JPH0135908Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、鞄投入口開閉扉と連動する鞄リフト
装置を備えた夜間金庫に関するものである。

〔従来の技術〕

夜間金庫は銀行等金融機関の店舗に設備され、
主に閉店後に利用できるようにしたものである
が、最近その需要が増加し、更に鞄が多く収容保
管可能なように改善が迫られている。そこで出願
人はすでに前記改善を図るために、基台壁部の一
部を開口し鞄投入口を形成させ該鞄投入口に投入
口扉を設け、前記基台の庫内側後壁の一部に鞄投
入口より高い位置を開口させシユート口を設けた
塔と、該塔内において内部に投入口とシユート口
との連絡路を有する箱体と、該箱体を投入口扉の
手動開閉操作に連動させて上昇及び下降させるリ
フト装置により鞄をエレベーター式に上部のシユ
ート口へ揚送し保管庫内へ収容させる夜間金庫を
開発した。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記構成による夜間金庫では、利用者
が夜間金庫を利用する場合、投入口扉を100゜程度
回転運動させることにより投入口扉を開扉、閉扉
させ、この回転機構に連繋させたチエーン及びス
プロケツトで箱体を上昇及び下降させているの
で、鞄を投入口よりシユート口へ揚送させる範囲
が限られるという問題があり、また箱体を上昇、
下降させるリフト装置と投入口扉とをチエーン及
びスプロケツトで機械的に連動させているため、
利用者は開扉、閉扉操作時に多くの力が必要であ
るという欠点があつた。また、鞄投入口に鞄を投
入し、閉扉操作後、鞄投入口扉を係止する機構を
備えていなかつたため、防犯態勢が万全であると
はいえなかつた。

〔課題を解決するための手段〕

上記従来技術による問題点を解決するための具
体的手段として、本考案は、基体壁部の一部を開
口して形成した鞄投入口と、上記基体壁部に軸支
した鞄投入口開閉扉と、上記鞄投入口から投入さ
れた鞄を収納する保管庫と、この保管庫の内部に
上記基体壁部に垂直に支持固着され、かつ下側の
位置に上記鞄投入口と連通する鞄受入口を設け、
また上側の位置に上記保管庫に向つて鞄吐出口を
設けた筒状のリフトハウジングと、上記鞄受入口
から受入れた鞄を内挿保持し、上記鞄吐出口より
保管庫に向けて自重により落下させるための傾斜
底面を有するリフトケースと、このリフトケース
を上記筒状のリフトハウジングの内部における鞄
受入口の位置から鞄吐出口の位置まで昇降移動さ
せる鞄リフト装置とからなる夜間金庫であつて、
上記鞄リフト装置は、上記筒状のリフトハウジン
グの上部および下部に軸着されたスプロケツト
と、この両スプロケツト間に張設され、かつ上記
リフトケースを吊設したチエーンと、上記スプロ
ケツトに正、逆回転の駆動力を与えるモータと、
鞄投入口開閉扉の閉扉により作動され、上記モー
タを回転駆動させる閉扉リミツトスイツチと、上
記鞄投入口開閉扉の支軸に取付けた、切欠部を有
するラチエツトと、該ラチエツトの切欠部に係止
させる係止爪を有する爪体と、上記閉扉リミツト
スイツチにより作動し、上記リフトケースが、上
記鞄受入口の位置から上記鞄吐出口の位置まで揚
送されたのち、上記鞄受入口の位置まで下降する
間、上記係止爪をラチエツトの切欠部に係合させ
るソレノイドとを具備する鞄リフト装置を備えた
夜間金庫を提案するものである。

〔作用〕

上記の手段により、鞄投入のための投入口扉の
開閉作動に伴い、閉扉リミツトスイツチが作動し
て、モータが駆動し、スプロケツトおよびチエー
ンに駆動力が伝達されて、リフトケースを昇降動
させる。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面について詳細に
説明する。

第１図は、本考案に係る夜間金庫の鞄リフト装
置の縦側断面図、第２図は、同装置の鞄投入口部
分の拡大縦側断面図である。第３図は、第１図の
装置の縦断背面図、第４図は、同じく横断面図を
示す。第５図は、鞄リフト装置を備えた夜間金庫
の縦側断面図である。第１図ないし第５図を参照
して、基体壁部１の一部を開口して鞄投入口２を
形成し、この鞄投入口に開閉扉３を設ける。鞄投
入口開閉扉３は、前面に取手アーム３ａを設け、
内部に鞄投入時傾斜面となるシユート部３ｂを形
成すると共に、ローター状に構成され、上記基体
壁部１に支承した軸４に取付ける。鞄投入口２の
内側には投入された鞄５を収納する保管庫６が設
けられる。７は、保管庫６の後背部に設けた回収
用の金庫扉である。

上記保管庫６の内部には、筒状のリフトハウジ
ング１０が、上記基体壁部１に垂直に支持固着さ
れる。上記筒状のリフトハウジング１０は、下側
の位置の一方の側に横長長方形状の鞄受入口１０
ａを有し、また上側の位置の他方の側に同形状の
鞄吐出口１０ｂを有する。そして、一方の鞄受入
口１０ａは上記鞄投入口２と連通し、他方の鞄吐
出口１０ｂは鞄投入口２よりも高い位置において
保管庫６の内側に開放されている。筒状のリフト
ハウジング１０には、後述する鞄リフト装置９に
より、その内部を鞄受入口１０ａの位置から鞄吐
出口１０ｂの位置まで昇降移動するリフトケース
１１が内装されている。このリフトケース１１に
は、上記リフトハウジング１０の下側の位置で鞄
受入口１０ａと対向し、同様に上側の位置で鞄吐
出口１０ｂと対向する鞄収容室１２を形成する。
鞄収容室１２の下面は、保管庫６の庫内側に傾斜
しており、水平面に対して約45゜の角度をなす傾
斜底面１２ａとなつている。リフトケース１１の
庫内側の下端部にはピン１３を取付け、これにフ
ラツプ１４を枢支している。

次に、リフトケース１１を筒状のリフトハウジ
ング１０の内部において昇降移動せしめる鞄リフ
ト装置９について説明する。筒状のリフトハウジ
ング１０の上部および下部の軸２０及び２１に、
左右一対のスプロケツト２２，２２および２３，
２３を固定すると共に、この上下のスプロケツト
２２，２２および２３，２３間にそれぞれチエー
ン２４，２４を張設する。そして、左右のチエー
ン２４，２４の所定位置にリフトケース１１を吊
設する。

上記筒状のリフトハウジング１０の下側の支軸
２１には、モータ２５の駆動軸２５ａを軸継手２
６を介して連結させてある。一方、鞄投入口開閉
扉３の支軸４には、ラチエツト３０を取付ける。
ラチエツト３０は、切欠部３０ａと閉扉検出凸部
３０ｂを備え、鞄投入口開閉扉３の開閉作動に伴
い、第２図の実線の位置から鎖線の位置に揺動す
る。鞄投入口２の側壁には、上記ラチエツトの切
欠部３０ａに係止させる係止爪３１ａを先端部に
有する爪体３１が揺動可能に設けられる。爪体３
１の上方に、ソレノイド３２を配設し、ソレノイ
ド３２のプランジヤ３３と上記爪体３１とを板杆
３４で連結させる。また、鞄投入口開閉扉３の側
壁には、上記ラチエツトの閉扉検出凸部３０ｂと
当接する接触片３５ａを先端部に有する閉扉リミ
ツトスイツチ３５を設ける。この閉扉リミツトス
イツチ３５は、後述するように、ラチエツト３０
の揺動に伴い、上記モータ２５とソレノイド３２
を作動させる。

鞄投入口開閉扉３には、錠前４０が嵌装してあ
り、該錠前４０に設けた閂杆４１が鞄投入口２の
天板に嵌入し、施錠される。錠前４０を鍵により
解錠すると、上記閂杆４１に連繋する錠前検出リ
ミツトスイツチ４２がソレノイド３２を作動させ
る。ソレノイド３２に通電されると、プランジヤ
３３が引込み、板杆３４を介して爪体３１を第１
図及び第２図における上方に揺動させるので、係
止爪３１ａとラチエツトの切欠部３０ａとの係合
が離脱され、鞄投入口開閉扉３は開扉可能とな
る。

鞄投入口開閉扉３を開開し、鞄５の鞄投入口２
よりリフトケース１１内に投入した後、閉扉する
と、閉扉リミツトスイツチ３５の接触片３５ａ
に、ラチエツト３０の閉扉検出凸部３０ｂが当接
し、ソレノイド３２のプランジヤ３３は突出し、
このプランジヤに板杆３４を介して連結された爪
体３１を押し下げるので、係止爪３１ａがラチエ
ツトの切欠部３０ａに係止され、鞄投入口開閉扉
３を開扉下能とさせる。

このとき、閉扉リミツトスイツチ３５の作動に
より、モータ２５に通電され、モータ２５は回転
し、その駆動力が駆動軸２５ａから軸継手２６を
介してリフト昇降用スプロケツト２３，２３へ伝
達され、さらにチエーン２４，２４が伝動して、
鞄５が収容されたリフトケース１１を筒状のリフ
トハウジング１０の上部に向つて揚送させる。モ
ータの駆動軸２５ａには、フランジ５０を形成
し、その周面の一部に、リフトケース１１の上死
点位置を検出する上限検出凸部５１及び下死点位
置を検出する下限検出凸部５２をそれぞれ設け
る。そして、この上限検出凸部５１と下限検出凸
部５２に対応する位置に、上限リミツトスイツチ
５３と下限リミツトスイツチ５４を設け、モータ
２５の作動及び停止と、ソレノイド３２を作動さ
せるためのスイツチングを行わせる。

すなわち、閉扉リミツトスイツチ３５の作動に
より、リフトケース１１が筒状のリフトハウジン
グ１０の上死点に達するまでモータ２５を正回転
させ、上限検出凸部５１が上限リミツトスイツチ
５３に当接すると、モータは停止し、逆回転の状
態で待機させられる。筒状のリフトハウジング１
０の上死点位置において鞄５が保管庫６内へ落下
するに充分な時間（約１秒）タイマー等によりリ
フトケース１１を停止させた後、モータ２５は逆
回転し、リフトケース１１は下降する。モータ２
５は、リフトケース１１が筒状のリフトハウジン
グ１０の下死点に達するまで逆回転し、下限検出
凸部５２が下限リミツトスイツチ５４に当接する
と、モータ２５は停止させられ、正回転の状態で
待機する。同時に、下限リミツトスイツチ５４の
作動により、ソレノイド３２へ通電され、プラン
ジヤ３３が引込み、連繋する爪体３１を引き上げ
るので、係止爪３１ａとラチエツトの切欠部３０
ａとの係合が離脱し、鞄投入口扉３の開閉が可能
となり、次の鞄を投入することができる。

投入すべき鞄が１個だけのときか、最後の鞄を
投入し終りリフトケース１１が揚送動作を終え下
死点に戻つたときには、利用者が錠前４０を施錠
すると、閂杆４１が押し出され鞄投入口２の天板
に嵌入し、錠前検出リミツトスイツチ４２を作動
させるので、ソレノイド３２への通電が停止さ
れ、プランジヤ３３は押し出され、爪体の係止爪
３１ａとラチエツトの切欠部３０ａとが係合し
て、開扉を不可能とする。

なお、鞄を投入口２より投入し、鞄投入口開閉
扉３を閉扉した後、直ちに開扉しようとしても、
モータ２５によりリフトケース１１が揚送され、
上死点において上限リミツトスイツチ５３を作動
させ、鞄５を保管庫６内へ吐出してから、リフト
ケース１１が下降し、下死点において下限リミツ
トスイツチ５４を作動させるまでの間は、ソレノ
イド３２への通電は停止されているので、鞄投入
口扉３の開扉は不可能である。

〔考案の効果〕

上記の構成からなる本考案の夜間金庫によれ
ば、リフトケースを昇降動させるチエーン及びス
プロケツトの駆動は、鞄投入口扉と連動するモー
タの正、逆回転により行われるので、揚送範囲は
前述した手動によるものにくらべ、著しく向上さ
せることができ、たとえば建物１階に設けた鞄受
入口から、２階に設けた鞄吐出口へ揚送すること
もできる。

また、鞄を収容させたリフトケースを上昇、下
降させるための駆動力は、チエーン及びスプロケ
ツトに連繋させたモータにより行われるので、前
述した手動による夜間金庫のように鞄投入口扉の
開閉時における力は著しく低減でき、開閉操作を
円滑容易に行うことができる。

さらに、鞄投入口扉に設けたラチエツトと、係
止爪を有する爪体と、ソレノイドと、ソレノイド
を作動させるリミツトスイツチによる鞄投入口扉
の係止機構により、鞄投入口より鞄を投入し、閉
扉してから、リフトケースを上昇させ上死点にお
いて鞄を保管庫内へ落下させ、リフトケースが下
降し下死点に到達するまで、鞄投入口扉は開扉で
きないので、鞄投入口からの盗難やトリツク防止
に効果があり、所期の目的を充分に達成し得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は、本考案に係る夜間金庫
の実施例図であり、第１図は夜間金庫の鞄リフト
装置の縦側断面図、第２図は、同装置の鞄投入口
部分の拡大縦側断面図である。第３図は、第１図
の装置の縦断背面図、第４図は、同じく横断面図
を示す。第５図は、夜間金庫の縦側断面図であ
る。 １……基体壁部、２……鞄投入口、３……鞄投
入口開閉扉、３ａ……取手アーム、３ｂ……シユ
ート部、４……支軸、５……鞄、６……保管庫、
７……金庫扉、９……鞄リフト装置、１０……筒
状のリフトハウジング、１０ａ……鞄受入口、１
０ｂ……鞄吐出口、１１……リフトケース、１２
……鞄収容室、１２ａ……傾斜底面、１３……ピ
ン、１４……フラツプ、１５……取付金具、２
０，２１……軸、２２，２３……スプロケツト、
２４……チエーン、２５……モータ、２５ａ……
駆動軸、２６……軸継手、３０……ラチエツト、
３０ａ……切欠部、３０ｂ……閉扉検出凸部、３
１……爪体、３１ａ……係止爪、３２……ソレノ
イド、３３……プランジヤ、３４……板杆、３５
……閉扉リミツトスイツチ、３５ａ……接触片、
４０……錠前、４１……閂杆、４２……錠前検出
リミツトスイツチ、５０……フランジ、５１……
上限検出凸部、５２……下限検出凸部、５３……
上限検出スイツチ、５４……下限検出スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基体壁部の一部を開口して形成した鞄投入口
   と、上記基体壁部に軸支した鞄投入口開閉扉と、
   上記鞄投入口から投入された鞄を収納する保管庫
   と、この保管庫の内部に上記基体壁部に垂直に支
   持固着され、かつ下側の位置に上記鞄投入口と連
   通する鞄受入口を設け、また上側の位置に上記保
   管庫に向つて鞄吐出口を設けた筒状のリフトハウ
   ジングと、上記鞄受入口から受入れた鞄を内挿保
   持し、上記鞄吐出口より保管庫に向けて自重によ
   り落下させるための傾斜底面を有するリフトケー
   スと、このリフトケースを上記筒状のリフトハウ
   ジングの内部における鞄受入口の位置から鞄吐出
   口の位置まで昇降移動させる鞄リフト装置とから
   なる夜間金庫であつて、 上記鞄リフト装置は、上記筒状のリフトハウジ
   ングの上部および下部に軸着されたスプロケツト
   と、この両スプロケツト間に張設され、かつ上記
   リフトケースを吊設したチエーンと、上記スプロ
   ケツトに正、逆回転の駆動力を与えるモータと、
   鞄投入口開閉扉の閉扉により作動され、上記モー
   タを回転駆動させる閉扉リミツトスイツチと、上
   記鞄投入口開閉扉の支軸に取付けた、切欠部を有
   するラチエツトと、該ラチエツトの切欠部に係止
   させる係止爪を有する爪体と、上記閉扉リミツト
   スイツチにより作動し、上記リフトケースが、上
   記鞄受入口の位置から上記鞄吐出口の位置まで揚
   送されたのち、上記鞄受入口の位置まで下降する
   間、上記係止爪をラチエツトの切欠部に係合させ
   るソレノイドとを具備する 鞄リフト装置を備えた夜間金庫。