JPH04218561A - 熱硬化性組成物 - Google Patents

熱硬化性組成物

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JPH04218561A
JPH04218561A JP3089510A JP8951091A JPH04218561A JP H04218561 A JPH04218561 A JP H04218561A JP 3089510 A JP3089510 A JP 3089510A JP 8951091 A JP8951091 A JP 8951091A JP H04218561 A JPH04218561 A JP H04218561A
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石戸谷 昌洋
Kishio Shibafuji
柴藤 岸夫
Keiji Kawamoto
惠司 河本
Kenji Shibamoto
芝本 健二
Mitsuyuki Mashita
間下 光行
Osamu Oe
大江 収
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な熱硬化性組成物、
潜在化カルボキシル化合物及びその製造方法に関するも
のである。さらに詳しくいえば、本発明は、良好な化学
性能、物理性能及び耐候性を有するとともに、特に貯蔵
安定性に優れ、例えば塗料、インク、接着剤、成形品な
どに好適な熱硬化性組成物、並びにこれを与えうる潜在
化カルボキシル化合物、及びこのものを効率よく製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カルボキシル基を有する化合物と
、該カルボキシル基と加熱により化学結合を形成しうる
反応性官能基、例えばエポキシ基、シラノール基、アル
コキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基
、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シ
クロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエ
ーテル基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメチ
ロール基、アセタール基、ケタール基などを有する化合
物との組合せから成る熱硬化性組成物は公知である。 これら熱硬化性組成物は、得られる硬化物の化学性能、
物理性能、さらには耐候性などが優れていることから、
例えば塗料、インク、接着剤、あるいはプラスチック成
形品などの分野において広く利用されている。しかしな
がら、カルボキシル基と前記反応性官能基とは反応性が
高いため、カルボキシル基含有化合物と該反応性官能基
を含有する化合物とが共存する組成物においては、貯蔵
中にゲル化を起こしたり、可使時間が短くなるなどの問
題が生じる。このような問題を解決する方法として、例
えばカルボキシル基をt−ブチルエステルとしてブロッ
ク化し、加熱によりイソブテン脱離分解により遊離のカ
ルボキシル基に再生するといった方法が提案されている
(特開平1−104646号公報)。しかしながら、こ
の方法は、t−ブチル基の熱分解に170〜200℃程
度の高温を必要とし、昨今の省資源や省エネルギー化の
観点から、必ずしも十分に満足しうる方法とはいえない
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的低い
温度において、化学性能、物理性能、さらには耐候性な
どに優れる硬化物を与え、かつ良好な貯蔵安定性を有し
、一液型として利用可能な熱硬化性組成物及びこれを提
供するのに有用な潜在化カルボキシル化合物を得ること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する熱硬化性組成物を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、(A)特殊なビニルエーテル基、ビニ
ルチオエーテル基、あるいは酸素原子又はイオウ原子を
ヘテロ原子とするビニル型二重結合をもつ複素環式基で
ブロック化されたカルボキシル基2個以上を1分子中に
有する化合物、(B)該ブロック化されたカルボキシル
基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基2個
以上を有する化合物、及び場合により用いられる(C)
加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を必須成分とし
て含有して成る組成物、あるいは(D)1分子中に前記
ブロック化されたカルボキシル基1個以上と、このブロ
ック化されたカルボキシル基と加熱により化学結合を形
成しうる反応性官能基1個以上とを有する自己架橋型化
合物及び場合により用いられる前記(C)成分を必須成
分とし、さらに場合により前記(A)成分及び/又は(
B)成分を含有して成る組成物によりその目的を達成し
うることを見い出すとともに、さらに前記の好ましい性
質を有する熱硬化性組成物を与えうる潜在化カルボキシ
ル化合物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の低
分子量のポリカルボキシル化合物をビニルエーテル化合
物と反応させて、該ポリカルボキシル化合物におけるカ
ルボキシル基をブロック化させることにより、その目的
を達成しうることを見い出し、これらの知見に基づいて
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(A
)1分子中に、一般式
【0005】
【化5】
【0006】(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜
18の有機基であって、R3とR4はたがいに結合して
Y1をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、
Y1は酸素原子又はイオウ原子である)で表される官能
基2個以上を有する化合物、(B)1分子中に、前記官
能基と加熱により化学結合を形成しうる反応性官能基2
個以上を有する化合物、及び場合により用いられる(C
)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を必須成分と
して含有して成る熱硬化性組成物、(D)1分子中に、
(イ)一般式
【0007】
【化6】
【0008】(式中のR5、R6及びR7はそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、R8は炭素数1〜
18の有機基であって、R7とR8はたがいに結合して
Y2をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、
Y2は酸素原子又はイオウ原子である)で表される官能
基1個以上と、(ロ)該官能基と加熱により化学結合を
形成しうる反応性官能基1個以上とを有する自己架橋型
化合物、及び場合により用いられる(C)加熱硬化時に
活性を示す熱潜在性酸触媒を必須成分とし、さらに場合
により、前記(A)成分及び/又は(B)1分子中に、
前記一般式[2]で表される官能基又は前記一般式[1
]で表される官能基あるいはその両方と加熱により化学
結合を形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合物
を含有して成る熱硬化性組成物、及び1分子当たりカル
ボキシル基2個以上を有し、かつ酸当量1000g/m
ol以下及び数平均分子量4000以下のポリカルボキ
シル化合物において、該カルボキシル基をビニルエーテ
ル化合物により、一般式
【0009】
【化7】
【0010】(式中のR9、R10及びR11はそれぞ
れ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R12は炭素
数1〜18の有機基であって、R11とR12はたがい
に結合してY3をヘテロ原子とする複素環を形成してい
てもよく、Y3は酸素原子又はイオウ原子である)で表
される官能基に変性させて成る潜在化カルボキシル化合
物を提供するものである。本発明に従えば、前記潜在化
カルボキシル化合物は、酸触媒の存在下、1分子当たり
カルボキシル基2個以上を有し、かつ酸当量1000g
/mol以下及び数平均分子量4000以下のポリカル
ボキシル化合物をビニルエーテル化合物と反応させるこ
とにより、製造することができる。以下、本発明を詳細
に説明する。 本発明組成物において、(A)成分として用いられる化
合物は、一般式
【0011】
【化8】
【0012】(式中のR1、R2、R3、R4及びY1
は前記と同じ意味をもつ)で表される官能基2個以上、
好ましくは2〜50個を1分子中に有する化合物であっ
て、前記一般式[1]で表される官能基は、カルボキシ
ル基と、一般式
【0013】
【化9】
【0014】(式中のR1、R2、R3、R4及びY1
は前記と同じ意味をもつ)で表されるビニルエーテル化
合物、ビニルチオエーテル化合物、あるいは酸素原子又
はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をも
つ複素環式化合物との反応により、容易に形成させるこ
とができる。
【0015】前記一般式[1]及び[4]におけるR1
、R2及びR3は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜1
8のアルキル基、アリール基、アルカリール基などの有
機基、R4は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基
、アルカリール基などの有機基であって、これらの有機
基は適当な置換基を有していてもよく、また、R3とR
4は、たがいに結合してY1をヘテロ原子とする置換基
を有しない又は有する複素環を形成していてもよい。
【0016】前記一般式[4]で表される化合物の具体
例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シ
クロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテ
ル化合物及びこれらに対応する脂肪族ビニルチオエーテ
ル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラン、3,4−
ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3
,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2
−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4
−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒド
ロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−
2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状ビ
ニルエーテル化合物及びこれらに対応する環状ビニルチ
オエーテル化合物などが挙げられる。
【0017】該(A)成分の化合物は、1分子中に2個
以上、好ましくは2〜50個のカルボキシル基を有する
化合物と、前記一般式[4]で表される化合物との反応
により得ることができる。1分子中に2個以上のカルボ
キシル基を有する化合物としては、例えばコハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジ
カルボン酸などの炭素数2〜22の脂肪族ポリカルボン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸、
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などの脂
環式ポリカルボン酸、及び1分子中にカルボキシル基2
個以上を有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、マレ
イン化ポリブタジエン樹脂などが挙げられる。
【0018】また、前記1分子中に2個以上のカルボキ
シル基を有する化合物は、例えば(1)1分子当たりヒ
ドロキシル基2個以上、好ましくは2〜50個を有する
ポリオールと酸無水物とをハーフエステル化させる、(
2)1分子当たりイソシアネート基2個以上、好ましく
は2〜50個を有するポリイソシアネート化合物とヒド
ロキシカルボン酸又はアミノ酸とを付加させる、(3)
カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体を単独重合又
は他のα,β−不飽和単量体と共重合させる、(4)カ
ルボキシル基末端のポリエステル樹脂を合成する、など
の方法により得られる。
【0019】前記1分子当たりヒドロキシル基2個以上
を有するポリオールとしては、例えばエチレングリコー
ル、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチ
レングリコール、ペンタンジオール、ジメチルブタンジ
オール、水添ビスフェノールA、グリセリン、ソルビト
ール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサン
トリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、キニトール、マニトール、トリスヒドロキシ
エチルイソシアヌレート、ジペンタエリスリトールなど
の多価アルコール類;これらの多価アルコール類とγ−
ブチロラクトンやε−カプロラクトンなどのラクトン化
合物との開環付加体;該多価アルコール類と、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート
、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネートなどのイソシアネート化合物とのアルコール
過剰下での付加体;該多価アルコール類とエチレングリ
コールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビ
ニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ペン
タンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビ
ニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメチノールジ
ビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物とのアルコ
ール過剰下での付加体;及び該多価アルコール類とアル
コキシシリコーン化合物、例えばKR−213、KR−
217、KR−9218[いずれも信越化学工業(株)
製、商品名]などとのアルコール過剰下での付加体など
を挙げることができる。
【0020】一方、これらのポリオールと反応させる酸
無水物としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカル
ボン酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸などの多価カルボン酸の酸無水物体を挙げることが
できる。
【0021】また、1分子当たりイソシアネート基2個
以上を有するポリイソシアネート化合物としては、例え
ば、p−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、3,3’−
ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサ
ン−1,6−ジイソシアネート、メチレンビス(フェニ
ルイソシアネート)、リジンメチルエステルジイソシア
ネート、ビス(イソシアネートエチル)フマレート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイ
ソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジ
イソシアネートヘキサノエート及びこれらのビュレット
体、イソシアヌレート体などを挙げることができる。
【0022】また、ヒドロキシカルボン酸としては、例
えば乳酸、クエン酸、ヒドロキシピバリン酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸、リンゴ酸などを挙げることがで
き、アミノ酸としては、例えば、DL−アラニン、L−
グルタミン酸、グリシン、L−テアニン、グリシルグリ
シン、γ−アミノカプロン酸、L−アスパラギン酸、L
−チトルリン、L−アルギニン、L−ロイシン、L−セ
リンなどを挙げることができる。
【0023】さらに、カルボキシル基含有α,β−不飽
和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸
、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸など
を挙げることができ、他のα,β−不飽和単量体として
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート
、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
sec−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、アクリ
ロニトリルなどを挙げることができる。また、カルボキ
シル基末端のポリエステル樹脂は、多価アルコールに対
して多塩基酸過剰下での通常のポリエステル樹脂の合成
法に従い、容易に形成させることができる。
【0024】このようにして得られた1分子中にカルボ
キシル基2個以上を有する化合物と前記一般式[4]で
表される化合物との反応は、通常酸性触媒の存在下、室
温ないし100℃の範囲の温度において行われる。本発
明組成物においては、この(A)成分の化合物は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】本発明組成物において、(B)成分として
用いられる化合物としては、前記(A)成分の化合物に
おける一般式[1]で表されるブロック化官能基が加熱
により遊離カルボキシル基に再生した際、これと反応し
て化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上、好まし
くは2〜50個を1分子中に有するものが使用される。 該反応性官能基については前記性質を有するものであれ
ばよく、特に制限はないが、例えばエポキシ基、シラノ
ール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ
基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシア
ネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、
ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、アルキル
化アミノメチロール基、アセタール基、ケタール基など
が好ましく挙げられる。これらの反応性官能基は1種含
まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
【0026】このような(B)成分の化合物の具体例と
しては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなど
の単独重合体又は共重合体、ポリカルボン酸あるいはポ
リオールとエピクロルヒドリンとの反応により得られる
ポリグリシジル化合物などのエポキシ基含有化合物;一
般式
【0027】(R13)nSi(OR14)4−n  
    …[5](式中のR13及びR14は、それぞ
れ炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基、nは0
、1又は2である)で表される化合物の縮合体、アクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイ
ルオキシプロピルトリ−n−ブトキシシランなどのα,
β−不飽和シラン化合物の単独重合体又は共重合体、及
びこれらの化合物の加水分解生成物などのシラノール基
やアルコキシシラン基含有化合物;脂肪族ポリオール類
、フェノール類、ポリアルキレンオキシグリコール類、
2−ヒドロキシ(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレートなどのα,β−不飽和化
合物の単独重合体又は共重合体、及びこれらのポリオー
ル類のε−カプロラクトン付加物などのヒドロキシル基
含有化合物;脂肪族、芳香族のジアミノ化合物やポリア
ミノ化合物及び前記ポリオールのシアノエチル化反応生
成物を還元して得られるポリアミノ化合物などのアミノ
基含有化合物;脂肪族、芳香族ポリイミノ化合物などの
イミノ基含有化合物;p−フェニレンジイソシアネート
、ビフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジ
イソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−
トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、メチ
レンビス(フェニルイソシアネート)、リジンメチルエ
ステルジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル
)フマレート、イソホロンジイソシアネート、メチルシ
クロヘキシルジイソシアネート、2−イソシアネートエ
チル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート及びこ
れらのビュレット体やイソシアヌレート体、さらにはこ
れらのイソシアネート類と前記ポリオールとのアダクト
化合物などのイソシアネート基含有化合物;前記イソシ
アネート基含有化合物のフェノール類、ラクタム類、活
性メチレン類、アルコール類、酸アミド類、イミド類、
アミン類、イミダゾール類、尿素類、イミン類、オキシ
ム類によるブロック体などのブロック化イソシアネート
基含有化合物;3−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
レンカーボネートの単独重合体又は共重合体、前記エポ
キシ基含有化合物と二酸化炭素との反応により得られる
多価シクロカーボネート基含有化合物などのシクロカー
ボネート基含有化合物;前記多価ヒドロキシル基含有化
合物とハロゲン化アルキルビニルエーテル類との反応に
よって得られる多価ビニルエーテル化合物、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテル類と多価カルボキシル基含有化
合物や前記ポリイソシアネート化合物との反応により得
られるポリビニルエーテル化合物、ビニルオキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類とα,β−不飽和化合物との
共重合体などのビニルエーテル化合物、及びこれらに対
応するビニルチオエーテル化合物などのビニルエーテル
基やビニルチオエーテル基含有化合物;メラミンホルム
アルデヒド樹脂、グリコルリルホルムアルデヒド樹脂、
尿素ホルムアルデヒド樹脂、アミノメチロール基やアル
キル化アミノメチロール基含有α,β−不飽和化合物の
単独重合体又は共重合体などのアミノメチロール基やア
ルキル化アミノメチロール基含有化合物;多価ケトン、
多価アルデヒド化合物、前記多価ビニルエーテル化合物
などとアルコール類やオルソ酸エステル類との反応によ
って得られる多価アセタール化合物、及びこれらとポリ
オール化合物との縮合体、さらには前記ビニルオキシア
ルキル(メタ)アクリレートとアルコール類やオルソ酸
エステルとの付加物の単独重合体又は共重合体などのア
セタール基やケタール基含有化合物などが挙げられる。
【0028】本発明組成物においては、(B)成分の化
合物として、1種の反応性官能基を有する前記化合物の
他に、反応性官能基2種以上を有する化合物を用いても
よいし、また該(B)成分は2種以上を組み合わせて用
いてもよい。ただし、この際、それぞれの官能基がたが
いに活性である組合せは貯蔵安定性が損なわれ好ましく
ない。このような好ましくない組合せとしては、例えば
エポキシ基、イソシアネート基、ビニルエーテル基、ビ
ニルチオエーテル基、シクロカーボネート基及びシラノ
ール基の中から選ばれる官能基とアミノ基又はイミノ基
との組合せ、イソシアネート基又はビニルエーテル基と
ヒドロキシル基との組合せなどが挙げられる。本発明組
成物は、前記(A)成分の化合物と(B)成分の化合物
とを含有するものであってもよいし、(D)1分子中に
、(イ)一般式
【0029】
【化10】
【0030】(式中のR5、R6、R7、R8及びY2
は前記と同じ意味をもつ)で表される官能基1個以上、
好ましくは2〜50個と、(ロ)該官能基と加熱により
化学結合を形成しうる反応性官能基1個以上、好ましく
は2〜50個とを有する自己架橋型化合物を含有するも
のであってもよい。さらに、この(D)成分の化合物と
前記(A)成分の化合物及び/又は(B)成分の化合物
とを含有するものであってもよい。この場合、該(B)
成分の反応性官能基は、前記一般式[2]で表される官
能基及び/又は一般式[1]で表される官能基と加熱に
より化学結合を形成する。
【0031】該(D)成分の化合物における(イ)一般
式[2]で表される官能基としては、前記(A)成分に
おける官能基、すなわち一般式[1]で表される官能基
の説明において例示したものと同じものを挙げることが
できる。また、(ロ)反応性官能基としては、前記(B
)成分の化合物における反応性官能基として例示したも
のと同じものを挙げることができる。
【0032】この(D)成分の化合物は、1分子中にカ
ルボキシル基1個以上、好ましくは2〜50個と該反応
性官能基1個以上、好ましくは2〜50個とを有する化
合物を出発原料とし、前記(A)成分の化合物の製法で
説明したのと同様な方法で製造することができるし、あ
るいは前記一般式[2]で表される官能基を有する不飽
和化合物と前記の反応性官能基を有する不飽和化合物と
を共重合させることによっても製造することができる。 該(D)成分の化合物は、前記一般式[2]で表される
官能基とともに、該反応性官能基を2種以上含有するも
のであってもよいが、この場合、前記(B)成分の化合
物と同様に、それぞれの官能基がたがいに活性である組
合せは貯蔵安定性が損なわれ、好ましくない。
【0033】本発明の熱硬化性組成物においては、前記
(A)成分及び/又は(B)成分、あるいは(D)成分
及び場合により用いられる(A)成分及び/又は(B)
成分の中から選ばれた少なくとも1つがα,β−不飽和
化合物の重合体又はポリエステル樹脂であることが好ま
しく、また、該組成物中の前記一般式[1]あるいは[
2]で表される官能基と、これと加熱により化学結合を
形成しうる反応性官能基とが当量比0.2:1.0ない
し1.0:0.2の割合になるように各成分を含有させ
ることが望ましい。
【0034】本発明の(A)成分及び(D)成分の一般
式[1]、[2]及び[3]で表される官能基は加熱下
において、遊離カルボキシル基を再生し、(B)成分、
(D)成分の反応性官能基と化学結合を形成するもので
あるが、この反応の他に分子内分極構造に基づく、いわ
ゆる活性エステルとして(B)成分あるいは(D)成分
の反応性官能基に付加反応を起こし得る。この際には、
架橋反応時に脱離反応を伴わないため、揮発性有機物質
の排出低減にも貢献することができる。
【0035】本発明においては、これらの組成物に、場
合により該組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保
ち、かつ低温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促進
し、硬化物に良好な化学性能及び物理性能を付与する目
的で、(C)成分として加熱硬化時に活性を示す熱潜在
性酸触媒を含有させることができる。この熱潜在性酸触
媒は、60℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化
合物が望ましい。この熱潜在性酸触媒が60℃未満の温
度で酸触媒活性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に
増粘したり、ゲル化するなど、好ましくない事態を招来
するおそれがある。該(C)成分の熱潜在性酸触媒とし
ては、プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイ
ス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリア
ルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、
リン酸エステル類、及びオニウム化合物類が好ましく挙
げられる。
【0036】該プロトン酸をルイス塩基で中和した化合
物としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸
類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類
、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類
などを、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルア
ミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、
シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエチノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ンなどの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、
トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、
トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには
、酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキ
ュア2500X、X−47−110、3525、522
5(商品名、キングインダストリー社製)などが挙げら
れる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物と
しては、例えばBF3、FeCl3、SnCl4、Al
Cl3、ZnCl2などのルイス酸を前記のルイス塩基
で中和した化合物が挙げられる。あるいは上記ルイス酸
とトリアルキルホスフェートとの混合物も挙げられる。 該スルホン酸エステル類としては、例えば一般式
【00
37】
【化11】
【0038】(式中のR15はフェニル基、置換フェニ
ル基、ナフチル基、置換ナフチル基又はアルキル基、R
16は一級炭素又は二級炭素を介してスルホニルオキシ
基と結合している炭素数3〜18のアルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基
、飽和若しくは不飽和のシクロアルキル又はヒドロキシ
シクロアルキル基である)で表される化合物、具体的に
はメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸
類と、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサ
ノール、n−オクタノールなどの第一級アルコール類又
はイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノー
ル、2−オクタノール、シクロヘキサノールなどの第二
級アルコール類とのエステル化物、さらには前記スルホ
ン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られ
るβ−ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類などが
挙げられる。該リン酸エステル類としては、例えば一般
【0039】
【化12】
【0040】(式中のR17は炭素数3〜10のアルキ
ル基、シクロアルキル基又はアリール基、mは1又は2
である)で表される化合物が挙げられ、より具体的には
、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノー
ル、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールといっ
た第一級アルコール類、及びイソプロパノール、2−ブ
タノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シク
ロヘキサノールといった第二級アルコール類のリン酸モ
ノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる
【0041】 また該オニウム化合物としては、例えば一般式[R18
3NR19]+X−  …[8][R183PR19]
+X−  …[9][R182OR19]+X−  …
[10]及び[R182SR19]+X−     …
[11](式中のR18は炭素数1〜12のアルキル基
、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカ
ノール基又はシクロアルキル基であって、2個のR18
はたがいに結合してN、P、O又はSをヘテロ原子とす
る複素環を形成していてもよく、R19は水素原子、炭
素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基
、アルカリール基、X−はSbF6−、AsF6−、P
F6−又はBF4−である)で表される化合物などが挙
げられる。
【0042】本発明組成物においては、該(C)成分の
熱潜在性酸触媒は1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよく、またその配合量は(A)成分と
(B)成分、あるいは(D)成分と場合により用いられ
る(A)成分及び/又は(B)成分との総固形分量10
0重量部当たり、通常0.01〜10重量部の範囲で選
ばれる。
【0043】本発明の熱硬化性組成物の硬化に要する温
度及び時間については、前記一般式[1]又は[2]で
表されるブロック化官能基から、遊離カルボキシル基を
再生する温度、反応性官能基の種類、熱潜在性酸触媒の
種類などにより異なるが、通常50〜200℃の範囲の
温度で、2分ないし1時間程度加熱することにより、硬
化が完了する。
【0044】本発明の熱硬化性組成物はそのままで、あ
るいは必要に応じ、着色顔料、フィラー、溶剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤などを配合して、塗料、インク、接
着剤、成形品などに用いることができる。本発明はまた
、前記の熱硬化性組成物とともに、潜在化カルボキシル
化合物及びその製造方法を提供するものであり、該潜在
化カルボキシル化合物は、1分子当たりカルボキシル基
2個以上、好ましくは2〜50個を有し、かつ酸当量1
000g/mol以下及び数平均分子量4000以下、
好ましくは2000以下のポリカルボキシル化合物と、
一般式
【0045】
【化13】
【0046】(式中のR9、R10、R11、R12及
びY3は前記と同じ意味をもつ)で表されるビニルエー
テル化合物、ビニルチオエーテル化合物、あるいは酸素
原子又はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結
合をもつ複素環式化合物などの環状ビニルエーテル化合
物とを、酸性触媒の存在下、好ましくは室温ないし10
0℃の温度で付加させ、該カルボキシル基を一般式
【0
047】
【化14】
【0048】(式中のR9、R10、R11、R12及
びY3は前記と同じ意味をもつ)で表されるブロック化
カルボキシル基に変性させることにより、容易に製造す
ることができる。前記潜在化カルボキシル化合物の原料
となるポリカルボキシル化合物において、1分子当たり
のカルボキシル基の数が2個未満の場合や酸当量が10
00g/molを超える場合は、最終目的の熱硬化性組
成物が硬化不十分となるおそれがあるし、数平均分子量
が4000を超える場合は、該熱硬化性組成物が高粘度
となり、作業性が低下する傾向がみられる。
【0049】このポリカルボキシル化合物は、(1)1
分子当たりヒドロキシル基2個以上、好ましくは2〜5
0個を有するポリオールと酸無水物とをハーフエステル
化させる、(2)1分子当たりイソシアネート基2個以
上、好ましくは2〜50個を有するポリイソシアネート
化合物とヒドロキシカルボン酸又はアミノ酸とを付加さ
せる、(3)カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体
を単独重合又は他のα,β−不飽和単量体と共重合させ
る、(4)カルボキシル基末端のポリエステル樹脂を合
成する、などの方法により得られる。これらの方法にお
いて用いられる各原料の具体例としては、前記熱硬化性
組成物における(A)成分の原料であるカルボキシル基
2個以上を有する化合物の製造において、原料として例
示したものを挙げることができる。
【0050】また、前記一般式[12]で表されるビニ
ルエーテル化合物、ビニルチオエーテル化合物、あるい
は酸素原子又はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型
二重結合をもつ複素環式化合物などの環状ビニルエーテ
ル化合物としては、前記熱硬化性組成物において、(A
)成分の製造に用いられる一般式[4]で表される化合
物の説明で例示したものを挙げることができる。該潜在
化カルボキシル化合物は、本発明の熱硬化性組成物にお
ける前記(A)成分として好適に用いられる。
【0051】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、塗膜性能は次のようにして求
めた。
【0052】(1)耐酸性−1 40wt%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、
20℃で48時間放置後、塗膜の異常を目視にて判定し
た。 (2)耐酸性−2 40wt%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、
60℃で30分間加熱後、塗膜の異常を目視にて判定し
た。 (3)耐酸性−3 試験片を0.1規定硫酸中に浸漬し、60℃で24時間
保ったのち、塗膜の異常を目視にて判定した。
【0053】(4)耐衝撃性 衝撃変形試験器[JIS K−5400(1979)6
.13.3 B法]を用い、半径6.35mmの撃ち型
に試験片をはさみ、500gのおもりを40cmの高さ
から落下させた際の塗膜の損傷を目視にて判定した。 (5)耐候性 サンシャインウェザーメーター[JIS B−7753
]を用いて1000時間又は3000時間曝露後、塗膜
の60度鏡面光沢度値[JIS K−5400(197
9)6.7 60度鏡面光沢度]を測定し、塗膜の異常
を目視にて判定又は未曝露時の光沢度値と比較した。 (6)ヌープ硬度 (株)島津製作所製のM型微小硬度計にて20℃で測定
した。数値の大きいほど硬いことを示す。
【0054】製造例1〜3 (A)成分化合物A−1〜A−3の製造(1)α,β−
不飽和化合物の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに
、それぞれ第1表の組成の混合物を仕込み、50℃を保
ちながら撹拌した。混合物の酸価が30以下となったと
ころで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移し
た。得られた生成物は、分液ロート中で10wt%炭酸
水素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後、
洗浄液のpHが7以下になるまで200重量部の脱イオ
ン水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュ
ラーシーブ4A1/16[和光純薬(株)製]を加え、
室温で3日間乾燥することによって、それぞれ第1表記
載の有効分含有量を有するα,β−不飽和化合物A−1
(a)〜A−3(a)を得た。
【0055】
【表1】
【0056】注  1)有効分含有量はガスクロマトグ
ラフィーにより求めた。
【0057】(2)化合物A−1〜A−3の製造温度計
、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラ
スコに、それぞれ第2表記載の量の初期仕込み溶剤(キ
シレン)を仕込み、撹拌下で加熱し、80℃を保った。 次に80℃の温度で、第2表記載の組成の単量体及び重
合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロート
より等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を1時間
保ち、第2表記載の組成の重合開始剤溶液(追加触媒)
を添加し、さらに80℃の温度を4時間保ったところで
反応を終了することによって、それぞれ第2表記載の特
性を有する化合物A−1〜A−3を得た。
【0058】
【表2】
【0059】注 1)不揮発分測定条件 50℃、0.1mmHgで3時間 2)粘度;ガードナー粘度(25℃) [JIS K−5400(1979)4.2.2 あわ
粘度計による]
【0060】製造例4 (A)成分化合物A−4の製造 (1)ポリカルボン酸の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し120
℃に昇温した。 ペンタエリスリトール      136.0重量部メ
チルイソブチルケトン    538.7重量部次いで
、120℃を保ちながらメチルヘキサヒドロフタル酸無
水物672.0重量部を2時間かけて滴下し、混合物の
酸価(ピリジン/水重量比=9/1混合液で約50重量
倍に希釈し、90℃で30分間加熱処理した溶液を水酸
化カリウム標準溶液で滴定)が、170以下になるまで
加熱撹拌を継続することによって、4官能ポリカルボン
酸化合物溶液を得た。
【0061】(2)化合物A−4の製造前記の方法で得
られたポリカルボン酸化合物溶液を用いて、前記と同様
のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込み、50℃を保
ちながら撹拌した。 前記(1)のポリカルボン酸化合物溶液       
          336.7重量部イソブチルビニ
ルエーテル                    
         120.2重量部35wt%塩酸 
                         
                   0.2重量部
メチルイソブチルケトン              
                   46.3重量
部混合物の酸価が12以下となったところで反応を終了
し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成
物は、分液ロート中で10wt%炭酸ナトリウム水溶液
100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下
になるまで300重量部の脱イオン水で水洗を繰り返し
た。 その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/16を
加え、室温で3日間乾燥することによって、不揮発分6
0wt%、ガードナー粘度E−F(25℃)の化合物A
−4溶液を得た。
【0062】製造例5〜10 (B)成分化合物B−1〜B−6の製造  温度計、還
流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ
に、それぞれ初期仕込み溶剤(キシレン)40.0重量
部を仕込み、撹拌下で加熱し、100℃を保った。次に
100℃の温度で、第3表記載の組成の単量体及び重合
開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートよ
り等速滴下した。滴下終了後、100℃の温度を1時間
保ち、第3表記載の組成の重合開始剤溶液(追加触媒)
を添加し、さらに100℃の温度を2時間保ったところ
で反応を終了し、それぞれ第3表記載の特性を有する化
合物B−1〜B−6を得た。
【0063】
【表3】
【0064】注 1)GMA:グリシジルメタクリレートTMSPMA:
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン MZ−11:ケミタイトMZ−11、日本触媒化学工業
(株)製、2−(1−アジリジニル)エチルメタクリレ
ート MAGME:MAGME100、三井サイアナミド(株
)製、メチルアクリルアミドグリコレートメチルエーテ
ルIEM:イソシアネートエチルメタクリレートPMA
:次の方法により得られるビニルエーテル基含有メタク
リレート 栓付きフラスコ中で2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト130重量部、3,4−ジヒドロ−2H−イル−メチ
ル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボキシ
レート224重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸0
.3重量部を室温で24時間撹拌することにより得られ
る。 BMA:n−ブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート EHA:2−エチルヘキシルアクリレートAIBN:2
,2’−アゾビスイソブチロニトリル2)不揮発分:5
0℃、0.1mmHgで3時間乾燥ガードナー粘度(2
5℃):JIS K−5400(1979)4.2.2
 あわ粘度計による。
【0065】製造例11 (B)成分化合物B−7の製造   温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた
4つ口フラスコにオルトギ酸メチル206.0重量部及
び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル0.3重量部を仕込
み、撹拌下で氷冷してフラスコ内混合物を0〜5℃に保
った。次に5℃以下の温度でブチルビニルエーテル87
.7重量部を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した
。滴下終了後、5℃以下の温度を1時間保ち、ナトリウ
ムメチラートの30wt%メタノール溶液0.4重量部
を添加して反応を終了した。得られた生成物は、75〜
80℃(4mmHg)で蒸留することによって、有効分
98wt%のアセタール化物を得た。次に、温度計、デ
ィーンスタークトラップを挿入した還流冷却器、撹拌機
、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、得られた精製
アセタール化物618重量部、トリメチロールプロパン
134重量部及びp−トルエンスルホン酸4重量部を仕
込み、撹拌下で加熱し90℃を保った。反応の進行とと
もに脱メタノール反応が生じ、96重量部のメタノール
が回収されたところで反応を終了し、化合物B−7を得
た。
【0066】製造例12、13 (D)成分化合物D−1、D−2の製造  温度計、還
流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ
に、それぞれ第4表記載の量の初期仕込み溶剤(キシレ
ン)を仕込み、撹拌下で加熱し、80℃を保った。次に
80℃の温度で、第4表記載の組成の単量体及び重合開
始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより
等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を1時間保ち
、第4表記載の組成の重合開始剤溶液(追加触媒)を添
加し、さらに80℃の温度を4時間保ったところで反応
を終了し、それぞれ第4表記載の特性を有する化合物D
−1及びD−2を得た。
【0067】
【表4】
【0068】注  1)、2)不揮発分及び粘度の測定
は第2表の脚注と同様である。
【0069】製造例14 (C)成分の熱潜在性酸触媒の製造   撹拌機、温度計、滴下ロート、冷却管を装備した4
つ口フラスコに2−プロパノール315重量部を入れて
氷冷し、そこへカリウム−t−ブトキシド44.9重量
部を加えて溶解したのち、ジエチルエーテル300重量
部に溶かした塩化p−トルエンスルホニル53.4重量
部を30分間かけて滴下した。滴下後1時間で氷浴をは
ずし、さらに1時間反応させた。反応終了後、反応混合
物を水300重量部で3回洗浄したのち、モレキュラー
シーブ4A1/16[和光純薬(株)製]を加え脱水乾
燥処理を施し溶媒をエバポレーターにて留去することに
よりp−トルエンスルホン酸(1−メチルエチル)40
重量部(収率67%)を得た。得られた熱潜在性酸触媒
はキシレン238重量部にて溶解しp−トルエンスルホ
ン酸換算で10重量%に希釈した。
【0070】製造例15、16 製造例15については製造例14における2−プロパノ
ールの代わりに2−オクタノールを用い、製造例16に
ついては製造例14における塩化p−トルエンスルホニ
ルの代わりに塩化ドデシルベンゼンスルホニルを用いた
以外は、製造例14と同様な操作を行うことによって、
製造例15ではp−トルエンスルホン酸(1−メチルヘ
プチル)を収率72%で、また製造例16ではドデシル
ベンゼンスルホン酸(1−メチルエチル)を収率83%
で得た。得られた熱潜在性酸触媒は、製造例14と同様
にそれぞれp−トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼ
ンスルホン酸換算で10重量%となるようにキシレンに
て希釈した。
【0071】潜在化ポリカルボキシル化合物の製造実施
例1 (1)ポリカルボキシル化合物の製造   温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラス
コにトリメチロールプロパン134.0重量部、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸462.0重量部、メチルイソブチ
ルケトン149.0重量部を仕込み、撹拌しながら加熱
し還流温度を6時間保った。この後混合物の酸価(ピリ
ジン/水重量比=9/1混合液で約50倍に希釈し、9
0℃で30分間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準
溶液で滴定)が226以下になるまで加熱撹拌を継続す
ることによって、ポリカルボキシル化合物溶液を得た。
【0072】(2)潜在化カルボキシル化合物の製造 
 前記の方法で得られたポリカルボキシル化合物溶液を
用いて、前記と同様のフラスコに下記組成の混合物を仕
込み、室温で撹拌した。     前記のポリカルボキシル化合物溶液    2
48.3重量部    エチルビニルエーテル    
            108.0重量部    リ
ン酸モノオクチル                 
     0.6重量部    キシレン      
                        7
6.4重量部混合物の酸価が3以下となったところで反
応を終了したのち、キョーワード500[協和化学工業
(株)製、合成酸吸着剤]10重量部を添加し、室温で
48時間撹拌し、ろ別後、ろ液をエバポレーターにて3
6.0重量部の溶剤を留去することによって、有効分5
0wt%、ガードナー粘度[JISK−5400(19
79)4.2.2 あわ粘度計による]F−Gの潜在化
カルボキシル化合物溶液[1]を得た。
【0073】実施例2〜4 (1)ポリカルボキシル化合物の製造   実施例1(1)と同様のフラスコに第5表の組成の
混合物を仕込み、それぞれ実施例1(1)と同様の操作
を行い、混合物の酸価が実施例2では170、実施例3
では117、実施例4では145になるまで加熱撹拌を
継続することによって、それぞれポリカルボキシル化合
物溶液を得た。 (2)潜在化カルボキシル化合物の製造  第6表に示
す組成の混合物を用いて、実施例1(2)と同様の操作
を行うことによって、それぞれ第6表記載の特性を有す
る潜在化カルボキシル化合物溶液[2]〜[4]を得た
【0074】
【表5】
【0075】注 1)ダイセル化学工業(株)製、カプロラクトンポリオ
ール、水酸基価579、商品名 2)キング社製、ポリエステルジオール、不揮発分96
wt%、水酸基価235、商品名 3)キング社製、ウレタンジオール、不揮発分97.5
wt%、水酸基価350、商品名
【0076】
【表6】
【0077】実施例5 (1)ポリカルボキシル化合物の製造   温度計、ディーンスタークトラップを装着した還流
冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、シリコーン
KR−213[信越化学工業(株)製、メトキシシリコ
ーン化合物、メトキシ基当量160]480.0重量部
、ネオペンチルグリコール312.0重量部、p−トル
エンスルホン酸0.8重量部を仕込み、撹拌しながら加
熱し160℃の温度を保った。反応開始後、140℃以
上の温度で脱メタノール反応が進行し、96重量部のメ
タノールが得られるまで反応を継続した。次いで、ディ
ーンスタークトラップをはずし、フラスコ内にヘキサヒ
ドロ無水フタル酸462.0重量部及びメチルイソブチ
ルケトン288.7重量部を加え、実施例1(1)と同
様の操作を行い、混合物の酸価が117以下になるまで
加熱撹拌を継続することによってポリカルボキシル化合
物溶液を得た。
【0078】(2)潜在化カルボキシル化合物の製造 
 下記組成の混合物を実施例1(2)と同様の操作を行
ったのち、43重量部の溶剤をエバポレーターにて留去
することによって、有効分50wt%、ガードナー粘度
J−Kの潜在化カルボキシル化合物溶液[5]を得た。 実施例5(1)のポリカルボキシル化合物溶液    
  479.6重量部n−プロピルビニルエーテル  
                    129.0
重量部リン酸モノオクチル             
                     1.2重
量部キシレン                   
                     200.
6重量部
【0079】実施例6 (1)ポリカルボキシル化合物の製造   実施例1(1)と同様のフラスコにコロネートEH
[日本ポリウレタン工業(株)製、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートの三量体、イソシアネート含有量21wt
%、商品名]200.0重量部、12−ヒドロキシステ
アリン酸300.0重量部、酢酸ブチル125.0重量
部を仕込み、撹拌しながら加熱し100℃の温度を保っ
た。混合物中のイソシアネート含有量が0.1wt%以
下となったところで反応を終了しポリカルボキシル化合
物溶液を得た。
【0080】(2)潜在化カルボキシル化合物の製造 
 下記組成の混合物を実施例1(2)と同様の操作を行
ったのち、43重量部の溶剤をエバポレーターにて留去
することによって、有効分50wt%、ガードナー粘度
L−Mの潜在化カルボキシル化合物溶液[6]を得た。 実施例6(1)のポリカルボキシル化合物溶液    
   625.0重量部n−プロピルビニルエーテル 
                      129
.0重量部リン酸モノオクチル           
                        1
.5重量部キシレン                
                         
287.5重量部
【0081】実施例7 (1)ポリカルボキシル化合物の製造   実施例1(1)と同様のフラスコにコロネートEH
(前出)200.0重量部、グリシン75.1重量部、
N−メチルピロリドン68.8重量部を仕込み、実施例
6(1)と同様の操作を行うことによってポリカルボキ
シル化合物溶液を得た。 (2)潜在化カルボキシル化合物の製造  下記組成の
混合物を実施例1(2)と同様の操作を行ったのち、4
2重量部の溶剤をエバポレーターにて留去することによ
って、有効分50wt%、ガードナー粘度S−Tの潜在
化カルボキシル化合物溶液[7]を得た。 実施例7(1)のポリカルボキシル化合物溶液    
   343.9重量部3,4−ジヒドロ−2H−ピラ
ン                    126.
0重量部リン酸モノオクチル            
                       0.
8重量部メチルイソブチルケトン          
                 121.5重量部
【0082】実施例8 (1)α,β−不飽和化合物の製造   実施例1(1)のフラスコに、メタクリル酸86.
0重量部、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン100.9
重量部、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.2重量部
、35wt%塩酸0.1重量部を仕込み、50℃を保ち
ながら撹拌した。混合物の酸価が30以下となったとこ
ろで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移した
。得られた生成物は、分液ロート中で10wt%炭酸水
素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後、洗
浄液のpHが7以下になるまで200重量部の脱イオン
水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュラ
ーシーブ4A1/16[和光純薬(株)製]を加え、室
温で3日間乾燥することによって、95.1wt%の有
効分でα,β−不飽和化合物を得た。
【0083】(2)潜在化カルボキシル化合物の製造 
 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4
つ口フラスコにキシレン200.0重量部を仕込み、撹
拌下で加熱し100℃を保った。次に100℃の温度で
下記組成の混合物を2時間かけて等速滴下した。滴下終
了後、100℃の温度を30分間保ち、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル3.0重量部を酢酸n−ブチル
57.0重量部に溶かした溶液を添加し、さらに100
℃の温度を2時間保ったところで反応を終了し、有効分
50wt%、ガードナー粘度O−Pの潜在化カルボキシ
ル化合物溶液[8]を得た。     実施例8(1)のα,β−不飽和化合物   
 178.8重量部    n−ブチルメタクリレート
               100.0重量部  
  メチルメタクリレート             
      178.6重量部    2−エチルヘキ
シルアクリレート         135.4重量部
    酢酸n−ブチル              
           115.0重量部    2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル       32
.2重量部実施例1〜8を第7表にまとめて記す。
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】比較製造例1 化合物A−5の製造   温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた
4つ口フラスコにキシレン200重量部を仕込み、撹拌
下で加熱し80℃を保った。次に80℃の温度で下記成
分を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。     t−ブチルメタクリレート         
     142.0重量部    n−ブチルメタク
リレート              100.0重量
部    メチルメタクリレート          
        178.6重量部    2−エチル
ヘキシルアクリレート        105.4重量
部    酢酸n−ブチル             
           192.2重量部    2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル      21.
8重量部滴下終了後、80℃の温度を1時間保ち、酢酸
n−ブチル57.0重量部及び2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル3.0重量部を添加し、さらに80℃の
温度を4時間保つことによって、不揮発分52.8wt
%、ガードナー粘度(25℃)S−Tの化合物A−5を
得た。
【0087】1コートソリッドカラーへの応用実施例9
〜19 (1)塗料の製造   第8表の組成において、実施例9ではデナコールE
X−421、実施例10では化合物B−2、実施例11
ではケミナイトPZ−33、実施例12では化合物A−
4、実施例13ではコロネートEH、実施例14ではサ
イメル303、実施例15では化合物B−1、実施例1
6ではKR−214、実施例17では化合物B−7、実
施例19ではサイメル303を除いた混合物を、また、
実施例18では全原料をサンドミルに仕込み、粒度が1
0μm以下になるまで分散した。その後、実施例18で
はそのまま、また実施例9〜17及び実施例19では顔
料分散時に除いた原料をそれぞれ添加混合し、一液型塗
料とした。得られた各塗料はシンナー(キシレン/酢酸
ブチル=8/2重量比)で1ポイズ(ブルックフィール
ド型粘度計による20℃での測定値)に希釈したのち、
50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後、再び
粘度測定したところ、それぞれ第9表に示すように、ほ
とんど粘度増加が認められず、優れた貯蔵安定性を示し
た。
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】注 1)デナコールEX−421:ナガセ化学工業(株)製
ポリエポキシ化合物、エポキシ当量1552)ケミタイ
トPZ−33:日本触媒化学工業(株)製ポリアジリジ
ン、アジリジン含有量6.2mol/kg3)コロネー
トEH:日本ポリウレタン工業(株)製ヘキサメチレン
ジイソシアネート三量体、イソシアネート含有量21w
t% 4)サイメル303:三井サイアナミド(株)製メチル
化メラミン樹脂、不揮発分98wt% 5)KR−214:信越化学工業(株)製シリコーンワ
ニス、水酸基当量490、不揮発分70wt%6)二酸
化チタンJR−602:帝国化工(株)製ルチル型二酸
化チタン 7)モダフロー:モンサント社製レベリング剤8)10
%PTSA:p−トルエンスルホン酸の10wt%イソ
プロピルアルコール溶液 9)10%ピリジン:ピリジンの10wt%キシレン溶
【0091】(2)試験片の作成  リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.
4200[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚20
μmとなるよう電着塗料して175℃で25分間焼き付
け、さらに中塗塗料エピコNo.1500CPシーラー
[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmとな
るようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き
付けることにより試験板を作成した。次いで、前記(1
)の生塗料をそれぞれシンナー(キシレン/酢酸ブチル
=8/2重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4
、20℃で25秒)に希釈後、前記の方法で作成した試
験板にエアスプレーにて塗装し、第9表記載の条件で焼
き付けて試験片を作成した。塗膜性能を第9表に示すが
、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ、14
0℃の焼付条件下では優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性
、硬度を示した。
【0092】
【表11】
【0093】
【表12】
【0094】
【表13】
【0095】
【表14】
【0096】注 1)耐候性:サンシャインウェザーメーター[JIS 
B−7753]を用いて1000時間曝露後、塗膜の6
0度鏡面光沢度値[JIS K−5400(1979)
6.7  60度鏡面光沢度]を測定し、未露光時の光
沢時と比較。
【0097】比較例1、2 第10表の組成において、比較例1ではデナコールEX
−421、比較例2では製造例A−4(a)のポリカル
ボン酸を除いて、実施例9〜19と同様に顔料分散後、
塗料化した。
【0098】
【表15】
【0099】得られた塗料を実施例9〜19と同様にし
て貯蔵安定性試験を行ったところ、比較例2では第11
表に示すようにカルボキシル基とエポキシ基の架橋反応
において、両者の官能基とも、なんらブロックされてい
ないため、経時的に著しく粘度増加し、最終的には5日
でゲル化した。また、得られた塗料を用いて、実施例9
〜19と同様にして試験片を作成したところ、比較例1
(特開平1−104646号公報記載の技術)では、1
40℃の焼きつけでも十分な架橋塗膜が得られず、第1
1表に示すように耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度とも
に劣った。
【0100】
【表16】
【0101】2コート1ベークメタリックカラーの応用
実施例20〜23 (1)クリヤー塗料の製造   第12表の組成の原料を混合し一液型クリヤー塗料
とした。得られた各塗料は、実施例9〜19と同様にし
て貯蔵安定性試験を行ったところ、第13表に示すよう
に、いずれの場合もほとんど粘度増加が認められず、優
れた貯蔵安定性を示した。
【0102】(2)試験片の作成   得られた各生塗料は、実施例9〜19と同様にして
希釈した。次いで、実施例9〜19と同様の方法で作成
した試験板に、ベルコートNo.6000シルバーメタ
リックベースコート塗料[商品名、日本油脂(株)製]
をエアスプレーにてインターバル1分30秒、2ステー
ジで乾燥膜厚15μmになるように塗装し、20℃で3
分間セット後、前記の各希釈クリヤー塗料をエアスプレ
ー塗装し第13表記載の条件で焼き付けて試験片を作成
した。塗膜性能を第13表に示すが、いずれの場合も均
一でツヤのある塗膜が得られ、140℃の焼き付け条件
下では優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した
【0103】
【表17】
【0104】
【表18】
【0105】
【表19】
【0106】注  1)サンシャインウェザーメーター
[JIS B−7753]を用いて3000時間曝露後
、塗膜状態を目視判定した。
【0107】比較例3、4 第14表の組成の原料を用いて、クリヤー塗料を作成し
、実施例9〜19と同様にして貯蔵安定性試験を行った
ところ、比較例4では第15表に示すように、カルボキ
シル基とエポキシ基の架橋反応において、両者の官能基
ともなんらブロックされていないため、5日後にゲル化
した。また、得られた塗料を用いて、実施例20〜23
と同様にして試験片を作成したところ、比較例3(特開
平1−104646号公報記載の技術)では140℃の
焼付条件下で十分な架橋塗膜が得られず、第15表に示
すように耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度ともに劣った
【0108】
【表20】
【0109】
【表21】
【0110】1コートソリッドカラーへの応用実施例2
4〜34 (1)塗料の製造   第16表の組成において、実施例24ではデナコー
ルEX−421、実施例25では化合物B−2、実施例
26ではケミタイトPZ−33、実施例27では化合物
A−4、実施例28ではコロネートEH、実施例29で
はサイメル303、実施例30では化合物B−1、実施
例31ではKR−214、実施例32では化合物B−7
、実施例34ではサイメル303を除いた混合物を、ま
た、実施例33では全原料をサンドミルに仕込み、粒度
が10μm以下になるまで分散した。その後、実施例3
3ではそのまま、また実施例24〜32及び実施例34
では顔料分散時に除いた原料をそれぞれ添加混合し、一
液型塗料とした。得られた各塗料はシンナー(キシレン
/酢酸ブチル=8/2重量比)で1ポイズ(ブルックフ
ィールド型粘度計による20℃での測定値)に希釈した
のち、50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後
、再び粘度測定したところ、それぞれ第17表に示すよ
うに、ほとんど粘度増加が認められず、優れた貯蔵安定
性を示した。
【0111】
【表22】
【0112】
【表23】
【0113】注 1)デナコールEX−421:ナガセ化学工業(株)製
ポリエポキシ化合物、エポキシ当量1552)ケミタイ
トPZ−33:日本触媒化学工業(株)製ポリアジリジ
ン、アジリジン含有量6.2mol/kg3)コロネー
トEH:日本ポリウレタン工業(株)製ヘキサメチレン
ジイソシアネート三量体、イソシアネート含有量21w
t% 4)サイメル303:三井サイアナミド(株)製メチル
化メラミン樹脂、不揮発分98wt% 5)KR−214:信越化学工業(株)製シリコーンワ
ニス、水酸基当量490、不揮発分70wt%6)二酸
化チタンJR−602:帝国化工(株)製ルチル型二酸
化チタン 7)モダフロー:モンサント社製レベリング剤8)10
%PTSA:p−トルエンスルホン酸の10wt%イソ
プロピルアルコール溶液 9)10%ピリジン:ピリジンの10wt%キシレン溶
液10)C−1203:Vesturit  Cata
lyst  1203の略称、イムペックスケミカルス
(株)製、非イオン性熱潜在性酸触媒、不揮発分50重
量%11)酸触媒A:製造例14のp−トルエンスルホ
ン酸(1−メチルエチル)のキシレン溶液 12)酸触媒B:製造例15のp−トルエンスルホン酸
(1−メチルヘプチル)のキシレン溶液13)酸触媒C
:製造例16のドデシルベンゼンスルホン酸(1−メチ
ルエチル)のキシレン溶液14)酸触媒D:リン酸ジ2
−エチルヘキシル[和光純薬(株)製]の10重量%イ
ソブタノール溶液
【0114】(2)試験片の作成   リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアN
o.4200[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚
20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼
き付け、さらに中塗塗料エピコNo.1500CPシー
ラー[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μm
となるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間
焼き付けることにより試験板を作成した。次いで、前記
(1)の生塗料をそれぞれシンナー(キシレン/酢酸ブ
チル=8/2重量比)で塗装粘度(フォードカップNo
.4、20℃で25秒)に希釈後、前記の方法で作成し
た試験板にエアスプレーにて塗装し、第17表記載の条
件で焼き付けて試験片を作成した。塗膜性能を第17表
に示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得ら
れ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した

0115】
【表24】
【0116】
【表25】
【0117】
【表26】
【0118】
【表27】
【0119】注 1)PTSA:p−トルエンスルホン酸2)DDBSA
:ドデシルベンゼンスルホン酸3)曝露時間:1000
時間[第9表脚注1)と同じ]
【0120】比較例5 第18表の組成において、製造例A−4(a)のポリカ
ルボン酸を除いて、実施例24〜34と同様に顔料分散
後、塗料化した。得られた塗料を実施例24〜34と同
様にして貯蔵安定性試験を行ったところ、第19表に示
すようにカルボキシル基とエポキシ基の架橋反応におい
て、両者の官能基とも、なんらブロックされていないた
め、経時的に著しく粘度増加し、最終的には5日でゲル
化した。
【0121】
【表28】
【0122】注  1)第16表の脚注と同じである。
【0123】
【表29】
【0124】注 1)PTSA:p−トルエンスルホン酸2)曝露時間1
000時間[第9表脚注1)と同様]
【0125】2コ
ート1ベークメタリックカラーの応用実施例35〜41 (1)クリヤー塗料の製造   第20表の組成の原料を混合し一液型クリヤー塗料
とした。得られた各塗料は、実施例24〜34と同様に
して貯蔵安定性試験を行ったところ、第21表に示すよ
うに、いずれの場合もほとんど粘度増加が認められず、
優れた貯蔵安定性を示した。
【0126】(2)試験片の作成   得られた各生塗料は、実施例24〜34と同様にし
て希釈した。次いで、実施例24〜34と同様の方法で
作成した試験板に、ベルコートNo.6000シルバー
メタリックベースコート塗料[商品名、日本油脂(株)
製]をエアスプレーにてインターバル1分30秒、2ス
テージで乾燥膜厚15μmになるように塗装し、20℃
で3分間セット後、前記の各希釈クリヤー塗料をエアス
プレー塗装し第21表記載の条件で焼き付けて試験片を
作成した。塗膜性能を第21表に示すが、いずれの場合
も均一でツヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝
撃性、耐候性、硬度を示した。
【0127】
【表30】
【0128】注 1)〜3):第16表の脚注と同じ。 4)酸触媒E:塩化亜鉛のトリエチルアミン塩をジメチ
ルスルホキシドにて10重量%に希釈した溶液。 5)酸触媒F:3−メチル−2−ブチニルテトラメチレ
ンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートの50重
量%ジクロロエタン溶液。 6)酸触媒G:4−メトキシベンジルピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモネートの20重量%アセトン溶液。
【0129】
【表31】
【0130】
【表32】
【0131】注 1)PTSA:p−トルエンスルホン酸2)DDBSA
:ドデシルベンゼンスルホン酸3)曝露時間3000時
間[第13表脚注1)と同様)]
【0132】比較例6 第22表の組成の原料を用いて、クリヤー塗料を作成し
、実施例24〜34と同様にして貯蔵安定性試験を行っ
たところ、比較例6では第23表に示すように、カルボ
キシル基とエポキシ基の架橋反応において、両者の官能
基ともなんらブロックされていないため、5日後にゲル
化した。
【0133】
【表33】
【0134】注  1)第16表の脚注11)と同様で
ある。
【0135】
【表34】
【0136】注 1)PTSA:p−トルエンスルホン酸2)曝露時間3
000時間[第13表脚注1)と同様]
【0137】2
コート1ベークメタリックカラーへの応用 実施例42〜50 (1)クリヤー塗料の製造   第24表の組成の原料を混合し一液型クリヤー塗料
とした。得られた各塗料はシンナー(キシレン/酢酸n
−ブチル=8/2重量比)で1ポイズ(ブルックフィー
ルド型粘度計による20℃での測定値)に希釈したのち
、50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後、再
び粘度測定したところ、それぞれ第25表に示すように
、ほとんど粘度増加が認められず、優れた貯蔵安定性を
示した。
【0138】(2)試験片の作成   リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアN
o.4200[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚
20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼
付け、さらに中塗塗料エピコNo.1500CPシーラ
ー[商品名、日本油脂(株)製]を乾燥膜厚40μmと
なるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼
付けることにより試験板を作成した。次いで、ベルコー
トNo.6000シルバーメタリックベースコート塗料
[商品名、日本油脂(株)製]をエアスプレーにてイン
ターバル1分30秒、2ステージで乾燥膜厚15μmに
なるように塗装し、20℃で3分間セット後、前記(1
)のクリヤー塗料を塗装粘度(フォードカップNo.4
、20℃で25秒)に希釈した各塗料をエアスプレー塗
装し第25表記載の条件で焼付けて試験片を作成した。 塗膜性能を第25表に示すが、いずれの場合も均一でツ
ヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候
性、硬度を示した。
【0139】
【表35】
【0140】注 1)第7表の潜在化カルボキシル化合物溶液[1]〜[
8]と同じもの。 2)第3表の化合物(B−1〜B−6)と同じもの。 3)第16表脚注12)と同様 4)第20表脚注4)と同様
【0141】
【表36】
【0142】
【表37】
【0143】
【表38】
【0144】注 1)第7表の潜在化カルボキシル化合物溶液[1]〜[
8]と同じもの。 2)第3表の化合物(B−1〜B−6)と同じもの。 3)PTSA:p−トルエンスルホン酸4)曝露時間3
000時間[第13表脚注1)と同様]
【0145】比
較例7 実施例2(1)のポリカルボキシル化合物溶液33.1
重量部、化合物B−2100重量部、酸触媒−B2.0
重量部、モダフロー0.3重量部、キシレン10.0重
量部及び酢酸n−ブチル2.0重量部から成るクリヤー
塗料を作成し、実施例42〜50と同様にして貯蔵安定
性試験を行ったところ、実施例43に比較し潜在化カル
ボキシル化合物を用いていないため、3日後にゲル化し
た。
【0146】2コート1ベークメタリックカラーへの応
用 実施例51〜53 (1)クリヤー塗料の製造   第26表の組成の原料を混合し、一液型クリヤー塗
料とした。得られた各塗料はシンナー(キシレン/酢酸
n−ブチル=8/2重量比)で1ポイズ(ブルックフィ
ールド型粘度計による20℃での測定値)に希釈したの
ち、50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後、
再び粘度測定したところ、それぞれ第27表に示すよう
に、ほとんど粘度増加が認められず、優れた貯蔵安定性
を示した。
【0147】(2)試験片の作成   実施例9〜19(2)と同様にして作成した中塗塗
装を施した試験板に、ベルコートNo.6000シルバ
ーメタリックベースコート塗料[商品名、日本油脂(株
)製]をエアスプレーにてインターバル1分30秒、2
ステージで乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、20
℃で3分間セット後、前記(1)のクリヤー塗料を塗装
粘度(フォードカップNo.4、20℃で25秒)に希
釈した各塗料をエアスプレー塗装し、第27表記載の条
件で焼付けて作成した。塗膜性能を第27表に示すが、
いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ、優れた
耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
【0148】
【表39】
【0149】注 1)第7表の潜在化カルボキシル化合物溶液[1]と同
じもの。 2)化合物B−8 グリシジルメタクリレート28.4重量%、ヒドロキシ
エチルメタクリレート13.0重量%、ブチルメタクリ
レート10.0重量%、メチルメタクリレート24.7
重量%、2−エチルヘキシルアクリレート23.9重量
%から成る単量体混合物を化合物B−1(製造例5)と
同様にして合成した。不揮発分50wt%、ガードナー
粘度W。 3)化合物B−9 グリシジルメタクリレート28.4重量%、メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン8.3重量%、
ブチルメタクリレート20.0重量%、メチルメタクリ
レート27.7重量%、2−エチルヘキシルアクリレー
ト15.6重量%から成る単量体混合物を化合物B−1
(製造例5)と同様にして合成した。不揮発分50wt
%、ガードナー粘度U。 4)サイメル303:前出 5)コロネート2513 [商品名、日本ポリウレタン工業(株)製]、低温解離
無黄変型ブロックポリイソシアネート、不揮発分80w
t%、イソシアネート含有量10.2wt%。 6)第16表脚注12)と同様。
【0150】
【表40】
【0151】注 1)PTSA:p−トルエンスルホン酸2)曝露時間3
000時間[第13表脚注1)と同様]。
【0152】
【発明の効果】本発明の熱硬化性組成物は、化学性能、
物理性能及び耐候性に優れる硬化物を与えるとともに、
貯蔵安定性にも優れており、例えば、塗料、インク、接
着剤、成形品などに好適に用いられる。また、本発明の
潜在化カルボキシル化合物は上記性能を有する熱硬化性
組成物を提供するのに好適に用いられるとともに、本発
明の方法により効率的に製造することができる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一分子中に、一般式【化1】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基
    であって、R3とR4はたがいに結合してY1をヘテロ
    原子とする複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原
    子又はイオウ原子である)で表される官能基2個以上を
    有する化合物、(B)1分子中に、前記官能基と加熱に
    より化学結合を形成しうる反応性官能基2個以上を有す
    る化合物、及び場合により用いられる(C)加熱硬化時
    に活性を示す熱潜在性酸触媒を必須成分として含有して
    成る熱硬化性組成物。
  2. 【請求項2】(B)成分の反応性官能基がエポキシ基、
    シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、
    アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イ
    ソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテ
    ル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、ア
    ルキル化アミノメチロール基、アセタール基及びケター
    ル基の中から選ばれた少なくとも1種である請求項1記
    載の熱硬化性組成物。
  3. 【請求項3】(C)成分の熱潜在性酸触媒がプロトン酸
    あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイ
    ス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸
    エステル類、リン酸エステル類及びオニウム化合物の中
    から選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2記載
    の熱硬化性組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分及び/又は(B)成分がα,β
    −不飽和化合物の重合体である請求項1、2又は3記載
    の熱硬化性組成物。
  5. 【請求項5】(A)成分及び/又は(B)成分がポリエ
    ステル樹脂である請求項1、2又は3記載の熱硬化性組
    成物。
  6. 【請求項6】(D)1分子中に、(イ)一般式【化2】 (式中のR5、R6及びR7はそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、R8は炭素数1〜18の有機基
    であって、R7とR8はたがいに結合してY2をヘテロ
    原子とする複素環を形成していてもよく、Y2は酸素原
    子又はイオウ原子である)で表される官能基1個以上と
    、(ロ)該官能基と加熱により化学結合を形成しうる反
    応性官能基1個以上とを有する自己架橋型化合物、及び
    場合により用いられる(C)加熱硬化時に活性を示す熱
    潜在性酸触媒を必須成分とし、さらに場合により(A)
    1分子中に、一般式 【化3】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基
    であって、R3とR4はたがいに結合してY1をヘテロ
    原子とする複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原
    子又はイオウ原子である)で表される官能基2個以上を
    有する化合物、及び/又は(B)1分子中に、前記一般
    式[2]で表わされる官能基又は前記一般式[1]で表
    される官能基あるいはその両方と加熱により化学結合を
    形成しうる反応性官能基2個以上を有する化合物を含有
    して成る熱硬化性組成物。
  7. 【請求項7】(D)成分及び場合により用いられる(B
    )成分の反応性官能基がエポキシ基、シラノール基、ア
    ルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ
    基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、
    シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオ
    エーテル基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメ
    チロール基、アセタール基及びケタール基の中から選ば
    れた少なくとも1種である請求項6記載の熱硬化性組成
    物。
  8. 【請求項8】(C)成分の熱潜在性酸触媒がプロトン酸
    あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイ
    ス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸
    エステル類、リン酸エステル類及びオニウム化合物の中
    から選ばれた少なくとも1種である請求項6又は7記載
    の熱硬化性組成物。
  9. 【請求項9】(D)成分及び場合により用いられる(A
    )成分及び/又は(B)成分の中から選ばれた少なくと
    も1種がα,β−不飽和化合物の重合体である請求項6
    、7又は8記載の熱硬化性組成物。
  10. 【請求項10】(D)成分及び場合により用いられる(
    A)成分及び/又は(B)成分の中から選ばれた少なく
    とも1種がポリエステル樹脂である請求項6、7又は8
    記載の熱硬化性組成物。
  11. 【請求項11】1分子当たりカルボキシル基2個以上を
    有し、かつ酸当量1000g/mol以下及び数平均分
    子量4000以下のポリカルボキシル化合物において、
    該カルボキシル基をビニルエーテル化合物により、一般
    式【化4】 (式中のR9、R10及びR11はそれぞれ水素原子又
    は炭素数1〜18の有機基、R12は炭素数1〜18の
    有機基であって、R11とR12はたがいに結合してY
    3をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y
    3は酸素原子又はイオウ原子である)で表される官能基
    に変性させて成る潜在化カルボキシル化合物。
  12. 【請求項12】ポリカルボキシル化合物が、1分子当た
    りヒドロキシル基2個以上を有するポリオールと酸無水
    物とのハーフエステル化物である請求項11記載の潜在
    化カルボキシル化合物。
  13. 【請求項13】ポリカルボキシル化合物が、1分子当た
    りイソシアネート基2個以上を有するポリイソシアネー
    ト化合物とヒドロキシカルボン酸又はアミノ酸との付加
    体である請求項11記載の潜在化カルボキシル化合物。
  14. 【請求項14】ポリカルボキシル化合物が、ポリエステ
    ル樹脂である請求項11記載の潜在化カルボキシル化合
    物。
  15. 【請求項15】ポリカルボキシル化合物がアクリル樹脂
    である請求項11記載の潜在化カルボキシル化合物。
  16. 【請求項16】酸触媒の存在下、1分子当たりカルボキ
    シル基2個以上を有し、かつ酸当量1000g/mol
    以下及び数平均分子量4000以下のポリカルボキシル
    化合物をビニルエーテル化合物と反応させることを特徴
    とする請求項11ないし15のいずれかに記載の潜在化
    カルボキシル化合物の製造方法。
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