JPH0431910B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0431910B2
JPH0431910B2 JP1282758A JP28275889A JPH0431910B2 JP H0431910 B2 JPH0431910 B2 JP H0431910B2 JP 1282758 A JP1282758 A JP 1282758A JP 28275889 A JP28275889 A JP 28275889A JP H0431910 B2 JPH0431910 B2 JP H0431910B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel steering
steering angle
front wheel
wheels
steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1282758A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02162165A (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP28275889A priority Critical patent/JPH02162165A/ja
Publication of JPH02162165A publication Critical patent/JPH02162165A/ja
Publication of JPH0431910B2 publication Critical patent/JPH0431910B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車等の4輪車において、前輪とと
もに後輪も転舵する装置、すなわち操舵輪である
前輪を操舵することによつて前輪とともに後輪も
転舵する4輪操舵装置に関するものである。
従来、4輪車における操舵装置は前輪のみを転
舵するものであり、後輪は前輪の操舵とは関係な
く走行状況によつて多少のトーイン、トーアウト
はするものの、積極的に転舵するようにはなつて
いない。しかし、最近前輪とともに後輪をも転舵
するようにした4輪操舵装置が提案され、(例え
ば特開昭55−91458号)この種の装置の研究がな
されている。
4輪操舵装置によれば、車両の種々の走行状態
に応じて従来不可能であつた便利な操縦や、より
操安性を向上させた走行が可能になる。例えば、
縦列駐車や車庫入れのような極低速における車両
の操縦において、前輪に対して後輪を逆向きに転
舵することにより(これを逆位相という)、車両
の向きを大きく変化させることが可能になり、従
来では不可能もしくは非常に困難であつた狭い場
所への駐車が可能あるいは容易になる。また、U
ターンにおいても、最小回転半径を小さくするこ
とができるので有利である。さらに、このように
後輪を前輪と逆位相に転舵することにより内輪差
をきわめて小さく、あるいはなくすることがで
き、狭い角を曲がるときなど有利である。また、
このような極低速における車両の操縦において前
輪に対して後輪を同じ向きに転舵すれば(これを
同位相という)、車両を全体的に平行移動させる
ことも可能になり、駐車や車庫入れのときに便利
なことも多い。
一方、中高速走行においてレーンチエンジをす
る場合、同位相の4輪操舵を行なえば前後輪に同
時に横方向の力が加わつて位相遅れのないスムー
ズなレーンチエンジが可能になり、このときヨー
イングが抑えられるから、高速でのレーンチエン
ジも恐怖感なく行なうことができる。また、コー
ナリング時には、逆位相に後輪を転舵することに
より、効果的に車の向きを変えることができる。
さらに、直進走行時、横風等の外乱に対してこ
の外乱の作用に対抗する方向に後輪を転舵するよ
うにすれば、外乱に対して安定した走行を維持す
ることができ、安定した高速直進性を得ることも
できる。
また、旋回中、前輪の操舵角を一定にしたまま
加減速をしても、加減速に応じて後輪の舵角を変
化させることにより、コースを外れないようにし
て安定した旋回を行なうようにすることもでき
る。すなわち、従来の車両では直進安定性のため
に操縦特性は多少アンダーステア傾向に調整され
ており、旋回中に加速するとコースから外方へ外
れる傾向があるが、このとき後輪を逆位相に転舵
することにより、その外れる分を修正することが
でき、安定した旋回を実現することができる。
居住性の面からも、同一のホイールベースで小
さい最小回転半径を得ることができるので、ホイ
ールベースを大きくすることができるし、この他
にも、前輪の実舵角を小さくすることができるこ
とからデザイン的にも新しい試みが可能になるな
ど数々の利点が挙げられる。
このように、4輪操舵は実用上有利な点が多
く、極めて有用性の高いものである。
これまで、この4輪操舵に関し、後輪の転舵を
有効に行なうため各種の具体的構成が提案されて
いる。例えば低速では逆位相、高速では同位相の
4輪操舵をするようにしたもの(特開昭55−
91457号)、前輪の操舵角が小さい範囲では同位
相、大きいときは逆位相にしたもの(特開昭56−
5270号)前輪の操舵角が所定以下の範囲において
のみ後輪を前輪の転舵角に比例して転舵するよう
にし、所定以上の範囲では前輪の転舵角に関係な
く後輪の転舵角を一定としたもの(特開昭56−
163969号)等が知られている。
これらの4輪操舵装置は、車速が小さいとき、
あるいは前輪操舵角が大きいときは、操舵は車両
の向きを大きく変えた場合が多く、車速が大きい
ときあるいは前輪操舵角が小さいときは僅かな横
移動がしたい場合が多いという経験則に基づい
て、後輪を常に望ましい方向に転舵するようにし
たものである。
しかしながら、前記従来の様に車速や前輪転舵
角を単独で考慮しただけでは、実際の車両の走行
において種々の場合に対して全体的に十分満足で
きる走行性能を得ることは困難である。
例えば、低速時には安定性は殆んど問題となら
ず、専ら旋回性が要求され、しかも前輪転舵角が
大きければ大きい程大きな旋回性(小回り性)が
要求される。また、高速時には小回り性はあまり
問題とならず、主として安定性が要求される。即
ち、高速時に前輪を転舵するのは例えばレーンチ
エンジの場合の様に横移動を行なおうとする場合
が殆んどであり、その場合には旋回性を抑え安定
的に横移動できることが要求される。しかしなが
ら、高速時においても前輪転舵角がある程度大き
くなつたときは旋回性が要求されている場合であ
り、その場合にはあまり安定性が大きいと横移動
性が大きくなり過ぎ旋回性の要求に対して十分に
答えることができなくなつてしまうという問題が
生じる。
従つて、前記の様な要求を全体として十分に満
足させるためには、転舵比(後輪転舵角/前輪転
舵角)を車速に応じて変化させるだけでなくさら
に前輪転舵角に応じても変化させ、かつ前輪転舵
角に応じて変化させるにあたつては低速時には低
速時の要求に適合するように、高速時には高速時
の要求に適合するように変化させる必要がある。
即ち、前記の様な要求を全体として十分に満足
させるためには、車速と前輪転舵角とをうまく組
合せて前記転舵比を変化させる必要があり、車速
や前輪転舵角を単独で考慮して前記転舵比を変え
たのでは、前記要求を全体として十分に満足させ
ることはできない。
本発明の目的は、上記事情に鑑み、車速と前輪
転舵角をうまく組合せて前記転舵比を変化させ、
前記要求を全体として十分に満足させ得る、即ち
低速時における小回り性の実現と高速時における
安定性と旋回性との両立を図り得る車両の4輪操
舵装置を提供することにある。
本発明に係る車両の4輪操舵装置は、前記目的
を達成するため、 実質的に全ての前輪転舵角範囲にわたつて前輪
の転舵と実質同時に後輪を転舵させると共に、車
速に応じて低速時は前輪転舵方向と逆方向の逆位
相に、高速時は前輪転舵方向と同方向の同位相に
後輪を転舵させる車両の4輪操舵装置において、 低速時における逆位相領域では、前輪転舵角の
増加に応じて後輪転舵角を実質的に全ての前輪転
舵角範囲にわたつて比例的に増加させ、高速時に
おける同位相領域では、前輪転舵角が大きいとき
の前輪転舵角の増加に対する後輪転舵角の増加割
合が前輪転舵角が小さいときのその増加割合より
も小さくなるように後輪転舵を制御する制御手段
を有していること特徴とする。
本発明に係る車両の4輪操舵装置は、前記の如
く構成されているので、前述の低速時における小
回り性の実現と高速時における安定性と旋回性と
の両立を図ることができる。
即ち、上記装置においては、低速時には逆位相
に制御され、この逆位相領域は前後輪が逆方向に
転舵されヨーイングが発生しやすいヨー領域(ヨ
ー特性の大きい領域)である。従つて、低速時に
は良好な旋回性が実現される。
しかも、その場合前輪転舵角の増加に応じて後
輪転舵角も実質的に全ての前輪転舵角範囲にわた
つて比例的に増加するように設定されているの
で、前輪転舵角が大きくなればなる程後輪転舵角
も大きくなつてヨー特性もそれに従つて大きくな
り、十分に大きな小回り性が得られる。
また、高速時には同位相に制御され、こ同位相
領域は前後輪が同方向に転舵され横方向加速度G
が発生しやすいG領域(G特性の大きい領域)で
ある。従つて、高速時には良好な安定性(安定的
は横移動性)が実現される。
しかも、その場合、実質的に全ての前輪転舵角
範囲にわたつて前輪の転舵に伴ない後輪を転舵さ
せると共に、前輪転舵角の増加に対する後輪転舵
角の増加の割合が、前輪転舵角が小さいときに比
し大きいときの方が小となるように構成されてい
る。従つて、レーンチエンジ等の横移動が目的と
される前輪転舵角小のときは所定の割合で前輪転
舵角の増加に応じて後輪転舵角も増加し、大きな
G特性が得られ、十分な安定性が確保されると共
に、旋回が目的とされる前輪転舵角大のときは前
記増加割合が小さくなり、従つて前輪転舵角小の
ときよりも前輪転舵角の増加に対する後輪転舵角
の増加が小さくなり、G特性があまり大きくなる
のが防止され、それによつて旋回性の阻害が防止
され、必要な旋回性の確保が可能となる。
さらに、上記装置においては、前輪の転舵と実
質同時に後輪が転舵されるので、高速時前輪を転
舵すると直ちに後輪も同位相に転舵されて前述の
大きな横方向加速度Gが発生し、従つて高速時に
おける応答性の良いスムーズなレーンチエンジ等
の横移動が可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例につ
いて詳細に説明する。
なお、以下に示す実施例は、前述の本発明に係
る制御特性に従つて後輪転舵を制御する自動制御
モードの他に、2輪操舵モード、同位相固定モー
ドおよび逆位相固定モードを備え、運転者がマニ
ユアルによりそれらのモードを適宜選択して切り
換え可能に構成して成るものであるが、勿論本発
明の対象となる前記自動制御モードのみを有する
ものであつても良いことは言うまでもない。
第1図、第2図および第3図は本発明の4輪操
舵装置の実施例における前輪転舵角(θF)に対す
る後輪転舵角(θR)特性を示すグラフである。
第1図の例は、前記2輪操舵モードの例を示し
ており、後輪転舵角θRは、前輪転舵角θFの大きさ
に拘わらず常に零であり、従来の車と同じ前輪の
みによる操舵の場合を示す。
第2図の例は前記自動制御モードの例を示して
おり、図示の様に、低速時は逆位相とし、かつそ
の逆位相領域では前輪転舵角前輪転舵角の増加に
応じて後輪転舵角が実質的に全ての前輪転舵角範
囲にわたつて比例的に増加するようにし、高速時
は同位相とし、かつその同位相領域では実質的に
全ての前輪転舵角範囲にわたつて前輪の転舵と実
質同時に後輪を転舵させると共に前輪転舵角が大
きいときの前輪転舵角の増加に対する後輪転舵角
の増加割合が前輪転舵角が小さいときのその増加
割合よりも小さくなるようにしている。さらに詳
しくは、前輪転舵角θFに対する後輪転舵角θRの比
(転舵比θR/θF)は、全体として車速(Vc)が高
速になるほど大きく、低速になるにしたがつて小
さくなり、極低速では負(逆位相)になるように
している。そして、この逆位相領域では前輪転舵
角の増加に応じて後輪転舵角が比例的に大きくな
るようにし、それによつて小回り性が実現されて
いる。また、この実施例では中高速域において、
前輪転舵角θFが設定値より大きくなると前輪転舵
角θFが増加しても後輪転舵角θRは増加しなくな
り、各車速において一定となるようになつてい
る。すなわち、後輪の転舵角θRは前輪をある程度
転舵してからは一定となりそれ以上は転舵されな
いようにしている。これにより、横移動を行ない
たい場合である前輪転舵角θFが小さいときは後輪
の同位相転舵が積極的に行なわれて安定的な横移
動を行ないやすくすることができ、車両の向きを
変えたい場合である前輪転舵角θFが大きいときは
後輪の同位相の転舵を抑え、前輪が後輪に対して
大きく転舵されて車両の向きを変えやすくするこ
とができる。
第3図の例は、前記同位相および逆位相固定モ
ードの例を示しており、同位相固定モードの場
合、運転状態に拘わらず前輪転舵角θFが増加する
と、後輪転舵角θRも前輪と同位相に一定の相当大
きな割合で増加し、逆位相固定モードの場合、運
転状態に拘わらず前輪転舵角θFが増加すると後輪
転舵角θRは前輪と逆位相、すなわちθFの負側に一
定の相当大きな割合で大きくなる。これにより同
位相固定モードでは、操舵すると前輪と後輪が同
位相に大きく転舵し車両を斜め方向に動かせるこ
とが可能となり、逆位相固定モードでは操舵する
と、前輪と後輪が逆位相に転舵し車両の回転半径
を著しく小さくすることができる。
本実施例に係る4輪操舵装置は、前述の如く上
記4つのモードを選択可能としたものであり、次
に第4図および第5図によつて、そのような4つ
のモードを選択可能とした4輪操舵装置の具体的
構成を説明する。第4図は油圧装置を利用した例
を示すもの、第5図はリンク機構を利用した例を
示すものである。
第4図に示す構成では、前輪1,1と後輪2,
2とは機械的に分離され、ステアリングホイール
3の操舵角θHを検出する前輪転舵角センサ4の出
力4aを、後輪転舵装置の制御手段であるコント
ローラ10に入力し、この入力信号によつて後輪
2,2を転舵するようにしている。ステアリング
装置である前輪の転舵装置は、周知のようにステ
アリングホイール3が固設されたステアリングシ
ヤフト3Aに固設したピニオン5によりラツク6
を車両の幅方向(矢印Aで示す)に移動し、この
ラツク6の両端に連続したタイロツド7,7を介
して左右の前輪1,1のナツクルアーム8,8を
その軸8a,8aのまわりに回動して前輪1,1
を左右に転舵するように構成されている。すなわ
ち、図中ステアリングホイール3を矢印Lの方へ
回転すると、ステアリングシヤフト3Aは矢印L
の方向に回転し、ピニオン5を同じくL方向に回
転し、ラツク6をL方向に移動させる。これによ
り左右の前輪1,1のナツクルアーム8,8はリ
ンク7,7を介してL方向に回動し、前輪1,1
をナツクルアーム8,8の軸8a,8aを中心に
L方向へ回動させ、左へ操縦する。このとき、前
輪転舵角センサ4はステアリングホイール3がL
方向へ角度θHだけ回転したことを出力信号4aと
して出力し、これを後輪転舵装置のコントローラ
10の前輪転舵角入力10Aに入力する。
コントローラ10は、電源11により電力を供
給され、上記前輪転舵角入力10Aの他に、車速
センサ12に接続された車速入力10Bと、後輪
転舵角センサ13に接続されたフイードバツク用
入力10Cを備え、さらに後輪の転舵方向に制御
するソレノイド20に接続される転舵方向出力1
0Dと後輪の転舵角θRを制御する油圧用メインポ
ンプ21のモータ21Aに接続される油圧ポンプ
モータ出力10Eおよび自動制御モード、同位相
固定モード、逆位相固定モードおよび2輪操舵モ
ードを切換える切換スイツチ14A,14B,1
4Cおよび14Dに、それぞれ直列に接続された
表示装置14a,14b,14cおよび14dを
介して接続される切換入力10Fを備えている。
油圧用メインポンプ21はオイル(油圧作動
油)を吐出するポンプ21Bを備え、このポンプ
21Bは転舵方向切換バルブ22を介して油圧ア
クチユエータ23と接続されており、このバルブ
22とポンプ21Bの間にはオイル往路24Aと
オイル還路24Cを短絡し、途中にオリフイス2
4bを備えたオリフイス路24Bが設けられ、オ
イル還路24Cの途中にはオイルのリザーバ25
が配されている。
転舵方向切換バルブ22は、オイル往路24A
とオイル還路24Cに接続される2つの入口とこ
れに連通した2つの出口からなるバルブ部分を、
正22A、逆22B、停止22Cの3個並列に切
換自在に有してあり、前記ソレノイド20の操作
により、これら3つのバルブ部分22A,22
B,22Cのいずれか1つが上記オイル往路24
A、還路24Cに接続されるようになつている。
このバルブ22の2つの出口は油圧アクチユエー
タ23の右側オイル通路23Rと、左側オイル通
路23Lにそれぞれ接続され、これらの右側オイ
ル通路23Rと左側オイル通路23Lは、このバ
ルブ22を介して前記往路24Aと還路24Cに
連通されている。
油圧アクチユエータ23は、右と左のオイル通
路23R,23Lにかかる圧力差により、その出
力軸であるロツド26を車両の幅方向(矢印Bで
示す)に移動させ、タイロツド27,27を介し
て後輪2,2のナツクルアーム28,28をその
軸28a,28aのまわりに回転させ、これによ
り後輪2,2を左右に転舵する。
図示の例においては、前輪1,1を左方向Lに
転舵し、後輪2,2を前輪1,1と同位相に転舵
する場合、転舵方向切換バルブ22を正22Aの
位置にセツトし、オイルを往路24Aからオリフ
イス路24Bを介して還路24Cへ流し、リザー
バ25を経てポンプ21Bへ戻す。これにより、
オリフイス24bの手前すなわち往路24A側の
圧力が高くなり、オリフイス24bの後方すなわ
ち還路24C側の圧力が低くなつて、バルブ22
の正22A部分を通して右側オイル通路23Rの
圧力が左側オイル通路23Lの圧力に比して高く
なり、油圧アクチユエータ23の作動ロツド26
はL方向に駆動される。このときの駆動量はメイ
ンポンプモータ21Aに入力される電流量によつ
て決められる。これにより、後輪2,2はタイロ
ツド27,27を介して左方向Lに転舵され、後
輪2,2は前輪1,1と同位相に転舵される。
前輪1,1を右方向に転舵し、後輪2,2を前
輪1,1と同位相に転舵する場合には、転舵方向
切換バルブ22を逆22Bの位置にセツトし、右
側オイル通路23Rと左側オイル通路23Lの圧
力関係を前述とは逆にして作動ロツド26を右方
向に駆動する。
また後輪2,2を前輪1,1と逆位相に転舵す
る場合には、ステアリング方向と転舵方向切換バ
ルブ22の正22A、逆22Bの対応を上記同位
相の場合とは反対に、すなわち前輪1,1を左方
向に転舵する場合には逆22Bに、前輪1,1を
右方向に転舵する場合には正22Aにセツトす
る。
また、後輪2,2の転舵角θRを零にするとき
は、バルブ22の停止22Cの部分をアイル通路
に接続して、ポンプ21Cと油圧アクチユエータ
23との連通を断ち、油圧アクチユエータ23の
左右のオイル通路23L,23R間の圧力差をな
くし、作動ロツド26を中立の位置にセツトす
る。このとき、作動ロツド26が中立の位置に必
ずセツトされるようにするため、作動ロツド26
にはセツト荷重をかけて、機械的に中立位置に付
勢されるようにしておくのが望ましい。
前輪1,1の転舵方向および転舵角の大きさ
は、前輪転舵角センサ4の出力4aによつてコン
トローラ10に入力され、また後輪2,2を前輪
1,1に対して同位相あるいは逆位相のどちらに
設定するかは、自動制御モードの場合車速センサ
12が検出した車速に応じ、あらかじめ設定され
た車速対応パターンにしたがつてコントローラ1
0が決定する。
このコントローラ10には前述のように、切換
スイツチ14A,14B,14Cおよび14D
が、それぞれ直列に接続された表示装置14a,
14b,14cおよび14dを介して接続され、
この切換スイツチ14A,14B,14Cおよび
14Dを運転者が操作して前記4つの操作モード
すなわち、自動制御モード、同位相固定モード、
逆位相固定モードおよび2輪操舵モードのうちの
1つのモードを選択することができ、同時にこの
選択されたモードが表示装置で示される。つま
り、運転者は周囲の条件に応じ、自由に任意の操
舵モードに切り換えることができ、非常に便利で
ある。
上記のような油圧アクチユエータを利用した4
輪操舵装置によれば、後輪の転舵がスムーズにし
かもステアリングに4輪操舵のための特別な負荷
をかけることなく行なわれ、実用上有利である。
しかしながら、油圧装置にはモータやポンプ、
また油圧アクチユエータやコントロール用のバル
ブなど重くてコストの高い部品が必要であり、車
両の重量を大きくし、製造上の組立ても複雑化し
てコスト高の原因となるので、比較的小型の車両
には不向きである。そこで、簡単なリンク機構を
利用した4輪操舵装置が実用上有利な場合もあ
る。
以下、この種のリンク式の機構の例を第5図に
より説明する。なお、第5図の構成中、第4図の
構成中の部材と同等の部材には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
第5図に示すリンク式の構成では、ステアリン
グホイール3により車両の幅方向に移動されるラ
ツク6の一部に摺動係合用のスロツト6Aを設
け、このスロツト6Aから後輪2,2の操舵ロツ
ド41に設けられた摺動係合用のスロツト41A
までの間をリンク機構により連結し、前輪1,1
の転舵角θFに応じて後輪2,2を望ましい方向に
望ましい大きさの転舵角θRだけ転舵するようにし
ている。
このリンク機構は、前輪側の摺動係合用スロツ
ト6Aに摺動自在に係合した一端31Aを有し固
定軸31aに軸支された第1のL字形レバー3
1、この第1のL字形レバー31の他端31Bに
一端32Aを回動自在に連結した連結レバー3
2、この連結レバー32の他端32Bに一端33
Aを連結し、他端33Bを固定軸33aに軸支し
た揺動レバー33、この揺動レバー3の前記一端
33Aと前記中間レバー32の他端32Bとの連
結軸に一端34Aを回動自在に連結したコントロ
ールレバー34、このコントロールレバー34の
遊端部近辺に摺動自在に係合し、スクリユーロツ
ド37に螺合した送りスリーブ36の上に回動軸
35Aをもつて軸支された受けスリーブ35、こ
のスクリユーロツド37を回転させるモータ3
8、上記コントロールレバー34の中間位置に設
けた軸支部34Aに一端39Aを軸支された連結
レバー39、およびこの連結レバー39の他端3
9Bに一端40Aを連結し、他端40Bを前記後
輪側の摺動係合用スロツト41Aに摺動係合され
た第2のL字形レバー40からなつている。
モータ38はコントローラ50に接続され、こ
のコントローラ50の出力によつて駆動される。
このコントローラ50は電源51から電力を供給
され、車速センサ52の出力が入力される。また
スクリユーロツド37の近辺には、このスクリユ
ーロツド37に螺合している送りスリーブ36の
位置をモータ38の入力へフイードバツクするポ
テンシヨメータ53が配され、送りスリーブ36
の位置を制御するようになつている。このコント
ローラ50には、第4図の例と同様の操舵モード
切換スイツチ54A,54B,54Cおよび54
Dが、それぞれ直列に接続された表示装置54
a,54b,54cおよび54dを介して接続さ
れ、運転者が操作して任意の操舵モードを選択で
きるようになつている。
上記のようなリンク機構を備えた4輪操舵装置
によれば、ステアリングホイール3を左へ(矢印
L方向)回転させるとピニオン5、ラツク6、タ
イロツド7,7、ナツクルアーム8,8、前輪
1,1は全て矢印Lの方向へ回転もしくは移動
し、前輪1,1を左へ転舵すると同時に、第1の
L字形レバー31を固定軸31aのまわりにL方
向に回転し、中間レバー32を介して揺動レバー
33を固定軸33aのまわりにL方向に回動さ
せ、コントロールレバー34を受けスリーブ35
のまわりにL方向に揺動させ、連結レバー39を
L方向に移動すると同時にこれにより第2のL字
形レバー40をL方向に回動させて後輪2,2の
操舵ロツド41をL方向に移動させ、これによつ
て後輪2,2を同位相の左方へ転舵する。
切換スイツチ54A,54B,54Cおよび5
4Dにより操舵モードを選択されたコントローラ
50により、モータ38が駆動されて図中送りス
リーブ36が下方(車両の左方)へ移動し、送り
スリーブ36が連結レバー39の一端39Aの位
置に至ると、コントロールレバー34が受けスリ
ーブ35の回動軸35Aのまわりに揺動しても連
結レバー39は前後(図中左右方向)に移動しな
いから、後輪2,2は転舵されない。
受けスリーブ35がモータ38の駆動によりさ
らに下方に移動されて上記連結レバー39の一端
39Aの位置を超えると、上記と同じ方向(L方
向)へのコントロールレバー34の揺動を連結レ
バー39を前述とは逆に前方へ移動させる。これ
はコントロールレバー34が受けスリーブ35の
回動軸35Aを中心として揺動しているからであ
る。したがつてこの場合第3のL字形レバー40
は矢印Rの方へ回動し、後輪2,2の操舵ロツド
41は矢印Rの方に移動して後輪2,2は右方へ
転舵され、逆位相の4輪操舵が行なわれることに
なる。
このように、コントローラ50の出力によりモ
ータ38を駆動、制御することによつて、送りス
リーブ36を介して受けスリーブ35を移動さ
せ、これによつてコントロールレバー34の揺動
の軸の位置を変え、その結果連結レバー39の移
動方向を変化させて後輪2,2の転舵の方向を変
えることができる。さらに、受けスリーブ35の
移動の距離の大きさをコントロールすることによ
つて、同位相、逆位相における後輪2,2の転舵
角θRの大きさも変化させることができ、したがつ
て、コントローラ50の出力によつて、前輪1,
1の転舵に応じた後輪2,2の転舵の方向および
大きさを任意に制御することが可能となる。
コントローラ50には車速センサ52からの出
力が入力されているので、自動制御モードが選択
されているときには上記リンクを介して前輪1,
1の転舵角θFの大きさに応じた転舵が行なわれる
後輪2,2の転舵角θR大きさ(向きを含めて)
を、前述の実施例で説明した自動制御モードにお
ける転舵比の特性に応じて制御することが可能で
ある。
また、同位相固定モードを選択したときは例え
ば前輪1,1の転舵角θFと等しい角度の転舵角θR
だけ後輪2,2を転舵し、車速に関係なく車両を
横移動させることが可能になる。
なお、本発明の対象となる自動制御モードの場
合の制御の特性パターンは、必ずしも第2図に示
される例に限られるものではなく、低速時は逆位
相とし、かつその逆位相領域では前輪転舵角の増
加に応じて後輪転舵角が実質的に全ての前輪転舵
角範囲にわたつて比例的に増加するようにし、高
速時は同位相とし、かつその同位相領域では実質
的に全ての前輪転舵角範囲にわたつて前輪の転舵
と実質同時に後輪を転舵させると共に前輪転舵角
が大きいときの前輪転舵角の増加に対する後輪転
舵角の増加割合が前輪転舵角が小さいときのその
増加割合よりも小さくなるようにしたものであれ
ばどの様なものでも良い。
このように、第5図に示すリンク式の構成によ
つても、前述の実施例のような前輪転舵角に対す
る後輪転舵角特性を実現することができる。特
に、このリンク式の機構は油圧式のものに比べて
重量が小さく、構造が簡単で、組立ても容易であ
つて低コストで製造が可能であるため、小型の車
両に適している。
以上詳細に説明したように、本発明の4輪操舵
装置は、低速時は逆位相とし、かつその逆位相領
域では前輪転舵角の増加に応じて後輪転舵角が実
質的に全ての前輪転舵角範囲にわたつて比例的に
増加するようにし、高速時は同位相とし、かつそ
の同位相領域では実質的に全ての前輪転舵角範囲
にわたつて前輪の転舵と実質同時に後輪を転舵さ
せると共に前輪転舵角が大きいときの前輪転舵角
の増加に対する後輪転舵角の増加割合が前輪転舵
角が小さいときのその増加割合よりも小さくなる
ようにしているので、低速時における小回り性を
実現しつつ高速時における安定性と旋回性の両立
を図ることができ、全体として非常に良好な後輪
操舵が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図までは本発明の4輪操舵装置
における前輪転舵角に対する後輪転舵角の関係を
示す特性曲線であり、第1図は2輪操舵モードの
場合、第2図は自動制御モード(本発明の対象と
なる制御モード)の場合の例、第3図は同位相お
よび逆位相固定モードの場合の例をそれぞれ示
す。第4図は油圧を利用した本発明の4輪操舵装
置の一例を示す概略図、第5図はリンク機構を利
用した本発明の4輪操舵装置の一例を示す概略図
である。 1……前輪、2……後輪、3……ステアリング
ホイール、4……操舵角センサ、5……ピニオ
ン、6……ラツク、7,27……タイロツド、
8,28……ナツクルアーム、10,50……コ
ントローラ、12,52……車速センサ、20…
…ソレノイド、21……メインポンプ、22……
後輪転舵方向切換バルブ、23……油圧アクチユ
エータ、25……リザーバ、26……後輪転舵用
ロツド、31……第1のL字形アーム、32……
中間レバー、33……揺動レバー、34……コン
トロールレバー、34A……軸支部、35……受
けスリーブ、35A……回動軸、36……送りス
リーブ、37……スクリユーロツド、38……駆
動モータ、39……連結レバー、40……第2の
L字形レバー、41……後輪転舵ロツド。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 実質的に全ての前輪転舵角範囲にわたつて前
    輪の転舵と実質同時に後輪を転舵させると共に、
    車速に応じて低速時は前輪転舵方向と逆方向の逆
    位相に、高速時は前輪転舵方向と同方向の同位相
    に後輪を転舵させる車両の4輪操舵装置におい
    て、 低速時における逆位相領域では、前輪転舵角の
    増加に応じて後輪転舵角を実質的に全ての前輪転
    舵角範囲にわたつて比例的に増加させ、高速時に
    おける同位相領域では、前輪転舵角が大きいとき
    の前輪転舵角の増加に対する後輪転舵角の増加割
    合が前輪転舵角が小さいときのその増加割合より
    も小さくなるように後輪転舵を制御する制御手段
    を有していることを特徴とする車両の4輪操舵装
    置。
JP28275889A 1989-10-30 1989-10-30 車両の4輪操舵装置 Granted JPH02162165A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28275889A JPH02162165A (ja) 1989-10-30 1989-10-30 車両の4輪操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28275889A JPH02162165A (ja) 1989-10-30 1989-10-30 車両の4輪操舵装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19005182A Division JPS5981263A (ja) 1982-10-29 1982-10-29 車両の4輪操舵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02162165A JPH02162165A (ja) 1990-06-21
JPH0431910B2 true JPH0431910B2 (ja) 1992-05-27

Family

ID=17656681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28275889A Granted JPH02162165A (ja) 1989-10-30 1989-10-30 車両の4輪操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02162165A (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS596171A (ja) * 1982-07-05 1984-01-13 Mitsubishi Motors Corp 後輪操舵機構の制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS596171A (ja) * 1982-07-05 1984-01-13 Mitsubishi Motors Corp 後輪操舵機構の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02162165A (ja) 1990-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4552239A (en) Four-wheel steering device for vehicle
JPS6365549B2 (ja)
JPH0428588B2 (ja)
JPS6365548B2 (ja)
JPS6365546B2 (ja)
JPH0440229B2 (ja)
JPH0431910B2 (ja)
JPS6365547B2 (ja)
JPH0425191B2 (ja)
JPS5981259A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH0355350B2 (ja)
JPH0431909B2 (ja)
JPH0431908B2 (ja)
JPH02193774A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH0353148B2 (ja)
JPH0427068B2 (ja)
JPS5981260A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH0468188B2 (ja)
JP3761056B2 (ja) 後2軸車両の後前輪操舵制御装置
JPH02197467A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPS63121574A (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH043352B2 (ja)
JPS6280174A (ja) 四輪操舵装置
JPH052551B2 (ja)
JPH02109777A (ja) 後輪操舵装置