JP2004255706A - 透明導電性積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】大面積の透明導電性フィルムを、高速で製造コストを低く抑えることが出来る塗布法の利点と、低抵抗で耐久性に優れた透明導電性フィルムを形成できるスパッタリング法の利点を活かして、塗布法のみでは実現し得ない表面抵抗値を有し、且つ、密着性に優れた透明導電性積層フィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも片面にハードコート層を設けた透明高分子フィルム基材上に、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾル液を塗布して形成された酸化珪素膜からなる下地層を介して、透明導電層が形成されており、該導電層が、塗布法によって形成された透明導電性薄膜からなる塗布層の上にスパッタリング法によって形成された透明導電性薄膜からなるスパッタ層が積層された構造を有することを特徴とする透明導電性積層フィルム。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明導電性フィルムに関する。透明導電性フィルムは、エレクトロルミネッセンスパネル電極、エレクトロクロミック素子電極、液晶電極、太陽電池透明電極、透明面発熱体、タッチパネルのような透明電極に用いることができるほか、透明な電磁波遮蔽フィルムとして用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
透明フィルム基材上に錫ドープ酸化インジウム(以下、ITO)薄膜をはじめとした透明導電性薄膜を含む層を形成した透明導電性フィルムは、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空成膜プロセスよって製造されている。これらのプロセスの中でもスパッタリング法は大面積化に対応しやすいので透明導電性フィルムの製造に最も広く用いられている。スパタッリング法には種々の手段があり、例えば、真空中で直流または高周波放電で発生した不活性ガスイオンをターゲット表面に加速衝突させ、ターゲットを構成する原子を表面から叩き出し、基材上に堆積させ透明導電層を形成する手段などが挙げられる。
【0003】
スパッタリング法による透明導電性薄膜形成の長所としては、容易に且つ精度良く膜厚の制御が出来る、大面積の基材上に均一な厚みに形成出来る、形成された薄膜が緻密なため傷がつきにくく表面抵抗を低く出来る、スパッタされた透明導電性薄膜材料の粒子が高エネルギーで基材に入射するため投錨効果が得られ基材の濡れ性と無関係に密着性をもたせることが出来る等が挙げられる。また、短所としては、真空成膜プロセスであるため装置が大掛かりになる、薄膜の形成速度が塗布法に比して非常に遅い等が挙げられ、製造コストの増大を引き起こす。さらに、薄膜の形成速度が遅いことは、高分子フィルム基材がプラズマ中に長く曝されることによってフィルムが加熱され、高分子フィルムの変質あるいはシワの発生を引き起こす問題がある。
【0004】
直流スパッタリング法にて透明導電性薄膜の形成すると、4〜5×10−4Ω・cm程度の比抵抗を有する透明導電性薄膜を高分子フィルム基材上へ形成することができ、40〜50Ω/□程度の表面抵抗値を100nm程度で実現できる(特開平5−241173号公報、8−271085号公報、8−211374号公報)。しかし、上述のような短所があるため、製造コストが大きくなる問題がある。
【0005】
このような真空プロセスを利用した透明導電性フィルムの製造コスト増大を解決するために、塗布法による透明導電性フィルムの製造も試みられている。塗布法は、スパッタリング法に比べて装置が簡便で膜形成速度が高いため生産性が高く、製造コストも低い。塗布法による透明導電層の形成方法としては、導電性微粒子をバインダー樹脂中に分散させた導電性塗料を基材に塗布、乾燥させる方法や金属アルコキシドを含む溶液を加水分解・重合させ、これによって得られたゾルを基材に塗布し、ゲル膜を形成した後、熱処理するゾル−ゲル法が試みられている。
【0006】
導電性微粒子を含む導電性塗料を基材に塗布することにより透明導電層を形成する方法では、導電性塗料にバインダー樹脂を大量に用いなければ導電層を成膜することができないとされていた。そのため、バインダー樹脂によって導電性微粒子どうしの接触が妨げられて、得られる透明導電フィルムの抵抗値が高くなるという問題があり、その用途が限られていた。また、バインダー樹脂を用いない場合には、実用に耐える透明導電層の形成には導電性物質を高温で焼結させなければならず、高分子フィルム基材上への形成は基材の変質が起こる問題があった。
【0007】
導電性微粒子を含む導電性塗料を基材に塗布することにより透明導電層を形成する方法として、例えば特開平9−109259号公報には、透明なプラスチックフィルム上に導電性粉末とバインダー樹脂とからなる導電性塗料を塗布、乾燥し、導電層を形成する第1工程、上記導電層の表面を鏡面仕上げされた平滑面に加圧、加熱処理する第2工程、上記平滑面に加圧、加熱処理した導電層をプラスチックプレートもしくはシート上に積層し、熱圧着させる第3工程からなる帯電防止透明導電フィルム若しくはシートの製造法が提案されている。この方法では、例えば、無機質の導電性粉末を用いる場合、バインダー100重量部に対して導電性粉末100〜500重量部であり、大量のバインダー樹脂を使用しているため、同号公報で提案されている方法では、表面抵抗は6〜7×10Ω/□程度と記載されているが、透明電極用の透明導電性フィルムとして実用的な表面抵抗値は実現できていない。
【0008】
また特開平8−199096号公報には、ITO粉末、溶媒、カップリング剤、金属の有機酸塩若しくは無機酸塩からなる、バインダーを含まない導電膜形成用塗料をガラス板に塗布し、透明導電層を形成する方法が提案されているが、この方法では、導電膜形成用塗料を塗布した後に300℃以上の高温で焼成する必要があり、高分子フィルム基材上への形成は基材の変質が起こる問題がある。
【0009】
ゾル−ゲル法による塗布方式の透明導電層の形成方法関しては、特開平11−288625号公報に、インジウムアルコキシドおよび錫アルコキシドを含む溶液を加水分解・重合させ、これによって得られた酸化インジウム−酸化錫系ゾルを高分子フィルム基材の表面に塗布して、ゲル膜を形成した後、そのゲル膜に対し紫外光を照射してゲル膜を結晶化させ、酸化インジウム−酸化錫系透明導電層を形成する方法が提案されている。この方法では、紫外線硬化型のハードコート層を設けた基材上に透明導電層を形成する場合、ゲル膜を結晶化させるときに、硬化したハードコート層に再度紫外線が照射されるため、ハードコート層が変質し、基材とハードコート層の密着性が悪くなる可能性があり、ハードコート剤が制限される。また、この方法にて形成した透明導電層の比抵抗は6×10−2Ω・cm程度と同号公報に記載されており、実用的な300Ω/□の表面抵抗値を得るために必要な膜厚を算出すると2μm以上必要になり、可視光領域にて十分な透過率が得られない可能性がある。
【0010】
このように、塗布法による透明導電性フィルムの製造はコストを抑えることができる点が長所であるが、透明導電性薄膜の膜密度が低いために、表面抵抗値を300Ω/□以下にするには膜厚を数μmと厚く形成する必要があり、さらに、表面が傷つきやすい点が短所である。その一方で、前述のように、スパッタリング法にてITO薄膜を高分子フィルム基材上に形成する透明導電性フィルムの製造はコストの増大と生産性の低さが短所であるが、形成された透明導電性薄膜の膜密度が高く硬いので、表面に傷がつきにくく、比抵抗が4〜5×10−4Ω・cmであるので40〜50Ω/□程度の表面抵抗が膜厚100nm程度で実現できるところが長所である。
【0011】
ところで、高分子フィルム基材或はハードコート層と金属薄膜や導電性酸化物薄膜からなる透明導電層との密着性は十分でないため、透明電極を作る種々の加工工程で透明導電層が剥離したり、欠落するといった問題があった。また、タッチパネルの上部電極用途に用いる場合には、変形をくり返すことにより、フィルム基材と透明導電層との間で剥離が生じ、正確な入力が出来なくなる問題があった。
【0012】
上記の問題を解決するために、透明導電層と高分子フィルム基材との間に下地層として易接着性を示す有機化合物あるいは無機化合物を設ける方法が提案されている(特開昭60−131238号公報、特開平01−9729号公報、特開平04−163141号公報)。しかしながら、これらの方法では密着性は必ずしも十分ではない。
【0013】
金属薄膜や導電性酸化物薄膜からなる透明導電層と高分子フィルム基材或はハードコート層の間に十分な密着性を持たせる方法に関しては、基材上に透明導電層の下地層として酸素欠乏状態の絶縁性酸化珪素層を真空プロセスにて設ける方法(特開平6−320659号公報)や、SiC、SiO、SiN、SiC、SiC、SiO及びSiCよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の珪素化合物の微粒子を含む紫外線硬化型樹脂を高分子フィルム基材に塗布することにより下地層を設ける方法(特開2002−196871号公報)が提案されている。
【0014】
上記の絶縁性酸化珪素層を下地層として設ける方法は、スパッタリング法などの真空プロセスにより絶縁性酸化珪素層を形成するので、製造コストの増大につながることが考えられる。また、酸素欠乏状態の酸化珪素を形成する必要があるので、形成時の酸化度のコントロールが非常にシビアである。さらに、酸化珪素は、スパッタリング法にて形成する場合、酸化物の中で形成速度が極端に遅いものの1つであるため、生産性が低いことが挙げられる。
【0015】
前記の1種類以上の珪素化合物の微粒子を含む紫外線硬化型樹脂を高分子フィルム基材に塗布することにより下地層を設ける方法は、紫外線硬化型のハードコート層を設けた基材上に下地層を形成する場合、下地層の塗液を硬化させるときに、硬化したハードコート層に再度紫外線が照射されるため、ハードコート層が変質し、基材とハードコート層の密着性が悪くなる可能性があり、使用できるハードコート剤が制限される問題があった。
【0016】
【特許文献1】
特開平5−241173号公報
【0017】
【特許文献2】
特開平8−271085号公報
【0018】
【特許文献3】
特開平8−211374号公報
【0019】
【特許文献4】
特開平9−109259号公報
【0020】
【特許文献5】
特開平8−199096号公報
【0021】
【特許文献6】
特開平11−288625号公報
【0022】
【特許文献7】
特開昭60−131238号公報
【0023】
【特許文献8】
特開平01−9729号公報
【0024】
【特許文献9】
特開平04−163141号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであって、大面積の透明導電性フィルムを、高速で製造コストを低く抑えることが出来る塗布法の利点と、低抵抗で耐久性に優れた透明導電性フィルムを形成できるスパッタリング法の利点を活かして、塗布法のみでは実現し得ない表面抵抗値を有し、且つ、密着性に優れた透明導電性積層フィルムを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記事情に鑑み鋭意研究した結果、透明高分子フィルム基材上の少なくとも片面にハードコート層を設け、該基材上に有機珪素化合物を加水分解して調製したゾル液を塗布して形成された酸化珪素膜からなる下地層を介して透明導電層が形成された透明導電性フィルムにおいて、該導電層が、塗布法によって形成された透明導電性薄膜からなる塗布層の上にスパッタリング法によって形成された透明導電性薄膜からなる1層以上のスパッタ層が積層された構造を有することを特徴とする透明導電性積層フィルムにより上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は以下に述べる考察に基づきなされるに至った。
【0027】
塗布法により形成した透明導電性薄膜(以下、塗布層)でも、スパッタリング法により形成した透明導電性薄膜(以下、スパッタ層)でも、導電性粒子が互いに接触することによって導電経路が形成されるが、微視的に見れば、スパッタ層では、導電性粒子が部分的に化学結合を持ちながら接触しているのに対し、塗布層では化学結合を持ちながらの接触は実現されていないといってよい。これがスパッタ層の方が塗布層よりも抵抗値が低くなる原因である。導電性薄膜の比抵抗は一般に、
【0028】
【数1】
ρ=1/(q・n・μ) (1)
(式(1)中、ρ:比抵抗(Ω・cm)、q:電気素量(C)、n:電荷担体の密度(cm−3)、μ:電荷担体の移動度(cm・V/s)である。)で表される。スパッタ層でも塗布層でも、導電性粒子中の物質が同じであれば電荷担体の密度は大きく変わらないと考えられるので、導電性粒子の接触形態の違いが(1)式の移動度μに反映されて、比抵抗に差が生じると結論できる。
【0029】
そこで、塗布層とスパッタ層を隣接させ積層した透明導電層を形成すれば、透明導電層に電流を流すときに、塗布層の中で塗布層−スパッタ層界面の近傍に存在する電荷担体が、より移動度μの大きいスパッタ層中を移動することが期待できる。これが、本発明の透明導電層が、塗布層とスパッタ層が隣接してなる理由である。また、スパッタ層を塗布層の外層にする理由は、塗布層の表面は傷つきやすく耐久性が低いので、緻密で硬いスパッタ層を外層側に形成し、塗布層を保護するためである。
【0030】
下地層として酸化珪素膜を設ける理由は、酸化珪素は、高分子フィルムや透明導電性薄膜との親和性が良好であるため、高分子フィルム基材と透明導電層との中間層として密着を高めることが期待できるからである。また、酸化珪素膜の形成に、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾルを塗布して形成するゾル−ゲル法を用いる理由は、形成速度が速く、ゲル膜の熱処理が比較的低温で可能なため基材を選ばないからである。以上の考察に基づき、本発明はなされるに至った。
【0031】
すなわち、本発明は、
項1 少なくとも片面にハードコート層を設けた透明高分子フィルム基材上に下地層を介して透明導電層が形成された透明導電性フィルムであって、該導電層が、塗布法によって形成された透明導電性薄膜からなる塗布層の上にスパッタリング法によって形成された透明導電性薄膜からなる1層以上のスパッタ層が積層された構造を有することを特徴とする透明導電性積層フィルムである。
【0032】
本発明は、好ましい態様として、
項2 下地層が、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾル液を塗布して形成された酸化珪素膜からなる、項1記載の透明導電性積層フィルム、
項3 酸化珪素幕の膜厚が10nm〜1μmの範囲である、項2記載の透明導電性積層フィルム、
項4 スパッタ層が金属酸化物半導体薄膜あるいは金属薄膜からなるか、それらが隣接してなる、項1記載の透明導電性積層フィルム
を包含する。
【0033】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の好ましい一実施形態である透明導電性積層フィルムの層構成を示す断面図である。透明高分子フィルム基材1の側からハードコート層2、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾルを塗布して形成した酸化珪素からなる下地層3、その外層に透明導電層6が設けられている。透明導電層6は、塗布法にて形成した透明導電性薄膜からなる塗布層4、その上にスパッタリング法にて形成した透明導電性薄膜からなるスパッタ層5を有する。図1にはスパッタ層が1層である例を示したが、これに限られるものではなく、スパッタリング法にて形成した透明導電性薄膜が2層以上あってもよい。
【0034】
本発明の透明導電性積層フィルムは、ハードコート層を設けたことにより、フィルムが傷つくことを防止している。また、塗布層の上にスパッタ層が隣接してなる透明導電層が形成されているので、塗布法により形成された透明導電性フィルムよりも表面抵抗値が低くでき、また、塗布膜はスパッタ膜よりも一般的に屈折率が低いので、透過率をあまり下げることなく厚みを上げることが可能であるため、表面抵抗値をあまり上げることなくスパッタ層を薄くすることが可能である。さらに、酸化珪素からなる下地層が設けられており、透明導電層と透明高分子フィルム基材との密着性が確保されている。
【0035】
[透明高分子フィルム基材]
本発明に用いられる透明高分子フィルム基材にはプラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーには、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリ(メタ)アクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、トリアセテート、セロファンを例示することが出来る。これら中、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。
【0036】
透明高分子フィルム基材はポリマーの種類によって無延伸フィルムであったり、延伸フィルムであったりする。ポリエステルフィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムでは、通常、二軸延伸フィルムであり、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、セロファンフィルムは、通常、無延伸フィルムである。
【0037】
透明高分子フィルム基材の厚さは、反射防止フィルムの用途により適宜決定されるが、好ましくは20〜500μm、さらに好ましくは50〜200μmである。薄すぎるとフィルム強度が弱く、厚いとスティフネスが大きく貼り付けなどをする必要がある場合に扱いが困難になることがあり好ましくない。
【0038】
透明高分子フィルム基材の表面には、その上に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、表面処理を施すことができる。たとえば、コロナ放電処理、グロー放電処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。さらに、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル等の共重合体或いはラテックス、ゼラチン等の水溶性ポリマーが挙げられる。
【0039】
[ハードコード層]
本発明においては、ハードコード層を設けてもよい。ハードコート層は、透明性を有し、適度な硬度を有する層を形成することが好ましい。その形成材料には特に限定はなく、例えば電離放射線や紫外線照射による硬化樹脂や熱硬化性樹脂を使用できる。特に、紫外線照射硬化型のアクリル系や有機珪素の樹脂や、熱硬化型のポリシロキサン樹脂が好適である。これらの樹脂は公知のものを用いることができる。さらに、このハードコート層は透明基材フィルムと屈折率が同等もしくは近似していることがより好ましいが、膜厚が3μm以上の場合には特にこの点も必要ない。
【0040】
ハードコート層を形成するにあたり、塗布方法に制限はないが、表面を平滑に且つ均一に形成することが好ましい。
【0041】
ハードコート層には、平均粒子径0.01μmから1μmの透明な無機微粒子を混合分散させてもよい。これにより膜しての架橋収縮率を改良し、塗膜の平面性を向上させることができる。この無機微粒子によりハードコート層と下地層との接触部分の密着性をより高めることができる。無機微粒子としては透明導電性酸化物層に含有される、酸化珪素と親和性があるものが好ましく、酸化珪素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子等が好適である。
【0042】
[下地層]
下地層には、有機珪素化合物、特にテトラアルコキシシランを含む珪素アルコキシド、を加水分解した(酸化珪素)ゾルを用いる。このゾルは有機珪素化合物を塗布に適した有機溶剤に溶解し、一定量の水を用いて加水分解を行って調製することができる。
【0043】
このゾルの形成に使用する有機珪素化合物の例としては、一般式R SiX4−(a+b)で表される化合物を好ましく例示できる。ここで、R、Rはそれぞれアルキル基、アルケニル基、アリル基又は、ハロゲン基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリル基若しくはシアノ基を有する炭化水素基であり、Xはアルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、ハロゲンないしアシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基であり、a、bはそれぞれ0、1又は2であるが、a+bは2以下である。
【0044】
前記有機珪素化合物の加水分解は、該有機珪素化合物を適当な溶媒中に溶解して行うのが好ましい。使用する溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、及びこれらの混合物が挙げられる。前記有機珪素化合物は前記溶媒中に、該珪素化合物が100%加水分解及び縮合したとして生じるSiO換算で0.1重量%以上、好ましくは0.1重量%から10重量%になるように溶解する。(酸化珪素)ゾルの濃度が0.1重量%未満であると、形成されるゾル膜が所望の特性が充分に発揮できず、一方10重量%を越えると、透明均質膜の形成が困難となる。また、本発明においては、上記の固形分濃度以内であるならば、有機物や無機物バインダーを併用することも可能である。
【0045】
有機珪素化合物の加水分解は、前記溶液に加水分解に必要な量以上の水を加え、15〜35℃、好ましくは22〜28℃の温度で、0.5時間から48時間、好ましくは2時間から24時間攪拌することで行うのが好ましい。また、上記加水分解には触媒を用いるのが好ましい。これらの触媒としては塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の酸が好ましく、これらの酸は溶液全体のpHが1から6となるように加えるのが好ましい。このようにして得られる(酸化珪素)ゾルは、無色透明で、ポットライフが約1ケ月の安定な液体であり、フィルム基材に対して濡れ性が良く、塗布適性に優れている。
【0046】
前記有機珪素化合物の加水分解により得られる(酸化珪素)ゾルは、液状で、通常の塗布作業が適用できる範囲の粘度を有するものであり、適用温度で10ポイズ以下、さらには1ポイズ以下のものが好ましい。これより高い粘度を有する液状物は均一な塗膜を形成するのが難しくなる。塗布方法としては、通常のコーティング作業で用いられる方法を用いることができ、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビートコーター法、マイクログラビアコーター法等を挙げることができる。塗布後、塗膜を乾燥させると、酸化珪素からなる膜が形成される。乾燥温度(熱処理温度)は60〜150℃、さらには80〜110℃が好ましい。
【0047】
この酸化珪素からなる下地層の膜厚は、10nm〜1μmの範囲にあることが好ましい。さらには、30〜100nmの範囲にあることが最も好ましい。
【0048】
[透明導電層]
本発明において透明導電層は、塗布法によって形成された透明導電性薄膜からなる塗布層の上にスパッタリング法によって形成された透明導電性薄膜からなる1層以上のスパッタ層が積層された構造を有する。
【0049】
[塗布層]
塗布層は導電性微粒子を含む層であることが好ましい。塗布層は実質的に導電性微粒子のみからなることが好ましく、バインダーなどの非導電性のものを含有しないことが導電性の観点から好ましい。導電性微粒子の平均粒径は1〜100nmが好ましい。100nmを越える場合にはヘイズが大きくなることがあり、1nm未満の場合には微粒子の分散が困難になること、形成した塗布層の表面抵抗が急激に大きくなることがあり好ましくない。
【0050】
塗布層に含まれる導電性微粒子としては、導電フィルムの透明性を大きく損なわず、本発明効果を損なわない範囲内で、1種類以上の導電性微粒子を用いることができる。例えば、導電性酸化物微粒子として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等を挙げることができ、また金属微粒子として、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、あるいはこれらの合金を挙げることができる。導電性酸化物微粒子の中では、酸化物の中でもっとも抵抗の低いITO微粒子が好ましく、さらに、錫の含有量としてはインジウムに対し3〜15原子%の範囲内にあることが導電性の観点から最も好ましい。金属微粒子の中では、とくに銀を含有する微粒子が好ましく、さらに耐候性の観点からパラジウムと銀の合金の微粒子が好ましい。パラジウムの含有量としては5〜30重量%が好ましく、パラジウムが少ないと耐候性が悪くなることがあり、また、パラジウムが多くなると導電性が低下することがある。
【0051】
本発明の塗布層の形成は、特にその形成方法が限定されるものでなく公知の方法を使用できる。例えば以下の方法により好ましく形成される。
【0052】
導電性微粒子の分散媒は、特に限定されることなく、各種分散媒を用いることができる。例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。なかでも極性を有する分散媒が好ましく、特にメタノール、エタノール等のアルコール類や、NMP等のアミド類などの水と親和性のあるものは、分散剤を使用しなくても分散性が良好であることから、好ましく用いられる。これら分散媒は1種または2種以上を用いることができる。また、分散媒の種類により、分散剤を用いてもよい。
【0053】
分散媒の量は、特に制限されず、導電性微粒子の分散液(塗料、導電性塗料)が塗布に適した適度な粘度を有するようにすればよい。具体的には、導電性微粒子100重量部に対して分散媒100〜100,000重量部程度が好ましいが、導電性微粒子と分散媒の種類に応じて適宜変更し得る。導電性微粒子の分散媒中への分散は、例えばサンドグラインダーミル法など、公知の分散手段により行うことができる。
【0054】
次いで、上記導電性微粒子の分散液(塗料)を支持体上に塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成する。
【0055】
上記支持体上への導電性微粒子分散液(塗料)の塗布は、特に限定されることなく、公知の方法により行うことができる。例えばスピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビートコーター法、リバースロール法、マイクログラビアコーター法等を挙げることができる。乾燥温度(熱処理温度)は分散に用いた分散媒の種類によるが、60〜150℃、さらには80〜110℃が好ましい。
【0056】
このように、導電性微粒子を分散媒に分散させて塗布し、乾燥すると、均一な膜を形成しやすい。これら導電性微粒子の分散液を塗布して乾燥させると、分散液中にバインダーが存在しなくても微粒子は膜を形成する。
【0057】
このように形成した塗布膜を圧縮することで、膜強度の向上と抵抗値の低下が図ることができることが、特開2001−328200号公報中で提案されている。本発明の塗布層を形成する場合にもこの方法が適用できる。具体的には以下のようにする。
【0058】
圧縮手段はとくに限定されるものでなく、シートプレス、ロールプレス等により行うことができるが、ロールプレス機はロール・トゥー・ロールで生産できることから生産性に優れ好適である。ロールプレス機のロールは金属ロールでロール温度は15〜40℃の範囲が好ましく、圧縮力は180〜1000N/mmの範囲が好ましい。
【0059】
[スパッタ層]
こうして形成した塗布層の上にスパッタ層を設ける。スパッタリング層は、本発明効果を損なわない範囲内であれば、任意の材料を用いることができる。たとえば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の導電性酸化物や、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、あるいはこれらの合金を用いることができる。導電性酸化物の中ではITOが最も抵抗が低くなるので好適であり、錫の含有量はインジウムに対し3〜15原子%の範囲内にあることが導電性の観点から最も好ましい。金属の中ではとくに銀が好ましく、さらに耐候性の観点からパラジウムと銀の合金のが好ましく、パラジウムの含有量としては5〜30重量%が好ましく、パラジウムが少ないと耐候性が悪くなることがあり、また、パラジウムが多くなると導電性が低下することがある。
【0060】
スパッタ層は、金属酸化物半導体薄膜あるいは金属薄膜からなるか、それらが隣接してなることが好ましい。
【0061】
スパッタリングの方式は、従来の直流マグネトロン方式、高周波マグネトロン方式、デュアルカソードマグネトロン方式、電子サイクロトロン共鳴方式等、公知の方式を用いることができる。なかでも、1つの成膜室に2つのターゲットを近接して配置し、それら2つのターゲットに数十kHzの周波数で交互に陽極、陰極として電圧を印加する、デュアルカソードマグネトロン方式が好適である。この方式は、ターゲットが数十kHzの周波数で交互に陽極、陰極になるので、ターゲットのチャージアップ(電荷集積)が起こりにくく、且つ、周波数がそれほど高くないので高速な膜形成が可能である。
【0062】
上記導電性酸化物によりスパッタ層を形成する場合には、金属ターゲットを出発材料として成膜室にアルゴンガスと共に反応性ガス(酸素ガス)を導入して金属と反応性ガスを化学反応させて酸化物膜を形成する反応性スパッタリング法でも、酸化物焼結体ターゲットを出発材料としてスパッタリングする方法でもよい。
【0063】
酸化物焼結体ターゲットを出発材料としてスパッタ層を形成する際には、相対密度が90%以上のターゲットを使用するのが好ましい。97%以上の超高密度ターゲットを使用するのがさらに好ましい。ターゲットの相対密度が低い場合には、スパッタ時間の経過に伴って、ノジュールと呼ばれる、黒色析出物がターゲット表面に発生するため、放電インピーダンスが経時変化し、結果として形成されるスパッタ膜の抵抗値にむらができるためである。さらに、ターゲットの高密度化により、スパッタされた透明導電性膜の低抵抗化と、膜形成速度の向上が図ることができる。
【0064】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例において、各特性評価は以下の方法により行った。
【0065】
[電気抵抗]
透明基材フィルムの片面にハードコート層と導電層を形成し、この比抵抗を三菱化学社製ロレスタMP(4端針法表面抵抗計)を用いて表面抵抗値を測定し、その表面抵抗に導電層の膜厚を掛けて導電層の比抵抗として算出した。
【0066】
[可視光透過率]
可視光線の反射率島津製作所製UV−3101PC型を用い、透明導電性積層フィルムの表面に照光して、380〜780nmの波長範囲で測定し、積分可視光透過率をJIS A5759に基づいて計算した。
【0067】
[密着性評価]
層を形成したフィルムに、カッターナイフで2mm間隔で縦横各6本の切れ目を入れ25個の碁盤目を作り、この碁盤目上にニチバンセロテープを添付し、このセロテープを90度の剥離角度をつけて剥離し、フィルム上の薄膜について、残留碁盤目の数を目視により評価する。評価は、○:25個残留、△:20〜24個×:19個以下、とした。
【0068】
(実施例1)
塗布層がITOを含有した膜であり、スパッタ層がITO薄膜である本発明の透明導電性積層フィルムを作成した。透明フィルム基材として二軸配向PETフィルム(帝人デュポンフィルム製 OPFW−188μm)を用い、この片面の上にUV硬化性ハードコート剤(JSR デソライトZ7501)をマイクログラビアコーティングにより塗工し、UV硬化させてハードコート層を形成した。このとき、ハードコート層の厚みは5μmであった。
【0069】
次に、ハードコート層の上に、テトラエチルシリケートをエタノールに溶解し、水および塩酸を加えて加水分解して得られた酸化珪素ゾルを塗布し、100℃で2分間熱処理し、酸化珪素膜からなる下地層を形成した。このとき下地層の膜厚は100nmであった。
【0070】
下地層の上に、ITO微粒子(住友金属鉱山製、SUFP−HX)100重量部にエタノール300重量部を加えて得られた塗布液をマイクログラビアコーティングにより下地層の上に塗工し、100℃で2分間熱処理して膜厚1.2μmの塗膜を形成した。さらに、このフィルムをロールプレス機を用いて、単位面積あたりの圧力400N/mmで圧縮して塗布層を形成した。圧縮後の塗布層の厚みは800nmであった。
【0071】
最後に、塗布層の上に、デュアルカソードマグネトロン方式のウェブコータ型スパッタ機にてITOからなるスパッタ層を50nmになるように形成した。ターゲットは酸化錫が10重量%含有されているITOの酸化物焼結ターゲットで、相対密度が97%のものを使用し、アルゴン/酸素=99/1の体積比の混合ガスを導入し、雰囲気圧力0.5Pa下にて成膜をおこなった。
【0072】
こうして得た本発明の透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は97Ω/□で、可視光透過率は78%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は◯であった。
【0073】
(実施例2)
スパッタ層の膜厚を25nmにした以外は実施例1と同じである。
【0074】
こうして得た本発明の透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は182Ω/□で、可視光透過率は80%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は◯であった。
【0075】
(実施例3)
スパッタ層の構成以外は実施例1とおなじである。スパッタ層の構成と形成方法は以下の通りである。
【0076】
スパッタ層は、下地層の上に銀からなる膜厚5nmの層が形成され、その上にITOからなる膜厚25nmの層が形成された構成とした。銀からなる層は、銀ターゲットを用い、アルゴンガスを導入し雰囲気圧力0.5Pa下にて成膜した。その上に形成されるITOからなる層は実施例2と同じである。
【0077】
こうして得た本発明の透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は69Ω/□で、可視光透過率は76%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は◯であった。
【0078】
(比較例1)
スパッタ層を形成しないこと以外は実施例1と同じである。
【0079】
こうして得られた、透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は361Ω/□で、可視光透過率は82%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は◯であった。スパッタ層を形成しない場合には、表面抵抗値が実用的な300Ω/□よりも高くなった。
【0080】
(比較例2)
塗布層を形成しないこと以外は実施例1と同じである。
【0081】
こうして得られた、透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は104Ω/□で、可視光透過率は87%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は25個であり、評価は◯であった。スパッタ層を形成しない場合には、表面抵抗値が実用的な300Ω/□よりも高くなった。
【0082】
(比較例3)
下地層を形成しないこと以外は実施例1と同じである。
こうして得られた、透明導電性積層フィルムの表面抵抗値は95Ω/□で、可視光透過率は81%であった。また、密着性の評価を行なった結果、残留碁盤目の数は16個であり、評価は×であった。ハードコート層と塗布層の界面から剥離していることが確認できた。下地層を形成していない場合には、密着性は十分でないことがわかった。
以上の評価結果を表1にしめす。
【0083】
【表1】
Figure 2004255706
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、大面積の透明導電性フィルムを、高速で製造コストを低く抑えることが出来る塗布法の利点と、低抵抗で耐久性に優れた透明導電性フィルムを形成できるスパッタリング法の利点を活かして、塗布法のみでは実現し得ない表面抵抗値を有し、且つ、耐久性と密着性に優れた透明導電性積層フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電性積層フィルムの層構成の一例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 透明基材フィルム
2 ハードコート層
3 下地層
4 塗布層
5 スパッタ層
6 導電層

Claims (4)

  1. 少なくとも片面にハードコート層を設けた透明高分子フィルム基材上に下地層を介して透明導電層が形成された透明導電性フィルムであって、該導電層が、塗布法によって形成された透明導電性薄膜からなる塗布層の上にスパッタリング法によって形成された透明導電性薄膜からなる1層以上のスパッタ層が積層された構造を有することを特徴とする透明導電性積層フィルム。
  2. 下地層が、有機珪素化合物を加水分解して調製したゾル液を塗布して形成された酸化珪素膜からなる、請求項1記載の透明導電性積層フィルム。
  3. 酸化珪素膜の膜厚が10nm〜1μmの範囲である、請求項2記載の透明導電性積層フィルム。
  4. スパッタ層が金属酸化物半導体薄膜あるいは金属薄膜からなるか、それらが隣接してなる、請求項1記載の透明導電性積層フィルム。
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