JP2535641B2 - 透明導電性積層体 - Google Patents

透明導電性積層体

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JP2535641B2 JP2092256A JP9225690A JP2535641B2 JP 2535641 B2 JP2535641 B2 JP 2535641B2 JP 2092256 A JP2092256 A JP 2092256A JP 9225690 A JP9225690 A JP 9225690A JP 2535641 B2 JP2535641 B2 JP 2535641B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、透明導電性積層体に関し、特にエレクトロ
ルミネッセンスデイスプレー用途に適した透明導電性積
層体に関する。
〔従来の技術〕
透明な有機高分子成形物表面に、金属酸化物の薄膜か
らなる透明導電層を形成して、透明性があり、かつ導電
性のある積層体としたものが種々の分野で利用されてい
る。かかる利用分野のなかで、エレクトロルミネッセン
スデイスプレー(ELD)のアルミニウム電極に対向する
透明電極としての利用が試みられれているが、ELDを高
温高湿の条件で連続点灯させると、透明導電層が劣化す
ることによりELDの輝度が急激に低下することがあっ
た。
透明導電層の劣化を防止する手段として、透明導電層
上に厚さ20〜200Åのパラジウム膜を形成する方法が提
案されている(特開昭62−18254号公報参照)。
しかしこの方法では、透明導電性積層体の透明性が低
下する問題がある。
また、透明導電層上に、ルテニウム、ロジウム、パラ
ジウムおよびこれらの酸化物の不連続層(平均膜厚1〜
30Å)を形成する方法が提案されているが(特開平1−
194207号公報参照)、透明導電層と発光層であるシアノ
エチルレジン層との密着性は不充分である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、ELDの透明電極として用いたときに透明導
電層の劣化がなく、また発光層との密着性に優れ、かつ
透明性のよい透明導電性積層体を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、有機高分子成形物(A)上に、金属酸化物
よりなる透明導電層(B)、引き続いてパラジウム、白
金、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、
金、コバルト、銀、ニッケル、タングステン、鉄および
錫からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の薄膜
層(C)、さらに下記一般式(I) 〔式中、R1は水素原子、フェニル基、炭素原子数1〜4
のアルキル基または で表される基を、R2は水素原子または炭素原子数1〜4
のアルキル基を、R3およびR4はそれぞれ独立に炭素原子
数1〜4のアルキル基を、yは1〜12の整数を、wは0
または1の整数を、zは2または3の整数をそれぞれ表
し、w+z=3であり、ここでxは1〜12の整数を、
R5、R6はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1
〜4のアルキル基からなる群から選ばれる基を示す〕 で表わされる有機ケイ素化合物の加水分解により生成さ
れた重合体層(D)が順次形成され、かつ該重合体層
(D)に金属または金属化合物の微粒子が含まれている
ことを特徴とする透明導電性積層体である。
以下、本発明の詳細を発明に到った経過とともに説明
する。
本発明者らは、劣化したITO(Indium Tin Oxide)膜
よりなる透明導電層の分析を行い、ITO膜が還元される
ことにより黒色化していることを突き止めた。高温高湿
下のELDの連続点灯時には、通常、ITO膜とアルミニウム
電極間に100V、400Hzのごとき交流が印加される。ITO膜
上に水分がない時には何ら電極反応は起きないはずであ
るが、高温高湿下においては、防湿フィルムを通して水
分が浸透するためITO膜と発光層界面にはわずかな水分
が存在する。そこで、ITO膜上では交流電圧の印加によ
り、陽極反応と陰極反応が交互に起こることになるが、
陰極反応では、酸化インジウムの還元反応が水素イオン
の還元反応よりも起こりやすく、また陽極反応では水酸
イオンの酸化反応の方が酸化インジウムの酸化反応より
も起こりやすいため、酸化インジウムは次第に還元され
て黒色化していくものと推定される。
本発明者らは、鋭意研究した結果、金属酸化物よりな
る透明導電層(B)上に、金属薄膜層(C)、さらに重
合体層(D)を形成することにより透明導電層(B)の
劣化が防止できることを見出し、本発明に到達した。
透明導電層(B)上に、金属の薄膜層(C)または重
合体層(D)のどちから一方を形成したのみでは、透明
導電層(B)の劣化防止効果は不充分である。本発明の
透明導電層(B)の劣化防止効果は、金属の薄膜層
(C)と重合体層(D)の相乗効果によるものである。
すなわち、重合体層(D)により透明導電層(B)上へ
の水分の拡散が抑制され、また透明導電層(B)上に形
成された金属の薄膜層(C)上では水素イオンの還元反
応が起こるため、透明導電層(B)自身の還元反応が抑
制されるものと考えられる。
本発明者らは、水素イオンの還元反応が起こりやすい
(水素過電圧が小さい)金属、例えば白金、パラジウ
ム、ロジウムなどで透明導電層(B)の劣化防止効果が
大きく、一方水素イオンの還元反応が起きにくい(水素
過電圧が大きい)金属、例えば亜鉛、銅、アルミニウ
ム、インジウムなどでは透明導電層(B)の劣化防止効
果がないことを確認した。また、金属の薄膜層(C)
は、透明導電層(B)上に島状に存在していても透明導
電層(B)の劣化防止効果が現われることも確認した。
金属の薄膜層(C)の方が金属酸化物よりなる透明導
電層(B)よりも導電性が高く、金属の薄膜層(C)上
の方が透明導電層(B)上よりも電極反応が起きやすい
ためと考えられる。
本発明における有機高分子成形物(A)を構成する有
機高分子化合物としては、耐熱性を有する透明な有機高
分子化合物であれば特に限定されない。
通常、耐熱性としては、100℃以上が好ましい。耐熱
性が100℃未満では、発光層や捕水フィルムと貼り合わ
せる際に変形が著しくなり、透明導電層の抵抗値が増大
したり外観不良となるため好ましくない。
これらの有機高分子化合物としては、例えばポリイミ
ド;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリパラバ
ン酸;ポリヒダントイン;ポリアリレートをはじめとし
て、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレート、ポリジアリルフタレ
ート、ポリカーボネートなどのポリエステル系樹脂;芳
香族ポリアミドおよびセルローストリアセテートなどが
挙げられる。もちろん、これらはホモポリマー、コポリ
マーとして、また単独またはブレンドとしても使用しう
る。
かかる有機高分子化合分の成形物の形状は特に限定さ
れるものではないが、通常、シート状、フィルム状のも
のが好ましく、なかでもフィルム状のものは巻取り可能
であり、また連続生産が可能であるため、特に好まし
い。さらに、フィルム状のものが使用される場合におい
ては、フィルムの厚さは、6〜500μmが好ましく、12
〜200μmが特に好ましい。
これらのフィルムまたはシートは、透明性を損なわな
い程度において顔料を添加したり、また表面加工、例え
ばサンドマット加工などを施してもよい。
また、これらのフィルムまたはシートは、単独でもラ
ミネートして用いてもよい。
本発明の透明導電層(B)は、金属酸化物より構成さ
れる。例えば、錫および/またはフッ素含有酸化インジ
ウム、CTO(Cadmium Tin Oxide)、アンチモン含有酸化
錫、酸化チタンなどを挙げることができる。なかでもIT
O(Indium Tin Oxide)膜は、透明性、導電性が特に優
れており、さらに電極のパターン化が容易(エッチング
特性が優れている)などの特徴を有し特に好ましい。
透明導電層(B)の膜厚は、充分な導電性を得るため
には、50Å以上であることが好ましい。
また、充分に透明度の高い被膜を得るためには、透明
導電層(B)の膜厚は500Å以下であることが好まし
く、400Å以下がより好ましい。
透明導電層(B)を形成する方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーテイング法などの
物理的製膜法;導電性微粒子を含有する被膜液を用いる
被覆法;化学メッキ法などがあるが、透明導電層の均一
性、透明性の点で物理的製膜法が好ましい。
さらに、透明導電層(B)と有機高分子成形物(A)
との密着性を向上させるため、透明導電層形成前に有機
高分子成形物上に中間層を形成してもよい。
中間層としては、例えば有機ケイ素化合物、チタンア
ルキルエステル、ジルコニウムアルキルエステルなどの
有機金属化合物の加水分解により生成された層が好まし
く用いられる。この中間層は、多層構成としてもよい。
中間層は、有機高分子成形物表面に有機金属化合物を
含む被覆液を被覆後、被覆液中および/または処理雰囲
気中の微量の水分の存在下に、加熱;イオンボンバード
あるいは紫外線;β線、γ線などの放射線の作用により
有機化合物を加水分解し硬化させることにより得られ
る。
また、中間層の被覆には、透明有機高分子成形物や被
覆液の形状、性質に応じてドクターナイフ、バーコータ
ー、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイ
フコーターなどの公知の塗工機械を用いる塗工法、スプ
レー法、浸漬法などを用いることができる。
中間層の厚さとしては、100〜1,000Åが好ましく、特
に200〜900Åが好ましい。
中間層の厚さが100Å未満の場合には、連続層を形成
しないため密着性などの向上効果がなく、一方1,000Å
を超えると、クラックや剥離を生じたりして好ましくな
い。
本発明における透明導電性積層体は、有機高分子成形
物の両面に必要に応じて中間層を介して透明導電層を積
層した構成にしてもよく、かかる場合には、透明導電層
(B)の少なくとも一面に本発明の金属の薄膜層
(C)、さらに重合体層(D)が形成される。
本発明に用いられる金属の薄膜層(C)は、白金、パ
ラジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、ロジ
ウム、金、コバルト、銀、ニッケル、タングステン、鉄
および錫からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
の薄膜層である。
特に好ましくは、白金、パラジウム、ルテニウム、オ
スミウム、イリジウム、ロジウムからなる群から選ばれ
た少なくとも1種の金属の薄膜である。
これらの金属は、単独で用いても混合物として用いて
も、2種以上の金属の合金、例えば白金・ロジウム合
金、白金・パラジウム合金として用いてもよい。また、
これらの金属または合金の薄膜層が積層された構成であ
ってもよい。
金属の薄膜層(C)の膜厚は、0.5Å以上20Å未満が
好ましい。0.5Å未満では、透明導電層の劣化防止効果
がない。一方、20Å以上では透明性が低下して好ましく
ない。
金属の薄膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング法、イオンプレーテイング法などの物理的製膜
法が好ましく用いられる。
本発明の重合体層(D)に用いられる有機ケイ素化合
物は、前記一般式(I)で表される化合物である。
一般式(I)中、R1は水素原子、フェニル基、炭素数
原子1〜4のアルキル基、または で表される基を示す。
この炭素原子数1〜4はアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基が挙げられる。
また、式中、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原
子、またはメチル基、エチル基などの炭素原子数1〜4
のアルキル基を示す。
さらに、式中、R2は水素原子、または炭素原子数1〜
4のアルキル基を示す。この炭素原子1〜4のアルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基が挙げられる。
さらに、式中、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素原
子数1〜4のアルキル基を示す。
この炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基が挙げられる。
ここでxは1〜12の整数を、yは1〜12の整数を、w
は0または1の整数を、zは2または3の整数をそれぞ
れ表し、w+z=3である。
前記一般式で表される有機ケイ素化合物は、加水分解
によりSiとOの結合を網状に形成し、−Si−O−の繰り
返し単位を主鎖として有する重合体となる。
すなわち、下記構造の繰り返しの単位を有するものが
推定される。
などである。ここで、Siの一部はOを介して、透明導電
層である金属酸化物表面および/または重合体層中に含
まれる金属または金属化合物の微粒子表面と化学的に結
合しうる。
これらの化合物中、本発明の透明導電性積層体として
優れた密着性を示すものとしては、前記一般式(I)
中、R1およびR2またはR2、R5およびR6が水素原子である
化合物、すなわち官能基としてアミノ基(−NH2)を含
むものが好ましく、例えばNH2−(CH2−Si−(OC
H3、NH2−(CH2−Si−(OC3H5、NH2−(CH
2−NH−(CH2−−Si−(OCH3、NH2−(C
H2−−NH−(CH2−Si−(OC2H5、NH2−(C
H2−NH−(CH2−−Si(CH3)−(OCH3、NH
2−(CH2−NH−(CH2−Si(CH3)−(OC2H5
で表される化合物を挙げることができる。
本発明の有機ケイ素化合物としては、前記一般式
(I)で表される化合物のほか、これらの化合物の加水
分解により生成したオリゴマー(例えば会合度10以下の
オリゴマー)も使用でき、またこれらの2種以上を使用
することもできる。
また、本発明の効果を妨げない範囲で、一般式(I)
で表される有機ケイ素化合物に、他の有機ケイ素化合
物、アルキルチタネートおよび/またはアルキルジルコ
ネートを添加して使用してもよい。
本発明の有機ケイ素化合物は、必要に応じて硬化触
媒、接着促進剤、ぬれ性改良剤、可塑剤、各種安定剤、
難燃剤、酸化防止剤などの各種添加剤と混合して用いる
こともできる。
次に、本発明の重合体層(D)に含有される金属粒子
または金属化合物微粒子は、一次粒子径が数十〜数百Å
であることが好ましい。
本発明で用いられる金属微粒子としては、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウムなどの微粒子が挙げられ、金
属化合物微粒子としては、アンチモン含有酸化スズ、酸
化スズ、スズ含有酸化インジウム、酸化インジウム、酸
化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、イットリウム
含有酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウ
ム、酸化チタンなどの金属酸化物、フッ化マグネシウム
などの金属フッ化物、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、
チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン
鉛、チタン酸アルミニウムなどが挙げられる。
これらのうち、特に酸化ケイ素微粒子の各粒子の表面
が疎水化あるいは改質されており、トルエンのような疎
水性溶剤にも一次粒子のままコロイド次元で透明に分散
できるものが好ましい。
金属または金属化合物の微粒子を含んだ有機ケイ素化
合物の加水分解により生成された重合体層(D)は、有
機ケイ素化合物の有する官能基による化学的親和性の向
上効果と、金属または金属化合物の微粒子を含むことに
よる重合体層表面の凹凸の形成に伴うアンカー効果の増
大との相乗効果により発光層との密着性を著しく向上さ
せることができる。
特に、酸化ケイ素微粒子は、有機ケイ素化合物との相
性がよいので重合体層中に均一に分散され、前記アンカ
ー効果が最大限に発揮されるため特に密着性向上効果に
優れる。
本発明の重合体層(D)は、前記一般式(I)で表さ
れる有機ケイ素化合物および/またはこれらの化合物の
加水分解により生成したオリゴマーを含む溶液と、前記
金属または金属化合物の微粒子をコロイド状に分散させ
た溶液とから、有機ケイ素化合物と金属または金属化合
物の微粒子を含む被覆液を得る。
前記重合体層(D)は、有機高分子成形物(A)上
に、金属酸化物よりなる透明導電層(B)、引き続いて
金属の薄膜(C)を形成し、さらに前記被覆液で被覆す
ることにより形成される。
本発明に用いられる被覆液は、酸化ケイ素微粒子と一
般式(I)で表される有機ケイ素化合物の固形分重量比
が0.5/1〜2/1の範囲に調整されていることが好ましい。
前記固形分重量比が0.5/1未満でも、2/1を超えても発光
層との密着性が低下して好ましくない。他の金属または
金属化合物の場合は、0.05/1〜2/1の範囲に調整されて
いることが好ましい。
なお、被覆液の被覆には、有機高分子成形物や被覆液
の形状、性質に応じてドクターナイフ、バーコーター、
グラビアコーター、カーテンコーター、ナイフコーター
などの公知の塗工機械を用いる塗工法、スプレー法、浸
漬法などを用いることができる。
前記被覆液を被覆後、被覆液中および/または処理雰
囲気中の微量の水分の存在下に、加熱、イオンボンバー
ド、紫外線またはβ線もしくはγ線などの放射線の作用
により有機ケイ素化合物を加水分解して硬化させ、本発
明の重合体層(D)を得ることができる。
前記重合体層(D)は面内の平均膜厚は、100〜1,000
Åが好ましく、特に100〜500Åが好ましい。重合体層
(D)の膜厚が100Å未満の場合には、連続層を形成し
ないため密着性の向上効果がなく、一方1,000Åを超え
るとクラックや剥離を生じたりして好ましくない。
なお、重合体層(D)と同様な重合体層を有機高分子
成形物の透明導電層を形成しない面に形成することもで
きる。
有機高分子成形物の透明導電層を形成しない面に重合
体層(D)と同様な重合体層を形成する場合、透明導電
層の形成前にあらかじめ該重合体層を形成しておいても
よく、透明導電層の形成後に該重合体層を形成してもよ
い。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1〜14および比較例1〜5 分子式NH2−(CH2−NH−(CH2−Si−(OC
2H5で表される有機ケイ素化合物の加水分解により
生成した3量体会合物のエタノール、ブタノール、エチ
ルセロソロブ、トルエン混合溶液(I)と、表面を疎水
化した酸化ケイ素微粒子をトルエン中にコロイド状に分
散させた溶液(2)、およびイソプロパノールより、全
固形分濃度が0.7重量%でかつ酸化ケイ素微粒子と有機
ケイ素化合物の固形分重量比が1.3/1.0の被覆液を調製
した。
一方、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを直流マグネトロンスパッタ装置内の基板保持台を
固定し、真空度2×10-5Torrまで真空槽を排気した。
その後、Ar/O2混合ガス(O2=25%)を槽内に導入
し、真空度を4×10-3Torrに保ったのち、In/Sn合金(S
n=5重量%)よりなるターゲットを用いた反応性スパ
ッタリング法により膜厚が約250Åのインジウム・スズ
酸化物膜よりなる透明導電層付フィルムを作成した。
透明導電層付フィルムの透過率(550nm)は83%、抵
抗は260Ω/口であった。
次に、槽内にArガスを導入し、真空度を4×10-3Torr
に保ったのち各種の金属または合金のターゲットを用い
てスパッタリング法により、膜厚が約2Åの実施例また
は比較例の金属の薄膜槽を透明導電槽上に形成した。
しかるのち、透明導電層、引き続いて金属の薄膜層を
形成した面に、前記被覆液をバーコーターで塗布後、14
0℃で1分間乾燥することにより重合体層を形成し、実
施例および比較例の透明導電性積層体を得た。
透明導電性積層体の透過率(550nm)、抵抗ともに金
属の薄膜層および重合体層形成前と変化がなかった。
一方、これとは別に、厚さ100μmのアルミニウムシ
ート上にチタン酸バリウム粉末をシアノエチルプルラ
ン、シアノエチルポリビニルアルコール中に分散した塗
工液(固形分重量化、シアノエチルプルラン/シアノエ
チルポリビニルアルコール/チタン酸バリウム粉末=35
/15/50)を塗布後乾燥し、厚さ40μmの絶縁層を形成し
た。さらにその上に硫化亜鉛を主成分とする蛍光体粉末
をシアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアル
コール中に分散した塗工液(固形分重量比、シアノエチ
ルプルラン/シアノエチルポリビニルアルコール/蛍光
体粉末=10/10/80)を塗布後乾燥し、厚さ40μmの発光
層を形成することにより試験用シートを作成した。
透明導電性積層体の透明導電層を形成した面と試験用
シートの発光層とを向かい合わせたのち、ローラ温度17
0℃、線圧15kg/cmに調整したラミネートにより接着して
一体化し、劣化試験用サンプルを作成した。
なお、この時透明導電性積層体の透明導電層を形成し
た面には、あらかじめ銀ペースト電極が印刷されてお
り、銀ペースト電極にはさらに外部電力印加用の端子と
して厚さ15μmのステンレス箔が接続された形で透明導
電性積層体と試験用シート間にはさみこまれている。
つぎに、アルミニウム面にも外部電力印加用の端子を
接続した。両端子間に、100V、400Hzの電力を印加し、6
0℃、90%RHの雰囲気中で15時間連続点灯させた。しか
る後、透明導電層の劣化状態(変色状態)を調べた。判
定結果(三段階評価)を第1表に示す。
なお、三段階評価は、A:変色なし、B:わずかに変色、
C:かなり変色、とした。
本発明の透明導電性積層体は、透明導電層の劣化防止
効果が優れていることが分かる。
実施例15および比較例6〜8 実施例1と同様な方法で、透明導電層付フィルムを作
成した。引き続いて実施例1と同様な方法で透明導電層
上に膜厚が2Åのパラジウム薄膜を形成したのち、さら
に実施例1と同様な方法で被覆液で被覆することにより
重合体層を形成し、実施例15の透明導電性積層体を得
た。
比較例として、透明導電層上にパラジウム薄膜を形成
せずに実施例1と同様な方法で被覆液で被覆したもの
(比較例6)、透明導電層上でパラジウム薄膜を形成し
たのみで、被覆液で被覆しなかったもの(比較例7)お
よびパラジウム薄膜の形成も被覆液の被覆も行わなかっ
たもの(比較例8)を用意した。
次に、実施例1と同様な方法で実施例15および比較例
6〜8の透明導電性積層体の透明導電層を形成した面と
試験用シートの発光層とを接着して一体化した。
実施例1と同様に、外部電力印加用端子がはさみこん
である。
しかるのち、アルミニウム面にも外部電力印加用端子
を接続した後に前記一体化したサンプルの両面に捕水フ
ィルム〔ダイセル(株)製、ZE−135〕を、ローラ温度1
20℃、線圧8kg/cmに調整したラミネータにより接着して
一体化した。
さらに、捕水フィルムの外測に防湿フィルム〔日東電
気工業(株)製、4820〕を、ローラ温度120℃、線圧4kg
/cmに調整したラミネータにより接着して一体化するこ
とによりELDを作成した。
なお、防湿フィルムは、透明導電製積層体、試験用シ
ート、および捕水フィルムより大きいサイズのものを使
用し、ELDの周囲は防湿フィルム同士が張り合わされて
おり、透明導電性積層体、試験用シートおよび捕水フィ
ルム全体を包みこんでいる。
かくして作成したELDの両端子間に100V、400Hzを印加
し、60℃、90%RHの雰囲気中で連続点灯させて輝度が初
期値の1/2になるまでの時間(輝度半減時間)を調べ
た。測定結果を第2表に示す。
本発明の透明導電性積層体は、透明導電層の変色もほ
とんど認められず、輝度半減時間も大幅に伸びることが
わかる。
実施例16および比較例9〜10 実施例1と同様な方法で、実施例15、比較例7および
8の透明導電性積層体の透明導電層を形成した面と、試
験用シートの発光層とを接着して一体化した。
しかるのち、25mm幅の測定用サンプルを切り出し、イ
ンストロン万能材料試験機で透明導電層と発光層との密
着強度を測定した。
測定条件は、180度剥離、剥離速度300mm/分とした。
測定結果を第3表に示す。
本発明の透明導電性積層体は、透明導電層と発光層と
の密着性が優れていることが分かる。
〔発明の効果〕
本発明により、ELDの透明電極として用いたとき透明
導電層の劣化がなく、また、発光層との密着性に優れか
つ透明性が良く、ELD用に充分利用できる透明導電性積
層体が提供可能となる。
本発明で得られる透明導電性積層体は、ELD用として
適しているだけでなく、例えば透明タッチパネル、電子
写真、帯電防止材料、面発熱体、固体デイスプレイ、光
メモリー、光電変換素子、光通信、光情報処理、太陽エ
ネルギー利用材料などの広い用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 将夫 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社東京研究センター内 (56)参考文献 特開 平2−279326(JP,A) 特開 平2−251428(JP,A) 特開 平2−98436(JP,A) 特開 昭61−167546(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機高分子成形物(A)上に、金属酸化物
    よりなる透明導電層(B)、引き続いてパラジウム、白
    金、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、
    金、コバルト、銀、ニッケル、タングステン、鉄および
    錫からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の薄膜
    層(C)、さらに下記一般式(I) 〔式中、R1は水素原子、フェニル基、炭素原子数1〜4
    のアルキル基または で表される基を、R2は水素原子または炭素原子数1〜4
    のアルキル基を、R3およびR4はそれぞれ独立に炭素原子
    数1〜4のアルキル基を、yは1〜12の整数を、wは0
    または1の整数を、zは2または3の整数をそれぞれ表
    し、w+z=3であり、ここでxは1〜12の整数を、
    R5、R6はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1
    〜4のアルキル基からなる群から選ばれる基を示す〕 で表される有機ケイ素化合物の加水分解により生成され
    た重合体層(D)が順次形成され、かつ該重合体層
    (D)に金属または金属化合物の微粒子が含まれている
    ことを特徴とする透明導電性積層体。
  2. 【請求項2】重合体層(D)が、一般式(I)におい
    て、R1およびR2、またはR2、R5およびR6が水素原子であ
    る有機ケイ素化合物の加水分解により生成された層であ
    る請求項1記載の透明導電性積層体。
  3. 【請求項3】金属または金属化合物の微粒子が、酸化ケ
    イ素微粒子である請求項1記載の透明導電性積層体。
  4. 【請求項4】重合体層(D)が、酸化ケイ素微粒子と一
    般式(I)で表される有機ケイ素化合物の固形分重量比
    を0.5/1〜2/1の範囲に調整した被覆液による被覆により
    形成された層である請求項1記載の透明導電性積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7396583B2 (en) * 2003-07-18 2008-07-08 Mitsui Chemicals, Inc. Laminate and display filter using the same

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