JPH04264051A - ビスフェノールモノエステルの製造法 - Google Patents

ビスフェノールモノエステルの製造法

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JPH04264051A
JPH04264051A JP3023539A JP2353991A JPH04264051A JP H04264051 A JPH04264051 A JP H04264051A JP 3023539 A JP3023539 A JP 3023539A JP 2353991 A JP2353991 A JP 2353991A JP H04264051 A JPH04264051 A JP H04264051A
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喜久光 井上
Manji Sasaki
佐々木 万治
Kazuaki Yamamoto
和明 山本
Shinichi Yago
八児 真一
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、式(I)【0002】 【化8】 【0003】(式中、R1は水素または炭素数1〜3の
アルキル基を表し、R2およびR3 はそれぞれ独立に
炭素数1〜5のアルキル基を表し、R4 は炭素数1〜
3のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基またはフ
ェニル基を表す)で示されるビスフェノールモノエステ
ルの製造法に関する。 【0004】 【従来の技術】上記式(I)で示されるビスフェノール
モノエステルは、例えばブタジエンゴム(BR)、スチ
レン/ブタジエン共重合ゴム(SBR)、スチレン/ブ
タジエンブロック共重合ゴムまたは樹脂(SBS)など
、ブタジエン系ポリマーの製造過程および加工時におけ
る熱劣化防止剤として、あるいはポリエチレンやポリプ
ロピレンをはじめとするポリオレフィンなど、各種合成
樹脂の安定剤として有用な化合物である。 【0005】式(I)で示されるビスフェノールモノエ
ステルの製造法としては、式 (IV) 【0006】 【化9】 【0007】(式中、R1 、R2 およびR3 は前
記の意味を有する)で示されるビスフェノール体と式 
(VI)【0008】 【化10】 【0009】(式中、R4 は前記と同じ意味を有する
)で示されるカルボン酸とを、脱ハロゲン化水素剤の存
在下、ハロゲン化剤を用いて反応させる方法(特開昭 
59−144733号公報、特開昭 63−5053号
公報)、あるいは上記式 (VI) で示されるカルボ
ン酸から誘導される酸ハロゲン化物または酸無水物と上
記式 (IV) で示されるビスフェノール体とを、ア
ミン類やピリジン類などの塩基性化合物の存在下に反応
させる方法(特開昭 56−61323 号公報、米国
特許第 3,984,372号)が知られている。 【0010】なお、前記式 (IV) で示されるビス
フェノール体は一般に、式 (II)  【0011】 【化11】 【0012】(式中、R1 は前記の意味を有する)で
示されるアルデヒドと、式(III)  【0013】 【化12】 【0014】(式中、R2 およびR3 は前記の意味
を有する)で示されるジアルキルフェノールとの縮合反
応によって製造されている。 【0015】しかしながら、前記式(I)で示されるビ
スフェノールモノエステルを製造する上記公知の方法は
、単離精製されたビスフェノール体 (IV)を用いる
ため、ビスフェノール体の単離精製時に溶解ロスを伴い
、ジアルキルフェノール(III) 側からの収率の低
下を招き、さらには濾過、乾燥などに多くの時間を要す
るなど、工業的規模での生産において必ずしも満足でき
るものではなかった。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、こうし
た点に解決を与え、工業的に満足のいく製造法を得るべ
く鋭意研究を重ねた結果、特定の有機溶媒を用い、アル
デヒド (II) とジアルキルフェノール(III)
 との縮合反応混合物から水分を除去することにより、
ビスフェノール体 (IV) を単離精製することなく
、ジアルキルフェノールから連続して優れた品質の目的
物を、高収率でかつ経済的に製造しうる方法を見出し、
本発明に至った。 【0017】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、炭素
数6〜10の脂肪族炭化水素類および炭素数6〜12の
芳香族炭化水素類から選ばれる溶媒中で、前記式 (I
I) で示されるアルデヒドと、前記式(III) で
示されるジアルキルフェノールとを縮合反応させて、前
記式(IV) で示されるビスフェノール体を得、次い
でこのビスフェノール体を含む有機層を脱水処理に付し
たあと、該ビスフェノール体を単離せずに、式(V) 【0018】 【化13】 【0019】(式中、R4 は前記の意味を有し、Xは
水酸基、ハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基または
基【0020】 【化14】 【0021】を表す)で示されるカルボン酸系化合物と
反応させることを特徴とする前記式(I)で示されるビ
スフェノールモノエステルの製造方法を提供する。 【0022】本発明で用いる式  (II)  のアル
デヒドにおいて、R1 で表されるアルキル基としては
、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロ
ピル基が例示できる。式 (II) で示されるアルデ
ヒドの具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド
、イソブチルアルデヒドが挙げられる。 【0023】また式(III) のジアルキルフェノー
ルにおいて、R2 およびR3 で表されるアルキル基
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、t−ペンチル基などが例示できる。R
2 およびR3 はもちろん、同一であっても異なって
いてもよい。 式(III) で示されるジアルキルフェノールの具体
例としては、2,4−ジ−t−ペンチルフェノール、2
,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4
−メチルフェノール、2−t−ブチル−4−エチルフェ
ノール、2−t−ブチル−4−プロピルフェノール、2
−t−ブチル−4−イソプロピルフェノールなどが挙げ
られる。 【0024】したがって、縮合反応により得られる式 
(IV) で示されるビスフェノール体の具体例として
は、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ペン
チルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−
ジ−t−ペンチルフェノール)、2,2′−エチリデン
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)
、2,2′−プロピリデンビス(6−t−ブチル−4−
メチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(6−
t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチ
レンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチル
フェノール)、2,2′−エチリデンビス(6−t−ブ
チル−4−プロピルフェノール)、2,2′−エチリデ
ンビス(6−t−ブチル−4−イソプロピルフェノール
)などが挙げられる。 【0025】また式(V)で示されるカルボン酸系化合
物は、フリーのカルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、
カルボン酸の低級アルキルエステルまたはカルボン酸無
水物でありうる。式(V)のカルボン酸系化合物として
具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、3−ブテン酸、安息香酸な
どのカルボン酸、これらカルボン酸のハロゲン化物、例
えば塩化物、臭化物およびヨウ化物、これらカルボン酸
の低級アルキルエステル、例えばメチルエステル、エチ
ルエステルおよびプロピルエステル、ならびにこれらカ
ルボン酸の無水物が挙げられる。 【0026】本発明により製造される式(I)のビスフ
ェノールモノエステルは、式 (IV) で示されるビ
スフェノール体と式(V)で示されるカルボン酸系化合
物とのモノエステルであり、特にR4 がアルケニル基
である化合物が、各種ポリマー用の安定剤として好まし
く用いられている。このような式(I)で示されるビス
フェノールモノエステルの好ましい具体例としては、2
−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチル
フェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニ
ル  アクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3
,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−
ジ−t−ペンチルフェニル  メタクリレート、2−(
2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルベンジル)
−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル  アクリレート
、2,4−ジ−t−ブチル−6−〔1−(3,5−ジ−
t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニ
ル  アクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−(
3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)フ
ェニル  アクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6
−〔1−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)エチル〕フェニル  メタクリレート、2−t
−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5
−メチルベンジル)−4−メチルフェニル  アクリレ
ート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−
2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エチル〕−4−
メチルフェニル  アクリレート、2−t−ブチル−6
−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベン
ジル)−4−メチルフェニル  メタクリレート、2−
t−ブチル−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピル〕−4−メチルフ
ェニル  アクリレート、2−t−ブチル−6−(3−
t−ブチル−5−エチル−2−ヒドロキシベンジル)−
4−エチルフェニル  アクリレート、2−t−ブチル
−6−〔1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−
プロピルフェニル)エチル〕−4−プロピルフェニル 
 アクリレート、2−t−ブチル−6−〔1−(3−t
−ブチル−2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル
)エチル〕−4−イソプロピルフェニル  アクリレー
トなどが例示される。 【0027】本発明において、式 (II) で示され
るアルデヒドと式(III) で示されるジアルキルフ
ェノールとの縮合反応は、溶媒として炭素数6〜10の
脂肪族炭化水素または炭素数6〜12の芳香族炭化水素
を用いて行われる。炭素数6〜10の脂肪族炭化水素と
しては例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、n−ノナン、n−デカン、シクロヘキサンなどが
あげられる。また、炭素数6〜12の芳香族炭化水素と
しては例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、
キシレン、クメン、シメン、クロルベンゼンなどをあげ
ることができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で用い
ることもできるし、また2種以上を併用することもでき
る。これらのなかでも、特に芳香族炭化水素、とりわけ
トルエンまたはキシレンが好ましく用いられる。溶媒の
使用量は、式(III) のジアルキルフェノールに対
し、1〜100重量%程度が好ましい。 【0028】また、この反応は通常、触媒、界面活性剤
などの存在下で実施するのが好ましい。触媒としては通
常、酸触媒、例えば硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸、
燐酸などが使用できる。界面活性剤としては通常、親水
性親油性バランス(HLB)の高い陰イオン系界面活性
剤が用いられる。 【0029】縮合反応の温度は60〜110℃程度の範
囲が好ましく、特に70〜100℃程度がより好ましい
。この反応は、通常大気圧下で進行するが、加圧下で行
ってもよい。また反応時間は、通常1時間以上20時間
程度までで十分であり、より好ましくは2〜10時間程
度の範囲である。 【0030】本発明では、縮合反応で得られる式 (I
V) のビスフェノール体を単離することなく、反応混
合物のまま、式(V)で示されるカルボン酸系化合物と
の反応に供される。ただしそれに先立って、縮合反応で
生成する水層を分離除去し、式(IV)のビスフェノー
ル体を含む有機層は脱水処理に供される。好ましくは、
縮合により副生した水を含む反応混合物に、反応で使用
した溶媒を追加したあと、有機層と水層とに分離し、必
要に応じて中和、水洗などの後処理を行う。溶媒を追加
添加する場合、その量は、式(III) のジアルキル
フェノールに対し、30重量%以上が好ましく、特に4
0〜200重量%がより好ましい。あまり過剰の溶媒を
用いることは、回収蒸留の負担が増えることとなるので
好ましくない。 【0031】このようにして得られる有機層には水分が
含まれる。一般に、式(IV) で示されるビスフェノ
ール体のエステル化反応自体は水を嫌うことから、原料
である式(IV) のビスフェノール体に含まれる水分
を極力少なくする必要がある。そこで本発明では、式(
V)で示されるカルボン酸系化合物と反応させる前に、
式(IV)のビスフェノール体を含む有機層は脱水処理
に供される。 【0032】有機層に含まれる水分を除去する方法とし
ては、加熱による方法、脱水剤を用いる方法などが挙げ
られる。 【0033】加熱により脱水する場合は通常、式 (I
V) で示されるビスフェノール体を含む有機層を加熱
し、溶媒および水分を蒸気として適当な冷却装置に導き
、沸点の違いを利用して水分を系外に留去し、凝縮した
溶媒をもとの有機層に還流するか、あるいは溶媒の蒸発
ができるだけ少なくなるような条件で加熱して、水分を
主体とする蒸気を系外に除去する。このような加熱脱水
は、減圧下で行うのが好ましいが、常圧下で行ってもよ
い。 【0034】また脱水剤を用いて脱水する場合は、オキ
シ塩化リン、オキシ臭化リン、o−またはp−トルエン
スルホン酸クロリド、カルボン酸無水物などが脱水剤と
して用いられる。しかし、脱水剤によっては副反応物を
生じやすくなることから、加熱脱水が好ましく、とりわ
け還流脱水が好ましい。 【0035】本発明では、脱水処理により有機層中の水
分濃度を 0.1重量%以下にするのが好ましく、より
好ましくは水分濃度を 0.05 重量%以下とする。 有機層中の水分濃度が 0.1重量%以上になると、あ
とのエステル化反応における収率の低下や副反応物が生
じやすくなるため、好ましくない。 【0036】このように式 (IV) で示されるビス
フェノール体を含む有機層に脱水処理を施すことにより
、式(I)で示されるビスフェノールモノエステルの原
料となる式(IV) で示されるビスフェノール体を単
離することなく、縮合反応混合物のまま式(V)で示さ
れるカルボン酸系化合物との反応に供することできる。 【0037】本発明では、上記のようにして得られた式
 (IV) で示されるビスフェノール体を含む反応混
合物を、式(V)で示されるカルボン酸系化合物と反応
させることにより、式(I)で示されるビスフェノール
モノエステルが得られる。この反応において、カルボン
酸系化合物(V)はビスフェノール体 (IV) に対
し、モル比で 0.7〜1.7 倍量程度用いるのが好
ましく、特にモル比で1〜1.5 倍量程度用いるのが
より好ましい。 【0038】ビスフェノール体 (IV) とカルボン
酸系化合物(V)との反応自体は、公知の種々の方法に
よって行うことができる。例えばカルボン酸系化合物(
V)が酸ハロゲン化物または酸無水物である場合は、ア
ミン類やピリジン類などの塩基性化合物の存在下に反応
が行われる。またカルボン酸系化合物(V)が低級アル
キルエステルである場合は、エステル交換反応によって
式(I)のビスフェノールモノエステルが製造される。 【0039】本発明では特に、式(V)におけるXが水
酸基である化合物、すなわち前記式(VI) で示され
るカルボン酸を用いて、ビスフェノール体 (IV) 
を含む反応混合物と反応させるのが好ましい。この場合
は、脱ハロゲン化水素剤およびハロゲン化剤を用いて、
反応が行われる。 【0040】ここで用いる脱ハロゲン化水素剤としては
例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、N,N
−ジメチルベンジルアミン、テトラメチル尿素などの三
級アミン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)
ピリジンなどのピリジン系化合物が挙げられる。これら
のなかでも、特に安価で回収容易なトリエチルアミンが
好ましく用いられる。 【0041】またハロゲン化剤としては、例えばオキシ
塩化リン、オキシ臭化リン、o−トルエンスルホン酸ク
ロリド、p−トルエンスルホン酸クロリドなどを用いる
ことができる。これらのなかでも、特にオキシ塩化リン
を用いるのが好ましい。 【0042】式 (IV) で示されるビスフェノール
体を含む反応混合物と式 (VI) で示されるカルボ
ン酸との反応において、ハロゲン化剤の好ましい使用量
は、一般には、カルボン酸 (VI) に対し、ハロゲ
ン化剤中のハロゲン原子として 0.7〜3モル倍程度
であり、より好ましくは 0.8〜2.5 モル倍程度
である。さらに好ましい使用量は、用いるハロゲン化剤
の種類によって変化する。例えばハロゲン化剤がオキシ
塩化リンまたはオキシ臭化リンである場合は、カルボン
酸 (VI) に対してモル比で 0.4〜1倍量程度
用いるのが好ましく、特に 0.5〜0.8 倍量程度
がより好ましい。一方、ハロゲン化剤がo−またはp−
トルエンスルホン酸クロリドである場合は、カルボン酸
 (VI) に対してモル比で 0.7〜1.6 倍量
程度用いるのが好ましく、特に 0.8〜1.2 倍量
程度がより好ましい。 【0043】脱ハロゲン化水素剤は、ハロゲン化剤中の
ハロゲン原子1モルに対し、 0.8〜2.6 モル程
度の割合で用いるのが好ましい。脱ハロゲン化水素剤の
より好ましい使用量は、ハロゲン化剤の種類によって変
化する。 例えばハロゲン化剤がオキシ塩化リンまたはオキシ臭化
リンである場合は、このハロゲン化剤に対し脱ハロゲン
化水素剤をモル比で 2.7〜3.8倍量程度用いるの
が好ましく、より好ましくはモル比で 2.9〜3.5
 倍量程度用いる。またハロゲン化剤がo−またはp−
トルエンスルホン酸クロリドである場合は、このハロゲ
ン化剤に対し脱ハロゲン化水素剤をモル比で 0.8〜
2.6 倍量程度用いるのが好ましく、より好ましくは
モル比で0.9 〜2.4 倍量程度用いる。 【0044】ビスフェノール体 (IV) を含む反応
混合物への、カルボン酸 (VI) 、脱ハロゲン化水
素剤およびハロゲン化剤の仕込み順序は特に制限されな
い。例えばビスフェノール体 (IV) を含む反応混
合物に、カルボン酸 (VI) 、脱ハロゲン化水素剤
およびハロゲン化剤の三者を併注することもできるし、
ビスフェノール体 (IV) を含む反応混合物にカル
ボン酸 (VI) を加え、そこに脱ハロゲン化水素剤
およびハロゲン化剤を併注することもできるし、またビ
スフェノール体 (IV) を含む反応混合物にカルボ
ン酸 (VI) および脱ハロゲン化水素剤を加え、そ
こにハロゲン化剤を添加していくこともできる。しかし
反応収率などを考慮すると、ビスフェノール体 (IV
) とカルボン酸 (VI) とを、脱ハロゲン化水素
剤の存在下で、ハロゲン化剤を用いて反応させるのが好
ましい。すなわち、ビスフェノール体 (IV) を含
む反応混合物にカルボン酸 (VI) および脱ハロゲ
ン化水素剤を加え、そこにハロゲン化剤を加えていく方
法が好ましい。 【0045】ビスフェノール体 (IV) とカルボン
酸系化合物(V)とのエステル化反応における温度は、
0〜120℃程度が好ましく、特に20〜100℃程度
がより好ましい。この反応は通常大気圧下で進行するが
、加圧下で行ってもよい。また反応時間は、通常 0.
5時間以上20時間程度までで十分であり、より好まし
くは1〜10時間程度である。 【0046】反応終了後は、例えばカルボン酸系化合物
(V)としてフリーのカルボン酸または酸ハロゲン化物
を用いた場合に副生する脱ハロゲン化水素剤の酸塩を、
濾過などにより分離するかあるいは反応液に水を加えて
溶解除去し、必要に応じて中和、水洗などの後処理を行
う。こうして得られた反応混合物からは、そのまま冷却
して晶析を行うか、あるいは蒸留によって適当量の溶媒
を回収したあと冷却して晶析を行うことにより、目的物
を分離することができる。晶析の際の溶媒は、反応で用
いた溶媒をそのまま用いることもできるし、またそれと
は異なる溶媒を用いることもできる。反応溶媒と異なる
晶析溶媒としては例えば、メタノール、エタノールなど
のアルコール類、アセトン、エチルメチルケトンなどの
ケトン類を用いることができる。このようにして得られ
た目的物は、さらに再結晶などにより精製することもで
きる。 【0047】 【実施例】次に具体的な実施例により、本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限
定されるものではない。なお以下の例中、部および%は
、特にことわりがない限り重量基準である。 【0048】実施例1 温度計、攪拌装置、還流冷却管および滴下装置を備えた
反応容器に、2,4−ジ−t−ペンチルフェノール23
44部、キシレン200部、陰イオン系界面活性剤47
部、78%濃硫酸95部および30%アセトアルデヒド
水溶液771部を仕込み、攪伴しながら90〜100℃
の温度範囲に保って7時間反応させた。反応終了後、キ
シレン3600部を投入し、水層を分液除去したあと、
有機層が中性になるまで水洗し、次いで90〜110℃
、約200mmHgの減圧下で、溶媒を還流しながら水
分を系外に留去した。得られた縮合反応混合物を冷却後
、そこにアクリル酸448部およびトリエチルアミン1
290部を仕込み、反応器内の空気を窒素置換したあと
、オキシ塩化リン634部を滴下し、さらに40℃で1
時間保温した。そのあと有機層を中性になるまで水洗し
、さらにキシレンを減圧留去した。次いで、この蒸留残
査にメタノールを加えて晶析することにより、融点11
9〜121℃で白色結晶状の2−〔1−(2−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4
,6−ジ−t−ペンチルフェニル  アクリレートを2
226部得た(ジアルキルフェノール基準で収率 80
.5%)。 【0049】実施例2 実施例1におけるキシレンのかわりにトルエンを用い、
実施例1と同様の操作で実験を行った。 【0050】実施例3 実施例1におけるアクリル酸のかわりにメタクリル酸5
35部を用いる以外は実施例1と同様の操作を行って、
融点103〜105℃、白色結晶状の2−〔1−(2−
ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチ
ル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル  メタクリ
レートを2249部得た。 【0051】実施例4 実施例1における2,4−ジ−t−ペンチルフェノール
のかわりに2,4−ジ−t−ブチルフェノール2063
部を用い、溶媒としてキシレンのかわりにトルエンを用
いる以外は、実施例1と同様の操作を行い、融点190
〜192℃で白色結晶状の2,4−ジ−t−ブチル−6
−〔1−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)エチル〕フェニル  アクリレート2088部
を得た。 【0052】実施例5 実施例1で用いたのと同様の反応容器に、2−t−ブチ
ルー4ーメチルフェノール1643部、キシレン800
部、陰イオン系界面活性剤14部、96%濃硫酸3部お
よび37%ホルムアルデヒド水溶液456部を仕込み、
攪拌しながら、90〜95℃の温度範囲に保って、3時
間反応させた。反応終了後に、キシレン890部を投入
し、実施例1と同様の後処理および還流脱水を行った。 反応液を冷却したあと、そこにアクリル酸354部およ
びトリエチルアミン1057部を仕込み、反応容器内の
空気を窒素置換してから、オキシ塩化リン464部を滴
下し、さらに80℃で1時間保温した。そのあと実施例
1と同様の後処理および晶析操作を行い、融点132〜
134℃で白色結晶状の2−t−ブチル−6−(3−t
−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4
−メチルフェニル  アクリレートを1564部得た。 【0053】実施例6 実施例5におけるキシレンのかわりにトルエンを用い、
アクリル酸のかわりにメタクリル酸423部を用いた以
外は、実施例5と同様の操作を行って、融点144〜1
46℃、白色結晶状の2−t−ブチル−6−(3−t−
ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−
メチルフェニル  メタクリレートを1718部得た。 【0054】以上の実施例1〜6で得られた反応成績を
、表−1にまとめて示す。 【0055】表          −       
   1【0056】 【発明の効果】本発明によれば、ビスフェノール体を単
離することなく、ジアルキルフェノールから連続して、
目的物である式(I)のビスフェノールモノエステルを
、高い収率と高い純度で、しかも効率よく経済的に製造
することができる。したがって本発明の方法は、工業的
規模で式(I)のビスフェノールモノエステルを製造す
る方法として有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数6〜10の脂肪族炭化水素類および
    炭素数6〜12の芳香族炭化水素類から選ばれる溶媒中
    で、式 (II)  【化1】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜3のアルキル基
    を表す)で示されるアルデヒドと、式(III) 【化
    2】 (式中、R2 およびR3 は、それぞれ独立に炭素数
    1〜5のアルキル基を表す)で示されるジアルキルフェ
    ノールとを縮合反応させて、式 (IV) 【化3】 (式中、R1 、R2 およびR3 は前記と同じ意味
    を有する)で示されるビスフェノール体を得、次いでこ
    のビスフェノール体を含む有機層を脱水処理に付したあ
    と、該ビスフェノール体を単離せずに、式(V)【化4
    】 (式中、R4 は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2
    〜4のアルケニル基またはフェニル基を表し、Xは水酸
    基、ハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基または基【
    化5】 を表す)で示されるカルボン酸系化合物と反応させるこ
    とを特徴とする式(I) 【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前記と
    同じ意味を有する)で示されるビスフェノールモノエス
    テルの製造方法。
  2. 【請求項2】溶媒が、トルエンおよびキシレンから選ば
    れる芳香族炭化水素である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】式 (II) で示されるアルデヒドと式
    (III) で示されるジアルキルフェノールとの縮合
    反応生成物に溶媒を追加して、有機層と水層に分離する
    請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】式 (IV) で示されるビスフェノール
    体を含む有機層の脱水処理が、還流によって行われる請
    求項1、2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】式(V)のカルボン酸系化合物が式 (V
    I) 【化7】 (式中、R4 は請求項1で定義したとおりの意味を有
    する)で示されるカルボン酸であり、該カルボン酸と式
     (IV) で示されるビスフェノール体との反応を、
    脱ハロゲン化水素剤の存在下に、ハロゲン化剤を用いて
    行う請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】ハロゲン化剤がオキシ塩化リンである請求
    項5記載の方法。
  7. 【請求項7】脱ハロゲン化水素剤がトリエチルアミンで
    ある請求項5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】式(I)および(V)におけるR4 がア
    ルケニル基である請求項1〜7のいずれかに記載の方法
  9. 【請求項9】式(I)で示されるビスフェノールモノエ
    ステルが、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−
    t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペ
    ンチルフェニル  アクリレート、2−〔1−(2−ヒ
    ドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル
    〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル  メタクリレ
    ート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒ
    ドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル
      アクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブ
    チル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メ
    チルフェニル  メタクリレート、または2,4−ジ−
    t−ブチル−6−〔1−(3,5−ジ−t−ブチル−2
    −ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニル  アクリレ
    ートである請求項8記載の方法。
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