JPH044431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建造物の軒先に軒樋を取り付ける際
に用いられる樋支持具に関する。

（従来の技術） 従来の樋支持具としては、例えば、実公昭55−
51950号公報等に記載されているようなものが知
られている。

この従来の樋支持具は、被固定面に取り付けら
れる取付板と該取付板の上端から前方に突設され
た支持腕とで構成されており、該支持腕の先端に
形成された係止部で軒樋の前側耳部を支持すると
共に、前記取付板に突設された突起で軒樋の後側
耳部を支持するものであつた。

更に、支持腕の基端と取付板の下端部とには別
個に突起が形成されており、これらの突起によつ
て軒樋の後側壁は挾持されていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来の樋支持具にあ
つては、取付板と支持腕とが一体に形成されてい
て、取付板の突起と支持腕の支持部の位置は相対
的に動かすことができないために、一旦軒樋を取
り付けてしまうと、軒樋を変形させる等しなけれ
ば前記支持部及び突起から取り外すことができ
ず、軒樋の交換や取付位置調整等が困難であると
いう問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上述のような問題点を解決すること
を目的としてなされたもので、この目的達成のた
めに、本考案では、被固定面に当接して設置され
る取付板と、該取付板の前面に突設された支持腕
と、を備え、前記取付板には軒樋の後側耳部を支
持する後側支持部が形成され、前記支持腕には軒
樋の前側耳部を支持する前側支持部が形成されて
いる樋支持具において、前記取付板が、支持腕が
突設された固定板部と、後側支持部が形成された
可動板部とに分割され、該可動板部が前記固定板
部に対して着脱可能に設けられている手段とし
た。

（作用） 本考案の樋支持具では、取付板が、支持腕が突
設された固定板部と、後側支持部が形成された可
動板部とに分割され、該可動板部が前記固定板部
に対して着脱可能に設けられているために、可動
板部を固定板部から外して後側支持部による後側
耳部の支持を解除することによつて、軒樋を無理
なく容易に取り外すことができる。

また、可動板部を固定板部に取り付けた状態
で、支持腕の前側支持部で前側耳部を支持すると
共に、取付板の後側支持部で後側耳部を支持する
ことにより軒樋の支持強度は確保できる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。

まず、第１図及び第２図に示す第１実施例の構
成について説明する。

本実施例の樋支持具は、柱や壁等の被固定面１
００に当接状態で設置される取付板１０と、該取
付板１０の上端部から前方に突設された支持腕２
０と、で構成され、例えば、ガラス繊維が約40％
包含されたポリカーボネイト樹脂や塩化ビニル樹
脂，ABS樹脂等の合成樹脂を素材として成形さ
れている。

前記取付板１０は、上下に分割されて、支持腕
２０が突設されている上側の固定板部１１と、後
側支持突起１２１が形成されている下側の可動板
部１２とで構成されている。

前記固定板部１１は、被固定面１００に打ち付
けるビス２００を通すためのビス穴１１１が開口
されおり、かつ、下縁には嵌合溝１１２が全長に
亘つて形成されている。

前記可動板部１２は、上縁に嵌合突起１２２が
形成されており、第１図に示すように、この嵌合
突起１２２が固定板部１１の嵌合溝１１２に嵌合
することにより固定板部１１に吊支されている。
尚、前記嵌合突起１２２と嵌合溝１１２とは、横
方向へスライド可能に嵌合しており、可動板部１
２はこの横方向へのスライドにより固定板部１１
から容易に取り外すことができる。

前記支持腕２０は、略水平に配設されて先細り
形状に形成されており、前記固定板部１０と一体
成形されている。そして、この支持腕２０には、
先端部に上方に突出する前側支持突起２１が形成
され、基端部の下面に後方に板バネ２２が延設さ
れている。

尚、前記取付板１０の後側支持突起１２１と支
持腕２０の板バネ２２の先端とは、軒樋３００の
後側耳部３０２の幅よりも狭い間隔で対向して配
置されている。

次に実施例の作用を説明する。

本実施例の樋支持具に軒樋３００を取り付ける
際には、まず、後側に開口する溝形に形成された
前側耳部３０１を支持腕２０の前側支持突起２１
に係止させ、次に、中空状に形成された後側耳部
３０２を取付板１０の後側支持突起１２１と支持
腕２０の板バネ２２との間に上向きに押し込んで
後側支持突起１２１に支持させる。耳部押込時、
板バネ２２は後側支持突起１２１との間隔を開く
側に弾性変形するが、後側支持突起１２１で後側
耳部３０２の下面を支持している支持状態では、
板バネ２２は後側耳部３０２の後側支持突起１２
１からの離脱を防止する。

次に、樋支持具に取り付けられている軒樋３０
０を取り外す際には、第２図に示すように、取付
板１０の可動板部１２を固定板部１１に対してス
ライドさせて外し、その後側支持突起１２１によ
る後側耳部３０２の支持を解除させる。すると、
まず軒樋３００の後側部分がフリーな状態になつ
て前側耳部３０１も支持腕２０の前側支持突起２
１から容易に外すことができる。

従つて、樋支持具に取り付けられた軒樋３００
を、傷つけたり変形させたりせずに無理なく取り
外すことができ、軒樋３００の交換やその取付位
置調整を容易に行なうことができる。

次に、第３図に示す第２実施例について説明す
る。

尚、第２実施例を説明するにあたり、第１実施
例と同様の構成には同じ符号を付けて説明を省略
する。また、作用についても第１実施例と同様の
作用は説明を省略する。

この実施例は、可動板部１２の下端にビス穴１
２３を形成して、その位置でビス２００により被
固定面１００に固定すると共に、固定板部１１と
可動板部１２とを可動板部１２のビス固定位置を
中心とした円弧面で分割した例である。

従つて、可動板部１２を被固定面１００に固定
することでその固定強度を確保できると共に、こ
の可動板部１２を回動させることにより後側支持
突起１２１による後側耳部３０２の支持を解除し
て軒樋３００を取り外すこともできる。

以上、本考案の実施例を図面により詳述してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変
更等があつても本考案に含まれる。

例えば、実施例では、取付板の固定板部と支持
腕とを一体成形した例を示したが、これらは別体
成形してボルト等で結合させてもよい。

また、支持腕は先細り形状でなくてもよく、ま
た、軒樋の前側耳部の支持構造も実施例に限ら
ず、板バネ等を用いた構造であつてもよい。

（考案の効果） 以上説明してきたように、本考案の樋支持具に
あつては、可動板部を固定板部から外して後側支
持部による後側耳部の支持を解除することによつ
て、軒樋を無理なく取り外すことができる手段と
したために、軒樋の支持強度を低下させることな
く、軒樋の交換や取付位置調整等が容易に行なえ
る樋支持具を提供できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第１実施例の樋支持具を示す斜
視図、第２図は第１実施例の樋支持具の使用状態
を示す縦断面図、第３図は第２実施例の樋支持具
を示す斜視図である。 １０……取付板、１１……固定板部、１２……
可動板部、１２１……後側支持突起（後側支持
部）、２０……支持腕、２１……前側支持突起
（前側支持部）、３００……軒樋、３０１……前側
耳部、３０２……後側耳部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被固定面に当接して設置される取付板と、該取
   付板の前面に突設された支持腕と、を備え、前記
   取付板には軒樋の後側耳部を支持する後側支持部
   が形成され、前記支持腕には軒樋の前側耳部を支
   持する前側支持部が形成されている樋支持具にお
   いて、 前記取付板が、支持腕が突設された固定板部
   と、後側支持部が形成された可動板部とに分割さ
   れ、該可動板部が前記固定板部に対して着脱可能
   に設けられていることを特徴とする樋支持具。