JPH06290868A - 電場発光素子パッケージ - Google Patents

電場発光素子パッケージ

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JPH06290868A
JPH06290868A JP5076539A JP7653993A JPH06290868A JP H06290868 A JPH06290868 A JP H06290868A JP 5076539 A JP5076539 A JP 5076539A JP 7653993 A JP7653993 A JP 7653993A JP H06290868 A JPH06290868 A JP H06290868A
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JP
Japan
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film
layer
transparent
moistening
silicon oxide
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Application number
JP5076539A
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English (en)
Inventor
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエーテルスルフォンやポリエーテルエ
ーテルケトン等の高分子フィルムの少なくとも片面に酸
化珪素の薄膜が積層された構造を有する透明防湿フィル
ムにより、被覆された電場発光素子パッケージ。 【効果】 防湿性能を向上させたフィルムにより電場
発光素子基体を被覆することにより、同素子寿命が著し
く向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電場発光(エレクトロル
ミネッセンス、以下ELと略す)を利用した表示装置に
おいて、防湿性の改善された透明防湿フィルムにより被
覆密封されたEL素子パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子としては、ガラス板、プラスチ
ックシートのような透明基板上に透明電極、発光体層、
絶縁層および背面電極を順次積層した素子をプラスチッ
ク防湿層で被覆したものを代表的な例として種々のもの
が知られている。一般に、EL素子の寿命は主としてプ
ラスチックフィルムの防湿性能に依存する事が解明され
ている。一方、防湿性の優れたフィルムとしては、ポリ
塩化三弗化エチレン(以下PCTFEと略記する)が知
られている(特開昭60ー170980、特開昭61−
268437〜8、特開昭62−51192、特開昭6
2−127234、特開昭63−199243、特開平
1−158047、特開平2−24993、特開平5−
21159)。しかしながら、PCTFEフィルムは、
一般的に、耐溶剤性、耐薬品性等においては、充分な性
能を持つとは言えず、また、同フィルムは押し出し加工
を行う温度においても粘度が高く、材料費も含めコスト
が高くなる欠点もあり、加えて、フィルムに塩素を含ん
でいるという環境上の問題もある。従って、防湿性能な
らびに耐熱性を維持したまま、低コスト化でき、かつ、
塩素を含まないフィルムで被覆密封したEL素子パッケ
ージの出現が望まれていた。一方、耐熱性が優れ、塩素
等のハロゲンを含有しない高分子フィルムとしては、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等があ
るが、これらフィルムの防湿性能は充分ではなかったた
め、EL素子パッケージには用いることができなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、酸化珪
素層がポリエーテルスルフォンもしくはポリエーテルエ
ーテルケトン等の耐熱フィルム基材に積層されてなる透
明防湿フィルムを用いた防湿性の顕著に改善されたEL
素子パッケージを見いだし、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記の問題を解決するためになされたものであって、電場
発光素子基体を、高分子フィルムの少なくとも片面に酸
化珪素薄膜層が形成された積層構造を有する透明防湿フ
ィルムにより被覆封止してなる電場発光素子パッケージ
を提供するものである。以下、添付図面を随時参照しつ
つ、本発明を説明するが、図1は本発明にかかるEL素
子パッケージの断面構造図を示し、図2は本発明にかか
るEL素子パッケージに用いる透明防湿フィルムの断面
構造図を示す。図において、10は透明電極、12は背
面電極、13は発光体層、14は絶縁体層、15は透明
防湿フィルム、17は接着部、20は透明フィルム、2
1は酸化珪素層を示す。
【0005】本発明において、EL素子パッケージに用
いる透明防湿フィルムの断面構造図は例えば図2に示す
とおりであるが、この透明防湿フィルムの基材となる高
分子フィルムは、透明性を持ち、ガラス転移温度がある
程度高く、吸湿性の少ないものがのぞましく、ポリエー
テルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレート等を挙げるこ
とができ、とりわけ、ポリエーテルスルフォンとポリエ
ーテルエーテルケトンが好ましい。高分子フィルムの厚
さは、50〜500μmが好ましいが、必ずしもこの範
囲に限定されるものではない。
【0006】本発明で用いられる、高分子フィルム基材
に積層する酸化珪素薄膜層は物理蒸着法、化学蒸着法、
湿式法等で作製しうる。具体的に示せば、物理蒸着法で
は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法
等があり、化学蒸着法としては、熱CVD法、光CVD
法、プラズマCVD法等があり、湿式法としてはゾルゲ
ル法等がある。しかしながら、本発明では基材は高分子
フィルムであるため、一般的な金属基板に比べて低温で
成膜することが望ましく、物理蒸着法やプラズマCVD
法が好ましい。真空蒸着法では、二酸化珪素や一酸化珪
素の原料を抵抗加熱や電子線加熱により蒸発させ、高分
子フィルム上に膜を堆積させる。スパッタ法では、二酸
化珪素のターゲットをアルゴンでスパッタし、高分子フ
ィルム上に膜を堆積させる。しかしながら、本目的には
プラズマCVD法が特に好ましく用いられる。すなわ
ち、本発明で用いられる、高分子フィルム基材に積層す
る酸化珪素の層は、プラズマCVD法により、少なくと
も有機珪素化合物と酸素ガスを用いて作成されることが
好ましい。しかして、具体的に使用される有機珪素化合
物としては、アセトキシトリメチルシラン、アリルオキ
シトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ビスト
リメチルシリルアジペート、ブトキシトリメチルシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルオキシ
トリメチルシラン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン、デカメチルテトラシロキサン、ジアセトキシジメチ
ルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキ
シジメチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエ
トキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジエ
トキシメチルオクタデシルシラン、ジエトキシメチルシ
ラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメ
チルビニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメト
キシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラ
ン、ジメチルエトキシフェニルシラン、ジメチルエトキ
シシラン、ジメチルイソペンチルオキシビニルシラン、
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジ
シロキサン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジフェ
ニルシラネジオール、1,3−ジビニル−1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサン、2−(3,4−エポキ
シシクロフェニルエチル)トリメトキシシラン、エトキ
シジメチルビニルシラン、エトキシトリメチルシラン、
エチルトリアセトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリメチルシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキ
サン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチ
ルジシロキサン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、メトキシトリメチル
シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルイソプ
ロペノキシシラン、メチルプロポキシシラン、オクタデ
シルトリエトキシエトキシシラン、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−
オクタメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロ
キサン、オクチルトリエトキシシラン、1,3,5,
7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ペンタ
メチルジシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェ
ニル−1,3,5−トリメチルトリシロキサン、フェニ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリメチルシラン、プロポキシトリメチルシラ
ン、プロピルトリエトキシシラン、テトラアセトキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトライソプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、
1,3,5,7−テトラメトキシシクロテトラシロキサ
ン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、テト
ラメチルシラン、1,3,3,5−テトラメチルー1,
1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン、1,3,
5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニル
シクロテトラシロキサン、テトラプロポキシシラン、ト
リアセトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラ
ン、トリエチルシラン、トリヘキシルシラン、トリメト
キシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメチルシ
ラノール、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリ
ビニルシクロトリシロキサン、トリメチルビニルシラ
ン、トリフェニルシラノール、トリス(2−メトキシエ
トキシ)ビニルシラン等を用いることができるが、これ
らに限定されるものではなく、アミノシラン、シラザン
等も用いられる。
【0007】これら有機化合物の上記を反応容器に導入
するには、ヘリウムやアルゴン等の希ガスをキャリヤー
ガスとして用いることができる。また、有機珪素化合物
を加熱し蒸気圧を上げて、有機珪素ガスを直接導入する
こともできる。また、酸素ガスの代わりに、酸化作用が
あるガス、例えば、オゾン、水蒸気、笑気ガス等も使用
し得る。導入する有機珪素ガスと酸素ガスの流量の比
は、有機珪素化合物の種類にもよるが、酸素ガス/有機
珪素ガス=0.2〜1.2の流量比の範囲が好ましい。
ヘリウム等の希ガスをキャリヤーガスとして用いるとき
には、ヘリウム中の有機ガスの流量と酸素ガスの流量の
範囲が上記0.2〜1.2の範囲が好ましい。酸素流量
があまり少なすぎると、生成される膜の光線透過率なら
びにガスバリヤー性が低下し、一方酸素流量があまり多
いときには膜の密着性ならびにガスバリヤー性が低下す
る。また、反応中の圧力はプラズマ放電が起こる範囲で
あればよく、通常の平行平板型高周波プラズマ装置で成
膜を行う場合には、0.05〜2.5Torrが好まし
く、より好ましくは、0.1〜1.5Torrである。
圧力が低すぎるとプラズマ放電の維持が困難になり、圧
力が高すぎると膜の密着性が低下する傾向にある。しか
しながら、より低圧で放電させることが可能な電子サイ
クロトロン共鳴放電やヘリコン波放電、マグネトロン放
電を用いる場合においては圧力範囲は上記の範囲に限定
されるものではない。流量の計測と制御は、マスフロー
コントローラー、浮き子式フローメター、バブルメータ
ー等を使用することができる。圧力の測定には、ピラニ
真空計、隔膜真空計、スピニングローター真空計、熱伝
導真空計、電離真空計等が使用し得るが、隔膜真空計が
好ましく用いられる。
【0008】本発明における酸化珪素層の厚さは、ガス
バリヤー性保ちながらも透明性を損ねない範囲であれば
よく、具体的に示せば、20〜500nmが好ましく、
より好ましくは30〜300nmで、さらに好ましくは
50〜200nmである。さらに同じ厚みであれば、図
2に示すように、両面に酸化珪素の層を設ける方がより
好ましい。すなわち、200nmの層を片面に設けるよ
りも、100nmの層を両面に設ける方がより好まし
い。
【0009】上記酸化珪素中には、鉄、ニッケル、クロ
ム、チタン、マグネシウム、アルミ、インジュウム、亜
鉛、錫、アンチモン、タングステン、モリブデン、銅等
が、微量含まれてもよい。また、膜の可撓性を改善する
目的で、炭素や弗素を適宜含有させてもよい。
【0010】膜厚の測定には、触針粗さ計、繰り返し反
射干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法等がある
が、水晶振動子法では成膜中に膜厚測定が可能なので所
望の膜厚を得るのに適している。また、前もって成膜の
条件を定めておき試験基材上に成膜を行い、成膜時間と
膜厚との関係を調べた上で、成膜時間により膜厚を制御
する方法もある。
【0011】また、本発明になる透明防湿フィルムには
透明導電層を積層しても用いることも可能であり、素子
構成によっては好ましい形態にもなりうる。ここで透明
導電層としては 1)金、銀、銅、アルミニウム、パラジュウム等の単金属
または合金薄膜層 2)酸化錫、酸化インジュウム、酸化亜鉛、ヨウ化銅等化
合物半導体 3)上記1)および2)を組み合わせた積層膜 4)上記1)を透明誘電体層で挟み込んだ積層膜 が知られている。上記の透明導電膜は、物理蒸着法、ま
たは、湿式の成膜法により作製することができる。物理
蒸着法として、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレー
ティング法、活性化反応蒸着法等を用いることができ
る。湿式の成膜法としては、ゾルーゲル法等が知られて
いる。透明導電層の厚さは、透明性を損ねない範囲で充
分な導電率を得られる範囲ならばよく、30nm〜50
0nmの範囲が望ましく、より望ましくは50nm〜3
00nmの範囲である。
【0012】酸化珪素層または透明導電層を高分子基材
の上に形成するときには、該基材の前処理として、コロ
ナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッ
タ処理、表面粗面化処理、化学処理等を行うことや、公
知のアンダーコートを施したりすることは適宜行うこと
ができる。
【0013】本発明に用いる透明防湿フィルムはその用
途によってはヒートシール性を持つことが好ましい。そ
の場合には、ヒートシール性の高分子層が積層されてい
ればよく、例えば、ビニルアルコール系共重合体層をヒ
ートシール層として積層しておくことができる。ビニル
アルコール系共重合体としては、1)各種重合度、ケン化
度のポリビニルアルコール、2)αーオレフィン、エチレ
ン性不飽和カルボン酸またはそのエステル、アクルニト
リル、メタクリルアミドをはじめ酢酸ビニルと共重合可
能な任意のモノマーで変性した共重合変性ポリニビニル
アルコール、3)これらのポリビニルアルコールまたは共
重合変性ポリビニルアルコールの後の変性物などがあ
る。
【0014】これらの中では、エチレン含有量20〜6
0モル%のエチレン−酢酸ビニル単位を70モル%以
上、さらには90%以上ケン化して得られるエチレン−
ビンルアルコール共重合体が、ガスバリヤー性が優れて
おり、また、ポリビニルアルコールも実用上有用であ
る。ビニルアルコール系共重合体は、水もしくは低級ア
ルコールなどの溶媒(例を挙げるとすれば、水、水/n
ープロパノール等)中に溶解し、該溶液中で適当な重合
触媒(レドックス重合触媒、過酸化物触媒等)の存在下
で重合させ、必要に応じてろ過脱泡後コーターでフィル
ムに塗布し、水分を蒸発・乾燥させる。
【0015】ビニルアルコール系共重合体層は公知であ
る湿式の高分子薄膜作製法を用いることができる。具体
的には、バーコート、ロールコート、スピンコート、リ
バースロールコート、ディップコート、等である。な
お、ビニルアルコール系共重合体層の厚みに特に臨界的
な制限はないが、5μm未満ではガスバリヤー性が充分
でなく、50μmを越えると基板がカールするという問
題が生ずるので、5〜50μmの範囲が好ましい。な
お、ヒートシール層は、上記のビニルアルコール系の層
の代わりに公知のヒートシール層、例えば、ポリオレフ
ィン系やポリエステル系のヒートシール層を用いること
ができるのもちろんである。
【0016】ヒートシール部には上記の積層構造を採用
するかわりに、例えば、ビニルアルコール系のホットメ
ルト接着剤を用いてシールすることも可能である。さら
に、フィルムの防湿特性改善のために、フィルムを複数
ラミネートすることが有効であることは当業者が理解し
ているところである。
【0017】以下、図面により本発明の実例を説明する
に、図1は、本発明にかかるEL素子パッケージの断面
図を示したものであって、透明電極10とそれと対向す
る、例えば金属箔からなる背面電極12を有し、これら
両電極10、12間に発光体層13および絶縁体層14
が挟まれて構成されるEL素子基体全体が、本発明にか
かる、酸化珪素が積層されてなる透明高分子フィルム1
5で被覆封止されている。透明電極10としては透明基
板の片面に、可視光領域で透明でありかつ導電性を有す
る層を設けたものが用いられるが、透明防湿フィルム自
体に透明導電層を設けたものを使用することにより、透
明基板を透明防湿フィルムで兼用することが可能にな
る。
【0018】透明基板を用いるとすれば、ガラスの他
に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルフォン、ポリアクリロニトリル、ポリ
メタクリル酸メチルのシートや板を用いる。
【0019】発光体層13は、電圧の印加による発光す
る層で、例えば、蛍光体とバインダーとしての高分子誘
電体の混合層により形成でき、その厚さは20〜120
μmである。蛍光体としては、硫化亜鉛、セレン化亜
鉛、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化亜鉛と
硫化カドミウムの混晶等の主剤に対して、マンガン、セ
リウム、ユーロピウム、銅、銀、金、弗化サマリウム、
弗化テルビウム、弗化ツリウム等の発光センターになる
活性剤を添加したものを用いることができる。この場
合、主剤100重量部に対して活性剤0.01〜1重量
部である。また、バインダーとしての高分子誘電体とし
てはシアノエーテルセルロース等のセルロース系樹脂、
ポリ弗化ビニリデン、不飽和ポリエステル樹脂、有機珪
素樹脂、メラミン樹脂等を用いることができる。
【0020】発光層における蛍光体と高分子誘電体の混
合割合は、条件に左右されるが、通常は高分子誘電体1
00重量部に対し、蛍光体50〜100重量部である。
かかる発光体層は、例えば、高分子誘電体粉末をアセト
ン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に溶解させ、さら
に、この溶液中に蛍光体を分散させ、この溶液を透明電
極上にコーティングし、乾燥させることによりさせるこ
とができる。このコーティングの方法は、スクリーン印
刷法、スピンコート法等が適用可能である。
【0021】また、絶縁層14は発光体層形成に用いた
のと同様の高分子誘電体に対して、チタン酸バリウム、
チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、酸化亜鉛、酸化
イットリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の高誘
電体粉末を混入させたものを用いて形成できる。なお、
所望により両電極を透明電極としたり、絶縁物層を一方
向省略したり、種々の変更を加えることが可能である。
【0022】本発明に係るEL素子パッケージは、例え
ば、ヒートシール層と酸化珪素とを積層したフィルムに
2枚を、ヒートシール層が向かい合うように位置させ、
その間にEL素子を配置し、フィルム端部を熱圧着し
て、被覆封止する方法により行うことができる。この場
合、ヒートシール層はヒートシールを行う部分のみにあ
っても良いし、また、特にフィルム全面にあることを妨
げるものではない。また、ヒートシール層のかわりにホ
ットメルト接着剤を用いてシールしても良い。以下、実
施例に基づき、本発明について更に詳細に説明する。
【0023】
【実施例】
(実施例1) A.防湿フィルムの作製 押し出し法で作製した厚さ50μmのポリエーテルスル
フォン(以下PESと略記する)フィルムの両面に、ヘ
リウムをキャリヤーガスとしたテトラメチルジシロキサ
ン(以下TMDSOと略記する)と酸素とを原料ガスと
して平行平板型電極を有するプラズマCVD装置により
13.56MHzの高周波でプラズマ放電を発生させ、
表1に示す条件で膜厚100nmの酸化珪素の層を形成
した。n−プロパノール140gと純水130gに対し
て、エチレン−ビニルアルコール共重合体(モル比3
2:68)(株式会社クラレ製エバールEP−F101
A)50gを加えた。この溶液を60〜70℃で撹拌
し、エチレン−ビニルアルコール共重合体を完全に溶解
させた。その後、溶液を冷却しバーコート法で10μm
厚で酸化珪素層を形成したPES全面に塗布し、60℃
で60分乾燥させた。
【0024】
【表1】
【0025】B.EL発光素子基体の作製 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート基板の片
面上に、マグネトロンスパッタ法により、表2に示す条
件で厚さ30nmの透明導電層を形成した。その後、バ
インダーとしてのシアノエチルセルロースのアセトン溶
液に蛍光体粉末を分散させ、この溶液を透明導電層上に
スクリーン印刷法により塗布し、60℃で100分間加
熱し、さらに150℃に温度を上昇させ2分間加熱する
ことにより、厚さ50μmの蛍光体層を形成した。な
お、蛍光体粉末には、硫化亜鉛100重量部に対しマン
ガンが0.05重量部分散した粉末を用い、この粉末と
シアノアセチルセルロースとの配合比を重量比で83:
17とした。
【0026】ついで、発光体層上にシアノエチルセルロ
ースのアセトン溶液にチタン酸ストロンチウム粉末を分
散し塗布した。ここで、チタン酸ストロンチウムとシア
ノエイチルセルロースとの混合比は重量で2:3とし
た。その後、60℃で100分間加熱しアセトンを蒸発
させた。さらに、厚さ200μmのアルミニウム箔をの
せ、温度を200℃に上げた状態で密着させ2分間保持
し、蛍光体層上に絶縁物層と電極を形成し、EL素子基
体を得た。
【0027】
【表2】
【0028】C.EL発光素子パッケージの作製 防湿フィルムにエチレンービニルアルコール系共重合体
層をコーティングした面を合わせるように位置させ、そ
の間にEL素子基体を配置しフィルムの端部5mmを、
温度160℃で圧力4kg/cm2の条件で5分間加熱
圧着し、被覆密封してEL素子パッケージを完成させ
た。
【0029】(実施例2)実施例1において、防湿フィ
ルム全面にエチレンービニルアルコール共重合体層を積
層せずに、エチレンービニルアルコール系のホットメル
ト接着材を用いて熱圧着したこと以外は全て実施例1と
同様な手順でEL素子パッケージを作製した。
【0030】(比較例1)実施例2において、防湿フィ
ルムの代わりに、酸化珪素を積層していない厚さ50μ
mのPESを用いたこと以外はすべて実施例2と同様な
手順でEL素子パッケージを作製した。
【0031】(比較例2)実施例1において、防湿フィ
ルムの代わりに、酸化珪素を積層していない厚さ50μ
mのPESを用いたこと以外はすべて実施例1と同様な
手順でEL素子パッケージを作製した。上記、実施例お
よび比較例において得られたEL素子パッケージを25
℃、65%RHの恒温恒湿炉中において100V50H
zの交流電圧を印加し、輝度が半減するまでの時間を測
定した。実施例1では9300時間、実施例2では92
00時間であったのに対し、比較例1では1200時
間、比較例2では3400時間であった。防湿フィルム
の優れた防湿性のため、寿命が大幅に延長された素子パ
ッケージを得ることができることが示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるEL素子パッケージの断面構造
【図2】本発明にかかるEL素子パッケージに用いる透
明防湿フィルムの断面構造図
【符号の説明】
10 透明電極 12 背面電極 13 発光体層 14 絶縁体層 15 透明防湿フィルム 17 接着部 20 透明フィルム 21 酸化珪素層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電場発光素子基体を、高分子フィルムの
    少なくとも片面に酸化珪素薄膜層が形成された積層構造
    を有する透明防湿フィルムにより被覆封止してなる電場
    発光素子パッケージ。
JP5076539A 1993-04-02 1993-04-02 電場発光素子パッケージ Pending JPH06290868A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5076539A JPH06290868A (ja) 1993-04-02 1993-04-02 電場発光素子パッケージ

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