JPH0443441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンバイン等において脱穀穀粒を自
動的に袋詰めする穀物の自動袋詰め装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、脱穀穀粒を自動的に袋詰めする構造とし
ては、本出願人らによつて先に実願昭59−108705
号において提案されたものがあり、このものにお
いては、前記操作アームを、シヤツター開口操作
後、このシヤツター開口状態に対応した開口位置
に停止するようにして、穀物充填後、この停止位
置より反転移動するようにチエーンに設けてい
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記操作アームの停止位置と操
作アームが前記操作部材に接当作用する位置との
間にシヤツター開口作業に必要なストローク分だ
けの間隔があるので、操作アームが穀物充填後直
ちに反転移動を開始しても操作部材に接当するま
でに時間間隔があり、シヤツター閉塞が時期的に
ずれていた。

従つて、規定量以上の穀物が充填されがちとな
る。このため、この時間遅れ分を見込んで操作ア
ームを早めに機動させることも考えられるが、所
期の穀物量を正確に充填することは困難であつ
た。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであ
つて、操作アームの停止待機位置に簡単な変更を
加えるだけで、規定量の穀物を充填できる穀物の
自動袋詰め装置の提供を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案にかかる穀物の自動袋詰め装置は、上記
目的を達成するために、穀物収納ホツパーの下部
に穀物吐出口を設けるとともに、この穀物吐出口
に閉塞方向にスプリングで付勢されたシヤツター
を設け、かつ、前記シヤツターを前記穀物吐出口
を閉塞する位置と開口する位置とに切換駆動する
チエーンを巻回横架してあるとともに、バネ付勢
力に抗して前記シヤツターの前記開口状態を維持
するロツク機構とこのロツク機構のロツク解除用
の操作部材とを設け、更に、前記チエーンの一方
向への移動によつてシヤツターを前記閉塞状態か
ら前記開口状態に駆動移動させる操作アームを、
穀物充填後前記シヤツターの前記開口状態に対応
した開口位置から前記シヤツターの前記閉塞状態
に対応した閉塞位置への反転移動によつて、前記
操作部材をロツク解除方向に作動させるように前
記チエーンに設けてある穀物の自動袋詰め装置で
あつて、穀物充填中の前記操作アームの待機位置
を前記操作部材に近接した位置に設定するよう
に、前記操作アームを前記開口位置に到つた状態
から反転移動させて停止する制御手段を設けてあ
ることを特徴構成とする。

かかる特徴構成による作用・効果は次の通りで
ある。

〔作用〕

すなわち、操作アームは開口操作後、ロツク解
除用の操作部材に近接させた位置に待機するよう
に設定してあるので、シヤツターを閉塞状態に操
作するために操作アームが操作部材に接当するま
での時間が極めて短時間になつて閉塞操作開始か
ら実際に閉塞されるまでの時間が短縮されること
になる。

〔考案の効果〕

従つて、閉塞操作にかかる時間遅れを見込んで
操作アームを早めに起動させるといつたタイミン
グの設定の難しい方法をとらなくても、簡単な構
造で規定量に近い穀物充填を行うことができるに
至つた。

〔実施例〕

穀粒を貯留したホツパー８穀物吐出口５の下方
に、左右一対の袋吊下げ支持用回転軸４，４を架
設するとともに、この回転軸４，４に、袋開口部
１近くでその開口幅方向の両端部に吊下げ支持用
鳩目２，２が取付けられてある穀物収納袋３を収
納支持させて、前記鳩目２，２と前記回転軸４，
４のねじ部２１との係合作用によつてその回転に
伴つて前記袋３を回転軸芯方向に一定ピツチで順
次送り出すとともに、前記鳩目２，２に連なる状
態で、かつ、袋３の表裏互いに反対側に設けられ
た帯板状補強材６，６と前記同一方向へのリード
角を有するねじ部２１との協働作用によつて、前
記袋開口部１を自動開口させ、ホツパー８の穀物
吐出口５に上下方向摺動可能に保持された可動吐
出口５Ａを開口部１内に挿入させた状態でシヤツ
ター７を開くことにより、穀物を袋３に充填す
る、コンバイン等に搭載された穀物の自動袋詰め
装置を構成する。

前記袋３の繰出し機構を詳述すると、前記左右
一対の回転軸４，４の一方４を縦軸芯ａ周りで水
平揺動可能な突出フレーム１１に取付固定すると
ともに、この回転軸４を前記突出フレーム１１と
固定側フレーム１５との間に設けられた圧縮スプ
リング２２によつて他方のものに対して遠ざかる
方向に付勢している。

この回転軸４，４に対して、前記袋３群を回転
軸４，４軸芯方向先端側に弾性的に押出すスプリ
ング１２，１２を設けると共に、前記各回転軸
４，４の中間部に、袋３を前後に積層支持する収
納部１３，１３を形成し、その中間部より先端側
には前記鳩目２，２に係合した状態での前記回転
軸４，４の回転軸芯周りの回転により、袋３を回
転軸先端側に送出すねじ溝１４，１４を形成して
前記ねじ部２１を構成し、かつ、前記回転軸４，
４を回転させるモータM₁，M₂を設けている。

前記回転軸４，４の直上方には、軸芯方向に沿
つた状態で、押えフレーム３０を、前記袋開口部
１上縁に上方から接当可能に架設するとともに、
後方支点で左右の押えフレーム３０，３０を一体
的に上下揺動可能に枢支してある。

前記一方の押えフレーム３０の袋送り方向前端
部には、開口を介して回転軸４側に向けて穀物充
填所定位置に向けて繰出される鳩目を感知するリ
ードスイツチS₁，S₂を設け、袋３が穀物吐出口５
下方に繰り出されたことを検出する繰出しセンサ
に構成してある。又、他方の押えフレーム３０の
先端部には縦軸芯Ｙ周りで水平揺動可能な上下二
段に枢支された揺動片３５，３５を後記する袋開
口部１に設けられたフアスナー２０のスライダー
９を作動可能な係止アーム１８と前記スライダー
９とに接当可能な状態に上下二段に張設し、この
揺動片３５，３５の係止アーム１８及びスライダ
ー９との接当による揺動を接触感知するスイツチ
を装備し、フアスナー閉じセンサS₁₁として構成
し、もつて、上方側揺動片３５のみが作動した場
合には係止アーム１８がスライダー９を係止せず
に作動したと判断して、再度フアスナー閉じ作業
を行なうに係止アーム１８を作動させるようにな
つている。

前記可動吐出口５Ａの下端外側方に水平軸Ｘ，
Ｘ周りで上下揺動可能なシヤツター部材１０Ａ，
１０Ａを、その閉塞状態でその先端部１０ａ，１
０ａ同志を平面視で凹凸状に形成された位置齟齬
する状態のものに構成するとともに、シヤツター
部材１０Ａ，１０Ａを前記可動吐出口５Ａの下降
作動に伴つて自動的に開放姿勢に揺動させ乍ら、
収納袋３の袋開口部１を大きく開口させ、もつ
て、前記可動吐出口５Ａの袋３内への挿入を誘導
するものに構成している。前記シヤツター部材１
０Ａ，１０Ａの下面で、かつ、横幅方向の端部材
に対角状に、袋開口センサS₃，S₄を設けてある。

尚、前記センサS₃，S₄は前記袋３の開放姿勢を
確認する為に用いられるもので、この検出作動に
よつて、後記する回動チエーン１９の昇降操作レ
バー５ａ下降操作後の第１回動を許容するもので
ある。

ホツパー８側に併設された自動袋詰め機構を詳
述すると、１６は前記可動吐出口５Ａに対する昇
降操作レバー５ａを昇降操作するための第１アー
ムであり、１７は前記シヤツター７に対する開放
操作レバー７ａを開閉操作するための第２アーム
であり、１８は後記するシヤツター７開状態ロツ
ク解除用揺動操作部材２４を接当操作する係合部
材１８であり、かつ、収納袋３の開口部１に装備
したフアスナー２０のスライダー９を閉塞方向に
移動させるための係止アームに兼用構成されたも
のであつて、これらは回動チエーン１９に、この
チエーン１９を介する待機位置（第１位置）から
シヤツター開口状態に対応する（第２位置）への
第１回動移動により、第１アーム１６による昇降
操作レバー５ａの下降操作と、係止アーム１８に
よる揺動操作部材２４の接当操作（この場合ロツ
ク機構に対する直接の作用は及ぼさない）及び第
２アーム１７による開放操作レバー７ａの開操作
とがその記載順に行なわれ、第２位置から第１位
置を経てのシヤツター閉塞位置（第３位置）への
第２回動移動により、第２アーム１７による開放
操作レバー７ａへの接当解除と係止アーム１８で
の揺動操作部材２４への接当揺動によるロツク解
除によるシヤツター７閉操作と第１アーム１６に
よる昇降操作レバー５ａの上昇操作及び係止アー
ム１８によるスライダー９の閉移動操作とがその
記載順に行なわれるように、かつ、同一チエーン
リンクに取付けられるように一体に形成されて操
作アーム２３として取付けられている。前記吐出
口５の袋取出し側前方箇所に配設してあるケース
３８に巻回収納されたモータM₃駆動の前記回動
チエーン１９は、前記袋３の吐出口５下に移送位
置されたことをスイツチS₁，S₂検出して、第１回
動移動を自動的に開始し、可動吐出口５Ａの袋開
口部１内への下降作動と第１シヤツター７の開作
動とを行なわせるとともに、第１位置に設けたシ
ヤツター開位置検出センサS₃の検出に基づいて第
１回動移動を自動的に停止し、前記可動吐出口５
Ａに設けた満杯検出センサS₅の検出に基づいて、
第２回動移動を開始し、シヤツター７を閉塞作動
させるとともに、この時点で一旦停止する。つま
り、前記第１シヤツター７に対するロツク機構の
揺動操作部材２４のロツク解除位置への揺動を感
知するシヤツター閉じセンサS₉を設け、このセン
サS₉の作動によつてチエーン１９が一旦停止する
とともに、このセンサS₉の作動によつて、システ
ム全体の制御回路内タイマー（図外）が作動し、
更に、一定時間経過した後再起動するように構成
してある。前記チエーンの起動によつて可動吐出
口５Ａが上昇し、チエーン１９が前記第１位置に
到達した時点で一定短時間一旦停止し再度起動し
てフアスナー閉じ作業を行なわせる。このフアス
ナー閉じ作業で前記スライダー９が閉じられたこ
とをフアスナー閉じセンサS₁₁によつて感知する
ことによつて、第１位置への復帰回動移動を自動
的に開始し、待機位置センサS₁₂の検出に基づい
て、その復帰回動移動を自動的に停止するもので
ある。

前記シヤツター７に対するロツク機構４８を詳
述すると、前記シヤツター７を閉じ側にスプリン
グ２５付勢する状態で設けるとともに、一端にシ
ヤツター７の突出片との係合溝２６Ａ、他端に牽
制部材２７との係合突出部２６Ｂを有するロツク
部材２６を縦軸心周りで揺動可能に枢支し、もつ
て、シヤツター７が開放操作されることに連動し
て該シヤツター７を、その突出片と係合溝２６Ａ
との嵌係合によつて開放位置に係止固定するよう
に構成している。このロツク部材２６にスプリン
グ２９付勢され、かつ、係合突出部２６Ｂと嵌係
合離脱自在な係合孔２７ａを設けた牽制部材２７
を縦軸心周りで揺動可能に設け、もつて、前記係
合突出部２６Ｂと係合孔２７ａとの嵌係合状態で
ロツク部材２６のロツク解除方向への移行を受け
止め阻止するように構成している。更に、この牽
制部材２７に対して、牽制解除方向に片当り操作
される揺動操作部材２４を設け、もつて、前記チ
エーン１９に連設された係止アーム１８の接当操
作によつて、揺動操作部材２４を牽制解除方向へ
の回動時のみ牽制部材２７に作用するように構成
している。前記揺動操作部材２４はスプリング２
８によつて中立復帰されるように付勢されている
ので、前記係止アーム１８との接当部２４Ａを前
記係止アーム１８の移動軌跡内に復帰させるよう
に構成されている。

上記のような構成のものにおいて、第１図ロに
示すように、前記操作アーム２３はシヤツター７
を開口状態に切換えて穀物充填作業中の待機位置
を、反転移動して前記揺動操作部材２４により近
接した位置に設定して、満杯検出センサS₅からの
信号によつて起動し、時間経過なく揺動操作部材
２４に接当作用する。

尚、ここで、操作アーム２３を上記のように、
シヤツター７を開口状態に切換えた後、揺動操作
部材２４に近接させた位置で待機するようにチエ
ーン１９を駆動制御する手段を前記制御回路中に
備えている。

次に、係止アーム１８がスライダー９を係止し
たかどうかを検出するスライダーキヤツチセンサ
S₁₀を説明する。第９図及び第１０図に示すよう
に、スライダー９のリング状部９Ａに係合する断
面コの字形の係止部１８Ａを係止アーム１８に一
体形成するとともに、前記係止部１８Ａ内部空間
内に臨む接触部３１Ａを有するリミツトスイツチ
３１を前記係止部１８Ａに取付け、スライダーキ
ヤツチセンサS₁₀を構成してある。前記係止部１
８Ａの上面にはリミツトスイツチ３１からの信号
を外部に発する第１端子３２，３２を設け、この
第１端子３２，３２と接触して信号を受けとる第
２端子３３，３３を機体側延出のフレーム３４に
取付けてある。

次に、穀物充填中の穀物収納袋３に対する振動
機構を説明する。第２図及び第８図に示すよう
に、回転軸４，４の下方に作業台３６を延出し、
この作業台３６の穀物吐出口５の下方に、回転軸
４，４の軸心に直交する軸心Ｚ周りで上下揺動可
能な振動台３７を取付けてある。前記振動台３７
は軸心Ｚに位置する揺動軸３９に固着され、この
揺動軸３９を作業台３６の裏面にベアリングブロ
ツク４０，４０を介して枢支してある。前記揺動
軸３９の対向位置には袋揺動モータM₄を設け、
この袋揺動モータM₄を減速ギヤ機構４１を介し
て揺動軸３９に伝動連結してある。以上の構成か
ら袋揺動モータM₄を連続的に正逆作動させて作
業台３６を揺動させ、充填中の袋３に振動を与え
袋３内に十分穀物を収納できるようにしてある。

第８図に示すように、作業台３６の外端側に補
助台４２を設け、この補助台４２を作業台３６に
設けられたブラケツト４３に枢支し、前記軸心Ｚ
に平行な横軸心Ｐ周りで上下揺動自在に取付けて
ある。前記補助台４２は作業台３６との間に架渡
された引張りバネ４４の付勢力によつて、傾斜状
態の待機姿勢に設定され、放出機構４５としての
回転軸４の回転作動によつて放出されてくる満杯
袋３′を受止め、水平姿勢に切替る。前記作業台
３６の突出端にはリミツトスイツチが設けられ、
満杯袋３′を受止めて水平姿勢になる補助台４２
に接当して、満杯袋３′が補助台４２に載置され
ていることを感知する満杯袋検出センサS₇に構成
してある。以上の構成から満杯袋検出センサS₇が
感知作動している間は回転軸４の作動が停止さ
れ、次の満杯袋３′が放出されないようになつて
いる。

以上の構成をもとに、袋３が穀物充填所定位置
に繰出され、袋詰め機構によつて充填され、放出
されるまでの制御形態を第７図のフローに示す。
尚、図中４６はメインスイツチであり、４７はリ
セツトスイツチである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀物の自動袋詰め装置の実
施例を示し、第１図イ，ロ，ハは、夫々、ロツク
機構の作動状態を示す平面図で、イはシヤツター
開状態、ロは操作アームの充填中における待機位
置、ハは操作アームが操作部材に作用した状態を
示し、第２図は袋に対する揺動機構を示す正面
図、第３図は全体正面図、第４図は全体側面図、
第５図は袋繰出し機構を示す側面図、第６図は全
体平面図、第７図はフローチヤート図、第８図は
作業台と補助台を示す側面図、第９図はスライダ
ーキヤツチセンサを示す側面図、第１０図はスラ
イダーキヤツチセンサを示す正面図である。 ５……穀物吐出口、７……シヤツター、８……
穀物収納ホツパー、１９……チエーン、２３……
操作アーム、２４……操作部材、２５……スプリ
ング、４８……ロツク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穀物収納ホツパー８の下部に穀物吐出口５を設
   けるとともに、この穀物吐出口５に閉塞方向にス
   プリング２５で付勢されたシヤツター７を設け、
   かつ、前記シヤツター７を前記穀物吐出口５を閉
   塞する位置と開口する位置とに切換駆動するチエ
   ーン１９を巻回横架してあるとともに、バネ付勢
   力に抗して前記シヤツター７の前記開口状態を維
   持するロツク機構４８とこのロツク機構４８のロ
   ツク解除用の操作部材２４とを設け、更に、前記
   チエーン１９の一方向への移動によつてシヤツタ
   ー７を前記閉塞状態から前記開口状態に駆動移動
   させる操作アーム２３を、穀物充填後前記シヤツ
   ター７の前記開口状態に対応した開口位置から前
   記シヤツター７の前記閉塞状態に対応した閉塞位
   置への反転移動によつて、前記操作部材２４をロ
   ツク解除方向に作動させるように前記チエーン１
   ９に設けてある穀物の自動袋詰め装置であつて、
   穀物充填中の前記操作アーム２３の待機位置を前
   記操作部材２４に近接した位置に設定するよう
   に、前記操作アーム２３を前記開口位置に到つた
   状態から反転移動させて停止する制御手段を設け
   てある穀物の自動袋詰め装置。