室３１、３２内には強
制的に外気が導入され、その湿度が高く維持されるよう
になる。

【００１４】更に、この場合凝縮器用送風機３８によっ
て加速された外気を導入する方式としたので、格別な送
風機等の強制導入手段を設ける必要がなくなり、部品点
数の削減とコストの低減が図れる。

【００１５】また、請求項２の発明の低温貯蔵庫１によ
れば、同様に扉４４、４６の開放により各貯蔵室３１、
３２内は前後方向に開放されるので、一方から物品を収
納し、他方から取り出すことができる。従って、調理済
みの料理等の物品の提供及び各貯蔵室３１、３２への補
充を円滑に行うことができるようになる。また、各貯蔵
室３１、３２内は前後の開口以外の熱良導箱２１、２２
の上下左右面からそれぞれ間接的に冷却されることにな
るので、各貯蔵室３１、３２内に収納した料理等の食品
を乾燥することなく良好に低温保存することができるよ
うになる。

【００１６】特に、各貯蔵室３１、３２内に外気を導入
する外気導入路１６、１７を設けたので、各貯蔵室３
１、３２内には湿気を多く含んだ外気が導入され、貯蔵
室３１、３２内の湿度が上昇する。

【００１７】ここで、外気導入路１６、１７の外気導入
口１８、１９に近接した貯蔵室３１には、外気導入口１
９から流入した外気が多く吐出され、外気導入口１８、
１９から離間した貯蔵室３２に吐出される外気はどうし
ても少なくなる。しかしながら、本発明では外気導入口
１８、１９から離間した貯蔵室３２に対する外気吐出口
５３、５４の数、若しくは開口面積を、外気導入口１
８、１９に隣接した貯蔵室３１よりも多く、若しくは大
きくしたので、各貯蔵室３１、３２内に吐出される外気
量を均等とすることが可能となり、それによって、各貯
蔵室３１、３２間の湿度の不均一を解消し、湿度の均一
化を図ることができる。

【００１８】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳述す
る。図１は本発明の低温貯蔵庫１の縦断側面図、図２は
低温貯蔵庫１の縦断正面図、図３は低温貯蔵庫１の平面
図である。本発明の低温貯蔵庫１は例えばレストランの
厨房に設置されるものであり、内外箱２、３間に断熱材
４を充填した断熱箱体６により構成されている。断熱箱
体６は前後に開口７、８を有しており、その天壁６Ａの
一側部は上方に張り出されて張出部９とされ、その内部
には下方に開放した冷却室１１が構成されている。

【００１９】断熱箱体６の前後開口７、８は図示しない
横仕切部材によってそれぞれ上下に区画されると共に、
縦仕切部材１２、１３によって左右にそれぞれ区画され
ている。そして、前記横仕切部材間には取付板１４が架
設され、断熱箱体６内を上下に仕切っている。縦仕切部
材１２、１３内には上下に渡る外気導入路１６、１７が
形成されており、その上端は断熱箱体６の天壁６Ａの前
後端部に形成した外気導入口１８、１９において断熱箱
体６外部にそれぞれ開口している。

【００２０】係る断熱箱体６の内部には、ステンレス等
の熱良導材から形成され、前後に開口した上下熱良導箱
２１、２２が、それぞれ断熱箱体６の内面と所定の間隔
を存して上下に収納配設される。このとき、下熱良導箱
２２は取付板１４の下側において、断熱箱体６の底壁６
Ｂ上面に設けられた取付板２３上に底壁６Ｂと間隔を存
して固定されると共に、上熱良導箱２１は取付板１４上
に取付板２４により取付板１４と間隔を存して固定され
ている。また、上下熱良導箱２１、２２の前後開口縁は
断熱箱体６内面に当接しており、これによって上下熱良
導箱２１、２２の内部には、断熱箱体６との間及び上下
熱良導箱２１、２２相互間の間隔から隔離され、且つ、
前後に開放した上下貯蔵室３１、３２が構成されてい
る。

【００２１】前記冷却室１１内には冷却装置を構成する
蒸発器３３と、蒸発器用送風機３４が収納配設されてお
り、また、取付板１４の両側部及び各取付板２３、２４
にはそれぞれ透孔１４Ａ、２３Ａ、２４Ａが穿設され、
それによって、上下熱良導箱２１、２２と断熱箱体６の
間及び上下熱良導箱２１、２２相互間には前記冷却室１
１を含む一連の冷気通路３９が構成されている。

【００２２】また、張出部９の凝縮器３７側の側壁下方
には、断熱箱体６の前端から蒸発器３３の後縁に渡る範
囲で上熱良導箱２１上方の冷気通路３９及び蒸発器３３
後面を閉塞するカバー４１が取り付けられている。更
に、蒸発器３３の上方には冷気通路３９に連通する空間
が形成されると共に、蒸発器用送風機３４は蒸発器３３
の下側に配置されている。係る配置によって蒸発器用送
風機３４は上熱良導箱２１の一側上方に位置し、この蒸
発器用送風機３４の吹出側（上熱良導箱２１の一側上隅
部）を吹出口４２とすると共に、上熱良導箱２１の他側
上隅部を吸込口４３としている。従って、カバー４１は
これら吹出口４２と吸込口４３とを仕切るかたちとな
る。

【００２３】一方、前記張出部９側方の断熱箱体６天壁
６Ａ上には蒸発器３３と共に冷却装置を構成する圧縮機
３６、凝縮器３７及び凝縮器用送風機３８が設置されて
いる。これら圧縮機３６、凝縮器３７及び凝縮器用送風
機３８は、低温貯蔵庫１の前面側から凝縮器３７、凝縮
器用送風機３８及び圧縮機３６の順で一直線上に配置さ
れており、凝縮器用送風機３８が運転されると、外気が
凝縮器３７の前方から図２及び図３中実線矢印の如く吸
引され、凝縮器３７を通過して空冷した後、圧縮機３６
方向に吹き出され、この圧縮機３６をも空冷する。

【００２４】また、前記各外気導入路１６、１７の外気
導入口１８、１９には、それぞれ前後に開口した外気案
内部材６１、６２が上方から被せられている。この内、
外気導入口１９は前記凝縮器用送風機３８の風下側に位
置しており、それに被せられた外気案内部材６２は前方
の凝縮器用送風機３８方向に開口している。

【００２５】他方、縦仕切部材１２内の外気導入路１６
下端には下熱良導箱２２の下貯蔵室３２前端上部に対応
した外気吐出口５３が形成されており、縦仕切部材１３
内の外気導入路１７には上下熱良導箱２１、２２の上下
貯蔵室３１、３２の後端上部にそれぞれ対応した外気吐
出口５４、５４が形成されている。

【００２６】断熱箱体６の前後開口７、８は例えば観音
開き式の断熱扉４４、４４、４６、４６によってそれぞ
れ開閉自在に閉塞される。そして、低温貯蔵庫１は厨房
と客席の間に据え付けられると共に、前面開口７を厨房
側に後面開口８を客席側とされる。冷却装置の圧縮機３
６、凝縮器用送風機３８及び蒸発器用送風機３４が運転
されると、蒸発器３３にて冷却された冷気は蒸発器用送
風機３４によって下方に吸引され、吹出口４２から下方
に吹き出される。この吹出口４２から吹き出された冷気
は、図２中実線矢印の如く上熱良導箱２１の一側方の冷
気通路３９に流入してそこを流下し、その後、一部の冷
気は透孔１４Ａを通過してそのまま下熱良導箱２２の一
側方の冷気通路３９に流入すると共に、残りは上下熱良
導箱２１、２２間の冷気通路３９に流入する。

【００２７】下熱良導箱２２の一側方の冷気通路３９に
流入した冷気は下熱良導箱２２の下方の冷気通路３９に
流入し、その後、透孔２３Ａ、２３Ａを通過して下熱良
導箱２２の他側方の冷気通路３９に流入する。下熱良導
箱２２の他側方の冷気通路３９に流入した冷気は、そこ
を上昇して透孔１４Ａから上熱良導箱２１の他側方の冷
気通路３９に流入する。そして、上下熱良導箱２１、２
２間の冷気通路３９を通過して来た冷気と合流して上熱
良導箱２１の他側方の冷気通路３９内を上昇し、吸込口
４３より上熱良導箱２１の上方の冷気通路３９に流入す
る。

【００２８】上熱良導箱２１上方の冷気通路３９に流入
した冷気は、上熱良導箱２１の他側から一側後方に向か
って流れ、蒸発器３３の後方の冷却室１１内を上昇して
蒸発器３３の上方から蒸発器３３に帰還する。係る一連
の冷気強制循環によって、蒸発器３３からの極めて低温
低湿の冷気は上下熱良導箱２１、２２の上下左右面の略
全域に沿って流れることになる。従って、上下貯蔵室３
１、３２内は上下熱良導箱２１、２２の上下左右の各壁
面より冷却作用を受けるようになる。

【００２９】係る上下貯蔵室３１、３２内には、厨房で
調理された料理が扉４４を開放して前面の開口７から収
納される。所定数作られた料理はこの上下貯蔵室３１、
３２内に一時保存され、注文を受けた後、或いは宴会の
進行等に合わせてウエイターが扉４６を開放し、後面の
開口８から料理を取り出して顧客に提供することにな
る。また、取り出された料理の補充は同様に反対側の開
口７から行えるので、料理の収納・提供・補充が極めて
円滑に行えるようになる。

【００３０】また、このとき、上下貯蔵室３１、３２内
には直接の冷気流入が無く、前述の如く上下左右壁面か
ら間接的に冷却されるので、上下貯蔵室３１、３２内に
収納された料理は乾燥することなく冷却保存される。従
って、ラップ等でくるむことなく料理を美味しい状態で
保存することができるようになる。また、実施例では断
熱箱体６の天壁６Ａに張出部９を形成し、この張出部９
内に蒸発器３３を配設する冷却室１１を構成したので、
上下貯蔵室３１、３２の容積を狭めることなく蒸発器３
３及び送風機３４を配設することができる。

【００３１】一方、上下貯蔵室３１、３２は間接冷却さ
れるとは言え、周囲の冷気通路３９には低温低湿の冷気
が循環されるため、貯蔵室３１、３２内の湿度は低下し
勝ちとなる。しかしながら、本発明では外気導入口１
８、１９から流入した湿気を含む外気が外気導入路１６
或いは１７を通り、外気吐出口５３、或いは５４、５４
より上下貯蔵室３１、３２内に吐出されるので、上下貯
蔵室３１、３２内の湿度は係る外気導入によって高く維
持されるようになる。

【００３２】この場合、外気導入口１９は凝縮器用送風
機３８の風下側に位置しており、それに被せられた外気
案内部材６２は前方の凝縮器用送風機３８方向に開口し
ているので、外気導入口１９には凝縮器用送風機３８に
て加速された外気が流入して外気導入路１７を通り、貯
蔵室３１、３２内に吐出されるようになる。従って、貯
蔵室３１、３２内には強制的に外気が導入されるかたち
となり、湿度維持をより円滑に行えるようになる。特
に、この場合凝縮器用送風機３８によって加速された外
気を導入するので、格別な送風機等の強制導入手段を設
ける必要がなくなり、部品点数の削減とコストの低減も
図れる。

【００３３】ここで、外気導入路１６、１７から導入さ
れる外気の量は、外気導入口１８、１９に近い略多く、
遠ざかるに従って少なくなる。従って、同じように導入
すると、下貯蔵室３２への外気導入量は上貯蔵室３１よ
りも少なくなるが、本発明では上貯蔵室３１には後部の
外気吐出口５４からのみ外気を導入し、下貯蔵室３２に
は前後の外気吐出口５３、５４の双方から導入するよう
にしてるので、導入量の均等化が図かられ、それによっ
て上下貯蔵室３１、３２間の湿度の不均一を無くし、湿
度を均一にすることができるようになる。

【００３４】尚、実施例では下貯蔵室３２に合計二箇所
の外気吐出口５３、５４を形成し、上貯蔵室３１には一
箇所の外気吐出口５４を形成したが、それに限らず、下
貯蔵室３２への外気吐出口の開口面積を上貯蔵室３１へ
の外気吐出口よりも大きくしても差し支えない。また、
実施例では上下に二つの貯蔵室を有する低温貯蔵庫につ
いて説明したが、それに限らず、更に多くの貯蔵室を形
成し、或いはそれらを左右に並設しても本発明は有効で
ある。

【００３５】

【発明の効果】以上詳述した如く請求項１の発明によれ
ば、扉の開放により貯蔵室内は前後方向に開放されるの
で、一方から物品を収納し、他方から取り出すことがで
きる。従って、調理済みの料理等の物品の提供及び貯蔵
室への補充等を円滑に行うことができるようになる。ま
た、貯蔵室内は前後の開口以外の熱良導箱の上下左右面
から間接的に冷却されることになるので、貯蔵室内に収
納した料理等の食品を乾燥することなく良好に低温保存
することができるようになる。

【００３６】特に、本発明では貯蔵室内に外気を導入す
る外気導入路を設けたので、貯蔵室内には湿気を含んだ
外気が導入され、貯蔵室内の湿度が上昇すると共に、こ
の外気導入路の外気導入口を、冷却装置の凝縮器を空冷
するための凝縮器用送風機の風下側に配置し、外気導入
口には外気案内部材を設けたので、外気導入口には凝縮
器用送風機にて加速された外気が円滑に流入し、外気導
入路を通って貯蔵室内に吐出されるようになる。従っ
て、貯蔵室内には強制的に外気が導入され、その湿度が
高く維持されるようになる。

【００３７】更に、本発明では凝縮器用送風機によって
加速された外気を導入する方式としたので、格別な送風
機等の強制導入手段を設ける必要がなくなり、部品点数
の削減とコストの低減が図れるものである。

【００３８】また、請求項２の発明によれば、同様に扉
の開放により各貯蔵室内は前後方向に開放されるので、
一方から物品を収納し、他方から取り出すことができ
る。従って、調理済みの料理等の物品の提供及び各貯蔵
室への補充を円滑に行うことができるようになる。ま
た、各貯蔵室内は前後の開口以外の熱良導箱の上下左右
面から間接的に冷却されることになるので、各貯蔵室内
に収納した料理等の食品を乾燥することなく良好に低温
保存することができるようになる。

【００３９】特に、本発明では各貯蔵室内に外気を導入
する外気導入路を設けたので、各貯蔵室内には湿気を含
んだ外気が導入され、各貯蔵室内の湿度が上昇すると共
に、外気導入口から離間した貯蔵室に対する外気吐出口
の数、若しくは開口面積を、外気導入口に隣接した貯蔵
室よりも多く、若しくは大きくしたので、各貯蔵室内に
吐出される外気量を均等とすることが可能となり、それ
によって、各貯蔵室間の湿度の不均一を解消し、湿度の
均一化を図ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の低温貯蔵庫の縦断側面図である。

【図２】本発明の低温貯蔵庫の縦断正面図である。

【図３】本発明の低温貯蔵庫の平面図である。

【符号の説明】

１ 低温貯蔵庫 ６ 断熱箱体 ７ 開口 ８ 開口 １６ 外気導入路 １７ 外気導入路 １８ 外気導入口 １９ 外気導入口 ２１ 上熱良導箱 ２２ 下熱良導箱 ３１ 上貯蔵室 ３２ 下貯蔵室 ３３ 蒸発器 ３４ 蒸発器用送風機 ３７ 凝縮器 ３８ 凝縮器用送風機 ３９ 冷気通路 ４４ 扉 ４６ 扉 ５３ 外気吐出口 ５４ 外気吐出口 ６２ 外気案内部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−331261（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−233960（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F25D 23/00 302 F25D 17/08 311

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後面に開口を有した断熱箱体と、該断
   熱箱体の前後開口を開閉自在にそれぞれ閉塞する扉と、
   前後面に開口を有し、前記断熱箱体内に間隔を存して配
   設され、内部を貯蔵室とする熱良導箱と、該熱良導箱と
   前記断熱箱体間に形成された冷気通路と、該冷気通路内
   に配設された冷却装置の蒸発器及び蒸発器用送風機とを
   具備し、前記蒸発器にて冷却された冷気を前記蒸発器用
   送風機により前記冷気通路内に強制循環し、前記貯蔵室
   内を間接的に冷却する低温貯蔵庫において、前記冷却装
   置の凝縮器を空冷するための凝縮器用送風機と、前記貯
   蔵室内に外気を導入する外気導入路とを設け、該外気導
   入路の外気導入口を前記凝縮器用送風機の風下側に配置
   すると共に、前記外気導入口には外気案内部材を設けた
   ことを特徴とする低温貯蔵庫。
2. 【請求項２】 前後面に開口を有した断熱箱体と、該断
   熱箱体の前後開口を開閉自在にそれぞれ閉塞する扉と、
   前後面に開口を有し、前記断熱箱体内に間隔を存して配
   設され、内部をそれぞれ貯蔵室とする複数の熱良導箱
   と、各熱良導箱と前記断熱箱体間に形成された冷気通路
   と、該冷気通路内に配設された冷却装置の蒸発器及び蒸
   発器用送風機とを具備し、前記蒸発器にて冷却された冷
   気を前記蒸発器用送風機により前記冷気通路内に強制循
   環し、前記各貯蔵室内を間接的に冷却する低温貯蔵庫に
   おいて、一端の外気導入口により外部に開口し、他端の
   外気吐出口により前記各貯蔵室に開口した外気導入路を
   設け、前記外気導入口から離間した前記貯蔵室に対する
   前記外気吐出口の数、若しくは開口面積を、外気導入口
   に隣接した前記貯蔵室よりも多く、若しくは大きくした
   ことを特徴とする低温貯蔵庫。