JPH04249006A - 透明導電性積層体 - Google Patents

透明導電性積層体

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JPH04249006A
JPH04249006A JP3031383A JP3138391A JPH04249006A JP H04249006 A JPH04249006 A JP H04249006A JP 3031383 A JP3031383 A JP 3031383A JP 3138391 A JP3138391 A JP 3138391A JP H04249006 A JPH04249006 A JP H04249006A
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layer
film
cyanoethyl
metal
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Hitoshi Mikoshiba
均 御子柴
Masao Suzuki
鈴木 将夫
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電性積層体に関
し、特にエレクトロルミネッセンスディスプレー用途に
適した透明導電性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】透明な有機高分子成形物表面に、金属酸
化物の薄膜からなる透明導電層を形成して、透明性があ
り、かつ導電性のある積層体としたものが種々の分野で
利用されている。かかる利用分野のなかで、エレクトロ
ルミネッセンスディスプレー(ELD)のアルミニウム
電極に対向する透明電極としての利用が試みられている
【0003】ELDは、携帯型のパーソナルコンピュー
ターやワードプロセッサー等に搭載された液晶ディスプ
レーのバックライトとして用いられている。携帯型のパ
ーソナルコンピューターやワードプロセッサーは電池で
駆動されている。電池の寿命を長くするためELDは、
低消費電力で動作することが求められている。すなわち
、ELDの発光効率を向上させる必要がある。
【0004】従来、透明導電層上に直接あるいはPd薄
膜層を介してシアノエチル樹脂層を形成した透明導電性
積層体が知られている。これをELD作成に利用した場
合、ELDの製造工程の歩留り向上には効果がみられる
ものの、ELDの発光効率は、シアノエチル樹脂層のな
い透明導電性積層体を用いた場合と比較して全く変化が
なかった。
【0005】従来、ELDの発光効率は、発光層によっ
て決まると考えられ、透明導電性積層体側からのELD
の発光効率向上へのアプローチはほとんどなされていな
かった。
【0006】また、シアノエチル樹脂層を形成した透明
導電性積層体を重ねてあるいはロール状に巻いて高温高
湿度下に放置した時に、シアノエチル樹脂層と接触した
透明導電性積層体背面にシアノエチル樹脂層が一部転写
したり、外観不良となる問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ELDの透
明電極として用いたとき高い発光効率のELDを得るこ
とができ、かつ保存性に優れた透明導電性積層体の提供
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機高分子成
形物(A)上に、金属酸化物よりなる透明導電層(B)
、保護層(C)さらにその上にシアノエチル樹脂層(D
)が形成されてなる透明導電性積層体である。
【0009】以下、本発明の詳細を発明に至った経過と
ともに説明する。
【0010】本発明者らは、透明導電層と発光層との間
に介在する透明導電層上のオーバーコート層に発光効率
向上の鍵があるのではないかと着目し、該オーバーコー
ト層について鋭意研究した結果、該オーバーコート層を
、保護層(C)とシアノエチル樹脂層(D)の2層構成
とすることにより、驚くべきことにELDの発光効率が
向上することを見出した。
【0011】更に、保護層(C)とシアノエチル樹脂層
(D)の2層構成のオーバーコート層を用いることによ
り、透明導電性積層体を重ねてあるいはロール状に巻い
て高温高湿度下に放置しても、該オーバーコート層と接
触した透明導電性積層体背面へのオーバーコート層の転
写や外観不良の発生を防止できることを見出し、本発明
に到達した。
【0012】オーバーコート層が、保護層(C)のみで
は、発光層との密着性が不十分であり、また、シアノエ
チル樹脂層(D)のみでは、発光効率向上効果がなく更
に、高温高湿度下に放置した時にオーバーコート層の転
写や外観不良を生じ、いずれも本発明の目的を達成する
ことができない。
【0013】本発明における有機高分子成形物(A)を
構成する有機高分子化合物としては、耐熱性を有する透
明な有機高分子化合物であれば特に限定されない。
【0014】通常、耐熱性としては、100℃以上が好
ましい。耐熱性が100℃未満では、発光層や捕水フイ
ルムと貼り合わせる際に変形が著しくなり、透明導電層
の抵抗値が増大したり外観不良となるため好ましくない
【0015】これらの有機高分子化合物としては、例え
ばポリイミド:ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;
ポリパラバン酸;ポリヒダントイン:ポリアリレートを
はじめとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリジ
アリルフタレート、ポリカーボネートなどのポリエステ
ル系樹脂;芳香族ポリアミドおよびセルローストリアセ
テートなどが挙げられる。もちろん、これらはホモポリ
マー、コポリマーとして、また単独またはブレンドとし
ても使用しうる。
【0016】かかる有機高分子化合物の成形物の形状は
特に限定されるものではないが、通常、シート状、フイ
ルム状のものが好ましく、なかでもフイルム状のものは
巻取り可能であり、また連続生産が可能であるため、特
に好ましい。さらに、フイルム状のものが使用される場
合においては、フイルムの厚さは、6〜500μmが好
ましく、12〜200μmが特に好ましい。
【0017】これらのフイルムまたはシートは、透明性
を損わない程度において顔料を添加したり、また表面加
工、例えばサンドマット加工などを施してもよい。
【0018】また、これらのフイルムまたはシートは単
独でもラミネートして用いてもよい。
【0019】本発明の透明導電層(B)は、金属酸化物
より構成される。例えば、錫および/またはフッ素含有
酸化インジウム、CTO(Cadmium Tin O
xide)、アンチモン含有酸化錫、酸化チタンなどを
挙げることができる。ながでもITO(Indium 
Tin Oxide)膜は、透明性、導電性が特に優れ
ており、さらに電極のパターン化が容易(エッチング特
性が優れている)などの特徴を有し特に好ましい。
【0020】透明導電層(B)の膜厚は、充分な導電性
を得るためには50オングストローム以上であることが
好ましい。
【0021】また、充分に透明度の高い被膜を得るため
には、透明導電層(B)の膜厚は500オングストロー
ム以下であることが好ましく、400オングストローム
以下がより好ましい。
【0022】透明導電層(B)を形成する方法としては
、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティン
グ法などの物理的製膜法:導電性微粒子を含有する被覆
液を用いる被覆法:化学メッキ法などがあるが、透明導
電層の均一性、透明性の点で物理的製膜法が好ましい。
【0023】さらに、透明導電層(B)と有機高分子成
形物(A)との密着性を向上させるため、透明導電層形
成前に有機高分子成形物上に中間層を形成してもよい。
【0024】中間層としては、例えば有機ケイ素化合物
、チタンアルキルエステル、ジルコニウムアルキルエス
テルなどの有機金属化合物の加水分解により生成された
層が好ましく用いられる。この中間層は、多層構成とし
てもよい。
【0025】中間層は、有機高分子成形物表面に有機金
属化合物を含む被覆液を被覆後、被覆液中および/また
は処理雰囲気中の微量の水分の存在下に、加熱;イオン
ボンバードあるいは紫外線:β線、γ線などの放射線の
作用により有機金属化合物を加水分解し硬化させること
により得られる。
【0026】また、中間層の被覆には、透明有機高分子
成形物や被覆液の形状、性質に応じてドクターナイフ、
バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコー
ター、ナイフコーターなどの公知の塗工機械を用いる塗
工法、スプレー法、浸漬法などを用いることができる。
【0027】中間層の厚さとしては、100〜1,00
0オングストロームが好ましく、特に200〜900オ
ングストロームが好ましい。
【0028】中間層の厚さが100オングストローム未
満の場合には、連続層を形成しないため密着性などの向
上効果がなく、一方1,000オングストロームを超え
ると、クラックや剥離を生じたりして好ましくない。
【0029】本発明における透明導電性積層体は、有機
高分子成形物の両面に必要に応じて中間層を介して透明
導電層を積層した構成にしてもよい。
【0030】本発明の目的を達成するためには保護層(
C)は透明導電性積層体と発光層とを貼り合わせる際に
軟化または流動せずに貼り合わせた後も層として存在す
る必要がある。
【0031】この様な保護層(C)を構成するために用
いられる材料は軟化温度が130℃以上好ましくは15
0℃以上でかつバルクで測定した時の比抵抗が1010
Ωcm以上の材料である。
【0032】本発明の目的から、該材料は可視光領域で
透明であることが好ましい。
【0033】かかる材料として、熱硬化性樹脂、UV硬
化性樹脂、有機金属化合物、金属酸化物、金属フッ化物
、金属窒化物、および/またはこれらの混合物をあげる
ことができる。かかる材料によって形成された保護層(
C)は、透明導電層(B)にもシアノエチル樹脂層(D
)にも密着性が良いことが好ましい。例えば180°剥
離で100g/10mm巾以上が好ましい。特に保護層
(C)として下記一般式(I)
【0034】
【化2】 [式中、R1 は水素原子、フェニル素、炭素原子数1
〜4のアルキル基または−(CH2 )x −N−(R
5 )(R6 )で表される基を、R2 は水素原子ま
たは炭素原子数1〜4のアルキル基を、R3 およびR
4 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を
、y は1〜12の整数を、w は0または1の整数を
、z は2または3の整数をそれぞれ表し、w +z 
=3であり、ここでx は1〜12の整数を、R5 、
R6はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1〜
4のアルキル基からなる群から選ばれる基を示す] で表される有機ケイ素化合物の加水分解により生成され
た重合体層でかつ該重合体層に金属化合物の微粒子を含
有する層が好ましい。
【0035】前記一般式(I)で表わされる有機ケイ素
化合物は、加水分解によりSiとOの結合を網状に形成
し、−Si−O−の繰り返し単位を主鎖として有する重
合体となる。
【0036】すなわち、下記構造の繰り返し単位を有す
るものが推定される。
【0037】
【化3】 などである。ここで、Siの一部はOを介して、透明導
電層である金属酸化物表面および/または重合体層中に
含まれる金属化合物の微粒子表面と化学的に結合しうる
【0038】これらの化合物中、本発明の透明導電性積
層体として優れた密着性を示すものとしては、前記一般
式(I)中、R1 およびR2 、またはR2 、R5
 およびR6 が水素原子である、すなわち官能基とし
てアミノ基(−NH2 )を含むものが好ましく、例え
【0039】
【化4】 で表される化合物を挙げることができる。
【0040】本発明の有機ケイ素化合物としては、前記
一般式(I)で表される化合物のほか、これらの化合物
の加水分解により生成したオリゴマー(例えば会合度1
0以下のオリゴマー)も使用でき、またこれらの2種以
上を使用することもできる。
【0041】また、本発明の効果を妨げない範囲で、一
般式(I)で表される有機ケイ素化合物に、他の有機ケ
イ素化合物、アルキルチタネートおよび/またはアルキ
ルジルコネートを添加して使用してもよい。
【0042】本発明の有機ケイ素化合物は、必要に応じ
て硬化触媒、接着促進剤、ぬれ性改良剤、可塑剤、各種
安定剤、難燃剤、酸化防止剤などの各種添加剤と混合し
て用いることもできる。
【0043】該有機ケイ素化合物の加水分解により生成
した重合体層に含有される金属化合物微粒子は、一次粒
子系が100〜1,000オングストロームであること
が好ましい。
【0044】本発明で用いられる金属化合物微粒子とし
ては、アンチモン含有酸化スズ、酸化スズ、スズ含有酸
化インジウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛
、酸化アルミニウム、イットリウム含有酸化ジルコニウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタンなど
の金属酸化物、フッ化マグネシウムなどの金属フッ化物
、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸
鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛、チタン酸アルミニ
ウムなどが挙げられる。
【0045】これらのうち、特に酸化ケイ素微粒子の各
粒子の表面が疎水化あるいは改質されており、トルエン
のような疎水性溶剤にも一次粒子のままコロイド次元で
透明に分散できるものが好ましい。
【0046】特に、一次粒子径が100〜1,000オ
ングストロームのものが、分散の安定性の点で好ましい
【0047】金属化合物の微粒子を含んだ有機ケイ素化
合物の加水分解により生成された重合体層は、有機ケイ
素化合物の有する官能基による化学的親和性の向上効果
と、金属化合物の微粒子を含むことによる重合体層表面
の凹凸の形成に伴うアンカー効果の増大との相乗効果に
よりシアノエチル樹脂層(D)との密着性を著しく向上
させることができる。
【0048】特に、酸化ケイ素微粒子は、有機ケイ素化
合物との相性がよいので重合体層中に均一に分散され、
前記アンカー効果が最大限に発揮されるため特に密着性
向上効果に優れる。
【0049】該金属化合物微粒子を含有した重合体層を
得るためには、先ず前記一般式(I)で表される有機ケ
イ素化合物および/またはこれらの化合物の加水分解に
より生成したオリゴマーを含む溶液と、前記金属化合物
の微粒子をコロイド状に分散させた溶液とから、有機ケ
イ素化合物と金属化合物の微粒子を含む被覆液を得る。
【0050】該被覆液は、酸化ケイ素微粒子と一般式(
I)で表される有機ケイ素化合物の固形分重量比が0.
5/1〜2/1の範囲に調整されていることが好ましい
。前記固形分重量比が0.5/1未満でも、2/1を超
えてもシアノエチル樹脂層(D)との密着性が低下して
好ましくない。他の金属化合物の場合は、0.05/1
〜2/1の範囲に調整されていることが好ましい。
【0051】なお、被覆液の被覆には、有機高分子成形
物や被覆液の形状、性質に応じてドクターナイフ、バー
コーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ナイ
フコーターなどの公知の塗工機械を用いる塗工法、スプ
レー法、浸漬法などを用いることできる。
【0052】前記被覆液を被覆後、被覆液中および/ま
たは処理雰囲気中の微量の水分の存在下に、加熱、イオ
ンボンバード、紫外線またはβ線もしくはγ線などの放
射線の作用により有機ケイ素化合物を加水分解して硬化
させ、該重合体層を得ることができる。
【0053】本発明の保護層(C)の面内の平均膜厚は
、100〜1,000オングストロームが好ましく、特
に100〜500オングストロームが好ましい。保護層
(C)の膜厚が100オングストローム未満の場合には
、連続層を形成しないため密着性の向上効果がなく、一
方1,000オングストロームを超えるとクラックや剥
離を生じたりして好ましくない。
【0054】なお、保護層(C)と同様な層を有機高分
子成形物の透明導電層を形成しない面(背面)に形成す
ることもできる。
【0055】有機高分子成形物の透明導電層を形成しな
い面(背面)に保護層(C)と同様な層を形成する場合
、透明導電層の形成前にあらかじめ該層を形成しておい
てもよく、透明導電層の形成後に該層を形成してもよい
【0056】本発明のシアノエチル樹脂層(D)を形成
するために用いられるシアノエチル樹脂とは、樹脂中の
水酸基の50%以上がシアノエチル化された樹脂であり
、シアノエチルポリビニルアルコール,シアノエチルプ
ルラン,シアノエチルヒドロキシエチルセルロース,シ
アノエチルサッカロース,シアノエチルキシリトール,
シアノエチルアミロース,シアノエチルフェノキシ樹脂
等をあげることができる。これらのシアノエチル樹脂は
、単独でも2種以上を混合して用いても良い。また、本
発明の効果を妨げない範囲でシアノエチル樹脂と他の樹
脂を混合して用いても良い。
【0057】本発明のシアノエチル樹脂は必要に応じて
接着促進剤,ぬれ性改良剤,可塑剤,各種安定剤,難燃
剤,酸化防止剤などの各種添加剤と混合して用いること
もできる。
【0058】本発明のシアノエチル樹脂層(D)に金属
化合物微粒子を含有させることにより透明導電性積層体
の高温高湿度下の保存性を一層向上させることができる
【0059】本発明のシアノエチル樹脂層(D)に含有
される金属化合物微粒子は、一次粒子径が100〜1,
000オングストロームであることが好ましい。
【0060】金属化合物微粒子としては、アンチモン含
有酸化スズ、酸化スズ、スズ含有酸化インジウム、酸化
インジウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム
、イットリウム含有酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化セリウム、酸化チタンなどの金属酸化物、フッ
化マグネシウムなど金属フッ化物、チタン酸バリウム、
チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン
酸ランタン鉛、チタン酸アルミニウムなどが挙げられる
【0061】これらのうち、特に酸化ケイ素微粒子の各
粒子の表面が疎水化あるいは改質されており、トルエン
のように疎水性溶剤にも一次粒子のままコロイド次元で
透明に分散できるものが好ましい。特に、一次粒子径が
100〜1,000オングストロームのものが、分散の
安定性の点で好ましい。
【0062】シアノエチル樹脂層(D)中の金属化合物
微粒子の分散状態が悪いと、透明導電性積層体と発光層
との密着性が低下する。この点、酸化ケイ素微粒子は、
シアノエチル樹脂との相性が良く、シアノエチル樹脂中
に均一に分散されるので好ましい。
【0063】本発明のシアノエチル樹脂層(D)は、有
機高分子成形物(A)上に、金属酸化物よりなる透明導
電層(B)、保護層(C)を形成し、さらにその上を前
記シアノエチル樹脂のみまたは、前記シアノエチル樹脂
と前記金属化合物微粒子とを含む被覆液で被覆すること
により形成される。
【0064】なお、前記シアノエチル樹脂と前記金属化
合物微粒子とを含む被覆液は、前記シアノエチル樹脂を
含む溶液と前記金属化合物の微粒子をコロイド状に分散
させた溶液とから得ることができる。
【0065】被覆液の被覆には、有機高分子成形物や被
覆液の形状、性質に応じてドクターナイフ、バーコータ
ー、グラビアコーター、カーテンコーター、ナイフコー
ターなどの公知の塗工機械を用いる塗工法、スプレー法
、浸漬法などを用いることができる。
【0066】シアノエチル樹脂層(D)の面内の平均膜
厚は、100〜1,000オングストロームが好ましく
、特に100〜800オングストロームが好ましい。 シアノエチル樹脂層(D)の平均膜厚が100オングス
トローム未満の場合には、連続層を形成しがたくなるた
め発光層との密着性が低く、一方1,000オングスト
ロームを超えると外観不良を生じたりして好ましくない
【0067】なお、シアノエチル樹脂層(D)の膜厚測
定法には種々の方法があるが、好ましい一例を以下に示
す。
【0068】シアノエチル樹脂層上をプラズマ重合膜で
被覆し補強した後透明導電性積層体全体を包む様にエポ
キシ系樹脂で固める。しかる後、透明導電性積層体の断
面が出る様な切片を切り出し、透過型電子顕微鏡で、シ
アノエチル樹脂層を観察する。シアノエチル樹脂層にほ
とんど凹凸がない場合は、正常部数ケ所の膜厚を測定し
これらを平均して平均膜厚を求める。シアノエチル樹脂
層に凹凸がある場合は、凹部,凸部の平均膜厚を求めた
後、平均膜厚=1/2(凹部の平均膜厚+凸部の平均膜
厚)で平均膜厚を算出する。
【0069】ところで、ELDを高温高湿度の条件で連
続点灯させると、透明導電層が劣化することによりEL
Dの輝度が急激に低下することがある。
【0070】透明導電層の劣化を防止する手段として、
透明導電層(B)上に直接または、保護層(C)を介し
てパラジウム、白金、ルテニウム、オスミウム、イリジ
ウム、ロジウムからなる群から選ばれた少なくとも1種
の金属および/または金属酸化物の薄膜層(E)を形成
することができる。
【0071】これらの金属および/または金属酸化物は
、単独で用いても混合物として用いてもよい。また、こ
れらの金属および/または金属酸化物の薄膜層が積層さ
れた構成であってもよい。
【0072】金属および/または金属酸化物の薄膜層(
E)の膜厚は、0.5オングストローム以上20オング
ストローム未満が好ましい。0.5オングストローム未
満では、透明導電層の結果防止効果がない。一方、20
オングストローム以上では透明性が低下して好ましくな
い。
【0073】金属および/または金属酸化物の薄膜の層
(E)の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法などの物理的製膜法が好
ましく用いられる。
【0074】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0075】
【実施例1〜2および比較例1】   分子式NH2 −(CH2 )2 −NH−(CH
2 )3 −Si−(OC2 H5 )3 で表される
有機ケイ素化合物の加水分解により生成した3量体化合
物のエタノール、ブタノール、エチルセロソルブ、トル
エン混合溶液(1)と、表面を疎水化した酸化ケイ素微
粒子(粒径約120オングストローム)をトルエン中に
コロイド状に分散させた溶液(2)、およびイソプロパ
ノールより、全固形分濃度が0.7重量%でかつ酸化ケ
イ素微粒子と有機ケイ素化合物の固形分重量比が1.3
/1.0の被覆液(イ)を調製した。
【0076】シアノエチルプルラン、シアノエチルポリ
ビニルアルコール、メチルセロソルブ、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノンより固形分濃度が、それぞれ、
0.2重量%,0.8重量%のシアノエチルプルラン、
シアノエチルポリビニルアルコールを含む被覆液(ロ)
を調整した。
【0077】シアノエチルプルランよおびシアノエチル
ポリビニルアルコールのメチルセロソルブ、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノンの混合溶液(3)と表面を
疎水化した酸化ケイ素微粒子(粒径約450オングスト
ローム)をトルエン中にコロイド状に分散させた溶液(
4)とから、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリ
ビニルアルコール及び酸化ケイ素微粒子の固形分濃度が
それぞれ、0.2重量%,0.8重量%及び0.5重量
%の被覆液(ハ)を調整した。
【0078】一方、厚さ75μmのポリエチレンテレフ
タレートフイルムを直流マグネトロンスパッタ装置内の
基板保持台に固定し、真空度2×10−5Torrまで
真空槽を排気した。
【0079】その後、Ar/O2 混合ガス(O2 =
25%)を槽内に導入し、真空度4×10−3Torr
に保ったのち、In/Sn合金(Sn=5重量%)より
なるターゲットを用いた反応性スパッタリング法により
膜厚が約250オングストロームのインジウム・スズ酸
化物膜よりなる透明導電層付フイルムを作成した。
【0080】透明導電層付フイルムの透過率(550n
m)は83%、抵抗は260Ω/□であった。
【0081】次に、槽内にArガスを導入し、真空度を
4×10−3Torrに保ったのちPd金属のターゲッ
トを用いたスパッタリング法により、膜厚が約2オング
ストロームのPd金属の薄膜層を透明導電層上に形成し
た。
【0082】しかるのち、透明導電層、引き続いてPd
金属の薄膜層を形成した面に、先ず前記被覆液(イ)を
塗布後140℃で1分間乾燥し、更にその上に前記被覆
液(ロ)または(ハ)を塗布後140℃で1分間乾燥す
ることにより、それぞれ実施例1または2の透明導電性
積層体を得た。
【0083】比較例1の透明導電性積層体として、透明
導電層、引き続いてPd金属の薄膜層を形成した面に前
記被覆液(イ)を塗布せずに直接、前記被覆液(ロ)を
塗布後140℃で1分間乾燥したものを作成した。
【0084】一方、これとは別に、厚さ100μmのア
ルミニウムシート上にチタン酸バリウム粉末をシアノエ
チルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール中に
分散した塗工液(固形分重量比、シアノエチルプルラン
/シアノエチルポリビニルアルコール/チタン酸バリウ
ム粉末=37.5/12.5/50)を塗布後乾燥し、
厚さ40μmの絶縁層を形成した。さらに、その上に硫
化亜鉛を主成分とする蛍光体粉末をシアノエチルプルラ
ン、シアノエチルポリビニルアルコール中に分散した塗
工液(固形分重量比、シアノエチルプルラン/シアノエ
チルポリビニルアルコール/蛍光体粉末=15/5/8
0)を塗布後乾燥し、厚さ40μmの発光層を形成する
ことにより、試験用シートを作成した。
【0085】透明導電性積層体の透明導電層を形成した
面と試験用シートの発光層とを向かい合わせたのち、ロ
ーラ温度170℃,線圧15kg/cmに調整したラミ
ネータにより接着して一体化した。
【0086】なお、この時透明導電性積層体の透明導電
層を形成した面には、あらかじめ銀ペースト電極が印刷
されており、銀ペースト電極にはさらに外部電力印加用
の端子として厚さ15μmの金属箔が接続された形で透
明導電性積層体と試験用シート間にはさみこまれている
【0087】しかるのち、アルミニウム面にも外部電力
印加用端子を接続した後に前記一体化したサンプルの両
面に捕水フイルム[ダイセル(株)製、ZE−135 
]をローラ温度120℃,線圧8kg/cmに調整した
ラミネータにより接着して一体化した。
【0088】さらに、捕水フイルムの外側に防湿フイル
ム[日東電気工業(株)製、4820]を、ローラ温度
120℃,線圧4kg/cmに調整したラミネータによ
り接着して一体化することによりELD(発光部面積1
50cm2 )を作成した。
【0089】なお、防湿フイルムは、透明導電性積層体
、試験用シート、および捕水フイルムより大きいサイズ
のものを使用し、ELDの周囲は防湿フイルム同士が張
り合わされており、透明導電性積層体、試験用シートお
よび捕水フイルム全体を包みこんでいる。
【0090】かくして作成したELDを100V  1
KHzで駆動した時の輝度、消費電力、発光効率を調べ
た。測定結果を表1に示す。
【0091】本発明の透明導電性積層体を用いることに
よりELDの発光効率が約10%向上することが分かる
【0092】
【表1】
【0093】
【実施例3〜4、比較例2】実施例1,2と全く同様に
して実施例3,4の透明導電性積層体を作成した。比較
例2の透明導電性積層体として、実施例1の透明導電性
積層体において前記被覆液(イ)による被覆を行なった
のみで前記被覆液(ロ)による被覆を行なわないものを
作成した。
【0094】実施例3〜4,比較例2の透明導電性積層
体の透明導電層を形成した面と実施例1と同様な試験用
シートの発光層とを向かい合わせたのち、ローラ温度1
70℃,線圧15kg/cmに調整したラミネータによ
り接着して一体化し、密着強度試験用サンプルを作成し
た。
【0095】しかる後、25mm巾の測定用サンプルを
切り出し、インストロン万能材料試験機で透明導電層と
発光層との密着強度を測定した。
【0096】測定条件は、180度剥離、剥離速度30
0mm/分とした。測定結果を表2に示す。
【0097】本発明の透明導電性積層体は密着性が優れ
ていることが分かる。
【0098】
【表2】
【0099】
【実施例5〜6,比較例3】実施例1〜2、比較例1と
全く同様にして実施例5〜6、比較例3の透明導電性積
層体を作成した。
【0100】実施例5〜6、比較例3の透明導電性積層
体を40mm×40mmの大きさにカットした後、被覆
液による被覆を行なった面と反対面が接する様に5枚重
ね、さらに上下をガラス板(65mm×65mm×2.
5t)ではさむことにより試験様サンプルを作成した。
【0101】該サンプルを60℃90%RH雰囲気に2
0hr放置後取り出して透明導電性積層体の外観変化を
調べた。測定結果を表3に示す。
【0102】本発明の透明導電性積層体は外観変化がな
く保存性に優れていることが分かる。
【0103】
【表3】
【0104】
【発明の効果】本発明により、ELDの透明電極として
用いたとき発光効率が高く、また、発光層との密着性に
優れかつ保存性が良く、ELD用に充分利用できる透明
導電性積層体が提供可能となる。
【0105】本発明で得られる透明導電性積層体は、E
LD用として適しているだけでなく、例えば透明タッチ
パネル、電子写真、帯電防止材料、面発熱体、固体ディ
スプレイ、光メモリー、光電変換素子、光通信、光情報
処理、太陽エネルギー利用材料などの広い用途に有用で
ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機高分子成型物(A)上に、金属酸化物
    よりなる透明導電層(B)、保護層(C)さらにその上
    にシアノエチル樹脂層(D)が形成されてなる透明導電
    性積層体。
  2. 【請求項2】該透明導電層(B)上に直接あるいは該保
    護層(C)を介して、パラジウム,白金,ルテニウム,
    オスミウム,イリジウム,ロジウムからなる群から選ば
    れた少くとも1種の金属及び/または金属酸化物の薄膜
    層(E)が形成されてなる請求項1記載の透明導電性積
    層体。
  3. 【請求項3】該シアノエチル樹脂層(D)が金属化合物
    の微粒子を含有することを特徴とする請求項1または2
    記載の透明導電性積層体。
  4. 【請求項4】該保護層(C)が下記一般式(I)【化1
    】 [式中、R1 は水素原子、フェニル素、炭素原子数1
    〜4のアルキル基または−(CH2 )x −N−(R
    5 )(R6 )で表される基を、R2 は水素原子ま
    たは炭素原子数1〜4のアルキル基を、R3 およびR
    4 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を
    、y は1〜12の整数を、w は0または1の整数を
    、z は2または3の整数をそれぞれ表し、w +z 
    =3であり、ここでx は1〜12の整数を、R5 、
    R6はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1〜
    4のアルキル基からなる群から選ばれる基を示す]で表
    される有機ケイ素化合物の加水分解により生成された重
    合体層よりなり、かつ該重合体層に金属化合物の微粒子
    が含まれていることを特徴とする請求項1〜3記載の透
    明導電性積層体。
  5. 【請求項5】該重合体層が、一般式(I)において、R
    1 およびR2 、またはR2 、R5 およびR6 
    が水素原子である有機ケイ素化合物の加水分解により生
    成された層である請求項4記載の透明導電性積層体。
  6. 【請求項6】該金属化合物の微粒子が、その一次粒子径
    が100〜1,000オングストロームの酸化ケイ素の
    微粒子である請求項3〜5記載の透明導電性積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10296898A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 帯電防止フィルム
JPH10329257A (ja) * 1997-05-30 1998-12-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 帯電防止フィルム
JP2011526552A (ja) * 2008-06-30 2011-10-13 コーロン インダストリーズ インク プラスチック基板およびこれを含む素子

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