JP2874978B2 - 透明導電性積層体 - Google Patents

透明導電性積層体

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、透明導電性積層体に関し、特にエレクトロ
ルミネッセンスディスプレー用途に適した透明導電性積
層体に関する。
[従来の技術] 透明な有機高分子成形物表面に、金属酸化物の薄膜か
らなる透明導電層を形成して、透明性があり、かつ導電
性のある積層体としたものが種々の分野で利用されてい
る。かかる利用分野のなかで、エレクトロルミネッセン
スディスプレー(ELD)のアルミニウム電極に対向する
透明電極としての利用が試みられている。
ELDは、携帯型のパーソナルコンピューターやワード
プロセッサー等に搭載された液晶ディスプレーのバック
ライトとして用いられている。携帯型のパーソナルコン
ピューターやワードプロセッサーは電池で駆動されてい
る。電池の寿命を長くするためELDは、低消費電力で動
作することが求められている。すなわち、ELDの発光効
率を向上させる必要がある。
従来、透明導電層上に直接あるいはPd薄膜層を介して
シアノエチル樹脂層を形成した透明導電性積層体が知ら
れている。これをELD作成に利用した場合、ELDの製造工
程の歩留り向上には効果がみられるものの、ELDの発光
効率は、シアノエチル樹脂層のない透明導電性積層体を
用いた場合と比較して全く変化がなかった。
従来、ELDの発光効率は、発光層によって決まると考
えられ、透明導電性積層体側からのELDの発光効率向上
へのアプローチはほとんどなされていなかった。
また、シアノエチル樹脂層を形成した透明導電性積層
体を重ねてあるいはロール状に巻いて高湿度下放置した
時に、シアノエチル樹脂層が他の透明導電性積層体背面
に一部転写したり、外観不良となる問題があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、ELDの透明電極として用いたとき高い発光
効率のELDを得ることができ、かつ保存性に優れた透明
導電性積層体の提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、有機高分子成形物(A)上に、酸化物より
なる透明導電層(B)、さらにその上に金属化合物の微
粒子を含有するシアノエチル樹脂層(C)が形成されて
なる透明導電性積層体である。
以下、本発明の詳細を発明に至った経過とともに説明
する。
本発明者らは、透明導電層と発光層との間に介在する
透明導電層上のオーバーコート層に発光効率向上の鍵が
あるのではないかと着目し、該オーバーコート層につい
て鋭意研究した結果、該オーバーコート層として金属化
合物の微粒子を含有するシアノエチル樹脂層を用いるこ
とにより、驚くべきことに、ELDの発光効率が向上する
ことを見出した。
更に、金属化合物の微粒子を含有したシアノエチル樹
脂層を用いた場合、透明導電性積層体を重ねてあるいは
ロール状に巻いて高湿度下に放置しても、該シアノエチ
ル樹脂層の他の透明導電性積層体背面への転写や外観不
良の発生を防止できることを見出し、本発明に到達し
た。
本発明における有機高分子成形物(A)を構成する有
機高分子化合物としては、耐熱性を有する透明な有機高
分子化合物であれば特に限定されない。
通常、耐熱性としては、100℃以上が好ましい。耐熱
性が、100℃未満では、発光層や捕水フイルムと貼り合
わせる際に変形が著しくなり、透明導電層の抵抗値が増
大したり外観不良となるため好ましくない。
これらの有機高分子化合物としては、例えばポリイミ
ド;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリパラバ
ン酸;ポリヒダントイン;ポリアリレートをはじめとし
て、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレート、ポリジアクリルフタ
レート、ポリカーボネートなどのポリエステル系樹脂;
芳香族ポリアミドおよびセルローストリアセテートなど
が挙げられる。もちろん、これらはホモポリマー、コポ
リマーとして、また単独またはブレンドとしても使用し
うる。
かかる有機高分子化合物の成形物の形状は特に限定さ
れるものではないが、通常、シート状、フイルム状のも
のが好ましく、なかでもフイルム状のものは巻取り可能
であり、また連続生産が可能であるため、特に好まし
い。さらに、フイルム状のものが使用される場合におい
ては、フイルムの厚さは、6〜500μmが好ましく、12
〜200μmが特に好ましい。
これらのフイルムまたはシートは、透明性を損わない
程度において顔料を添加したり、また表面加工、例えば
サンドマット加工などを施してもよい。
また、これらのフイルムまたはシートは、単独でもラ
ミネートして用いてもよい。
本発明の透明導電層(B)は、金属酸化物より構成さ
れる。例えば、錫および/またはフッ素含有酸化インジ
ウム、CTO(Cadmium Tin Oxide)、アンチモン含有酸化
錫、酸化チタンなどを挙げることができる。なかでもIT
O(Indium Tin Oxide)膜は、透明性、導電性が特に優
れており、さらに電極のパターン化が容易(エッチング
特性が優れている)などの特徴を有し特に好ましい。
透明導電層(B)の膜厚は、充分な導電性を得るため
には50Å以上であることが好ましい。
また、充分に透明度の高い被膜を得るためには、透明
導電層(B)の膜厚は500Å以下であることが好まし
く、400Å以下がより好ましい。
透明導電層(B)を形成する方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの
物理的製膜法;導電性微粒子を含有する被覆液を用いる
被覆法;化学メッキ法などがあるが、透明導電層の均一
性、透明性の点で物理的製膜法が好ましい。
さらに、透明導電層(B)と有機高分子成形物(A)
との密着性を向上させるため、透明導電層形成前に有機
高分子成形物上に中間層を形成してもよい。
中間層としては、例えば有機ケイ素化合物、チタンア
ルキルエステル、ジルコニウムアルキルエステルなどの
有機金属化合物の加水分解により生成された層が好まし
く用いられる。この中間層は、多層構成としてもよい。
中間層は、有機高分子成形物表面に有機金属化合物を
含む被覆液を被覆後、被覆液中および/または処理雰囲
気中の微量の水分の存在下に、加熱;イオンボンバード
あるいは紫外線;β線,γ線などの放射線の作用により
有機金属化合物を加水分解し硬化させることにより得ら
れる。
また、中間層の被覆には、透明有機高分子成形物や被
覆液の形状、性質に応じてドクターナイフ、バーコータ
ー、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイ
フコーターなどの公知の塗工機械を用いる塗工法、スプ
レー法、浸漬法などを用いることができる。
中間層の厚さとしては、100〜1,000Åが好ましく、特
に200〜900Åが好ましい。
中間層の厚さが100Å未満の場合には、連続層を形成
しないため密着性などの向上効果がなく、一方1,000Å
を超えると、クラックや剥離を生じたりして好ましくな
い 本発明における透明導電性積層体は、有機高分子成形
物の両面に必要に応じて中間層を介して透明導電層を積
層した構成にしてもよい。
本発明のシアノエチル樹脂層(C)を形成するために
用いられるシアノエチル樹脂とは、樹脂中の水酸基の50
%以上がシアノエチル化された樹脂であり、シアノエチ
ルポリビニルアルコール,シアノエチルプルラン,シア
ノエチルヒドロキシエチルセルロース,シアノエチルサ
ッカロース,シアノエチルキシリトール,シアノエチル
アミロース,シアノエチルフェノキシ樹脂等をあげるこ
とができる。これらのシアノエチル樹脂は、単独でも2
種以上を混合して用いても良い。また、本発明の効果を
妨げない範囲でシアノエチル樹脂と他の樹脂を混合して
用いても良い。
本発明のシアノエチル樹脂は必要に応じて接着促進
剤,ぬれ性改良剤,可塑剤,各種安定剤,難燃剤,酸化
防止剤などの各種添加剤と混合して用いることもでき
る。
次に、本発明のシアノエチル樹脂層(C)に含有され
る金属化合物微粒子は、一次粒子径が100〜1000Åであ
ることが好ましい。
本発明で用いられる金属化合物微粒子としては、アン
チモン含有酸化スズ,酸化スズ,スズ含有酸化インジウ
ム,酸化インジウム,酸化ケイ素,酸化亜鉛,酸化アル
ミニウム,イットリウム含有酸化ジルコニウム,酸化ジ
ルコニウム,酸化セリウム,酸化チタンなどの金属酸化
物、フッ化マグネシウムなど金属フッ化物、チタン酸バ
リウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸
ジルコン酸タンラン鉛、チタン酸アルミニウムなどが挙
げられる。
これらのうち、特に酸化ケイ素微粒子の各粒子の表面
が疎水化あるいは改質されており、トルエンのような疎
水性溶剤にも一次粒子のままコロイド次元で透明に分散
できるものが好ましい。特に、一次粒子径が100〜1000
Åのものが、分散の安定性の点で好ましい。
シアノエチル樹脂層中の金属化合物微粒子の分散状態
が悪いと、透明導電性積層体と発光層との密着性が低下
する。この点、酸化ケイ素微粒子は、シアノエチル樹脂
との相性が良く、シアノエチル樹脂中に均一に分散され
るので好ましい。
本発明のシアノエチル樹脂層(C)は、有機高分子成
型物(A)上に、金属酸化物よりなる透明導電層(B)
を形成し、さらにその上を前記シアノエチル樹脂と前記
金属化合物微粒子とを含む被覆液で被覆することにより
形成される。
なお、被覆液は、前記シアノエチル樹脂を含む溶液と
前記金属化合物の微粒子をコロイド状に分散させた溶液
とから得ることができる。
被覆液の被覆には、有機高分子成形物や被覆液の形
状,性質に応じてドクターナイフ,バーコーター,グラ
ビアコーター,カーテンコーター,ナイフコーターなど
の公知の塗工機械を用いる塗工法、スプレー法、浸漬法
などを用いることができる。
シアノエチル樹脂層(C)の面内の平均膜厚は、100
〜1000Åが好ましく、特に100〜500Åが好ましい。シア
ノエチル樹脂層(C)の平均膜厚が100Å未満の場合に
は、連続層を形成しがたくなるため発光層との密着性が
低く、一方1000Åを超えると外観不良を生じたりして好
ましくない。
なお、シアノエチル樹脂層(C)の膜厚測定法には種
々の方法があるが、好ましい一例を以下に示す。
シアノエチル樹脂層上をプラズマ重合膜で被覆し補強
した後透明導電性積層体全体を包む様にエポキシ系樹脂
で固める。しかる後、透明導電性積層体の断面が出る様
な切片を切り出し、透過型電子顕微鏡で、シアノエチル
樹脂層を観察する。シアノエチル樹脂層にほとんど凹凸
がない場合は、正常部数ケ所の膜厚を測定しこれらを平
均に平均膜厚を求める。シアノエチル樹脂層に凹凸があ
る場合は、凹部,凸部の平均膜厚を求めた後、平均膜厚
=1/2(凹部の平均膜厚+凸部の平均膜厚)で平均膜厚
を算出する。
ところで、ELDを高温高湿の条件で連続点灯させる
と、透明導電層が劣化することによりELDの輝度が急激
に低下することがある。
透明導電層の劣化を防止する手段とし、透明導電層
(B)上に直接または、シアノエチル樹脂層(C)を介
してパラジウム,白金,ルテニウム,オスミウム,イリ
ジウム,ロジウムからなる群から選ばれた少なくとも1
種の金属および/または金属酸化物の薄膜層(D)を形
成することができる。
これらの金属および/または金属酸化物は、単独で用
いても混合物として用いてもよい。また、これらの金属
および/または金属酸化物の薄膜層が積層された構成で
あってもよい。
金属および/または金属酸化物の薄膜層(D)の膜厚
は、0.5Å以上20Å未満が好ましい。0.5Å未満では、透
明導電層の劣化防止効果がない。一方、20Å以上では透
明性が低下して好ましくない。
金属および/または金属酸化物の薄膜の層(D)の形
成方法としては、真空蒸着法,スパッタリング法,イオ
ンプレーティング法などの物理的製膜法が好ましく用い
られる。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1および比較例1 シアノエチルプルランのメチルセロソルブ,メチルエ
チルケトン,シクロヘキサノンの混合溶液(1)と表面
を疎水化した酸化ケイ素微粒子(粒径約120Å)をトル
エン中にコロイド状に分散させた溶液(2)とから、シ
アノエチルプルラン,酸化ケイ素微粒子の固形分濃度が
それぞれ、1.0重量%,0.5重量%の被覆液を調整した。
なお、比較のためシアノエチルプルラン,メチルセロソ
ルブ,メチルエチルケトン,シクロヘキサノンより、シ
アノエチルプルランの固形分濃度が1.0重量%の被覆液
を調整した。
一方、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフイ
ルムを直流マグネトロンスパッタ装置内の基板保持台に
固定し、真空度2×10-5Torrまで真空層を排気した。
その後、Ar/O2混合ガス(O2=25%)を槽内に導入
し、真空度を4×10-3Torrに保ったのち、In/Sn合金(S
n=5重量%)よりなるターゲットを用いた反応性スパ
ッタリング法により膜厚が約250Åのインジウム・スズ
酸化物膜よりなる透明導電層付フイルムを作成した。
透明導電層付フイルムの透過率(550nm)は83%、抵
抗は260Ω/□であった。
次に、透明導電層を形成した面に、前記被覆液をバー
コーターで塗布後、140℃で1分間乾燥することにより
シアノエチルプルランと酸化ケイ素微粒子とを含むシア
ノエチル樹脂層またはシアノエチルプルランのみを含む
シアノエチル樹脂層を形成し、実施例1および比較例1
の透明導電性積層体を得た。シアノエチル樹脂層の平均
膜厚はそれぞれ約350Åと約300Åであった。
一方、これとは別に、厚さ100μmのアルミニウムシ
ート上にチタン酸バリウム粉末をシアノエチルプルラン
中に分散した塗工液を塗布後乾燥し、厚さ数μmの絶縁
層を形成した。さらに、その上に硫化亜鉛を主成分とす
る蛍光体粉末をシアノエチルプルラン中に分散させた塗
工液を塗工後乾燥し、厚さ数十μmの発光層を形成する
ことにより、試験用シートを作成した。
透明導電性積層体の透明導電層を形成した面と試験用
シートの発光層とを向かい合わせたのち、ローラ温度17
0℃、線圧15Kg/cmに調整したラミネータにより接着して
一体化した。
なお、この時透明導電性積層体の透明導電層を形成し
た面には、あらかじめ銀ペースト電極が印刷されてお
り、銀ペースト電極にはさらに外部電力印加用の端子と
して厚さ15μmのステンレス箔が接続された形で透明導
電性積層体と試験用シート間にはさみこまれている。
しかるのち、アルミニウム面にも外部電力印加用端子
を接続した後に前記一体化したサンプルの両面に捕水フ
イルム[ダイセル(株)製、ZE−135]を、ローラ温度1
20℃,線圧8Kg/cmに調整したラミネータにより接着して
一体化した。
さらに、捕水フイルムの外側に防湿フイルム[日東電
気工業(株)製、4820]を、ローラ温度120℃,線圧4Kg
/cmに調整したラミネータにより接着して一体化するこ
とよりELD(発光部面積150cm2)を作成した。
なお、防湿フイルムは、透明導電性積層体、試験用シ
ート、および捕水フイルムより大きいサイズのものを使
用し、ELDの周囲は防湿フイルム同士が張り合わされて
おり、透明導電性積層体、試験用シートおよび捕水フイ
ルム全体を包みこんでいる。
かくして作成したELDを100V 400Hzで駆動した時の輝
度,消費電力,発光効率を調べた。測定結果を第1表に
示す。
本発明の透明導電性積層体を用いるこによりELDの発
光効率が約10%向上することが分かる。
実施例2および比較例2 シアノエチルプルランおよびシアノエチルポリビニル
アルコールのメチルセロソルブ,メチルエチルケトン,
シクロヘキサノンの混合溶液(1)と表面を疎水化した
酸化ケイ素微粒子(粒径約120Å)をトルエン中にコロ
イド状に分散させた溶液(2)とから、シアノエチルプ
ルラン,シアノエチルポリビニルアルコール及び酸化ケ
イ素微粒子の固形分濃度がそれぞれ、0.2重量%,0.8重
量%及び0.5重量%の被覆液を調整した。
一方、実施例1と同様な方法で厚さ75μmのポリエチ
レンテレフタレートフイルムを用いて、インジウム・ス
ズ酸化物よりなる透明導電層付フイルムを作成した。
透明導電性付フイルムの透過率(550nm)は83%、抵
抗は270Ω/□であった。
次に、槽内にArガスを導入し、真空度を4×10-3Torr
に保ったのちPd金属のターゲットを用いたスパッタリン
グ法により、膜厚が約2ÅのPd金属の薄膜層を透明導電
層上に形成した。
しかるのち、透明導電層、引き続いてPd金属の薄膜層
を形成した面に、前記被覆液をバーコーターで塗布後、
140℃で1分間乾燥することによりシアノエチルプルラ
ン,シアノエチルポリビニルアルコールおよび酸化ケイ
素微粒子とを含む平均膜厚約350Åのシアノエチル樹脂
層を形成し、実施例2の透明導電性積層体を得た。比較
例2として、シアノエチル樹脂層を形成しない透明導電
性積層体を用いた。
実施例2および比較例2の透明導電性積層体を用い、
実施例1と同様な方法でELD(発光部面積150cm2)を作
成した。
実施例1と同様に、100V 400Hzで駆動した時の輝度,
消費電力,発光効率を調べた測定結果を第2表に示す。
本発明の透明導電性積層体を用いることによりELDの
発光効率が約10%向上することが分かる。
実施例3および比較例3 シアノエチルプルラン,シアノエチルポリビニルアル
コール,メチルソロルブ,メチルエチルケトン,シクロ
ヘキサノンより固形分濃度が、それぞれ、0.2重量%,0.
8重量%のシアノエチルプルラン,シアノエチルポリビ
ニルアルコールを含む被覆液を調整した。
上記被覆液を用いた以外は、実施例2と全く同様にし
て、比較例3の透明導電性積層体を得た。シアノエチル
樹脂層の平均膜厚は約300Åであった。
実施例2と全く同様にして作成した実施例3の透明導
電性積層体および比較例3の透明導電性積層体を、40mm
×40mmの大きさにカットした後、シアノエチル樹脂層を
形成した面と反対面が接する様に5枚重ね、さらに上下
をガラス板(65mm×65mm×2.5t)ではさむことにより試
験用サンプルを作成した。
該サンプルを60℃90%RH雰囲気に20hr放置後取り出し
て透明導電性積層体の外観変化を調べた。測定結果を第
3表に示す。
本発明の透明導電性積層体は外観変化がなく保存性に
優れていることが分かる。
[発明の効果] 本発明により、ELDの透明電極として用いたとき透明
導電層の劣化がなく、また、発光層との密着性に優れか
つ透明性が良く、ELD用に充分利用できる透明導電性積
層体が提供可能となる。
本発明で得られる透明導電性積層体は、ELD用として
適しているだけでなく、例えば透明タッチパネル,電子
写真、帯電防止材料,面発熱体,固体ディスプレイ,光
メモリー,光電変換素子,光通信,光情報処理,太陽エ
ネルギー利用材料などの広い用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 H01B 5/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機高分子成型物(A)上に、金属酸化物
    よりなる透明導電層(B)、さらにその上に金属化合物
    の微粒子を含有するシアノエチル樹脂層(C)が形成さ
    れてなる透明導電性積層体。
  2. 【請求項2】該透明導電層(B)上に直接あるいは該シ
    アノエチル樹脂層(C)を介して、パラジウム,白金,
    ルテニウム、オスミウム,イリジウム,ロジウムからな
    る群から選ばれた少くとも1種の金属及び/または金属
    酸化物の薄膜層(D)が形成されてなる請求項1記載の
    透明導電性積層体。
  3. 【請求項3】該シアノエチル樹脂層(C)に含有される
    金属化合物の微粒子が、その一次粒子径が100〜1000Å
    の酸化ケイ素の微粒子である請求項1又は2記載の透明
    導電性積層体。
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