JPH04327232A - 嵩高加工糸及び複合嵩高加工糸 - Google Patents

嵩高加工糸及び複合嵩高加工糸

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JPH04327232A
JPH04327232A JP12269491A JP12269491A JPH04327232A JP H04327232 A JPH04327232 A JP H04327232A JP 12269491 A JP12269491 A JP 12269491A JP 12269491 A JP12269491 A JP 12269491A JP H04327232 A JPH04327232 A JP H04327232A
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JP
Japan
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yarn
sheath
core
polypropylene
nylon
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Application number
JP12269491A
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Inventor
Takao Miyazaki
隆雄 宮崎
Masayuki Morizaki
森崎 政行
Hiroyuki Kawamoto
宏之 川元
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ナイロンとポリプロピ
レンからなり,軽量で品位の良好な嵩高加工糸及び軽量
で品位が良好であり,かつ,ボリューム感に富んだ複合
嵩高加工糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン繊維は,密度が0.91
g/cm3 程度と水より小さく,天然繊維や合成繊維
の中で特に軽いという特性を有しているが,その反面,
染色が困難であるという欠点を有している。この欠点を
解消した軽量繊維として,ポリプロピレンを芯成分とし
,ナイロンを鞘成分とする同心型複合繊維が特開昭61
−83314号公報で提案されている。
【0003】しかしながら,上記の複合繊維は,ポリプ
ロピレン層(芯部)とナイロン層(鞘部)の接着性が悪
いため,糸加工や製編織時の外力によって芯部と鞘部が
部分的に剥離しやすく,このため,この複合繊維を使用
した織編物には筋状の欠点が発生しやすい。特に,軽量
化を図るために芯部のポリプロピレン量を多くすると,
鞘部の層が薄くなり,かつ均一な厚みを有する鞘部の形
成が困難となる。したがって,鞘部と芯部との剥離現象
が起こりやすくなるばかりでなく,これに加えて鞘部層
の厚み斑による品質低下も生じる等,実用上多くの問題
があった。このため,従来は,十分満足のいく軽量感を
有する製品が得られていないのが現状である。
【0004】また,上記した鞘部と芯部との剥離の解消
と,より軽量化を目的として,ポリプロピレンとナイロ
ンとの混合物を鞘成分とする複合繊維が特開昭60−8
1316号公報で提案されている。しかしながら,この
複合繊維は,鞘成分にポリプロピレンが含有されている
ので,染色すると糸条表面は杢調を呈し,十分な染色性
が得られないという欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来の問題点を解消し,軽量であり,筋状の欠点等のない
高品位の織編物を得るのに好適な嵩高加工糸と, 前記
の利点に加えてボリューム感に富んだ複合嵩高加工糸及
び芯鞘型複合嵩高加工糸を提供することを技術的な課題
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,品質が良
好で,従来にない軽量感を有する加工糸を開発するため
に鋭意検討を行った結果,鞘成分がナイロン,芯成分が
ポリプロピレンからなる芯鞘複合繊維で構成されたマル
チフイラメント糸条を使用して,この糸条の各フイラメ
ントに交絡やループ毛羽を形成させ,糸条表面にランダ
ムな凹凸を賦与すれば, 前述したような筋状の欠点を
解消することが可能になるとともに,各フイラメント間
に生じた空隙によって嵩高性を増すため,軽量感が格段
に向上し得ること, 及び上記の芯鞘複合繊維を芯糸と
鞘糸の少なくとも一方に用いて, 芯鞘型の複合加工糸
とすれば,ボリューム感が増大することを知見して本発
明に到達した。
【0007】すなわち,本発明は,次の構成を有するも
のである。 (1) 鞘成分がナイロン,芯成分がポリプロピレンで
あり,ナイロンとポリプロピレンの重量比が10/90
〜50/50である芯鞘複合繊維で構成されたマルチフ
イラメント糸条からなり,糸条を構成するフイラメント
に交絡及び/又はループ毛羽が形成されて,糸条表面に
ランダムな凹凸を有することを特徴とする嵩高加工糸。
【0008】(2) 鞘成分がナイロン,芯成分がポリ
プロピレンであり,ナイロンとポリプロピレンの重量比
が10/90〜50/50である芯鞘複合繊維で構成さ
れたマルチフイラメント糸条と,他の糸条とが混繊交絡
され,糸条表面にランダムな凹凸を有し,かつ, 加工
糸全体に占めるポリプロピレンの重量が50%以上であ
ることを特徴とする複合嵩高加工糸。
【0009】(3) 芯糸と鞘糸からなり,糸条を構成
するフイラメントに交絡及び/又はループ毛羽が形成さ
れて,糸条表面にランダムな凹凸を有する複合加工糸で
あって,芯糸と鞘糸の少なくとも一方は,鞘成分がナイ
ロン,芯成分がポリプロピレンであり,ナイロンとポリ
プロピレンの重量比が10/90〜50/50である芯
鞘複合繊維で構成されたマルチフイラメント糸条からな
り,かつ,複合加工糸全体に占めるポリプロピレンの重
量が50%以上であることを特徴とする芯鞘型複合嵩高
加工糸。
【0010】次に, 本発明について詳細に説明する。 まず,本発明の嵩高加工糸は,鞘成分のナイロンと芯成
分のポリプロピレンとの重量比が10/90〜50/5
0である複合繊維からなっていることが必要である。鞘
成分と芯成分の重量比がこの範囲を満足することによっ
て,ポリプロピレンの軽量特性を十分に生かすことがで
きる。前記範囲より鞘成分のナイロンの割合が多く,芯
成分のポリプロピレンの割合が少ないと,所望する軽量
化が達成されない。また逆に,前記範囲より鞘成分のナ
イロンの割合が少ないと,複合繊維の製糸段階で糸切れ
が多発する等,製糸上の問題が生じる。
【0011】また,本発明の嵩高加工糸は,糸条を構成
するフイラメントに交絡やループ毛羽が形成されて,糸
条表面にランダムな凹凸を有することが必要である。前
述したように,芯成分の重量(%)が鞘成分の重量(%
)より多い芯鞘複合繊維のマルチフイラメント糸条は,
芯部と鞘部の部分的な剥離によって織編物としたときに
筋状の欠点が現れやすくなるが,本発明の嵩高加工糸の
ように,糸条を構成する各フイラメントに交絡やループ
毛羽が形成され,糸条表面がランダムな凹凸を有し,さ
らに好ましくはフイラメント同士の交差及び交絡等を有
することによって,この筋状の欠点が解消され,実用上
何ら問題のない織編物とすることができる。
【0012】さらに,本発明の嵩高加工糸は,交絡やル
ープ毛羽形成によって各フイラメント間に多数の細かい
空隙を有するため,織編物にした場合,軽量感がより一
層助長され,かつ優れた嵩高性を有するものとなる。
【0013】上記の嵩高加工糸は,芯鞘複合繊維のマル
チフイラメント糸条のみで形成されたものであるが,芯
鞘複合繊維のマルチフイラメント糸条と他のマルチフイ
ラメント糸条とを交絡混繊させ,かつ, 加工糸全体に
占めるポリプロピレンの重量が50%以上である複合嵩
高加工糸としてもよい。
【0014】また,加工糸を芯糸と鞘糸で構成し,芯糸
と鞘糸の少なくとも一方を,前記の芯鞘複合繊維でから
なるマルチフイラメント糸条とし,かつ, 複合加工糸
全体に占めるポリプロピレンの重量が50%以上である
芯鞘型複合嵩高加工糸としてもよい。
【0015】芯鞘型の複合嵩高加工糸は,交絡やループ
毛羽形成によって各フイラメント間に多数の細かい空隙
を有するとともに,芯糸と鞘糸で形成された2層構造を
呈するため,織編物にした場合,前記の嵩高加工糸より
もは軽量感が一層助長され,かつ優れた嵩高性を有する
ものとなる。
【0016】ここで,各フイラメントに交絡やループ毛
羽を形成させる手段としては,一般に市販のインターレ
ーサやループ形成能を有するノズルを使用した流体処理
のいずれを採用してもよいが,加工糸の表面にループ毛
羽が形成されるものがより好ましい。この際,交絡数及
びループ毛羽数は限定されるものではないが,本発明者
らの研究によれば,交絡数は60個/m以上,ループ毛
羽数は20個/m以上が好ましく,特に芯鞘型複合加工
糸の場合はループ毛羽数を 120個/m以上とするの
が好ましい。
【0017】なお,本発明でいうループ毛羽数とは,毛
羽測定器F−インデツクス(敷島紡績株式会社製)を用
いて,ゲージを0.3mmに設定して測定した毛羽指数
である。また,交絡数は,0.02g/d の張力下で
,糸長1mに形成される交絡部の個数を目視によって数
え,5回測定した数の平均した値である。
【0018】なお,本発明において「ナイロン」とは,
ナイロン6(ポリカプラミド),ナイロン66(ポリヘ
キサメチレンアジパミド)又はこれらを主成分とするポ
リアミドを意味する。ポリプロピレンとは,アイソタク
チツクポリプロピレンを意味する。
【0019】また,芯鞘複合繊維でからなるマルチフイ
ラメント糸条とともに,複合嵩高加工糸及び芯鞘型複合
嵩高加工糸を構成する他方の糸条としては,ナイロンや
ポリエステル,前記の芯鞘複合繊維でからなるマルチフ
イラメント糸条等いずれの糸条でもよいが,染色性の点
からナイロンが好ましい。
【0020】次に,本発明の嵩高加工糸の製法例につい
て説明する。まず,ナイロンを鞘成分,ポリプロピレン
を芯成分とした鞘/芯の重量比10/90〜50/50
の芯鞘複合繊維は,芯鞘型複合繊維製造の常法によって
製造することができるが,生産性よく製造するには,高
速紡糸,延伸法を採用するのがよい。すなわち,溶融紡
出糸を3500〜5000m/分の速度で捲き取った後
,100〜 200℃の温度範囲で1.2〜2.2倍の
延伸を行うのが好ましい。このようにして得られた芯鞘
複合繊維からなるマルチフイラメント糸条1本もしくは
複数本を流体処理ノズルに供給し,流体処理を施すこと
により,交絡やループ毛羽が形成され,糸条表面にラン
ダムな凹凸や交差が付与された本発明の嵩高加工糸を得
ることができる。この場合,流体処理時のオーバーフイ
ード率は,特に限定されるものではないが,糸条表面に
目的とするランダムな凹凸や交差を付与するためには,
2%以上に設定するのが好ましく,流体の噴射圧力は2
〜8kg/cm2とするのが好ましい。
【0021】また,上記の芯鞘複合繊維からなるマルチ
フイラメント糸条と他の糸条とを流体処理ノズルに供給
し,流体処理を施すことにより,交絡やループ毛羽が形
成され,糸条表面にランダムな凹凸や交差が付与された
本発明の複合嵩高加工糸を得ることができる。この場合
,流体処理時の両糸条のオーバーフイード率は,同じで
も異なっていてもよい。インターレーサタイプの流体処
理ノズルを使用して両糸条とも5%以下のオーバーフイ
ード率にすると,品位と製編織性に優れた複合嵩高加工
糸を得ることができる。一方,ループ形成能を有する流
体処理ノズルを使用して両糸条とも10%以上のオーバ
ーフイード率にすると,製編織性は若干低下するが,嵩
高性と軽量性を格段に向上させることができる。
【0022】さらに,前記の芯鞘複合繊維からなるマル
チフイラメント糸条と他の糸条とを異なるオーバーフイ
ード率で流体処理ノズルに供給し,流体処理を施すこと
により,交絡やループ毛羽が形成され,糸条表面にラン
ダムな凹凸や交差が付与された本発明の芯鞘型複合嵩高
加工糸を得ることができる。この場合,流体処理時の両
糸条のオーバーフイード率差は特に限定されるものでは
ないが,得られる加工糸を芯鞘構造にするとともに,糸
条表面にランダムな凹凸や交差を付与するためには,3
%以上のオーバーフイード率差を設けることが好ましい
。また,複合加工糸及び芯鞘型複合加工糸において,糸
条全体に占めるポリプロピレンの重量を50%以上にす
るには,使用する芯鞘複合繊維におけるナイロンとポリ
プロピレンの比率,芯鞘複合繊維と他の糸条の糸種,繊
度,流体処理ゾーンへのオーバーフイード率等を勘案し
て適宜選定すればよい。
【0023】次に本発明を図面により説明する。図1は
,本発明の嵩高加工糸の一実施態様を示す模式図であり
,糸条を構成する各フイラメントに交絡部aやループ毛
羽b1,b2…が形成され,糸条表面にランダムな凹凸
や交差が付与されている。
【0024】また,図4は,本発明の加工糸を構成する
芯鞘複合繊維の単フイラメントの断面形状が円形の場合
の模式図であるが,芯成分のポリプロピレン1の周囲に
鞘成分のナイロン2が配された同心型芯鞘複合繊維であ
れば,断面形状は三角形,五角形等いかなるものでもよ
い。
【0025】図2は,本発明の複合嵩高加工糸の一実施
態様を示す模式図であり,芯鞘複合繊維からなる糸条4
及び他方の糸条10を構成する各フイラメントに交絡部
aやループ毛羽b1,b2…が形成され,糸条表面にラ
ンダムな凹凸や交差が付与されている。
【0026】さらに,図3は,本発明の芯鞘型複合嵩高
加工糸の一実施態様を示す模式図であり,糸条を構成す
る単フイラメントにループ毛羽b1,b2…が形成され
ている。また,鞘糸を構成する単フイラメント同士の交
絡部a1 や芯糸と鞘糸を構成する単フイラメント間の
交絡部a2 が形成され, 糸条表面にランダムな凹凸
や交差が付与されている。
【0027】次に,図5は,本発明の嵩高加工糸を製造
する工程の一例を示す概略工程図である。鞘成分として
ナイロン,芯成分としてポリプロピレンが配された芯鞘
複合繊維から構成されたマルチフイラメント糸条4は,
ケーク3から引き出され,フイードローラ5を経て流体
噴射ノズル6にオーバーフイード状態で供給される。次
いで,マルチフイラメント糸条4は,流体噴射ノズル6
内で流体処理加工が施されて本発明の嵩高加工糸となり
,デリベリローラ7を経て捲取ローラ8によりパツケー
ジ9に捲き取られる。
【0028】また,図6は,本発明の複合嵩高加工糸を
製造する工程の一例を示す概略工程図である。鞘成分と
してナイロン,芯成分としてポリプロピレンが配された
芯鞘複合繊維から構成されたマルチフイラメント糸条4
は,ケーク3から引き出され,フイードローラ5を経て
流体噴射ノズル6にオーバーフイード状態で供給される
。一方,他の糸条10は, ケーク11から引き出され
,フイードローラ5を経て流体噴射ノズル6にオーバー
フイード状態で供給される。流体噴射ノズル6に供給さ
れた両糸条は,ノズル内で流体処理加工が施されて本発
明の複合嵩高加工糸となり,デリベリローラ7を経て捲
取ローラ8によりパツケージ9に捲き取られる。
【0029】さらに,図7は,本発明の芯鞘型複合嵩高
加工糸を製造する工程の一例を示す概略工程図である。 鞘成分としてナイロン,芯成分としてポリプロピレンが
配された芯鞘複合繊維から構成されたマルチフイラメン
ト糸条4は,ケーク3から引き出され,フイードローラ
5を経て流体噴射ノズル6にオーバーフイード状態で供
給される。一方,他の糸条10は,ケーク11から引き
出され,フイードローラ12を経て流体噴射ノズル6に
糸条4とは異なるオーバーフイード状態で供給される。 流体噴射ノズル6に供給された両糸条は,ノズル内で流
体処理加工が施されてオーバーフイード率が大きい糸条
が鞘糸となった本発明の芯鞘型複合嵩高加工糸となり,
デリベリローラ7を経て捲取ローラ8によりパツケージ
9に捲き取られる。
【0030】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお,芯鞘複合繊維の密度は,25℃のトルエン−
四塩化炭素密度勾配管により測定した。
【0031】実施例1 供給糸条としてナイロン6を鞘成分,ポリプロピレンを
芯成分とし,鞘成分と芯成分の重量比を表1に示すよう
に変更して試作した円形断面の同心型芯鞘複合繊維から
なるマルチフイラメント糸条70d/24fを用い,図
5の製造工程に従って,表1に示した流体処理条件で流
体処理を行い,嵩高加工糸を得た。なお,流体処理は,
 特公昭63−46178号公報に記載の流体噴射ノズ
ルを使用し,デリベリローラの表面速度 200m/分
で行った。
【0032】次に,得られた加工糸を経糸及び緯糸に用
いて,経密度92本/2.54cm,緯密度75本/2
.54cmの平組織で製織し,常圧で染色した後,通常
の仕上げ加工を行って織物製品を製造した。表1に得ら
れた嵩高加工糸及び織物の評価結果を示す。
【0033】
【表1】
【0034】試験No.1〜4は本発明の実施例で,糸
条表面にランダムな凹凸や交差が付与された嵩高加工糸
が得られた。試験No.1,2で得られた嵩高加工糸は
,特に軽量感に優れ,品位も良好であった。また,試験
No.3のものは,試験No.1, 2と比べて軽量感
は若干劣っていたが,従来のナイロン繊維と比べると軽
量感は良好であった。さらに,試験No.4のものは,
交絡やループ形成の割合が少ないので,試験No.1〜
3と比べて品位の面で若干劣るが,実用においては何ら
支障のないものであった。
【0035】試験No.5〜7は比較例である。試験N
o.5では,鞘成分のナイロンの重量が少なすぎるので
,製糸段階で糸切れが多発した。また,試験No.6で
は,芯成分のポリプロピレンの重量が少ないため,複合
繊維の密度が高くなり,所望する軽量感が得られなかっ
た。さらに,試験No.7では,試験No.2で使用し
たものと同じ芯鞘複合繊維をなま糸使いで織物製品とし
た場合であるが,この織物は,筋状の欠点が目立ち,実
用に供し得ないものであった。
【0036】実施例2 供給糸条としてナイロン6を鞘成分,ポリプロピレンを
芯成分とし,鞘成分と芯成分の重量比を表2に示すよう
に変更して試作した円形断面の同心型芯鞘複合繊維から
なるマルチフイラメント糸条70d/24fと,30d
/12fのナイロン6糸条を用い,図6の製造工程に従
って,表2に示した流体処理条件で流体処理を行い,複
合嵩高加工糸を得た。
【0037】次に,得られた加工糸を経糸及び緯糸に用
いて,経密度74本/2.54cm,緯密度68本/2
.54cmの平組織で製織し,常圧で染色した後,通常
の仕上げ加工を行って織物製品を製造した。表2に得ら
れた複合嵩高加工糸及び織物の評価結果を示す。
【0038】
【表2】
【0039】試験No.1〜3は本発明の実施例であり
,試験No.1,2では流体噴射ノズルとしてループ形
成能を有するノズルを使用し,試験No.3ではインタ
ーレーサを使用した。試験No.1〜3で得られた複合
嵩高加工糸は,2本の糸条がよく混繊交絡し,糸条表面
にランダムな凹凸や交差が付与されおり,これらの複合
嵩高加工糸から得られた織物は,嵩高性に富み,軽量感
に優れ,良好な品位のものであった。この中でも,試験
No.1のものは,嵩高性,製織性,品位等が特に優れ
ていた。
【0040】試験No.4,5は比較例である。試験N
o.4は,試験No.1と同じノズルを用いた例である
が,芯成分のポリプロピレンの重量が少ないため,この
加工糸から得られた織物は軽量感に欠けるものであった
。また,試験No.5は,両糸条を引揃えて合糸しただ
けの例であり,この引揃糸から得られた織物は, 嵩高
性に劣るばかりでなく,筋状の欠点が目立ち, 実用に
供し得ないものであった。
【0041】実施例3 供給糸条としてナイロン6を鞘成分,ポリプロピレンを
芯成分とし,鞘成分と芯成分の重量比を表3に示すよう
に変更して試作した円形断面の同心型複合繊維からなる
マルチフイラメント糸70d/24fと50d/24f
のナイロン6糸条を用い,図7の製造工程に従って,表
3に示した流体処理条件で流体処理を行い,芯鞘型複合
嵩高加工糸を得た。なお,流体処理は, 特公昭63−
46178号公報に記載の流体噴射ノズルを使用し,デ
リベリローラの表面速度 200m/分で行った。
【0042】次に,得られた加工糸を経糸及び緯糸に用
いて,経密度63本/2.54cm,緯密度58本/2
.54cmの平組織で製織し,常圧で染色した後,通常
の仕上げ加工を行って織物製品を製造した。表3に得ら
れた複合嵩高加工糸及び織物の評価結果を示す。
【0043】
【表3】
【0044】試験No.1〜4は本発明の実施例であり
,試験No.1,2及び4は,ナイロン6を鞘成分,ポ
リプロピレンを芯成分とする同心型複合繊維のマルチフ
イラメント糸条を芯糸及び鞘糸に用いた例であり,試験
No.3は,他方の糸条としてナイロン6マルチフイラ
メント糸条を用いた例である。これらで得られた芯鞘型
複合嵩高加工糸の表面には細かいループ毛羽が多数形成
され,ランダムな凹凸や交差が付与されていた。これら
の芯鞘型複合嵩高加工糸から得られた織物は,嵩高性と
軽量感に優れ,良好な品位のものであった。この中でも
,試験No.1,2のものは,嵩高性と軽量感が特に優
れていた。
【0045】試験No.5,6は比較例である。いずれ
の場合も,加工糸全体に占めるポリプロピレンの重量が
少ないため,この加工糸から得られた織物は軽量感に欠
けるものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の嵩高加工糸,複合嵩高加工糸及
び芯鞘型複合嵩高加工糸は,上述した構成を有するので
,ポリプロピレンとナイロンからなる芯鞘複合繊維の芯
成分のポリプロピレンの割合を多くすることによって織
編物としたときに生じる筋状の欠点を解消することがで
きるとともに,ポリプロピレンの軽量特性が十分に生か
された嵩高性織編物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の嵩高加工糸の一実施態様を示す模式図
である。
【図2】本発明の複合嵩高加工糸の一実施態様を示す模
式図である。
【図3】本発明の芯鞘型複合嵩高加工糸の一実施態様を
示す模式図である。
【図4】本発明の加工糸を構成するポリプロピレンとナ
イロンからなる芯鞘複合繊維の単フイラメント断面の一
実施態様を示す模式図である。
【図5】本発明の嵩高加工糸の製造工程の一例を示す概
略工程図である。
【図6】本発明の複合嵩高加工糸の製造工程の一例を示
す概略工程図である。
【図7】本発明の芯鞘型嵩高加工糸の製造工程の一例を
示す概略工程図である。
【符号の説明】
1  ポリプロピレン 2  ナイロン 4  芯鞘複合繊維からなる糸条 10  他方の糸条 a,a1,a2  交絡部 b1,b2  ループ毛羽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  鞘成分がナイロン,芯成分がポリプロ
    ピレンであり,ナイロンとポリプロピレンの重量比が1
    0/90〜50/50である芯鞘複合繊維で構成された
    マルチフイラメント糸条からなり,糸条を構成するフイ
    ラメントに交絡及び/又はループ毛羽が形成されて,糸
    条表面にランダムな凹凸を有することを特徴とする嵩高
    加工糸。
  2. 【請求項2】  鞘成分がナイロン,芯成分がポリプロ
    ピレンであり,ナイロンとポリプロピレンの重量比が1
    0/90〜50/50である芯鞘複合繊維で構成された
    マルチフイラメント糸条と,他の糸条とが混繊交絡され
    て糸条表面にランダムな凹凸を有し,かつ, 加工糸全
    体に占めるポリプロピレンの重量が50%以上であるこ
    とを特徴とする複合嵩高加工糸。
  3. 【請求項3】  芯糸と鞘糸からなり,糸条を構成する
    フイラメントに交絡及び/又はループ毛羽が形成されて
    ,糸条表面にランダムな凹凸を有する複合加工糸であっ
    て,芯糸と鞘糸の少なくとも一方は,鞘成分がナイロン
    ,芯成分がポリプロピレンであり,ナイロンとポリプロ
    ピレンの重量比が10/90〜50/50である芯鞘複
    合繊維で構成されたマルチフイラメント糸条からなり,
     かつ, 複合加工糸全体に占めるポリプロピレンの重
    量が50%以上であることを特徴とする芯鞘型複合嵩高
    加工糸。
JP12269491A 1991-04-24 1991-04-24 嵩高加工糸及び複合嵩高加工糸 Pending JPH04327232A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011024299A1 (ja) * 2009-08-30 2011-03-03 豊田通商株式会社 自動車内装用保護膜付繊維、および自動車内装部材
EP0996781B2 (en) 1997-07-17 2011-12-21 Tapijtfabriek H. Desseaux N.V. A yarn for articifial grass, a method of manufacturing said yarn and a field of artificial grass in which said yarn is incorporated

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