JP5201072B2 - 透明ガスバリア性フィルム - Google Patents
透明ガスバリア性フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5201072B2 JP5201072B2 JP2009108577A JP2009108577A JP5201072B2 JP 5201072 B2 JP5201072 B2 JP 5201072B2 JP 2009108577 A JP2009108577 A JP 2009108577A JP 2009108577 A JP2009108577 A JP 2009108577A JP 5201072 B2 JP5201072 B2 JP 5201072B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- vapor deposition
- gas barrier
- transparent gas
- plastic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
また、JIS−K6900では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品をいうものと定義されているが、本明細書ではシート及びフィルムの両方を含めて「フィルム」と呼ぶ。
本明細書において、MD方向とは、押出し成形時の機械におけるフィルムの流れ方向、すなわち長手方向であり、TD方向とは、MD方向と直角の方向である。
本明細書において、「透明」とは、製品化した際にその用途に支障がない程度に、十分な可視光透過性を有することを意味し、有色で透明なものも無色で透明なものも、いずれも含む。
このようなプラスチックフィルムを基材とする透明ガスバリア性フィルムとして、プラスチックフィルム上に金属薄膜などのガスバリア層を形成したものが知られている(特許文献1、特許文献2)。
また、該透明ガスバリア性フィルムを備える電子デバイスを提供する。
さらに、本発明において、蒸着前後の二段階でフィルムを収縮させることにより、緻密で、隙間のない蒸着膜が得られるため、本発明の透明ガスバリア性フィルムは、極めて高いガスバリア性を示す。
1.本発明の透明ガスバリア性フィルムの構造
本発明に係る透明ガスバリア性フィルムは、プラスチック基材フィルム1のいずれか一方の面に蒸着膜2を設けた2層構成を基本構造とするものである(図1)。
また、プラスチック基材フィルム1の両方の面に蒸着膜2a及び2bを設け、3層構成とすることもできる(図2)。
本発明において用いるプラスチックフィルムとしては、化学的または物理的強度に優れ、種々の蒸着法によって蒸着膜を形成する条件に耐え得るプラスチック材料からなる透明フィルムを使用することができる。
このようなプラスチック材料からなる透明フィルムとしては、具体的には、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種のプラスチック材料からなる透明フィルムを使用することができる。
電子デバイスへの適用のためには、優れた機械的強度を示す2軸延伸フィルムが特に好ましい。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等を使用することができ、さらには、改質用樹脂等も使用することができる。
また、本発明において、上記プラスチックフィルムの表面には、後述する蒸着膜との密接着性等を向上させるために、予め、所望の表面処理層を設けておくこともできる。
上記の表面前処理は、プラスチックフィルムと後述する蒸着膜との密接着性等を改善するためのものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、プラスチックフィルムの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
本発明にしたがって、プラスチックフィルム及び後述の蒸着フィルムの収縮程度を正確に調整することにより、耐熱性及び耐水性に優れ、経時劣化の生じにくい本発明の透明ガスバリア性フィルムを得ることができる。ここで、本発明においては、電子デバイスへの適用においてMD方向より重要なファクターとなり得るTD方向の寸法変化により、両フィルムの収縮程度を定義する。
本発明において、上記プラスチックフィルムを第一の加熱処理に付し、TD方向の熱収縮率(S1)が、以下の式
TD方向の熱収縮率(S1)/基準熱収縮率(Sb)×100=10〜90(%)
のように、基準熱収縮率(Sb)の10〜90%の値となるように、好ましくは15〜80%の値となるように収縮させて、プラスチック基材フィルムとする。ここで、TD方向の熱収縮率(S1)は、以下の式により表される:
S1=(L10−L11)/L10 ×100
S1:TD方向の熱収縮率(%)
L10:第一の加熱処理前のTD方向の寸法
L11:第一の加熱処理後のTD方向の寸法
加熱温度及び加熱時間は、加熱処理に付すプラスチックフィルムの組成に応じて、適宜設定することができるが、加熱温度は、室温以上〜200℃の範囲内、より好ましくは、55℃〜150℃の範囲である。加熱温度が室温以下であると、蒸着フィルムの膜質に変化がなく、防湿性の向上効果が得られない。一方、200℃より高いと、プラスチック基材フィルムが溶融し得るため好ましくない。加熱時間は、TD方向の熱収縮率(S1)が所望の値に至った時点で加熱を終了すればよく、例えば5秒間以上〜30分間の範囲、より好ましくは10秒以上〜1分間の範囲であってよい。加熱方法としては、通常の電気抵抗加熱によるオーブン加熱、真空式オーブン加熱、温水を利用した加熱、赤外線ヒータによる加熱、超音波振動による加熱など、種々の加熱方法を用いることができるが、これらの方法に限定されるものではない。
本発明において、上記プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、蒸着膜を設けて蒸着フィルムとする。このような蒸着膜は、例えば、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)、真空蒸着法(抵抗加熱、誘電加熱、電子ビーム加熱方式)、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)のいずれかを用いて、またはこれらのうちの幾つかを併用して、プラスチック基材フィルム上に形成することができる。これらの蒸着法は、成膜材料の種類、成膜のし易さ、工程効率等に応じて適宜選択することができる。
蒸着膜の膜厚は、ガスバリア能が発揮され得る厚さであれば特に制限はないが、好ましくは30〜10000Å、さらに好ましくは70〜8000Å、特に好ましくは100〜5000Åである。30Å未満では、必要なガスバリア性が得られにくく、10000Åを超えると、それ自身の応力が大きくなり、フレキシビリティが損なわれる。なお、蒸着膜が複層構造である場合は、上記膜厚とは、複層全体の膜厚を意味する。
本発明において、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に蒸着膜を設けて得られる蒸着フィルムを、さらに加熱処理し、TD方向の熱収縮率(S2)が、0.1〜2.0%となるように収縮させることにより、本発明の透明ガスバリア性フィルムが得られる。
ここで、TD方向の熱収縮率(S2)は、以下の式により表される:
S2=(L20−L21)/L20 ×100
S2:TD方向の熱収縮率(%)
L20:第二の加熱処理前のTD方向の寸法
L21:第二の加熱処理後のTD方向の寸法
加熱温度及び加熱時間は、加熱処理に付す蒸着フィルムを構成するプラスチックフィルムや蒸着膜の組成に応じて、適宜設定することができるが、例えば、加熱温度は、室温以上〜200℃の範囲内、より好ましくは、55℃〜150℃の範囲である。加熱温度が室温以下であると、蒸着フィルムの膜質に変化がなく、防湿性の向上効果が得られない。一方、200℃より高いと、プラスチック基材フィルムが溶融し得るため好ましくない。加熱時間は、TD方向の熱収縮率(S2)が所望の値に至った時点で加熱を終了すればよく、例えば5秒間以上〜30分間の範囲、より好ましくは10秒以上〜1分間の範囲であってよい。加熱方法としては、通常の電気抵抗加熱によるオーブン加熱、真空式オーブン加熱、温水を利用した加熱、赤外線ヒータによる加熱、超音波振動による加熱など、種々の加熱方法を用いることができるが、これらの方法に限定されるものではない。
本発明によれば、蒸着フィルムを第二の加熱処理に付すことにより、プラスチック基材フィルムが収縮すると共に、その上に積層された蒸着膜が緊密化するため、蒸着膜の防湿性を一層向上させることができる。
本発明の透明ガスバリア性フィルムは、太陽電池、液晶、有機または無機エレクトロルミネッセンス(以下「EL」と称す)等の種々のディスプレイ、並びに電子ペーパーなどの電子デバイスにおいて、ガラス基板の代わりに使用するのに特に適している。
具体的には、蒸着膜を設けた面へ、透明電極層や補助電極層等を設けることで、ディスプレイ用基板とすることができる。また、耐湿性が求められたり、内容物保護が必要となったりする太陽電池、例えば有機太陽電池、色素増感太陽電池等への適用にも好適である。本発明の透明ガスバリア性フィルムをディスプレイ用基板として用い、各々のディスプレイの方式において必要な層を、透明ガスバリア性フィルムの蒸着膜側又はプラスチック基材フィルム側のいずれかに積層し、ディスプレイとして使用することができる。本発明の透明ガスバリア性フィルムを適用するディスプレイとしては、種々のものがあるが、代表的なものとして、液晶ディスプレイおよび有機EL素子があり得る。
[実施例1]
プラスチックフィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、この基準熱収縮率(Sb)を180℃、30分で測定したところ、2.0%であった。
その後、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、150℃の乾燥条件下で、30秒間加熱処理を行って収縮させて、TD方向の熱収縮率(S1)を0.3%とし、所望のプラスチック基材フィルムを得た。
次いで、該プラスチック基材フィルムを、巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着し、これを繰り出し、そのコロナ放電処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、以下の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
酸素ガス導入後の蒸着チャンバー内の真空度:2×10-4mbar
巻き取りチャンバー内の真空度:2×10-2mbar
電子ビーム電力:25kW
フィルムの搬送速度:240m/分
蒸着面:コロナ放電処理面
次いで、上記の蒸着フィルムを、150℃の乾燥条件で1分間加熱処理を行って収縮させ、TD方向の熱収縮率(S2)を0.1%とし、本発明の透明ガスバリア性フィルムを得た。巻取りは外観にしわがなく、良好であった。
実施例1で用いたものと同じ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これを、150℃の乾燥条件下で、1分間加熱処理を行って収縮させて、TD方向の熱収縮率(S1)を0.8%とし、所望のプラスチック基材フィルムを得た。
次いで、得られたプラスチック基材フィルム上に、実施例1と同様にして、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成し、得られた蒸着フィルムを加熱処理に付してTD方向の熱収縮率(S2)を0.1%とし、本発明の透明ガスバリア性フィルムを得た。巻取りは外観にしわがなく、良好であった。
実施例1で用いたものと同じ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを使用し、これを、150℃の乾燥条件下で、3分間加熱処理を行って収縮させて、TD方向の熱収縮率(S1)を1.6%とし、所望のプラスチック基材フィルムを得た。
次いで、得られたプラスチック基材フィルム上に、実施例1と同様にして、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成し、得られた蒸着フィルムを加熱処理に付してTD方向の熱収縮率(S2)を0.1%とし、本発明の透明ガスバリア性フィルムを得た。巻取りは外観にしわがなく、良好であった。
実施例1で用いたものと同じ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これを、150℃の乾燥条件下で、30秒間加熱処理を行って収縮させて、TD方向の熱収縮率(S1)を0.3%とし、所望のプラスチック基材フィルムを得た。
次いで、該プラスチック基材フィルムを、プラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、これを繰り出し、そのコロナ放電処理面に、以下の蒸着条件により、膜厚200Åの炭素含有酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:slm)
到達圧力:5.0×10-5mbar
製膜圧力:7.0×10-2mbar
フィルムの搬送速度:150m/min
パワー:35kW
次いで、上記の蒸着フィルムを、150℃の乾燥条件で1分間加熱処理を行って収縮させ、TD方向の熱収縮率(S2)を0.1%とし、本発明の透明ガスバリア性フィルムを得た。巻取りは外観にしわがなく、良好であった。
実施例1で用いたものと同じ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これを、150℃の乾燥条件下で、3分間加熱処理を行って収縮させて、TD方向の熱収縮率(S1)を1.6%とし、所望のプラスチック基材フィルムを得た。
次いで、得られたプラスチック基材フィルム上に、実施例4と同様にして、膜厚200Åの炭素含有酸化珪素の蒸着膜を形成し、得られた蒸着フィルムを加熱処理に付してTD方向の熱収縮率(S2)を0.1%とし、本発明の透明ガスバリア性フィルムを得た。巻取りは外観にしわがなく、良好であった。
実施例1で用いたものと同じ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これを、150℃の乾燥条件下で、30秒間加熱処理を行って収縮させて、TD方向の熱収縮率(S1)を0.3%とし、所望のプラスチック基材フィルムを得た。
次いで、該プラスチック基材フィルムを、マグネトロンスパッタリング装置の送り出しロールに装着し、これを繰り出し、そのコロナ放電処理面に、以下の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化窒化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
到達圧力:5.0×10-5mbar
成膜圧力:5.0×10-3mbar
アルゴンガス流量:800sccm
窒素ガス流量:300sccm
印加電力:4.5kW
フィルムの搬送速度:0.2m/min
次いで、上記の蒸着フィルムを、150℃の乾燥条件で1分間加熱処理を行って収縮させ、TD方向の熱収縮率(S2)を0.1%とし、本発明の透明ガスバリア性フィルムを得た。巻取りは外観にしわがなく、良好であった。
プラスチックフィルムとして、厚さ15μmの2軸延伸ポリアミドフィルムを使用し、まず、この基準熱収縮率(Sb)を、180℃、30分で測定したところ、4.0%であった。
その後、上記の2軸延伸ポリアミドフィルムを、150℃の乾燥条件下で30秒間加熱処理を行って収縮させて、TD方向の熱収縮率(S1)を0.4%とし、所望のプラスチック基材フィルムを得た。
次いで、該プラスチック基材フィルムを、巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着し、これを繰り出し、そのコロナ放電処理面に、酸化珪素を蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、以下の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
酸素ガス導入後の蒸着チャンバー内の真空度:2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度:2×10-2mbar
電子ビーム電力:35kW
フィルムの搬送速度:180m/分
蒸着面:コロナ放電処理面
次いで、上記の蒸着フィルムを、150℃の乾燥条件で1分間加熱処理を行って収縮させ、TD方向の熱収縮率(S2)を0.1%とし、本発明の透明ガスバリア性フィルムを得た。巻取りは外観にしわがなく、良好であった。
実施例1で用いたものと同じ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これを、150℃の乾燥条件下で、3分間加熱処理を行って収縮させて、TD方向の熱収縮率(S1)を1.6%とし、所望のプラスチック基材フィルムを得た。
次いで、得られたプラスチック基材フィルム上に、実施例1と同様にして、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成し、得られた蒸着フィルムを180℃の乾燥条件で1分間加熱処理を行って収縮させ、TD方向の熱収縮率(S2)を1.8%とし、本発明の透
明ガスバリア性フィルムを得た。巻取りは外観にしわがなく、良好であった。
第一の加熱処理を施さない以外は、実施例1と同様の方法で、透明ガスバリア性フィルムを製造した。
第一の加熱処理を施さない以外は、実施例4と同様の方法で、透明ガスバリア性フィルムを製造した。
第一の加熱処理により、TD方向の熱収縮率(S1)を0.1%とした以外は、実施例4と同様の方法で、透明ガスバリア性フィルムを製造した。
上記実施例1で記載した厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、第一の加熱処理により、TD方向の熱収縮率(S1)を2.0%としたところ、巻取り中に多数のしわが発生したため、その後の加工工程に付すことができなかった。
第二の加熱処理により、TD方向の熱収縮率(S2)を2.3%とした以外は、実施例3と同様の方法で、透明ガスバリア性フィルムを製造した。
実施例1〜8及び比較例1〜3、5で作成した透明ガスバリア性フィルムの両面に、厚さ50μmのポリエチレンフィルムをドライラミネーションし、積層体サンプルを作成した。各積層体サンプルを、85℃、85%Rhの高温高湿環境下で1000時間保管し、その前後での酸素透過度、水蒸気透過度を以下の方法で測定し、性能を評価した。
(a)酸素透過度測定:酸素透過度を、25℃、100%RHの雰囲気下で、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OXIRAN)を使用して、JIS
K7126に準じて測定した。
(b)水蒸気透過度測定:水蒸気透過度を、40℃、90%RHの雰囲気下で、水蒸気透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON PARMATRAN)を使用して、JIS K7129に準じて測定した。
結果を表1に示す。
2、2a、2b:蒸着膜
21:低温プラズマ化学気相成長装置
22、42:真空チャンバー
23、43:送り出しロール
24、33:補助ロール
25:冷却・電極ドラム
26、27:ガス供給装置
28:原料揮発供給装置
29:原料供給ノズル
30:グロー放電プラズマ
31:電源
32:マグネット
34、53:巻き取りロール
35:真空ポンプ
41:巻き取り式真空蒸着装置
44、45、51、52:ガイドロール
46:コーティングドラム
47:るつぼ
48:蒸着源
49:酸素ガス吹出口
50:マスク
Claims (6)
- プラスチックフィルムを加熱処理し、TD方向の熱収縮率(S1)が、基準熱収縮率(Sb)の10〜90%の値となるように収縮させてプラスチック基材フィルムとし、
該プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に蒸着膜を設けて蒸着フィルムとし、
さらに、該蒸着フィルムを加熱処理して、TD方向の熱収縮率(S2)が、0.1〜2.0%となるように収縮させることを特徴とする透明ガスバリア性フィルム。 - プラスチックフィルムが、2軸延伸加工した樹脂のフィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の透明ガスバリア性フィルム。
- 少なくとも1つの蒸着膜が、無機酸化物、無機窒化物または無機酸化窒化物の蒸着膜であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明ガスバリア性フィルム。
- 少なくとも1つの蒸着膜が、物理気相成長法により形成された酸化アルミニウムの蒸着膜であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性フィルム。
- 少なくとも1つの蒸着膜が、化学気相成長法により形成された炭素含有酸化珪素の蒸着膜であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明ガスバリア性フィルムを備えることを特徴とする電子デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009108577A JP5201072B2 (ja) | 2009-04-28 | 2009-04-28 | 透明ガスバリア性フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009108577A JP5201072B2 (ja) | 2009-04-28 | 2009-04-28 | 透明ガスバリア性フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010253860A JP2010253860A (ja) | 2010-11-11 |
JP5201072B2 true JP5201072B2 (ja) | 2013-06-05 |
Family
ID=43315349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009108577A Active JP5201072B2 (ja) | 2009-04-28 | 2009-04-28 | 透明ガスバリア性フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5201072B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5611812B2 (ja) | 2009-12-31 | 2014-10-22 | 三星ディスプレイ株式會社Samsung Display Co.,Ltd. | バリア・フィルム複合体、これを含む表示装置及び表示装置の製造方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH106393A (ja) * | 1996-06-20 | 1998-01-13 | Unitika Ltd | 酸化珪素蒸着用二軸延伸ポリエステルフィルム |
JP2002187231A (ja) * | 2000-10-13 | 2002-07-02 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルムおよびその製造法 |
JP4321722B2 (ja) * | 2000-10-13 | 2009-08-26 | 大日本印刷株式会社 | バリア性フィルムおよびその製造法 |
JP4310788B2 (ja) * | 2004-06-18 | 2009-08-12 | 恵和株式会社 | 高バリア性積層シート |
JP2006082319A (ja) * | 2004-09-15 | 2006-03-30 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 |
JP2006123294A (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-18 | Toppan Printing Co Ltd | 透明蒸着フィルム |
JP2008068460A (ja) * | 2006-09-13 | 2008-03-27 | Toray Ind Inc | 透明蒸着用ポリエステルフィルム及び透明蒸着ポリエステルフィルム |
JP2008073993A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-04-03 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性積層フィルム |
JP4706680B2 (ja) * | 2006-09-22 | 2011-06-22 | 東レ株式会社 | 複合フィルム |
-
2009
- 2009-04-28 JP JP2009108577A patent/JP5201072B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010253860A (ja) | 2010-11-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6760416B2 (ja) | 透明蒸着フィルム | |
JP5929775B2 (ja) | ガスバリア性フィルムおよびその製造方法、ならびに前記ガスバリア性フィルムを含む電子デバイス | |
KR101392300B1 (ko) | 가스 배리어성 적층 필름 및 그 제조 방법 | |
JP5251071B2 (ja) | バリアフィルムおよびその製造方法 | |
JP5889281B2 (ja) | バリア性蒸着フィルム | |
JP6411707B2 (ja) | ガスバリア性積層体 | |
JP2011005837A (ja) | ガスバリア性帯電防止粘着フィルム | |
JP5201073B2 (ja) | 透明ガスバリア性フィルム | |
JP5201074B2 (ja) | 透明ガスバリア性フィルム | |
JP5201072B2 (ja) | 透明ガスバリア性フィルム | |
JP5375015B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP5332281B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2001007368A (ja) | 太陽電池モジュ−ル用保護シ−トおよびそれを使用した太陽電池モジュ−ル | |
JP5870964B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP5870962B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2011005836A (ja) | ガスバリア性帯電防止インモールドラベル | |
JP5375016B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP6846008B2 (ja) | バリア性フィルムの製造方法 | |
JP2000124486A (ja) | 太陽電池モジュ−ル用表面保護シ−トおよびそれを使用した太陽電池モジュ−ル | |
JP2020147020A (ja) | バリア性積層フィルム及びバリア性積層フィルムの製造方法、並びにバリア性積層フィルムを備える包装材料 | |
JP5332280B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2004181793A (ja) | ガスバリア性積層材及びその製造方法 | |
JP5375014B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP5326847B2 (ja) | 耐プラズマ性を有する透明フィルム及びそれを使用した透明ガスバリア性フィルム | |
JP6818250B2 (ja) | バリア性フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130128 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5201072 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222 Year of fee payment: 3 |