JPH04370454A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JPH04370454A
JPH04370454A JP3169328A JP16932891A JPH04370454A JP H04370454 A JPH04370454 A JP H04370454A JP 3169328 A JP3169328 A JP 3169328A JP 16932891 A JP16932891 A JP 16932891A JP H04370454 A JPH04370454 A JP H04370454A
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JP
Japan
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gear
range
transmission section
speed
shift
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Pending
Application number
JP3169328A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Tabata
淳 田端
Yutaka Taga
豊 多賀
Yasuo Hojo
康夫 北條
Kazumasa Tsukamoto
一雅 塚本
Masahiro Hayabuchi
正宏 早渕
Masahiko Ando
雅彦 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車両用の自動変速機に
おいて変速を制御するための装置に関し、特に後進段お
よび複数の前進段を設定することのできる主変速部と少
なくとも高低の二段に変速することのできる副変速部と
を備えた自動変速機の変速制御装置に関するものである
【0002】
【従来の技術】上述した主変速部と副変速部とを備えた
自動変速機は、主変速部を最高速段に設定した状態で副
変速部を高速段に設定することにより、変速比が”1”
以下のいわゆるオーバードライブ段に設定することがで
き、燃費を向上させ、また静粛性を向上させることがで
きる。またこのような主変速部と副変速部とを備えた自
動変速機で設定できる変速段の数は、主変速部での変速
段数と副変速部での変速段数とを掛けたものとなるから
、設定可能な変速段が多くなり、多様性のある自動変速
機とすることができる。そのため例えば特開昭60−1
16953号公報に記載された発明では、エコノミーモ
ードを選択している状態でドライブレンジに設定して停
止している場合に、副変速部を高速段に設定し、車速が
“0”であることにより主変速部が第1速になり、その
結果、発進時の変速段をいわゆる第1.5 速にするこ
ととしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した発明における
ように発進時の変速段を最低速段よりも高速段側の変速
段に設定すれば、前進レンジを選択して停止していると
きに生じるクリープトルクを小さくすることができるの
で、停止状態を保つためのブレーキ力を小さくすること
ができる。しかしその反面、変速比が最低速段の変速比
より小さいことにより駆動輪に生じるトルクが小さく、
そのため発進時の加速性が劣る不都合があった。
【0004】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、クリープトルクの低減と発進加速性の向上と
を共に満すことのできる変速制御装置を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、図1に示す手段を備えていることを
特徴とするものである。すなわち請求項1に記載した発
明は、摩擦係合要素の係合・解放の状態に応じて後進段
と複数の前進段とに設定される主変速部1と、摩擦係合
要素の係合・解放の状態に応じて少なくとも高低二段に
設定される副変速部2と、出力軸3に動力を伝達しない
ニュートラルレンジおよび前進段を設定する前進レンジ
を含む複数のレンジを手動操作によって選択するレンジ
選択装置4とを備えた車両用自動変速機の変速制御装置
において、前記レンジ選択装置4により選択されたレン
ジを検出するレンジ検出手段5と、車速もしくは車速に
関連するデータとスロットル開度もしくはスロットル開
度に関連するデータを含む走行状態を検出する走行状態
検出手段6と、前進レンジが選択されかつ車速が予め定
めた基準車速以下のときに、スロットル開度が所定値よ
り小さければ前記副変速部2を高速段に設定し、かつス
ロットル開度が所定値以上であれば、前記副変速部2を
低速段に設定する副変速部切換手段7とを具備している
ことを特徴とするものである。
【0006】また請求項2に記載した発明は、前記副変
速部切換手段7を、更に、ニュートラルレンジにおいて
副変速部2を高速段に設定させるよう構成したことを特
徴とするものである。
【0007】さらに請求項3に記載した発明は、請求項
2に記載した発明に、ニュートラルレンジから前進レン
ジへの切換えを検出するシフト検出手段8と、ニュート
ラルレンジから前進レンジへの切換え時点からの経過時
間を検出するタイマ9と、ニュートラルレンジから前進
レンジへの切換え時点から予め定めた時間が経過するま
での間は副変速部2の低速段への切換えを禁止する低速
段禁止手段10とを付加して構成したことを特徴とする
ものである。
【0008】
【作用】この発明の変速制御装置では、選択されている
走行レンジはレンジ検出手段5によって検出され、また
車速やスロットル開度などの走行状態は走行状態検出手
段6によって検出される。そして検出されたレンジが前
進レンジでかつ車速が基準車速以下のとき、スロットル
開度が所定値より小さければ、副変速部切換手段7が副
変速部2を高速段に設定する。したがってこの状態での
発進時の変速段は、最低速段よりも少なくとも一段高速
段側の変速段になる。また検出されたスロットル開度が
所定値以上であれば、副変速部切換手段7が副変速部2
を低速段に設定する。したがってこの状態での発進時の
変速段は、主変速部1が第1速になることにより最低速
段、すなわち第1速になる。
【0009】また請求項2に記載した発明においては、
検出されたレンジがニュートラルレンジであれば、副変
速部切換手段7が副変速部2を高速段に設定する。した
がってニュートラルレンジから前進レンジにシフトした
際に副変速部2の変速は生じない。
【0010】さらに請求項3に記載した発明においては
、前進レンジでスロットル開度が所定値以上であれば、
副変速部2が低速段に設定されるが、ニュートラルレン
ジから前進レンジにシフトした時点から一定時間が経過
するまでは、低速段禁止手段10が副変速部2の低速段
への切換えを禁止するから、ニュートラルレンジから前
進レンジにシフトした際には、先ず主変速部1のみで変
速が実行され、しかる後、一定時間が経過することによ
り副変速部2が低速段に切替わる。したがって前進レン
ジにシフトした際のスロットル開度が大きくても、副変
速部2の高速段から低速段への変速および主変速部1の
第1速への変速が同時に生じることはない。
【0011】
【実施例】図2はこの発明の一実施例を示すブロック図
であって、ここに示す自動変速機は、トルクコンバータ
11と、副変速部12と、主変速部13とを備えている
。副変速部12は、オーバードライブ用の変速部であっ
て、高速段と低速段との二段の変速を行うようになって
おり、また主変速部13は、複数の前進段と後進段とを
設定するようになっている。これらの各変速部12,1
3の具体例は後述する。
【0012】各変速部12,13での変速は、クラッチ
やブレーキなどの摩擦係合要素を適宜に係合もしくは解
放させることにより行われ、そのための油圧制御装置1
4が設けられている。この油圧制御装置14による油圧
の給排の切換えは、第1ないし第4の四つのソレノイド
バルブ15,16,17,18によって行うようになっ
ており、これらのうち第1ソレノイドバルブ15は副変
速部12における高速段(ハイ)と低速段(ロー)との
切換えを行うものである。また第2ソレノイドバルブ1
6は主変速部13での第1速と第2速との変速を実行し
、第3ソレノイドバルブ17は第2速と第3速との変速
を実行し、第4ソレノイドバルブ18は第3速と第4速
との変速を実行するようになっている。
【0013】上記の各ソレノイドバルブを制御する制御
装置(ECU)19は、演算処理装置20と記憶装置2
1と入出力インターフェース22とを備えており、入力
される信号に基づいて各変速部12,13の変速制御を
行うようになっている。すなわちこの制御装置19には
、パーキング(P)レンジ、リバース(R)レンジ、ニ
ュートラル(N)レンジあるいはドライブ(D)レンジ
などのシフトレバー23によって選択したポジションに
対応するシフトポジション信号Sp 、車速Vに応じた
信号、スロットル開度θに応じた信号、N(ノーマル)
モードあるいはP(パワー)モードに応じた走行モード
信号、エンジン水温Tw に応じた信号、エンジン回転
数Ne に応じた信号等の信号が入力されている。そし
て車速Vおよびスロットル開度θならびに選択された走
行モードに対応する変速マップ(変速線図)に従って設
定すべき変速段を選択し、その変速段を達成するよう第
1ないし第4のソレノイドバルブ15,〜18のいずれ
かに信号を出力するようになっている。
【0014】上述した自動変速機の具体的な一例を図3
にスケルトン図で示す。ここに示す自動変速機における
トルクコンバータ11は、ロックアップクラッチLc 
を備えており、このロックアップクラッチLc は、ポ
ンプインペラ26に一体化させてあるフロントカバー2
7とタービンランナ28を一体に取付けた部材(ハブ)
29との間に設けられている。エンジンのクランクシャ
フト(それぞれ図示せず)はフロントカバー27に連結
され、またタービンランナ28を連結してある入力軸3
0は、副変速部12を構成するオーバードライブ用遊星
歯車機構31のキャリヤ32に連結されている。この遊
星歯車機構31におけるキャリヤ32とサンギヤ33と
の間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 
とが設けられている。なお、この一方向クラッチF0 
はサンギヤ33がキャリヤ32に対して相対的に正回転
(入力軸30の回転方向の回転)する場合に係合するよ
うになっている。またサンギヤ33の回転を選択的に止
める多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの
副変速部12の出力要素であるリングギヤ34が、主変
速部13の入力要素である中間軸35に接続されている
。したがって副変速部12は、多板クラッチC0 もし
くは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車
機構31の全体が一体となって回転するため、中間軸3
5が入力軸30と同速度で回転し、またブレーキB0 
を係合させてサンギヤ33の回転を止めた状態では、リ
ングギヤ34が入力軸30に対して増速されて正回転す
るようになっている。
【0015】他方、主変速部13は三組の遊星歯車機構
40,50,60を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
40のサンギヤ41と第2遊星歯車機構50のサンギヤ
51とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構40のリングギヤ43と第2遊星歯車機構50のキャ
リヤ52と第3遊星歯車機構60のキャリヤ62との三
者が連結され、かつそのキャリヤ62に出力軸70が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構50のリングギ
ヤ53が第3遊星歯車機構60のサンギヤ61に連結さ
れている。
【0016】この主変速部13の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構50のリングギヤ53および第3
遊星歯車機構60のサンギヤ61と中間軸35との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された
第1遊星歯車機構40のサンギヤ41および第2遊星歯
車機構50のサンギヤ51と中間軸35との間に第2ク
ラッチC2 が設けられている。つぎにブレーキについ
て述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであ
って、第1遊星歯車機構40および第2遊星歯車機構5
0のサンギヤ41,51の回転を止めるように配置され
ている。またこれらのサンギヤ41,51とケーシング
71との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレ
ーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されてお
り、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,5
1が逆回転(入力軸35の回転方向とは反対方向の回転
)しようとする際に係合するようになっている。多板ブ
レーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構4
0のキャリヤ42とケーシング71との間に設けられて
いる。そして第3遊星歯車機構60のリングギヤ63の
回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブ
レーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシン
グ71との間に並列に配置されている。なお、この第2
一方向クラッチF2 はリングギヤ63が逆回転しよう
とする際に係合するようになっている。
【0017】上記の自動変速機では、副変速部12がハ
イ・ローの二段の切換えを行うことができ、かつ主変速
部13が前進側で四段の変速を行うことができるので、
後進段と前進8段との変速を行うことができ、これらの
変速段を設定するための各クラッチおよびブレーキの係
合作動表を図4に示す。なお、図4において○印は係合
状態、●印はエンジンブレーキ時に係合状態、空欄は解
放状態をそれぞれ示す。またギヤ比の一例を図4に併せ
て示す。
【0018】図2に示す変速制御装置は、前記記憶装置
21の記憶内容として複数の変速マップを備えており、
それらのうちDレンジで使用される変速マップとして、
車速Vおよびスロットル開度θに応じて設定される複数
の変速段からなる変速段列の異なる変速マップを備えて
いる。その変速段列の例を図5および図6に示してある
。図5に示す変速段列(仮に、Aギヤ列と記す)は、図
4に示す8つの変速段のうち、1st、2nd、3rd
、4th、5thからなるものであって、第5速(5t
h)を除いて副変速部12を低速段(ロー)にして設定
される変速段列である。また図6に示す変速段列(仮に
、Bギヤ列と記す)は図4に示す8つの変速段のうち,
1st,1.5th ,2.5th ,3.5th ,
4.5th (=5th)からなるものであって、第1
速(1st)を除いて副変速部12を高速段(ハイ)に
して設定される変速段列である。すなわちこれらいずれ
のギヤ列においても、副変速部12もしくは主変速部1
3のいずれか一方のみを変速することにより自動変速機
の全体としての変速を達成でき、したがっていずれかの
ギヤ列に従って変速を行うことにより同時変速が生じな
いようになっている。なお、採用するギヤ列を走行中に
変更することも可能であって、Aギヤ列の第2速とBギ
ヤ列の第2.5 速との間の変速、およびAギヤ列の第
3速とBギヤ列の第3.5 速との間の変速は、主変速
部13の変速を行わずに副変速部12をハイもしくはロ
ーに切換えることにより、同時変速とならずに達成でき
るので、予め定めた所定の条件が成立することにより、
これらの変速段の間での変速が生じるようになっている
【0019】上記のAギヤ列とBギヤ列とのうち、通常
はBギヤ列に従って変速が行われるよう構成されており
、その変速マップの一例を図7に示す。なお、図7のう
ち(I)はアップシフト用のマップ、(II)はダウン
シフト用のマップである。なお、図7の(II)におい
て第1.5 速から第1速へのダウンシフト線を破線で
示しているのは、走行条件に応じてこのダウンシフト線
が設定される場合と設定されない場合とがあることを示
している。その走行条件は、運転者から高加速性の要求
があること、要求される出力を特に支障なくエンジンが
出し得る状態にあること等であって、その具体的なパラ
メータの例は後述する。またこのダウンシフト線で画定
される第1速の領域は、所定のスロットル開度α以上に
設定されている。
【0020】図2に示す変速制御装置は、前進レンジの
うち例えばDレンジが選択されているときに走行状態に
応じて図7に示す変速マップを選択し、その変速マップ
に従って各変速段を設定するようになっている。図8お
よび図9は、そのような変速制御を行うための制御ルー
チンを示すフローチャートであって、先ず図8において
、ステップ10で車速やスロットル開度θ、シフトポジ
ションなどの各データの読込みを行い、ついでステップ
20で、選択されているレンジがNレンジか否かの判断
を行い、その判断結果が“イエス”であれば、副変速部
12のブレーキB0 を係合させて副変速部12を高速
段に設定する(ステップ30)。またNレンジでなけれ
ばステップ40に進み、DレンジがNレンジからのシフ
トによって選択されたか否かを判断し、その判断結果が
“イエス”であれば、ステップ50において変速パター
ン(すなわち変速マップ)を読込み、その変速パターン
に従って車速Vやスロットル開度θに応じて目標変速段
を決定し(ステップ60)、その決定した変速段を設定
するよう変速指令信号を出力する(ステップ70)。
【0021】上記のステップ50においては、第1速へ
のダウンシフト線のある変速マップと、このダウンシフ
ト線のない変速マップとのいずれかが走行状態に応じて
読込まれる。その例を図9に示してあり、ステップ40
の判断結果が“イエス”の場合、走行モードとしてパワ
ー(P)モードが選択されているか否か(ステップ51
)、エンジン水温Tw が所定温度T0 より低いか否
か(ステップ52)、スロットル開度θの変化率dθ/
dtが所定値を越えているか否か(ステップ53)の判
断を行い、それらの判断結果のいずれもが“イエス”の
場合に第1速へのダウンシフト線のある変速マップを選
択し(ステップ54)、またいずれかの判断結果が“ノ
ー”であれば、第1速へのダウンシフト線のない変速マ
ップを選択する(ステップ55)。
【0022】したがって動力性能に優れた変速を行うパ
ワーモードか選択され、かつエンジン水温が高すぎず、
またアクセルペダルが急激に踏み込まれた場合、第1速
を設定可能になるので、スロットル開度θが所定開度α
以上であれば、第1.5 速からのダウンシフトが生じ
て第1速が設定される。すなわちNレンジでは副変速部
12のブレーキB0 が係合させられている(ステップ
30)ので、Dレンジにシフトすることにより第1.5
 速が設定されるが、スロットル開度θが所定開度α以
上でかつ車速Vが“0”であるために、変速マップに従
い目標変速段として第1速が決定され(ステップ60)
、これを達成するよう変速指令信号が出力される(ステ
ップ70)。その結果、第1速で発進することになるか
ら、発進性能が良好になる。なお、スロットル開度θが
所定開度αより小さければ、第1速へのダウンシフト線
のある変速マップを選択していても、発進時の変速段は
第1.5 速となる。
【0023】またパワーモードが選択されていなこと、
アクセルペダルの踏み込み速度が特には速くないことな
ど、高い加速性が求められていず、あるいはエンジン水
温Tw が高いこと、大きい出力を出し得ない状態であ
るなどの場合には、第1速へのダウンシフト線のない変
速マップに従って変速を実行するから、発進時の変速段
は第1.5 速になる。
【0024】他方、ステップ40の判断結果が“ノー”
であれば、ステップ80に進んで、RレンジがNレンジ
からのシフトによって選択されているか否かの判断を行
う。その判断結果が“ノー”であれば、制御プロセスは
リターンし、また“イエス”であれば、ステップ90に
進んで、主変速部13のクラッチC2 およびブレーキ
B4 を係合させる。すなわち図3に示す歯車列を備え
た自動変速機では、主変速部13を後進段にした状態で
副変速部12を低速段にすると、変速比が大きくなり過
ぎるので、副変速部12を高速段にすることにより出力
軸トルクを下げている。そこでNレンジでブレーキB0
 が既に係合(ステップ30)して副変速部12が高速
段になっているので、ステップ90ではクラッチC2 
およびブレーキB4 を係合させて主変速部13のみで
後進段への変速を生じさせる。
【0025】したがって上記の変速制御装置では、通常
は、発進時の変速段、すなわち前進レンジで停止してい
るときの変速段が第1.5 速になるので、前進レンジ
で停止しているときのクリープトルクを小さくすること
ができ、またその際にアクセルペダルを大きく踏み込め
ば、第1速へダウンシフトさせることができるので、優
れた発進性能を得ることができる。またNレンジでは副
変速部12のブレーキB0を係合させて副変速部12を
高速段にしておくので、Dレンジにシフトして第1.5
 速を達成する場合や、Rレンジにシフトして後進段を
達成する場合に、新たに係合させる摩擦係合要素の数が
少なくなり、その結果、これらの変速段の達成を迅速に
行うことができるので、所謂もたつき感を解消すること
ができる。また通常は第1.5 速を最低速段とするの
で、変速段数が多くなりすぎてわずかな車速の変化で変
速が生じるビジーシフトを防止することができる。
【0026】なお、上記の例では、Bギヤ列のみに従っ
て変速を実行することとしたが、Bギヤ列の変速段から
Aギヤ列の変速段へ変速してもよい。このような変速は
、走行抵抗と余裕馬力との関係やビジーシフト感、ある
いは変速フィーリングなどを考慮し、かつ副変速部12
と主変速部13との同時変速とならないことなどを条件
として行う。またAギヤ列の変速段にシフトした後は、
Aギヤ列に従って変速を行う。これはAギヤ列の変速比
が等比級数に近いこと、副変速部12が直結状態であっ
て動力の伝達効率が良く、またノイズが小さいことによ
る。このようなBギヤ列からAギヤ列への変更は、発進
時の変速段として第1速が設定された場合にも行うこと
ができる。すなわち前述したように第1速へのダウンシ
フト線のある変速マップが選択され、かつスロットル開
度θが大きいことにより第1速が設定された場合には、
変速マップを図8に示すものに変更し、以降、車速Vお
よびスロットル開度θに基づいてこれらの変速マップで
決まる変速段を設定すればよい。なお、図8の(I)に
はアップシフト線を示し、(II)にはダウンシフト線
を示してある。また(II)において第1.5 速の領
域を設けてあるのは、クリープトルクを小さくし、また
条件が整えばBギヤ列に変更するためである。
【0027】さらに上述した例では、第1速へのダウン
シフト線のある変速マップを選択することを判断するパ
ラメータとして、選択された走行モードおよびエンジン
水温Tw ならびにスロットル開度θの変化率dθ/d
tを採用したが、これらの全てを判断のパラメータとす
る必要はなく、また反対に更に他のパラメータを加えて
判断を行ってもよい。さらにこれらの判断条件の全てが
成立することによって第1速へのダウンシフト線のある
変速マップを選択する代りに、いずれかの判断条件が成
立すれば第1速へのダウンシフト線のある変速マップを
選択することとしてもよい。
【0028】また一方、上述した例では、第1速に設定
するスロットル開度θの判断基準開度αを一定値とした
が、これは他の条件に基づいて変化する変数としてもよ
い。例えばパワーモードが選択されている場合、エンジ
ン水温Tw が低い場合、スロットル開度θの変化率d
θ/dtが大きい場合等においては、判断基準開度αを
小さくしてもよい。これは、変速マップでは、第1速へ
のダウンシフト線を低スロットル開度側に移動すること
であり、これを模式的に示せば、図11の(I),(I
I),(III)のとおりである。
【0029】ところで上述した変速制御では、Nレンジ
からDレンジにシフトした際にパワーモードが選択され
ており、かつスロットル開度θが大きいなどの条件が成
立していれば、第1速が設定されることになる。その場
合、Nレンジでは副変速部12のブレーキB0 を係合
させて副変速部12を高速段に設定しているので、Dレ
ンジへのシフトに伴って第1速を設定するにあたっては
、主変速部13を第1速に設定する変速制御と副変速部
12のダウンシフトとの間に所定の時間を置くことが好
ましい。
【0030】図12はそのための変速制御ルーチンの例
を示すフローチャートであって、ステップ110ではス
ロットル開度θや車速Vなどのデータの読込みを行い、
ついでステップ120ではNレンジか否かの判断を行っ
てその判断結果が“イエス”であれば、ステップ130
に進んで副変速部12のブレーキB0 を係合させるこ
とにより副変速部12を高速段に設定する。そしてステ
ップ140でフラグF1を“0”にセットし、リターン
する。他方、ステップ120の判断結果が“ノー”であ
れば、ステップ150に進んでDレンジか否かの判断を
行い、Dレンジが選択されていてステップ150の判断
結果が“イエス”となれば、ステップ160においてフ
ラグF1 が“0”か否かを判断する。フラグF1 が
“0”であることは、副変速部12のブレーキB0 が
Nレンジで係合させられていたことを示すから、ステッ
プ160の判断結果が“イエス”であれば、Dレンジに
シフトされる直前はNレンジであったことを意味し、し
たがってこの場合は、ステップ170においてタイマT
1 をゼロリセットして時間のカウントを開始するとと
もに、ステップ180においてフラグF1 を“1”に
セットする。 したがってタイマT1 によるカウント中は前記のステ
ップ160の判断結果が“ノー”となるから、この場合
はステップ170およびステップ180を飛び越して次
のステップ190に進む。すなわちステップ190では
タイマT1 のカウント値が所定の基準時間aを越えた
か否かを判断する。この基準時間aは、Dレンジにマニ
ュアルシフトすることに伴って主変速部13が第1速に
設定されるのに充分な時間、すなわち自動変速機の全体
としては第1.5 速に設定されるのに充分な時間であ
る。Dレンジにシフトした後の経過時間がこの基準時間
aを越えた場合、すなわちステップ190の判断結果が
“イエス”であれば、ステップ200に進んで通常時の
Dレンジ用変速マップを選択し、また反対に基準時間を
越えていずにステップ190の判断結果が“ノー”とな
っていれば、ステップ210に進んで通常のN→Dシフ
ト用変速マップを選択する。そして車速Vおよびスロッ
トル開度θに基づいて目標変速段を決定(ステップ22
0)するとともに、そ変速段を達成するための変速指令
信号を出力する(ステップ230)。
【0031】ここでこれらの変速マップの一例を示すと
図13のとおりである。図13にはダウンシフト線のみ
を示してあり、(I)が通常のDレンジ用変速マップ、
(II)が通常のN→Dシフト用変速マップである。す
なわちDレンジ用変速マップでは比較的小さいスロット
ル開度θ1 以上に第1速の領域を設定してあり、これ
に対してN→Dシフト用変速マップでは極めて大きいス
ロットル開度θ2 以上に第1速の領域を設定してある
。したがってNレンジからDレンジにシフトした後、充
分な時間が経過していれば、すなわち第1.5 速が確
実に設定されていれば、図13の(I)に示すDレンジ
用変速マップに従って変速が行われるので、Dレンジに
シフトした際にスロットル開度θが前記の値θ1 以上
となっていれば、第1速にダウンシフトされる。その場
合の変速は副変速部12を低速段にシフトすることによ
り、すなわちブレーキB0を解放することにより達成さ
れるので、簡単な制御で実行でき、また変速ショックも
悪化しない。これに対してNレンジからDレンジにシフ
トした後、充分な時間が経過していなければ、図13の
(II)に示すN→Dシフト用変速マップに従って変速
が行われるので、Dレンジにシフトした際のスロットル
開度θが極端に大きくて前記の値θ2 以上でない限り
第1速にダウンシフトされることがなく、実質上第1速
へのダウンシフトが禁止される。その結果、Dレンジに
シフトすることに伴う主変速部13の第1速への変速と
副変速部12のダウンシフトとが同時に生じることがな
く、複雑な変速制御が回避され、また変速ショックも悪
化しない。
【0032】なお、ステップ150の判断結果が“ノー
”であれば、ステップ240に進んでフラグF1 を“
0”にセットした後、ステップ250でRレンジか否か
の判断を行う。その判断結果が“ノー”であれば、制御
プロセスはリターンし、また“イエス”であればステッ
プ260に進んで、主変速部13のクラッチC2 とブ
レーキB4 とを係合させ、主変速部13を後進段に設
定する。この場合、副変速部12は既に高速段に設定さ
れているから、主変速部13のみの変速でスムースに後
進段を設定することができる。
【0033】ところで上記の実施例では、図3に示す歯
車列を備えた自動変速機を対象にして説明したが、この
発明は他の歯車列を備えた自動変速機を対象にして実施
できることは勿論である。また前進レンジとしてDレン
ジのみの例を説明したが、エンジンブレーキ用の第3速
ホールドレンジや第2速ホールドレンジにおいても上記
の実施例と同様に制御してもよい。
【0034】また、特願平2−128430号のように
現ギヤ段に応じて変速パターンを設定するものにおいて
この発明を適用する場合には、図13の(I)のように
走行条件に応じてギヤ段が設定されるマップを新たに設
け、このマップをNレンジからDレンジにシフトされた
ときに、あるいは車速度が零のときに使用するようにす
ればよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の変速制御
装置によれば、前進レンジの停止時には、通常、最低速
段よりも少なくとも1段高速側の変速段に設定するので
、クリープトルクを小さくすることができ、またアクセ
ルペダルを大きく踏み込むなど、大きいトルクが要求さ
れているときには最低速段に設定するため発進加速性を
向上させることができる。
【0036】またニュートラルレンジで副変速部を高速
段に設定するよう構成することにより、ニュートラルレ
ンジから前進レンジへシフトした際に、主変速部のみの
変速で発進時の所定の変速段に設定できるので、発進時
の所謂もたつき感を回避することができる。
【0037】さらにニュートラルレンジで副変速部を高
速段に設定し、かつニュートラルレンジから前進レンジ
にシフトした場合に、一定時間が経過するまで副変速部
のダウンシフトを禁止するよう構成することにより、副
変速部と主変速部との同時変速が防止され、変速制御が
容易になるとともに、変速ショックの悪化を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】その歯車列を示すスケルトン図である。
【図4】その作動表である。
【図5】Aギヤ列の各変速段を設定するための作動表で
ある。
【図6】Bギヤ列の各変速段を設定するための作動表で
ある。
【図7】Bギヤ列に従う変速を行うための変速マップで
ある。
【図8】制御ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【図9】そのステップ50の内容を示すサブフローチャ
ートである。
【図10】Aギヤ列に従う変速を行うための変速マップ
の一例を示す図である。
【図11】第1速へのダウンシフト線を走行条件に応じ
て変える変速マップの例を模式的に示す図である。
【図12】この発明の装置による他の変速制御ルーチン
を示すフローチャートである。
【図13】図12に示す変速制御で使用される通常のD
レンジ用変速マップと通常のN→Dシフト用変速マップ
とを示す図である。
【符号の説明】
1  主変速部 2  副変速部 3  出力軸 4  レンジ選択装置 5  レンジ検出手段 6  走行状態検出手段 7  副変速部切換手段 8  シフト検出手段 9  タイマ 10  低速段禁止手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  摩擦係合要素の係合・解放の状態に応
    じて後進段と複数の前進段とに設定される主変速部と、
    摩擦係合要素の係合・解放の状態に応じて少なくとも高
    低二段に設定される副変速部と、出力軸に動力を伝達し
    ないニュートラルレンジおよび前進段を設定する前進レ
    ンジを含む複数のレンジを手動操作によって選択するレ
    ンジ選択装置とを備えた車両用自動変速機の変速制御装
    置において、前記レンジ選択装置により選択されたレン
    ジを検出するレンジ検出手段と、車速もしくは車速に関
    連するデータとスロットル開度もしくはスロットル開度
    に関連するデータを含む走行状態を検出する走行状態検
    出手段と、前進レンジが選択されかつ車速が予め定めた
    基準車速以下のときに、スロットル開度が所定値より小
    さければ前記副変速部を高速段に設定し、かつスロット
    ル開度が所定値以上であれば、前記副変速部を低速段に
    設定する副変速部切換手段とを具備していることを特徴
    とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】  前記副変速部切換手段は、前記レンジ
    選択装置によってニュートラルレンジが選択されている
    ときに前記副変速部を高速段に設定するよう構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速
    機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】  ニュートラルレンジから前進レンジへ
    の切換えを検出するシフト検出手段と、ニュートラルレ
    ンジから前進レンジへの切換え時点からの経過時間を検
    出するタイマと、ニュートラルレンジから前進レンジへ
    の切換え時点から予め定めた時間が経過するまでの間は
    副変速部の低速段への切換えを禁止する低速段禁止手段
    とを具備していることを特徴とする請求項2に記載の車
    両用自動変速機の変速制御装置。
JP3169328A 1991-06-14 1991-06-14 車両用自動変速機の変速制御装置 Pending JPH04370454A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007232080A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Iseki & Co Ltd トラクタ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007232080A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Iseki & Co Ltd トラクタ

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